[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH1177476A - 工作機械のラビリンスシール装置 - Google Patents

工作機械のラビリンスシール装置

Info

Publication number
JPH1177476A
JPH1177476A JP25755897A JP25755897A JPH1177476A JP H1177476 A JPH1177476 A JP H1177476A JP 25755897 A JP25755897 A JP 25755897A JP 25755897 A JP25755897 A JP 25755897A JP H1177476 A JPH1177476 A JP H1177476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
labyrinth seal
seal member
rotating
screw shaft
machine tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25755897A
Other languages
English (en)
Inventor
Taku Shimada
卓 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Seiki Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Seiki Co Ltd filed Critical Hitachi Seiki Co Ltd
Priority to JP25755897A priority Critical patent/JPH1177476A/ja
Publication of JPH1177476A publication Critical patent/JPH1177476A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸を軸支する軸受部に切削油剤などが侵
入するのを防止するとともに、周囲が狭いスペースでも
容易に且つ精度よく取付けることができるシール構造が
求められていた。 【解決手段】 工作機械の機体3とボールねじ2のねじ
軸5との間に設けられ、このねじ軸5を回転自在に軸支
する軸受部4をシールするための工作機械のラビリンス
シール装置30であって、前記機体側に設けられた固定
側ラビリンスシール部材31と、ねじ軸5の軸線C方向
に移動可能に設けられ、内周部に円環状の内周係合溝3
8が形成され、且つ、前記固定側ラビリンスシール部材
との間に所定の隙間a,bを有する間隙部を形成可能な
回転側ラビリンスシール部材32と、ねじ軸5の外周部
36に形成された円環状の外周係合溝39と前記回転側
ラビリンスシール部材の内周係合溝38の両方に弾性変
形した状態で係合することにより、ねじ軸5に回転側ラ
ビリンスシール部材32を固定する弾性固定部材33と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マシニングセンタ
(以下、MCと記載),NC(数値制御)旋盤など工作
機械の回転軸において、この回転軸を回転自在に軸支す
る軸受部に切削油剤,切粉,塵埃等が侵入するのを防止
するラビリンスシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械に使用されるボールねじなど送
りねじは、送り台やテーブルなど移動体を高精度且つ円
滑に送り方向に移動させる。前記送りねじのねじ軸(回
転軸)を軸支する軸受部の潤滑方式には、所定時間毎に
強制的に潤滑油を供給する強制潤滑方式と、予め封入し
ておいたグリースによって潤滑するグリース潤滑方式と
がある。これら二つの方式のうち、グリース潤滑方式の
方が、潤滑油の回収の必要がないのでメンテナンスが容
易であり、完全に回収できないことによる環境汚染の恐
れも少ない。
【0003】また、工作機械では、送りねじや軸受部等
はスライドカバー等によって覆われて保護されている
が、送りねじの軸受部の周囲には一部の切削油剤,切粉
及び塵埃などがミスト状になったりして飛散している。
そのため、軸受部には、切削油剤などが軸受部の内部に
侵入しないようなシール対策が必要である。そこで、従
来は、送りねじのねじ軸にリップ部が接触するオイルシ
ールやダストシールなどパッキン部材によりシールを行
う場合が多かった。特に、工作機械の送りねじの軸受部
では、狭いスペースにシール部を設けることが要求され
るので、接触形のパッキン部材を使用することが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の工作機械では、
移動体の送り速度の高速化が進んでいるので、送りねじ
の回転数も高速化している。そのため、上述のように、
シール部に接触形のパッキン部材を使用すると、パッキ
ン部材との接触部で発熱して送りねじが熱変形を起こ
