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JPH1154005A - 電流・温度複合ヒューズ、及びこれを用いた二次電池用保護素子 - Google Patents

電流・温度複合ヒューズ、及びこれを用いた二次電池用保護素子

Info

Publication number
JPH1154005A
JPH1154005A JP9204865A JP20486597A JPH1154005A JP H1154005 A JPH1154005 A JP H1154005A JP 9204865 A JP9204865 A JP 9204865A JP 20486597 A JP20486597 A JP 20486597A JP H1154005 A JPH1154005 A JP H1154005A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
fuse
temperature
terminal plate
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9204865A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikizo Kasamatsu
幹三 笠松
Hideki Shoji
秀樹 庄司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BURAITO KK
TOYO SYST KK
Toyo System Co Ltd
Original Assignee
BURAITO KK
TOYO SYST KK
Toyo System Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BURAITO KK, TOYO SYST KK, Toyo System Co Ltd filed Critical BURAITO KK
Priority to JP9204865A priority Critical patent/JPH1154005A/ja
Publication of JPH1154005A publication Critical patent/JPH1154005A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Fuses (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の温度ヒューズは、温度ヒューズの感温体
は周辺温度のみに反応するのではなく、温度ヒューズ自
体への通電によっても発熱してしまい、電流ヒューズが
遮断に達する前に回路への電流が遮断されることがあっ
た。またPTC素子は、インピーダンス値が一旦上昇し
てもその原因が除去されればインピーダンス値が下が
り、再通される恐れがあった。 【解決手段】非導電性材のケース基体と、該ケース基体
の離隔した2カ所に当接させた導電性の端子板と、から
ケースを構成し、該ケース内には、両端子板間を接続す
る過電流作動の電流ヒューズを配置するとともに、感温
体の昇温溶融により抑止が解除された付勢手段の反発力
により電流ヒューズと端子板との接続導通を解除させる
温度ヒューズ素子を配置する。また端子板を、電池の安
全弁とトップカバーとの間に電気的に直列接続してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電子機器類の回
路保護のため、過電流により作動する電流ヒューズと、
周辺温度により作動する温度ヒューズとを同一ケース内
に収納配置した電流・温度複合ヒューズに関する。併せ
てかかるヒューズを二次電池用保護素子として用いる場
合に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、電流ヒューズは、過電流によるジ
ュール熱でヒューズ素子が溶断することにより、被保護
回路への電流供給を遮断させるものであり、温度ヒュー
ズは、機器等が異常に発熱して所定温度に達した場合
に、この熱で感温体が溶融して、被保護回路への電流供
給を遮断させるものである。
【0003】従来から、電流ヒューズのみでは、機器の
温度上昇に伴う回路抵抗の増加により、回路電流が低下
して電流ヒューズが溶断しないまま本回路が破壊される
ことがあるため、温度ヒューズとの併用が行われてい
た。
【0004】電子機器の小型軽量化に伴い、小型携帯機
器の市場は急激に拡大しているが、その背景には高密度
な集積回路、機器駆動電圧の低下による省電力化はもと
より、高エネルギー密度の二次電池の登場が挙げられ
る。
【0005】その二次電池のなかでもリチウムイオン二
次電池は、従来の二次電池とは異なり平均電圧が約3.
