【発明の詳細な説明】
炭素付着物の生成を減少させる方法
本発明は、熱交換器または容器または導管として設計され、且つCr及び、F
e及びNiの2つの元素の内の少なくとも1つを含有する合金から成る耐熱性材
料で作られた構成部品(component)の表面において、炭素付着物(carbon deposit
s)が、接触的に誘導生成(接触コーキング)するのを減少させる方法に関する。
ここで、該構成部品は、化学物質を製造するプロセスプラント、特に、例えば炭
化水素或いは他の炭素含有物質を、熱的或いは接触的分解(例えば、二塩化エチ
レンの塩化ビニルへの転換)によって転換するプラント、或いはCO含有量の多
い還元ガス(CO-rich reduction gas)を製造するプラントにおいて、高温のプロ
セスガスに曝露されるように設計される。ここで、表面領域におけるAl富化(A
l-enrichment)は、Alを含む雰囲気下で拡散アニーリング(diffusion annealin
g)によって行われる。
炭素を含む構成部品を有する、高温のプロセスガスを処理するプラントにおい
ては、プロセスガスに曝露される表面への炭素の付着物が、(供給原料、圧力及
び温度に依存する)或る処理条件下で常に生じる。これには、他の要因の中でも
、とりわけ下記の化学反応が関与している。
周知のように、コーキングは、FeやNiのような或る種の金属の接触の影響
によって、有意に促進される。このため、当該表面に、特に熱交換器の管の機能
的性能を有意に損なう断熱性の層が形成されるばかりではなく、これらの構成部
品の稼働寿命が著しく短くなる。金属炭化物の形態の基礎材料の母材中に、炭素
が不可避的に拡散する結果、これらの炭化物は不安定になり、これらの炭化物の
分解は、それに伴う体積の変化によって、表面領域の材料の凝集性を破壊するこ
とになる。表面に小さな孔が形成される(粗面化)。このような孔の形成された
領域では、コーキングが一層起こる傾向が生じ、当該構成部品の破壊が促進され
る。「TECHNOLOGY」の「Oil & Gas Journal」(1987年8月31日)中の論
文である「Aluminized ethylene furnace tubes extend operating life(アル
ミ化エチレン炉管が稼働寿命を長くする)」によると、この効果は、当該構成部
品の表面領域をアルミニウムで富化することによって低減され得ることが分かっ
ている。これを目的として、これらの構成部品が、Alを含む雰囲気下で高温で
熱処理される。それによって、アルミニウムが外側から基礎材料中に拡散される
(拡散アニーリング)。
これらの既知の方法によって、多くの場合、接触コーキングの発生する傾向を
有意に減少させることができ、従って、構成部品の稼働寿命を長くすることがで
きる。それにもかかわらず、接触的に誘導される炭素付着物の生成と、それに伴
う悪影響とを、できるだけ効果的且つ永続的に減少させるために、別の解決法が
求められている。
本発明の目的は、第一に、化学物質(更に処理される原材料、及び目的とする
生成物)を製造するプロセスプラントの構成部品に、接触コーキングが発生する
傾向を低減させる別法を提示することにあり、第二に、接触コーキングが発生す
る傾向が低減された構成部品を提示することにある。加えて、構成部品に接触コ
ーキングの発生する傾向が低減された、化学物質を製造する別法が提示される。
この目的は、熱交換器または容器または導管として設計され、且つCr及び、
Fe及びNiの2つの元素の内の少なくとも1つを含有する耐熱性の合金から成
る耐熱性材料で作られた構成部品の表面において、炭素付着物(接触コーキング
)が、接触的に誘導生成されるのを低減する方法によって達成される。ここで、
稼動時間中の構成部品は、化学物質を製造するプラント、特に、例えば炭化水素
或いは他の炭素含有物質を熱的或いは接触的分解によって転換するプラントにお
いて、或いはCO含有量の多い還元ガスを製造するプラントにおいて、高温のC
含有プロセスガスに曝露される。ここで、Al富化は、Alを含む雰囲気下での
拡散アニーリングによって、構成部品の表面領域上で行われる。このAl富化は
、拡散アニーリングが、900乃至1200℃の温度範囲で、少なくとも、Cr
を含む雰囲気下でのアニーリングの時間の一部の間であって、且つ少なくとも2
