JPH1162850A - プランジャアセンブリ - Google Patents
プランジャアセンブリInfo
- Publication number
- JPH1162850A JPH1162850A JP9232381A JP23238197A JPH1162850A JP H1162850 A JPH1162850 A JP H1162850A JP 9232381 A JP9232381 A JP 9232381A JP 23238197 A JP23238197 A JP 23238197A JP H1162850 A JPH1162850 A JP H1162850A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slipper
- plunger
- peripheral surface
- pump
- inner peripheral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Reciprocating Pumps (AREA)
- Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
- Hydraulic Motors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 プランジャ軽量化のために設けられる中空空
間内の油の圧縮性が容積効率に影響するのを防止、且つ
スリッパの回転(自転)にともなう磨耗を低減する。 【解決手段】 凸球面状外周面および凹球面状内周面を
有して椀状に形成されたスリッパ55と、凸球面状外周
面と摺動嵌合する球状凹面51bが形成された中空の円
筒状のプランジャ本体51と、プランジャ本体51およ
びスリッパ55を連結させる連結部材60とからプラン
ジャアセンブリが構成される。連結部材60は、スリッ
パの凹球面状内周面に摺動嵌合する頭部部材65と、プ
ランジャ本体51、スリッパ55および頭部部材65を
貫通する棒部材61とから構成され、棒部材61は、一
端にプランジャ本体51の開口を覆って溶接接合される
蓋部61aを有し、他端に頭部部材65を貫通して頭部
部材とかしめ結合されるかしめ部61bを有して構成さ
れる。
間内の油の圧縮性が容積効率に影響するのを防止、且つ
スリッパの回転(自転)にともなう磨耗を低減する。 【解決手段】 凸球面状外周面および凹球面状内周面を
有して椀状に形成されたスリッパ55と、凸球面状外周
面と摺動嵌合する球状凹面51bが形成された中空の円
筒状のプランジャ本体51と、プランジャ本体51およ
びスリッパ55を連結させる連結部材60とからプラン
ジャアセンブリが構成される。連結部材60は、スリッ
パの凹球面状内周面に摺動嵌合する頭部部材65と、プ
ランジャ本体51、スリッパ55および頭部部材65を
貫通する棒部材61とから構成され、棒部材61は、一
端にプランジャ本体51の開口を覆って溶接接合される
蓋部61aを有し、他端に頭部部材65を貫通して頭部
部材とかしめ結合されるかしめ部61bを有して構成さ
れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板プランジャ式
油圧ポンプ、モータ等に用いられるプランジャアセンブ
リに関し、さらに詳しくは、円筒状のプランジャ本体の
端部にスリッパが首振り自在に摺接結合されてなるプラ
ンジャアセンブリに関する。
油圧ポンプ、モータ等に用いられるプランジャアセンブ
リに関し、さらに詳しくは、円筒状のプランジャ本体の
端部にスリッパが首振り自在に摺接結合されてなるプラ
ンジャアセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】斜板プランジャ式油圧ポンプ、モータ
は、例えば、回転自在なシリンダに、その回転軸を囲む
環状配列で複数のシリンダ孔が形成され、このシリンダ
孔にそれぞれ軸方向に摺動自在に円筒状のプランジャが
嵌合挿入され、プランジャの端部に取り付けられたスリ
ッパを斜板に摺接させて構成される。油圧ポンプの場合
には、シリンダを回転させることによりスリッパが斜板
上を摺動してプランジャがシリンダ孔内で往復されて油
の吐出、吸入を行うようになっており、油圧モータの場
合には、シリンダ孔内への油の供給、排出を行うことに
より、スリッパを斜板上で移動させ、シリンダを回転さ
せる。
は、例えば、回転自在なシリンダに、その回転軸を囲む
環状配列で複数のシリンダ孔が形成され、このシリンダ
孔にそれぞれ軸方向に摺動自在に円筒状のプランジャが
嵌合挿入され、プランジャの端部に取り付けられたスリ
ッパを斜板に摺接させて構成される。油圧ポンプの場合
には、シリンダを回転させることによりスリッパが斜板
上を摺動してプランジャがシリンダ孔内で往復されて油
の吐出、吸入を行うようになっており、油圧モータの場
合には、シリンダ孔内への油の供給、排出を行うことに
より、スリッパを斜板上で移動させ、シリンダを回転さ
せる。
【0003】このような斜板プランジャ式油圧ポンプ、
モータにおいては、スリッパは斜板に摺接しながらプラ
ンジャとともにシリンダの回転軸を中心として回転移動
するため、スリッパはプランジャ端部に首振り自在に連
結する必要がある。このような連結部の構造について、
従来から種々の提案がなされており、例えば、実開昭5
8−189377号公報、実公昭60−3350号公
報、米国特許第4,454,802号等に開示の構造が
ある。
モータにおいては、スリッパは斜板に摺接しながらプラ
ンジャとともにシリンダの回転軸を中心として回転移動
するため、スリッパはプランジャ端部に首振り自在に連
結する必要がある。このような連結部の構造について、
従来から種々の提案がなされており、例えば、実開昭5
8−189377号公報、実公昭60−3350号公
報、米国特許第4,454,802号等に開示の構造が
ある。
【0004】これらにおいては、凸球面状外周面および
凹球面状内周面を有して椀状に形成され、軸方向端部に
リング状スリッパ面を有してなるスリッパと、軸方向一
端部に凸球面状外周面と摺動自在に嵌合する球状凹面が
形成され、内部が軸方向他端部に開口する中空の円筒状
に形成されたプランジャ本体と、このプランジャ本体内
に、他端部から軸方向に延びるとともに一端部およびス
リッパを貫通して配設され、凸球面状外周面と球状凹面
が摺動自在に嵌合した状態でスリッパとプランジャ本体
とを連結させる連結部材とから構成されるプランジャア
センブリが開示されている。
凹球面状内周面を有して椀状に形成され、軸方向端部に
リング状スリッパ面を有してなるスリッパと、軸方向一
端部に凸球面状外周面と摺動自在に嵌合する球状凹面が
形成され、内部が軸方向他端部に開口する中空の円筒状
に形成されたプランジャ本体と、このプランジャ本体内
に、他端部から軸方向に延びるとともに一端部およびス
リッパを貫通して配設され、凸球面状外周面と球状凹面
が摺動自在に嵌合した状態でスリッパとプランジャ本体
とを連結させる連結部材とから構成されるプランジャア
センブリが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような連結部材を
介してスリッパとプランジャ本体とを連結させる構成の
場合、シリンダの回転に応じてスリッパが斜板上を摺動
移動するときにスリッパが回転(自転)し、スリッパと
連結部材との間、さらに、連結部材とプランジャ本体と
の間に相対回転が生じ、両者の接触部が磨耗するおそれ
がある。
介してスリッパとプランジャ本体とを連結させる構成の
場合、シリンダの回転に応じてスリッパが斜板上を摺動
移動するときにスリッパが回転(自転)し、スリッパと
連結部材との間、さらに、連結部材とプランジャ本体と
の間に相対回転が生じ、両者の接触部が磨耗するおそれ
がある。
【0006】また、プランジャは軽量化等を目的として
中空円筒状に形成されている。この中空空間内に存在す
る油はプランジャの往復動に応じて吐出、吸入される油
ではないが、プランジャの往復動により発生するシリン
ダ孔内の油圧をそのまま受ける。このため、この中空空
間内の油はこの油圧により圧縮され、それに応じて油圧
ポンプもしくはモータの容積効率が低下する。なお、油
の圧縮性はかなり小さいが、一般的にプランジャタイプ
の油圧ポンプ、モータの使用油圧は高圧であり、上記中
空空間内の油の圧縮性が容積効率に及ぼす影響は大きく
なる。
中空円筒状に形成されている。この中空空間内に存在す
る油はプランジャの往復動に応じて吐出、吸入される油
ではないが、プランジャの往復動により発生するシリン
ダ孔内の油圧をそのまま受ける。このため、この中空空
間内の油はこの油圧により圧縮され、それに応じて油圧
ポンプもしくはモータの容積効率が低下する。なお、油
の圧縮性はかなり小さいが、一般的にプランジャタイプ