6Vとニカド二次電池の約3倍の電圧を有しているた
め、機器に必要な電池本数を少なくすることも可能であ
り、現在では小型携帯機器用の二次電池の中心的存在に
なりつつある。
【0006】ところで、リチウムイオン二次電池の高エ
ネルギー密度化および電池特性を考慮し、安全対策とし
てバッテリーパック内には、電流ヒューズや温度ヒュー
ズを電池回路に直列に接続したり、過充電や過放電の制
御回路を設けたりしている。
【0007】加えて、所定温度以上でインピーダンス値
が急激に上昇するPTC(positive temp
erature coefficient)素子を電池
に組み込むなどして電池へ直列接続し、過電流による充
電や外部短絡に対して電池を保護することも一般的に行
われている。
【0008】円筒型電池を例にすると、通常、PTC素
子はリチウムイオン二次電池の内部インピーダンス値の
数分の一程度のインピーダンス値を有し、ドーナツ円板
状に形成されたものが、トップカバーと安全弁との間に
直列接続するよう配置されている。
【0009】PTC素子aは図5に示すように、二枚の
ニッケル端子板bの間に、ニッケル端子板bと略同一形
状の薄層の導電性樹脂cを張り合わせたものである。こ
れらの中央付近の貫通口dは安全弁が作動した際に、電
池内からのガスを解放するためのものである。
【0010】ここで、PTC素子aの二枚のニッケル端
子板bの間に挟まれた導電性樹脂cは、常温以下の領域
ではインピーダンス値がほぼ一定である。しかしなが
ら、過電流や電池温度上昇などによって、この導電性樹
脂cの温度が上昇した場合には、インピーダンス値が急
激に上昇して導電性樹脂cが電流を遮断して電池を保護
するものである。
【0011】なお、PTC素子は導電性樹脂の物理的性
質が変化しない一定範囲内の流入電流または温度範囲内
においては、インピーダンス値が一旦上昇してもその原
因が除去されればインピーダンス値が下がる自己復帰性
を有している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電流ヒ
ューズと併用される従来の温度ヒューズは、温度ヒュー
ズ自体にも電流が流れるため、温度ヒューズの感温体は
その電流値に左右される不都合があった。すなわち、感
温体は周辺温度のみに反応するのではなく、通電によっ
ても発熱してしまい、電流ヒューズの過電流による遮断
に達する以前に回路への電流を遮断させてしまうという
不都合が生じていた。したがって、電流ヒューズの選定
にあたっては、電池回路を流れる電流値のみならず、温
度ヒューズの特性をも考慮する必要があった。
【0013】またリチウムイオン二次電池の電池内部イ
ンピーダンスは、従来の水溶液系の電解液を用いた二次
電池と比較して高く、また低温時においては有機電解液
の導電率が下がるため、インピーダンスがさらに上昇す
る傾向にある。
【0014】例えば携帯端末で主流を占めるGSM方式
においては、放電電流が1〜2Aに達するパルス放電で
あり重負荷放電性能が要求される。電池内部インピーダ
ンスが大きいと、放電に伴う電池電圧降下(いわゆるI
Rドロップ)が大きくなり、公称容量と比較して放電容
量が減少するが、電解液の導電率が下がる低温ではこれ
が顕著となる。
【0015】PTC素子が直列に接続された電池を放電
すると、電池のインピーダンスによる電圧降下に、PT
C素子による電圧降下が加わるので、電池単体時に較べ
てカットオフ電圧に達するまでの時間(機器の使用可能
時間)が短くなってしまうという問題があった。また、
機器の発熱や重負荷放電によりPTC素子の温度が高く
なった場合にはPTC素子のインピーダンスが上昇し
て、PTC素子による電圧降下がさらに大きくなること
があった。
【0016】また、これとは別な問題として、電池の異
常等による発熱によって上昇したPTC素子のインピー
ダンス値は、発熱要因が除去されてPTC素子の温度が
下がるに従い、PTC素子のインピーダンス値は減少
し、ついにはPTC素子のインピーダンス値が上昇する
以前の値程度にまで減少する。
【0017】従って、PTC素子が温度上昇して電流を
遮断した後であっても、その温度が下がりPTC素子の
インピーダンス値が下がれば、電池の異常等が解消され
なくても電池が再通電されてしまうこととなる。
【0018】この再通電を防ぐためには、PTC素子に
加えて温度ヒューズ等を回路に直列に接続する必要があ
った。
【0019】
【目的】そこで、本願発明は上記課題の解決を目的とし
てなされたものである。すなわち1つの電気部品内で、
