JPS5936760Y2 - 内燃機関のフライホイ−ル用ダイナミックダンパ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関のフライホイールの二次慣性力をエン
ジンの爆発−次慣性力を抑制するダイナミックダンパに
関し、より詳しくは構造が簡単でかつフライホイールの
二次慣性力を効率よく抑制することができるダイナミッ
クダンパに関する。

すなわち、本考案は、いわゆるティクのダンパの原理を
応用したもので、ダンパがフライホイールの二次慣性力
を抑制するため理想的な軌跡に沿って動き得るよう、（
ティクのダンパの原理によれば、フライホイール平面内
で転勤するダンパ自体の軌跡の半径及びダンパからフラ
イホイールの回転中心までの距離を適宜設定することに
より、抑制しようとする振動の周波数に合わせたダイナ
ミックダンパが構成できるものとされている。

）フライホイールの回転中心のまわりの一定半径の仮想
円上に複数のダンパ中心を設定し、該揺動中心のまわり
に前記回転中心と反対方向に凸形状をした円弧状ダンパ
摺動ガイドを形成し、該摺動ガイドにダンパを摺動可能
に装着したことを特徴とする内燃機関のフライホイール
ダンパである。

ここにダンパ摺動ガイドは円弧形状のスリットとなし該
スリットに沿い摺動可能にダンパを嵌合してもよく、ま
たダンパ摺動ガイドを円弧状に形成した棒ガイドとなし
該棒ガイドにダンパを摺動可能に貫挿してもよい。

本考案のダイナミックダンパを効率よく作用させるため
にはダンパが円弧状ダンパ摺動ガイドに最小の摺動摩擦
抵抗となるよう装着されガイドに沿って敏速に作動可能
であることが好ましい。

すなわちダイナミックダンパでは内燃機関の振動に見合
ったダンパ質量およびダンパ取付寸法がマツチングする
ことにより振動抑制効果が十分に発揮されるのであるが
、ダンパおよび摺動ガイド間の摺動摩擦抵抗が大きいと
フライホイールの振動に対するダンパの応答運動が低下
し従って微振動時には摩擦抵抗によりダンパが摺動せず
振動抑制を十分に果せないことが生じる。

かがる対策として本考案の実施例に示すようにダンパ摺
動ガイドおよびダンパ間にスラスト軸受を設けて摺動摩
擦抵抗を低減しダンパを敏速に作動させ振動抑制効果を
高めてもよい。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図で４行程４気筒機関のような内燃機関（図示せず
）のフライホイール１に二次慣性力を抑制するダンパ４
の摺動ガイド２を複数、図では４つ設けている。

より詳しくはフライホイール１の回転中心Ｏ６を中心と
して半径ｌの仮想円Ｃ１を描き、該仮想円Ｃ１上に等退
的に４つの揺動中心Ｏ５を中心にして半径がｈで一定幅
の円弧状スリット３ （第２図）を穿設してダンパ摺動
ガイド２を構成している。

ダンパ摺動ガイド２の詳細を第２図を参照して説明する
と、円弧状スリット３に断面がＣ字状をなしかつ円弧状
スリット３に対応して円弧状形状のガイド部材５を嵌合
固定し、該ガイド部材５のＣ字状部にダンパ４をスラス
トベアリング６を介して低摺動摩擦にて案内されるよう
に設ける。

ダンパ４は両端に位置する円板状頭部４ａおよび両頭部
４ａを連結する小径ピン４ｂからなりＨ形断面形状をし
ている。

なお１１は保護カバー、１２はフライホイールの回転を
クラッチ板に伝達するためのリングギアである。

第３図を参照して他の実施例を説明する。

前述の円弧状スリット３内に断面円形をしたガイド棒７
を半径りの円弧状に曲げて設置する。

本実施例のダンパ１４は前記円弧状スリット３に遊嵌合
する形状をしておりその中心部に穿設した貫通孔１４Ｃ
にスラストベアリング６を介してガイド棒７を貫挿し、
ガイド棒７に沿ってダンパ１４が低摺動摩擦にて案内さ
れるようになしている。

なお他の部品は第２図に示す実施例と同じである。

第４図に示す実施例は第２図に示す実施例と良く似てい
るが、ガイド部材５とフライホイール１を一体化し、換
言すればフライホイール１にスリツ）Ｃを穿設してＣ形
状断面となしその対向対面によりスラストベアリング６
を介してダンパ４のピン４ｂを低摺動摩擦にて支持して
いる。

