JPS5841927B2 - プレス曲げ加工用工具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はベンディングマシン（他にプレスブレーキとも
呼ばれる）に取付けられて機械部品の曲げ加工を行うプ
レス曲げ加工用工具（以下曲げ工具という）に関する。

機械或は装置の構造体にブラケットとして用いられたり
、補強部材として用いられるためにＬ形金具やＺ形金具
が多く製作され又使用される。

このようなＬ形又はＺ形の金具を製作する従来の方法が
第１図乃至第３図に示しである。

第１図は、通常よく使われるＬ形金具を製作する状態を
示したものであるが、この手段によればベンディングマ
シン本体１にボルト５等により固定されたＬ形量げ工具
（即ち矢弦）２と、ベンディングマシンのテーブル４に
固定された■ブロック３とを上下関係に相対向して設置
し、Ｌ形量げ工具２側又は■ブロック３側或はその両方
を相手部材の方へ向けて上方又は下方へ動かすことによ
って曲げ加工が行われていた。

Ｌ形量げ工具２は鉛直線を実質的に二等分線とするほぼ
直角に尖ったくさび形の先端部を有する一方、■ブロッ
ク３もまた鉛直線を実質的に二等分線としてほぼ直角に
交わる斜面を有する溝即ちくぼみを有している。

Ｌ形量げ工具２と■ブロック３とは、両者を噛み合わせ
た時り形曲げ工具２の先端部と■ブロック３の溝とがピ
ッタリと補合し合うように設定されている。

よって、■ブロック３上に金属板６を置いてＬ形量げ工
具２を■ブロック３に押付けると、金属板６はＬ形量げ
工具２に押されて■ブロック３の溝内に落ち込み、さら
にプレス圧力の作用によってＬ形に型性変形する。

こうしてＬ形金具が製作されるのである。

第２図は、従来からよく行われていたＺ形金具の製作状
態を示している。

このＺ形金具の製作においては、第１図におけると同様
ベンディングマシン本体１にＺ形量げ工具７をボルト５
等により固定する一方、テーブル４にはＺ形量げ加工を
行うために作られたＺ形ブロック８を固定し、上記２形
曲げ工具７と２形ブロツク８とを上下関係に相対向して
配置していた。

そして２形曲げ工具７側又は２形ブロツク８側或はその
両方を相手部材の方へ向けて上方又は下方へ動かすこと
によって２形曲げ加工が行われていた。

これらＺ形量げ工具７と２形ブロツク８とは、両者を噛
み合わせた時２形曲げ工具２の先端ブレード部９が２形
ブロツク８の溝１０に補合しまたＺ形ブロック８０山形
ブレード部１１がＺ形量げ工具の溝１２に補合するよう
に設定されている。

したがってＺ形量げ工具７及び２形ブロツクのブレード
部高さく又は溝深さ）を適当に設定しておけば、２形ブ
ロツク８上に所定の板厚ｔの金属板６を載置しＺ形量げ
工具を２形ブロツクに押付けた場合、この金属板６は上
記Ｚ形量げ工具及びＺ形ブロックによって押圧され両者
の加工面形状に沿って折曲げ加工され、所定の曲げ寸法
りを有するＺ形金具となる。

しかしながら、上記のようなＬ形量げ或は２形曲げ加工
に関しては従来からいくつかの問題点が指摘されていた
。

このうち、第１の問題点は、Ｖ形量げ工具とこれに相対
する■ブロック或はＺ形量げ工具とこれに相対するＺ形
ブロックがそれぞれ一組となっており、いわゆるプレス
加工用の金型と同様の使用がされているため工具等の互
換性に乏しく、少し寸法の異なった曲げ部品を作ろうと
すると工具及びブロックを別のものに取換えなげればな
らないということである。

特にこの事態はＺ形量げ加工を行う場合に深刻な問題と
なっており、例えば第２図に示すようなＺ形量げ工具７
とＺ形ブロック８との組合わせは、曲げ寸法りが一定の
値になる時に有効に使用できるにすぎないのである。

