JPH1173045A - 加熱定着装置 - Google Patents
加熱定着装置Info
- Publication number
- JPH1173045A JPH1173045A JP23554997A JP23554997A JPH1173045A JP H1173045 A JPH1173045 A JP H1173045A JP 23554997 A JP23554997 A JP 23554997A JP 23554997 A JP23554997 A JP 23554997A JP H1173045 A JPH1173045 A JP H1173045A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fixing film
- ceramic heater
- fixing
- insulating substrate
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Surface Heating Bodies (AREA)
- Resistance Heating (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 定着フィルムと加熱体との間に介在させるグ
リースに替わる、最適の摺動摩擦抵抗減少効果を持ち、
且つ、加熱体の温度上昇にも流動することなく、グリー
スかき取りローラ等の装置を不用とする潤滑剤を発見す
る。 【解決手段】 セラミックヒータ3の外周に移動可能に
配置された定着フィルム4と、その定着フィルム4に圧
力を加えてニップ部を形成する加圧ローラ1とを備え、
転写材7の表面上に担持したトナー画像8を前記ニップ
部分で前記定着フィルム4と共に挟持しながら搬送する
過程で、前記定着フィルム4を介して加熱体10からの
熱により、トナー画像8を加熱定着させる装置に於い
て、前記定着フィルム4と前記セラミックヒータ3との
間に摺動摩擦抵抗を減少させる潤滑材としての窒化ホウ
素の層6を封入する。
リースに替わる、最適の摺動摩擦抵抗減少効果を持ち、
且つ、加熱体の温度上昇にも流動することなく、グリー
スかき取りローラ等の装置を不用とする潤滑剤を発見す
る。 【解決手段】 セラミックヒータ3の外周に移動可能に
配置された定着フィルム4と、その定着フィルム4に圧
力を加えてニップ部を形成する加圧ローラ1とを備え、
転写材7の表面上に担持したトナー画像8を前記ニップ
部分で前記定着フィルム4と共に挟持しながら搬送する
過程で、前記定着フィルム4を介して加熱体10からの
熱により、トナー画像8を加熱定着させる装置に於い
て、前記定着フィルム4と前記セラミックヒータ3との
間に摺動摩擦抵抗を減少させる潤滑材としての窒化ホウ
素の層6を封入する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融性のトナ
ーを用いて転写材に形成した未定着画像を、加熱して定
着する加熱定着装置に関する。
ーを用いて転写材に形成した未定着画像を、加熱して定
着する加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式による画像形成部で
形成されたトナー画像を記録紙に転写し、この記録紙を
定着装置に搬送し、未定着トナー画像を加熱定着した後
記録紙を機外に排出する画像形成装置が知られている。
形成されたトナー画像を記録紙に転写し、この記録紙を
定着装置に搬送し、未定着トナー画像を加熱定着した後
記録紙を機外に排出する画像形成装置が知られている。
【0003】該装置において、保持部材に固定したセラ
ミックヒータの外周に無端のベルト状の定着フィルムを
ルーズに装着し、定着フィルムに接して転写材としての
記録紙と重ねて、その上から加圧ローラで押圧し、加圧
ローラで形成されるニップ部にて記録紙と定着フィルム
とを摩擦力で移動させる装置が知られている。
ミックヒータの外周に無端のベルト状の定着フィルムを
ルーズに装着し、定着フィルムに接して転写材としての
記録紙と重ねて、その上から加圧ローラで押圧し、加圧
ローラで形成されるニップ部にて記録紙と定着フィルム
とを摩擦力で移動させる装置が知られている。
【0004】さらに、定着フィルムとセラミックヒータ
