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JPH118763A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

Info

Publication number
JPH118763A
JPH118763A JP10108891A JP10889198A JPH118763A JP H118763 A JPH118763 A JP H118763A JP 10108891 A JP10108891 A JP 10108891A JP 10889198 A JP10889198 A JP 10889198A JP H118763 A JPH118763 A JP H118763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shading correction
data
image
shading
read
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10108891A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Omichi
隆広 大道
Makio Goto
牧生 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP10108891A priority Critical patent/JPH118763A/ja
Publication of JPH118763A publication Critical patent/JPH118763A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿の画像を読取る場合、装置の経時的な変
化や、光量のバラツキ等による生じるシェーディング歪
みによる出力のバラツキを補正する。 【解決手段】 読取画像データ(1B)が、シェーディ
ング補正部18に入力されることで、該シェーディング
補正部18にて画像読取装置の経時的な変化や画像読取
りのための光学系の光量のバラツキによるシェーディン
グ補正を処理を施し、正常な画像データ1Cとして出力
する。このシェーディング補正部18は、ニューラルネ
ットワーク演算部43を有し、原稿台(11)の各位置
においてシェーディング歪を補正するためのシェーディ
ング補正データを記憶した記憶部44を備える。該記憶
部44には、原稿台の位置座標を入力すると、その位置
におけるシェーディング補正値が出力できるシェーディ
ング補正データが予め記憶されており、上記ニューラル
ネットワーク演算部43を用いてシェーディング補正処
理を行い、原稿面全体に対して安定なシェーディング補
正を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデジタル複写機、フ
ァクシミリ、カラースキャナ等に搭載され、被読取原稿
の画像を光走査によって読取り、それを電気信号の形で
出力するスキャナとして称される画像読取装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、画像読取装置としては、主にガラ
スで構成される透明な原稿台面上に置かれた原稿に対し
て、これを光源から発せられる光で光走査し、得られた
反射光をカラー画像を読取る場合に、何らかの方法でR
(赤)G(緑)B(青)の光の3成分に分解し、読取素
子であるCCD等の光電変換素子の受光部に結像し、こ
れらをR,G,Bの各成分のアナログ電気信号に変換
し、これをA/Dコンバータ等の手段を介してディジタ
ル電気信号の形で出力するように構成されたものが一般
的である。
【0003】ここに、上記のような画像読取装置におい
ては、光源の光量ムラ、光電変換素子の各画素毎の変換
特性のばらつき、装置内部の電圧変動による光源の光量
の変動、経年使用による光電変換素子の変換特性の変
化、結像用レンズの透過光量のばらつき等の諸要因によ
って、同一濃度の画像を光走査によって光電変換素子に
結像しても、該光電変換素子からの出力電気信号は常に
一定の値にはならず、常に変動するシェーディング歪と
いう現象が生じる。
【0004】この様なシェーディング歪現象に対し、出
力信号のばらつきをできる限り抑制して、同一濃度の画
像を読取る場合には、上記のような諸要因に関わらず常
に一定の出力電気信号を得ようとする補正を、シェーデ
ィング補正と称し、様々な試みがなされている。
【0005】中でも一般的に用いられているのは、原稿
の画像を光走査して読取る光学系の移動経路中の原稿台
以外の場所に補正用基準白板(以下、基準白板と称す
る)を設置し、原稿を光走査する前にこの基準白板を前
もって光走査して光電変換素子にその画像を読取らせ、
その読取画像データを基準として各画素を構成する光電
変換素子毎にR,G,B成分の各信号に対する補正係数
を算出して、これを読取った読取画像データのディジタ
ル電気信号に加えることにより補正を行なう方法であ
る。
【0006】この様な例として特開平7―336535
号公報では、各光電変換素子毎に設置された基準白板に
それぞれ側色データを表すバーコードを添付し、原画を
読取る前にこのバーコードデータの読取りと基準白板の
光走査を行なうことによって基準白板の製造時の濃度ば
らつきを抑えて安定したシェーディング補正を行なう方
法が開示されている。
【0007】これに対し、特開平8―172531号公
報では、原稿台の走査線上に上記の基準白板を分散して
配置し、これらの基準白板の信号を読取った値からその
間の基準白板のない部分のシェーディング補正値を推定
直線計算を行なって算出するという方法が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなシェー
ディング補正におていは、白色基準板における出力状態
を考慮し、実際の読取画像データに対して補正を行うこ
とで、それなりの効果、つまり画像データを全体に同一
濃度で出力することができる。
【0009】しかしながら、特開平7−336535号
公報記載のシェーディングにおいては、光電変換素子間
での出力信号のばらつきは、ある程度抑えることができ
るが、原稿読取り面の全体にわたってのばらつきを抑え
ることはできない。即ち、原稿台にある原稿を光走査し
ていく際に、光源の光量の変動、各走査線に対して光源
から照明される走査光の角度の変動等の諸要因によっ
て、読取原稿の画像に同一濃度の画像があっても、場所
によって出力信号の値が変化するという現象が生じる。
【0010】また、特開平8−172531号公報記載
のシェーディング補正においても、基準白板のない部分
に対して精度の高いシェーディング補正を行なうのは非
常に困難である。
【0011】従って、いずれのシェーディング補正の方
法、手段においても原稿台全体に対して常に良好なシェ
ーディング補正を行なうことは非常に困難であり、どう
しても原稿台の位置によって、ある程度のシェーディン
グ歪を発生させてしまう。また、原稿の画像を読取る前
に、その都度基準白板等を読取り、これによるシェーデ
ィング補正処理を行う必要があり、読取時間が長くなる
傾向にあった。
【0012】本発明の目的は、シェーディング歪を発生
させる光電変換素子や光源の特性変化等の諸要因を考慮
し、かつ原稿台全体にわたって安定したシェーディング
補正を行なう画像読取装置を提供することにある。
【0013】特に本発明の目的は、シェーディング補正
を行う場合、原稿台上に同一濃度の画像を載置した時に
は、経時変化、光源の光量変化、さらにはその他の変化
に関係なく、一定の濃度による画像データを出力するよ
うにしたものある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ための請求項1記載の発明による画像読取装置は、原稿
台上に載置される原稿の画像を光学的に走査し、該走査
れた画像の反射光を電気信号に変換して読取画像データ
として出力する光電変換手段に結像し、該反射光による
画像に応じた光電変換手段から出力される読取画像デー
タに対して、予め画像の同一濃度の出力状態が一定とな
るようなシェーディング補正値に基づいてシェーディン
グ補正処理を行う補正手段を備えた画像読取装置におい
て、シェーディング補正のために上記原稿台上の任意の
点を複数指定し、上記補正手段は、予め上記同一基準濃
度の基準データに対して、シェーディング補正のための
上記指定された複数の任意の点における上記同一基準濃
度による上記光電変換手段にて読取ったシェーディング
補正用読取データが、上記基準データになるシェーディ
ング補正値を求めるとともに、上記複数の指定された点
の位置間のシェーディング補正値を求め、このシェーデ
ィング補正値により上記読取画像データのシェーディン
グ補正処理を施し、画像データとして出力するように構
成されたことを特徴とするこのようにすることで、複数