0μmの浸透深さとなるようなCr富化が達成されるのに十分な時間の間、行わ
れるという事実に基づいて、行われる。
本発明による金属構成部品、特に、化学物質を製造するプロセスプラントの熱
交換器または容器または導管として設計され、Cr及び、Fe及びNiの2つの
元素の内の少なくとも1つを含む耐熱性基礎材料で作られた金属構成部品は、前
述した方法によって得ることができる。ここで、化学物質の製造中に炭素(C)
を含む高温のプロセス媒体に曝露されている表面の領域内でのAl富化は、Al
を含む雰囲気下での拡散アニーリングによって成し遂げられる。このような金属
構成部品は、拡散アニーリングが、900乃至1200℃の温度範囲で、少なく
とも、Crを含む雰囲気下でのアニーリングの時間の一部の間であって、且つ少
なくとも20μmの浸透深さとなるようなCr富化が達成されるのに十分な時間
の間、行われたという事実によって特徴付けられる。
好ましくは、当該表面領域を阻害物質で富化(enrich)する(それ自体周知の)
拡散アニーリングは、2工程で行うべきである。拡散アニーリングは、約900
乃至1200℃の範囲の温度で実施される。本発明の2工程法の場合、アニーリ
ングは、第1工程でCrを含む雰囲気下で実施され、Crが外側から基礎材料中
に拡散する。この拡散アニーリングの持続時間は、Cr富化の浸透深さが少なく
とも20μmに達するものとして計算される。その後、第2のアニーリング工程
において、更なる拡散アニーリングが、Alを含む雰囲気下で実施される。好ま
しくは、これは、少なくともAl富化の浸透深さが20μm、特に50μmに達
するまで持続される。少なくとも30μmのCrの浸透深さと、少なくとも10
0〜150μmのAlの浸透深さが、特に有利であることが分かった。200μ
mまでの浸透深さで特に良い結果を得ることができる。これ以上の値も技術的に
可能であるが、効果が向上するわけではなく、特にコスト上の理由から有利では
ない。拡散されたCr及びAl原子の分布に関する表面領域に、不必要な不均一
性が発生しないように、2つの拡散アニーリング工程を、前述の順序で2工程法
で実施することが勧められる。拡散工程の順序が逆になると、基礎材料の母材中
のCr原子の拡散速度が、Al原子より有意に低下するという事実が、目的達成
にかなりの障害となるであろう。また、Al雰囲気中での拡散アニーリングを、
拡散アニーリングの第一工程より低い温度(好ましくは、100〜200℃低い
温度)で実施することが勧められる。
拡散アニーリングを、CrとAlの両者を同時に含む雰囲気で実施することも
有利である。これを実施する場合、雰囲気中の分圧を適切に設定することによっ
て、Cr及びAlの拡散速度を或る制限範囲内で変化させることもできる。
本発明による、炭化水素の熱的若しくは接触的分解又は水蒸気変成、或いは炭
素を含む供給原料材料(feedstock material)の他の転換法による化学物質の製造
方法は、熱交換器(例えば、分解管)または容器または導管として設計され、高
温の炭素(C)含有プロセスガスに曝露されるその表面領域で上述の方法により
拡散アニーリングによって処理された、少なくとも一部品を含むプロセスプラン
トにおいて製造が行われるという事実で、特徴付けられる。ここで、この拡散ア
ニーリングは、Cr及びAlを基礎材料内に拡散することによって、表面領域の
Cr富化及びAl富化を成し遂げる。この方法は、特に、炭化水素或いは他の炭
素含有物質の熱的若しくは接触的分解法(例えば、二塩化エチレンの塩化ビニル
への転換、或いはナフサの軽炭化水素への転換)や、CO含有量の多い還元ガス
の製造法や、炭化水素の水蒸気変成(steam reforming)法である。
本発明による拡散アニーリングによって達成される、プロセスプラントの熱交
換器または容器または導管の表面層へのCr及びAlの富化は、Cr単独或いは
Al単独で表面処理した場合に比べて、接触コーキングの防止に関して一層良い
結果をもたらす。例えば、Cr雰囲気単独での拡散アニーリングは、処理直後に
、表面に良好な防止効果を発揮する。しかしながら、数回の運転サイクル後、こ
の効果は急激に低下し、次いで未処理の表面と比べても一層劣悪な結果になる。
本発明の重要な利点は、本発明によって処理された構成部品が高温に曝されても