間の摩擦抵抗が所定値を超えると、加圧ローラにて定着
フィルムを円滑におくることが困難となるため、定着フ
ィルムとセラミックヒータとの間にグリースを介在させ
ることも知られている。
間の摩擦抵抗が所定値を超えると、加圧ローラにて定着
フィルムを円滑におくることが困難となるため、定着フ
ィルムとセラミックヒータとの間にグリースを介在させ
ることも知られている。
【0005】グリースの材質は、フッ素樹脂或いはシリ
コン樹脂が用いられるのが一般的である。ところが加熱
体の温度が上昇してくると、グリースの粘度が低下し、
加圧ローラの押圧力により定着フィルムの両端を乗り越
えて加圧ローラの表面に付着するようになる。これを防
止するため、特開平8−305187号公報では、加圧
ローラの両端にグリースかき取りローラを備える技術が
提案されている。
コン樹脂が用いられるのが一般的である。ところが加熱
体の温度が上昇してくると、グリースの粘度が低下し、
加圧ローラの押圧力により定着フィルムの両端を乗り越
えて加圧ローラの表面に付着するようになる。これを防
止するため、特開平8−305187号公報では、加圧
ローラの両端にグリースかき取りローラを備える技術が
提案されている。
【0006】図4に、この従来技術の構成を説明する正
面図を示す。101は、加熱体の形成されるセラミック
ヒータである。定着フィルム102は、セラミックヒー
タ101を固定し定着フィルム102のガイドとなる円
筒110の外周に、無端のベルト状にルーズに装着され
ている。定着フィルム102に接して加圧ローラ103
が併設され、セラミックヒータ101と定着フィルム1
02との間にセラミックヒータ101と定着フィルム1
02の摺動抵抗を減少する潤滑剤としてのグリース10
4が封入され、該グリース104がセラミックヒータ1
01の温度上昇と共に横に流動して、210のように定
着フィルム102の両端にはみ出してくる。
面図を示す。101は、加熱体の形成されるセラミック
ヒータである。定着フィルム102は、セラミックヒー
タ101を固定し定着フィルム102のガイドとなる円
筒110の外周に、無端のベルト状にルーズに装着され
ている。定着フィルム102に接して加圧ローラ103
が併設され、セラミックヒータ101と定着フィルム1
02との間にセラミックヒータ101と定着フィルム1
02の摺動抵抗を減少する潤滑剤としてのグリース10
4が封入され、該グリース104がセラミックヒータ1
01の温度上昇と共に横に流動して、210のように定
着フィルム102の両端にはみ出してくる。
【0007】このはみ出したグリース210の量が増え
ると、やがて加圧ローラ103の表面に付着するので、
加圧ローラ103の両端にグリースかき取りローラ10
5を設けて、加圧ローラ103の表面へのグリース10
4の付着を防止するものである。
ると、やがて加圧ローラ103の表面に付着するので、
加圧ローラ103の両端にグリースかき取りローラ10
5を設けて、加圧ローラ103の表面へのグリース10
4の付着を防止するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術のように潤滑
剤としてシリコン樹脂を用いると、シリコン樹脂の熱伝
導性が悪くて定着フィルムを介して転写材に熱を伝達し
難く、転写材の搬送速度に限界があり、又、封筒や葉書
のように加熱体の幅よりも狭い転写材が通過すると、非
転写材部の温度が上昇し、シリコン樹脂の耐熱性を越え
潤滑剤としての特性が劣化する。
剤としてシリコン樹脂を用いると、シリコン樹脂の熱伝
導性が悪くて定着フィルムを介して転写材に熱を伝達し
難く、転写材の搬送速度に限界があり、又、封筒や葉書
のように加熱体の幅よりも狭い転写材が通過すると、非
転写材部の温度が上昇し、シリコン樹脂の耐熱性を越え
潤滑剤としての特性が劣化する。
【0009】さらに、シリコン樹脂は高温になると粘度
が大幅に低下し、定着フィルムの内側に付着し、定着フ
ィルムの両側端から転写材の通過面側に食み出し、次第
に加圧ローラの表面にシリコン樹脂が展延されることに
なる。この状況では、加圧ローラが定着フィルムを回転
させながら転写材を搬送する力は、潤滑剤の付着によっ
て大幅に減少し、転写材の搬送ができないばかりか、転
