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JPH1193799A - 燃料噴射弁およびこれを用いる燃料噴射システム - Google Patents

燃料噴射弁およびこれを用いる燃料噴射システム

Info

Publication number
JPH1193799A
JPH1193799A JP27353997A JP27353997A JPH1193799A JP H1193799 A JPH1193799 A JP H1193799A JP 27353997 A JP27353997 A JP 27353997A JP 27353997 A JP27353997 A JP 27353997A JP H1193799 A JPH1193799 A JP H1193799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
fuel injection
pressure
fuel
needle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27353997A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soken Inc filed Critical Nippon Soken Inc
Priority to JP27353997A priority Critical patent/JPH1193799A/ja
Publication of JPH1193799A publication Critical patent/JPH1193799A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射弁において、リフト量を調整可能と
することである。 【解決手段】 絞り218を介して高圧燃料が導入さ
れ、燃料圧が弁ニードル220と一体的に変位する制御
棒228を押し下げる制御室230と、低圧の排出流路
309間に設けられた弁部301が制御室230圧力の
高低を切り換える。弁部301は制御棒228に縦孔3
03を形成し、これに挿置されたスプール308が上昇
すると、制御室230と常時連通するポート306が低
圧の排出流路309と連通する構成とする。スプール3
08は、これと一体でばね部材317により常時下方に
付勢されたアーマチャ316をソレノイド302が吸引
して変位せしめる構成とする。ソレノイド302への通
電量によりスプール308停止位置を制御して弁ニード
ルのリフト量を調整可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料噴射弁および燃
料噴射システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンに燃料を噴射する燃
料噴射システムの一つとして、コモンレール噴射システ
ムが知られている。コモンレール噴射システムでは、各
気筒に連通する共通の蓄圧配管(コモンレール)が設け
られ、ここに可変吐出量高圧ポンプによって必要な流量
の高圧燃料を圧送供給することにより、蓄圧配管の燃料
圧力を一定に保持している。蓄圧配管内の高圧燃料は所
定のタイミングで燃料噴射弁により各気筒に噴射される
(例えば特開昭64−73166号公報、特開平7−2
93387号公報等)。
【0003】図8に、この種の燃料噴射弁の全体縦断面
を示し、図9にその要部拡大断面を示す。燃料噴射弁
は、本体部801と制御用の電磁弁802とで構成され
ている。本体部801の先端のノズルボディ803には
シリンダ805が形成され、その先端には燃料噴射孔8
04が形成されている。シリンダ805内にはこれに沿
って変位するノズルニードル806が設けられている。
シリンダ805内にコモンレールから圧送される燃料
が、導入流路807を通って導入される。この燃料はノ
ズルニードル806を囲んで形成された噴射室808に
おいて、ノズルニードル806を開弁方向に常時付勢し
ている。ノズルニードル806には、その上側に設けら
れたロッド809を介して常時スプリング810による
閉弁方向の付勢力が作用している。
【0004】ロッド809の上側には、これと同軸に案
内孔811内を摺動する制御棒812が設けられ、制御
棒812の後端面には、導入流路807から高圧燃料が
絞り813を介して導入される制御室814が形成され
ている。制御室814は別の絞り815および電磁弁8
02の弁部816を介して、低圧の燃料タンクに通じる
