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JPS594502B2 - 低リンフエロクロムの製造方法 - Google Patents

低リンフエロクロムの製造方法

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Publication number
JPS594502B2
JPS594502B2 JP7187876A JP7187876A JPS594502B2 JP S594502 B2 JPS594502 B2 JP S594502B2 JP 7187876 A JP7187876 A JP 7187876A JP 7187876 A JP7187876 A JP 7187876A JP S594502 B2 JPS594502 B2 JP S594502B2
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JP
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slag
metal
phosphorus
chromium
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JP7187876A
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裕之 片山
実 稲富
和海 原島
三千寿 井藤
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低リンフェロクロムを安価に製造するための方
法に関する。
高クロム溶湯においては通常の酸化精錬による脱リンは
困難である。
なぜならば、通常成分の溶銑あるいは溶鋼では塩基度お
よび酸化鉄含有量の高いスラグ存在下で溶湯を酸化すれ
ば、リンをP2O5として溶湯から除去しリン酸カルシ
ウムとしてスラグ中に安定に存在せしめることができる
のに対し、鉄よりも酸化されやすいクロムやシリコンな
どの成分を数%以上含有する溶湯ではそれらの元素の酸
化が優先し、かつそれらの酸化物がスラグ中に移行して
脱リン能に悪影響を及ぼすので脱リンが困難になる。
特にステンレス鋼などのクロムを10%以上含有する溶
湯では、酸化精錬による脱リンは実質的には不可能とさ
れている。
したがって、成品である高クロム鋼のリン含有量は溶製
原料のリン含有量に直接支配されることになる。
特に低リンの高クロム溶鋼を得ようとして鉄源について
は低リンのものを選択使用あるいはクロム源添加前に十
分脱リン処理しても、クロム源側のリン含有量を低下で
きなければ成品リン含有量低減効果は小さい。
ステンレス鋼のクロム源としては現在束として高炭素フ
ェロクロムが用いられているが、高炭素フェロクロムは
最近、原料であるクロム鉄鉱石およびコークスのリン含
有量上昇に対応して、リン含有量が上昇している。
したがって、リン含有量規格値が低いステンレス鋼種、
特に構造用材などの溶接性が要求されるものや、加工性
に劣る高級ステンレスなどについては、そのリン規格値
を満足させる溶製方法が問題となっている。
製鋼段階で所定のリン含有量の高クロム鋼を溶製する方
法として最も採用しやすいのは低リンのクロム源を適当
量併用することである。
低リンのクロム源としては、高炭素フェロクロムとは全
く異なる原理で製造された金属クロムが市販されている
か、これはきわめて高価であり、溶鋼コストに及ぼす影
響が大きい。
したがって、金属クロムに代わる安価でかつリン含有量
の低いクロム源(特にフェロクロム)の製造法の開発が
強く要望されているゆえんである。
フェロクロムのリン含有量を従来法よりも低下させるた
めには次のような方向が考えられる。
(イ) クロム鉱石の還元剤からのリンインワットを減
少させる。
(ロ)フェロクロメを特殊な方法で脱リンする。
このうち、(イ)に関しては、還元剤として、例えばA
tやSiなどを用いれば品質的には有利であるが、還元
剤コストが高いので特殊な場合を除いて実用的ではない
還元剤として炭素質、特にコークスを用いるとすれば、
極力リン含有量の低いものを選択使用することは当然で
あるが、それに加えて使用量を極力減少できるような製
造工程をとることが望ましい。
従来の高炭素フェロクロムを経由する方法では大気中で
還元を行うために、コークスが雰囲気中の酸化性ガスと
反応して無駄に燃える量が多く、かつフェロクロムが・
はぼlo (直に近い炭素を溶解することから、コーク
ス原単位が高い。
鉄およびクロムの酸化物を還元するのに必要な炭素値を
100とすれば、実際には180〜250使用されてお