過度の温度上昇時には外部端子に電気的に接続されない
温度ヒューズ機構が電流ヒューズ機構を回路から離脱さ
せて電流遮断を行い、過電流に対しては電流ヒューズ機
構の作動により電流遮断を行うことを特徴とする、新規
な電流・温度複合ヒューズ、及びこれを用いた二次電池
用保護素子を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明の電流・温度複合ヒューズは次のように構
成される。
【0021】すなわち、非導電性材のケース基体と、該
ケース基体の離隔した2カ所に当接させた導電性の端子
板と、からケースを構成し、該ケース内には、両端子板
間を接続する過電流作動の電流ヒューズを配置するとと
もに、感温体の昇温溶融により抑止が解除された付勢手
段の反発力により電流ヒューズと端子板との接続導通を
解除させる温度ヒューズ素子を配置したことを特徴とす
る。
【0022】電流ヒューズの少なくとも一方側は、コン
タクトを介して端子板と接続させるとともに、温度ヒュ
ーズ素子の付勢手段の反発力を、当該コンタクトに作用
させるようにしたことを特徴とする。
【0023】また、ケース基体と端子板との当接面の一
部又は全部に、非導電性材を介在させたことを特徴とす
る。さらに、両端子板の略中央部を貫通した貫通口を形
成したことを特徴とする。
【0024】電流ヒューズと端子板との接続において
は、電流ヒューズの一端、又はコンタクトの一端に連設
された接続片をケース内から端子板の外側に所定長さ延
出させ、この延出部分の面積に略対応した切欠き部を端
子板に形成すると共に、この延出部分を端子板側へ屈曲
させて端子板と面一にして固着させるようにすることも
可能である。
【0025】また、当該電流・温度複合ヒューズを、電
池に対して電気的に直列接続し二次電池用保護素子とす
ることを特徴とする。この場合、電流・温度複合ヒュー
ズの各々の端子板が、電池の安全弁とトップカバーとの
間に電気的に直列接続されるようにしてもよい。
【0026】
【作用】上記構成により本願発明は以下のように作用す
るものである。電流ヒューズは、従来と同様に過電流に
反応して作動し、被保護回路への電流供給を遮断する。
【0027】一方、感温体は作動温度以上の周辺温度に
反応して溶融すると、付勢手段の抑止を解除し、反発作
動する。この反発力が電流ヒューズと端子板との接続を
解除させ、両端子板間に通ずる電流が遮断される。電流
ヒューズと端子板とをコンタクトを用いて接続させた場
合は、このコンタクトへ上記反発力を作用させるように
しても良い。
【0028】さらに、電池に対して電気的に直列接続し
た場合には、電流ヒューズは、過電流に反応して作動
し、電池に流れる電流が遮断される。また、感温体は作
動温度以上の周辺温度に反応して溶融し、付勢手段の抑
止を解除するため付勢手段が付勢作動し、その付勢力が
コンタクトに作用することにより、コンタクトと接続端
子との接続導通が解除されて電池に流れる電流が遮断さ
れる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本願発明の実施形態例を
図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態の電流
・温度複合ヒューズ(以下「複合ヒューズ」と略称。)
の全体を示す一部切り欠き斜視図であり、図2は本実施
形態の複合ヒューズの接続片の端子板への接続状態を示
す要部斜視図であり、図3は本実施形態の一部断面図で
あり、図4は本実施形態の複合ヒューズを、二次電池用
保護素子として電池に組み込んだ状態を示す全体概観図
である。なお、以下に用いる方向の記載は、図面上の表
現形態にしたがっているが、これは便宜的なもので、発
明を限定するものではない。
【0030】本実施形態の複合ヒューズ1は、主に電流
ヒューズ3、温度ヒューズ4、及びこれらを収納するケ
ース2から構成されている。ケース2は、ケース基体2
0とケース基体20を対向して挟む2枚の端子板21
a、21bとからなる。ケース基体20は、非導電性材
の肉厚円盤状をなし、本実施形態では、セラミック製で
直径15ミリ、厚さ2ミリの円盤状に形成している。
【0031】2枚の端子板21a、21bは、導電性、
例えばニッケル製で円盤状に形成され、ケース基体20
の対向面20aの略全面又は一部面に当接し、ケース基
体20を挟持するように配置されている。この端子板2
1a、21bには後述する接続片と接続するための切欠
き部22が形成されている。また、ケース基体20と当