写材に潤滑剤が付着して画像不良を起こす。
が大幅に低下し、定着フィルムの内側に付着し、定着フ
ィルムの両側端から転写材の通過面側に食み出し、次第
に加圧ローラの表面にシリコン樹脂が展延されることに
なる。この状況では、加圧ローラが定着フィルムを回転
させながら転写材を搬送する力は、潤滑剤の付着によっ
て大幅に減少し、転写材の搬送ができないばかりか、転
写材に潤滑剤が付着して画像不良を起こす。
【0010】本発明は、定着フィルムとセラミックヒー
タとの間に介在させるグリースに替わる、最適の摺動摩
擦抵抗減少効果を持ち、且つ、加熱体の温度上昇にも流
動することなく、グリースかき取りローラ等の装置を不
用とする潤滑剤を発見することを課題とする。
タとの間に介在させるグリースに替わる、最適の摺動摩
擦抵抗減少効果を持ち、且つ、加熱体の温度上昇にも流
動することなく、グリースかき取りローラ等の装置を不
用とする潤滑剤を発見することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】定着フィルムと接する摺
動面を有する絶縁基板と、該基板に設けた加熱体とから
成るセラミックヒータと、該セラミックヒータの外周を
回転移動する無端定着フィルムと、その摺動面を通過す
る部分の定着フィルムに圧力を加える加圧ローラとを備
え、前記圧力が加えられた定着フィルムの部分で前記定
着フィルムの回転移動と共に挟持されながら転写材を搬
送する過程で、前記定着フィルムを介して前記加熱体か
らの熱により、転写材の表面上に担持したトナー画像を
加熱定着する装置に於いて、前記定着フィルムと前記セ
ラミックヒータの摺動面との間に窒化ホウ素の層を設け
た。
動面を有する絶縁基板と、該基板に設けた加熱体とから
成るセラミックヒータと、該セラミックヒータの外周を
回転移動する無端定着フィルムと、その摺動面を通過す
る部分の定着フィルムに圧力を加える加圧ローラとを備
え、前記圧力が加えられた定着フィルムの部分で前記定
着フィルムの回転移動と共に挟持されながら転写材を搬
送する過程で、前記定着フィルムを介して前記加熱体か
らの熱により、転写材の表面上に担持したトナー画像を
加熱定着する装置に於いて、前記定着フィルムと前記セ
ラミックヒータの摺動面との間に窒化ホウ素の層を設け
た。
【0012】加熱体の形成されている絶縁基板は短冊板
状を成し、その材質を窒化アルミニウムにて構成すれ
ば、従来用いられていたアルミナを焼結した絶縁基板に
比し、定着フィルムを介しての転写材への熱伝達が格段
に改善される。
状を成し、その材質を窒化アルミニウムにて構成すれ
ば、従来用いられていたアルミナを焼結した絶縁基板に
比し、定着フィルムを介しての転写材への熱伝達が格段
に改善される。
【0013】絶縁基板の定着フィルムとの摺動面が、加
熱体の形成面とは反対側に存在すると、定着フィルムと
の摺動面は直接窒化アルミニウムの絶縁基板と接するこ
とになり、加熱体を保護する熱伝導性の窒化アルミニウ
ムより劣るガラスコートを介して接するよりも、転写材
への熱伝達が格段に改善される。
熱体の形成面とは反対側に存在すると、定着フィルムと
の摺動面は直接窒化アルミニウムの絶縁基板と接するこ
とになり、加熱体を保護する熱伝導性の窒化アルミニウ
ムより劣るガラスコートを介して接するよりも、転写材
への熱伝達が格段に改善される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体化した好適
の実施例を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
電子写真方式を応用した複写機の原稿載置台上の画像を
画像形成手段にて読み取り、転写材収納ボックスから搬
送される該転写材に静電画像を担持させ、加熱定着装置
により記録紙に顕像化させる全体構成は、公知の手段と
なっているので、その詳細説明は省く。
の実施例を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
電子写真方式を応用した複写機の原稿載置台上の画像を
画像形成手段にて読み取り、転写材収納ボックスから搬
送される該転写材に静電画像を担持させ、加熱定着装置
により記録紙に顕像化させる全体構成は、公知の手段と
なっているので、その詳細説明は省く。
