JPS5952069B2 - 使用インキ量予測装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は特に多くのインキを混合して作られた特色イ
ンキの印刷時の使用インキ量を予測する装置に関する。

建材、壁紙、包装用紙等の印刷又はグラビア印刷には特
色インキが用いられる。

この特色インキフは個々の目的に沿つて作られる特別な
色のインキであつて、通常、多くの色のインキを適当に
混合して作られている。このような特色インキは、その
印刷が済むと残つたインキが無駄となつてしまう。従つ
てインキ使用量が予め分かれば無駄にイ・ンキが残るこ
となく経済的である。従来は主として印刷現場の作業者
の経験によつてインキの使用量を予想したり、或いはグ
ラビア印刷では版の彫刻された分に相当する重量を測つ
てインキ使用量を予測していた。しかしながら、作業者
の勘に頼”る方法は極めて不正確であつて多量のインキ
が残つてしまつたり、又は不足してしまうことがあり、
追加のインキを作ることもある。この場合、前の特色イ
ンキと追加された特色インキの色をまつたく同じにする
ことが非常に困難である。又、版の彫刻された分に相応
する重量を測つて予測する方法は極めて手間が掛かり、
あまり正確でない欠点があつた。従つてこの発明の目的
は簡単且つ正確にインキ使用量を予測できるように構成
された装置を提供することである。

この発明によればこの目的は、光電変換装置によつて印
刷原稿に応じたアナログ信号を得、この光電変換装置か
らのアナロダ信号をＡ／Ｄ変換器によつてデジタル信号
に変換し、このＡ／Ｄ変換器の出力レベルをレベルカウ
ンタによつて各レベル毎にカウントし、このカウント値
とそのレベルに対応する原版上の網点の体積との積を各
レベル毎に求め、この結果得られた各レベル別の体積を
加算して原版上の網点の総体積を求め、この総体積の値
に所定の補正係数を掛けて使用インキ量を算出するよう
に構成した使用インキ量予測装置を用いることによつて
達成できる。

以下図面を参照してこの発明の実施例を詳細に説明する
。

第１図はカラースキヤナのスキヤニングドラムを用いて
グラビア印刷用の原版を作る場合に本願発明を適用した
実施例を示す。

図においてカラースキヤナ用のスキヤニングドラム１の
表面上に印刷原稿２を載置する。スキヤニングドラム１
は透明体で出来ており、このドラム１の内側に設けられ
た図示しない光源からのビーム状の光がドラム１を透し
て印刷原稿２上を走査される。印刷原稿２を透過した走
査光はフオトセルでなる読取ヘツド３によつて光電変換
されてアナログ信号が形成される。このアナログ信号は
次のＡ／Ｄ変換器４によつてデジタル信号に変換される
。このデジタル信号は入力アナログ信号の最大振幅を２
５６段階に分割した夫々の段階に対応して、全体で２５
６レベルを有している。このＡ／Ｄ変換器４の出力はシ
リアル（直列）信号であるため、後段のコンピユータ処
理に適合させるために各レベルに応じたパラレル（並列
）信号に直さなければならない。このシリアル／パラレ
ル（Ｓ／Ｐ）処理はＳ／Ｐ回路５で行なわれる。次にＳ
／Ｐ回路５の出力は色調調整回路６に送られる。この回
路６は原稿２の濃淡をこのシステムに最適な状態に調整
して測定誤差を少なくするためのものである。色調調整
回路６の出力デジタル信号はコアメモリ７に記憶される
。コアメモリ７の記憶内容は読み出されてテストチヤー
ト８上に記録されると同時に色調補正回路９に送られる
。この回路９はテストチヤート上に記録された再生パタ
ーンの色調をチエツクしてこの結果により制御される。
色調補正回路９により２５６レベルに正しく区分された
デジタル信号は次にシステムコントローラ１０を介して
各レベル毎に設けられたレベルカウンタ１１に送られて
レベノレカウントされる。

