JPS5913621B2 - ブロツクパネル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規なコンクリートブロックを用いた壁用の
ブロックパネルに関する。

従来のブロック壁施工は、並筋（縦筋用）コンクリート
ブロックの空洞内に鉄筋を通し隣接する目地にモルタル
を詰めながら積上げ、トップに梁を架して壁面とするた
め施工に手間取るばかりか、壁面の耐震強度も劣るもの
であった。

このため本発明は、上記壁用ブロックパネルの構成要素
として好適なコンクリートブロックを提供するものであ
り、更にこのコンクリートブロックを用い、縦横にＰＣ
鋼棒を挿入して内部応力を導入すると共に、建て込んだ
後、ＰＣ鋼棒挿通空隙ならびに内部に挾まれて配置され
たコンクリートブロックのある部分の空洞（縦穴）内に
共通にモルタルの如き硬化材料を充填しうるようにして
モルタル充填率を犬にし、強度を著しく増大させた壁用
コンクリートパネルを提供するものである。

本発明における縦筋用コンクリートブロックは縦筋挿通
用凹溝側の視準に切欠き段部゛を設けているため、横筋
ブロックと組み合せて空洞内にモルタルの如き硬化材料
を充填して一体化するときに有効である。

このブロックは中央部分の視準には切欠き段部を有して
いないため充分な圧縮強度をもっている。

また本発明におけるブロックパネルは、工場内又は現場
空地等における水平面上にコンクリートブロックを縦横
に並べ、かつ各ブロックの接合面に無機質系接着剤を用
いて接着し、所定の個所に縦張力、横張力用のＰＣ鋼棒
を挿入して作成する。

縦張力用ＰＣ鋼棒の緊張によって圧縮面が圧潰されない
ように、パネルの最外列におけるＰＣ鋼棒定着金具支持
部分たるコンクリートブロックの空洞（縦穴）内に予め
モルタル充填を行なって補強しておく。

縦横のＰＣ鋼棒の緊張によって応力が導入され、吊上げ
時に対する考慮をしである。

各縦方向ＰＣ鋼棒（縦筋）は例えはトルクレンチで２〜
３トン、横力向ＰＣ鋼棒は１．０トン程度で締める。

コンクリートパネルを壁用として建て込み、スラブ及び
臥梁と一体にコンクリートを打設するとき、パネル内の
縦横のＰＣ鋼棒挿通空隙内にモルタルを充填すると共に
、この空隙と縦筋ブロックの通路を通して各段コンクリ
−ドブ節ツクの所定の空洞内にもモルタルを充填するも
のである。

上述のように本発明パネルにおいては、パネルを建て込
む直前に各ＰＣ鋼棒を締め付けることに特長がある。

各ブロックの接合は、特殊接着セメントのごとき、無機
質系接着剤を用いており、２〜４日間で完全に硬化する
。

また目地の厚みは２〜３へ程度であり、ＰＣ鋼棒締付は
後、コンクリートを打設する故、ブロックおよび目地に
クラックの発生をみることはない。

パネルの製作は前述のように工場内又は現地近くで行な
うが、通常水平面上で最下段のパネルを作ったのち、絶
縁材たるビニールシート、フィルム等を介在させて５〜
６段を重ねて作成するため熟練を要せず容易に製作する
ことができる。

次に図面について本発明の詳細な説明する。

第１図は本発明に用いられるコンクリートブロックの斜
視図、第２図は１部破断正面図であって、中央と両側と
計３個の縦穴２ａ、２ｂ、２ａ（空洞）を有し、かつ両
端部に鉄筋挿通用の凹溝３を有する並筋（縦筋用）コン
クリートブロック１において、両端部の凹溝の視準４の
上下部分を所定の深さだけ切欠き段部５，５を形成した
ものである。