【0015】図1は、本発明の加熱定着装置のトナー画
像を担持した転写材が、加圧ローラにより形成されるニ
ップ部分で挟持されながら搬送されるところの断面図で
ある。1は、矢印A方向に強制的に回転しているシリコ
ンゴム等より成る弾性層を有する耐熱性の加圧ローラで
ある。2は、別途設ける筐体(図示せず)に固定されて
いる、断熱性及び電気絶縁性を有するフェノール樹脂等
から成る保持部材である。保持部材2の溝2aの中に、
セラミックヒータ3が収納されている。セラミックヒー
タ3と保持部材2の外周に、無端のベルト状の耐熱性の
ポリイミド等から成る定着フィルム4がルーズにガイド
レール(図示せず)に沿って装着されている。
像を担持した転写材が、加圧ローラにより形成されるニ
ップ部分で挟持されながら搬送されるところの断面図で
ある。1は、矢印A方向に強制的に回転しているシリコ
ンゴム等より成る弾性層を有する耐熱性の加圧ローラで
ある。2は、別途設ける筐体(図示せず)に固定されて
いる、断熱性及び電気絶縁性を有するフェノール樹脂等
から成る保持部材である。保持部材2の溝2aの中に、
セラミックヒータ3が収納されている。セラミックヒー
タ3と保持部材2の外周に、無端のベルト状の耐熱性の
ポリイミド等から成る定着フィルム4がルーズにガイド
レール(図示せず)に沿って装着されている。
【0016】そして、保持部材2を含むセラミックヒー
タ3と定着フィルム4の空隙5に、アルコール等の有機
溶剤でペースト状にした窒化ホウ素の固体(粉末)から
成る層6を封入する。転写材7としての未定着トナー画
像8を担持した記録紙は、定着フィルム4と加圧ローラ
1に挟持され矢印B方向に搬送される。
タ3と定着フィルム4の空隙5に、アルコール等の有機
溶剤でペースト状にした窒化ホウ素の固体(粉末)から
成る層6を封入する。転写材7としての未定着トナー画
像8を担持した記録紙は、定着フィルム4と加圧ローラ
1に挟持され矢印B方向に搬送される。
【0017】図2は、加圧ローラ1と定着フィルム4と
転写材7の三者の接点を拡大した断面図である。保持部
材2に固定されているセラミックヒータ3は、絶縁基板
9の一面に設けた加熱体10から成る該加熱体10の回
路材として、例えば、銀ーパラジュームのペーストを8
80℃にてスクリーン印刷したものに、加熱体10を保
護するガラス11をシリカを主成分とするペーストにし
て700℃にてスクリーン印刷したものを使用できる。
このようにして構成したセラミックヒータ3は、支持部
材2に固定され、セラミックヒータ3と定着フィルム4
の間には、窒化ホウ素の層6が封入される。絶縁基板9
の材質としては、特に窒化ホウ素の層6との境界におけ
る熱伝導性が優れていることから、窒化アルミニウムを
用いることが好ましい。
転写材7の三者の接点を拡大した断面図である。保持部
材2に固定されているセラミックヒータ3は、絶縁基板
9の一面に設けた加熱体10から成る該加熱体10の回
路材として、例えば、銀ーパラジュームのペーストを8
80℃にてスクリーン印刷したものに、加熱体10を保
護するガラス11をシリカを主成分とするペーストにし
て700℃にてスクリーン印刷したものを使用できる。
このようにして構成したセラミックヒータ3は、支持部
材2に固定され、セラミックヒータ3と定着フィルム4
の間には、窒化ホウ素の層6が封入される。絶縁基板9
の材質としては、特に窒化ホウ素の層6との境界におけ
る熱伝導性が優れていることから、窒化アルミニウムを
用いることが好ましい。
【0018】加圧ローラ1と定着フィルム4の間に転写
材7を挟持する際、押圧力により加圧ローラ1の弾性層
が変形してニップ部を形成し、転写材7が該部を通過す
るとき加熱体10の発熱により未定着トナー8は、瞬間
的に200〜250℃に加熱されて溶融し、矢印B方向
に搬送される過程で冷却して画像が定着する。
材7を挟持する際、押圧力により加圧ローラ1の弾性層
が変形してニップ部を形成し、転写材7が該部を通過す
るとき加熱体10の発熱により未定着トナー8は、瞬間
的に200〜250℃に加熱されて溶融し、矢印B方向
に搬送される過程で冷却して画像が定着する。
【0019】これに対し、本発明のように耐熱性セラミ
ックスである窒化ホウ素の層6を設けると、加熱体10