システムコントローラ］０としてはマイクロコンピユー
タを用いるのが望ましい。このレベルカウント動作はカ
ラースキヤナによる原稿２の走査が終了するまで続けら
れる。データの入力が終了したことをシステムコントロ
ーラ１０が検知すると、システムコントローラ１０から
終了信号がプログラムカウンタ１２に送られて１ステツ
プ進み、このカウンタ１２の出力でプログラムメモリ１
３から次のプログラムステツプが読み出されてシステム
コントローラ］０に送られる。

このプログラムメモリ］３からのプログラム出力に応じ
てシステムコントローラ１０はレベノレカウンタ１１の
カウントイ直とＲＯＭｌ４か”ら読み出した体積データ
との掛け算を実行する。ＲＯＭｌ４中の体積データは、
各レベルの画像信号により印刷原版に製版されるパター
ンドツト（網点）の体積であり、標準化された場合の各
レベルに対応するパターンドツト （網点）の体積が・
予め計算によつて求めて格納されている。このようにし
て２５６の各レベルに付いて各々のレベルカウンタの内
容と対応体積との積の値が求められると、再び゛プログ
ラムカウンタ］２の出力によりプログラムメモリ１３か
ら次のステツプのプログラノムが読み出されてシステム
コントローラ１０に送られる。システムコントローラＪ
Ｏはこのプログラムステツプが供給されると各レベル毎
に得られている積の値をすべて合算して原稿２のパター
ンドツト）（網点）の総体積を求める。

実際のグラビア印刷時にはパターンドツト （網点）中
の特色インキ全部が紙面上に転写されるわけではなく、
相当量のインキが原版上に残留する。このインキ残留量
は印刷速度、被印刷体、ドクター圧力、インキ粘′度、
インキ温度、室温、湿度等によつて夫々異なるため、実
際の印刷時には予め求めておいたこれらのデータをシス
テムコントローラ１０に送つて得られた総体積の値を補
正する。このようにして得られた補正総体積が１枚当り
のインキ予測使用ｊ量となり、これに印刷枚数を掛けれ
ば求めるインキ使用量が予測できる。このようにして得
られた予測値は必要に応じてプリンター］５に送つて打
ち出される。色調補正回路９の出力はインキ使用量の予
測演フ算に用いるとともに印刷原版の網点形成にも用い
られる。

このために色調補正回路９の出力はまずＰ／Ｓ変換回路
１６によつて並列信号から直列信号に変換され、次にこ
の直列にされたデジタル信号はＤ／Ａ変換器１７に送ら
れてアナログ信号に戻されて出力調整回路１８から出力
ヘツド１９に送られ、これを駆動する。出力ヘツド１９
は原版２０の表面に原稿２のパターンに応じたパターン
ドツト （網点）を製版する。このようにして原版２０
上に原稿２に対応した印刷原版が形成される。以下第２
図に示したフローチヤートにより第１図の回路の動作を
説明する。

例えばドラム１上に印刷原稿２がセツトされた段階でス
タート信号が出力されると、システムコントローラ１０
は初期Ｊ状態に設定される。スタート信号が入力される
と光ビームによる原稿２の走査が開始されて読取へツド
３から信号がシステムコントローラ１０に供給される。
この段階でシステムコントローラ１０は信号入力の有無
を検知し、データスタートの状，態であオ七ばデータ入
力指令を出す。デ゛一タスタートでなければスタートの
状態にシステムの動作を戻す。データ人力の段階ではデ
ータ信号とシステムのタイミング信号とが重ね合わされ
る。

この両者の−タイミング、即ちサンプリング信号のパル
ス位置とデータ信号のデータ位置との一致、不一致がチ
エツクされ、タイミングが一致していれば次のレベル分
けの段階に進む。タイミングが不一致のときはデータ入
力の前の段階に戻る。データ位置は：サンプリングパル
スに一致するようになつており、一致していないデータ
はノイズとみなしてリジエクトされ、次のデータが入力
されるときに自動的に消去され、ここで雑音除去操作が
行なわれる。レベル分けされたデータは次のレベルカウ
ントの段階でレベルカウンタ１１によりレベル毎に信号
数がカウントされる。