の油圧ポンプ、モータの使用油圧は高圧であり、上記中
空空間内の油の圧縮性が容積効率に及ぼす影響は大きく
なる。
【0007】このようなことから、上記中空空間内に軽
量な材料(例えば、アルミ製)の充填部材を配設し、油
の圧縮性の影響をできるかぎり小さくすることが考えら
れる。しかしながら、このような充填部材を別途作る必
要があり、それだけコストアップしやすいという問題が
ある。また、この充填部材を連結部材により中空空間内
に保持する場合に、上記のようにスリップが自転すると
連結部材とともに充填部材がプランジャ本体に対して相
対回転し、充填部材が磨耗し(充填部材はアルミ等のよ
うに軽量で柔らかいため磨耗しやすい)、この磨耗粉が
油に混じって装置内に拡散し、これがゴミ(コンタミネ
ーション)となって、装置内の各部磨耗、バルブの作動
不良等を引き起こす可能性があるという問題がある。
量な材料(例えば、アルミ製)の充填部材を配設し、油
の圧縮性の影響をできるかぎり小さくすることが考えら
れる。しかしながら、このような充填部材を別途作る必
要があり、それだけコストアップしやすいという問題が
ある。また、この充填部材を連結部材により中空空間内
に保持する場合に、上記のようにスリップが自転すると
連結部材とともに充填部材がプランジャ本体に対して相
対回転し、充填部材が磨耗し(充填部材はアルミ等のよ
うに軽量で柔らかいため磨耗しやすい)、この磨耗粉が
油に混じって装置内に拡散し、これがゴミ(コンタミネ
ーション)となって、装置内の各部磨耗、バルブの作動
不良等を引き起こす可能性があるという問題がある。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
プランジャ本体を中空にして軽量化を図るときに、この
中空空間内の油の圧縮性が装置の容積効率に影響を及ぼ
すことがなく、且つスリッパの回転(自転)にともなう
連結部材まわり等での磨耗の問題も少なくなる構成のプ
ランジャアセンブリを提供することを目的とする。
プランジャ本体を中空にして軽量化を図るときに、この
中空空間内の油の圧縮性が装置の容積効率に影響を及ぼ
すことがなく、且つスリッパの回転(自転)にともなう
連結部材まわり等での磨耗の問題も少なくなる構成のプ
ランジャアセンブリを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的達成た
め、本発明においては、凸球面状外周面および凹球面状
内周面を有して椀状に形成され、軸方向端部にリング状
スリッパ面を有してなるスリッパと、軸方向一端部に上
記凸球面状外周面と摺動自在に嵌合する球状凹面が形成
され、内部が軸方向他端部に開口する中空の円筒状に形
成されたプランジャ本体と、このプランジャ本体内に上
記他端部から軸方向に延びるとともに上記一端部および
スリッパを貫通して配設され、上記凸球面状外周面と上
記球状凹面が摺動自在に嵌合した状態でスリッパとプラ
ンジャ本体とを連結させる連結部材とからプランジャア
センブリが構成される。その上で、連結部材が、スリッ
パの凹球面状内周面に摺動自在に嵌合配設された頭部部
材と、プランジャ本体の上記他端部からプランジャ内を
軸方向に延びて上記一端部を貫通するとともに、上記一
端部に摺接嵌合したスリッパを貫通し、さらに、スリッ
パの凹球面状内周面に摺接嵌合した頭部部材を貫通して
配設された棒部材とから構成され、この棒部材は、一端
にプランジャ本体の上記他端部の開口を覆うとともに上
記他端部に溶接接合される蓋部を有し、他端に頭部部材
を貫通して頭部部材とかしめ結合されるかしめ部を有し
て構成される。
め、本発明においては、凸球面状外周面および凹球面状
内周面を有して椀状に形成され、軸方向端部にリング状
スリッパ面を有してなるスリッパと、軸方向一端部に上
記凸球面状外周面と摺動自在に嵌合する球状凹面が形成
され、内部が軸方向他端部に開口する中空の円筒状に形
成されたプランジャ本体と、このプランジャ本体内に上
記他端部から軸方向に延びるとともに上記一端部および
スリッパを貫通して配設され、上記凸球面状外周面と上
記球状凹面が摺動自在に嵌合した状態でスリッパとプラ
ンジャ本体とを連結させる連結部材とからプランジャア
センブリが構成される。その上で、連結部材が、スリッ
パの凹球面状内周面に摺動自在に嵌合配設された頭部部
材と、プランジャ本体の上記他端部からプランジャ内を
軸方向に延びて上記一端部を貫通するとともに、上記一
端部に摺接嵌合したスリッパを貫通し、さらに、スリッ
パの凹球面状内周面に摺接嵌合した頭部部材を貫通して
配設された棒部材とから構成され、この棒部材は、一端
にプランジャ本体の上記他端部の開口を覆うとともに上
記他端部に溶接接合される蓋部を有し、他端に頭部部材
を貫通して頭部部材とかしめ結合されるかしめ部を有し
て構成される。
【0010】このような構成のプランジャアセンブリで
は、まず、プランジャ本体が中空円筒状に形成されてい
るので全体が軽量となり、その上で、この中空空間の端
部開口が棒部材の蓋部により覆われているため、この中
空空間はシリンダ孔内とは分離される。このため、従来
のように中空空間内の油の圧縮による容積効率の低下の
問題がなくなり、このプランジャアセンブリを用いた油
圧装置(ポンプ、モータ等)の容積効率が向上する。さ
らに、蓋部はプランジャ本体の端部に溶接接合され、か
しめ部は頭部部材とかしめ結合されているので、スリッ
パがシリンダの回転に応じて斜板上を移動するときに回
転(自転)したとしても、連結部材とプランジャ本体と
の相対回転は発生せず、少なくともこの部分の磨耗の問
題は生じない。
は、まず、プランジャ本体が中空円筒状に形成されてい
るので全体が軽量となり、その上で、この中空空間の端
部開口が棒部材の蓋部により覆われているため、この中
空空間はシリンダ孔内とは分離される。このため、従来
のように中空空間内の油の圧縮による容積効率の低下の
問題がなくなり、このプランジャアセンブリを用いた油
圧装置(ポンプ、モータ等)の容積効率が向上する。さ
らに、蓋部はプランジャ本体の端部に溶接接合され、か
しめ部は頭部部材とかしめ結合されているので、スリッ
パがシリンダの回転に応じて斜板上を移動するときに回
転(自転)したとしても、連結部材とプランジャ本体と
の相対回転は発生せず、少なくともこの部分の磨耗の問
題は生じない。
【0011】なお、本発明に係るプランジャアセンブリ
において、頭部部材を、スリッパの凹球面状内周面に摺
接接合する半球凸面状外周面と円盤状端面とからなる半
球状に形成されるとともに棒部材を相対回転自在に貫通
させる貫通孔を有した摺動部材と、円盤状端面と摺接す
る摺接面を有するとともにかしめ部とかしめ結合される
結合部材とから構成するのが好ましい。
において、頭部部材を、スリッパの凹球面状内周面に摺
接接合する半球凸面状外周面と円盤状端面とからなる半
球状に形成されるとともに棒部材を相対回転自在に貫通
させる貫通孔を有した摺動部材と、円盤状端面と摺接す
る摺接面を有するとともにかしめ部とかしめ結合される
結合部材とから構成するのが好ましい。
【0012】本発明のプランジャアセンブリでは、上述
のようにスリッパの自転に対して連結部材とプランジャ
本体との相対回転は発生しないため、スリッパとプラン
ジャ本体との摺接部でこの相対回転が吸収される。この
ため、この摺接部、すなわち、スリッパの凸球面状外周
面とプランジャ本体の一端側の球状凹面との嵌合摺接部
に相対回転が発生し、この部分の磨耗が問題となる可能
性がある。ここで、上記のように、頭部部材を摺動部材
と結合部材とに分割して構成すると、スリッパとプラン
ジャ本体との相対回転が、スリッパの凸球面状外周面と
プランジャ本体の一端側の球状凹面との嵌合摺接部と、
摺動部材の円盤状端面と結合部材の摺接面との摺接部に
わけて吸収され、摺接部の磨耗の問題が小さくなる。
のようにスリッパの自転に対して連結部材とプランジャ
本体との相対回転は発生しないため、スリッパとプラン
ジャ本体との摺接部でこの相対回転が吸収される。この
ため、この摺接部、すなわち、スリッパの凸球面状外周
面とプランジャ本体の一端側の球状凹面との嵌合摺接部
に相対回転が発生し、この部分の磨耗が問題となる可能
性がある。ここで、上記のように、頭部部材を摺動部材
と結合部材とに分割して構成すると、スリッパとプラン
ジャ本体との相対回転が、スリッパの凸球面状外周面と
プランジャ本体の一端側の球状凹面との嵌合摺接部と、
摺動部材の円盤状端面と結合部材の摺接面との摺接部に
わけて吸収され、摺接部の磨耗の問題が小さくなる。
【0013】さらに、この構成に加えて、摺動部材の貫
通孔と棒部材との間に径方向の隙間を設けるのが好まし
く、これにより、この部分が接触して磨耗する問題が無
くなる。また、この隙間により、スリッパの球面中心と
棒部材の軸心との芯ずれを吸収することができる。さら
に、この隙間を介して、スリッパとプランジャ本体との