第５図に示す実施例ではフライホイール１の円弧状スリ
ット３内に磁石１５を設置し、一方ダンパ２４はその周
面と内部とに磁極を有し周面の極性（例えばＮ）が磁石
１５のダンパに面する極性Ｎと同じになるよう選定して
おり、これによりダンパ２４は磁気反発力により低摺動
摩擦でスリット３内を案内される。

本考案のダイナミックダンパは主振動系、すなわちフラ
イホイールおよびフライホイールに連結した内燃機関に
振動角速度を生じるとダンパ４゜１４、２４が円弧状径
路に沿って移動してその振動角速度を抑制し打ち消す。

これにより、機関のアイドル回転時の回転安定性を向上
し、また回転安定性の向上によりアイドル回転数が低下
できることにより燃費特性の向上がはかれる。

第６図においてフライホイール１が矢印Ｒ方向に一定角
速度で回転している理想状態のときには振動角加速度が
なくダンパ４は位置Ａにある。

ところが機関の回転に第７図に実曲線Ｆで示すような振
動を伴うと、ダンパ４は円弧状のガイド３に沿って移動
する。

ここにダンパ４が第７図に破線Ｇで示すように前述の機
関の振動角加速度Ｆと逆位相であれば振動は全く抑制さ
れその系全体の角加速度は第７図の横軸Ｏに一致する。

視点を変えると、第７図の時間ｔ１における機関の振動
角加速度はあたかもダンパ４がＣ位置に移動したことに
相当し、これに対し実際のダンパ４がＣ位置と逆方向の
Ｂ位置に移動することにより振動角加速度が抑制される
ものである。

上述の実施例においてダンパとガイド間の摺動摩擦が低
減されることの重要性について説明すれば、ダンパ４が
かかる摺動摩擦によりＢ位置まで移動できず第６図のＤ
位置にあるとダンパによる補償角加速度は第７図中の破
線Ｇより小さくなり、このため機関の振動角加速度およ
びダンパの補償角加速度を合成した系全体の振動角加速
度は第７図鎖線Ｈで示すようになる。

従って摺動摩擦抵抗を低減させることによりより一部ア
イドル回転時の機関の作動安定性の向上がはかれ、また
作動が安定するのでアイドル回転数を低下できるため燃
費特性を向上できる。

本考案は、ダンパがティクのダンパの原理に従って動く
ようこのダンパの摺動ガイドを、フライホイールの回転
中心と反対方向に凸形状とした円弧状に形成し、この摺
動ガイドによってダンパの運動が規制されているので、
従来のこの種のフライホイール用ダイナミックダンパの
ように、ダンパが単にフライホイールの一部に接触した
だけで遠心場で不規則な転勤をしフライホイールに衝突
することによって騒音が発生するということがなく、し
かもフライホイールの二次慣性力を効率よく抑制するこ
とができる。

なお本考案の実施例ではフライホイールの二次慣性力を
抑制するものとして開示されているが、前述したティク
のダンパの原理により抑制しようとする振動の周波数を
適宜変え得ることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の正面図、第２図は第１図の■■−
■■線に沿う断面図、第３図から第５図は他の実施例の
第２図に対応する図、第６図は第１図のＶＩ部を拡大し
た作動説明図、第７図は振動角加速度一時間線図である
。 １・・・・・・フライホイール、２・・・・・・ダンパ
摺動ガイド、４．１４．２４・・・・・・ダンパ ６・
・・・・・スラストベアリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内燃機関のフライホイールの二次慣性力を抑制する
   ダイナミックダンパにおいて、フライホイールの回転中
   心のまわりの一定半径の仮想円上に複数のタッパの揺動
   中心を設定し、該揺動中心のまわりに前記回転中心と反
   対方向に凸形状をした円弧状ダンパ摺動ガイドを形威し
   、該摺動ガイドにダンパを摺動可能に装着したことを特
   徴とする内燃機関のフライホイール用ダイナミックダン
   パ。 ２ 前記ダンパ摺動ガイドおよびダンパ間にスラスト軸
   受を設けて摺動摩擦抵抗を低減してなる実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の内燃機関のフライホイール用ダイ
   ナミックダンパ。