り、その結果としてリン含有量も高くなっている。
これを改善する方法としては、コントロールされた雰囲
気下で加熱して、無駄に燃える量を少なくシ、かつ直接
中〜低炭素のフェロクロムを得ることができれば望まし
い。
これを可能にする方法の一つとして、粉砕したクロム鉱
石とコークスとを混合、成型して減圧下で加熱還元して
低炭素フェロクロメを直接製造する方法がある。
この方法では減圧下で行うためにコークスの無駄撚えが
少なく、フェロクロム中に溶解する炭素も少なくなるの
で、コークス原単位は30〜40%程度節減する。
その結果、得られるフェロクロムのリン含有量も30%
程度低下することが確認されている。
しかし、この方法では次のような欠点があり実用化に至
っていない。
(1)リン低下の割合が小さく、所謂、低リンステンレ
ス鋼溶製用としては不十分である。
(1i)後述のように得られたフェロクロムは多量の2
酸素を含有しており、かつ粉粒状であることから、従来
の製鋼法では使用しにくい。
前述の(ロ)の特殊脱リン法については、本発明者等は
さきに、金属カルシウムのようなアルカリ土類金属ある
いは炭化カルシウムのいずれかと、アルカリ土類金属の
弗化物あるいは塩化物のいずれかを主成分とするフラッ
クスを用い、非酸化性雰囲気下で溶湯を精錬する方法を
発明した(特願昭50−2943.50−99143号
)。
この方法においては、スラグ中に存在する金属カルシウ
ムによって。
3 (Ca ) + 2CP )→(Ca 3 P2
) (1)の反応により、溶湯中のリンはCa
3P2として脱リンされる。
なお、溶湯が炭素不飽和であれば炭化カルシウムを用い
ても、 (CaC2)→(Ca ) +2(C) (
2)の反応によりフラックス中に遊離金属カルシウムを
生ずる。
なお、上記反応式において、に)はスラグの成分、〔〕
はメタル中の成分をあられす。
また、以下の記述で、フラックスは溶湯へ添加前の精錬
剤を、スラグはフラックスを溶湯へ添加後の精錬剤を意
味する。
フラックス中のアルカリ土類金属の弗化物あるいは塩化
物はフラックスの融点を調節するとともに、金属カルシ
ウムを安定にスラグ中に存在させるために必要な成分で
ある。
この方法を低リンフェロクロム製造法として工業的に実
施するたにあたっては次のような技術的要求を満足する
ことが望ましい。
(イ) メタルとスラグ間のリンの分配比は平衡的には
スラグ中の金属カルシウム濃度に依存する。
スラグ中の金属カルシウム濃度はあまり高くすると蒸発
が激しくなり作業上問題を生ずるので。
安定して得られる金属カルシウム濃度範囲では分配比は
比較的小さい。
この条件下で低リンフェロクロムを得るためには処理前
のリン含有量も極力低いことが望ましい。
(ロ)金属カルシウムは高価である上、量産工程で多量
に用いるのは作業的にも問題であるから。
カルシウム源としては主として炭化カルシウムが望まし
い。
その場合には前述のように溶湯は炭素不飽和でなければ
ならないので、高炭素フェロクロムはあらかじめ炭素不
飽和化処理しなければ用いることはできない。
また、脱リンの結果として(2)式による加炭をおこす
ので、低炭素フェロクロムを処理した場合にはその低次
であるという特長を損う。
したがって、現行フエロクロムはいずれも脱リン処理の
対象としては不適当である。
(ハ)フェロクロムが固体の場合には脱リン反応速度は
小さすぎて実用的ではない。
したがってフェロクロムは溶融温度以上にすることが必
要であり、かつ反応速度アップとフラックス利用率アッ
プのために、できれば粒滴状態でスラグと接触させるこ
とが望ましい。
に)スラグ中の金属カルシウムを酸化消耗させないため
には溶融フェロクロムは酸化性スラグの捲き込みや大気
中での再酸化による酸化物を極力伴なわないことが望ま
しい。
通常の方法で溶湯をスプレー化して得られた溶滴では酸
化膜の存在が問題であり、一方、減圧固相還元法では脈
石分の随伴が問題である。
したがって、効率よく安価に低リンフェロクロムを得る
ためには。
(1)脱リン処理の原料となるフェロクロムは安価な方
法で製造された炭素不飽和のできるだけリン含有量の低
い粉粒状のものであり、 (2)これを効率よく溶融、かつ脱酸できるような方法
で加熱し、比表面積の大きな溶滴の状態でスラグと反応
させる。
などが望ましい条件としてあげられる。
本発明は以上のような事情に鑑みて種々検討の結果得ら
れたもので、効率よく安価に低リンフェロクロムを製造
する方法として。
クロム鉄鉱石と、クロム鉄鉱石中のCr 、Feを還元
するのに要する理論値の100〜160%の炭素質材配
合比となる量の炭素質還元剤を粉砕、混合、成型したも
のを、10−2〜100mmHgの減圧下で1300〜
1550℃の温度域に加熱した後、粉砕して、比重6.
