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JPS5932416B2 - 加熱急硬性水硬性接合材及びその成形法 - Google Patents

加熱急硬性水硬性接合材及びその成形法

Info

Publication number
JPS5932416B2
JPS5932416B2 JP48009681A JP968173A JPS5932416B2 JP S5932416 B2 JPS5932416 B2 JP S5932416B2 JP 48009681 A JP48009681 A JP 48009681A JP 968173 A JP968173 A JP 968173A JP S5932416 B2 JPS5932416 B2 JP S5932416B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
rapidly
heated
temperature
water
Prior art date
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Expired
Application number
JP48009681A
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English (en)
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JPS4999322A (ja
Inventor
博 穀田
テイシヨウ オウ
順一 笠井
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Individual
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Individual
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Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP48009681A priority Critical patent/JPS5932416B2/ja
Publication of JPS4999322A publication Critical patent/JPS4999322A/ja
Publication of JPS5932416B2 publication Critical patent/JPS5932416B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、加熱急硬性水硬性接合材(以下サーモセット
セメントき称す)に関する。
水硬性接合材を用いて、安定な可使時間(又は凝結開始
時間)を得て而も加熱すれば急硬し、その上直ちに脱型
し得る成形法は未だかつて提案されたことはなかった。
従来の方法では、例えば早強セメントを加熱しても急硬
することはなく短時間(1時間以内)で急硬する急硬調
整セメントを調節することなく加熱すれば急硬し強度も
あるが、可使時間は短く、可使時間を普通セメントと同
様の2時間半き長く調節すれば加熱しても急硬はしなか
った。
又、常圧で雰囲気温度、熱伝導温度、遠赤外線、超音波
振動等の如何なる加熱手段によっても、加熱急硬し而も
約30分以内に1001<g/ci乃至350kg /
cyytもの脱型強度を発生することはなかった。
又同種又は異種のサーモセラセメント水和物を、異種水
和物又は成形された建材等と積層して、加熱により急硬
し成形せしめる方法もなかった。
しかるに、本発明の方法により、始めて単層又は複数層
の構造物を加熱し急硬せしめて速やかに脱型し量産成形
する方法が可能となった。