の任意の点によるシェーディング補正値の間を補完する
形で全域を原稿台全域をカバーするようなシェーディン
グ補正値を求めるようにしている。これにより、原稿の
読取画像データに対するシェーディング補正処理を施せ
る。つまり、原稿台全域をカバーできるようにシェーデ
ィング補正処理を行える。特に、任意の点においては、
シェーディング補正を必要となる箇所、例えば光学走査
手段の走査位置での変動や、経時変化による出力状態が
変化する位置を指定入力しておくことでシェーディング
補正を安定させることが可能になる。
【0015】そこで、上述した構成の画像読取装置にお
いて、請求項2記載の発明によれば、上記補正手段は、
ニューラルネットワークを用い上記原稿台上の任意に指
定された点の位置情報を入力要素とし、その位置情報に
応じて、上記基準データと、シェーディング補正用読取
データとにより求めたシェーディング補正値を教師信号
として学習を行い、学習結果が最終的にシェーディング
補正値となる係合係数をシェーディング補正データとし
て求め、このシェーディング補正データを記憶する記憶
部と、上記読取画像データの各位置情報を入力層に加
え、上記記憶部に記憶されたシェーディング補正データ
に応じたシェーディング補正値を出力層より出力するニ
ューロ演算部と、上記ニューロ演算部より出力されるシ
ェーディング補正値に応じた上記読取画像データのシェ
ーディング補正処理を行う補正演算部とから構成されて
いることを特徴とする。
【0016】このようにニューラルネットワークを利用
して、シェーディング補正処理を行うようにしておけ
ば、光電変換手段の各素子の変換特性や光学走査用の光
源の光量ムラやシェーディング歪みの諸要因を反映し
た、原稿台での各位置におけるシェーディング補正が可
能になる。また、シェーディング補正のためのニューラ
ルネットワークを用いることで、シェーディング補正に
必要な情報をニューラルネットワーク演算用の重み計数
(係合係数)と応答関数の式のみに止めることが可能と
なる。更に原稿台の予め指定した任意の複数の点(位
置)でシエーディング補正データを算出するので、各点
間のシェーディング補正値を類推する形で出力できるよ
うになる。また、原稿の画像を読取る前には、同一濃度
となる画像、例えば基準白板をその都度光走査する必要
もなくなる。そのため、原稿の読取時間を短縮できる。
【0017】また、上述した構成の画像読取装置におい
て、本発明の請求項3記載のものによれば、上記記憶部
は、原稿台上を予め任意の領域に設定し、それぞれの領
域に応じて上記ニューラルネットワークにて学習演算し
たシェーディング補正データを区別して記憶しており、
上記補正手段は、読取画像データと共にそのデータに応
じた位置情報にて原稿台上を予め設定した領域を判別す
る判別部を備え、上記判別部は上記位置情報に応じた原
稿台上の予め設定された領域を判別し、上記補正手段
は、上記判別手段の判別結果に応じてシェーディング補
正データを記憶部よりニューロ演算部へと出力し、上記
予め設定した領域毎のシェーディング補正処理を行える
ようにしたことを特徴とする。
【0018】このような補正手段の構成によれば、上述
した通りニューラルネットワークによるシェーディング
補正を行えると同時に、原稿台上の領域毎に細かなシェ
ーディング補正処理を行える。例えば原稿台上の中央部
と、その周辺部分の領域を区分して設定しておき、それ
ぞれの領域毎によるシェーディング補正処理を行える。
そのため、さらに高精度のシェーディング補正処理が可
能になる。また、領域の設定においては、任意に行えば
よく、光学系の走査位置での変動等を配慮できるように
任意に設定でき、より精度の高いシェーディング補正が
可能になる。
【0019】さらに、上述した構成による画像読取装置
において、請求項4記載の発明によれば、原稿台上の任
意に指定した複数の点の位置情報に加え、画像読取装置
の電源投入からの経過時間を入力要素としたシェーディ
ング補正用のニューラルネットワークを用いて各指定し
た点でのシェーディング補正値に基づく学習を行い、そ
の学習結果のシェーディング補正データを記憶部に記憶
しておき、これを利用して電源投入から電源電圧が安定
するまでのシェーディング補正を可能にできる。つま
り、画像読取装置の電源投入後に数時間といった比較的
短い期間での装置の内部電圧等の諸要因に対して、これ
を反映したシェーディング補正データを出力することが
できる。これにより、電源投入後に装置内部の電圧変動
によって光学走査系の光源の光量もしくは光量分布が変
化しても、原稿台上の各画素点において常に安定なシェ
ーディング補正を行なうことが可能となる。
【0020】また、上述した構成による画像形成装置に
おいて、請求項5記載の発明によれば、原稿台上の任意
に指定した複数の点の位置情報に加え、画像読取装置の
動作状態における経過時間を入力要素としたシェーディ
ング補正用のニューラルネットワークを用いて各指定し
た点でのシェーディング補正値に基づく学習を行い、そ
の学習結果のシェーディング補正データを記憶部に記憶
しておき、経時変化に対処できるシェーディング補正処
理を可能にできる。つまり、画像読取装置の読取動作に
より経時変化、例えば数ケ月あるいは数年といった長期
間で特性が変化するCCD等の光電変換素子の変換特性
や光源の特性等の諸要因に対して、これを反映したシェ
ーディング補正処理を行うことができる。従って、光電
変換素子や光源の継続使用による特性変化が発生して
も、原稿台上の各画素点において常に安定なシェーディ
ング補正を行なうことが可能となる。
【0021】また、上述した構成による画像読取装置に
おいて、請求項6記載の発明によれば、原稿台上の任意
に指定した複数の点の位置情報に加え、画像形成装置の
周囲の環境変化の検出信号を入力要素としたシェーディ
ング補正用のニューラルネットワークを用いて各指定し
た点でのシェーディング補正値に基づく学習を行い、そ
の学習結果のシェーディング補正データを記憶部に記憶
しておき、環境変化に対処したシェーディング補正を可
能にできる。つまり、画像読取装置の周囲の環境変化、
例えば湿度変化による原稿台内面の水滴によるくもり等
の諸要因に対して、これを反映したシェーディング補正
データを出力することができる。従って、画像読取装置
内の湿度により、原稿台内面に水滴によるくもり等が生
じた場合に対しても原稿台上の各画素点において常に安
定したシェーディング補正を行なうことが可能にでき
る。
【0022】最後に、上述した構成による画像読取装置
において、請求項7記載の発明によれば、原稿台上の任
意に指定した複数の点の位置情報に加え、画像読取装置
の電源投入時からの時間をカウントする第1のカウント
手段、画像読取装置の読取動作時間をカウントする第2
のカウント手段、画像読取装置の周囲の環境変化を検出
する検出センサからのそれぞれの信号が入力要素とした
シェーディング補正用のニューラルネットワークを用い
て各指定した点での各種シェーディング補正値に基づく
学習を行い、その学習結果のそれぞれのシェーディング
補正データを記憶部に記憶しておき、上記第1、第2の
カウント手段、検出センサからのいずれかの信号を入力
要素に加えるか否かを任意に外部から選択可能にし、い
ずれかのシェーディング補正を任意に行えるようにでき
る。そのため、ニューラルネットワーク演算部の入力層
に加える否かの入力要素を任意に外部から選択可能にし
ておけば、実際に画像を読取る際の画像読取装置の状況
や入力画像が要求する精度に応じて、上記の入力要素を
考慮したシエーディング補正を行なうかどうかを選択す
ることが可能となる。よって、特に高精度なシェーディ
ング補正を必要としない画像データを出力させる場合に
は、これらの入力要素を考慮しないシェーディング補正
のためのニューラルネットワークを選択することによ
り、処理時間の大幅な短縮が可能となる。
【0023】
【本発明の実施の形態】本発明の各種実施形態について
図面を参照に詳細に説明する。図1は本発明の画像読取
装置によるシェーディング補正処理を行うためのニュー
ラルネットワークを用いたシェーディング補正部の詳細
を示すブロック図、図2は原稿を載置するための透明な
原稿台を示す平面図であり、特に本発明にかかるシェー
ディング補正のための座標点を任意に設定入力するため
の例を示している。図3は図1におけるシェーディング
補正に用いられるニューラルネットワークの一例を示す
説明図である。また、図4は図1に示すシェーディング
補正部を備える画像読取装置全体の概略構造及び、読取
った画像データをシェーディング補正処理するためのブ
ロック図である。
【0024】まず、図4において、本発明にかかる画像
読取装置の概略構成を説明する。本発明の画像読取装置
は、透明な原稿台11に置かれた読取原稿を、原稿台1
1の下面に配置してなる光源12からの走査光によって
走査し、その反射光を反射ミラー13a,13b,13
cによって結像用レンズ14に導く。結像用レンズ14
を通過した反射光、つまり原稿からの反射光像は、光電