排出流路819と連通している。
【0005】弁部816は半球形のシート部817と弁
体であるボール818とで構成され、ボール818は、
プッシュロッド820がスプリング821のばね力によ
り常時下方(閉弁方向)に付勢している。プッシュロッ
ド820にはアーマチャ822が一体に設けられてい
る。アーマチャ822と対向して設けられたステータ8
23は、これに巻装したコイル824に通電するとアー
マチャ822を吸引しプッシュロッド820が上方へ変
位する。これによりボール818がリフトする。一方、
コイル824への通電を解除するとプッシュロッド82
0がスプリング821のばね力で下方へ変位しボール8
18がシート部817に着座する。
【0006】コイル824に通電し弁部816が開くと
制御室814内の燃料は、絞り815、排出流路819
を通って、燃料タンクに流出する。ここで絞り815の
断面積は、絞り813の断面積よりも十分大きくしてあ
り、制御室814は低圧となって制御棒812を押し下
げる力が解除されてノズルニードル806が開弁し燃料
噴射孔804から噴射が行われる。
【0007】再びコイル824への通電を停止し、弁部
816が閉じられると制御室814は高圧となって制御
棒812を押し下げる力が増大し、これとスプリング8
10のばね力との合力が噴射室808の開弁方向作用力
よりも優勢となってノズルニードル806は閉弁し、燃
料噴射は停止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、ジャーク式の燃
料噴射システムの燃料噴射弁の場合には、噴射室の圧力
は、燃料ポンプのプランジャの圧送に伴い徐々に上昇し
噴射率が徐々に増加するのに対し、噴射室がコモンンレ
ールと連通している燃料噴射弁では、噴射室が常時コモ
ンレールと同圧の高圧となっているため、ノズルニード
ルの開弁作動の立ち上がりが急であり、噴射率が実質的
に単一の値しかとることができない。
【0009】このような燃料噴射弁を用いた燃料噴射シ
ステムではいわゆる初期噴射率が高くなり、着火遅れ期
間中に噴射される燃料の噴射量が多くなって急激に燃焼
が拡大し、エンジン騒音の増大、NOx 排出量の増加と
いった種々の問題が生じる。渦流室式エンジンの燃料噴
射装置ではノズルニードルの先端部にスロットル部を設
けて初期噴射率を低下させるものもあるが、閉弁時に燃
料噴射の遮断の迅速性すなわち噴射切れが悪くなるとい
う悪影響が現れる。
【0010】そこで本発明は、噴射率が調整可能な燃料
噴射弁を提供することを目的とする。また本発明は、初
期噴射率を抑え、しかも燃料噴射の遮断の迅速性のよい
燃料噴射システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、燃料噴射弁は、先端に燃料噴射孔が形成され常時高
圧燃料が導入される弁シリンダと、弁シリンダ内に設け
られこれに沿って変位する弁ニードルと、案内孔内を弁
ニードルと一体的に弁ニードルの変位方向に摺動する制
御棒とを備えている。弁ニードルには、これを囲んで形
成された圧力室が常時、高圧燃料の圧力を開弁方向に作
用せしめている。制御棒の後端面を室壁面の一部として
制御室を形成し、これに絞りを介して導入された制御油
圧が制御棒に対し弁ニードルの閉弁方向に作用してい
る。そして制御室と低圧の排出流路の連通と遮断とを切
り換える弁部により制御室の圧力の高低を切り換え、弁
ニードルを開弁方向または閉弁方向に作動せしめる。上
記構成において、上記弁部は、上記制御棒の内部に縦穴
を形成し、縦穴内にこれを摺動する棒状のスプールを挿
置し、縦穴周壁面には、スプールを囲みかつ上記制御室
と連通するポートを形成して、スプールが上記弁ニード
ルの開弁方向に変位すると、ポートを介して制御室と上
記排出流路とが連通する構成とする。かつスプールに対
し常時弁ニードルの閉弁方向に付勢するばね部材と、ス
プールと一体に設けられたアーマチャと、アーマチャを
弁ニードルの開弁方向に電磁駆動するソレノイドとを具
備し、ソレノイドへの通電量に応じて弁ニードルのリフ
ト量を調整するようにする。
【0012】スプールが弁ニードルの開弁方向に変位す
ると、ポートを介して制御室と上記排出流路とが連通し
て制御室の圧力が低圧となり、制御棒が弁ニードルとと
もに、圧力室の開弁方向作用力により、スプールに追随
して開弁方向に変位し、スプールが停止すると制御棒お
よび弁ニードルも停止する。すなわち弁ニードルのリフ
ト量がスプール停止位置で設定される。このスプールの
停止位置は、スプールと一体のアーマチャがソレノイド