し、加工精度が低下する恐れがあるという課題が生じ
た。
【0005】一方、工作機械では、主軸を支持する軸受
部を保護するためにラビリンスシールを設けることは行
われているが、送りねじの軸受部では、軸受部近傍の狭
いスペースにラビリンスシールを形成しなければならな
い。特に、送りねじのねじ軸に回転側ラビリンスシール
部材を取付けるのが容易でなく、ラビリンスシール装置
の小型化が図れないという課題もあった。
【0006】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、回転軸を軸支する軸受部に切削油剤など
が侵入するのを防止するとともに、周囲が狭いスペース
でも容易に且つ精度よく取付けることができる工作機械
のラビリンスシール装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係るラビリンスシール装置は、工作機械の
機体と回転軸との間に設けられ、この回転軸を回転自在
に軸支する軸受部をシールするための工作機械のラビリ
ンスシール装置であって、前記機体側に設けられた固定
側ラビリンスシール部材と、前記回転軸の軸線方向に移
動可能に設けられ、内周部に円環状の内周係合溝が形成
され、且つ、前記固定側ラビリンスシール部材との間に
所定の隙間を有する間隙部を形成可能な回転側ラビリン
スシール部材と、前記回転軸の外周部に形成された円環
状の外周係合溝と前記回転側ラビリンスシール部材の前
記内周係合溝の両方に弾性変形した状態で係合すること
により、前記回転軸に前記回転側ラビリンスシール部材
を固定する弾性固定部材とを備えている。
【0008】前記ラビリンスシール装置において、前記
回転軸に形成された前記外周係合溝と前記回転側ラビリ
ンスシール部材に形成された前記内周係合溝に前記弾性
固定部材が係合し、前記回転軸に前記回転側ラビリンス
シール部材が固定された時、前記固定側ラビリンスシー
ル部材と前記回転側ラビリンスシール部材とが所定の前
記隙間を有する前記間隙部を形成するのが好ましい。
【0009】なお、前記回転軸は、前記機体に対して移
動体を移動させる送りねじのねじ軸であり、前記弾性固
定部材はOリングであるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
の一例を図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本
発明の一実施形態に係る工作機械の回転軸におけるラビ
リンスシール装置の正面断面図である。この実施形態で
は、工作機械の送りねじのねじ軸(回転軸)を回転自在
に軸支する軸受部を保護するラビリンスシール装置で説
明を行うが、他の回転軸の軸受部のためのラビリンスシ
ール装置であってもよい。
【0011】図1に示すように、工作機械1の送りねじ
2は、工作機械1の機体3に取付けられた軸受部4に回
転軸であるねじ軸5が回動自在に軸支されて、移動体
(図示せず)を、軸線C方向に機体3に設けられた案内
部に案内させて往復移動させるようになっている。工作
機械1が例えばMC(マシニングセンタ)の場合の移動
体としては、テーブル,コラム,主軸頭などがあり、旋
盤の場合の移動体としては、サドル,クロススライド,
刃物台,心押台などがある。移動体を相対的に移動自在
に支持する機体3としては、例えばMCでは、移動体が
テーブルの場合のベッド,移動体が主軸頭の場合のコラ
ム等が該当する。なお、回転軸を備えた送りねじ2を有
する工作機械であれば、研削盤,ターニングセンタなど
他の種類の工作機械であってもよい。
【0012】送りねじ2にはボールねじが使用される場
合が多い。ボールねじ2は、移動体側に固定されたボー
ルナット6が、機体3側に回転自在に支持されたねじ軸
5にねじ込まれている。機体3の端部にはサーボモータ
7が取付けられ、サーボモータ7の出力軸8は、カップ
リング9を介して、ねじ軸5の一方の端部10に連結さ
れている。サーボモータ7によりボールねじ2が正逆方
向に回転駆動されると、ねじ軸5にねじ込まれているボ
ールナット6とともに移動体が軸線C方向に往復移動す
る。
【0013】機体3の一部を構成し軸受部4のハウジン
グに相当する軸受支持体11は、機体3に一体的又は別
体で固定されており、本実施形態では一体的に形成され
た場合を示している。軸受部4において、軸受支持体1
1に形成された収納部15内には、一個又は複数個組み
合わされた(ここでは、三個)ベアリング16が収納さ
れている。ベアリング16は、予め封入されたグリース
によって潤滑されるグリース潤滑方式になっている。
【0014】組み合わされたベアリング16の外輪は、
軸受支持体11に取付けられたリテーナ17により収納
部15に押し込まれて位置決め固定されている。組み合
わされたベアリング16の内輪の両側には、円環状のカ
ラー18,22がそれぞれ設けられている。一方のカラ
ー18はナット19により押さえられ、他方のカラー2
2は、ベアリング16とボールねじ2の段部23との間
に挟まれて、ベアリング16の内輪を位置決めしてい