変換素子であるCCD素子15上に結像される。CCD
素子15には、CCDドライバ16が接続されており、
該ドライバを介してR,G,B成分の各濃度を示すアナ
ログ電気信号1A(各色信号Ra,Ga,Ba)が出力
される。このアナログ信号1Aは、次にA/D変換部1
7に伝送され、該変換部にてR,G,Bの各成分につい
て、例えばそれぞれ8bitのデジタル電気信号(読取
画像データ)1B(Rd,Gd,Bd)として出力され
る。
【0025】上記デジタル信号1Bは、次にシェーディ
ング補正部18に伝送される。このデジタル信号である
読取画像データ1Bは、上記シェーディング補正部18
にて本発明によるシェーディング補正処理を施された
後、補正後の画像データ1C(Rd1,Gd1,Bd
1)として外部機器へと出力される。例えば、デジタル
複写機であれば、レーザプリンタ等のカラー画像形成部
へと転送される。また、外部のカラープリンタ等に転送
される。
【0026】上記CCD素子15は、ラインセンサとし
て構成される。つまり、CCD素子15の各光電変換素
子は、図2において原稿台11に対してX方向に配列さ
れている。また、A/D変換部17とシェーディング補
正部18は、それぞれ専用のIC回路で構成される。
【0027】本発明の画像読取装置は、光源12及び反
射ミラー13a,13b,13cが矢印で示した方向に
移動していくことにより、原稿を1ラインずつ光走査
し、得られる画像による反射光を、上記方法により出力
する動作を繰り返すことにより原稿の画像を読取り、そ
の電気的に変換された画像データを出力することができ
る。
【0028】また、本発明によるシェーディング補正部
18は、シェーディング補正値が求められており、読取
った読取画像データ1Bに対してシェーディング補正処
理を施し、補正した処理後の画像データ1Cを出力して
いる。そのため、初期時、つまり製品の出荷前に、事前
に基準白板10を原稿台11上に載置し、この基準白板
10によるCCD素子15からのシェーディング補正の
ための基準となる読取データが得ておく。そして、その
基準となる基準の読取データに対して、該データが全て
同一になるようなシェーディング補正値が予め求められ
る。このシェーディング補正値を得るために、以下の実
施形態において詳細に説明するが、予めニューラルネッ
トワークにて演算した結果、つまり上記シェーディング
補正値となるような係合係数がシェーディング補正デー
タとして記憶される。このシェーディング補正データに
基づいて得られるシェーディング補正値にて、CCD素
子15からの読取データをシェーディング補正処理し、
画像データとして出力するようにしている。
【0029】上記シェーディング補正部18は、ニュー
ラルネットワークにて、予め求めたシェーディング補正
データに従って、シェーディング補正処理を実行する。
そのために、基準白板10によるCCD素子15からの
シェーディング補正用読取データと、上記基準白板10
に対して全ての領域で同一出力となるような基準データ
(測色データ)との比較、例えば差をシェーディング補
正値として定め、このシェーディング補正値に基づいて
ニューラルネットワークを利用してシェーディング補正
データを求める。即ち、後に詳細に説明するが、光源1
2の光量ムラや電圧変動、また経時変化等に合わせてシ
ェーディング補正値に基づいて、同一の出力データが得
られるようなシェーディング補正データを、上述しシェ
ーディング補正部18にて予め得ておき、これに基づき
実際に原稿の画像を読取ったデータによるシェーディン
グ補正処理を行っていく。
【0030】このようにしてシェーディング補正データ
を求め、実際には被読取原稿が原稿台11に載置される
ことで、CCD素子15から出力される読取画像データ
1Bに対して、先に求めたシェーディング補正データに
基づく、シェーディング補正値にてシェーディング補正
処理を施し、最終的にシェーディング補正後のデジタル
信号1Cを画像データとして出力する。
【0031】このようにすることで、電圧変動や光源の
光量ムラ、光量分布の違い、さらに画像読取装置の経時
的な変化、CCD素子の各画素毎の出力にばらつき等に
対して、CCD素子15からの出力が、同一濃度の画像
に対して一定しない時でも、常に一定状態で安定した画
像データの出力が可能になるようにしている。
【0032】(第1の実施形態)そこで、本発明におい
ては、シェーディング補正のために原稿台11に対して
全域で行えば非常に時間を要すると同時に、大容量の記
憶部が必要となる。そのため、原稿台11上の任意の点
を複数設定しておき、その設定した点におけるシェーデ
ィング補正値を求め、これに基づいてシェーディング補
正データを予めニューラルネットワークを用いて演算し
ておき、このシェーディング補正データに基づいて、シ
ェーディング補正処理を行うようにしている。その結
果、記憶部の容量が少なくてすむ。また、処理時間につ
いても差ほど必要としなくなる。しかも、実際の原稿の
画像読取走査時にその都度、シェーディング補正値を出
力させ、これによるシェーディング補正値による補正を
可能にしている。また、原稿の読取り前に、その都度基
準白板等を走査し、シェーディング補正値等を求める必
要がないため、1枚目から原稿の読取時間も短縮でき
る。
【0033】以下に本発明のシェーディング補正の処理
を順を追って説明する。まず、シェーディング補正デー
タを求めるための例を詳細に説明すれば、図4に示す原
稿台11の原稿面全体にシェーディング補正用の基準白
板10を設置する。この基準白板10は、上述したよう
に図示しない原稿カバーによる白色板を利用してもよ
い。そして、初期時に上記基準白板10にて、予め基準
として測色データ(カラー画像の場合、反射光のR,
G,B成分を読取った値をそれぞれデジタルデータに変
換した上述した基準読取データ)を求めておく。
【0034】図2は図4に示す原稿台11の平面図であ
る。この原稿台11上の複数の任意の画素を測定点とし
て予め指定する。図2において符号21,22,23
は、このような測定点の例である。この測定点の数は、
任意であり、適宜設定すればよいことである。また、そ
の数が増すに従って、以下に説明する本発明によるシェ
ーディング補正がより精度の高いものとなる。反面、ニ
ューラルネットワークによる演算時間等が長くるが、こ
れは出荷前に事前に行っているため、実際に原稿の画像
を読取った後の読取データに対してシェーディング補正
を行う時には、その処理時間が長くなることはない。
【0035】ここで、原稿台11上の任意の1点を原点
として指定しておけば、これを基準に上記測定点21,
22,23・・の座標を一義的に決めることができる。
この場合、原点の位置及び座標系は任意に設定すればよ
いことである。そこで、説明を簡単にするために、図2
において原稿台11の頂点の1つ、つまり点24を原点
(0,0)として設定しておけば、走査線方向(CCD
素子の配列方向)XをX軸、光源12の移動方向YをY
軸とする座標系が設定される。これにより、原稿台11
上の任意に指定(設定)した各測定点21,22,23
に対して、(x1,y1)・・等で示される位置座標が
一義的に定まる。
【0036】この様な任意の測定点を指示入力した上
で、光源12を移動させて基準白板10を光走査し、A
/D変換部17から出力されるデジタルデータを各画素
に対応して記録する。これにより、基準白板10を読取
った時のR,G,B各成分のデジタル信号(シェーディ
ング補正用読取データ)が、予め上述したように指定し
た各測定点において求まる。
【0037】そして、各測定点におけるこれらのシェー
ディング補正用読取データと、上述したように予め求め
ておいた基準白板10の測色データとを比較することに
より、R,G,B各成分に対する各測定点でのシェーデ
ィング補正値が算出される。上記測色データは、基準白
板10を読取素子にて実際に読取った場合、例えば走査
方向において全て同一濃度のデータとして得られる基準
データである。
【0038】そのため、実際に基準白板10をCCD素
子15により読取った基準読取データは、理想的には上
述した測色データに一致すれば、シェーディング歪みの
ない読取画像データを得ることができことになる。しか
し、実際には原稿台11やレンズ14、CCD素子15
の各読取画素毎のばらつきによるシェーディング歪みに
より、その出力が一定しない。そのため、基準白板10
を読取った時に理想の測色データが得られるように、そ
の測色データと上記基準白板10を実際に読取ったの基
準読取データとの差や、比率によるシェーディング補正
値を求める。
【0039】上記シェーディング補正値においては、当
然CCD素子15からの各画素の出力が同一濃度、つま
り基準白板10を読取った状態において同一になるよう
にするための値である。また、このシェーディング補正
値は、上述したように予め設定した測定点21,22,
23等において求められる。即ち、各測定点において、
以下の表1で示されるようなシェーディング補正値のデ