、保護効果が長時間持続することである。例えば、Cr単独で拡散アニーリング
された構成部品において、抑制効果は、僅か100時間の総脱コーキング時間(t
otal decoking time)後、1100℃の脱コーキングによって著しく低下する。
しかしながら、これは本発明に該当しない。本発明によってAl及びCrで富化
された表面層は、通常の操作条件下で極めて長時間の耐久性があることが分かっ
た。
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
実施例1
下記の組成(重量%)を有する合金のサンプルシート(測定30×7.5×2
mm)と計測された。アニーリング炉で2工程拡散アニーリングに付した。
Ni 34%
Cr 26%
Fe 38%
Si 2%
約6時間続行させた第一の工程で、サンプルシートを約1100℃でCrを含
む雰囲気に曝した。Crを含む雰囲気は、Cr化合物を炉の中に導入し、この化
合物を所定のアニーリング温度で分解し、元素Crを分離することによって調製
した。第一工程に直接続けて、より低い温度(約950℃)で実施された第二の
アニーリング工程において、サンプルシートを、対応する方法で調製したAl含
有雰囲気下に6時間曝した。材料試験によって、約55%に達する含有量と約3
5μmに達する深さを有するCrの富化が生じたこと、約30%に達する含有量
と約150μmに達する深さを有するAlの富化が生じたこと、Cr富化拡散層
のNi含量が3%未満に低下したことが、測定により分かった。
本発明による処理効果を検査するため、処理したサンプルシートを、比較のた
めの同じ合金の未処理サンプルシートと共に、標準化された条件下でコーキング
テストした。この目的のため、後続のテストで「経時効果」、すなわち、明確に
測定できるコーキングに対するテスト期間の短縮を達成するため、処理済み及び
未処理サンプルシートに先ず表面活性化処理を施した。活性化処理において、両
方のサンプルシートを、N2雰囲気下で、970℃で5時間アニーリングした。
この後、H2雰囲気(H2供給6Nl/h)下で、850℃で1時間熱処理を実施
した。活性化処理を完了するため、2枚のサンプルシートの各々に対して、n−
ヘプタン中、830℃で、1サイクル当たり15分のコーキング/脱コーキング
サイクルを10サイクル、実施した。
本発明によって処理され活性化されたサンプルシートのコーキング傾向を定量
測定するために、シートを、850℃で、イソブタンとN2(重量比2:1)か
ら成るプロセスガス雰囲気に、時間を種々変えて、曝露した。これによって、同
様に活性化されたものの本発明にしたがって処理されなかった同一材料のサンプ
ルシートと比較して、プロセスガスに曝露された表面への接触的に誘導された炭
素付着物が明らかに減少していることが分かった。コーキング率を定量するため
、炭素付着物を熱天秤で測定した。結果を表1に示す。
実施例2
周知のように、コーキングの傾向は、コーク層が、空気或いは蒸気と空気の混
合物による酸化によって予め除去された場合に、大きくなる。この効果が、本発
明によって処理されたシート内でどの程度発生しているかを測定するため、処理
済み及び未処理のサンプルシートのコーキング率を、各々、数回の運転サイクル
で60分間曝露した後、測定した。イソブタン/N2プロセスガス雰囲気(2:
1の重量割合)の温度は、850℃であった。各コーキングサイクル後、空気中
で、850℃において、15分間の脱コーキングが起こった。処理済み及び未処
理のサンプルシートに使用した材料の組成は、実施例1のものと同じであった。
テストの前に、実施例1と同じ活性化処理を、標準的な条件を存在させるために
、実施した。結果を表2に示す。(例えば、「Oil & Gas Journal」第70頁(
1988年8月15日)から知られる)増加するコーキング傾向を示す未処理の
サンプルシートと対照的に、処理されたサンプルシートのコーキング率は、実質
的に一定で、非常に低率であった。
実施例3
実施例1と同様に本発明に従って処理した、実施例1と同じ材料の20×15
×5mmの寸法のサンプルシートを、同じ材料の未処理サンプルシートと比較す
るために、管状炉内でテストした。それらの表面を活性化するため、本発明によ
って処理したサンプルシートと未処理のサンプルシートの両方を、先ず、22.