から受ける吸引力と、ばね部材のばね力とが釣り合う位
置であるから、ソレノイドへの通電量が多いほど開弁方
向側となる。すなわちソレノイドへの通電量に応じて弁
ニードルのリフト量を調整することができる。
【0013】請求項2記載の発明では、燃料噴射システ
ムは、上記燃料噴射弁と、上記ソレノイドへの通電量を
可変に構成した通電手段とを具備する構成とし、該通電
手段は、燃料の噴射開始時には、少量の通電量から漸次
増加せしめて所定通電量に上げ、噴射終了時には所定通
電量から瞬時に通電を遮断するように設定する。
【0014】燃料の噴射開始時にはソレノイドへの通電
量を小さくすることで弁ニードルが中間リフトとなり、
初期噴射率を抑えることができる。噴射終了時には瞬時
にソレノイドへの通電が遮断されてスプールが瞬時に下
方へ変位しポートが閉じられる。制御室が高圧となって
制御棒が閉弁方向へ変位し、弁ニードルが速やかに閉弁
し迅速に燃料噴射が遮断される。いわゆるシャープカッ
トとなる。
【0015】請求項3記載の発明では、上記通電手段
は、通電時の通電量を2段階に上げる構成とすること
で、簡単に初期噴射率の抑制とシャープカットとの両立
が実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に本発明の燃料噴射弁の全体
縦断面を示し、図2にその要部拡大断面を示す。図3に
上記本発明の燃料噴射弁を用いる本発明の燃料噴射シス
テムを示す。図3において、エンジン4には燃料噴射弁
1が各気筒の燃焼室に対応して複数設けられている。こ
れら燃料噴射弁1は全気筒共通の高圧蓄圧配管いわゆる
コモンレール501に接続され、燃料噴射弁1に高圧の
燃料が供給されるようになっている。コモンレール50
1には、供給配管502、吐出弁503を介して可変吐
出量高圧ポンプ504が接続され、連続的に燃料噴射圧
に相当する高い所定圧の燃料が蓄圧される。可変吐出量
高圧ポンプ504は燃料タンク505からフィードポン
プ506を経て吸入される低圧燃料を高圧に加圧し、コ
モンレール501内の燃料を高圧に制御する。
【0017】燃料噴射システムを制御する電子制御ユニ
ット(ECU)6には、各種センサの検出信号が入力
し、例えば図示したエンジン回転数センサ701、負荷
センサ702より、回転数、負荷の情報が入力し、EC
U6は、これらの信号により判別されるエンジン状態に
応じた最適の噴射時期、噴射量(噴射期間)を決定して
燃料噴射弁1に制御信号を出力し、燃料噴射弁1が制御
信号に基づいて燃焼室に燃料を噴射するようになってい
る。またECU6には、コモンレール501に設けられ
た圧力センサ703よりコモンレール圧力の検出信号が
入力し、ECU6は、コモンレール圧力が予め負荷や回
転数に応じて設定した最適値となるように、可変吐出量
高圧ポンプ504の吐出量を制御する。
【0018】図1、図2において、燃料噴射弁1は、燃
料を噴射する本体部2と、噴射制御用の電磁スプール弁
3とで構成されている。
【0019】本体部2は、略棒状に成形されたノズルホ
ルダー201と、その下端にディスタンスピース202
を介してノズルリテーニングナット203で締めつけ固
定されたノズルボディ204とを有している。またノズ
ルホルダー201の上端にはスペーサ205およびボデ
ィ206とが設けられている。スペーサ205およびボ
ディ206は、電磁スプール弁3を構成するリニアソレ
ノイド302の部品とともにソレノイドカバー310内
に収容され、ソレノイドカバー310がノズルホルダー
201と螺結することで、ノズルホルダー201と密着
し一体化している。またノズルホルダー201には、斜
め上方へ延出するインレット部207が設けてあり、コ
モンレール501(図3)と接続される。
【0020】ノズルホルダ201には上下方向に貫通孔
208が形成してある。またスペーサ205およびボデ
ィ206には凹部209が形成してあり、貫通孔208
と連通している。ノズルボディ204には上端開口の縦
孔210が形成されシリンダ210としてあり、その先
端には燃料噴射孔211が形成してある。シリンダ21
0はノズルホルダー201の貫通孔208と連通してい
る。
【0021】ノズルホルダ201、ノズルボディ204
等には、コモンレール501からの高圧燃料を導入する
導入流路214が形成してあり、インレット部207の
先端に入口215が開口している。導入流路214はイ
ンレット部207の根元位置で2つに分岐し、そのうち
下方に向かう流路216の先端はノズルボディ204の
シリンダ210の拡径部213に開口している。また分
岐して上方に向かう流路217の先端はボディ206の