ータが作成される。
【0040】
【表1】
【0041】以上の表1で示した各測定点におけるシェ
ーディング補正値のデータを基にして、図3に示すよう
に入力層が原稿台11上の各画素の位置座標(x,
y)、出力層がその画素におけるR,G,B各成分に対
する表1に示したシェーディング補正値Rh,Gh,B
hであるニューラルネットワークを構成し、各測定点で
のシェーディング補正値(Rh,Gh,Bh)を教師信
号として学習させるシェーディング補正用ニューラルネ
ットワーク(以下ニューロと記す)を構成する。
【0042】この場合、図3に示すニューロにおいて、
予め指定した測定点21,22,23・・の座標位置
(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3)・・
に対する表1に示すシェーディング補正値(Rh,G
h,Bh)を出力できる学習が行われる。この時、例え
ば測定点21においては、予め中間層(Hidden Laye
r)の各係合係数を任意の値に設定しておき、その時の
出力層の値と、シェーディング補正値(Rh1,Gh
1,Bh1)とが比較され、それを教師データとして最
終的に出力層(Output Layer)からシェーディング補
正値(Rh1,Gh1,Bh1)が出力されるように係
合係数が逐次変更され学習が行われる。そして、最終的
に出力層に得られる値が、シェーディング補正値(Rh
1,Gh1,Bh1)になった時の係合係数がシェーデ
ィング補正データとして後に説明する記憶部に記憶され
る。
【0043】このようにして、各測定点22,23・・
においても同様のニューロによる学習が行われ、最終的
にその測定点22,23・・のシェーディング補正値が
出力層に出力される時の中間層の係合係数がシェーディ
ング補正データとして記憶される。
【0044】このシェーディング補正用ニューラルネッ
トワークは、各画素毎に変換特性のばらつきのあるCC
D素子15と光量ムラを生じている光源12をはじめ、
基準白板10走査時の読取装置内の各機構の特性を反映
することになる。
【0045】本発明にかかる図3に示すニューラルネッ
トワークにて求めたシェーディング補正データは、図4
におけるシェーディング補正部18に利用されるもので
あって、該シェーディング補正部18の詳細については
図1に基づいて以下に説明する。
【0046】図1に示すシェーディング補正部18は、
補正演算部41と、判別部42と、ニューロ演算部(図
3に示すニューラルネットワークにて構成されるものと
同等のもの)43とシェーディング補正データ記憶部4
4を備えている。
【0047】図1においては、1Bは図4にて説明した
ようにCCD素子15よりドライバ16を介して出力さ
れるアナログデータ1AをA/D変換したデジタル信号
である読取画像データであって、これがシェーディング
補正部18へと入力される。シェーディング補正を行う
補正演算部41は、先に説明したようにシェーディング
補正データ記憶部44に記憶されているシェーディング
補正データに基づいて、上記ニューロ演算部43が演算
により出力するシェーディング補正値にて、上記読取画
像データ1Bに対してシェーディング補正処理を施し、
処理後の画像データ1Cとして出力する。
【0048】上記シェーディング補正データ記憶部44
は、表1に示す各測定点でのシェーディング補正値、こ
の補正値に基づく学習による求められた中間層の係合係
数をシェーディング補正データとして記憶されている。
そして、この記憶内容が上記ニューロ演算部43に送ら
れることで、ニューロ演算部43からシェーディング補
正値が出力され、これにより読取画像データ1Bに対す
るシェーディング補正処理が行われ、出力画像データ1
Cとして出力処理される。
【0049】また、判別部42には、上述したように原
稿台11上の任意の測定点21,22,23等が読取り
画素の位置座標(x,y)の形式で、読取画像データ1
Bと共に入力され、入力された位置座標により、シェー
ディング補正を各原稿の領域に応じて処理するための原
稿範囲等を判別する機能等が備わっている。
【0050】まず、上述したシェーディング補正データ
記憶部44に、予めニューロ演算させた結果によるシェ
ーディング補正データを記憶させる手順を説明する。そ
こで、初期時に、基準白板10を原稿台11にセットす
る。この基準白板10の基準濃度の画像を図4に示す装
置、つまり、原稿台11、ミラー及びレンズ等からなる
スキャナを構成する光学系を介して読取る。この時、原
稿台11にセットされた基準白板10の全域による読取
データがA/D変換部17よりR,G,B成分のデジタ
ル信号1Bと、先に説明したように基準白板10を図4
に示すような読取装置ではなく、純粋な読取手段にて直
接読取った時の測色データとを対比し、上記デジタル信
号1Bが測色データになる値をシェーディング補正値と
して求める。
【0051】このシェーディング補正値は、例えば予め
指定した図2に示すような測定点21,22,23・・
の各点において表1に示すように求まる。その測定点2
1,22,23・・のシェーディング補正値に基づい
て、図3に示すニューロにて測定点の座標値を入力層
に、上記シェーディング補正値を出力層として、中間層
の係合係数を種々変化させて、最終的に測定点によるシ
ェーディング補正値が出力層より出力される係合係数を
求める。この求めた結果の係合係数がシェーディング補
正データとして、シェーディング補正データ記憶部44
に記憶される。これは、各測定点において同様にニュー
ロ演算を実行し、その結果が逐次、シェーディング補正
データとして記憶部44に記憶されている。
【0052】このようにして求めたシェーディング補正
データを記憶した記憶部44を用いて、図1に示すシェ
ーディング補正部18にて実際に、被読取原稿の画像が
読取られた読取データ1Bに対してシェーディング補正
演算部41にてニューロ演算部より出力されるシェーデ
ィング補正値に基づいてシェーディング補正処理され、
出力データ1Cとして出力される。
【0053】そこで、図4に示す画像読取装置にて原稿
台11に実際に被読取原稿を載置し、画像を読取る。そ
の読取った読取画像データ1Bは、図1に示す補正演算
部41に入力される。この時、各読取画像データに合わ
せて座標データ(x,y)が判別部42に入力される。
この座標データは、図2に示すように原稿台11におい
て測定点21,22,23・・の座標位置を決めた通り
であり、X軸方向においては、CCD読取素子15のラ
イン方向に読取画素の位置であり、Y軸方向においては
図4におけるスキャナを構成するランプ12及び反射ミ
ラー13aが原稿台11に沿って走行される時の位置で
ある。これにより、読取画像データ1Bにおいては、上
記CCD読取素子15と上記ランプ12等の位置にて決
まる座標データが入力される。
【0054】この座標データ(位置情報)は、判別部4
2を介してニューロ演算部43の図3に示す入力層に加
えられる。そして、その位置に応じたシェーディング補
正データ記憶部44より、シェーディング補正データが
ニューロ演算部43の中間層の係合係数として出力され
る。これにより、ニューロ演算部43は、シェーディン
グ補正データに応じたシェーディング補正値を補正演算
部41に出力し、入力される特定の座標データにおける
読取画像データのシェーディング補正処理が補正演算部
41にて行われる。補正処理後、補正演算部41より画
像データ1Cとして出力される。つまり、画像に応じた
読取画像データ1Bは、ニューロ演算部43にて求めた
られたシェーエディング補正データに基づき、順次シェ
ーエディング補正され、画像データ1Cとして出力され
る。
【0055】ここで、本発明においては、図2に示すよ
うに原稿台11の任意の点を指定し、その指定した測定
点21,22,23・・でのシェーディング補正値を求
め、この補正値に基づく、上述したようなニューロによ
る学習演算を行う。この学習については、任意の測定点
21,22,23・・毎で求めた表1に示すシェーディ
ング補正値を教師データとして学習を行い、その中間層
の係合係数を更新させながら、その測定点でのシェーデ
ィング補正値が得られるまで学習が行われる。
【0056】このように各点での学習を行われること
で、その後はニューロの特徴となるが、上述したような
各点での学習を行うことにより、学習されたニューロ
は、例えば測定点21と測定点22までの各画素点のシ
ェーディング補正値を連続的な値として出力することが
可能となる。そのため、測定点以外の図2に示すような
原稿台11全域をカバーするようなシェーディング補正
値を各座標データの入力に合わせて出力させることが可
能となる。
【0057】例えば、測定点21と22の座標位置を基
にして、その点間のシェーディング補正値を推測してい
る。これを用いることで、読取画像データ1Bに対して
全ての点でのシェーディング補正処理が行われることが
できる。しかも、任意の点を複数指定するだけでよい。