の幅よりも狭い転写材7が通過して非転写部材の温度が
上昇しても、耐熱性に優る窒化ホウ素の層6は劣化する
ことなく定着フィルム4に対する潤滑剤の機能を果たす
ことができる。
ックスである窒化ホウ素の層6を設けると、加熱体10
の幅よりも狭い転写材7が通過して非転写部材の温度が
上昇しても、耐熱性に優る窒化ホウ素の層6は劣化する
ことなく定着フィルム4に対する潤滑剤の機能を果たす
ことができる。
【0020】又、窒化ホウ素の態様は、アルコール等の
有機溶剤でペースト状にした固体(粉末)の状態で使用
するため、温度上昇に伴う粘性の低下はない。むしろ、
温度上昇に伴ってアルコール等の揮発分が発散すること
で、該層6の流動性はなくなり定着フィルム4の両側端
から食み出す心配はないので、従来技術のような食み出
しグリース掻き取り手段は不用となる。
有機溶剤でペースト状にした固体(粉末)の状態で使用
するため、温度上昇に伴う粘性の低下はない。むしろ、
温度上昇に伴ってアルコール等の揮発分が発散すること
で、該層6の流動性はなくなり定着フィルム4の両側端
から食み出す心配はないので、従来技術のような食み出
しグリース掻き取り手段は不用となる。
【0021】さらに窒化ホウ素の熱伝導率は、シリコン
樹脂に比較して遥かに高いので、加熱体10の絶縁基板
9に窒化アルミニュウムを採用したセラミックヒータ3
との組合わせにより、転写材7への熱伝達効率は一層向
上する。
樹脂に比較して遥かに高いので、加熱体10の絶縁基板
9に窒化アルミニュウムを採用したセラミックヒータ3
との組合わせにより、転写材7への熱伝達効率は一層向
上する。
【0022】図3に、保持部材2に固定されるセラミッ
クスヒータ3の平面図を示す。セラミックヒーター3
は、窒化アルミニウムの絶縁基板9に加熱体10回路材
として、銀ーパラジュームのペーストを880℃にてス
クリーン印刷したものに、加熱体10を保護するガラス
11をシリカを主成分とするペーストにして700℃に
てスクリーン印刷した短冊板状のものである。外部の電
源より電極12に通電し、ニップ部の温度を200〜2
50℃に維持する。
クスヒータ3の平面図を示す。セラミックヒーター3
は、窒化アルミニウムの絶縁基板9に加熱体10回路材
として、銀ーパラジュームのペーストを880℃にてス
クリーン印刷したものに、加熱体10を保護するガラス
11をシリカを主成分とするペーストにして700℃に
てスクリーン印刷した短冊板状のものである。外部の電
源より電極12に通電し、ニップ部の温度を200〜2
50℃に維持する。
【0023】前記セラミックヒータ3は、図2に示すA
面或いはB面のいずれを定着フィルム4側に対向しても
よいが、B面側を選択すると窒化アルミニウムより熱伝
導性の低いガラス11を介しての熱伝達となるが、本発
明のように、A面を定着フィルム4側に対向させると、
加熱体10からの熱は、アルミナに比較して数倍から1
0倍熱伝導性の良い窒化アルミニウムから、同様に熱伝
導性の良い潤滑材としての窒化ホウ素の層6を経由して
定着フィルム4に効果的に伝達される。従って、転写材
7の搬送速度も向上できる。
面或いはB面のいずれを定着フィルム4側に対向しても
よいが、B面側を選択すると窒化アルミニウムより熱伝
導性の低いガラス11を介しての熱伝達となるが、本発
明のように、A面を定着フィルム4側に対向させると、
加熱体10からの熱は、アルミナに比較して数倍から1
0倍熱伝導性の良い窒化アルミニウムから、同様に熱伝
導性の良い潤滑材としての窒化ホウ素の層6を経由して
定着フィルム4に効果的に伝達される。従って、転写材
7の搬送速度も向上できる。
【0024】そして、A面を定着フィルム4側に対向さ
せると共に、窒化ホウ素の層6を設けると、絶縁基板9
を成す窒化アルミニウムのA面の焼結工程に発生するア
バタ状の脱粒欠陥に窒化ホウ素が入り込み、熱伝導性の
低下と高温雰囲気中の粘度低下による潤滑性劣化を改善
し、アバタ状の脱粒欠陥部に窒化ホウ素が係留されるこ
とで潤滑性が維持されると言う効果を奏する。
せると共に、窒化ホウ素の層6を設けると、絶縁基板9
を成す窒化アルミニウムのA面の焼結工程に発生するア
バタ状の脱粒欠陥に窒化ホウ素が入り込み、熱伝導性の
低下と高温雰囲気中の粘度低下による潤滑性劣化を改善
し、アバタ状の脱粒欠陥部に窒化ホウ素が係留されるこ
