JPH1180490A - 熱安定性の改良された難燃剤組成物 - Google Patents
熱安定性の改良された難燃剤組成物Info
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- JPH1180490A JPH1180490A JP23674497A JP23674497A JPH1180490A JP H1180490 A JPH1180490 A JP H1180490A JP 23674497 A JP23674497 A JP 23674497A JP 23674497 A JP23674497 A JP 23674497A JP H1180490 A JPH1180490 A JP H1180490A
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Abstract
なく、良好な熱安定性が付与された難燃剤組成物を提供
する。 【解決手段】 (A)特定のハロゲン化アクリルの重合
体 100重量部に対して、(B)リン系化合物0.05〜5重
量部を混合してなる熱安定性の改善された難燃剤組成
物。
Description
有する難燃剤組成物に関するものである。更に詳しく
は、樹脂に対する優れた難燃化能力を損なうことなく、
良好な熱安定性が付与された難燃剤組成物に関するもの
である。
電気・電子分野の軽薄短小のニーズより、設計の自由度
の高いプラスチックが様々な用途に使用されている。こ
れらプラスチックは、製品の設計から良好な物性と良好
な成形性を要求され、更に安全性の点から、難燃性が求
められている。この難燃性に関しては、大多数のプラス
チックが、難燃性の指標として用いられるUL−94に
おいて徐燃性のHBランクに当たるため、そのままで
は、安全性の要求に応えることができないので、難燃性
を付与する為に種々の難燃剤及び難燃助剤が添加され
る。しかしながら、通常これらの添加はプラスチックの
物性と成形性に悪影響を及ぼすことが多い。更に近年、
これらプラスチック材料に対して耐熱性が求められるよ
うになり、ポリエステル、ポリアミド等の成形加工温度
の高いプラスチックが使用されるようになってきた為、
難燃剤に対する熱安定性の向上の要求も大きくなってき
ている。ハロゲン化アクリル重合体は、ハロゲン含有率
が高いことから難燃性付与能力が高く、かつプラスチッ
クに対する物性低下や成形性の悪化を引き起こし難い、
有用な難燃剤である。しかしながら、熱安定性が悪いた
め、加工温度が250 ℃を超えるポリエステルやポリアミ
ド等の樹脂に用いた場合に、分解により生じたガスによ
り、焼け、金型の汚染等の成形上のトラブルが発生する
問題が指摘されている。
状に鑑み、ハロゲン化アクリル重合体の良好な難燃性付
与能力、及びそれを添加された難燃樹脂材料の物性と成
形性を低下させることなく、熱安定性を改善する方法を
鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン化アクリル重合体に対
してリン系化合物を混合することによって、ハロゲン化
アクリルの熱安定性を飛躍的に向上できることを見出
し、本発明に至った。即ち本発明は、(A)一般式
(I)で示されるハロゲン化アクリルの重合体 100重量
部に対して(B)リン系化合物0.05〜5重量部を混合し
てなる熱安定性の改善された難燃剤組成物を提供するも
のである。
について詳しく説明する。まず、本発明に用いられるハ
ロゲン化アクリル重合体(A)とは、上記一般式(I)
で示される化合物であり、式中のXは少なくとも1つ以
上がハロゲンである。ハロゲンとしては、いずれの元素
も使用できるが、難燃化能力、経済性から臭素又は塩素
が好ましく、特に臭素であることが好ましい。Xの数
は、一構成単位中1〜5であるが、難燃化の効果から3
〜5であることが好ましい。平均重合度mは10〜2000で
あり、好ましくは15〜1000の範囲である。平均重合度が
低いものは、熱安定性が悪化し、2000を超えると添加し
たプラスチックの成形加工性を悪化させる。又、上記ハ
ロゲン化アクリルは1種又は2種以上混合使用してもよ
い。
記一般式(II)で示されるペンタエリスリトールジフォ
スファイト系安定剤、下記一般式(III)で示されるトリ
フェニルフォスフェート系安定剤、リン酸のアルカリ土
類金属塩等を用いることができる。
安定剤は、上記一般式(II)で示される。式中、R1、R2
はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリ
ール基、アルコキシ基より選ばれ、それぞれ同一であっ
ても異なっても良い。中でもR1、R2は炭素数6以上のア
ルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基か、或いはア
リール基又は置換アリール基が加工中の安定性の見地か
ら好ましい。特に好ましいのは、R1、R2がアリール基又
は置換アリール基の場合である。これらの例を示せば、
フェニル基、ナフチル基、ジフェニル基等或いはこれら
のアルキル、ヒドロキシ及び/又はアルコキシ置換体等
である。具体的な化合物の一例を示せば、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフ
ォスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリ
トールジフォスファイト、4−フェノキシ−9−α−
(4−ヒドロキシフェニル)−p−クメニルオキシ−
3,5,8,10−テトラオキサ−4,9−ジフォスファ
スピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。トリフェ
ニルフォスフェート系安定剤は、上記一般式(III)で示
される。式中、R3、R4は、炭素原子数1〜4の低級アル
キル基であり、それぞれ同一であっても異なっていても
良い。具体的な化合物の一例を示せば、トリフェニルフ
ォスフェート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスフェート、トリス(2−t−ブチル−4−メ
チルフェニル)フォスフェート、トリス(2−t−ブチ
ルフェニル)フォスフェート、トリス(2−(1,1−
ジメチルプロピル)−フェニル)フォスフェート、トリ
ス(2,4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニ
ル)フォスフェートが挙げられる。リン酸のアルカリ土