摺接部に潤滑油を供給させることができる。
通孔と棒部材との間に径方向の隙間を設けるのが好まし
く、これにより、この部分が接触して磨耗する問題が無
くなる。また、この隙間により、スリッパの球面中心と
棒部材の軸心との芯ずれを吸収することができる。さら
に、この隙間を介して、スリッパとプランジャ本体との
摺接部に潤滑油を供給させることができる。
【0014】また、棒部材に軸方向に貫通するオイル通
路を設け、プランジャ本体の上記他端部の端面が対向す
る空間とスリッパの凹球面状内周面内の空間とをこのオ
イル通路を介して連通させるのが好ましい。これによ
り、オイル通路を介してスリップの凹球面状内周面内に
導入される油により、スリッパと斜板との摺接部のみな
らず、スリッパと頭部部材との摺接部およびスリッパと
プランジャ本体との摺接部の潤滑が適切に行なわれる。
路を設け、プランジャ本体の上記他端部の端面が対向す
る空間とスリッパの凹球面状内周面内の空間とをこのオ
イル通路を介して連通させるのが好ましい。これによ
り、オイル通路を介してスリップの凹球面状内周面内に
導入される油により、スリッパと斜板との摺接部のみな
らず、スリッパと頭部部材との摺接部およびスリッパと
プランジャ本体との摺接部の潤滑が適切に行なわれる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施形態について説明する。図1に、本発明に係
るプランジャアセンブリを有した斜板プランジャ式油圧
ポンプおよびモータを備えてなる無段変速機Tの構成を
示す。この図から分かるように、本例では変速機TはF
F駆動方式もしくはRR駆動方式として用いられる。無
段変速機Tは、いわゆるハイドロメカニカル式無段変速
機であり、機械伝動ユニット1とハイドロスタティック
式無段変速ユニット2とを組み合わせて構成される。こ
の無段変速機Tを駆動するエンジンEは、機械伝動ユニ
ット1を挟むようにして無段変速ユニット2と反対側に
配設されている。
ましい実施形態について説明する。図1に、本発明に係
るプランジャアセンブリを有した斜板プランジャ式油圧
ポンプおよびモータを備えてなる無段変速機Tの構成を
示す。この図から分かるように、本例では変速機TはF
F駆動方式もしくはRR駆動方式として用いられる。無
段変速機Tは、いわゆるハイドロメカニカル式無段変速
機であり、機械伝動ユニット1とハイドロスタティック
式無段変速ユニット2とを組み合わせて構成される。こ
の無段変速機Tを駆動するエンジンEは、機械伝動ユニ
ット1を挟むようにして無段変速ユニット2と反対側に
配設されている。
【0016】機械伝動ユニット1は、動力分割装置3、
動力伝達装置4、終減速装置5を第1ケーシング1c内
に配設して構成される。動力分割装置3は、エンジンE
の出力軸7とトルクダンパ8を介して接続された変速機
入力軸9と、この入力軸9に直結されたキャリア11
と、このキャリア11に対向するとともに入力軸9と同
軸に延びたポンプ入力軸10とを有する。さらに、キャ
リア11には入力軸9の周りを公転する位置に複数のピ
ニオン軸12が一体に設けられ、これら各ピニオン軸1
2の上には、一体結合された大小一対のビニオンギヤ1
3,14が回転自在に配設されている。ポンプ入力軸1
0には大径ピニオン13と噛合する小径サンギヤ15が
結合配設されており、さらに、小径ピニオン14と噛合
する大径サンギヤ16がポンプ入力軸10の上に回転自
在に配設されている。
動力伝達装置4、終減速装置5を第1ケーシング1c内
に配設して構成される。動力分割装置3は、エンジンE
の出力軸7とトルクダンパ8を介して接続された変速機
入力軸9と、この入力軸9に直結されたキャリア11
と、このキャリア11に対向するとともに入力軸9と同
軸に延びたポンプ入力軸10とを有する。さらに、キャ
リア11には入力軸9の周りを公転する位置に複数のピ
ニオン軸12が一体に設けられ、これら各ピニオン軸1
2の上には、一体結合された大小一対のビニオンギヤ1
3,14が回転自在に配設されている。ポンプ入力軸1
0には大径ピニオン13と噛合する小径サンギヤ15が
結合配設されており、さらに、小径ピニオン14と噛合
する大径サンギヤ16がポンプ入力軸10の上に回転自
在に配設されている。
【0017】大径サンギヤ16と一体結合した中間ドラ
イブギヤ18がポンプ入力軸10の上に回転自在に配設
され、この中間ドライブギヤ18と噛合する中間ドリブ
ンギヤ19がモータ出力軸17に結合して配設されてい
る。なお、これらドライブおよびドリブンギヤ18,1
9により動力伝達装置4が構成されている。モータ出力
軸17にはファイナルドライブギヤ20も結合されてお
り、ディファレンシャル機構22を内蔵するファイナル
ドリブンギヤ21がこのファイナルドライブギヤ20と
噛合し、これにより終減速装置5が構成されている。デ
ィファレンシャル機構22からは左右の車輪駆動軸23
L,23Rが延びており、これら駆動軸23L,23Rを介
して左右の車輪(図示せず)に駆動力が伝達され、車両
が駆動される。
イブギヤ18がポンプ入力軸10の上に回転自在に配設
され、この中間ドライブギヤ18と噛合する中間ドリブ
ンギヤ19がモータ出力軸17に結合して配設されてい
る。なお、これらドライブおよびドリブンギヤ18,1
9により動力伝達装置4が構成されている。モータ出力
軸17にはファイナルドライブギヤ20も結合されてお
り、ディファレンシャル機構22を内蔵するファイナル
ドリブンギヤ21がこのファイナルドライブギヤ20と
噛合し、これにより終減速装置5が構成されている。デ
ィファレンシャル機構22からは左右の車輪駆動軸23
L,23Rが延びており、これら駆動軸23L,23Rを介
して左右の車輪(図示せず)に駆動力が伝達され、車両
が駆動される。
【0018】無段変速ユニット2は、可変斜板プランジ
ャタイプの油圧ポンプ24、可変斜板プランジャタイプ
の油圧モータ25およびこれらを相互に連通する油圧閉
回路26を形成した制御盤27から構成される。これら
油圧ポンプ24および油圧モータ25に本発明に係るプ
ランジャアセンブリが用いられている。なお、制御盤2
7は機械伝動ユニット1の側部に接合配設されており、
ポンプ入力軸10およびモータ出力軸17を回転自在に
支持する。このため、制御盤27は、機械伝動ユニット
1と油圧ポンプ24および油圧モータ25との間に配置
される。
ャタイプの油圧ポンプ24、可変斜板プランジャタイプ
の油圧モータ25およびこれらを相互に連通する油圧閉
回路26を形成した制御盤27から構成される。これら
油圧ポンプ24および油圧モータ25に本発明に係るプ
ランジャアセンブリが用いられている。なお、制御盤2
7は機械伝動ユニット1の側部に接合配設されており、
ポンプ入力軸10およびモータ出力軸17を回転自在に
支持する。このため、制御盤27は、機械伝動ユニット
1と油圧ポンプ24および油圧モータ25との間に配置
される。
【0019】油圧ポンプ24は、ポンプ入力軸10と同
軸に連結されるとともに制御盤27のバルブプレート面
27aに回転摺接自在に配設されたポンプシリンダ28
と、このポンプシリンダ28の回転軸を囲む環状配列で
形成された複数のシリンダ孔29に摺動自在に嵌合挿入
された複数のポンププランジャ50と、各ポンププラン
ジャ50の先端に首振り自在に取り付けられたシュー3
1が摺動可能に当接する可変揺動可能なポンプ斜板32
とを備えて構成されている。すなわち、この油圧ポンプ
24は、可変容量タイプの斜板プランジャポンプであ
る。
軸に連結されるとともに制御盤27のバルブプレート面
27aに回転摺接自在に配設されたポンプシリンダ28
と、このポンプシリンダ28の回転軸を囲む環状配列で
形成された複数のシリンダ孔29に摺動自在に嵌合挿入
された複数のポンププランジャ50と、各ポンププラン
ジャ50の先端に首振り自在に取り付けられたシュー3
1が摺動可能に当接する可変揺動可能なポンプ斜板32
とを備えて構成されている。すなわち、この油圧ポンプ
24は、可変容量タイプの斜板プランジャポンプであ
る。
【0020】ポンプ斜板32はポンプ入力軸10に直交
する(図1における紙面に直交する)トラニオン軸33
を中心として揺動可能であり、図において実線で示すよ
うにポンプ入力軸10と直交する直立位置(このときポ
ンプ斜板角α=0)と、二点鎖線で示すように左右に揺
動傾斜した所定の左右各最大傾斜位置(α=αR(MAX),
αF(MAX))との間で揺動し得るようになっており、これ
によりポンプシリンダ28が回転されたときにおけるポ
ンププランジャ50の往復ストロークが変化する。直立
位置でポンプ入力軸10がエンジンEにより回転駆動さ
れても、往復ストロークは零でポンプ吐出油量は零であ
り、最大傾斜位置に向かって揺動角を増加させるに応じ
て往復ストロークが増加してポンプ吐出量が増加する。
なお、左右いずれに傾斜するかによって吐出方向が逆転