凹部209側壁面に開口している。上方に向かう流路2
17の途中には絞り218が設けてあり、燃料の流通を
規制している。
【0022】また導入流路214の入口215の直下流
部にはバーフィルタ219が設けてあり、ここで燃料が
異物除去されるようになっている。
【0023】シリンダ210内には燃料の噴射制御用の
弁ニードルたるノズルニードル220が設けてある。ノ
ズルニードル220は段付きの棒状体で上半部221が
シリンダ210周壁面と液密に摺接し、段部222がシ
リンダ210の拡径部213位置に形成されている。ノ
ズルニードル220の、シリンダ210内径よりも小径
の下半部223は先端に円錐形の弁体部224を有し、
燃料噴射孔211よりもやや上側に形成したシート部2
12に着座するようになっている(図は着座時)。シリ
ンダ210の拡径部213に充填された高圧燃料は、圧
力がノズルニードル220の段部222に対して上向き
に作用し、ノズルニードル220を上方すなわち開弁方
向に常時付勢しており、拡径部213は圧力室たる噴射
室213としてある。
【0024】ノズルホルダ201の貫通孔208内に
は、ノズルニードル220の上側に、ロッド225とス
プリング227とが同軸に収容されている。ロッド22
5の下端部にはスプリング227を受ける環状凸部22
6が形成され、スプリング227が常時ロッド225を
介してノズルニードル220を下方すなわち閉弁方向に
常時付勢している。
【0025】貫通孔208内にはまた、ロッド225の
上側に制御棒228が設けてあり、ロッド225側の一
部を除き案内孔である貫通孔208の周壁面と液密に摺
接している。
【0026】制御棒228の上端面229および凹部2
09の面を室壁面として制御室230が形成される。制
御室230には絞り218を介して導入流路214から
高圧の燃料が導入される。制御室230に高圧燃料が充
填されて制御室230が高圧になると、制御室230の
燃料圧とスプリング227のばね力との合力よりなるノ
ズルニードル220に対する押し下げ力が、噴射室21
3のノズルニードル220に対する押し上げ力よりも優
勢となってノズルニードル220を押し下げる。一方、
制御室230の燃料が後述するように排出され制御室2
30が低圧になると、上記ノズルニードル220に対す
る押し下げ力が、噴射室213のノズルニードル220
に対する押し上げ力よりも劣勢となってノズルニードル
220を押し上げる。
【0027】電磁スプール弁3は制御室230の高圧と
低圧とを切り換えるもので、切り換え用の弁部301と
駆動用のリニアソレノイド302とから構成されてい
る。
【0028】弁部301は、制御棒228にその上端に
開口する縦穴303が形成してある。また制御棒228
には流路305が形成してあり、その一端は制御棒22
8の上端面229に開口し、他端は縦穴303の周壁面
に開口している。縦穴303の周壁面には、流路305
の開口位置に環状の凹部306を形成しポート306と
してある。ポート306は流路305を介して常時、制
御室230と連通している。
【0029】制御室230の上壁をなすボディ206に
は、縦穴303と同軸に貫通孔307が形成してある。
縦穴303および貫通孔307内には管状のスプール弁
308が挿通せしめてあり、縦穴303および貫通孔3
07の周壁面と液密に摺接している。スプール弁308
は上端部がボディ206の上方の後述するスプリング室
315内に臨み、縦穴303の底部304とスプリング
室315とを連通している。またスプリング室315は
ソレノイドハウジング310上壁を貫通する配管309
を介して燃料タンク505(図3)と連通している。こ
のように縦穴303の底部304、スプール弁308、
スプリング室315および配管309は、常時、低圧の
燃料タンク505と連通し、排出流路を形成している。
【0030】さてサーボ弁308が、その下端面がポー
ト306よりも下方にあるときには、ポート306はサ
ーボ弁308により閉鎖され、制御室230には絞り2
18を介してコモンレール501(図3)からの高圧燃
料が充填されて高圧となる。この結果、ノズルニードル
220に対する押し下げ力が優勢となる。一方、サーボ
弁308が、その下端面がポート306位置にあるとき
には、ポート306は縦孔303の底部304を介して
上記燃料タンク505と連通し、制御室230から燃料
が燃料タンク505に戻され、制御室230は低圧とな
る。この結果、ノズルニードル220に対する押し上げ
力が優勢となる。しかしてノズルニードル220のリフ