とで潤滑性が維持されると言う効果を奏する。
【0025】
【実施例】加熱定着装置に、潤滑剤として窒化ホウ素の
層6を封入し、セラミックヒータ3の絶縁基板9として
窒化アルミニウムを用い、絶縁基板9と定着フィルム4
の摺動面を加熱体10の形成面とは反対側に配置した際
の効果につき、従来技術と比較して以下に説明する。
層6を封入し、セラミックヒータ3の絶縁基板9として
窒化アルミニウムを用い、絶縁基板9と定着フィルム4
の摺動面を加熱体10の形成面とは反対側に配置した際
の効果につき、従来技術と比較して以下に説明する。
【0026】転写材7の搬送速度は、一般的に8ppm
(A4記録紙を1分間に8枚定着する速度)であるが、
これを12ppmに設定し、表1に示す評価対象要素の
組合わせに対し、標記の結果を得た。
(A4記録紙を1分間に8枚定着する速度)であるが、
これを12ppmに設定し、表1に示す評価対象要素の
組合わせに対し、標記の結果を得た。
【0027】
【表1】
【0028】表1に、標記する記号の意味を下記に示
す。 ○;定着性が非常に良好であり、定着したトナーを紙で
強くこすっても全く剥がれない状態。 □;定着性は良好で有り、定着したトナーを紙で強くこ
すると若干の剥がれが生じるが、実用上の問題のない状
態。 △;定着性がやゝ悪く、定着したトナーを紙でこすると
若干剥がれる状態。 ×;定着性が非常に悪く、定着したトナーを紙でこする
と半分以上剥がれる状態。
す。 ○;定着性が非常に良好であり、定着したトナーを紙で
強くこすっても全く剥がれない状態。 □;定着性は良好で有り、定着したトナーを紙で強くこ
すると若干の剥がれが生じるが、実用上の問題のない状
態。 △;定着性がやゝ悪く、定着したトナーを紙でこすると
若干剥がれる状態。 ×;定着性が非常に悪く、定着したトナーを紙でこする
と半分以上剥がれる状態。
【0029】表1の結果を考察すれば、従来技術の絶縁
基板とシリコン樹脂の組合わせである試料Aでは、転写
材7の搬送速度が過大であり、潤滑剤として窒化ホウ素
を選択しても不十分である。試料Bのように、絶縁基板
を改善しても従来技術の潤滑剤である限り不十分であ
り、窒化ホウ素に変更すれば実用上の問題はない。絶縁
基板の仕様を本発明に提案する試料Cに変更すれば、従
来技術の潤滑剤であっても実用上の問題はないが、全て
の仕様を本発明に提案する態様に変更するのが最も効果
的である。
基板とシリコン樹脂の組合わせである試料Aでは、転写
材7の搬送速度が過大であり、潤滑剤として窒化ホウ素
を選択しても不十分である。試料Bのように、絶縁基板
を改善しても従来技術の潤滑剤である限り不十分であ
り、窒化ホウ素に変更すれば実用上の問題はない。絶縁
基板の仕様を本発明に提案する試料Cに変更すれば、従
来技術の潤滑剤であっても実用上の問題はないが、全て
の仕様を本発明に提案する態様に変更するのが最も効果
的である。
【0030】次に、加熱体10に通電しながら定着フィ
ルム4を加圧ローラ1で12ppmの搬送速度で駆動
し、潤滑剤の食み出しまでの運転時間を観察した。その
結果を表2に示す。
ルム4を加圧ローラ1で12ppmの搬送速度で駆動
し、潤滑剤の食み出しまでの運転時間を観察した。その
結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果を考察すれば、絶縁基板9の仕
様を本発明の提案通りに変更しても、潤滑剤に従来技術
のシリコン樹脂を用いる限り、潤滑剤の食み出しを防止
することのできないことが判る。ところが、潤滑剤とし
て窒化ホウ素の層6を封入すると絶縁基板9の仕様の如
何を問わず、運転を打ち切った1000時間に至っても
該層6の食み出しは認められず、劇的な効果を奏するこ
とが判る。
様を本発明の提案通りに変更しても、潤滑剤に従来技術
のシリコン樹脂を用いる限り、潤滑剤の食み出しを防止
することのできないことが判る。ところが、潤滑剤とし
て窒化ホウ素の層6を封入すると絶縁基板9の仕様の如
何を問わず、運転を打ち切った1000時間に至っても
該層6の食み出しは認められず、劇的な効果を奏するこ
とが判る。
【0033】さらに、転写材7の搬送速度を12ppm
とし、加熱体10の幅よりも狭い封筒を連続2時間供給
し、故意に非転写部の温度を上昇させて記録紙の定着性