時間的には、加熱して10分〜30分後に脱型すること
が可能であるので連続生産ラインを用いることができる
又、工場生産を行う場合に、各工程における時間が一定
していなければ、連続又は半連続の量産ラインを設定す
るこさはできない。
常温で任意の時間に急硬する急硬調整セメントがある。
これは気温に応じて可使時間を調整し得る利点はあるが
、一方では特定条件に設定した急硬条件が午前午后の気
温の変化に応じて変動する欠点を有している。
従って四季にわたり気温の変動のある我国では、一定の
工程時間に現定される生産ラインは適用し難く、気温の
変化があっても成形作業時間中は凝結硬化することなく
望ましくは長時間にわたり凝結することはないが加熱し
て水和物が一定温度に昇温すると急速に硬化して脱型強
度を発生する、いわば熱硬化性合成樹脂の様な性質のあ
るサーモセットセメントが望まれていた。
本発明者による特公昭48−40444号の常温で任意
の時間に急硬せしめ得る急硬調整セメントや小野出社の
ジェットセメントは調節作用を主として有機化合物から
成る凝結調整剤(キレート剤という)により行っていて
、キレート剤のない条件では常温で15分前後の可使時
間しか有せず、可使時間を長くすれば硬化は緩慢となり
急硬はしないので急硬調整セメントにはならない。
また、キレート剤を加えて常温で1時間の可使時間に調
整しても夏季30℃以上では可使時間が20分前後と短
くなるので加熱して20分後には自然に硬化するが、夏
季30℃以上で1時間に可使時間を調整した場合は、加
熱して20分以内に水和物が80℃に達しても急激な硬
化はしない。
従って特願昭47−5561号(特公昭53−2496
8号)に提案した如く、可使時間1時間前後の急硬調整
セメントの水和物を15℃以下の温度に維持して可使時
間を延長して加熱急硬せしめる必要がある。
本発明の様な加熱急硬性水硬性接合材を使用して可使時
間内の任意の時間に加熱して急硬させる相形法の提案は
当業界においては始めてである。
本発明にかかる方法は成形作業を実癩するのに充分な可
使時間を有するサーモセットセメントを主材料とする水
和物を、自然温度下に保ち、凝結開始する以前の任意の
時間に加熱して60℃以上に昇温せしめることによりこ
れを急硬しで脱型強度を生せしめることより成る。
本発明にいうサーモセットセメントとは、大気温下で成
形作業を行うのに充分な可使時間を有しているが、凝結
硬化を開始する以前の任意の時間に加熱して水和物を一
定温度以上に昇温せしめると、急速に硬化して脱型強度
を発生するに至る水硬性接合材をいう。
かかるサーモセットセメントは夏季を含め四季を問わず
長時間の安定した可使時間を有している。
さらに詳細に述べれば、サーモセットセメントは、Ca
O・Al2O3水硬系化合物単独か、または之とCaO
・5102水硬系化合物との混合物のいずれかと、弗酸
又は弗化カルシウムを含む弗酸副生無水石膏もしくは燐
酸又は燐酸カルシウム及び弗酸又は弗化カルシウムを含
む燐酸副生無水石膏とを含むセメント、又はかかるセメ
ントに更に凝結調整作用を有する有機化合物を添加した
セメントであって、凝結開始する以前の任意の時間に加
熱すれは、成形水和物の温度が60℃以上に達すると急
速に硬化して脱型強度を発生するに至る加熱急硬性水硬
性接合材である。
上記セメントには、必要に応じて、半水石膏及び三水石
膏(副生石膏であるか否かは問わない)、石灰類(生石
灰、消石灰、ドロマイト、ドロマイトプラスター、これ
らの仮焼物等)、水ガラス又は合成樹脂等を添加しても
よい。
凝結調整剤としては、クエン酸又はその化合物、ケトカ
ルボン酸、アスコルビン酸、2−ケトグルコン酸、ケト
ゲルタール酸等がある。
本願発明で使用した弗酸副生石膏及び燐酸副生石膏の組
成は以下の通りである。
弗酸副生石膏(日東弗素の弗酸副生石膏)組成