これを上述したニューロを用いて予め学習させておくこ
とで、原稿台11に対する全域をカバーするようにした
シェーディング補正処理を可能にしている。しかも、被
読取原稿の読取走査を行う前に、その都度基準白板10
の読取結果を求めてシェーディング補正処理を行う必要
がなくなるため、1枚目の読取時間を短縮できる。
【0058】また、測定点21と原点24までのシェー
ディング補正値についても、同様にして推測した形で求
まる。また、測定点23と原稿台11上の終点までも同
様にして求まる。この場合、原点24及び終点25(x
n,yn)を測定点として指定しておけば、その間のシ
ェーディング補正値を正確に推測できる。さらに、測定
点の数を増せば、自ずとより正確なシェーディング補正
値を全域をカバーするものとして得ることが可能とな
る。
【0059】(第2の実施形態)なお、原稿台11に載
置された被読取原稿は、その読取画像データが光学走査
により順次補正演算部41へと入力される。この時、原
稿台11における任意の点、つまり測定点21,22,
23の範囲において、上述したように学習させたシェー
エディング補正データに基づくシェーエディング補正値
を出力し、これによる補正処理が施される。
【0060】この場合、図2においては、原稿台11の
原点24から終点25までの全域をカバーできるような
任意の測定点21,22,23・・を指定している。こ
の指定領域は、例えば原稿台11のほぼ中央部における
シェーディング補正を反映することにもなる。
【0061】これに対して図5に示すように、原稿台1
1の先端(図において上部)部分から所定の距離で示す
領域11a、原稿台11の図において左右の領域11
c,11d、そして原稿台11の後端(図中下部)から
所定の距離までの領域11bで示す周辺のシェーディン
グ補正を良好に行う場合には、それらの領域において、
任意の測定点を複数指定し、上述したように測色データ
と、実際にCCD素子15にて基準白板10を読取った
基準読取データとの対比によるシェーディング補正値を
表1に示すように別個に求める。
【0062】例えば、原稿台11の上部領域11aにお
いて、測定点21a,22a,23a・・の位置を任意
に指定する。それらの、座標データ(x1a,1a),
(x2a,y2a)・・との関係で、上述した第1の実
施形態において説明したようにニューロによる学習を行
い、その結果を図1に示すシェーディング補正データ記
憶部44に、第1の実施形態において求めたシェーディ
ング補正データとは個別に記憶させておく。この場合、
原稿台11に対して中央部を除く、先端、後端、左右の
周辺の4つの領域11a,11b,11c,11d毎
に、シェーディング補正データを求めておけば、より正
確なシェーディング補正処理を行える。しかし、その記
憶データが増すのを避けるために、上述した周辺領域を
一つの領域としてシェーディング補正データを求めるこ
ともできる。
【0063】そこで、図1に示す判別部42において
は、外部より例えば原稿台11の領域に応じたシェーデ
ィング補正処理を行うか、図2に示すような一つの領域
によるシェーディング補正処理を行うかの外部より入力
設定が行えるようになっている。そのため、入力された
条件に応じた、シェーディング補正を行えるようにシェ
ーディングデータ記憶部44の記憶領域を指定し、それ
に応じたシェーディング補正データをニューロ演算部4
3へと出力させるようにしている。
【0064】つまり、判別部42は、読取領域に応じた
シェーディング補正処理を行わせるような設定入力がな
されると、読取装置による読取画像データ1Bと共に入
力される座標データ(x,y)にて、図5に示すような
領域11a,11b,11c,11dか、それ以外の中
央部の領域かを判別し、その領域に応じたシェーディン
グ補正データを記憶部44より出力させるように構成さ
れている。従って、原稿台11の全体のシェーディング
補正を良好に行うことが可能になる。
【0065】そのため、この実施形態に従えば、原稿台
11の周辺により出力データの落ち込み、また各領域に
よる光量や走査光学系のぶれ等により出力補正を良好に
行うことが可能になる。
【0066】(経時変化に対処する本発明の実施形態)
ここで、読取装置においては、その経時変化により基準
白板10を読取っても、初期の基準読取データを得るこ
とができなくなる。そのため、本発明を利用すること
で、経時変化に対しても、読取装置による出力データに
対してシェーディング補正処理を行うことで、最初の読
取状態と同様の画像データ1Cの出力を行うことができ
る。そのため、上述した第1の実施形態において説明し
たニューラルネットワークを利用してシェーディング補
正データを学習させて求める。
【0067】そのためにも、実際に画像読取装置の経時
変化に基づいて読取りを行う状態を作り出す。例えば、
初期より画像読取装置の寿命までの間に所用時間毎に複
数の測定時間点を設定する。これは、画像読取装置を、
実際に動作させるエージング処理にて、1年後の状態、
2年後の状態、さらに3年後の状態を疑似的に作り出
す。このようなエージング処理等にて行うことで、疑似
的といえども、画像読取装置は実際に経時変化する状態
と同様になる。
【0068】そして、それぞれの経時変化の状態におい
て、基準白板10を読取り、図2に示すような測定点2
1,22,23・・に基づくシェーディング補正値を、
表1に示す先に説明したように測色データとの対比によ
り求める。このシェーディング補正値と、上記測定点2
1,22,23・・との関係を、ニューロを用いて学習
させ、その学習結果によるシェーディング補正データを
1つの経時変化のデータとして記憶部44に、第1の実
施形態において説明したシェーディング補正データとは
別の領域に区別して記憶させておく。
【0069】例えば、上述したように画像読取装置の寿
命までの時間(期間)を複数、例えば1年毎に区切り、
その1年毎のシェーディング補正データを予め求めてお
き、これを記憶部44に区分して記憶しておく。
【0070】そのため、図1に示すように別途、シェー
ディング補正部18の外部に画像読取装置の初期からの
動作時間をカウントするタイマ46を用意しておく。こ
のタイマ46からの出力は、上述したように例えば、1
年単位に基づいて信号出力するように構成されている。
そのタイマ46からの出力がニューロの入力層の一端子
に入力されるようにする。これにより、所定時間毎(1
年経過毎)にタイマ46からの出力に応答して、その経
時変化に応じたシェーディング補正処理を同様にして行
える。
【0071】そのために、上述した1年毎に経時変化し
た状態でのシェーディング補正データを得るためのニュ
ーロ演算が実行される。これは、図3に示すニューロに
おいて、経時時間による要素が入力層に加わる。図3に
おいて装置の動作時間がそれである。そして、上述した
ように画像読取装置をエージング処理にて実際に経時変
化した状態を作り出し、その時の状態での基準白板10
の読取データと、測色データとの対比によるシェーディ
ング補正値を表1に示すように求め、それぞれの測定点
との関係を、ニューロにて学習させ、その結果がシェー
ディング補正データとして記憶部44に区分された期間
毎、例えば1年毎に区分して記憶されている。
【0072】このようにして得られたシェーディング補
正データに基づき、以下に示す実際の原稿画像の読取処
理が行われる。そのため、図1において実際に画像読取
装置に原稿の画像読取を行い、初期から1年間では第1
の実施形態と同様なシェーディング補正を行う。
【0073】そして、画像読取装置の1年後において
は、そのデータがニューロ演算部43の入力要素して加
わり、上述した経時変化がに応じたシェーディング補正
を行うべく、装置の1年後に応じたシェーディング補正
データを記憶部44より出力させる。従って、1年経過
後には、1年後に基づくシェーディング補正データによ
り読取画像データ1Bが補正演算部41にてシェーディ
ング補正処理を実行でき、処理後のデータ1Cを出力す
る。これにより一定の出力状態を経時変化に関係なく補
正出力できる。
【0074】(電圧変動に対処する本発明の実施形態)
一方、画像読取装置は、その電圧変動に応じても出力状
態が大きく変化する。そのため電源投入後から装置内部
の電圧が一定化するまでの所用時間中に複数の測定時間
点を上述した経時変化と同様に設定する。各測定時間点
までエージング処理を施した場合の図2に示す各測定点
におけるR,G,B各成分のシェーディング補正値を求
める。これにより各測定時間点において、表1で示され
るような同様なシェーディング補正値が求まる。これ
は、実際に各測定時間点毎に、基準白板10を読取り、
その読取データと測色データの関係から求まることは上
述した通りである。
【0075】そこで、図3に示した入力層に電源投入か
らの時間を追加したニューラルネットワークを上述した
各測定時間点における測定点21,22,23・・のシ
エーディング補正値を教師データとして学習させてお