し、後述するように、この傾斜方向により車両の前後進
方向が決まる。
する(図1における紙面に直交する)トラニオン軸33
を中心として揺動可能であり、図において実線で示すよ
うにポンプ入力軸10と直交する直立位置(このときポ
ンプ斜板角α=0)と、二点鎖線で示すように左右に揺
動傾斜した所定の左右各最大傾斜位置(α=αR(MAX),
αF(MAX))との間で揺動し得るようになっており、これ
によりポンプシリンダ28が回転されたときにおけるポ
ンププランジャ50の往復ストロークが変化する。直立
位置でポンプ入力軸10がエンジンEにより回転駆動さ
れても、往復ストロークは零でポンプ吐出油量は零であ
り、最大傾斜位置に向かって揺動角を増加させるに応じ
て往復ストロークが増加してポンプ吐出量が増加する。
なお、左右いずれに傾斜するかによって吐出方向が逆転
し、後述するように、この傾斜方向により車両の前後進
方向が決まる。
【0021】油圧モータ25は、モータ出力軸17と同
軸に連結されるとともに制御盤27のバルブプレート面
27aに回転摺接自在に配設されたモータシリンダ34
と、このモータシリンダ34の回転軸を囲む環状配列で
形成された複数のシリンダ孔35に摺動自在に嵌合挿入
された複数のモータププランジャ36と、各モータプラ
ンジャ36の先端に首振り自在に取り付けられたシュー
37が摺動可能に当接する可変揺動可能なモータ斜板3
8とを備えて構成されている。すなわち、この油圧モー
タ25は、可変容量タイプの斜板プランジャモータであ
る。
軸に連結されるとともに制御盤27のバルブプレート面
27aに回転摺接自在に配設されたモータシリンダ34
と、このモータシリンダ34の回転軸を囲む環状配列で
形成された複数のシリンダ孔35に摺動自在に嵌合挿入
された複数のモータププランジャ36と、各モータプラ
ンジャ36の先端に首振り自在に取り付けられたシュー
37が摺動可能に当接する可変揺動可能なモータ斜板3
8とを備えて構成されている。すなわち、この油圧モー
タ25は、可変容量タイプの斜板プランジャモータであ
る。
【0022】モータ斜板38はモータ出力軸17に直交
する(図1における紙面に直交する)トラニオン軸39
を中心として揺動可能であり、図において二点鎖線で示
すようにモータ出力軸17と直交する直立位置(モータ
斜板角β=0)と、実線で示すように右方に揺動傾斜し
た所定の最大傾斜位置(β=β(MAX))との間で揺動し
得るようになっている。なお、モータ斜板38は直立位
置から図において右周りに揺動するだけである。
する(図1における紙面に直交する)トラニオン軸39
を中心として揺動可能であり、図において二点鎖線で示
すようにモータ出力軸17と直交する直立位置(モータ
斜板角β=0)と、実線で示すように右方に揺動傾斜し
た所定の最大傾斜位置(β=β(MAX))との間で揺動し
得るようになっている。なお、モータ斜板38は直立位
置から図において右周りに揺動するだけである。
【0023】上記油圧ポンプ24および油圧モータ25
を収容する第2ケーシング2cは制御盤27及び機械伝
動ユニット1が収容される第1ケーシングに結合され
る。
を収容する第2ケーシング2cは制御盤27及び機械伝
動ユニット1が収容される第1ケーシングに結合され
る。
【0024】駆動されると、その出力軸7からトルクダ
ンパ8を介して変速機にエンジン出力が伝達され、変速
機入力軸9およびキャリア11がエンジン出力軸7と同
一の速度で回転駆動される。キャリア11が回転駆動さ
れると、エンジン動力は大小径ピニオン13,14を介
して小径および大径サンギヤ15,16に分割して伝達
される。
ンパ8を介して変速機にエンジン出力が伝達され、変速
機入力軸9およびキャリア11がエンジン出力軸7と同
一の速度で回転駆動される。キャリア11が回転駆動さ
れると、エンジン動力は大小径ピニオン13,14を介
して小径および大径サンギヤ15,16に分割して伝達
される。
【0025】このような動力の分割は、油圧ポンプ24
および油圧モータ25の斜板角に応じて異なるので、両
斜板角α,βと変速機の総合速度比eとの関係を図2に
示し、この図を参照して説明する。なお、総合速度比e
は変速機Tの入出力回転数の比であり、式(1)により
求められる。また、図2における縦軸がポンプおよびモ
ータ斜板角度を表し、プラス側が右方向揺動、マイナス
側が左方向揺動を意味する。横軸は総合速度比eを表
し、プラス側が前進方向の速度比、マイナス側が後進方
向の速度比を意味する。図において実線がポンプ斜板角
を示し、破線がモータ斜板角を示す。
および油圧モータ25の斜板角に応じて異なるので、両
斜板角α,βと変速機の総合速度比eとの関係を図2に
示し、この図を参照して説明する。なお、総合速度比e
は変速機Tの入出力回転数の比であり、式(1)により
求められる。また、図2における縦軸がポンプおよびモ
ータ斜板角度を表し、プラス側が右方向揺動、マイナス
側が左方向揺動を意味する。横軸は総合速度比eを表
し、プラス側が前進方向の速度比、マイナス側が後進方
向の速度比を意味する。図において実線がポンプ斜板角
を示し、破線がモータ斜板角を示す。
【0026】
【数1】 総合速度比e=(No)/(Ni) ・・・(1) 但し、Ni : 変速機入力軸9の回転速度 No : ファイナルドリブンギヤ21の回転速度
【0027】ここでポンプ斜板32が直立位置(α=
0)にあり、モータ斜板38が最大揺動位置(β=β(M
AX))にあるときには、ポンプシリンダ28はフリー回
転可能で吐出が零となり、モータシリンダ34は油圧ポ
ンプ24からの供給油がないため油圧的にロックした状
態となり固定保持される。このため、大径サンギヤ16
および中間ドライブギヤ18が静止した状態で、キャリ
ア11の回転に応じて小径サンギヤ15(およびこれに
繋がるポンプ入力軸10とポンプシリンダ28)が自由
に回転し、エンジン出力は空転消費され、左右車輪駆動
軸23L,23Rには伝えられない。この状態は図2に
おける縦線aで示す状態であり、総合速度比eは理論上
無限大となり、変速機Tは中立状態となる。
0)にあり、モータ斜板38が最大揺動位置(β=β(M
AX))にあるときには、ポンプシリンダ28はフリー回
転可能で吐出が零となり、モータシリンダ34は油圧ポ
ンプ24からの供給油がないため油圧的にロックした状
態となり固定保持される。このため、大径サンギヤ16
および中間ドライブギヤ18が静止した状態で、キャリ
ア11の回転に応じて小径サンギヤ15(およびこれに
繋がるポンプ入力軸10とポンプシリンダ28)が自由
に回転し、エンジン出力は空転消費され、左右車輪駆動
軸23L,23Rには伝えられない。この状態は図2に
おける縦線aで示す状態であり、総合速度比eは理論上
無限大となり、変速機Tは中立状態となる。
【0028】但し、この中立状態はシフトレバー(運転
席において運転者が操作するシフトレバー)ポジション
がD,Rレンジのように走行レンジにあるときに設定さ
れる中立状態である。シフトレバーがPもしくはNレン
ジ位置にあるときには、モータ斜板角β=0として、モ
ータシリンダ34もフリー回転可能になし、中立状態を
作り出す制御が行われる。
席において運転者が操作するシフトレバー)ポジション
がD,Rレンジのように走行レンジにあるときに設定さ
れる中立状態である。シフトレバーがPもしくはNレン
ジ位置にあるときには、モータ斜板角β=0として、モ
ータシリンダ34もフリー回転可能になし、中立状態を
作り出す制御が行われる。
【0029】この状態からポンプ斜板32を右方向に揺
動させると、この揺動に応じて油圧ポンプ24から作動
油の吐出が開始され、この吐出作動油が油圧モータ25
に供給されて油圧モータ25のモータ出力軸17(およ
びモータシリンダ34)が駆動される。なお、このとき
の回転駆動力がモータ出力軸17から左右の車輪駆動軸
23L,23Rを介して車輪に伝達されると車輪は前進方
向に駆動されるようになっている。モータ出力軸17の
回転速度はポンプ斜板角αが大きくなるのに応じて増加
し、これが最大斜板角αF(MAX)となると図2の縦線bで
示す状態となる。このため、総合速度比eは、零(縦線
a)から、e1(縦線b)まで増加する。但し、このよ
うにモータ出力軸17の回転が増加するとき、小径ピニ
オン14、大径サンギヤ16、中間ドライブギヤ18お
よび中間ドリブンギヤ19を介して(動力伝達装置を介
して)機械的な動力伝達が同時に行われ、それに対応し
てポンプ入力軸10の回転は減少する。
動させると、この揺動に応じて油圧ポンプ24から作動
油の吐出が開始され、この吐出作動油が油圧モータ25
に供給されて油圧モータ25のモータ出力軸17(およ
びモータシリンダ34)が駆動される。なお、このとき
の回転駆動力がモータ出力軸17から左右の車輪駆動軸
23L,23Rを介して車輪に伝達されると車輪は前進方