0以上の粉粒体を分離採暇する第1工程と、 該粉粒体を非酸化性プラズマアーク中に供給して得られ
た溶滴を、Ca、Ca合金、CaC2の少なくとも1種
と、アルカリ土類金属の弗化物、塩化物の少なくとも1
種からなるフラックスを添加して形成したスラグ層中を
滴下させる第2工程とからなることを特徴とする低燐フ
ェロクロムの製造方法である。
以下、具体的な実施例によって詳細に説明する。
く第1工程〉 クロム鉄鉱石に対して同鉱石中のCr2O3およびFe
Oを式(3) 、 (4)により。
Cr O+3C−+2Cr+3CO(3)3 FeO+C−+ Fe十CO(4) CrおよびFeにまで還元するに要する理論値の100
〜160%の炭素材を配合し、さらにベントナイト等の
結合剤を配合した後、これらの混合物を200メツシュ
飾通過分60%以上となる迄微粉砕し、水を加えて混錬
した後1皿型造粒機において直径5〜20m7ILのペ
レットに造粒する。
原料のクロム鉄鉱石は目標とするフェロクロムの品位に
応じて1種または数種の銘柄を選んで使用する。
一般に本工程で使用するクロム鉄鉱石は粉砕作業の面か
ら粉鉱石が望ましいが塊鉱石も勿論使用可能である。
また炭素材としては他工業で発生する篩下の粉コークス
を使用するのが有利であるが、一般のコークス、石炭等
も使用しつる。
前述の炭素材配合比が100%未満では未還元で残る鉄
、クロム量がふえ、メタル歩留か低下するので好ましく
ない。
一方、炭素配合比が160%以上では第1工程で得られ
るフェロクロム粒の炭素量が高くなりすぎるとともに、
減圧固相還元時のメタル分の粒化が不良となるので好ま
しくない。
混合物の粉砕粒度は反応促進という見地からは細かい方
がよいが、粉砕動力が増加するので工業的には200メ
ツシュ篩通過分50〜90%程度とするのが望ましい。
なお、各原料は夫々単独で粉砕してもよいが、各原料を
同時に混合粉砕した方がペレットの均質性、物理的強度
等の面で良い結果が得られやすい。
造粒のための調質水は予めその50〜90%を添加して
よく混錬し1皿型造粒機において残りの水分を添加しな
がらペレットに造粒する。
ペレットの粒径は、乾燥および加熱還元における効率の
面から5〜20訂、好ましくは7〜15ynmとするの
が良い。
得られた生ペレットはまず乾燥を行う。
乾燥はバンドドライヤー、シャフトドライヤー、ロータ
リードライヤー等の単独乾燥機を用いて行う。
乾燥ペレットは直接、後述のように減圧下で加熱還元し
てもよいが、使用エネルギーコスト低減のためには大気
圧下で、予備還元すればよい。
予備還元はロータリーキルン、グレートキルンあるいは
シャフトキルン等の加熱炉に装入し1250〜1500
℃の温度で加熱し、ペレット表面に再酸化による炭素材
の欠乏を生じないような条件でクロム、鉄の還元を行わ
せる。
乾燥ペレットあるいは予備還元した還元ペレットは、減
圧下で加熱できる設備を用いて還元を行う。
減圧室内でペレットを収納する容器としては炭素質のも
のを用いることができる。
従来の減圧固相還元諸方法では、低炭素フェロクロムを
直接製造するといつ目的から滲炭がおこらないように収
納容器としては酸化物系耐火物(特に高アルミナ系)を
用いている。
酸化物系耐火物を用いた場合には高価であること(真空
下で安定なように純度の高いものが要求されるため)、
ヒートショックによる割れがおこりやすいので効率的な
温度パターン(予熱したペレットの使用など)が採用で
きないことに加えて熱伝導率か小さいので、加熱は耐火
物を通して行いにくいという欠点がある。
これに対して本発明においては、第1工程では必ずしも
炭素含有量のきわめて低いものを作る必要はないので炭
素質容器を用いることができる。
炭素質容器を用いるとヒートショックに強く、また熱伝
導度が大きいことを利「して効率的な加熱パターンを採
用することができ生産性を上げられる。
場合によっては炭素質容器自体を発熱体として効率よく
加熱を行うことができる。
本発明における減圧加熱処理の目的は、雰囲気の00分
圧を低下させることにより、大気圧下では経済的に行い
がたいがたい高還元度域での還元を炭素不飽和状態で進
行させるとともに、メタル分と脈石分の固相分離を可能
にするために、メタル分の凝集粒化をおこさせるどとに
ある。
後者のための必要条件は、前者のそれよりもきびしいの
で、減圧処理時の到達温度、真空度、保持時間などは、