含有量(wt、%) CaO38,2 80354,6 Sin21.5 Fe2034.2 CaF2米 1.2 99.7 米 石膏中にはHFの状態で弗素が存在している。
燐酸副生石膏(上野製副生石膏) 組成 含有量(wt、%) CaO39,3 SO:356.2 Sin20.7 F e 203 0.5 CaF 米10.3 P2O2−*−21,4 AI。
031.299.6 米1 石膏中には弗素がHFO形で一部存在している。
米2 石膏中には燐酸又は燐酸カルシウムの形で存在す
る。
サーモセットセメントは、二種類に大別される3その一
種は、CaO・A1゜03水硬系化合物(以下アルミナ
セメントと称す)と上記石膏類の中の一種又は二種以上
との任意の割合の混合物か、又は2等混合物に水和して
塩基性を示すCaO・5i02水硬系水硬物化以下ポル
トランドセメントと称す)や石灰類等の無機化合物か、
水和して強アルカリ性を示すアミン化合物の様な有機化
合物を含む塩基成分を30%以上含有する事のない水硬
性接合材である。
他の一種は、ポルトランドセメントを主成分とし、アル
ミナセメント10〜40部−実用的には15〜25部−
と前記石膏類5〜30部と凝結調整剤を含有する水硬性
接合材である。
ただし、副生石膏を使用した場合よりも可使時間はかな
り短かかった。
更に上記二種類の接合材に必要に応じて石灰類、水ガラ
ス、凝結調整作用を有する有機化合物、合成樹脂等の中
から選ばれた一種又は二種以上を任意に添加してなる水
硬性接合材もサーモセットセメントに属する。
凝結開始以前の任意の時間に加熱して急硬すれば条件を
満足する。
加熱することなく可使時間を調整し得る急硬調整セメン
トであっても充分な可使時間を有し可使時間中の任意の
時間に加熱して急硬すれば本発明の使用範囲にある。
しかしながら、これらの所謂常温硬化型の急硬調整セメ
ントは実用的には常温で可使時間を1時間以内に調整し
た場合にのみ加熱により急速に硬化するので無条件には
本発明に使用できない。
然したとえば2時間の可使時間に調整し、1時間半放置
して然る後加熱急硬せしめても凝結開始以前の任意の時
間に加熱急硬せしめる本発明の範囲内にあがる実用的に
は気温の変動を受けて、硬化時間に変動を生ずる。
セメント中のアルミナ成分やSO3成分の量が同じでも
アルミナ成分やSO2成分の性質は種類によって全く異
にしているので含有成分比をもって作用効果を限定する
事はできない。
前記アルミナ成分やSO3成分中に又微量の弗化物と燐
酸成分等が共存すると凝結時間が延長することも知られ
ているが、これらの成分が共存しても熱硬化をさまたげ
ないのでかまわない。
又焼成温度や粉末度によっても常温硬化には不適で熱硬
化に有効な場合がある。
本発明のサーモセットセメントを主材料にして熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂や有機化合物を共用し改善すること
もでき、かかる材料を用いて加熱急硬させることも本発
明の範囲内にある。
本発明にかかる方法においては、前述のようなサーモセ
ットセメントをその予定される凝結開始時間以前の任意
の時間までの間自然温度下に保ち、任意の時間に加熱し
てこれを60℃以上に昇温せしめる。
加熱を一定時間継続すればサーモセットセメントは急速
に硬化して高強度を生じ、容易に脱型強度を得るに至る
これに対し、60℃まで加熱しない場合は、凝結はする
が硬化はしない。
加熱の態様として特に限定はされないが、サーモセメン
ト水和物を型枠に注型して加熱硬化を行う場合には注型
水和物が加熱されて硬化する際に硬化収縮又は硬化膨張
するが、それに逆行して加熱により膨張又は収縮するこ
とのない性質を有する表面形成材を型枠に使用し成形す
ることが望ましい。
加熱により表面形成材が膨張し、又は加熱により水和物
が硬化収縮するならば、水和物の表面層は硬化の際必ず