向に駆動されるようになっている。モータ出力軸17の
回転速度はポンプ斜板角αが大きくなるのに応じて増加
し、これが最大斜板角αF(MAX)となると図2の縦線bで
示す状態となる。このため、総合速度比eは、零(縦線
a)から、e1(縦線b)まで増加する。但し、このよ
うにモータ出力軸17の回転が増加するとき、小径ピニ
オン14、大径サンギヤ16、中間ドライブギヤ18お
よび中間ドリブンギヤ19を介して(動力伝達装置を介
して)機械的な動力伝達が同時に行われ、それに対応し
てポンプ入力軸10の回転は減少する。
【0030】ポンプ斜板角が最大斜板角αF(MAX)となる
と(縦線bの状態に達すると)、次に、モータ斜板角β
が最大角から徐々に小さくなるように揺動される。これ
によりモータ出力軸17の回転速度が縦線bの状態から
さらに増加し、モータ斜板角βが零(直立位置)となっ
た時点で最大となる(縦線cの状態であり、このとき総
合速度比e2となる)。
と(縦線bの状態に達すると)、次に、モータ斜板角β
が最大角から徐々に小さくなるように揺動される。これ
によりモータ出力軸17の回転速度が縦線bの状態から
さらに増加し、モータ斜板角βが零(直立位置)となっ
た時点で最大となる(縦線cの状態であり、このとき総
合速度比e2となる)。
【0031】但し、上述のように、このようにモータ出
力軸17の回転速度が増加するのに応じて動力伝達装置
4を介して行われる機械的な動力伝達も増加し、ポンプ
入力軸10の回転は減少し、モータ斜板角βが零(直立
位置)となった時点でポンプ入力軸10(およびポンプ
シリンダ28)の回転が零となるように、動力分割装置
3および動力伝達装置4のギヤ比が設定されている。な
お、モータ斜板角βが零(直立位置)となった時にはモ
ータシリンダ34はフリー回転可能な状態となり、且つ
ポンプシリンダ28は油圧ロック状態となり静止保持さ
れる。このため、この状態(縦線cの状態)では動力伝
達装置4により機械的な動力伝達のみが行われる(伝達
ロスが無い場合)。
力軸17の回転速度が増加するのに応じて動力伝達装置
4を介して行われる機械的な動力伝達も増加し、ポンプ
入力軸10の回転は減少し、モータ斜板角βが零(直立
位置)となった時点でポンプ入力軸10(およびポンプ
シリンダ28)の回転が零となるように、動力分割装置
3および動力伝達装置4のギヤ比が設定されている。な
お、モータ斜板角βが零(直立位置)となった時にはモ
ータシリンダ34はフリー回転可能な状態となり、且つ
ポンプシリンダ28は油圧ロック状態となり静止保持さ
れる。このため、この状態(縦線cの状態)では動力伝
達装置4により機械的な動力伝達のみが行われる(伝達
ロスが無い場合)。
【0032】一方、縦線aの状態からポンプ斜板32を
左方向に揺動させると、油圧ポンプ24から作動油が油
圧閉回路26において上記と逆方向に吐出される。この
ため、この作動油の供給により油圧モータ25のモータ
出力軸17(およびモータシリンダ34)が上記と逆方
向(後進方向)に駆動される。モータ出力軸17の回転
速度はポンプ斜板角αが大きくなるのに応じて増加し、
これが最大斜板角αR(MAX)となると図2の縦線dで示す
状態となる。このため、総合速度比eは、零(縦線a)
から、e3(負の値)まで変化する。
左方向に揺動させると、油圧ポンプ24から作動油が油
圧閉回路26において上記と逆方向に吐出される。この
ため、この作動油の供給により油圧モータ25のモータ
出力軸17(およびモータシリンダ34)が上記と逆方
向(後進方向)に駆動される。モータ出力軸17の回転
速度はポンプ斜板角αが大きくなるのに応じて増加し、
これが最大斜板角αR(MAX)となると図2の縦線dで示す
状態となる。このため、総合速度比eは、零(縦線a)
から、e3(負の値)まで変化する。
【0033】以上のような構成の無段変速機Tにおい
て、無段変速ユニット2を構成する油圧ポンプ24およ
び油圧モータ25に本発明に係るプランジャアセンブリ
が採用されており、以下においてはポンププランジャ5
0を例にしてその構造などを詳しく説明する。
て、無段変速ユニット2を構成する油圧ポンプ24およ
び油圧モータ25に本発明に係るプランジャアセンブリ
が採用されており、以下においてはポンププランジャ5
0を例にしてその構造などを詳しく説明する。
【0034】このポンププランジャ50を図3および図
4に示しており、図3では斜板が直立状態にあり、図4
では斜板が傾斜している。このポンププランジャ50
は、有底中空円筒状のプランジャ本体51と、椀状のス
リッパ55と、これら両部材51,55を連結する連結
部材60とから構成される。プランジャ本体51は斜板
とは反対側(図における左側)端部に開口51aを有し
た有底の中空円筒形状をしており、底部すなわち図にお
ける右側端部に球状凹面51bが形成されており、さら
に、底部に軸方向に貫通する貫通孔51cが形成されて
いる。
4に示しており、図3では斜板が直立状態にあり、図4
では斜板が傾斜している。このポンププランジャ50
は、有底中空円筒状のプランジャ本体51と、椀状のス
リッパ55と、これら両部材51,55を連結する連結
部材60とから構成される。プランジャ本体51は斜板
とは反対側(図における左側)端部に開口51aを有し
た有底の中空円筒形状をしており、底部すなわち図にお
ける右側端部に球状凹面51bが形成されており、さら
に、底部に軸方向に貫通する貫通孔51cが形成されて
いる。
【0035】プランジャ本体51の右端部にスリッパ5
5が嵌合配設されており、この部分を拡大して図5に示
している。スリッパ55は、プランジャ本体51の球状
凹面51bと嵌合する凸球面状外周面55aと、この外
周面55aと同心の凹球面状内周面55bとを有した椀
状に形成されており、軸方向右端部にリング状スリッパ
面55cを有している。なお、右端部にフランジ部56
が形成されており、これにより広いスリッパ面55cを
形成している。さらに、スリッパ55を軸方向に貫通す
る貫通孔57が図示のように左側に広がるテーパ形状を
有し形成されている。
5が嵌合配設されており、この部分を拡大して図5に示
している。スリッパ55は、プランジャ本体51の球状
凹面51bと嵌合する凸球面状外周面55aと、この外
周面55aと同心の凹球面状内周面55bとを有した椀
状に形成されており、軸方向右端部にリング状スリッパ
面55cを有している。なお、右端部にフランジ部56
が形成されており、これにより広いスリッパ面55cを
形成している。さらに、スリッパ55を軸方向に貫通す
る貫通孔57が図示のように左側に広がるテーパ形状を
有し形成されている。
【0036】連結部材60は、棒部材61と頭部部材6
5とから構成される。棒部材61は、棒状の本体の左端
部にフランジ状の蓋部61aを有し、この蓋部61aは
プランジャ本体51の開口51aを覆って取り付けら
れ、プランジャ本体51に溶接接合される。棒部材61
の本体部はプランジャ本体51の円筒状中空空間52内
に挿入されるとともに貫通孔51cに挿入され、さら
に、球状凹面51bに凸球面状外周面55aが嵌合した
状態のスリッパ55の貫通孔57に挿入され、スリッパ
55の凹球面状内周面55b内に突出する。頭部部材6
5は、凹球面状内周面55bに嵌合摺接する球状凸面6
5aを有するとともに軸方向に貫通する貫通孔65bを
有する。この貫通孔65bは右側においてテーパ状に広
がる開口部65cを有する。
5とから構成される。棒部材61は、棒状の本体の左端
部にフランジ状の蓋部61aを有し、この蓋部61aは
プランジャ本体51の開口51aを覆って取り付けら
れ、プランジャ本体51に溶接接合される。棒部材61
の本体部はプランジャ本体51の円筒状中空空間52内
に挿入されるとともに貫通孔51cに挿入され、さら
に、球状凹面51bに凸球面状外周面55aが嵌合した
状態のスリッパ55の貫通孔57に挿入され、スリッパ
55の凹球面状内周面55b内に突出する。頭部部材6
5は、凹球面状内周面55bに嵌合摺接する球状凸面6
5aを有するとともに軸方向に貫通する貫通孔65bを
有する。この貫通孔65bは右側においてテーパ状に広
がる開口部65cを有する。
【0037】棒部材61の本体は上記のようにスリッパ
55の貫通孔57に挿入された後、さらに頭部部材65
の貫通孔65bに挿入される。そして、この貫通孔65
bのテーパ状開口部65c内に押し広げられるようにし
てかしめて固定される。これにより、棒部材61と頭部
部材65とが結合され、この結果、球状凹面51bに凸
球面状外周面55aが嵌合した状態でプランジャ本体5
1とスリッパ55とが連結部材60により連結される。
なお、棒部材61にはその内部を軸方向に貫通する連通
孔62が形成されており、この連通孔62を介してシリ
ンダ孔29内の油がスリッパ55側に潤滑油として導入
される。
55の貫通孔57に挿入された後、さらに頭部部材65