る。即ち、このようにベアリング16の内外輪を固定す
ることにより、組み合わされたベアリング16に所定の
プリロードを与えている。リテーナ17に取付けられた
カバー21が、ナット19の周囲を覆っている。
【0015】軸受部4の一方(図1の左側)の開口部で
は、回転するねじ軸5の一方の端部10,カラー18
と、固定(非回転)側であるカバー21,リテーナ17
との間はそれぞれ微小な隙間を介して非接触状態になっ
ている。したがって、この微小な隙間を有する間隙部が
ラビリンスシールになって、軸受部4の外部から切削油
剤などがベアリング16内に侵入するのを防止してい
る。このようにして、軸受部4の一方の開口部が覆われ
てシールされている。
【0016】軸受部4の他方(図1の右側)の開口部
は、機体3とねじ軸5との間に設けられたラビリンスシ
ール装置30により非接触状態でシールされている。ラ
ビリンスシール装置30は、機体3側(即ち、軸受支持
体11)に取付けられて内周孔35を有する円環状の固
定側ラビリンスシール部材(以下、固定側シール部材と
記載)31と、回転側に取付けられた円環状の回転側ラ
ビリンスシール部材(以下、回転側シール部材と記載)
32と、円環状の弾性固定部材としてのOリング33と
を備えている。なお、弾性固定部材は、Xリング,Dリ
ング,Tリングなどと呼ばれているリングパッキンや、
Uパッキン,Vパッキンなどと呼ばれているリップ形パ
ッキンであってもよい。
【0017】固定側シール部材31は軸受支持体11と
は別体になっており、軸受支持体11に形成された貫通
孔34に圧入固定されているが、軸受支持体11と一体
的に形成してもよい。なお、ラビリンスシール装置30
で軸受部4の他方の開口部をシールした場合を示した
が、ラビリンスシール装置30で軸受部4の一方の開口
部及び他方の開口部のいずれか一方又は両方をシールす
る場合であってもよい。
【0018】固定側シール部材31は軸受部4の開口部
を覆っており、固定側シール部材31の内周孔35と、
ねじ軸5の軸部24の外周部との間には微小な隙間を有
している。回転側シール部材32は、ボールねじ2の軸
線C方向に移動可能にねじ軸5の外周部36に取付けら
れている。回転側シール部材32の内周部37には、円
環状の内周係合溝38が形成されている。回転側シール
部材32は、少なくとも固定側シール部材31との間に
所定の微小な隙間を有する間隙部を維持するような形状
(例えば、軸線方向断面がほぼL字状)に形成されてい
る。
【0019】Oリング33は、ねじ軸5の外周部36に
形成された円環状の外周係合溝39と回転側シール部材
32の内周係合溝38の両方に、弾性変形した状態で係
合している。これにより、Oリング33は、回転側シー
ル部材32をねじ軸5の所定位置に位置決め保持して固
定するとともに、回転側シール部材32を、固定側シー
ル部材31との間に微小な隙間を維持してねじ軸5と一
体的に回転させるようにしている。即ち、回転側シール
部材32と固定側シール部材31との間の軸線方向の隙
間a,内外径方向の隙間bが所定の寸法(例えば、約
0.2乃至約0.5mm)になるように、回転側シール部
材32が固定される。また、Oリング33は、切削油剤
等が、軸受部4の外部からねじ軸5と回転側シール部材
32との間の隙間を通って、軸受部4の内部に侵入する
のを防止している。ボールねじ2,軸受部4及びカップ
リング9等は、図示しないスライドカバーによって覆わ
れている。
【0020】図2はラビリンスシール装置30を組み込
んだ状態を示す拡大断面図である。図2に示すように、
ボールねじ2のねじ軸5に嵌装された回転側シール部材
32の内周部37は、ねじ軸5の外周部36に嵌合され
ている。内周係合溝38が形成された内周部37は、内
周係合溝38に対する一方の側(図2の右側)に形成さ
れている。内周係合溝38に対する他方の側(図2の左
側)には挿入孔部40が形成されている。挿入孔部40
は、回転側シール部材32を軸線C方向に移動させて組
み込む時に、Oリング33が弾性変形して回転側シール
部材32の内周係合溝38に挿入可能な寸法の内径とな
っている。挿入孔部40の外方側(図2の左側)には、
外方に向けて傾斜している傾斜案内孔部44が形成され
ている。
【0021】これにより、回転側シール部材32の組み
込み時には、Oリング33は、押しつぶされながら傾斜
案内孔部44,挿入孔部40の順に回転側シール部材3
2を移動可能にし、弾性力でねじ軸5と回転側シール部
材32とを固定できるように弾性変形した状態で内周係
合溝38に係合する。なお、傾斜案内孔部44,挿入孔
部40,内周係合溝38の全体を連続した曲面にしても
よい。Oリング33は、ねじ軸5の外周部36に形成さ
れてOリング33を係合させる外周係合溝39と、回転
側シール部材32の内周係合溝38の両方に係合すると
ともに、弾性力によってねじ軸5に対して回転側シール
部材32を固定している。
【0022】次に、ラビリンスシール装置30を組み込
む手順について説明する。まず最初に、ボールねじ2の