接する端子板21a、21bの片面には、非導電性材を
介在させている。本実施例では、これを別体とするので
はなく、端子板21a、21bの片面に非導電性層23
として一体的に形成している。
【0032】またケース2には、端子板21a、21b
の略中央部を貫通する矩形状の貫通口24を形成してい
る。この貫通口24を囲む(図1において)上方と左右
のケース2内には、貫通口24とは隔てられた略コ字状
の空間26を形成している。
【0033】電流ヒューズ3は、貫通口24で隔てられ
たケース2内の(図1において)右側の空間内に配置し
ている。この電流ヒューズ3の構成自体は、従来の技術
であり、過電流により溶断する可溶体からなるヒューズ
素子とその両端が接続された接続片から構成される。こ
の下部の接続片は、ケース2裏側(図1において奥側)
の端子板である裏端子板21aと接続する裏端子接続片
31を構成し、上部の接続片は貫通口24の上方空間内
を水平方向左側へ延びる導電板30を構成している。な
お、本実施形態ではヒューズ素子32の定格は5Vー5
Aに設定されている。
【0034】導電板30は、貫通口24で隔てられたケ
ース2内の(図1において)上側の空間内に横臥するよ
うに配置され、その右端30aはヒューズ素子32に接
続されている。
【0035】導電板30の左端30bは、互いに接触導
通させた後述のコンタクト46を介して、ケース2表側
(図1において手前側)の端子板である表端子板21b
と接続される表端子接続片25に接続されている。これ
により、両端子板21は、裏端子接続片31、ヒューズ
素子32、導電板30、コンタクト46、及び表端子接
続片25の直列接続を経て導通している。
【0036】表端子接続片25と表端子板21bとの接
続においては、図2に示すにように、表端子接続片25
を、表端子板21bの内側に配置された非導電性層23
に形成した開口を通して外側に所定長さ延出させる。表
端子板21bには、この開口から表端子接続片25の延
出部分25aの面積に略対応した大きさの切欠き部22
を形成しており、この延出部分25aを表端子板21b
側へ屈曲させた後、半田等の溶着手段で表端子板21b
と導通した状態で固着させている。このとき、表端子接
続片25の肉厚と表端子板21bとの肉厚を略同じに形
成しているため、折り曲げて固着させた場合にこの部分
を面一に仕上げることができる。
【0037】なお、裏端子接続片31と裏端子板21a
との接続においても、上記と同様の構成により行なって
いる。温度ヒューズ4は、感温体40、感温体充填筒4
1、係止ピン44、付勢手段としてのコイルスプリング
45、及びコンタクト46とから構成される。
【0038】温度ヒューズ4は、貫通口24で隔てられ
たケース2内の左側の空間内に配置され、感温体40の
溶融によりコイルスプリング45の抑止が解除されて作
動した場合には、その反発力をコンタクト46に作用さ
せ、このコンタクト46と表端子接続片25および導電
板30との接触導通を解除するように構成したものであ
る。
【0039】すなわち、かかる構成は、導電板30と表
端子接続片25との間に架け渡すように、かつ互いに接
触導通するようにして帯板状のコンタクト46を配置す
る。このコンタクト46の下面側の所定部位には、下方
に略垂直に延びる棒状の係止ピン44が取付けられ、そ
の先端部には、係止用の拡径部44aが形成されるとと
もに、コンタクト46の下方に配置された感温体充填筒
41内に、拡径部44aを含む先端部が埋設されてい
る。
【0040】この感温体充填筒41は、有底円筒状をな
し、その上部空間には感温体40(本実施例では融点が
130℃程度の低融点合金を用いた)を充填し、上部空
間と連通した下部には溶融した感温体40が流入する流
入空間42を形成している。
【0041】コンタクト46と感温体充填筒41との間
には、コイルスプリング45が係止ピン44に環装され
た状態で配置されている。そして、このコイルスプリン
グ45を一定量圧縮させた状態で、係止ピン44の先端
部を感温体内に挿入埋設して、この硬化固着力で保持す
ることにより、コイルスプリング45の反発作動を抑止
している。
【0042】また、感温体充填筒41の上端開口縁に
は、内フランジ43が形成され、感温体40の上方への
抜け出しを阻止している。なお、この内フランジ43の
内径は、前記の係止ピン44の先端部の拡径部44aの
径より小径に設定している。
【0043】以上のように構成された本実施形態は、次
のように作用する。まず、電流ヒューズ3は表裏の両端