く。これを電源投入からの時間を考慮したシェーディン
グ補正用ニューロとして学習演算させ、この結果をシェ
ーディング補正データとして、上述したシェーディング
補正データ記憶部44に記憶させる。
【0076】そのため、実際に被読取原稿の画像を読取
処理する場合、シェーディング補正部18の外部には、
電源投入からの時間をカウントするタイマ(第1のカウ
ント手段)45を用意している。このタイマ45からの
出力が図3に示すようにニューラルネットワークにおけ
る入力層への入力要素の一つとして加わる。
【0077】従って、電源投入時の電源電圧の不安定な
状態で、実際に原稿の画像を読取っても、その時の不安
定な状態での適切なシェーディング補正値に基づくシェ
ーディング補正を行える。つまり、電源投入した直後に
原稿の画像読取動作開始すれば、電源投入からの時間に
応じたシェーディング補正データが記憶部44よりニュ
ーロ演算部43に出力される。そのため、ニューロ演算
部43からは、電源投入時点から読取動作が開始する時
間に応じたシェーディング補正値を補正演算部41へと
出力することになる。この結果、補正演算部41より出
力されるデータ1Cは、不安定な状態を配慮したシェー
ディング補正が施され、正確な読取り画像データ1Cと
なる。
【0078】つまり、電源投入後の画像読取動作時に、
電圧変動によって光源12の光量変化もしくは光量分布
等が変動しても、原稿台11上の各画素点において常に
安定したシェーディング補正処理を行えることになる。
【0079】(環境変化に対処する本発明の実施形態)
また、上述した電源投入直後の電圧変動によるものに限
らず、画像読取装置が設置された場所において生じる環
境変化等においても、光源12の光量変化、CCD素子
からの出力特性変化が生じることが考えられる。
【0080】そのため、画像読取装置内部に、環境変化
を検出する例えば湿度センサ(湿度計)47を設け、湿
度の変化状態を検出し、これに応じて予めニューロ演算
した結果のシエーディング補正データに基づいて、シェ
ーディング補正処理が行えるようにしている。
【0081】そこで、実際に画像読取装置を各湿度状
態、例えば湿度60%,70%,80%の状態で、基準
白板10を原稿台11上に載置し、これを図4に示す光
学系を介して上述した各実施形態と同様にCCD素子1
5にて読取り、この読取基準データと測色データに基づ
き、表1に示すような湿度変化の状態のでシェーディン
グ補正値を求める。これを、図2に示す各測定点21,
22,23・・と、シェーディング補正値との関係を、
予め図3に示すように湿度信号を入力層の一つに加えた
ニューロにて学習演算を行う。この演算の結果によるシ
ェーディング補正データ(中間層の係合係数)がシェー
ディング補正データ記憶部44に予め記憶される。
【0082】上述したように、湿度変化に応じた各種の
ニューラルネットワークによる演算結果を記憶したシェ
ーディング補正データ記憶部44を用いて、図1に示す
シェーディング補正部18によるシェーディング補正処
理が実際の被読取原稿に対して行われる。これを図1を
参照して説明すれば、シェーディング補正部18の外部
に画像読取装置内部の湿度を測定する湿度センサ47を
用意する。この湿度センサ47からの出力が図3に示す
入力層の一つの入力端子に入力される。これにより、湿
度が変化した時に、その湿度に応じたシェーディング補
正データが、記憶部44よりニューロ演算部43へと出
力するように、シェーディング補正データ記憶部44の
記憶領域を、上記湿度計47からの信号に応じて選択す
る。
【0083】これにより、読取装置内の環境変化、特に
湿度変化により、原稿台11に結露等が生じても、原稿
台11上の原稿画像の各読取点において常に安定したシ
ェーディング補正を行うことが可能となる。つまり、湿
度状態に応じた個別のシェーディング補正を行うことが
できる。そのため、環境変化に左右されずに、適正なシ
ェーディング補正を施したデータ1Cを出力できる。
【0084】(本発明の他の実施形態)以上のように、
画像読取装置において、実際に画像を読取る前に、原稿
台11の任意の指定点に基づくニューロによる学習を行
うことで、シェーディング補正データを求めておく。そ
して、その学習結果であるシェーディング補正データに
基づいて、実際に画像を読取ったデータに対するシェー
ディング補正処理を行い、一定の画像データとして出力
できる。
【0085】そのため、本発明においては、上述したよ
うに単一のシェーディング補正データだけでなく、画像
読取装置の経時変化、湿度変化、さらには電源投入時点
から安定するまので電圧変動によるシェーディング補正
データをそれぞれ求めて、それらを必要に応じて使い分
けることが可能になる。
【0086】その一例を以下に説明する。それらによる
シェーディング補正処理の設定入力を任意に行うことが
できる。つまり、湿度変化等がほとんど考えられない場
所において、湿度変化に応じたシェーディング補正を行
う必要はない。そのため、そのような処理を省ける。
【0087】そこで、それらを選択利用てきるようにす
るために、図1において判別部42に外部より光源等の
電源電圧変動、読取装置の経時変化等に応じたシェーデ
ィング補正処理を行うか否かの条件設定信号等を入力で
きるようにしておく。この入力条件設定信号に基づい
て、ニューロ演算部43側では、図3に示すようにx,
yの位置情報とは別の入力端子に、それぞの条件設定信
号に応じた図1に示す如きタイマ45,46、そして環
境変化を検出する湿度センサ47からの信号が選択入力
されるようにしておく。
【0088】これによりニューロ演算部43側では、そ
れぞれのタイマ45,46又は湿度センサ47からの入
力を条件としてシェーディング補正のためのニューロ演
算を行うことになる。
【0089】そのため、ユーザ側では、それぞれの条件
設定を任意にて設定でき、不要な場合にはその条件設定
を行わないようにしておく。その設定入力状態を、判別
部42が判別し、該判別部43を介して条件設定信号と
してシェーディング補正データ記憶部44に転送され
る。これを受けて記憶部44は、その条件に応じた予め
求めら記憶しているシェーディング補正データをニュー
ロ演算部43に出力する。そして、ニューロ演算部43
は、それに応じたシェーディング補正値を補正演算部4
1に出力する。またタイマ45、タイマ46、湿度セン
サ47に、上記条件設定に応じて入力要求信号を出力す
る。これを受けてタイマ45、タイマ46、湿度計47
のいずれかは、経過時間もしくは湿度の信号をニューロ
演算部43ヘ出力する。これらの信号と演算データから
ニューロ演算部43は、R,G,B各成分のシェーディ
ング補正値を算出して補正演算部41ヘと出力する。
【0090】そこで、以下に本発明のシェーディング補
正による制御、及び上述した入力条件を任意に選択して
設定した時のシェーディング補正による処理の流れを図
6及び図7に示すフローチャートに従って説明する。図
6及び図7において破線にて囲った部分は、それぞれ図
1のブロック図の各回路での処理を示すものであって、
説明を簡単にするために同一符号で示している。
【0091】まず、原稿台11上に載置された原稿の画
像読取りが開始すれば、その読取画像信号(データ)1
B(カラーの場合にはRd,Gd,Bd)及びその時の
座標信号(位置情報タ)の(x,y)が出力され、これ
が図1に示すブロック図に示す各回路に入力(ステップ
6A)される。そこで、入力される各信号は、それぞれ
読取画像データ1Bがシェーディング補正演算部41、
その時の位置座標信号(x,y)が判別部42にそれぞ
れ送られる(ステップ6B)。そのため、読取画像デー
タ1Bは、そのまま図1に示すシェーディング補正演算
部41に送られ、ステップ6Mによるシェーディング補
正処理が行われることになる。この処理は、後に説明す
るニューロ演算部43より出力されるシェーディング補
正値に基づいて行われる。
【0092】そして、判別部42に送られた位置座標信
号(x,y)は、該判別部42にて最初にステップ6C
にて予め外部から設定されたニューロによるシェーディ
ング補正が必要な座標範囲内の画素であるかが判断され
る。ここで対象外とされた画素については、予め決めら
れたシェーディング補正のための値が補正演算部41に
出力(ステップ6M)される。これは、本発明によるニ
ューロによるシェーディング補正処理を必要としない場
合のものである。即ち、本発明によるシェーディング補
正を対象とせずに、従来周知のシェーディング補正を実
行させるようにしている。そのため、ユーザが予め領域
毎に、例えば図5にて説明したように原稿台11に対し
て周辺領域11a,11b,11c,11dのみ本発明
によるシェーディング補正処理を行うように設定してお
く。これにより、中央部の座標位置でれあれば、本発明
によるシェーディング補正処理を行うものではないと判
断し、上記ステップ6Mによる処理を実行させる。
【0093】このステップ6Mにおていは、ニューロに
