JPS641740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、多心ケーブルの各被覆線をコネクタ
の接触子のピツチに整合させるためのピツチ矯正
アダプタを有する電気コネクタに関するものであ
る。

近年モジユラーコネクタといわれる小型で安価
な電気コネクタが電話器や各種計測器等に使用さ
れている。

この種のモジユラーコネクタは、添付図面の第
１図の斜視図及び第２図の断面図にて開示される
ように、モジユラーコネクタプラグ１０とモジユ
ラーコネクタソケツト２０とから成るものであ
る。

一般に、モジユラーコネクタプラグ１０のハウ
ジング１１は、プラスチツク材料にて成形され、
上面の先端部には、複数の接触子３０を一定ピツ
チで受け入れる接触子受入れ溝１２が設けられ、
該接触子受入れ溝１２の後部には、ケーブル４０
をかしめてハウジング１１に固定するためのケー
ブル固定部１３を有している。さらにハウジング
１１の後方側面にはケーブル４０を受け入れるた
めのケーブル用開口１４が、そしてハウジング１
１の下面には、相手モジユラーコネクタソケツト
２０と嵌合してロツクするためのロツク部１５が
形成されている。上記ケーブル用開口１４の前方
の奥には、ケーブル４０の被覆線４１を受け入れ
るための被覆線受入穴１６が設けられている。

一方モジユラーコネクタソケツト２０は、側面
に設けた取付け溝２２にて取付パネル６０の取付
け開口部６１に固定されるようになつている。ハ
ウジング２１は、その前面に上記モジユラーコネ
クタプラグを受け入れる開口２３を有し、該開口
２３には上記プラグを挿入した際その接触子１２
と弾性的に接触する接触片２４が突出している。

以上のように構成されているモジユラーコネク
タのモジユラーコネクタプラグ１０とケーブルと
の接続方法は次の通りである。

ケーブル４０の外皮をむいて端末処理を行い
被覆線を所定の長さに露出する。

次に端末処理されたケーブル４０をハウジン
グ１０のケーブル用開口１４に挿入する。この
際ケーブル４０の各被覆線４１は被覆線受入れ
穴１６に挿入される。

次に、ハウジング１０のケーブル固定部１３
の上部よりカシメ治具（図示せず）を降下させ
てケーブル固定部１３を押圧して上記ケーブル
固定部１３を塑性変形せしめることにより、第
２図に示すごとくケーブル４０をハウジング１
０に固定させる。

次に、ハウジング１０の接触子受入れ溝１２
に接触子３０を挿入した後、該接触子３０の上
部より接触子圧入治具（図示せず）を降下させ
て接触子３０を接触子受入れ溝１２内に圧入す
ることにより、第２図に開示しているごとく、
接触子３０の先端部３１を被覆線４１の導線４
１′に食い込ませ、被覆線４１の導線４１′と接
触子３０とを電気的、機械的に接続させる。

以上のように構成されケーブル４０が接続され
る従来のモジユラーコネクタプラグ１０は、次の
ような問題点を有している。

すなわち、端末処理されたケーブル４０の被覆
線４１をハウジング１０のケーブル開口１４を経
由して被覆線受入れ穴１６に挿入する際に、被覆
線はそれ自身が細い上にケーブル開口１４の奥に
設けられた被覆線受入れ穴１６までの距離が長い
ため座屈しやすく、しかも各被覆線を全部一緒に
上記被覆線受入れ穴に挿入せねばならないので、
この挿入作業は困難である。特に被覆線４１の数
が多く、また第１図に示すモジユラーコネクタ専
用の平角ケーブルでなく、通常よく使用されてい
る第４図に示す丸形ケーブルの場合には、心線が
並列に並んでいないので、被覆線を１本１本電気
回路にしたがつて並列に手で並べ、かつ抑えなが
らケーブル開口１４の奥に設けられた被覆線受入
れ穴１６に挿入するが、被覆線のピツチが定まつ
ていないので上記挿入作業が困難となりコストア
ツプあるいは誤配線を招いていた。

本考案は、前述したような従来の問題点を解消
し、安価かつ簡単で作業性がよく信頼性の高い多
心ケーブル用の被覆線ピツチ矯正アダプタを有し
た電気コネクタを提供することを目的とするもの
である。