この切欠き段５，５によって凹溝３と縦穴２ａとが連通
ずる通路６，６が形成される。

したがって、このブロック自体を並べ、或は積重ねてモ
ルタルを充填すれば、通路を通ってモルタルが流入し、
凹溝３と縦穴２ａとが同時に充填され、一体化される。

また第３図および第４図に示すごとく、両側に縦筋挿通
用凹溝７を有し上面に横筋挿通用の凹溝８を有し、更に
下面に３個の行止まり縦穴（空洞）９ａ、９ｂ、９ａを
有する横筋用コンクリートブロック１０と、本発明ブロ
ックとを組合わせて並べ、或は積重ねることによっても
、前同様モルタルの充填率が向上する。

したがってブロックの各ブロックのモルタル充填率の向
上がはかられ、強化されたブロック集合体を容易に製作
することができる。

第５図は本発明のブロックパネルの１部を破断して示し
た正面図であり、第６図は側面図である。

このブロックパネル１１は多数のコンクリートブロック
を縦横に並べて接着し、所定個所にＰＣ鋼棒１２．１３
を挿通し緊張して内部応力を導入したものである。

ブロックパネル１１の縦方向の群は、横筋用コンクリー
トブロック１０．１０の凹溝８を向い合せて配置した部
分と、コンクリートブロック１０．１０の間に少なくと
も１個の縦筋用コンクリートブロック１を挾んで配置し
た部分との積層からなっている。

第５図の例では８個の横筋用コンクリートブロック１０
と、３個の縦筋用コンクリ−ドブ田ツク１を積み重ねて
おり、このような積層群と同じものを、横方向に多数列
（図では８列）並べている。

横方向のＰＣ鋼棒１３は、向い合せた横筋用コンクリー
トブロック１０．１０の凹溝８，８によって形成される
空隙に挿通され、両端の金物１４．１５に定着されてい
る。

縦方向のＰＣ鋼棒１２は隣接するコンクリートブロック
１０，１０の凹溝１，７又は、コンクリートブロック１
，１の凹溝３，３によって形成される空隙に挿通され、
上下端の金物１６゜１７によって定着されている。

上方の金物１６は後述するように建て込み時の吊上げ用
のシャンク２０を取付けるようになっている。

また縦方向のＰＣ鋼棒１２の金物１６，１７に接する上
下端ブロックの空洞９ａに、コンクリート、モルタル等
を充填し、硬化させて、応力導入時に圧縮面が圧潰され
ない様に締め付は用の補強しておく。

上記フロックパネル１１において、横筋用コンクリート
ブロック１０，１０と、両ブロック１０゜１０に挾まれ
た縦筋用ブロック１とで構成される部分は、第５図に示
すように、縦筋用ブロック１の両端に形成された切欠き
段部によって横筋用コンクリートブロックの両端空洞９
ａ、９ａに通ずる通路６が形成されている。

この通路６は、ブロックパネル１１を建て込み壁を構成
させ、床板、柱部のコンクリート打設する時に、ＰＣ鋼
棒挿通間隙からのモルタルの流入路となってブロックパ
ネルのモルタル充填率を高めることを保証している。

上記ブロックパネル１１を製作するには、工場内、又は
建設現地地域内における水平面に各ブロックを縦横に並
べ、かつ各ブロックの接合面に無機系接着剤を用いて接
着し、縦横にＰＣ鋼棒１２゜１３を挿通する。

縦方向ＰＣ鋼棒１２の定着金物１６．１７に接する部分
の空洞９ａには予めモルタルを充填し、硬化させて補強
しておくことは前述した通りである。

各ブロックを密に配置し、ＰＣ鋼棒１２，１３を緊張し
て内部に応力を導入する。

このように作った最下段パネルの上にビニールシート等
を介在させて５〜６段を重ねて作成する。

図示の例ではコンクリートブロックの隣接する縦目地の
１本おきに縦張力用鋼棒１２を挿通したが、すべての縦
目地に挿通してもよく、また縦横のブロック段列を増減
するときにはパネル大に応じ、吊上げ時のバランスを考
慮して挿通個所を決定する。

これらの張力用鋼棒を必要としないブロックの縦目地は
パネル建て力抜に差し筋を施す。

第７図はブロックパネル１１の上部の拡大斜視図、第８
図は同じく拡大断面図である。

パネル作成後、上部定着金物１６の穴１８にボルト又は
ピン１９を通してシャンク２０を取付け、クレーン等に
吊上げ、建て込み、その後シャンク２０を取外す。

金物１６の支持面に当る空洞９ａ、９ａは、締め付は補
強用のモルタルが充填されており、その他の空洞９ｂお
よび凹溝７，７で形成される空隙運びに第８図の凹溝８
，８で囲まれる空隙は、建て込み後現場打設時にモルタ
ルが充填される。