ト量はスプール弁308位置に対応したものとなる。
【0031】かかる弁部301を駆動するリニアソレノ
イド302について説明する。リニアソレノイド302
はソレノイドハウジング310内にステータ311が設
けてある。ステータ311は略筒状の第2ステータ31
3を円板状の第1ステータ312、第3ステータ314
が上下から挟む構造のもので、スプリング室315が形
成されている。スプリング室315にはスプール弁30
8と一体に結合した筒状のアーマチャ316が収容され
ている。アーマチャ316と第3ステータ314の間に
はばね部材たるスプリング317が介装してあり、常時
アーマチャ316を介してスプール弁308を下方へ付
勢している。スプリング室315にはその底壁すなわち
第1ステータ312よりアーマチャ316の下方変位を
規制するストッパ320が突設している。
【0032】またスプリング室315の外周にはコイル
318を巻装したボビン319が配設してあり、コイル
318に通電して励磁せしめることで、ステータ311
がアーマチャ316に対する吸引力を発生し、サーボ弁
308を上方へ駆動するようになっている。
【0033】コイル318が非通電の場合はスプリング
317のばね力により、サーボ弁308は、ストッパ3
20で規定される下限位置となる(図2参照)。なおサ
ーボ弁308が下限位置にあり、かつノズルニードル2
20が閉弁位置にあるときに弁部301のポート306
がサーボ弁308により閉鎖されているように各部材の
寸法等が設定される。
【0034】通電時には、サーボ弁308は、アーマチ
ャ316がステータ311から受ける吸引力とスプリン
グ317のばね力とが釣り合う位置で停止し、ステータ
311の吸引力はコイル318への通電量に応じて増減
する。したがってコイル318への通電量に応じてノズ
ルニードル220のリフト量を調整可能となる。
【0035】このコイル318への通電制御を行う通電
手段たるECU6(図3)について説明する。図4にE
CU6およびその周辺回路を示す。
【0036】ECU6は、負荷センサ702、圧力セン
サ703、吸気圧センサ704、吸気温センサ705、
冷却水温センサ706から出力されるアナログ信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換器61、回転数センサ
701から出力されるパルス信号を波形整形する波形整
形回路62、A/D変換器61あるいは波形整形回路6
2を介して入力した各センサ701〜706の検出信号
に基づき燃料噴射弁1の噴射制御や可変吐出量高圧ポン
プ504の吐出量制御を実行するCPU63、CPU6
3によって制御処理を実行する際に必要な制御プログラ
ムや各種データが予め記憶されたROM64、CPU6
3によって制御処理を実行する際に必要なデータが一時
的に読み書きされるRAM65および、燃料噴射弁1の
電磁スプール弁3や可変吐出量高圧ポンプ504の吐出
量を制御する吐出量制御用電磁弁507に各々駆動信号
を出力する駆動回路66,67から構成されている。
【0037】図5を用いて電磁スプール弁3を駆動する
ための駆動回路66を説明する。電磁スプール弁3のコ
イル318は、一端がバッテリ電源+VB に接続され、
他端が抵抗661を介して第1のトランジスタ662の
コレクタ端子に接続されるとともに、抵抗663を介し
て第2のトランジスタ664のコレクタ端子に接続され
ている。両トランジスタ662,664のエミッタ端子
は接地電位端子と接続されている。
【0038】CPU63から駆動回路66へ駆動信号と
して駆動信号A、駆動信号Bの2つが出力される。駆動
信号A、駆動信号Bはオンとオフの2値信号で、駆動信
号Aは、抵抗665を介して第1のトランジスタ662
のベース端子に入力せしめてあり、駆動信号Bは、抵抗
666を介して第2のトランジスタ664のベース端子
に入力せしめてある。また各トランジスタ662,66
4のベース端子は、それぞれ抵抗667,668を介し
て接地電位端子に接続されている。
【0039】また第2のトランジスタ664のベース端
子とコイル318の他端間には、ツェナーダイオード6
69がコイル318の他端側をカソードとして接続され
ている。
【0040】かかる回路構成とすることにより、駆動信
号A,Bがともにオフのときは、両トランジスタ66
2,664がオフとなってコイル318には電流は流れ
ない。駆動信号Aがオンで駆動信号Bがオフの時は、第
1のトランジスタ662はオンとなって、コイル318
に電流が流れる。駆動信号A,Bともにオンとなると、