類金属塩の具体的化合物の一例を示せば、CaHPO4、Ca
3(PO4)2 、Ca(H2PO4)2、MgHPO4、Mg3(PO4)2 、Mg(H2P
O4)2等である。本発明において用いられるリン系化合物
(B)の配合量は、ハロゲン化アクリル100 重量部に対
して0.05〜5重量部であり、好ましくは0.1 〜3重量部
である。0.05重量部未満では、所望の効果が得られず、
5重量部を超えるとプラスチックに添加した場合、その
物性等に悪影響を及ぼす場合がある。また、上記リン系
化合物は1種又は2種以上混合使用しても良い。
物の製造法の一例を示すと、ハロゲン化アクリルのモノ
マーを溶液重合あるいは、塊状重合にて所定の重合度に
反応させたものに、リン系化合物を溶融混練、混合させ
る方法や、ハロゲン化アクリル重合体のパウダーにリン
系化合物をヘンシェルブレンダー等の混合機で強く混合
する方法が挙げられる。また、本発明の難燃剤組成物を
用いて難燃化できる樹脂に関しては、特に制限はない
が、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド
系、ポリスチレン系、ABS系、アクリル酸エステル
系、メタクリル酸エステル系の樹脂等に適用することが
できる。これらの樹脂の難燃化において、アンチモン系
の難燃助剤をあわせて使用することが好ましく、難燃助
剤の代表的なものとしては、三酸化アンチモン、四酸化
アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソー
ダ等が挙げられる。これら難燃剤組成物及びアンチモン
系難燃助剤の樹脂に対する添加の範囲は、樹脂100 重量
部に対して前記難燃剤組成物3〜30重量部、アンチモン
系難燃助剤1〜20重量部の範囲が好ましい。難燃剤及び
アンチモン系難燃助剤の添加量が過少であると十分な難
燃性を付与することができず、過大であると成形品とし
ての物性を悪化させることがある。
れに限定されるものではない。尚、評価の方法は以下の
通りである。 (1) 難燃剤の熱安定性評価 難燃剤10mgを熱天秤(セイコー電子製TGA2000)
を用い、280 ℃で30分加熱し、熱減量から難燃剤の分解
量を求めた。
所定のリン系の化合物を表1に示す比率で配合し、日本
製鋼所製の二軸押出機を用いて溶融混合し、ペレットを
得た。 実施例6〜7 重合度500 のポリペンタブロモベンジルアクリレートと
所定のリン系の化合物を表1に示す比率で配合し、ヘン
シェルミキサーを用いて室温で混合し、分散したパウダ
ーを得た。 比較例1 ポリペンタブロモベンジルアクリレートをそのまま用い
た。 比較例2〜4 安定剤がリン系化合物でないこと以外、実施例1〜5と
同じ方法で、表2の配合にてペレットを得た。 比較例5〜6 安定剤がリン系化合物でないこと以外、実施例6〜7と
同じ方法で、表2の配合にて分散したパウダーを得た。
実施例と比較例に示す材料の熱安定性評価を表1、2に
併せて示す。
Claims (5)
- 【請求項1】(A)一般式(I)で示されるハロゲン化
アクリルの重合体 100重量部に対して(B)リン系化合
物0.05〜5重量部を混合してなる熱安定性の改善された
難燃剤組成物。 【化1】 (式中、Xは少なくとも1つ以上がハロゲンであり、m
は10〜2000の数である。) - 【請求項2】リン系化合物が一般式(II)で示されるペ
ンタエリスリトールジフォスファイト系安定剤である請
求項1記載の難燃剤組成物。 【化2】 (式中、R1、R2はアルキル基、置換アルキル基、アリー
ル基、置換アリール基、アルコキシ基より選ばれ、それ
ぞれ同一であっても異なっても良い。) - 【請求項3】リン系化合物が一般式(III)で示されるト
リフェニルフォスフェート系安定剤である請求項1記載
の難燃剤組成物。 【化3】 (式中、R3、R4は、炭素原子数1〜4の低級アルキル基
であり、それぞれ同一であっても異なっていても良
い。) - 【請求項4】リン系化合物がリン酸のアルカリ土類金属
塩である請求項1記載の難燃剤組成物。 - 【請求項5】請求項1〜4の何れか1項記載の難燃剤組
成物、熱可塑性樹脂及びアンチモン系難燃助剤からなる
難燃性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23674497A JPH1180490A (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 熱安定性の改良された難燃剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23674497A JPH1180490A (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 熱安定性の改良された難燃剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180490A true JPH1180490A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17005153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23674497A Pending JPH1180490A (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 熱安定性の改良された難燃剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180490A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008500416A (ja) * | 2004-05-26 | 2008-01-10 | チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド | 難燃剤 |
-
1997
- 1997-09-02 JP JP23674497A patent/JPH1180490A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008500416A (ja) * | 2004-05-26 | 2008-01-10 | チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド | 難燃剤 |
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