子板21a、21bを直列に接続しているため、両端子
板21a、21b間を流れる電流が過電流値を示した場
合に、ヒューズ素子32が溶断し電流供給を遮断する。
この作動は従来の電流ヒューズの作動と同様である。
【0044】次に、前記ヒューズ素子32から発せられ
る熱(ジュール熱)とは別個に、周辺の温度上昇に感温
体充填筒41の感温体40が反応し、作動溶融温度に達
した時点で、感温体40が溶融し、流入空間42内に流
入する。これにより、感温体40の硬化に依っていた係
止ピン44の保持が外れ、抑止されていたコイルスプリ
ング45が反発作動し、この反発力により、表端子接続
片25および導電板30と接触していたコンタクト46
が弾き飛ばされて電流供給が遮断されることになる。
【0045】なお、上記温度ヒューズ作動後において
は、係止ピン44の拡径部44aの内フランジ43への
係止と、コイルスプリング45の拡張力によって、係止
ピン44に固定されたコンタクト46は接続片および導
電板30から外れ、これらと接触しない状態で保持され
る(図3参照)。また、両端子板のケース2内側は非導
電層で覆われているため、作動後のコンタクト46が、
端子板21a、21bと接触して再導通することはな
い。
【0046】従って、過電流または温度上昇に伴い複合
ヒューズ1に流れる電流が遮断され、一旦電流が遮断さ
れた場合には再び通電可能となることはない。また、電
池内圧が上昇し安全弁が開裂した際には、ケース2に設
けられた貫通口24は電池内部からのガス等を解放する
ためのガス抜き穴の役割を果たす。
【0047】次に、本実施形態の複合ヒューズ1を二次
電池用保護素子として用いた場合について説明する。 [実施例1〜5]本実施形態に係る複合ヒューズ1を実
施例1〜5の条件で試験した。PTC素子(電池径18
ミリ用、レイケム社製)との比較結果とともに表1に示
す。
【0048】
【表1】 本実施形態の複合ヒューズ1は、過電流に対して有効に
作動し、作動後において再導通することはなかった。特
に実施例4、5のような大電流入力時においてもPTC
素子のように素子が破壊(焼損)することはなかった。
【0049】[実施例6〜12]つぎに本実施形態で得
られた複合ヒューズ1を、図4に示すように、リチウム
イオン二次電池の保護素子として円筒型18650サイ
ズのリチウムイオン二次電池5に組み込んだ。すなわ
ち、電池製造工程において、電極素子(図示省略)を電
池缶50に挿入し、電極素子の一方の負極電極リードを
缶の内底と接続した。続いて電池缶50の上部に絞り加
工を施しガスケット51を填め込んだ後、所定量の電解
液を注入し、正極電極リード(図省略)を接続した安全
弁52(作動により電流を遮断する機構を有しないもの
とした)、複合ヒューズ1、トップカバー53の順に重
ね、電池缶上部をクリンプしてリチウムイオン二次電池
5を完成させた。
【0050】なお、比較用にPTC素子(電池径18ミ
リ用、レイケム社製)を組み込んだ電池も作製した。実
施例6では、素子単体の1KHzでのインピーダンスを
測定した。
【0051】実施例7〜9の放電容量試験においては、
23℃において上限電圧を4.2Vとする定電圧充電と
し、500mAで8時間充電した。つづいて、充電後の
電池を放電試験温度に設定した恒温槽中に3時間保存し
たものを恒温槽中で終止電圧2.5Vまで放電させた。
【0052】なお、実施例9、10ではGSM方式の携
帯端末(直列2本仕様)の放電モードを、電池一本あた
りの負荷相当で終止電圧2.5Vまで放電させた。実施
例11のサイクル維持率の測定では、上限電圧を4.2
V、下限電圧を2.5Vとして、2.5Wで充放電サイ
クルを繰り返し、2サイクル目の放電容量を100%と
した場合の100サイクル目の放電容量からサイクル維
持率を算出した。
【0053】実施例12では放電深度50%の電池を1
60℃まで加熱し1時間保持後、室温まで自然放冷させ
た電池を解体して、複合ヒューズ1およびPTC素子の
導通の可否を調べた。
【0054】試験を行った結果を表2に示す。
【0055】
【表2】 実施例6から本実施形態の複合ヒューズ1のインピーダ
ンスはPTC素子よりも低くなった。
【0056】また、実施例7〜10からいずれの放電試
験においても、本実施形態の複合ヒューズ1を組み込ん
だリチウムイオン二次電池5にはPTC素子使用品と比
較して放電容量の向上が認められた。
【0057】さらに実施例11から電池の充放電サイク
ル維持率においても、PTC素子使用品と比較して同等