両トランジスタ662,664がオンとなり、コイル3
18に流れる電流は、駆動信号Aのみがオンの場合より
も、第2のトランジスタ664のコレクタ端子と接続さ
れた抵抗663のコンダクタンスの分増加する。
【0041】しかして駆動信号A,Bのオンオフの組み
合わせで、コイル318への通電量が2段階(非通電も
入れると3段階)に設定できる。例えば+VB が12
V、抵抗661,663の抵抗値が10Ω、コイル31
8の抵抗値が2Ωとすると、コイル318に流れる電流
は、駆動信号Aのみがオンのとき、1Aで、駆動信号
A,Bともにオンのとき、約1.7Aとなる。なお以下
の説明ではかかる数値を用いて説明する。
【0042】上記燃料噴射システムの作動を説明する。
図6は燃料噴射期間前後における装置各部の作動を示す
タイムチャートである。図7は、図6の時点ta ,tb
,tc ,td における電磁スプール弁3の弁部301
の拡大図を示し、図7(a)は時点ta のもの、図7
(b)は時点tb のもの、図7(c)は時点tc のも
の、図7(d)は時点td のものである。
【0043】噴射期間前の時点ta には、駆動信号A,
Bはともにオフで、コイル318は励磁していない。サ
ーボ弁308はストッパ320で規定される下限位置に
ある。この状態ではポート306は閉鎖されているの
で、制御室230の圧力は、コモンレールと同じ高圧と
なっており、ノズルニードル220は閉弁している。
【0044】その後、噴射時期になると駆動信号Aがオ
ンとなる。コイル318に流れる電流は徐々に増加し、
1Aとなる。コイル318に流れる電流の増加に伴いア
ーマチャ316がステータ311からコイル318の電
流値に応じた吸引力を受けてサーボ弁308が上昇す
る。
【0045】時点tb ではサーボ弁308が、その下端
面がポート306の下端部位置まで上昇している。すな
わちこの時点からポート306が開きはじめる。制御室
230内の高圧燃料が徐々にポート306を介して燃料
タンク505に戻される。制御室230へのコモンレー
ル501からの高圧燃料の導入が絞り218により制限
されているから制御室230の圧力は低圧となる。そし
てノズルニードル220のリフトが開始し燃料噴射が開
始される。
【0046】制御棒228、ロッド225、ノズルニー
ドル220はサーボ弁308に追随して上昇する。サー
ボ弁308がコイル318の1A通電に対応した位置で
停止すると、ノズルニードル220は中間リフトの状態
が維持され、このリフト位置で規定される噴射率で燃料
が燃料噴射孔211より燃焼室内へ噴射される。
【0047】従来のシステムでは燃料噴射時期になると
瞬時にノズルニードルが開弁するから噴射率は破線で示
すように噴射期間の最初から噴射率の高いものとなるの
に対し、本発明のシステムでは初期噴射率を抑えられる
ので燃焼は徐々に拡大し、エンジンの良好な静粛性や、
NOx 等の排出低減効果が得られる。
【0048】この初期噴射率は上記のごとく駆動信号A
のみがオンしたときのコイル318の電流値に依存し、
電流値は抵抗661の抵抗値を選択するだけで所望の値
に設定できるから簡単にエンジンに合った初期噴射率を
得ることができる。
【0049】そして駆動信号Aに加えて駆動信号Bがオ
ンすると、コイル318に流れる電流は約1.7Aと倍
増する。これによりアーマチャ316がステータ311
から受ける吸引力が増加してサーボ弁308はさらに上
昇する。
【0050】サーボ弁308が上昇中の時点tc では、
再びポート306を介して制御室230と燃料タンク5
05が連通して制御室230の圧力が低下し、ノズルニ
ードル220がさらにリフトして噴射率が上昇する。そ
してノズルニードル220が完全に開弁すると、以後は
この最大燃料噴射率で噴射が行われる。
【0051】その後、所定の噴射終了時期になると、駆
動信号A,Bは同時にオフし、アーマチャ316のステ
ータ311からの吸引力が解除され、スプリング317
のばね力によりサーボ弁308は下降する。
【0052】サーボ弁308が下降中の時点td では、
サーボ弁308によりポート306が閉じられ、再び制
御室230の圧力が上昇し、ノズルニードル220が下
降する。そしてサーボ弁308がストッパ320で規定
される下限位置に達し、ノズルニードル220も閉弁し
て噴射が終了する。装置各部は燃料噴射前の状態に復す
る。このように閉弁時には駆動信号A,Bは同時にオフ
することでノズルニードル220を瞬時に閉弁し、シャ
ープカットが達成できる。
【0053】以上のごとく本システムでは初期噴射率の
抑制と、シャープカットとが両立できる。