第９図は第５図に示すブロックパネル１１の建て刀の１
例を示す正面図であり、第１０図は同じく断面図である
。

基礎２１の上面に予め所定高さのベース２２を配置し、
パネル１１の下面に突出する定着金物１７をアンカー筋
２３に溶接し、また上刃の定着金物１６を上階のアンカ
ー筋２４に溶接し、更にパネル端面の定着金物１４．１
５相互に継ぎ筋２５で結び、中央に補強筋２６を配置し
、パネルの周辺に型枠（図示省略）を用いてコンクリー
ト打設する。

スラブ、臥梁のコンクリート打設によって継ぎ筋２５の
部分も一体に打設されるが、パネルの縦目地へは流入を
良くするためモルタルを充填する。

縦目地へのモルタル充填によって各縦目地から、コンク
リートブロック１の通路６を通って縦筋ブロック１の空
洞２ａ、２ａに流入すると共に、横筋ブロック１０の空
洞９ａ＋９ａにも流入し、硬化してパネルのモルタル充
填率が著しく向上され、強度を増加する。

但し各ブロックの中央の空洞２ｂ、９ｂはモルタル充填
はない。

なお上記各コンクリートブロック１，１０の素材中に適
量のスチールファイバー、′グラスファイバーの如き補
助骨材を混入しておけは、コンクリートブロックおよび
ブロックパネルの強度は−屑入となる。

上述のように本発明に用いられる縦筋（並筋）ブ崩ツク
は、縦穴（空洞）視準に切欠き段部を有しているため、
他のコンクリートブロック、特に横筋ブ田ツクと組み合
せてモルタル等を充填することにより空洞内へのモルタ
ル充填率を向上して、ブロックの積み重ねユニットの一
体化を有効ならしめる効果がある。

また本発明のブロックパネルは、各ブロックが接着剤に
よって目地部分が接合され、かつ縦横に張力用鋼棒を挿
通しているため、パネルの吊上げ建て込みに対する強度
を有している。

また縦張力用鋼棒の定着金物に接する部分のコンクリー
トブロックは空洞内にモルタルが充填され、補強されて
いるので、鋼棒緊張による圧縮面の圧潰を防止して内部
応力を確実に導入することができる。