メタル分の凝集粒化のための必要条件によって決定され
る。
ペレットの加熱温度が1300℃以下ではメタル分の凝
集粒化がほとんど進行しない。
一方1550℃以上にするとメタル分の一部溶融あるい
は蒸発によるクロム収率が低下するので好ましくない。
圧力は100imHg以上ではメタル分の凝集粒化がお
こりに<<、一方10−♀ynw Hg以下ではメタル
分の蒸発ロスが増加するので好ましくない。
メタル分の凝集粒化のために必要な圧力の上限は、温度
が高いほど高くなるからクロム収率、処理時間などの点
から最も好ましい温度、真空度条件は1300〜150
0’C,0,1〜110m1Hの範囲である。
このような条件下では凝集粒化のために必要な最低保持
時間は約30分である。
また減圧処理中のクロム分のロスは1%以内(0,4%
程度)である。
なお、昇温途中から還元反応が進行するが、この時の圧
力は数10〜数100mmHgと高くしておいてもよい
これは、還元により生成したガスを排気するに要するエ
ネルギーを小さくするためにも、また対流伝熱を大きく
するためにも効果的である。
その場合所定の温度域に到達すれば、圧力を前記のよう
な条件に調整すればよい。
ペレット層が厚すぎると、発熱体から遠い部分が所定の
温度に達するまでの時間が長くなり、また各部分におけ
る温度差が大きくなり、メタル分を十分凝集粒化させる
という目的と、メタル分の蒸発ロスを小さくするという
条件を両立させることがむつかしくなる。
したがって、ペレット層か静止している場合には層の厚
さが20crrL以下が望ましい。
できればペレットを転動させることにより温度の均一化
をはかることが望ましい。
減圧加熱を終ったペレットは再酸化をおこさない温度(
約500℃以下)まで減圧下あるいは非酸化性ガス中で
冷却後大気中に摩り出す。
そして適当な手段により粉砕してメタル分と脈石分を単
体分離し、粉砕特性の差(すなわち粉砕後の粒度分布)
、比重差、磁気特性、浮遊特性の差などを利用して選別
する。
本発明においてはメタル分にはできるだけ非金属介在物
(未還元分、脈石分など)を伴なわないことが望ましい
しかし、実際的にはメタル分生には脈石を一部伴ってい
るいわゆる片刃状のものがある程度含まれることはやむ
を得ない。
第1図は採取するメタル分の比重の下限と、採取された
メタル分の平均酸素含有量の関係を示す。
後述する通り、第2工程から要求されるメタル分生の全
酸素量は2%以下であり、それを満足するためには採取
するメタル分粒子の比重下限値を6.0として選別すれ
ばよい。
以下では選別されたメタル分を主とする粒子(一部非金
属介在物を含有する)を便宜的にメタル分粒子と呼ぶこ
とにする。
メタル分粒子が湿式法で選別された場合には、再酸化を
おこさない温度(300°C)以下に加熱して十分に乾
燥した後第2工程に送られる。
〈第2工程〉 第2図は第2工程の処理に用いる設備の1例を示す。
3はプラズマトーチであり、非酸化性ガス。すなわちA
rなとの不活性ガス、あるいは炭化水素などの還元性ガ
スを作動ガスとする。
第1工程で得られたメタル分粒子はホッパー1より作動
ガスに連続的に供給することができる。
4および5は水冷鉄皮構造の密閉型炉殻である。
プラズマトーチから供給されたメタル分粒子はプラズマ
アーク中で溶融してプール7へ移行し、冷却凝固する。
脱リン用フラックスはホッパー2より炉内に供給され、
プラズマアークによって溶融され、溶融スラグ層6を形
成するが、溶滴は溶融スラグ層6を滴下する途中で脱リ
ン反応をおこす。
精錬反応を行わせている時は炉内へ大気の侵入を極力抑
制する必要があるので、例えば01Jング10,9によ
って密閉されていることが望ましい。
所定量のメタル分粒子を溶融し終って精錬を終ると、メ
タル分の凝固終了を待って、炉内へ酸化性ガスを供給し
ながらプラズマアークによりスラグの溶融加熱を行う。
これによりスラグ中のCa 、CaC2゜Ca3P2な
どは酸化されて、以後冷却してもスラグが大気中の大蒸
気と反応しても。
(Ca3P 2 ) +3H2C)→2 PHa +3
(CaU ) (5)の反応による有毒、有臭ガス(
PH3:フォスフイン)の発生を防止することができる
このスラグの酸化による無害化を行う際、粉塵、噴煙が
発生するのでダクト8により排ガスを吸引する。
以上の処理を終った後、炉殻の上部4を旋回して、炉内
の凝固物6,7をクレーンによりつりあげてとり出す。