破壊されて緻密にはならない。
ガラスや硬質又は半硬質合成樹脂をセキ板とし、常温で
アルミナセメント水和物を注型して光艷のある表面層を
成形する方法は公知であるが、仮に之を加熱硬化せしめ
ると、ガラスや硬質合成樹脂は膨張し、水和物硬化体は
収縮するので、セキ板と成形体の伸縮は逆行し表面層は
破壊して光艶を生じない。
通常加熱すれば水和物は硬化収縮するが此の際には、加
熱して収縮する性質のある、可塑剤を混入したプラスチ
ックや延伸フィルム、シート等をセキ板に使用すると、
セキ板と硬化体は加熱されても両方とも収縮性となって
緻密な表面層が得られる。
金属やガラスをセキ板とする場合は、加熱されて膨張す
るので硬化時に膨張する性質のサーモセットセメントを
使用しなければならない。
強圧をかけて圧締して膨張・収縮のひずみをおさえて、
加熱し硬化成形する方法もあるが、成形サイクルは遅く
、不良率も高く生産性は低い。
強圧をかけて圧締するのはセキ板と硬化体の加熱による
伸縮ひずみをおさえるこ吉にあって、理論的には可能で
も実際上は極めて困難である。
本発明の方法は、常圧で圧締することなく簡易な設備で
高サイクルに量産することを可能にする。
低圧に圧締しても、本発明の原理を使用する限り本発明
の範囲にあるのはいう迄もない。
本発明は複数局のサーモセットセメント成形物の成形に
用いることも可能である。
前述のような本発明による構造物を表面層とし、更に裏
打層を設けて複数個の構造物となすときは、表面層が加
熱により硬化するまで、裏打層の水和水を減少せしめる
ことのないように裏打層は保水し湿潤状態を保持する様
に成形することが望ましい。
裏打層には表面層と同−配合又は異なる配合のサーモセ
ットセメントや常温硬化水硬性接合剤の水和物や既に成
形された建材等を用いるこさができる。
本発明により処理されて成形された表面層の水和物は、
余剰水を吸水脱水されて理論値に近い水和水のみを保有
している。
裏打層の加熱に際し表面層がともに加熱されてその保有
する水和水を減少すると硬化不良となってしまい緻密な
表面層にはならない。
同一配合物質のサーモセットセメント水和物で表裏層を
構成するならば裏打層の水比が太きければ、表面層の硬
化する以前に乾燥することはなく、又例えば表面層は6
0℃で硬化を開始し裏打層は80℃で熱硬化するという
風に硬化温度を異にしたサーモセットセメント水和物を
使用しても表面層が硬化する迄湿潤状態を維持して有効
である。
其の他焼石膏の様に常温で急硬する水和物であってもて
も保水性が良いために余剰水を含んでいると加熱しても
保水して湿潤状態を維持しているので裏打層に用い得る
更に石膏ボード、硅カル板、石綿パルプ板、発泡コンク
リート等の様に含水し保水し湿潤する性質の成形された
建材を含水せしめて表面層が硬化する迄湿潤する様に保
持して使用することもできる。
遅硬性セメントは早期脱型はできないが使用は差支えな
い。
然し急硬しで発熱して乾燥し、表面層から脱水する性質
の短時間に急硬するセメントは適当でない。
さらに、サーモセットセメント水和物を加熱硬化成形す
るに当って、とくに表面層と裏打層とより成る複数層構
造物を成形するに当っては、これをほぼ閉鎖はするが完
全に密閉を避けて加熱硬化を行なうことが望ましい。
サーモセットセメント水和物を熱硬化せしめるには硬化
開始する様に均一に水和物温度を急上昇せしめる必要が
あり、又水不足を生せしめない様にする必要があり、そ
のために水和物を閉鎖することが望まれるが、他方密閉
すると気泡が拡散するので、密閉しないことが望まれる
本発明の様にサーモセットセメント水和物が必要保水量
で成形されていて、而も加熱し急硬する場合に、水不足
は硬化不良の原因となる。
普通セメントを加熱して、硬化を促進する場合に、保温
のためにシートを被せることは公知であるが仮に被せな