更に、このパネルを壁位置に建て込んでスラブ、臥梁、
柱等のコンクリート打設時に、フロックパネルの上方か
ら各目地にモルタルを注入することにより、縦筋ブロッ
クの通路を介して縦筋ブロックの両側空洞と、これに連
なる横筋ブロックの空洞内にモルタルを充填することが
できるため、パネルのモルタル充填率を向上し、ブロッ
ク壁の強度を犬にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明に用いられるコンクリート
ブロックの斜視図および一部破断正面図、第３図および
第４図は通常の横筋用コンクリ−ドブ崩ツクの斜視図お
よび一部破断正面図、第５図ないし第１０図は本発明の
第２番目の発明の実施例を示すもので、第５図はブロッ
クパネルの一部破断正面図、第６図は側面図、第７図は
ブロックパネル上部の縦筋の納りを示す斜視図、第８図
は第７図の断面図、第９図はブロックパネルの建て上げ
時の正面図、第１０図は同じく断面図である。 １・・・・・・縦筋用（並筋）コンクリートブロック、
２ａ、２ｂ・・・・・・空洞（縦穴）、３・・・・・・
凹溝、４・・・・・・視準、５・・・・・・切欠き段部
、６・・・・・・通路、７，８・・・・・・凹溝、９ａ
、ｇｂ・・・・・・空洞、１０・・・・・・横筋用コ
ンクリートブロック、１１・・・・・・ブロックパネル
、１２・・・・・・縦張力用鋼棒、１３・・・・・・横
張力用鋼棒、１４．１５・・・・・・定着金物、１６，
１７・・・・・・定着金物、１８・・・・・・ピン挿通
穴、１９・・・・・・ピン、２０・・・・・・シャンク
、２１・・・・・・基礎、２２・・・・・・ベース、２
３．２４・・・・・・アンカー筋、２５・・・・・・継
ぎ筋、２６・・・・・・補強筋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数のコンクリートブロックを縦横に並べて接着し
   、所定個所にＰＣ鋼棒を挿入して内部応力を導入した壁
   用ブロックパネルにおいて、ブロックパネルは、両側に
   縦筋挿通用の凹溝が凹設され。 上面に横筋挿通用の凹溝が凹設され、更に前記両縦筋挿
   通用の凹溝の中間に下面に向って開口する複数の行止ま
   り縦穴（空洞）が形成されている横節用コンクリートブ
   ロックと、両側に縦筋挿通用の凹溝が凹設され、該両縦
   筋挿通用の凹溝の中間に前記横筋用コンクリートブロッ
   クの行止まり縦穴と対峙する位置に複数の縦穴（空洞）
   が貫設され、また前記縦筋挿通用の凹溝と該凹溝に隣接
   する縦穴との境壁の上下に切欠き段部が設けられている
   縦筋用（並筋）コンクリートブロックとを構成要素とし
   て構成され、前記ブロックパネルの縦方向におけるコン
   クリートブロックの群は、前記横筋用コンクリートブロ
   ックの横筋挿通用凹溝を互いに向い合せて当接配置した
   １組の横筋用コンクリートブロックよりなる部分と、該
   横筋用コンクリートブロックよりなる部分の横筋用コン
   クリートブロックの行止まり縦穴（空洞）の開口面と他
   の１組の横筋用コンクリートブロックよりなる部分の行
   止まり縦穴（空洞）の開口面との間に少なくとも１個の
   前記縦筋用コンクリートブロックを挾んで配置した部分
   とを単位として、前記画部分を上下に交互に積層接合し
   たものからなり、前記ブロックパネルは、前記縦方向に
   おけるコンクリートブロックの群を多数列横力向に並夕
   １ルて形成されており、前記横筋挿通用凹溝を互いに向
   い合せて当接配置した１組の横筋用コンクリートブロッ
   クの前記向い合った横筋挿通用凹溝により横筋挿通用空
   隙が形成され、前記縦方向におけるコンクリートブロッ
   クの群の間に、該縦方向におけるコンクリートブロック
   の群を形成する個々のコンクリートブロックの向い合っ
   た縦筋挿通用凹溝により縦筋挿通用空隙が形成され、ま
   た前記縦筋用コンクリートブロックの前述の縦筋挿通用
   の凹溝側の空洞の境壁の上下に設けられた切欠き段部に
   よって、プロフルパネルの建込み後に、前記横筋挿通用
   空隙および縦筋挿通用空隙を介して、前記縦筋用コンク
   リートブロックおよび該縦筋用コンクリートブロックの
   上下に当接されている横筋用コンクリートブロックのそ
   れぞれの縦筋挿通用凹溝側の各空洞内へモルタルのごと
   き硬化材料を送り込むことのできる通路が形成されてい
   ることを特徴とするブロックパネル。 ２ 縦筋用、横筋用の各コンクリートブロックは素材中
   に、スチールファイバー、グラスファイバーのごとき補
   強材の適量を混入している特許請求の範囲第１項記載の
   ブロックパネル。 ａ ＰＣ鋼棒は、横筋用コンクリートブロックの向い
   合せ凹溝内にブロックパネル巾方向全長に挿通された複
   数本の横方向（横張力用）ＰＣ鋼棒と、縦方向における
   コンクリートブロックの群における全部又は１本おきの
   縦筋挿通部に挿通された多数の縦方向（縦張力用）ＰＣ
   鋼棒とからなる特許請求の範囲第１項記載のブロックパ
   ネル。 ４ 縦方向ＰＣ鋼棒の上端定着金物には、パネル吊上げ
   用シャンクの取付孔を有している特許請求の範囲第１項
   又は第３項記載のブロックパネル。