そのためＺ形量げ工具と２形ブロツクとは各種の寸法の
曲げ部品の製作に対応できるよう何組も用意されている
ことが必要であり、それでも準備不足という場合は全く
新たに金型を設計し製作しなげればならなかった。

しかし上に述べた様な金具は多品種少量生産されるのが
通常であることを考えると、上記の様な対応のし方は経
済的に見ても極めて不合理であり、そのため製作コスト
の上昇の原因になっていた。

第２の問題点は、第２図に示した曲げ寸法りが次第に小
さくなり、ついには第３図に示すように板厚ｔに対して
曲げ寸法りが極めて小さいＬ形成はＺ形量げ加工を行う
ような場合、従来の曲げ工具ではもはや満足のいく精度
で曲げ加工が行なえないことである。

つまり第３図イにおけるように、極めて小寸法のＺ形量
げ加工をすべくｚ形量げ工具７とＺ形ブロック８とを設
置し金属板をプレスすると、第３図口に拡大して示すよ
うに工具間に挾まれた部分以外の金属板６０部分（即ち
第３図口中、点Ａより外側の部分）は、本来曲げ作用を
受けて変形すべき線１に沿わず、これよりやや広がった
形状となってしまう。

そして金属板６の工具に挾まれた部分は押しつぶされて
板厚がわずかながら減り、点Ａ付近の外側部分はやや膨
らんだ構造となる。

これは２形曲げ工具７が金属６をＺ形ブロック８に押し
付けた時、先端ブレード部９に接している金属部分が下
方に押し付けられているにも係わらずＺ形ブロック８が
その溝１００面で完全に支えてしまっているため、金属
６の変形部は必然的に点Ａから外方に向かって逃げよう
とし当該点Ａの外側部分に言わゆる「ダレ」現象を生じ
させるためと考えられている。

このため従来の曲げ工具では一定の精度を保ちながら極
めて小寸法の曲げ加工を行うことは非常に困難であった
。

本発明はかかる問題に着目して為されたものであって、
その目的は、−組の上側矢弦と下側矢弦とによって広い
範囲にわたる曲げ寸法加工をすることが出来、しかも極
めて小さな曲げ寸法を持った金具も正確に作ることので
きる曲げ工具を提供することにより上記の問題を解決す
ることである。

本発明を添付の図面を参照して説明すると、第４図は一
組の上側矢弦１３と下側矢弦１４とから成る曲げ工具を
概略的に示す側面図である。

上側矢弦１３はその基端部をベンディングマシン本体１
にボルト１５或は他の適当な締結部材によって固定され
る一方、その先端部にはくさび形のブレード１６と、当
該ブレードの横方向に一定の寸法の凹部１８を隔てて設
けられてブロック支持部１７とが形成されている。

上側矢弦１３の凹部１８にはスペーサブロック１９が装
填されており、また凹部１８内でのスペーサブロック１
９の横方向位置を種々変えるために、スペーサブロック
１９とブロック支持部１７の側壁との間にはスペーサ２
０が配置されている。

こうしてスペーサブロック１９は、ブレード１６の側壁
に密着した位置から最大限離れた位置まで移動して固定
されることができるが、これらスペーサブロック１９と
スペーサ２０はブロック支持部１７に係合されたねじ２
１によって所定の位置に固定される。

なおスペーサブロック１９内に固定ナツト（図示してな
い）を組込んでおくことによりねじ２１によって直接ス
ペーサブロック１９の送り戻し操作をすることもできる
。

ブレード１６の先端は、当該先端を通り垂直方向に延び
る中心線を実質的に二等分線とするほぼ直角の外形形状
を有する。

またブレード１６は、第４図から明らかなように、その
断面形状において、中心線に対して外側には上記従来の
２形曲げ工具Ｉにおけると同様の長寸法のエツジ辺１６
ａが形成される一方、中心線に対して内側には、長寸法
エツジ辺１６ａより遥かに短寸法のエツジ辺１６ｂが形
成されている。

スペーサブロック１９はブレード１６の先端とほぼ同じ
高さ寸法を持ち、またそのブ】／−ドラ６側の端縁が短
寸法エツジ辺１６ｂに対向して略直角形状に成形され、
この端縁のコーナー２２には、数ミリメートル程度の小
さな寸法の面とりが鉛直線に対してほぼ４５°の角度で
施されている。