の貫通孔65bに挿入される。そして、この貫通孔65
bのテーパ状開口部65c内に押し広げられるようにし
てかしめて固定される。これにより、棒部材61と頭部
部材65とが結合され、この結果、球状凹面51bに凸
球面状外周面55aが嵌合した状態でプランジャ本体5
1とスリッパ55とが連結部材60により連結される。
なお、棒部材61にはその内部を軸方向に貫通する連通
孔62が形成されており、この連通孔62を介してシリ
ンダ孔29内の油がスリッパ55側に潤滑油として導入
される。
【0038】以上の構成のポンププランジャ50がポン
プシリンダ28のシリンダ孔29内に摺動自在に嵌合挿
入され、スリッパ55のスリッパ面55cが斜板32の
斜板面32aと摺接する。図3に示すように斜板32が
直立した状態(斜板角α=0)から、図4に示すように
斜板32が傾斜した状態まで変化したときに、プランジ
ャ本体51およびこれに結合された連結部材60はその
ままで、スリッパ55のみが斜板32に応じて傾いて斜
板面32aと摺接した状態が維持される。この傾斜移動
は、スリッパ55の凹球面状内周面55bと頭部部材6
5の球状凸面65aとの摺接部により可能であり、さら
に、この移動を許容するためにスリッパ55の貫通孔5
7は図示のようにテーパ状に形成されている。
プシリンダ28のシリンダ孔29内に摺動自在に嵌合挿
入され、スリッパ55のスリッパ面55cが斜板32の
斜板面32aと摺接する。図3に示すように斜板32が
直立した状態(斜板角α=0)から、図4に示すように
斜板32が傾斜した状態まで変化したときに、プランジ
ャ本体51およびこれに結合された連結部材60はその
ままで、スリッパ55のみが斜板32に応じて傾いて斜
板面32aと摺接した状態が維持される。この傾斜移動
は、スリッパ55の凹球面状内周面55bと頭部部材6
5の球状凸面65aとの摺接部により可能であり、さら
に、この移動を許容するためにスリッパ55の貫通孔5
7は図示のようにテーパ状に形成されている。
【0039】このポンププランジャ50の場合には、プ
ランジャ本体51の中空空間52が棒部材61の蓋部6
1aにより覆われているため、中空空間52はポンプシ
リンダ28のシリンダ孔29内空間とは隔離される。こ
のため、この中空空間52内の油にはシリンダ孔29内
の油圧が直接作用することがなく、この部分の油の圧縮
性の影響がなくなり、中空空間52があってもポンプ容
積効率が低下することがない。また、連結部材60は、
蓋部61aがプランジャ本体51に溶接接合されている
ため、常にプランジャ本体51と一体の状態にある。こ
のため、運転中にスリッパ55が回転(自転)しても連
結部材60が回転することがなく、プランジャ本体51
と連結部材60との接触部に摩耗が生じることがない。
ランジャ本体51の中空空間52が棒部材61の蓋部6
1aにより覆われているため、中空空間52はポンプシ
リンダ28のシリンダ孔29内空間とは隔離される。こ
のため、この中空空間52内の油にはシリンダ孔29内
の油圧が直接作用することがなく、この部分の油の圧縮
性の影響がなくなり、中空空間52があってもポンプ容
積効率が低下することがない。また、連結部材60は、
蓋部61aがプランジャ本体51に溶接接合されている
ため、常にプランジャ本体51と一体の状態にある。こ
のため、運転中にスリッパ55が回転(自転)しても連
結部材60が回転することがなく、プランジャ本体51
と連結部材60との接触部に摩耗が生じることがない。
【0040】次に本発明に係るポンププランジャの異な
る例を図6を参照して説明する。このポンププランジャ
150も、上記例と同様に、プランジャ本体51’と、
スリッパ55と、連結部材160とから構成される。プ
ランジャ本体51’は上記第1実施例のプランジャ本体
51とほぼ同一に構成され、唯一、貫通孔51c内にシ
ールリング54が設けられている点が異なる。また、ス
リッパ55は第1実施例と同一であり、連結部材160
を構成する棒部材61も第1実施例と同一構成である。
このため、同一部分には同一番号を付してその説明は省
略する。
る例を図6を参照して説明する。このポンププランジャ
150も、上記例と同様に、プランジャ本体51’と、
スリッパ55と、連結部材160とから構成される。プ
ランジャ本体51’は上記第1実施例のプランジャ本体
51とほぼ同一に構成され、唯一、貫通孔51c内にシ
ールリング54が設けられている点が異なる。また、ス
リッパ55は第1実施例と同一であり、連結部材160
を構成する棒部材61も第1実施例と同一構成である。
このため、同一部分には同一番号を付してその説明は省
略する。
【0041】この例では、連結部材160を構成する頭
部部材165が上記第1実施例と大きく異なり、図示の
ように二分割され、スリッパ55の凹球面状内周面55
bと摺接嵌合する球状凸面166aを有した摺動部材1
66と、棒部材61の右端部61bがかしめ結合される
テーパ状に広がった開口部167aを有した結合部材1
67とから構成される。摺動部材166および結合部材
167は互いに摺接する摺接面166b,167bを有
しており、相対回転自在となっている。このため、棒部
材61の右端部61bとかしめ結合される結合部材16
7は連結部材と一体結合されるが、摺動部材166は回
転自在となっている。なお、摺動部材166の嵌通孔1
66cは棒部材61の外周径より大きく、両者の間に所
定の隙間が設けられている。
部部材165が上記第1実施例と大きく異なり、図示の
ように二分割され、スリッパ55の凹球面状内周面55
bと摺接嵌合する球状凸面166aを有した摺動部材1
66と、棒部材61の右端部61bがかしめ結合される
テーパ状に広がった開口部167aを有した結合部材1
67とから構成される。摺動部材166および結合部材
167は互いに摺接する摺接面166b,167bを有
しており、相対回転自在となっている。このため、棒部
材61の右端部61bとかしめ結合される結合部材16
7は連結部材と一体結合されるが、摺動部材166は回
転自在となっている。なお、摺動部材166の嵌通孔1
66cは棒部材61の外周径より大きく、両者の間に所
定の隙間が設けられている。
【0042】このポンププランジャ150の場合には、
プランジャ本体51’の中空空間52が棒部材61の蓋
部61aにより覆われているため、中空空間52はポン
プシリンダ28のシリンダ孔29内空間とは隔離され
る。このため、この中空空間52内にはシリンダ孔29
内の油圧が直接作用することがなく、この部分の油の圧
縮性の影響がなくなり、中空空間52があってもポンプ
容積効率が低下することがない。さらに、プランジャ本
体51’の嵌通孔51c内にシールリング54が設けら
れているので、中空空間52内に油が入り込むことがな
く、運転中におけるポンププランジャ150の重量が軽
くできる。
プランジャ本体51’の中空空間52が棒部材61の蓋
部61aにより覆われているため、中空空間52はポン
プシリンダ28のシリンダ孔29内空間とは隔離され
る。このため、この中空空間52内にはシリンダ孔29
内の油圧が直接作用することがなく、この部分の油の圧
縮性の影響がなくなり、中空空間52があってもポンプ
容積効率が低下することがない。さらに、プランジャ本
体51’の嵌通孔51c内にシールリング54が設けら
れているので、中空空間52内に油が入り込むことがな
く、運転中におけるポンププランジャ150の重量が軽
くできる。
【0043】また、第1実施例と同様に、連結部材60
は、蓋部61aがプランジャ本体51に溶接接合されて
いるため、運転中にスリッパ55が回転(自転)しても
連結部材60が回転することがなく、プランジャ本体5
1と連結部材60との接触部に摩耗が生じることがな
い。さらに、頭部部材165が摺動部材166および結
合部材167に分割されているので、スリッパ55の回
転は、プランジャ本体51’の球状凹面51bとスリッ
パ55の凸球面状外周面55aとの摺接により吸収され
るだけでなく、手動部材166および結合部材部材16
7の摺接面166b,167bの摺接によっても吸収さ
れる。すなわち、二カ所に分けて吸収されるため、スリ
ッパ55の回転に伴うこれら摺接部の摩耗が抑えられ
る。
は、蓋部61aがプランジャ本体51に溶接接合されて
いるため、運転中にスリッパ55が回転(自転)しても
連結部材60が回転することがなく、プランジャ本体5
1と連結部材60との接触部に摩耗が生じることがな
い。さらに、頭部部材165が摺動部材166および結
合部材167に分割されているので、スリッパ55の回
転は、プランジャ本体51’の球状凹面51bとスリッ
パ55の凸球面状外周面55aとの摺接により吸収され
るだけでなく、手動部材166および結合部材部材16
7の摺接面166b,167bの摺接によっても吸収さ
れる。すなわち、二カ所に分けて吸収されるため、スリ