この凝固ブロックは低リンフェロクロムの用途に応じて
適当なサイズに砕いて成品とする。
本工程で用いる脱リンフラックスは、Ca、Ca合金(
Ca−8iなど)、CaC2の少なくとも1種と、アル
カリ土類金属の弗化物あるいは塩化物の少なくとも1種
からなるものである。
前者はスラグ中に金属カルシウムを生成させるために必
要なもので、炭素ピックアップをおこすと好ましくない
時はCaあるいはCa合金を用いることが望ましいが、
そうでない場合は安価なCaC2ても同様の脱リン効果
が得られる。
後者はスラグ中に金属カルシウムおよび脱リン生成物で
あるCa3P2を安定に存在させるために必要なもので
、高温での安定性の点から弗化カルシウムが最も適して
いる。
プラズマアーク中でメタル分粒子が加熱溶融されると、
高温のためCの脱酸力が強くなり、含まれている酸素が
の反応により除去される。
溶融スラグがメタル分粒子によって持ち込まれる酸素に
よって多量に酸化されることは好ましくないので、メタ
ル分粒子の溶融、脱酸がプラズマ空間でおこるように条
件を定めることができる。
また、プラズマ雰囲気中にはCaの蒸気が存在している
ので、これによってメタル分の脱酸も行われる。
したがって、溶融前のメタル分粒子はある程度の酸素を
含有していても、溶融スラグに入る前にかなり除くこと
ができる。
したかって、スラグの脱リン能を害さない限界のメタル
分粒子中の酸素含有量は実験的に2%、以下と確認され
ている。
したがって前述のように、第1工程で採取するメタル分
粒子の酸素含有量がこの条件を満足するようにする必要
があり、採取するメタル分の比重の下限値は6.0とな
る。
なお、プラズマアークが同一の場所に照射されていると
、過熱してスラグのCaが蒸発しやすくなるので1例え
ば9を支点にトーチがゆっくり旋回できることが望まし
い。
これができれば、精錬終了後スラグを酸化して無害化す
る場合もメタルを再溶融しないで(すなわち復リンさせ
ることなく)行うことができる。
実施例 (1)・原 料 使用した各原料の分析値は次の通りである。
(2)ペレット製造工程 上記の原料を次のように配合してボールミルにて−32
5メツシユ重量%が60%程度になるように混合粉砕し
、クロム鉱石の5重量%の水を添加、混錬した。
次いで皿型造粒機にて適宜、水を撒布しつつ、平均粒径
約10mmのペレットにした。
得られたペレットは水分が0.2%以下になるまで乾燥
してドライペレットとした。
(3)減圧加熱処理 ドライペレットを皿状黒鉛容器に入れ、減圧室中・ 内
で黒鉛電極の抵抗発熱により加熱した。
ペレットの平均温度が1300℃までは雰囲気圧力50
〜100mmHgで、それ以上の温度では圧力1〜3
mmHgとして、1480℃まで加熱した。
ペレットの平均温度1350℃以上での保持時間は80
分とした。
加熱終了後のペレットは減圧下で500℃以下になるま
で保持してから大気中に取り出した。
(4)メタル分粒子の選別 湿式ボールミルを用いて軽粉砕し、これを篩分け、テー
ブル、湿式サイクロンを組合せた工程により比重6.0
以上の粒を選別、採取した。
得られたメタル分の平均分析値、粒度分布は次の通りで
ある。
なお、原料中のクロム分のうち93%がメタル分粒子と
して選別、採取された。
(5)プラズマ溶融、脱リン処理 第2図のようなプラズマ溶解炉でArを作動ガスとして
第1工程で得られたメタル分粒子を溶融し、同時に脱リ
ン用フラックスとして。
(a) カルシウムカーバイド: 15kg/ t
、精製螢石=6艙/1゜ (b) 金属カルシウム: 3に9/ t 、 精M
螢石: 6kllil/ t 0の2種類を添加した。
溶解終了後、炉内に大気を導入してArプラズマにより
スラグを加熱、溶融、酸化する。
上記処理終了後、炉蓋を旋回して炉内の凝固物を取り出
した。
1 メタル分の分析値は各フラックスに対して次の通
りである。
取り出した凝固物を破砕して、製鋼用原料とした。
なおスラグ分は風化により粉化するのでメタル分から容
易に分離された。
原料中のクロム分のうち、成品として91%が回収する
ことができた。
以上のような本発明は減圧固相還元による炭素不飽和フ
ェロクロム粒の直接製造と、プラズマアークによる溶融
と脱酸、および溶滴の金属カルシウムを含むフランクス
処理との組み合わせからなり、それぞれの工程の長所を
生かし、かつ短所を補い合う合理的な方法であって、安