くとも硬化して硬化不良となることはない。
散水補水すれば足りる。
本発明のようにサーモセットセメントを閉鎖せずに加熱
して急硬させる場合には、第一に高温の雰囲気温度に、
注型した型枠をいれれば、雰囲気に接する面から硬化が
始り水和物の表面層は脱水されて硬化不良となるし、型
枠の下面から加熱しても気化熱の発生により熱は放散さ
れて上部層は温度急上昇せずに水不足を生じて硬化不良
となる。
打設水和物の温度が均一急上昇しないと本発明の目的を
充分に達しない。
第二に前述の様に水和物は必要保水量に保たれているの
で加熱されて水を蒸発すれば水不足となって硬化不良と
なるのは明らかである。
従って本発明の場合には打設水和物を閉鎖するこよが極
めて望ましい。
しかしながら之を密閉することも必ずしも望ましい結果
をもたらさない。
もし密閉するときは裏打層は余剰水を保有しているので
加熱されて気泡となり、一部を破壊する。
特に繊維類、軽量骨材には気泡を含んでいるので、顕著
である。
裏打層に石膏の様に常温急硬する水和物を使用する場合
には閉鎖しなくとも保水性が良いので硬化不良とはなら
ず、一方表面層は型枠等に接することにより閉鎖されて
いるので、かかる場合には特に閉鎖を伴わない加熱成形
が有効である。
湿潤含水した成型建材を裏打層に用いても湿潤保水して
いれば同様に閉鎖することなく加熱成形を行い得る。
しかしながら、これらの場合には成形建材自体が表面層
であるサーモセットセメントの閉鎖に用いられていると
いうことができる。
前記の様に処理し成形された表面層の水和物と、裏打層
に用いる水和物又は成形物とを、同時に加熱して硬化又
は乾燥させる際に生ずる硬化成形体の膨張収縮を成形体
の形状に用いる接合材の種類と、接合材に対する混水比
・含水比・骨材比・補強材の量と種類、及び成形物など
を選択して用いて水和物となし、同時に加熱し、硬化乾
燥せしめて寸法安定性のある積層物に成形することが望
ましい。
サーモセットセメントを用いて、緻密で硬度を有し而も
透水性の過少な美麗な表面層を有する構造物を、本発明
に従って熱硬化せしめて成形することもできる。
その際の方法としては例えば型枠に水和物を注型し、こ
れを浮氷を生せしめる様に加圧し、且余剰水をほぼ完全
に除去するこさにより構造物を成形する。
表面層を構成する水和物の水セメント比が太きければ加
熱硬化乾燥後に表面層にクラックを生ずるか又は脱水孔
を多数生じて緻密な表面層にはならない。
又水セメント比を小さくすれば高強度となって硬度は生
ずるが、表面層に細孔を多数生じて透水性を過少にする
こともできないし、また表面を美麗にすることもできな
い。
振動をかけ乍ら単に加圧し余剰水を除去しても脱水孔を
残存して緻密な表面層は得られない。
又加圧し真空脱水しても脱水面に目づまりを生じてほぼ
完全に脱水をすることができず、充分に真空脱水すれば
脱水孔を残存するこさになる。
真空脱水して後に加圧して成形するときも、水和物から
余剰水のみを脱水することは不可能であり過剰に脱水す
ると熱硬化すれは硬化不良となる。
又、理論水量で真空混錬し注型成形するとしても粒度や
粒子表面積や溶解度の差によりいつでも全く余剰水のな
い条件に混錬することはできないし、又、単に注型した
だけで気泡を残存しない様にはできない。
実際上公知技術では水和物の硬化前に、水和物から余剰
水のみを脱水することは不可能に近かった。
過剰に吸水すれば硬化不良となるし余剰水を残存すれば
細孔を残存することきなった。
かくて硬化不良を生ずることなく、表面からの透水性を
過少にすることは極めて困難であった。
之を証明する簡易な方法は顔料を混入して明色に発色す
るか又は発色を維持しているかどうかを調べればよく、
本発明の処理を行わない限り発色を長時間維持し、又明
色を発色することはない。
本発明においては型枠に注型した水和物を、加圧して余
剰水を側方に押出して浮水化せしめ、此の余剰水をほぼ