か＜して、すべての原稿面の走査が終るとデータが終了
し、このデータ終了を検知すれば次のレベルカウント数
×体積のス．テツプが開始される。データ終了でなけれ
ばデータ入力のステツプに戻される。レベルカウント数
×体積のステツプでは、予めデータ信号と製版されるパ
ターンドツト （網点）の体積との関係を求めておき、
各レベル毎にカウント数Ｎとパターンドツト （網点）
１個分の体積Ｖ，とを乗じてそのレベルの全体積ＶＬを
求める。即ち、ＶＬ＝ＮＸＶ， となる。

各レベルの全体積が求められたら次にレベル全体の体積
総和を求める。

製版される網点の全体積Ｖは、となる。

但し、Ｌ＝０、１、２、３、・・・・・・ ｘであり、
Ｌはレベルを表わす。このようにして求められた原版の
パターンドツト （網点）の全体積分のインキ量はＶと
なるが、実際には前述した理由によりＶより少ない値と
なり、その補正係数αとすると、補正インキ量ＶＦはＶ
Ｆ−α・Ｖ となる。

この補正された値ＶＦがプリンタ１５に出力される。実
際に実施された例としてグラビア三色機用の特色用の原
版を彫刻した場合のデータを示すと、まず印刷条件は、
印刷速度４０ｍ／Ｍｉｎ、印刷長さが１０００ｍ、ドク
ター圧力３ｋｇ、インキ粘度３０秒、インキ温度２４．
５℃、室温２５℃、湿度６０％であつた。

シリンダーサイズは展開した寸法が５１０ｍｍ×１００
０ｍｍであつた。この場合のインキ転写率４３％として
計算すると使用予測インキ量は２．３ｋｇ／Ｒとなつた
。これに対して実際に印刷した結果、使用インキ量は２
．２ｋｇ／Ｒであり、正確な予測が行なわれたことが分
る。以上述べたようにこの発明によれば簡単かつ正確に
インキ使用量を予測できるので、特色インキが無駄にな
らず、極めて経済的な印刷を行なうことができるように
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例によるインキ使用量予測装
置の概略構成を示すプロツク図、第２図は第１図の装置
の動作を説明するためのフローチヤートである。 ３ ・・・・・・読取へツド、４・・・・・・Ａ／Ｄ変
換器、７ ・・・・・・コアメモリ、１０・・・・・・
システムコントローラ、１１・・・・・ルベルカウンタ
、１２・・・・・・プログラムカウンタ、１３・・・・
・・プログラムメモリ、１４・・・・・・ＲＯＭ、１５
・ ・ ・ ・ ・ ・プリンター、１７・・・・・・
Ｄ／Ａ変換器、１９・・・・・・出力ヘツド、２０・・
・・・・原版。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ グラビアの特色印刷を行うに当つてインキの無駄を
   なくすために予めその印刷に使用されるインキ量を予測
   する装置であつて、印刷原稿の濃度に応じたアナログ信
   号を得る光電変換装置と、この光電変換装置の出力をデ
   ジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器と、このＡ／Ｄ変換
   器の出力レベルを各レベル毎にカウントするレベルカウ
   ンタと、レベルカウンタの計数値とそのレベルに対応す
   るグラビア印刷用原版上の網点の体積との積を各レベル
   毎に求める装置と、この結果得られた各レベル別の体積
   を加算してグラビア印刷用原版上の網点の総体積を求め
   る装置と、この総体積の値に所定の補正を行つて、１枚
   あたりのグラビア印刷に使用される特色インキ量を算出
   するとともに、これに印刷枚数を掛けて総インキ使用量
   を算出する装置とを有することを特徴とするグラビア印
   刷に於ける使用インキ量予測装置。