よるシェーディング補正ではなく、例えば従来より行わ
れているシェーディング補正のためのシェーディング補
正値が、そのまま補正演算部41へと出力されるように
なっている。そのため、シェーディング補正値を予め記
憶部44a等に記憶させておき、位置座標に応じたシェ
ーディング補正値を出力させるようにしている。例え
ば、シェーディング補正値は1ライン分における、各画
素毎に対応させて記憶しておき、座標位置(x,y)の
yの値には関係なくxの値に基づいてシェーディング補
正値を出力するようにしておけば、記憶容量が1ライン
分のみで済む。これは、簡易な方法であり、原稿台11
全域に対応させておくこともできるが、これではシェー
ディング補正値の記憶容量が膨大になる。
【0094】一方、上記位置座標データ(x,y)が、
ニューロによるシェーディング対象内と判断された場
合、ステップ6D〜6Fにおいて、それぞれ電源投入か
らの時間、画像読取装置の読取動作の経過時間、機器内
部の湿度の各要因を考慮したニューロによるシェーディ
ング補正を行なうかどうかが判別される。つまり、これ
が本発明によるニューロによるシェーディング補正処理
対象となる。
【0095】そこで、判別部42での処理が終了した
後、以後の処理はニューロ演算部43ヘ送られる。その
ため、ステップ6D〜6Fにて判断された結果に応じ
て、ステップ6G〜6Jにてニューロ演算に必要な演算
データと、入力値がロードされる。なお演算データは、
上述したようにシェーディング補正データ記憶部44に
記憶された各種データであり、これよりニューロ演算部
43にシェーディング補正データがロードされる。な
お、外部からの条件設定がなされていない場合には、位
置座標データに基づくニューロ演算部43の演算処理が
そのまま実行される(ステップ6J)。これは、図2に
示す各測定点21,22,23・・に基づいて求めたシ
ェーディング補正データにのみ基づくものである。
【0096】上記ステップ6Jにおいては、第2の実施
形態の項にて説明したように、予め原稿台11を任意の
領域に設定しておき、その領域毎によるシェーディング
補正処理を行うこともできる。つまり、座標位置データ
が、中央部か、周辺部かを判別し、その領域毎に予め求
めたシェーディング補正データをニューロ演算部43に
ロード(出力)することもできる。これは、領域毎によ
るシェーディング補正処理を行うことを事前に設定して
おけばよい。
【0097】また、電源投入時からの電圧変動にかかわ
るシェーディング補正処理を配慮する場合には、上述し
た(電圧変動に対処する実施形態)において説明したシ
ェーディング補正データが、記憶部44よりニューロ演
算部43へとロード(ステップ6D→6G)される。ま
た、画像読取装置による経時変化に対処する場合には、
それに応じたシェーディング補正データが、ニューロ演
算部43にロード(ステップ6E→6H)される。そし
て、環境変化に対処する場合には、その条件が予め判別
部42に入力されているため、そのシェーディング補正
データが、ニューロ演算部43にロード(ステップ6F
→6I)される。それ以外においては、上述した通りで
ある。
【0098】次に、上述した何れかの条件に応じたシェ
ーディング補正データがロードされたニューロ演算部4
3では、シェーディング補正データが入力されること
で、それに応じたシェーディング補正値を補正演算部4
1へと出力する。つまり、ステップ6Lにて、上記ニュ
ーロ演算部43にてシェーディング補正データ記憶部4
4より送られてくる係合係数であるシェーディング補正
データによる演算を行い、出力層よりシェーディング補
正値(Rh,Gh,Bh)を補正演算部41へと出力す
る。
【0099】このシェーディング補正値が補正演算部4
1に出力されることで、上述したステップ6Bより既に
シェーディング補正演算部41に入力している読取画像
データ1Bに対してシェーディング補正処理(ステップ
6M)が行われ、処理後の画像データ1Cとして、外部
へ出力(ステップ6N)される。この場合、上述したニ
ューロ演算部43によるシェーディング補正データを得
るものでない場合には、上述したようにステップ6Kに
て予め定められたシェーディング補正値が、シェーディ
ング補正演算部41に送られており、上述したようにシ
ェーディング補正演算部41にシェーディング補正処理
を施し、読取画像データを補正処理後の画像データ1C
として出力される。
【0100】従って、読取画像データを原稿台11の全
域においてニューロ演算部43より出力されるシェーデ
ィング補正値にて、シェーディング補正処理を行うこと
になる。この場合、予め指定した図2に示すような任意
に指定した測定点21,22,23等における位置での
シェーディング補正データをニューロ演算させて求めて
おき、これに基づいて出力処理するようにしてるため、
実際の画像読取後の画像データ1Cの出力処理が遅れる
ことはない。
【0101】しかも、第2の実施形態において述べたよ
うに、原稿台11の図5に示すように複数領域を設定
し、それぞれの領域によるシェーディング補正処理を行
うこともできる。つまり、原稿台11の周辺領域の経時
変化を大きい場合には、その領域によるシェーディング
補正を、経時変化に応じて行い、中央部においては第1
の実施形態による位置情報に応じたシェーディング補正
のみで行うようにできる。従って、部分的にシェーディ
ング補正データをニューロ演算部43にて得るようにす
ることもできるため、経時変化の大きな点でのシェーデ
ィング補正処理を効果的に行え、安定したシェーディン
グ補正処理が可能になる。
【0102】
【発明の効果】本発明の画像読取装置によれば、原稿台
上のある読取画素の位置座標を入力すると、その位置に
よる読取画像データに対するシェーディング補正値を求
め、これによるシェーディング補正処理を行うため、原
稿台全域をカバーした安定したシェーディング補正処理
が行える。
【0103】そこで、シェーディング補正値を求めるた
めに、ニューラルネットワークを利用しており、従来よ
りも短い読取り時間で読取原稿全体に対して安定したシ
ェーディング補正を行なうことが可能となる。特に、シ
ェーディング補正値をニューラルネットワークを用いて
出力させるために、予め複数の任意の点を指定してお
き、その指定した点でのシェーディング補正値を学習演
算させることで、これらの点の間を実質的にシェーディ
ング補正値を推測するようにシェーディング補正値が出
力でき、これによるシェーディング補正処理を行えるた
め、事前に基準白板等をその都度読み込みシェーディン
グ補正を行う場合と比べて、読取時間を短縮できる。
【0104】また、電源投入からの経過時間を入力に追
加して学習させたニューラルネットワークを、シェーデ
ィング補正用に利用ことで、電源投入後に装置内部の電
圧変動によって光源の光量もしくは光量分布が変化して
も、原稿台上の各画素点において常に安定なシェーディ
ング補正を行なうことができる。
【0105】しかも、画像読取装置における経時変化に
よる特性変化においても、ニューラルネットワークを利
用して、シェーディング補正処理を行うことができ、光
電変換素子(読取素子)や光学走査による特性変化に左
右されず、安定なシェーディング補正を行なうことがで
きる。これは、また環境変化に応じてもシェーディング
補正処理を行える。
【0106】そして、シェーディング補正を行うため
に、上述した各ニューラルネットワークを利用するか否
かを任意に選択できるようにしておけば、特に高精度な
シェーディング補正を必要としない場合には、これらの
条件設定を考慮しないシェーディング補正処理を行える
ため、処理時間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置を構成するシェーディン
グ補正部の一例の詳細をブロック図である。
【図2】本発明にかかる画像読取装置の原稿台上での任
意の位置座標を設定できる測定点の事例を示す平面図で
ある。
【図3】図1にかかるシェーディング補正部に用いられ
るニューラルネットワークの一例を示す説明図である。
【図4】本発明における画像読取装置のシェーディング
補正部の回路部をも含めて示した概略構成ブロック図で
ある。
【図5】図2における原稿台上の領域に応じたシェーデ
ィング補正のための任意の測定点を指定する事例を示す
平面図である。
【図6】図1におけるシェーディング補正による処理手
順の一例を示す制御フローチャートである。
【図7】図6の処理手順の続きを示す制御フローチャー
トである。
【符号の説明】
10 シェーディング補正用基準白板 11 原稿台 12 光学走査用の光源 13a〜13c 反射ミラー 14 結像用レンズ l5 ラインCCD(光電変換素子) 16 CCDドライバ 17 A/D変換器 l8 シエーディング補正部 1A 光電変換されたアナログ画像信号 1B A/D変換器より変換されたデジタル画像信号
(読取画像データ) 1C シェーディング補正処理されたデジタル画像信号