ねじ軸5に回転側シール部材32を挿入し、ねじ軸5の
外周係合溝39にOリング33を装着する。一方、軸受
支持体11に、固定側シール部材31を打ち込むか又は
ボルト等で締結することにより固定する。次に、軸受支
持体11にボールねじ2のねじ軸5を挿入した後、カラ
ー22,ベアリング16,リテーナ17,カラー18,
ナット19,カバー21等を順次組み込んで、ボールね
じ2を軸受支持体11に組付ける。
【0023】次いで、回転側シール部材32を軸線C方
向に移動させ固定側シール部材31に近づけて、ねじ軸
5の外周係合溝39内に係合しているOリング33を回
転側シール部材32の内周係合溝38に係合させる。こ
の時、回転側シール部材32には挿入孔部40が形成さ
れているので、Oリング33は押しつぶされて弾性変形
しながら内周係合溝38に係合する。
【0024】その結果、弾性力を発揮するように弾性変
形した状態で外周係合溝39及び内周係合溝38に係合
したOリング33を介して、回転側シール部材32はね
じ軸5の所定位置に位置決めされる。これにより、回転
側シール部材32と固定側シール部材31は、軸線方向
に関して所定寸法aの微小な隙間を有する間隙部が確保
されて非接触状態になる。回転側シール部材32の内径
部32aと、固定側シール部材31の外径部31aとの
間も、所定寸法bの微小な隙間を有する間隙部が確保さ
れて非接触状態になる。
【0025】また、固定側シール部材31の内周孔35
とねじ軸5の外周部36との間には微小な隙間が確保さ
れ、更に、ボールねじ2のねじ軸5と一緒に回転するカ
ラー22の外周面45と、軸受支持体11の貫通孔34
との間にも微小な隙間が確保されている。その結果、ラ
ビリンスシール装置30の外部からベアリング16に至
るまでには、回転部と固定部との間に曲がりくねった複
雑で長い通路を有するラビリンスシールが構成されるこ
とになり、良好なシール性能を発揮する。同様に、ベア
リング16の一方側も、カバー21の内周部とねじ軸5
の外周部,リテーナ17の内周部とカラー18の外周部
で、ラビリンスシール装置が構成されている。
【0026】次に、動作について説明する。移動体を所
定位置に移動させるために、サーボモータ7が駆動され
ると、出力軸8,カップリング9を介してボールねじ2
のねじ軸5が回転駆動され、ボールナット6と一体的に
移動体が軸線C方向の所定位置に移動する。ねじ軸5が
回転すると、Oリング33を介して回転側シール部材3
2と、ねじ軸5に取付けられたカラー22も、ねじ軸5
と一体的に回転する。これら回転部は、固定側シール部
材31及び軸受支持体11など固定部に対して微小な間
隙部を介して非接触状態で回転運動する。
【0027】上述のように接触形のパッキン部材を使っ
てシールしていた従来技術ではシール部で発熱していた
が、本発明では、非接触形のラビリンスシール装置30
を用いたので、ボールねじ2のねじ軸5が高速回転して
もシール部での発熱がなくなり、ボールねじ2は熱変位
を起こさず加工精度が向上する。
【0028】ラビリンスシール装置30はシール性能が
良好なので、ボールねじ2のねじ軸5の回転中には、切
削油剤等は回転側シール部材32等の遠心力で吹き飛ば
されて軸受部4内部には侵入しない。ボールねじ2のね
じ軸5が回転していない時は、回転側シール部材32の
内周側と固定側シール部材31の外周側との間の隙間の
下方側より落下する。また、固定側シール部材31の内
周溝31b,カバー21の内周部21bに溜まった切削
油剤等は、下方にそれぞれ形成された貫通孔31c,2
1aより落下する。したがって、切削油剤等が軸受部4
の内部に侵入することはなく、ベアリング16は保護さ
れる。
【0029】本発明のラビリンスシール装置30は、ね
じ軸5に形成された外周係合溝39と回転側シール部材
32に形成された内周係合溝38にOリング33が係合
し、ねじ軸5に回転側シール部材32が固定された時、
固定側シール部材31と回転側シール部材32との間に
所定の隙間a,bを有する間隙部を形成するようにし
た。したがって、隙間a,bの寸法を計測しながら回転
側シール部材32の位置決め調整をしなくとも、回転側
シール部材32を高精度に所定位置に組み込んで、回転
側シール部材32と固定側シール部材31との間の微小
な隙間a,bを高精度に確保することができる。この組
み込み作業は、回転側シール部材32を押して軸線C方
向に移動させるだけでよいので、スペースが狭くても容
易に作業を行うことができる。
【0030】ラビリンスシール装置30自体をコンパク
トに形成することができたので、狭いスペースであって
も容易に組み込むことができる。また、ねじ軸5側に、
ラビリンスシール装置30を当接させるための端部,固
定のためのねじ部などを形成することが不要になる。ラ
ビリンスシール装置30の回転側シール部材32は、質
量が小さいので、高速回転するボールねじ2の回転動作
に悪影響を与えることが殆どない。軸受部4をグリース
潤滑にしたので、潤滑油の回収の必要がなくメンテナン
スが容易であり、また、回収時に外部に洩れて環境を汚