価にかつ効率よく低リンフェロクロムを製造することが
できる。
すなわち1本発明の特徴を整理すると、 (a) 脱リン処理の原料である粒状フェロクロムは
鉱石から直接製造された安価な炭素不飽和のもので、か
つリンも通常のものより約30%低く第2工程の要求に
適合している。
(b) 減圧還元によって得られたフェロクロム粒子
は酸化物を一部含有しており、これをそのまま脱リンス
ラグと反応させるとスラグの酸化による脱リン力の低下
が懸念される。
しかしプラズマアークで溶融することにより、溶滴状態
で効果的に脱炭(いいかえれば脱酸)することができ、
スラグへの悪影響が小さい。
(c)ESR方式で再溶解する方法に比べると、電極を
作らなくてもよいこと、スラグが電気的性質の制約を受
けないので成分の可変範囲を広くとれることが脱リン効
率の点ですぐれている。
(d) プラズマを用いることにより、フェロクロム
へ復リンさせることなく、スラグを無害化できる。
(e) 得られる成品の形状は、用途に応じて任意の
サイズにすることができ、減圧固相還元で得られた粉粒
状のものより製鋼段階で用いやすい。
などである。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1工程においてメタル分として採増される粒
子の比重下限値と全メタル分粒子の平均酸素含有量の関
係を示す図、第2図は第2工程に用いるプラズマ溶融・
スラグ精錬設備の1例を示す図である。 1・・・・・・ホッパー、2・・・・・・ホッパー、3
・曲・プラズマトーチ、4,5・・・・・・密閉型炉殻
、6・・・・・・溶融スラグ層、γ・・・・・・プール
、8・・・・・・ダクト、9゜10・・・・・・0リン
グ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 クロム鉄鉱石と、クロム鉄鉱石中のCr 、 fe
    を還元するのに要する理論値の100〜160%の炭素
    質材配合比となる量の炭素質還元剤を粉砕、混合、成型
    したものを、10−2〜100iiHgの減圧下で13
    00〜1550℃の温度域に加熱した後、粉砕して、比
    重6.0以上の粉粒体を分離採取する第1工程と、 該粉粒体を非酸化性プラズマアーク中に供給して得られ
    た溶滴を、Ca、Ca合金、CaC2の少なくとも1種
    と、アルカリ土類金属の弗化物、塩化物の少なくとも1
    種からなるフラックスを添加して形成したスラグ層中を
    滴下させる第2工程とからなることを特徴とする低燐フ
    ェロクロムの製造方法。
JP7187876A 1976-06-18 1976-06-18 低リンフエロクロムの製造方法 Expired JPS594502B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7187876A JPS594502B2 (ja) 1976-06-18 1976-06-18 低リンフエロクロムの製造方法

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JP7187876A JPS594502B2 (ja) 1976-06-18 1976-06-18 低リンフエロクロムの製造方法

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JPS52155115A JPS52155115A (en) 1977-12-23
JPS594502B2 true JPS594502B2 (ja) 1984-01-30

Family

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JP7187876A Expired JPS594502B2 (ja) 1976-06-18 1976-06-18 低リンフエロクロムの製造方法

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JPH01173005A (ja) * 1987-12-28 1989-07-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 定偏波光ファイバ用フェルール
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