本考案は、多心ケーブルの各被覆線の導線先端
部に接続する複数の接触子を一定ピツチで配列す
る接触子受入れ溝と、該ピツチに各被覆線を配列
する被覆線受入れ穴と、上記ケーブルを受け入れ
てこれを保持するケーブル用開口とを有するハウ
ジングに、前記ケーブルの被覆線を前記被覆線受
入れ穴に挿入し、前記接触子受入れ溝に接触子を
配列後、接触子を被覆線に挿入して接続する電気
コネクタにおいて、 ハウジングから分離して形成され、上記複数の
被覆線を上記接触子と同一ピツチで配列する被覆
線挿入穴を有する被覆線ピツチ矯正アダプタを備
え、 上記被覆線ピツチ矯正アダプタは、被覆線の被
覆線挿入穴への挿入後、外力により変形して該覆
線を挟圧するカシメ部を備え、 上記ハウジングのケーブル用開口と接触子受入
れ溝との間には、上記被覆線ピツチ矯正アダプタ
を受け入れるアダプタ用開口が形成され、 上記被覆線ピツチ矯正アダプタをアダプタ用開
口に挿入した際、該被覆線ピツチ矯正アダプタの
被覆線挿入穴とハウジングの被覆線受入れ穴は、
それぞれの被覆線の配列ピツチが互いに対応して
形成されており、 上記ケーブルの各被覆線を被覆線ピツチ矯正ア
ダプタに挿入してからカシメ部を変形した後、該
ピツチ矯正アダプタをアダプタ開口に挿入するこ
とにより、被覆線が被覆線受入れ穴に挿入されて
組立られたことにより構成されている。

次に、添付図面の第３図及び第４図Ａ，Ｂに基
づき本考案の一実施例について説明する。

第３図は、本考案の一実施例のモジユラーコネ
クタプラグを示す断面図で、第４図Ａは、丸形ケ
ーブルの被覆線を並列に並べた状態を示す上記プ
ラグ用の被覆線ピツチ矯正アダプタの一部断面し
た斜視図である。

なお第１図および２図に示した従来のものと同
一個所には同一符号を付して示し、詳細説明は省
略する。

第３図に示すごとく、本実施例のモジユラーコ
ネクタプラグ１０Ａのハウジング１１Ａは、その
後方側面に丸形ケーブル８０を受け入れるための
ケーブル用開口１４Ａが設けられ、その奥に被覆
線ピツチ矯正アダプタ７０を受け入れるアダプタ
用開口１７を有し、さらに該アダプタ用開口１７
の奥に被覆線受入れ穴１６Ａが形成されている。

一方、アダプタ用開口１７に挿入される被覆線
ピツチ矯正アダプタ７０は、第４図Ａ，Ｂに開示
されているごとく、プラスチツク材料で成形され
ている。

該被覆線ピツチ矯正アダプタ７０は、その外形
および寸法が上記アダプタ用開口１７に挿入され
るに適したものとなつている。さらに上記アダプ
タ７０は、接触子３０のピツチと同一のピツチで
配列される被覆線挿入穴７１を複数有している。
該被覆線挿入穴７１の穴径は、被覆線８１の挿入
が比較的容易にできかつ、簡単には抜けない程度
となつており、さらに入口近傍は挿入容易にする
ためにテーパ状に少し大きくなつているテーパ部
７１′を有している。

さらに上記被覆線ピツチ矯正アダプタ７０Ａの
上面に、被覆線挿入穴７１の内側に突起７２″を
有するカシメ溝７２′によつてカシメ部７２が形
成されていて、該突起７２″が各被覆線８１を固
定している。このカシメ溝７２′は、被覆線挿入
穴７１に被覆線８１を挿入する前には、第４図Ｂ
に示すように該カシメ溝７２′の溝内に突起７２
となつていて、被覆線８１を被覆線挿入７１に
挿入し、上部よりカシメ治具（図示せず）を降下
させてカシメ溝７２内の突起７２を押圧する
と、該突起７２は第４図Ａに示すように塑性変
形し、被覆線挿入穴７１側に突起７２″を形成し
て、被覆線８１を被覆線ピツチ矯正アダプタ７０
Ａにかしめて挟着固定するようになつている。

このようなモジユラーコネクタプラグ１０Ａに
丸形ケーブル８０を接続する方法は次の通りであ
る。

ケーブル８０の外皮をむいて、被覆線８１を
任意の長さに露出させる。

次に露出された被覆線８１を、被覆線ピツチ
矯正アダプタ７０の被覆線挿入穴７１へ、電気
回路に対応する配列順序に従つて挿入する。す
ると挿入された被覆線は該被覆線ピツチ矯正ア
ダプタにより被覆線のピツチが矯正され被覆線
受入れ穴１６Ａと同一ピツチとなる。そして上
記被覆線ピツチ矯正アダプタ７０により前方に
引き出されている被覆線８１を所定の長さに測
長して被覆線の先端を揃えて切断する。しかる
後、またはこの切断と同時にカシメ工具により
カシメ溝７２内の突起７２を押圧して塑性変
形せしめ、被覆線８１を挟圧する（第４図Ａ参
照）。

次に被覆線ピツチ矯正アダプタ７０に取りつ
けられたケーブルをハウジング１０Ａのケーブ
ル用開口１４Ａに挿入する。すると被覆線８１
のピツチは被覆線受入れ穴１６Ａのピツチと整
合されているので心線８１は円滑に被覆線受入
れ穴１６Ａに挿入される。