以上であった。加えて、実施例12から本実施形態の複
合ヒューズ1を組み込んだリチウムイオン二次電池5
は、電池温度上昇に伴い安全弁が作動し電池内からのガ
スを解放した。加えて、複合ヒューズ1の温度上昇に伴
い感温体が溶融して有効に導通が作動され、放冷後に再
導通することはなかった。
【0058】
【他の実施形態の可能性】本実施形態ではケースを円盤
状に形成しているが、角形電池等の場合には適宜変更を
加えることも可能である。また、矩形状に貫通する貫通
口24をケース2の略中央部に設けているが、貫通口2
4の形状、及び配設場所はこれに限定されるものではな
い。従って、例えば安全弁の配置されない缶底に取り付
けてもよく、この場合にはケース2に設けられた貫通口
24を省略することもできる。
【0059】さらに、ケース2内における電流ヒューズ
3と付勢手段の配置は本実施形態に限定されるものでは
ないのはもちろんである。加えて、2枚の端子板21
a、21bは対向しているが対向させることは必須では
ないし、端子板21a、21bをケース2と略同一形状
としているが、これに限定されるものではなく互いの形
状は異なっていてもよい。
【0060】また、接続片と端子板21a、21bへの
接続方法についても、本実施形態に限定されるものでは
なく本実施形態と異なる方法、例えば導線によって接続
してもよい。
【0061】感温体充填筒41の形状についても、本実
施例に限定されるものではなく、感温体40を内部に保
持できるものであればよい。従って、ケース2と一体に
感温体充填筒41を形成することも可能であり、流入空
間42についても同様である。
【0062】なお、感温体40として用いることができ
るのは、本実施形態に限定されるものではなく、所定温
度で付勢力の作用する係止ピン44を解放するものであ
ればよい。したがって保形強度の設定の如何、溶融温度
等により、単一あるいは複数の混合物からなる熱可塑性
樹脂やパラフィンろう等の有機化合物、ガラス等の無機
化合物、錫や鉛等の金属単体、または金属間化合物、あ
るいは金属酸化物等を用いることも可能である。
【0063】また本実施形態では、感温体充填筒41は
上向きの状態で反発作動させているが、横向きの状態で
も反発作動させることは可能である。なお、導電性物質
を感温体40として用いる際には、感温体充填筒41外
への流出を抑制して、反発作動後に導電性の感温体40
によって再導通することを防ぐようにすればよい。
【0064】加えて、感温体40に埋設される係止ピン
44の下端部の形状についても、本実施例では作動後に
感温体充填筒41の上端開口縁から抜け出さないように
拡径部44aを設けているが、これに限定されるもので
はない。したがって、拡径部44aに適宜変更を加えて
もよいし、省略することも可能である。
【0065】さらに本実施例では、反発作動により接続
片および導電板30とコンタクトとの接続が解除される
が、接続片または導電板30のいづれか一方とコンタク
トの接続が解除されるようにしてもよい(図省略)。
【0066】また、複合ヒューズ1を二次電池の保護素
子として用いた場合における組み込み方法、組み込み部
位、電池の形状、二次電池の種類は本実施形態に限定さ
れないので、例えば角形のニッケル水素二次電池に組み
込むことも可能である。
【0067】
【効果】本願発明は上記のように構成されているため、
以下のような効果を奏する。すなわち、温度ヒューズが
本回路に接続されていないため、電流ヒューズの選定に
当たっては本回路に流れる電流のみを考慮すればよく、
従来のように温度ヒューズの誤作動によるバッテリーパ
ック回路の遮断を回避することができる。
【0068】また、同じケース2内で電流ヒューズの機
能部分と温度ヒューズの機能部分とを、互いに影響を受
けずに独立させて配置し、かつ両機能を合わせ持った1
つの電気部品を形成しているため、従来よりはるかに小
型に形成することができる。そのため、近年、電気回路
基板の縮小化が著しい種々の電気機器への応用範囲が、
格段に広まる画期的な効果を奏するものである。
【0069】特に、電池に対して電気的に直列接続した
場合には、PTC素子と比較してヒューズ全体のインピ
ーダンスを低減可能であるので、GSM方式等のパルス
放電時における放電容量の減少を極力抑えることができ
る。また、電流ヒューズ側は過電流に反応して作動し、
電池に流れる電流を確実に遮断することができ、機器の
温度上昇によるインピーダンス上昇もほとんどない。一
方、温度ヒューズ側は電流値には影響されず異常温度時