を評価した。その結果を表3に示す。
とし、加熱体10の幅よりも狭い封筒を連続2時間供給
し、故意に非転写部の温度を上昇させて記録紙の定着性
を評価した。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3の結果を考察すれば、絶縁基板9の仕
様を本発明の提案通りに変更しても、潤滑剤に従来技術
のシリコン樹脂を用いる限り、潤滑剤の高温雰囲気中の
粘度低下による潤滑性劣化の進行から、定着フィルム4
を駆動できず紙詰まりを誘発する。しかし、絶縁基板9
に窒化アルミニウムの層6を封入すれば、何とか実用上
問題のない程度まで改善されるし、好ましくは全ての仕
様を本発明に提案する態様に変更するのが最も効果的で
ある。
様を本発明の提案通りに変更しても、潤滑剤に従来技術
のシリコン樹脂を用いる限り、潤滑剤の高温雰囲気中の
粘度低下による潤滑性劣化の進行から、定着フィルム4
を駆動できず紙詰まりを誘発する。しかし、絶縁基板9
に窒化アルミニウムの層6を封入すれば、何とか実用上
問題のない程度まで改善されるし、好ましくは全ての仕
様を本発明に提案する態様に変更するのが最も効果的で
ある。
【0036】
【発明の効果】以上の結果を総括すれば、加熱定着装置
に於いて、潤滑剤としてに窒化ホウ素の層を封入する
と、食み出し防止と安定した摺動摩擦抵抗減少の維持に
最も改善効果の寄与率が高く、ついで絶縁基板の材質と
して窒化アルミニウムを用いることにより、転写材への
定着性と搬送速度の向上を助長し、併せて、グリースか
き取りローラ等の装置を不用とする効果的を奏する。
に於いて、潤滑剤としてに窒化ホウ素の層を封入する
と、食み出し防止と安定した摺動摩擦抵抗減少の維持に
最も改善効果の寄与率が高く、ついで絶縁基板の材質と
して窒化アルミニウムを用いることにより、転写材への
定着性と搬送速度の向上を助長し、併せて、グリースか
き取りローラ等の装置を不用とする効果的を奏する。
【図1】本発明の加熱定着装置の断面図である。
【図2】本発明の加熱定着装置のニップ部分の拡大断面
図である。
図である。
【図3】本発明のセラミックヒータの平面図である。
【図4】従来技術の加熱定着装置の正面図である。
1:加圧ローラ 2:支持部材 3:セラミックヒータ 4:定着フィルム 5:空隙 6:窒化ホウ素の層 7:転写材 8:トナー画像 9:絶縁基板 10:加熱体 11:ガラス 12:電極
Claims (3)
- 【請求項1】 定着フィルムと接する摺動面を有する絶
縁基板と、該基板に設けた加熱体とから成るセラミック
ヒータと、該セラミックヒータの外周を回転移動する無
端定着フィルムと、その摺動面を通過する部分の定着フ
ィルムに圧力を加える加圧ローラとを備え、前記圧力が
加えられた定着フィルムの部分で前記定着フィルムの回
転移動と共に挟持されながら転写材を搬送する過程で、
前記定着フィルムを介して前記加熱体からの熱により、
転写材の表面上に担持したトナー画像を加熱定着する装
置に於いて、前記定着フィルムと前記セラミックヒータ
の摺動面との間に窒化ホウ素の層を設けたことを特徴と
する加熱定着装置。 - 【請求項2】 加熱体の形成されている絶縁基板は短冊
板状を成し、窒化アルミニウムから成る絶縁基板である
ことを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置。 - 【請求項3】 絶縁基板における定着フィルムとの摺動
面が、加熱体が形成された面とは反対側に存在すること
を特徴とする請求項2に記載の加熱定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23554997A JPH1173045A (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 加熱定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23554997A JPH1173045A (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 加熱定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1173045A true JPH1173045A (ja) | 1999-03-16 |