染することが少ない。
【0031】本実施形態では、回転側シール部材32,
固定側シール部材31の内外径部を円筒状に形成して間
隙部を形成しているが、図3,図4に示すように、この
間隙部を他の形状にすることもできる。図3は、他の実
施形態に係るラビリンスシール装置30aの拡大断面
図、図4は、更に他の実施形態に係るラビリンスシール
装置30bの拡大断面図である。なお、前記実施形態と
同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を省略
する。
【0032】図3に示すラビリンスシール装置30aで
は、三角状(又は、四角状)の断面形状を有する一つ又
は複数の溝51が、回転側シール部材32と固定側シー
ル部材31との間の間隙部に形成されるように、回転側
シール部材32と固定側シール部材31の内外径部及び
相対向する側面部の一方又は両方を所定の形状に形成し
ている。一方、図4に示すラビリンスシール装置30b
では、三角状(又は、四角状)の断面形状を有する一つ
又は複数の溝51と曲がりくねった通路52が、回転側
シール部材32と固定側シール部材31との間の間隙部
に形成されるように、回転側シール部材32と固定側シ
ール部材31の内外径部及び相対向する側面部の一方又
は両方を所定の形状に形成している。
【0033】このような構成のラビリンスシール装置3
0a,30bによれば、ラビリンスシール装置30a,
30bの外部からベアリング16に至るまでには、回転
部と固定部との間に溝51からなる一つ又は複数の小さ
な室や曲がりくねった通路52等からなる複雑な通路を
有するラビリンスシールが構成されることになり、更に
良好なシール性能を発揮する。なお、各図中同一符号は
同一又は相当部分を示す。
【0034】
【発明の効果】本発明に係るラビリンスシール装置は上
述のように構成したので、回転軸を軸支する軸受部のシ
ール部での切削油剤などの侵入を防止し且つ発熱を防止
するとともに、周囲が狭いスペースでも容易に取付ける
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラビリンスシール装置の実施形態
の一例を示す正面断面図である。
【図2】前記ラビリンスシール装置を組み込んだ状態を
示す拡大断面図である。
【図3】他の実施形態に係るラビリンスシール装置の拡
大断面図である。
【図4】更に他の実施形態に係るラビリンスシール装置
の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 工作機械 2 ボールねじ(送りねじ) 3 機体 4 軸受部 5 ねじ軸(回転軸) 11 軸受支持体(機体) 30,30a,30b ラビリンスシール装置 31 固定側ラビリンスシール部材 32 回転側ラビリンスシール部材 33 Oリング(弾性固定部材) 36 ねじ軸の外周部(回転軸の外周部) 37 回転側ラビリンスシール部材の内周部 38 内周係合溝 39 外周係合溝 a,b 隙間 C 軸線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械の機体と回転軸との間に設けら
    れ、この回転軸を回転自在に軸支する軸受部をシールす
    るための工作機械のラビリンスシール装置であって、 前記機体側に設けられた固定側ラビリンスシール部材
    と、 前記回転軸の軸線方向に移動可能に設けられ、内周部に
    円環状の内周係合溝が形成され、且つ、前記固定側ラビ
    リンスシール部材との間に所定の隙間を有する間隙部を
    形成可能な回転側ラビリンスシール部材と、 前記回転軸の外周部に形成された円環状の外周係合溝と
    前記回転側ラビリンスシール部材の前記内周係合溝の両
    方に弾性変形した状態で係合することにより、前記回転
    軸に前記回転側ラビリンスシール部材を固定する弾性固
    定部材とを備えたことを特徴とする工作機械のラビリン
    スシール装置。
  2. 【請求項2】 前記回転軸に形成された前記外周係合溝
    と前記回転側ラビリンスシール部材に形成された前記内
    周係合溝に前記弾性固定部材が係合し、前記回転軸に前
    記回転側ラビリンスシール部材が固定された時、前記固
    定側ラビリンスシール部材と前記回転側ラビリンスシー
    ル部材とが所定の前記隙間を有する前記間隙部を形成す
    るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の工作機
    械のラビリンスシール装置。
  3. 【請求項3】 前記回転軸は、前記機体に対して移動体
    を移動させる送りねじのねじ軸であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の工作機械のラビリンスシール装
    置。
  4. 【請求項4】 前記弾性固定部材はOリングであること
    を特徴とする請求項1,2又は3に記載の工作機械のラ
