JPS587057Y2 - ２サイクル内燃機関 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は２サイクルの内燃機関に関する。

従来、シリンダの内面にクランク室に連なる一対の掃気
口を互に対向して設けたいわゆるシュニューレ形掃気力
式の内燃機関において、排気口とは反対側の掃気口間の
部分の掃気を改善するために、吸気口の上方に副掃気口
を設けたものが知られている。

ところで、この副掃気口は当然クランク室に連通しなけ
ればならないが、この連通路を吸気路を迂回して設ける
と、シリンダの構造が複雑になってその製造コストが上
昇する不具合があった。

また連通路を吸気路に連通し、この吸気路を介してクラ
ンク室に連通させた場合には、シリンダの形状は簡単に
なるがピストンのスカート部に吸気口に対応して切欠部
を設けなければならず、ピストンの構造上好ましくない
ものとする。

本考案はこれらの不具合を改善するためになされたもの
で、シリンダの構造が簡単であるとともに、ピストンの
スカート部に切欠等を設ける必要もなく、シかも補助掃
気流の流路抵抗が少く掃気効率がより向上する２サイク
ル内燃機関を得ることを目的とする。

以下本考案を図面に示す一実施例にしたがって説明する
。

図中１はシリンダ、２はピストン、３はクランク室、４
は排気口、５は吸気口、６は吸気路、７はリードパルプ
、８は気化器である。

そして上記シリンダ１には排気口４と吸気口５との間に
位置して一対の主掃気口９，９が互に対向して設けられ
、これら主掃気口９，９は主掃気通路１３．１３を介し
てクランク室３に連通されている。

これら主掃気ロ９，９間の吸気口５側には副掃気口１０
が形成され、この副掃気口１０は吸気口５の上方に開口
されている。

モして副掃気口１０はシリンダ１の内壁内に設けた副掃
気路１１を介して吸気路６の吸気口５付近の図示上部に
連通されており、上記副掃気路１１はシリンダ１の軸方
向に沿う略直状をなしている。

また、この吸気路６の吸気口５付近の図示下部とクラン
ク室３とはシリンダ１の内壁の内部に設けた連通路１２
によって連通されている。

この連通路１２はシリンダ１の内壁面において直状に延
びており、クランク室３と吸気路６内とを最短距離で連
通させているとともに、この吸気路６内において上記副
掃気路１１と対向されている。

以上の如く構成された本考案の一実施例によれば、掃気
行程においてピストン２が降下すると、クランク室３内
に充填された新気は掃気通路１３を伝って主掃気口９，
９からシリンダ１内に噴出され、シリンダ１内の燃焼ガ
スを排気口４に押し出す。

そしてこれと同時にクランク室３内の新気は、連通路１
２、吸気路６、および副掃気路１１とからなる別の糸路
を通ってシリンダ１側へ導びかれ、副掃気口１０から補
助掃気流となってシリンダ１内に噴出される。

したがって、主掃気口９゜９間の新気の流れの悪い部分
に新気が吹き込まれ、掃気効率が向上する。

そしてこの場合、副掃気路１１および連通路１２は直状
をなしているとともに、吸気路６内において互に対向さ
れているので、補助掃気流の流れ方向が略直線的となる
。

このため補助掃気流の流速と主掃気通路１３内の主掃気
流とが略等しくなるとともに、補助掃気流が干渉し合う
こともなく、流れが安定する。

しかも連通路１２は吸気路６内とクランク室３とを最短
距離で結んでいるので、副掃気流の流路抵抗が格段に小
さくなり、したがって上記補助排気流の流れが直線的と
なることと相まってシリンダ１内の掃気を速やかに行え
、掃気効率が頗る向上する。

また、副掃気路１１は吸気路６を迂回して設ける必要が
ないので、シリンダ１が対称となり、その構造も簡単で
ある。

さらに、吸気路６とクランク室３とは連通路１２によっ
て直接連通させであるので、ピストン２のスカート部に
切欠を設ける等の必要はなく、このためピストン２への
面倒な加工を省略できる等の利点がある。

以上詳述した本考案は、主掃気口の間に吸気口の上方に
位置して副掃気口を設け、この副掃気口と吸気路とを副
掃気路を介して連通させるとともに、この吸気路とクラ
ンク室とを直状の連通路で連通させ、この連通路と上記
副掃気路とを吸気路内において対向させた２サイクル内
燃機関である。

このものによると、副掃気路および連通路内を流れる副
掃気流の流れが直線的となるとともに、連通路はクラン
ク室と吸気路とを最短距離で結ぶことになるので副掃気
流の流路抵抗が格段に小さくなり、したがって掃気効率
が格段に向上し、シリンダ内の掃気を速やかに行なえる
。

また副掃気路は吸気路をう回して設ける必要がないので
、シリンダが対称となり構造の簡略化を図れ、さらに吸
気路は連通路を介してクランク室内と連通されているの
で、ピストンのスカート部に切欠きを設ける必要もなく
、ピストンへの面倒な加工を省略できる等の優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断面図、第
２図は第１図の■−■線に沿う断面図である。 １・・・・・・シリンダ、３・・・・・・クランク室、
４・・・・・・排気口、５・・・・・・吸気口、６・・
・・・・吸気路、９・・・・・・主掃気口、１０・・・
・・・副掃気口、１１・・・・・・副掃気路、１２・・
・・・・連通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダの内面に吸気口および排気口を設けるとともに
   、これら吸気口と排気口との間にクランク室に連なる主
   掃気口を互に対向して設け、これら主掃気口の間には上
   記吸気口の上方に位置して副掃気口を設け、この副掃気
   口と上記吸気口に連なる吸気路とを、副掃気路を介して
   連通させた２サイクル内燃機関において、上記吸気路と
   クランク室とを直状の連通路で連通させ、この連通路は
   上記吸気路内において上記副掃気路と対向されているこ
   とを特徴とする２サイクル内燃機関。