したがって、スペーサ２０の調節によってスペーサブロ
ック１９がブレード１６から離れた位置に来たときは、
これら両部材１６，１９間にはスペーサブロック１９の
先端面１９ａから略垂直に切込んだ隙間２９が形成され
る一方、スペーサブロック１９がブレード１６に密着し
たときは、面とりされたコーナー２２と短寸法エツジ１
６ｂとによって形成される極浅の窪み部分を除き、上側
矢弦１３先端部はほぼ平面形状となる。

他方、上側矢弦１３の下方にはベンディングマシン本体
１のテーブル４上にネジ２３等によって固定された下側
矢弦１４が配置されている。

この下側矢弦１４はネジ２３をゆるめることにより、第
４図中、矢印Ｂの方向に動かすことができこれによって
上側矢弦１３に対する相対位置を決めることができる。

また下側矢弦１４の先端部には、上記上側矢弦１３と同
様にしてブレード２４と凹部２５とが形成されている一
方、この凹部２５の中にはスペーサブロック２６とスペ
ーサ２７とがネジ２１によって所定の位置に固定されて
いる。

なお、ブレード２４の先端は、上記ブレード１６におけ
ると同様、当該先端を通り垂直方向に延びる中心線を実
質的に二等分線とするほぼ直角の外形形状を有する。

また、このブレード２４は、その断面形状において、中
心線に対して外側には長寸法のエツジ辺２４ａが形成さ
れる一方、中心線に対して内側には長寸法エツジ辺より
遥かに短寸法のエツジ辺２４ｂが形成されている。

そしてスペーサブロック２６もまた、スペーサブロック
１９と同様、ブレード２４の先端とほぼ同じ高さ寸法を
持ち、またその７１ノード２４側の端縁が短寸法エツジ
辺２４ｂに対向して略直角形状に成形され、この端縁の
コーナー２８には、数ミリメートル程度の小さな寸法の
面とりが鉛直線に対してほぼ４５°の角度モ施されてい
る。

したがってスペーサ２７の調節によってスペーサブロッ
ク２６がブレード２４から離れた位置に来たときは、こ
れら両部材２４，２６間にはスペーサブロック２６の先
端面２６ａから略垂直に切込んだ隙間３０が形成される
一方、スペーサブロック２６がブレード２４に密着した
ときは、面とりされたコーナー２８と短寸法エツジ辺２
４ｂとによって形成される極浅の窪み部分を除き、下側
矢弦１４先端部はほぼ平面形状となる。

この様な構成を有する上側矢弦１３と下側矢弦１４とが
互いに対向してベンディングマシン本体上に取付けられ
るが、この時上側矢弦１３のブレード中心線が、下側矢
弦１４のブレード中心線とスペーサブロック２６の面と
りコーナー２８との間のちょうど中間に来る様に下側矢
弦１４の位置を調節して設定する必要がある。

第４図からも明らかなように、上側矢弦１３のブレード
１６及びスペーサブロック１９の位置関係と下側矢弦１
４のブレード２４及びスペーサブロック２６の位置関係
とは左右対称になっているため、一方の矢弦のブレード
について芯出しを行えば他方の矢弦のブレードについて
も芯出しを行うことができる。

こうして上側及び下側矢弦１３，１４を設定した後、下
側矢弦の上に金属板６を載せてプレス作業を行う。

すると上側矢弦１３のブレード１６は金属板６の接触部
を下側矢弦１４のブレード２４に隣接した隙間３０に押
し込むようにして直角に折り曲げた後ブレード１６の長
寸法エツジ辺１６ａとスペーサブロック２６の面とりコ
ーナー２８との間の支持作用によって停止する。

一方これと全く同時に、下側矢弦１４のブレード２４は
金属板６の接触部を上側矢弦１３のグレード１６に隣接
した隙間２９に押し込むようにして直角に折り曲げた後
、ブレード２４の長寸法エツジ辺２４ａとスペーサブロ
ック１９の面とりコーナー２２との間の支持作用によっ
て停止する。