完全に吸水脱水することにより、熱硬化成形後に表面層
に気泡や蒸発孔を残存せしめない。
本発明の成形はサーモセットセメントを60℃以上に加
熱し急硬せしめるのでセメントに余剰水が残存していれ
ばこれが加熱に際して蒸発し、セメント硬化後にはセメ
ント中に蒸発孔を形成する。
本発明の方法はかかる結果をともなわずに上述のような
成形を可能ならしめる。
水和物を加圧して余剰水を浮水化せしめる手段には、水
和物の表面を破壊する事のない様に整形材で加圧するが
、凹凸のある整形材で加圧するか、水和物の一部分を加
圧して全体におしひろめるか、或は又加圧と吸水をかね
て、海綿状体、発泡製品、繊維材等を表面材とした整形
材で加圧する等の手段がある。
之等の手段は振動を加えながら行えば一層効果的である
以上本発明の態様を主として型枠注型により成形を中心
にしてその説明を行ったが、本発明は場合により型枠を
用いない成形に当っても用い得るものであることが明ら
かである。
次に実症例を示す。
実症例 1 ポルトランドセメント64部、アルミナセメント20部
、無水石膏10部、半水石膏5部、三水石膏1部の混合
セメントは常温で15分程度の可使時間しかなく調整に
キレート剤を要するが、ポルトランドセメント64部、
アルミナセメント18部、弗酸副生無水石膏15部、燐
酸副生三水石膏3部の混合セメントはキレート剤を必要
とせず充分な可使時間を有していて加熱して水和物温度
が80℃に達すれば急硬した。
実焔例 2 電気化学社製アルミナセメント(電化1号)と日東弗素
の弗酸副生石膏を60℃で焼成して無水石膏(600℃
焼成)との自由な割合の混合物はW/C=0.35の条
件で何れも可使時間は20℃で200分以上を示した。
可使時間はビカー針が2%沈む時を測定した。
2 (JX 2 Cl11x 8σの金属型枠に、S/
C=1 、W、/C=0.45に調整した各種混合セメ
ントを注型した後、湿潤養生箱にいれて80℃にサーモ
スタットを調整し30分加熱し、それより取出して15
分放冷し、直に強度を測定した。
代表的な結果は次表の通りである。実症例 3 実症例2と同様な試験方法で更に普通セメントをいれて
各種石膏を使用し試験した結果は下表の通りであった。
アルミナセメント電化1号に1 の記号で示す普通セ
メント PC 日東弗素の副生石膏600°焼成無水石膏C8 上野製三水石膏 2C8 実施例 4 実症例3におけるアルミナセメントを酸化第一鉄・第二
鉄・酸化チタンを成分として含有する旭硝子社製アルミ
ナセメント(商品名)アサヒフオンシュ)(H2と称す
)とし、普通セメントを酸化クローム、酸化マンガンを
含有する日本セメント社製早強ポルトランドセメント(
商品名スーパーベロ)(SVCと称す)に替えると可使
時間は延長し始発強度も良好であった。
実症例 5 更に実雄例4に使用したスーパーベロを64%とし、日
本セメント社製アルミナセメント1号を20%、前記弗
酸副生石膏の600℃焼成無水石膏12%、半水石膏4
%とした配合セメントは20℃で25分の可使時間しか
なかったが、アルミナセメントをアサヒフオンシュに替
えると可使時間は35℃で120分に延長し前記方法に
よる45分強度は175kg/cI?Lであった。
本実症例でアルミナセメントを10%以上とすれば60
℃〜100℃の間に水和物を昇温する事により短時間に
硬化し脱型できた。
実症例 6 日本セメント製超早強セメント 60部日本セ
メント製アルミナセメント2号 22日東弗素副生石
膏の600℃焼成無水石膏 8上野石膏製半水石膏
5クエン酸ソーダ(試薬)
■消石灰(試薬)
501 以上の配合をした処 可使時間は4時間以上を生じた。
標準モルタルに混合後1時間後に70℃の飽和蒸気で加
熱した。
直に脱型し、加熱停止後30分後の圧縮強度は105
kg/critを生じ、4週後には410 kg/ff