【0054】なお本実施形態のシステムではコイルには
通電時の電流値を2段階に与える構成としているが、こ
れ以上の複数段階の電流値を与える構成としてもよい。
この場合、噴射制御を、初期噴射率がさらに細かく段階
的に増加するようにしたり、エンジンの条件によって異
なる初期噴射率の中から選択するようにすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射弁の全体縦断面図である。
【図2】本発明の燃料噴射弁の要部縦断面図である。
【図3】上記燃料噴射弁を用いる本発明の燃料噴射シス
テムの構成図である。
【図4】本発明の燃料噴射システムの、燃料噴射弁の制
御に用いられる電子制御ユニットの構成図である。
【図5】上記電子制御ユニットの、燃料噴射弁に通電す
る駆動回路の回路図である。
【図6】本発明の燃料噴射システムのタイムチャートで
ある。
【図7】(a),(b),(c),(d)はそれぞれ作
動タイミングの異なる本発明の燃料噴射弁の要部縦断面
図である。
【図8】従来の一の燃料噴射弁の全体縦断面図である。
【図9】従来の一の燃料噴射弁の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁 208 貫通孔(案内孔) 210 シリンダ(弁シリンダ) 211 燃料噴射孔 213 噴射室(圧力室) 220 ノズルニードル(弁ニードル) 228 制御棒 230 制御室 301 弁部 302 リニアソレノイド(ソレノイド) 303 縦孔 304 底部(排出流路) 306 ポート 308 スプール弁(スプール、排出流路) 309 配管(排出流路) 315 スプリング室(排出流路) 316 アーマチャ 317 スプリング(ばね部材) 6 電子制御ユニット(通電手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 51/06 F02M 51/06 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に燃料噴射孔が形成され常時高圧燃
    料が導入される弁シリンダと、弁シリンダ内に設けられ
    これに沿って変位する弁ニードルと、案内孔内を弁ニー
    ドルと一体的に弁ニードルの変位方向に摺動する制御棒
    と、弁シリンダを囲んで形成され、高圧燃料を弁ニード
    ルに対し開弁方向に作用せしめる圧力室と、制御棒の後
    端面を室壁面の一部として形成され、絞りを介して導入
    された制御油圧を制御棒に対し弁ニードルの閉弁方向に
    作用せしめる制御室と、制御室と低圧の排出流路の連通
    と遮断とを切り換える弁部とを有し、弁部の切り換えに
    より制御室の圧力の高低を切り換え弁ニードルを開弁方
    向または閉弁方向に作動せしめる燃料噴射弁において、
    上記弁部は、上記制御棒の内部に縦穴を形成し、縦穴内
    にこれに沿って摺動する棒状のスプールを挿置し、縦穴
    周壁面には、スプールを囲みかつ上記制御室と連通する
    ポートを形成して、スプールが上記弁ニードルの開弁方
    向に変位すると、ポートを介して制御室と上記排出流路
    とが連通する構成とし、かつスプールに対し常時弁ニー
    ドルの閉弁方向に付勢するばね部材と、スプールと一体
    に設けられたアーマチャと、アーマチャを弁ニードルの
    開弁方向に電磁駆動するソレノイドとを具備し、ソレノ
    イドへの通電量に応じて弁ニードルのリフト量を調整す
    るようにしたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料噴射弁と、上記ソレ
    ノイドへの通電量を可変に構成した通電手段とを具備
    し、該通電手段は、燃料の噴射開始時には、少量の通電
    量から漸次増加せしめて所定通電量に上げ、燃料の噴射
    終了時には所定通電量から瞬時に通電を遮断するように
    設定した燃料噴射システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の燃料噴射システムにおい
    て、上記通電手段は、通電時の通電量を2段階に切り替
    える構成とした燃料噴射システム。
JP27353997A 1997-09-18 1997-09-18 燃料噴射弁およびこれを用いる燃料噴射システム Withdrawn JPH1193799A (ja)

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