こうして、例えば第５図に示されたようなＺ形金具が出
来上る。

次に第５図において製作したＺ形金具とは曲げ寸法りの
異なるＺ形金具を作ろうとする時は、その曲げ寸法に応
じてブレード１６．２４とスペーサブロック１９，２６
との隙間を変えるべくスペーサ２０，２７を増減し、更
に下側矢弦１４の位置調節を行う。

こうして上下両側の矢弦１３゜１４を調節し且つ設定し
た後曲げ加工を行うと、第６図に示すような別の曲げ寸
法を持った金具製品が出来止る。

そして又この第６図において示しである様に、金属板６
の板厚ｔが大きい時もブレードの押し込み作用及びスペ
ーサブロックの支持作用によって高精度の曲げ加工を行
うことができる。

つまり、例えばブレード１６の押し込み作用に対抗して
これを支持する面とりコーナー２８は、金属板にほぼ点
接触している上、この接触部以外の部分では金属板６は
ほとんど自由な状態に置かれている。

そのため矢弦１３，１４によってプレス作業を受けた金
属板６は、従来のように閉鎖断面内で大きな圧力を受け
るということがなく、そのために金属の「ダレ」を生じ
させることもない。

なお上下両側の矢弦１３，１４が充分に金属板６の押込
み作業を行うよりも前に、この押し込み動作を停止させ
ることにより、例えば第７図に示すような斜めＺ形の曲
げ金具を作ることも簡単にできる。

以上説明して来た様に本発明によれば、ブレードと、当
該ブレードに対して調節可能な間隔をあげて設けられた
スペーサブロックを有する矢弦を上下関係に互いに対向
して配置することにより、−組の矢弦によって広い寸法
範囲にわたる曲げ金具を製作し得る曲げ工具を提供する
ことができた。

これにより多種類の曲げ寸法の金具の製作に対応すべく
何紙もの曲げ工具を用意する必要がなくなり経済的にも
或は保守点検の上でも大幅な改善を行うことができたの
である。

さらに極めて小さな曲げ寸法であっても正確に曲げ加工
が行い得るため、これまでは殆ど不可能であるとか或は
多大な費用をかげて製作していた小寸法曲げ金具を極め
て安価に作ることができるようになったのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来からＬ形金具を作るのに使用されて来た曲
げ工具を概略的に示す側面図である。 第２図は、Ｚ形金具を作る曲げ工具の従来例である。 第３図イは、第２図と同様な工具により小寸法曲げ金具
を作る状態を示し、口はその一部を拡大して示す図であ
る。 第４図は、本発明による曲げ工具を概略的に示す側面図
である。 第５図は、本発明による曲げ工具を使って実際に曲げ加
工を行なっている状態を示す図である。 第６図は、第５図の金具とは異なった曲げ寸法の曲げ金
具を作るべく本発明による曲げ工具を実際に作動させて
いる状態を示す図である。 第７図は、本発明による曲げ工具を変更使用して作られ
た曲げ金具を示す図である。 符号の説明、１：ペンディングマシン本体、４：テーブ
ル、６：金属板、１３：上側矢弦、１４：下側矢弦、１
６：ブレード、１８：凹部、１９：スペーサブロック、
２０ニスペーサ、２４：ブレ・−ド、２６：スヘー４７
−ロック、２７：スペーサ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 垂直方向に延びる中心線によって三笠分割されたほ
   ぼ９０°の先端部を有し、上記中心線に対して断面外側
   に長寸法のエツジ辺、断面内側に短寸法のエツジ辺を有
   するブレードと、 このブレードの短寸法エツジ辺から横方向位置に調節可
   能な間隔をあげて備え付けられ、また当該ブレードの短
   寸法エツジ辺に対向する略直角形状の端縁を有すると共
   に、上記ブレードとの間に、先端面から略垂直に切込ん
   だ隙間を形成するスペーサブロックとを有して成る二つ
   の矢弦を、一方の矢弦のブレード中心線が、他方の矢弦
   のブレード中心線とスペーサブロックのブレード側端縁
   との間のほぼ中間に来るようにして互いに対向させたこ
   とを特徴とするプレス曲げ加工用工具。