lとなった。
実症例 7 電化1号アルミナセメント85%、普通セメント5%、
前記弗酸副生無水石膏の600℃焼成無水石膏10%の
混合セメントは20℃における可使時間を200分以上
有しているが、このセメントのS/C=1 、W/C=
0.45のモルタルを鉄板型枠に注型し、型枠並にモル
タルに熱電対を挿入し赤外線ランプで加熱しなから昇温
状態を観察した。
モルタル温度が60℃を過ぎた頃急激な立上りを示した
が、之は硬化発熱を示しているものと考えられる。
又60℃に達した時に加熱をとめてみたが、その後やは
り急激な立上りを示して硬化した。
実症例 8 重量比でアルミナセメント85部、前記弗酸バイブロ焼
成の無水石膏10部、ポルトランドセメント5部の混合
セメント90部と緑色無機顔料10部とを水セメント比
(W/c ) =0.45、砂セメント比(S/C)=
1のモルタルに混錬して、エンボスされた0、1%厚軟
質シートをセキ板とした型枠↓こ、上記モルタルを1%
厚となる様に注型した。
之を凹凸面を有した半硬質スポンジで加圧しながら余剰
水を吸水脱水した。
此の後ガラス繊維を置き、更にW/C=0.6の上記配
合モルタルを3%厚となる様に裏打注型した。
之を軽くスポンジで吸水しながら整形し、その上をポl
Ji化ビニル製のフィルムで被い70℃にサーモスタッ
トの働く様に調整したスチーム養生室にいれて加熱し3
0分後に取出し直に脱型した。
白華は全くなく美麗な色彩模様を示した。
又1mの長さ変化を調べたが反りは微少であった。
本実症例に使用したセメントのS/C=1 、W/C=
0.45、モルタルの常温における可使時間は200分
以上で、30分70℃加熱15分放置後の圧縮強度は3
40kg/fflで、7日後は560 kg/crj、
となった。
実施例 9 実施例8に使用したモルタルを、型押した0、2%!レ
ザーをセキ板にした型枠に0.5%厚に注型し凹凸のあ
る硬質ゴムで叩打して余剰水を浮水化し、その後吸水マ
ットで吸水脱水し此の上にガラスマントを置き更に別に
アルミナセメント64部、弗酸副生無水石膏8部、亜硫
酸カルシウム8部、三水石膏2部、ポルトランドセメン
ト18部の混合セメントをW/C=0.7 、S/C=
1としたモルタルに調整して之を裏打層に注型した。
此の上にフィルムを被せて遠赤外線ランプで加熱した。
成形体が約70℃になった時には、既に表面層に硬化し
ていて裏打層は急速な硬化を示した。
直に脱型したところ表面層は美麗な色彩の凹凸模様を示
した。
又そりも生じていなかった。裏打層に用いたセメントの
常温における可使時間は200分以上で、そのS/C=
1 、W/C=0.45の30分間70℃雰囲気温度で
熱硬化した時の、加熱開始後45分強度は180 kg
/fflで7日後には490ky/iに達した。
実施例 10 実施例9の成型表面層の上にガラスマットをおいた後に
、焼石膏に0.03のクエン酸を混入して可使時間を延
長し、パーライトを骨材とし、W/C=0.8 、S/
C=0.5に調整して注型し9・海原とし更にマットを
入れて注型した。
石膏は保水性が良いので、閉鎖することなく80℃雰囲
気温度で加熱した。
30分後に加熱をとめて取出し冷却して脱型した。
表面層は美麗な模様を示し充分に硬化しており、裏打層
の石膏は硬化してなお湿潤していた。
裏打層に使用した焼石膏は常温でも急硬するが、アルミ
ナセメントと三水石膏や無水石膏を組合せてアルカリ水
でモルタルとすると常温で急硬する事なく加熱すると、
配合により温度を異にするが、急硬するので裏打層に使
用することができた。
ただし、副生石膏を使用した場合よりも可使時間はかな
り短かかった。
実施例 11 実症例80条件で成形する際に、鉄板を定盤にしその上
に型枠をおいて、成形水和物と鉄板に熱電対を取付けて
から鉄板を加熱し成形水和物の温度が60℃に達した時
に加熱をとめた。