(画像データ) 21〜23 シエーディング補正用データ取集のための
測定点 41 補正演算部 42 判別部 43 ニューラルネットワークによる演算部 44 シェーディング補正データ記憶部 45 電源投入からの経過時間にかかるタイマ(第1の
カウント手段) 46 画像読取装置の読取動作時間にかかるタイマ(第
2のカウント手段) 47 湿度計(環境変化の検出センサ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿台上に載置される原稿の画像を光学
    的に走査し、該走査れた画像の反射光を電気信号に変換
    して読取画像データとして出力する光電変換手段に結像
    し、該反射光による画像に応じた光電変換手段から出力
    される読取画像データに対して、予め画像の同一濃度の
    出力状態が一定となるようなシェーディング補正値に基
    づいてシェーディング補正処理を行う補正手段を備えた
    画像読取装置において、 シェーディング補正のために上記原稿台上の任意の点を
    複数指定し、 上記補正手段は、予め上記同一基準濃度の基準データに
    対して、シェーディング補正のための上記指定された複
    数の任意の点における上記同一基準濃度による上記光電
    変換手段にて読取ったシェーディング補正用読取データ
    が、上記基準データになるシェーディング補正値を求め
    るとともに、上記複数の指定された点の位置間のシェー
    ディング補正値を求め、このシェーディング補正値によ
    り上記読取画像データのシェーディング補正処理を施
    し、画像データとして出力するように構成されたことを
    特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】 上記補正手段は、ニューラルネットワー
    クを用い上記原稿台上の任意に指定された点の位置情報
    を入力要素とし、その位置情報に応じて、上記基準デー
    タと、シェーディング補正用読取データとにより求めた
    シェーディング補正値を教師信号として学習を行い、学
    習結果が最終的にシェーディング補正値となる係合係数
    をシェーディング補正データとして求め、このシェーデ
    ィング補正データを記憶する記憶部と、 上記読取画像データの各位置情報を入力層に加え、上記
    記憶部に記憶されたシェーディング補正データに応じた
    シェーディング補正値を出力層より出力するニューロ演
    算部と、 上記ニューロ演算部より出力されるシェーディング補正
    値に応じた上記読取画像データのシェーディング補正処
    理を行う補正演算部とから構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 上記記憶部は、原稿台上を予め任意の領
    域に設定し、それぞれの領域に応じて上記ニューラルネ
    ットワークにて学習演算したシェーディング補正データ
    を区別して記憶しており、 上記補正手段は、読取画像データと共にそのデータに応
    じた位置情報にて原稿台上を予め設定した領域を判別す
    る判別部を備え、 上記判別部は上記位置情報に応じた原稿台上の予め設定
    された領域を判別し、 上記補正手段は、上記判別手段の判別結果に応じてシェ
    ーディング補正データを記憶部よりニューロ演算部へと
    出力し、上記予め設定した領域毎に応じたシェーディン
    グ補正処理を行えるようにしたことを特徴とする請求項
    2記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 原稿台上の任意に指定した複数の点の位
    置情報に加え、画像読取装置の電源投入からの経過時間
    を入力要素としたシェーディング補正用のニューラルネ
    ットワークを用いて各指定した点でのシェーディング補
    正値に基づく学習を行い、その学習結果のシェーディン
    グ補正データを記憶部に記憶しておき、電源投入から電
    源電圧が安定するまでのシェーディング補正を可能にし
    たことを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 原稿台上の任意に指定した複数の点の位
    置情報に加え、画像読取装置の動作状態における経過時
    間を入力要素としたシェーディング補正用のニューラル
    ネットワークを用いて各指定した点でのシェーディング
    補正値に基づく学習を行い、その学習結果のシェーディ
    ング補正データを記憶部に記憶しておき、経時変化に対
    処できるシェーディング補正処理を可能にしたことを特
    徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  6. 【請求項6】 原稿台上の任意に指定した複数の点の位
    置情報に加え、画像形成装置の周囲の環境変化の検出信
    号を入力要素としたシェーディング補正用のニューラル
    ネットワークを用いて各指定した点でのシェーディング
    補正値に基づく学習を行い、その学習結果のシェーディ
    ング補正データを記憶部に記憶しておき、環境変化に対
    処したシェーディング補正を可能にしたことを特徴とす
    る請求項2記載の画像読取装置。
  7. 【請求項7】 原稿台上の任意に指定した複数の点の位
    置情報に加え、画像読取装置の電源投入時からの時間を
    カウントする第1のカウント手段、画像読取装置の読取
    動作時間をカウントする第2のカウント手段、画像読取
    装置の周囲の環境変化を検出する検出センサからのそれ
    ぞれの信号が入力要素としたシェーディング補正用のニ
    ューラルネットワークを用いて各指定した点での各種シ
    ェーディング補正値に基づく学習を行い、その学習結果
    のそれぞれのシェーディング補正データを記憶部に記憶
    しておき、 上記第1、第2のカウント手段、検出センサからのいず
    れかの信号を入力要素に加えるか否かを任意に外部から
    選択可能にし、いずれかのシェーディング補正を任意に
    行えるようにしたことを特徴とする請求項2記載の画像
    読取装置。
JP10108891A 1997-04-24 1998-04-20 画像読取装置 Pending JPH118763A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8854698B2 (en) 2011-05-31 2014-10-07 Konica Minolta, Inc. Image reading apparatus with at least three reference members arranged along sub-scanning direction for shading correction
WO2019156070A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 国立大学法人静岡大学 機械学習システム及び機械学習方法
JP2021100247A (ja) * 2020-01-20 2021-07-01 ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッドBeijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd. 歪んだドキュメント画像の矯正方法及び装置

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WO2019156070A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 国立大学法人静岡大学 機械学習システム及び機械学習方法
JPWO2019156070A1 (ja) * 2018-02-09 2021-01-28 国立大学法人静岡大学 機械学習システム及び機械学習方法
JP2021100247A (ja) * 2020-01-20 2021-07-01 ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッドBeijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd. 歪んだドキュメント画像の矯正方法及び装置
US11756170B2 (en) 2020-01-20 2023-09-12 Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd. Method and apparatus for correcting distorted document image

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