ッパ55の回転に伴うこれら摺接部の摩耗が抑えられ
る。
【0044】この第2実施例ではさらに、摺動部材16
6の嵌通孔166cは棒部材61の外周径より大きく、
両者の間に所定の隙間が設けられているので、この部分
が接触して磨耗する問題が無く、また、この隙間によ
り、スリッパ55の球面中心と棒部材61の軸心との芯
ずれを吸収することができ、さらに、この隙間を介し
て、スリッパ55とプランジャ本体51’との摺接部に
潤滑油を供給させることができる。
6の嵌通孔166cは棒部材61の外周径より大きく、
両者の間に所定の隙間が設けられているので、この部分
が接触して磨耗する問題が無く、また、この隙間によ
り、スリッパ55の球面中心と棒部材61の軸心との芯
ずれを吸収することができ、さらに、この隙間を介し
て、スリッパ55とプランジャ本体51’との摺接部に
潤滑油を供給させることができる。
【0045】なお、上記第1および第2実施例におい
て、棒部材61を貫通して形成された連通路62を介し
てシリンダ孔29内の油がスリッパ55の凹球面状内周
面55b内の空間に導入され、これが各摺接部の潤滑を
行う。
て、棒部材61を貫通して形成された連通路62を介し
てシリンダ孔29内の油がスリッパ55の凹球面状内周
面55b内の空間に導入され、これが各摺接部の潤滑を
行う。
【0046】上記第1および第2実施例では油圧ポンプ
24用のプランジャを例にして説明したが、油圧モータ
25用のモータプランジャ36も同様の構成とすること
ができるのは無論のことである。さらに、本発明のプラ
ンジャ構成は、各種のプランジャタイプの油圧ポンプ、
モータに適用できる。
24用のプランジャを例にして説明したが、油圧モータ
25用のモータプランジャ36も同様の構成とすること
ができるのは無論のことである。さらに、本発明のプラ
ンジャ構成は、各種のプランジャタイプの油圧ポンプ、
モータに適用できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連結部材が、スリッパの凹球面状内周面に摺動自在に嵌
合配設された頭部部材と、プランジャ本体およびスリッ
パを貫通して配設された棒部材とから構成され、この棒
部材は、一端にプランジャ本体の端部開口を覆って溶接
接合される蓋部を有し、他端に頭部部材とかしめ結合さ
れるかしめ部を有して構成されるのであるが、このよう
な構成のプランジャアセンブリでは、まず、プランジャ
本体が中空円筒状に形成されているので全体が軽量とな
り、その上で、この中空空間の端部開口が棒部材の蓋部
により覆われているため、この中空空間はシリンダ孔内
とは分離され、従来のように中空空間内の油の圧縮によ
る容積効率の低下の問題がなくなる。このため、このプ
ランジャアセンブリを用いた油圧装置(ポンプ、モータ
等)の容積効率を向上させることができる。
連結部材が、スリッパの凹球面状内周面に摺動自在に嵌
合配設された頭部部材と、プランジャ本体およびスリッ
パを貫通して配設された棒部材とから構成され、この棒
部材は、一端にプランジャ本体の端部開口を覆って溶接
接合される蓋部を有し、他端に頭部部材とかしめ結合さ
れるかしめ部を有して構成されるのであるが、このよう
な構成のプランジャアセンブリでは、まず、プランジャ
本体が中空円筒状に形成されているので全体が軽量とな
り、その上で、この中空空間の端部開口が棒部材の蓋部
により覆われているため、この中空空間はシリンダ孔内
とは分離され、従来のように中空空間内の油の圧縮によ
る容積効率の低下の問題がなくなる。このため、このプ
ランジャアセンブリを用いた油圧装置(ポンプ、モータ
等)の容積効率を向上させることができる。
【0048】さらに、蓋部はプランジャ本体の端部に溶
接接合され、かしめ部は頭部部材とかしめ結合されてい
るので、スリッパがシリンダの回転に応じて斜板上を移
動するときに回転(自転)したとしても、連結部材とプ
ランジャ本体との相対回転は発生せず、少なくともこの
部分の磨耗を抑えることができる。また、このように一
方を溶接により固定し、他方をかしめているので、製造
誤差等に起因する、連結した際の軸方向の各摺動部間の
ばらつきを調整し、抑制することが可能であるという利
点もある。
接接合され、かしめ部は頭部部材とかしめ結合されてい
るので、スリッパがシリンダの回転に応じて斜板上を移
動するときに回転(自転)したとしても、連結部材とプ
ランジャ本体との相対回転は発生せず、少なくともこの
部分の磨耗を抑えることができる。また、このように一
方を溶接により固定し、他方をかしめているので、製造
誤差等に起因する、連結した際の軸方向の各摺動部間の
ばらつきを調整し、抑制することが可能であるという利
点もある。
【0049】本発明に係るプランジャアセンブリにおい
て、頭部部材を、スリッパの凹球面状内周面に摺接接合
する摺動部材と、かしめ部とかしめ結合される結合部材
とから構成するのが好ましい。この場合、スリッパの自
転に対しては、スリッパとプランジャ本体との相対回転
が、スリッパの凸球面状外周面とプランジャ本体の一端
側の球状凹面との嵌合摺接部と、摺動部材の円盤状端面
と結合部材の摺接面との摺接部にわけて吸収され、摺接
部の磨耗の問題を低減することができる。
て、頭部部材を、スリッパの凹球面状内周面に摺接接合
する摺動部材と、かしめ部とかしめ結合される結合部材
とから構成するのが好ましい。この場合、スリッパの自
転に対しては、スリッパとプランジャ本体との相対回転
が、スリッパの凸球面状外周面とプランジャ本体の一端
側の球状凹面との嵌合摺接部と、摺動部材の円盤状端面
と結合部材の摺接面との摺接部にわけて吸収され、摺接
部の磨耗の問題を低減することができる。
【0050】さらに、この構成に加えて、摺動部材の貫
通孔と棒部材との間に径方向の隙間を設けるのが好まし
く、これにより、この部分が接触して磨耗する問題が無
くなる。また、この隙間により、スリッパの球面中心と
棒部材の軸心との芯ずれを吸収することができる。さら
に、この隙間を介して、スリッパとプランジャ本体との
摺接部に潤滑油を供給させることができる。
通孔と棒部材との間に径方向の隙間を設けるのが好まし
く、これにより、この部分が接触して磨耗する問題が無
くなる。また、この隙間により、スリッパの球面中心と
棒部材の軸心との芯ずれを吸収することができる。さら
に、この隙間を介して、スリッパとプランジャ本体との
摺接部に潤滑油を供給させることができる。
【0051】また、棒部材に軸方向に貫通するオイル通
路を設け、プランジャ本体の上記他端部の端面が対向す
る空間とスリッパの凹球面状内周面内の空間とをこのオ
イル通路を介して連通させるのが好ましい。これによ
り、オイル通路を介してスリップの凹球面状内周面内に
導入される油により、スリッパと斜板との摺接部のみな
らず、スリッパと頭部部材との摺接部およびスリッパと
プランジャ本体との摺接部の潤滑が適切に行なわれる。
路を設け、プランジャ本体の上記他端部の端面が対向す
る空間とスリッパの凹球面状内周面内の空間とをこのオ
イル通路を介して連通させるのが好ましい。これによ
り、オイル通路を介してスリップの凹球面状内周面内に
導入される油により、スリッパと斜板との摺接部のみな
らず、スリッパと頭部部材との摺接部およびスリッパと
プランジャ本体との摺接部の潤滑が適切に行なわれる。
【図1】本発明に係るプランジャアセンブリを有する油
圧ポンプ、モータを有してなる無段変速機の構成を示す
スケルトン図である。
圧ポンプ、モータを有してなる無段変速機の構成を示す
スケルトン図である。
【図2】この無段変速機の変速比特性を示すグラフであ
る。
る。
【図3】本発明に係るポンププランジャを示す断面図で
ある。
ある。
【図4】本発明に係るポンププランジャを示す断面図で
ある。
ある。
【図5】本発明に係るポンププランジャのスリッパ周辺
を拡大して示す拡大断面図である。
を拡大して示す拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るポンププランジャの
スリッパ周辺を拡大して示す拡大断面図である。
スリッパ周辺を拡大して示す拡大断面図である。
28 ポンプシリンダ 29 シリンダ孔 50 ポンププランジャ 51 プランジャ本体 52 中空空間 55 スリッパ 60 連結部材 61 棒部材 61a 蓋部 65 頭部部材
Claims (4)
- 【請求項1】 凸球面状外周面および凹球面状内周面を
有して椀状に形成され、軸方向端部にリング状スリッパ
面を有してなるスリッパと、 軸方向一端部に前記凸球面状外周面と摺動自在に嵌合す
る球状凹面が形成され、内部が軸方向他端部に開口する
中空の円筒状に形成されたプランジャ本体と、 このプランジャ本体内に、前記スリッパと前記プランジ
ャ本体とを連結させる連結部材とからなり、 この連結部材が、 前記スリッパの前記凹球面状内周面に摺動自在に嵌合配
設された頭部部材と、 前記プランジャ本体の前記他端部から前記プランジャ内