    ビリンスシール装置。
JP25755897A 1997-09-05 1997-09-05 工作機械のラビリンスシール装置 Pending JPH1177476A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25755897A JPH1177476A (ja) 1997-09-05 1997-09-05 工作機械のラビリンスシール装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25755897A JPH1177476A (ja) 1997-09-05 1997-09-05 工作機械のラビリンスシール装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1177476A true JPH1177476A (ja) 1999-03-23

Family

ID=17307959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25755897A Pending JPH1177476A (ja) 1997-09-05 1997-09-05 工作機械のラビリンスシール装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1177476A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002327764A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Hitachi Electronics Eng Co Ltd ベアリング防水機構およびディスク洗浄装置
JP2008080467A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Brother Ind Ltd 工作機械
CN104439524A (zh) * 2014-11-25 2015-03-25 绵阳市雅森五金工具有限公司 一种用于钻头开槽的装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002327764A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Hitachi Electronics Eng Co Ltd ベアリング防水機構およびディスク洗浄装置
JP2008080467A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Brother Ind Ltd 工作機械
CN104439524A (zh) * 2014-11-25 2015-03-25 绵阳市雅森五金工具有限公司 一种用于钻头开槽的装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6338576B1 (en) Instrumented rolling bearing
CA2306834C (en) Improved shaft seal assembly
KR20100100829A (ko) 공작기계용 회전 분할 테이블 장치
CN101341347B (zh) 机床的主轴回转部用球轴承和使用该球轴承的机床的主轴回转装置
US6094046A (en) Rolling bearing with information sensor welded to race
US5487631A (en) Machine tools
WO2000046530A1 (en) Improved bearing isolator
JP4816318B2 (ja) ボールねじ装置
US20020110298A1 (en) Ball bearing
JP2014062619A (ja) 軸受装置の冷却構造
CN102639270B (zh) 密封面的加工方法
EP3848602B1 (en) Rolling bearing and spindle device equipped with rolling bearing
JPH1177476A (ja) 工作機械のラビリンスシール装置
JP2003336640A (ja) 多点接触玉軸受
JP2003227516A (ja) 軸受ユニット
CN112996618B (zh) 电动机内置方式的主轴装置
US5046868A (en) Bearing wiper seal
JPH0742594Y2 (ja) シール構造
JP2005061434A (ja) 多点接触玉軸受
KR100217938B1 (ko) 머시닝센터의 로터리테이블
KR100397972B1 (ko) 공작기계의 스핀들 냉각장치
JP4985844B2 (ja) ボールねじ装置およびその製造方法
JP2010156376A (ja) 転がり軸受装置
JPH10274244A (ja) 高速回転軸支持用転がり軸受
JPWO2006100831A1 (ja) ボールねじ装置のシール部材