Family
ID=16987637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23554997A Pending JPH1173045A (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 加熱定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1173045A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015169891A (ja) * | 2014-03-10 | 2015-09-28 | 株式会社リコー | 加熱装置、定着装置および画像形成装置 |
-
1997
- 1997-09-01 JP JP23554997A patent/JPH1173045A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015169891A (ja) * | 2014-03-10 | 2015-09-28 | 株式会社リコー | 加熱装置、定着装置および画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7778584B2 (en) | Thermal fixing device and image forming device | |
US6298213B1 (en) | Image forming apparatus with image fixing means of low heat capacity | |
JPS5968766A (ja) | 熱定着装置 | |
EP0996040A3 (en) | Heat fixing devices comprising an elastic layer of high thermal conductivity | |
US6049064A (en) | Heat fixing device for fixing a toner image | |
JP2002270345A (ja) | 加熱体及び加熱装置 | |
JPH11190951A (ja) | 加熱体、加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置 | |
JP4672850B2 (ja) | 定着装置 | |
JPH11249465A (ja) | 像加熱装置及び画像形成装置 | |
JPH1173045A (ja) | 加熱定着装置 | |
JP2008151923A (ja) | 加熱定着装置 | |
JPH05313528A (ja) | 熱定着装置 | |
JP2004252301A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2011053411A (ja) | 加熱定着装置 | |
JP3070631B2 (ja) | 加熱装置および加熱体 | |
JP2000029334A (ja) | 加熱ヒータ、加熱装置及び画像形成装置 | |
JP4659205B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2001056616A (ja) | 加熱定着方法及び装置 | |
JP2003263044A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH11233243A (ja) | 加熱体、加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置 | |
JPH0980940A (ja) | 加熱装置 | |
JP3945552B2 (ja) | 発熱体、定着装置および画像形成装置 | |
JP2009140841A (ja) | 加熱体、及びこの加熱体を有する像加熱装置 | |
JP2002208465A (ja) | 加熱体、加熱装置及び画像形成装置 | |
JP3917288B2 (ja) | 板状ヒータおよび定着装置ならびに画像形成装置 |