においてのみ作動して、電流ヒューズの電気的接続を遮
断して、電池回路への電流供給を遮断することができ
る。
【0070】さらに、本願発明に係る複合ヒューズは、
PTC素子のように電流遮断後に再びインピーダンス値
が下がって再通電することがないので、従来のように温
度ヒューズを別途配置する必要がない。したがって、一
旦電流遮断された電池やバッテリーパックが充電される
等の誤った使用を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の複合ヒューズ全体を示す一部切り
欠き斜視図である。
【図2】本実施形態の複合ヒューズの接続片の端子板へ
の接続状態を示す要部斜視図である。
【図3】本実施形態の複合ヒューズの一部断面図であ
る。
【図4】本実施形態の複合ヒューズを、二次電池用保護
素子として電池に組み込んだ状態を示す全体概観図であ
る。
【図5】従来例のPTC素子を模式的に示す斜視図であ
る。
【符号の簡単な説明】
1 電流・温度複合ヒューズ(「複合ヒューズ」) 2 ケース 20・ケース基体 20a・・対向面 21a・裏端子板(ケース裏側の端子板) 21b・表端子板(ケース表側の端子板) 22・切欠き部 23・非導電性層 24・貫通口 25・表端子接続片 25a・延出部分 26・空間 3 電流ヒューズ 30・導電板(上部の接続片) 30a・右端(導電板) 30b・左端(導電板) 31・裏端子接続片(下部の接続片) 32・ヒューズ素子 4 温度ヒューズ 40・感温体 41・感温体充填筒 42・流入空間 43・内フランジ 44・係止ピン 44a・拡径部 45・コイルスプリング 46・コンタクト 5 リチウムイオン二次電池 50・電池缶 51・ガスケット 52・安全弁 53・トップカバー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非導電性材のケース基体と、該ケース基
    体の離隔した2カ所に当接させた導電性の端子板と、か
    らケースを構成し、 該ケース内には、両端子板間を接続する過電流作動の電
    流ヒューズを配置するとともに、感温体の昇温溶融によ
    り抑止が解除された付勢手段の反発力により電流ヒュー
    ズと端子板との接続導通を解除させる温度ヒューズ素子
    を配置したことを特徴とする電流・温度複合ヒューズ。
  2. 【請求項2】 電流ヒューズの少なくとも一方側は、コ
    ンタクトを介して端子板と接続させるとともに、 温度ヒューズ素子の付勢手段の反発力を、当該コンタク
    トに作用させるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の電流・温度複合ヒューズ。
  3. 【請求項3】 ケース基体と端子板との当接面の一部又
    は全部に、非導電性材を介在させたことを特徴とする請
    求項1、又は2記載の電流・温度複合ヒューズ。
  4. 【請求項4】 両端子板の略中央部を貫通した貫通口を
    形成したことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の
    電流・温度複合ヒューズ。
  5. 【請求項5】 電流ヒューズと端子板との接続におい
    て、 電流ヒューズの一端、又はコンタクトの一端に連設され
    た接続片をケース内から端子板の外側に所定長さ延出さ
    せ、この延出部分の面積に略対応した切欠き部を端子板
    に形成するとともに、この延出部分を端子板側へ屈曲さ
    せて端子板と面一にして固着させるようにしたことを特
    徴とする請求項1、2、3、又は4記載の電流・温度複
    合ヒューズ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までの何れかに記載する
    電流・温度複合ヒューズを、電池に対して電気的に直列
    接続したことを特徴とする二次電池用保護素子。
  7. 【請求項7】 請求項1から5までの何れかに記載する
    電流・温度複合ヒューズの各々の端子板が、電池の安全
    弁とトップカバーとの間に電気的に直列接続されている
    ことを特徴とする二次電池用保護素子。
JP9204865A 1997-07-30 1997-07-30 電流・温度複合ヒューズ、及びこれを用いた二次電池用保護素子 Pending JPH1154005A (ja)

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