次に、ハウジング１０Ａの固定部１３の上部
よりカシメ治具（図示せず）を降下させて押圧
して、第２図の場合と同様に、該固定部１３を
塑性変形せしめることにより、ケーブル８０を
ハウジング１０Ａに固定させる。

次に、ハウジング１０Ａの接触子受入れ溝１
２に接触子３０を挿入した後、該接触子３０の
上部より接触子圧入治具（図示せず）を降下さ
せて接触子３０を接触子受入れ溝１２内に圧入
することにより、第３図に開示しているごとく
接触子３０の先端部３１を被覆線８１の導線８
１′に食い込ませ、被覆線８１の導線８１′と接
触子３０とを電気的、機械的に接続される。か
くして、モジユラーコネクタプラグへのケーブ
ルの接続は完了する。

以上のように本考案によればケーブルの被覆線
は、被覆線ピツチ矯正アダプタを介してモジユラ
ーコネクタプラグの接触子ピツチと同一ピツチで
配列されしかも上記アダプタの塑性変形により挟
持されるので、被覆線のピツチ揃えが非常に困難
な多心丸形ケーブルであつても被覆線のピツチ揃
えが容易でしかもアダプタより抜けることがなく
なり、ケーブルのプラグへの接続作業が非常に簡
単化され、コストの低減と共に作業の確実化が図
れる。

第５図は本考案の他の実施例である。被覆線ピ
ツチ矯正アダプタ７０Ｂの上面の被覆線挿入穴７
１に対応した位置にカラーコード７３を施したも
のである。通常ケーブル８０の被覆線８１は、そ
の外皮に電気回路の識別等を行うため着色されて
いる。電気回路の識別のためのカラーコード７３
を被覆線８１の色彩と同じ色彩で施すことによ
り、ケーブル８０の被覆線８１を誤配線すること
なく配列できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のモジユラーコネクタのソケツト
及びプラグを示す斜視図、第２図は第１図のプラ
グのケーブルを接続したときの断面図、第３図は
本考案の一実施例のプラグでケーブルを接続した
ときの断面図、第４図Ａは第３図のプラグに用い
られる被覆線ピツチ矯正アダプタの一部破断斜視
図、第４図Ｂはその断面図、第５図は本考案の他
の実施例としての被覆線ピツチ矯正アダプタの斜
視図である。 １２……接触子受入れ溝、１４Ａ……ケーブル
用開口、１６Ａ……被覆線受入れ穴、１７……ア
ダプタ用開口、３０……接触子、７０Ａ……被覆
線ピツチ矯正アダプタ、７１……被覆線挿入穴、
７２……カシメ部、７３……カラーコード、８０
……多心ケーブル、８１……被覆線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 多心ケーブルの各被覆線の導線先端部に接続
   する複数の接触子を一定ピツチで配列する接触
   子受入れ溝と、該ピツチに各被覆線を配列する
   被覆線受入れ穴と、上記ケーブルを受け入れて
   これを保持するケーブル用開口とを有するハウ
   ジングに、前記ケーブルの被覆線を前記被覆線
   受入れ穴に挿入し、前記接触子受入れ溝に接触
   子を配列後、接触子を被覆線に押圧して接触す
   る電気コネクタにおいて、 ハウジングから分離して形成され、上記複数
   の被覆線を上記接触子と同一ピツチで配列する
   被覆線挿入穴を有する被覆線ピツチ矯正アダプ
   タを備え、 上記被覆線ピツチ矯正アダプタは、被覆線の
   被覆線挿入穴への挿入後、外力により変形して
   該被覆線を挟圧するカシメ部を備え、 上記ハウジングのケーブル用開口と接触子受
   入れ溝との間には、上記被覆線ピツチ矯正アダ
   プタを受け入れるアダプタ用開口が形成され、 上記被覆線ピツチ矯正アダプタをアダプタ用
   開口に挿入した際、該被覆線ピツチ矯正アダプ
   タの被覆線挿入穴とハウジングの被覆線受入れ
   穴は、それぞれの被覆線の配列ピツチが互いに
   対応して形成されており、 上記ケーブルの各被覆線を被覆線ピツチ強制
   アダプタに挿入してからカシメ部を変形した
   後、該ピツチ強制アダプタをアダプタ開口に挿
   入することにより、被覆線が被覆線受入れ穴に
   挿入されて組立てられた、 ことを特徴とする電気コネクタ。 (2) 被覆線ピツチ矯正アダプタは、被覆線挿入穴
   へ挿入される各被覆線の配列位置に該各被覆線
   の色彩と対応するカラーコードが施されている
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)
   項記載の電気コネクタ。