その後6分後には硬化し脱型強度を発生したことが認め
られたので冷却し直ちに脱型した。
実施例 12 ポルトランドセメント62部、アルミナセメント20部
、前記弗酸副生無水石膏18部を混合してセメントとな
し、之をS/C=1 、W/C−〇、450モルタルと
し、延伸ポリプロピレン樹脂フィルムをセキ板とした型
枠に注型して1%厚となし、之を突棒で部分を加圧し乍
ら全体におしひろめて、余剰水を浮水化し、2等余剰水
をシリカゲルで吸水脱水し、さらに之に同一セメントの
S/C=1 、W/C=0.7のモルタルを2%厚とな
る様に注型し、その上から化学繊維布を振動を加えなが
ら圧入し、スポンジで整形しながら吸水した。
これをフィルムで被い遠赤外線加熱を行い成形体が80
℃になる迄加熱しさらに継続し加熱後30分後に之を止
めて冷却して脱型した。
1日後成形体に公知の試験法であるシリンダー水柱によ
る透水試験法を行ったが、透水量を測定できない程微少
であった。
又表面は平滑で光熱を有していた。
又表面層に砂の替りに真鋳粉を使用してみたが、金属で
表面を形成し、美麗でもあり又導電性の良い表面層とな
った。
参考例 実症例10において、ガラス繊維を使用することなくs
/c=2.W/C=0.45のモルタルを裏打して、同
様に熱硬化成形したが、3日後に反りを生じていた。
実施例 13 アルミナセメント90部、弗酸副生無水石膏5部、ポル
トランドセメント5部の配合のセメントに鉄銹色の顔料
を7%加えてS/C= 1 、 W/C=0.45のモ
ルタルに調整し自然石に似た凹凸模様のポlJ4化ビニ
ールのシートをセキ板にした型枠に、1%厚となる様に
注型し、前述と同様に加圧しながら余剰水を脱水し、更
にガラスマットを置いて、アルミナセメント60部、無
水石膏18部、ポルトランドセメント22部の配合セメ
ントのS/C=1.5 、W/C=0.7のモルタルを
3%厚に裏打し、その後吸水脱水し、更に小野田セメン
ト社製ジェットセメントにクエン酸0.3部を添加して
可使時間を延長し、之をセメント1:砂2:砂利3の配
合でW/C= 0.6コンクリートに混錬して50部厚
に注型した。
上にシートをかけて80℃のスチーム雰囲気温度で加熱
した。
型枠は鉄板で熱伝導効率がよく約30分で硬化した。
冷却して30分後に脱型したが、美麗な表面層のコンク
リート板ができた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 I CaO・Al2O3水硬系成分を単独に、又はこ
    れとCaO−8IO2水硬系成分との混合物、及び弗酸
    又は弗化カルシウムを含む弗酸副生無水石膏もしくは燐
    酸又は燐酸カルシウム及び弗酸又は弗化カルシウムを含
    む燐酸副生無水石膏を含有し、凝結開始する以前の任意
    の時間に、加熱して成形水和物を摂氏60°以上に昇温
    せしめることにより急硬し脱型硬度を発生するに至る加
    熱急硬性水硬性接合材。 2 Ca0−Al□03水硬系成分を単独に、又はこ
    れとCaO・S J 02水硬系成分との混合物、及び
    弗酸又は弗化カルシウムを含む弗酸副生無水石膏もしく
    は燐酸又は燐酸カルシウム及び弗酸又は弗化カルシウム
    を含む燐酸副生無水石膏を含有し、更に凝結調整作用を
    有する有機化合物を含有し、凝結開始する以前の任意の
    時間に、加熱して成形水和物を摂氏60°以上に昇温せ
    しめることにより急硬し脱型硬度を発生するに至る加熱
    急硬性水硬性接合材。
JP48009681A 1973-01-23 1973-01-23 加熱急硬性水硬性接合材及びその成形法 Expired JPS5932416B2 (ja)

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