を軸方向に延びて前記一端部を貫通するとともに、前記
一端部に摺接嵌合した前記スリッパを貫通し、さらに、
前記スリッパの前記凹球面状内周面に摺接嵌合した前記
頭部部材を貫通して配設された棒部材とから構成され、 この棒部材は、一端に前記プランジャ本体の前記他端部
の開口を覆うとともに前記他端部に溶接接合される蓋部
を有し、他端に前記頭部部材を貫通して前記頭部部材と
かしめ結合されるかしめ部を有してなることを特徴とす
るプランジャアセンブリ。 - 【請求項2】 前記頭部部材が、前記スリッパの前記凹
球面状内周面に摺接接合する半球凸面状外周面と円盤状
端面とからなる半球状に形成されるとともに前記棒部材
を相対回転自在に貫通させる貫通孔を有した摺動部材
と、前記円盤状端面と摺接する摺接面を有するとともに
前記かしめ部とかしめ結合される結合部材とからなるこ
とを特徴とする請求項1に記載のプランジャアセンブ
リ。 - 【請求項3】 前記摺動部材の前記貫通孔と前記棒部材
との間に径方向の隙間を設けたことを特徴とする請求項
2に記載のプランジャアセンブリ。 - 【請求項4】 前記棒部材に軸方向に貫通するオイル通
路を設け、前記プランジャ本体の前記他端部の端面が対
向する空間と前記スリッパの前記凹球面状内周面内の空
間とを前記オイル通路を介して連通させてなることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプランジャア
センブリ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9232381A JPH1162850A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | プランジャアセンブリ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9232381A JPH1162850A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | プランジャアセンブリ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1162850A true JPH1162850A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16938346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9232381A Pending JPH1162850A (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | プランジャアセンブリ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1162850A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001330149A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-11-30 | Sauer Danfoss Inc | 閉鎖キャビティ油圧ピストンおよびその製造方法 |
WO2014174776A1 (ja) * | 2013-04-26 | 2014-10-30 | 川崎重工業株式会社 | 液圧回転機が備えるピストン及び液圧回転機 |
CN106001286A (zh) * | 2016-05-17 | 2016-10-12 | 江苏远业液压机械有限公司 | 一种反包柱塞收口工艺 |
CN106499625A (zh) * | 2016-11-22 | 2017-03-15 | 浙江大学 | 基于slm技术的轻量化柱塞及柱塞泵 |
CN106523345A (zh) * | 2016-11-22 | 2017-03-22 | 浙江大学 | 一种基于slm技术的封闭空心薄壁柱塞及柱塞泵 |
CN108150405A (zh) * | 2016-12-05 | 2018-06-12 | 江苏汉力士液压制造有限公司 | 空心柱塞 |
CN110701036A (zh) * | 2018-07-10 | 2020-01-17 | 江苏可奈力机械制造有限公司 | 一种连接方便的新型弹簧倒包柱塞结构 |
CN112888858A (zh) * | 2018-11-15 | 2021-06-01 | 株式会社小松制作所 | 活塞及液压泵·马达 |
CN114233595A (zh) * | 2021-11-23 | 2022-03-25 | 河南航天液压气动技术有限公司 | 一种柱塞滑靴组件、柱塞泵及柱塞马达 |
CN115306630A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-11-08 | 北京航空航天大学宁波创新研究院 | 一种柱塞及柱塞装置 |
CN115419546A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-12-02 | 北京航空航天大学宁波创新研究院 | 一种柱塞及柱塞装置 |
-
1997
- 1997-08-28 JP JP9232381A patent/JPH1162850A/ja active Pending
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001330149A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-11-30 | Sauer Danfoss Inc | 閉鎖キャビティ油圧ピストンおよびその製造方法 |
WO2014174776A1 (ja) * | 2013-04-26 | 2014-10-30 | 川崎重工業株式会社 | 液圧回転機が備えるピストン及び液圧回転機 |
JP2014214708A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 川崎重工業株式会社 | 液圧回転機が備えるピストン及び液圧回転機 |
CN104662293A (zh) * | 2013-04-26 | 2015-05-27 | 川崎重工业株式会社 | 液压旋转机所具备的柱塞以及液压旋转机 |
CN106001286A (zh) * | 2016-05-17 | 2016-10-12 | 江苏远业液压机械有限公司 | 一种反包柱塞收口工艺 |
CN106499625A (zh) * | 2016-11-22 | 2017-03-15 | 浙江大学 | 基于slm技术的轻量化柱塞及柱塞泵 |
CN106523345A (zh) * | 2016-11-22 | 2017-03-22 | 浙江大学 | 一种基于slm技术的封闭空心薄壁柱塞及柱塞泵 |
CN108150405A (zh) * | 2016-12-05 | 2018-06-12 | 江苏汉力士液压制造有限公司 | 空心柱塞 |
CN110701036A (zh) * | 2018-07-10 | 2020-01-17 | 江苏可奈力机械制造有限公司 | 一种连接方便的新型弹簧倒包柱塞结构 |
CN112888858A (zh) * | 2018-11-15 | 2021-06-01 | 株式会社小松制作所 | 活塞及液压泵·马达 |
CN112888858B (zh) * | 2018-11-15 | 2024-01-16 | 株式会社小松制作所 | 活塞及液压泵·马达 |
US12025112B2 (en) | 2018-11-15 | 2024-07-02 | Komatsu Ltd. | Piston body including an internal space for use in a hydraulic pump or motor |
CN114233595A (zh) * | 2021-11-23 | 2022-03-25 | 河南航天液压气动技术有限公司 | 一种柱塞滑靴组件、柱塞泵及柱塞马达 |
CN114233595B (zh) * | 2021-11-23 | 2024-04-19 | 河南航天液压气动技术有限公司 | 一种柱塞滑靴组件、柱塞泵及柱塞马达 |
CN115306630A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-11-08 | 北京航空航天大学宁波创新研究院 | 一种柱塞及柱塞装置 |
CN115419546A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-12-02 | 北京航空航天大学宁波创新研究院 | 一种柱塞及柱塞装置 |
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