5容量%のエタンと27.5容量%のエチレンと50容量%のH2とから成る雰
囲気に、820℃で90分間曝露し、次いで空気中で、800℃で30分間脱コ
ーキングした。その後、再度820℃で、3時間、前述のエタン/エチレン/H2
の雰囲気に曝露している間、コーキング率を測定した。未処理のサンプルシー
トのコーキング率は、16.0μg/cm2・分であった。一方、本発明に従っ
て処理
したサンプルシートは、僅か0.6μg/cm2・分の実質的により低いコーキ
ング率を有していた。
比較例
実施例1と同じ組成で、寸法が20×15×5mmのサンプルシートを、実施
例1に対応する条件下で、但し、Alだけを含む雰囲気下で、拡散アニーリング
に曝した。更に、同じ組成と形状の未処理の比較シートを用意した。表面を活性
化するため、両方のシートを、実施例3におけるエタン/エチレン/H2の雰囲
気と同じ組成を有する雰囲気に820℃で90分間曝露し、次いで800℃で6
0分間空気中で脱コーキングした。この後、前述のエタン/エチレン/H2の雰
囲気に再度820℃で2時間の曝露によってコーキング処理する間、この方法に
よって製造したサンプルシートのコーキング率を測定した。測定は、コーキング
処理の前後のサンプルの重量を比較することによって実施した。Al−拡散アニ
ーリングしたサンプルシートのコーキング率は、未処理のサンプルシートのコー
キング率の僅か23%であった。しかしながら、本発明に従う実施例3では、処
理したサンプルシートのコーキング率は、実際に、未処理のサンプルシートのコ
ーキング率の4%未満であった。このことは、本発明の驚くべき高い効果を明確
に示している。DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION Method for reducing the formation of carbon deposits The present invention is designed as a heat exchanger or vessel or conduit and uses at least one of the two elements Cr and Fe and Ni. The present invention relates to a method for reducing the catalytically induced formation (contact coking) of carbon deposits on the surface of a component made of a refractory material consisting of a containing alloy. Here, the component is a process plant for the production of chemicals, in particular, for example, the conversion of hydrocarbons or other carbon-containing substances by thermal or catalytic cracking (eg, conversion of ethylene dichloride to vinyl chloride). In plants that produce CO-rich reduction gases with high CO content, they are designed to be exposed to hot process gases. Here, the Al enrichment in the surface region is performed by diffusion annealing in an atmosphere containing Al. In plants that process hot process gases that have components containing carbon, carbon deposits on surfaces exposed to the process gas may be subject to certain process conditions (depending on feedstock, pressure and temperature). Always occurs in This involves, among other factors, the following chemical reactions: As is well known, coking is significantly facilitated by the effects of the contact of certain metals, such as Fe and Ni. This not only results in the formation of a heat-insulating layer on the surface, in particular that significantly impairs the functional performance of the tubes of the heat exchanger, but also significantly reduces the operational life of these components. As a result of the inevitable diffusion of carbon into the matrix of the base material in the form of metal carbides, these carbides become unstable, and the decomposition of these carbides is accompanied by a change in the volume of the material in the surface area, Cohesiveness will be destroyed. Small holes are formed on the surface (roughening). In the area where such holes are formed, coking tends to occur further, and the destruction of the component is promoted. According to a paper in the "Oil & Gas Journal" of "TECHNOLOGY" (August 31, 1987), "Aluminized ethylene furnace tubes extend operating life" It has been found that can be reduced by enriching the surface area of the component with aluminum. For this purpose, these components are heat-treated at a high temperature in an atmosphere containing Al. Thereby, the aluminum is diffused from the outside into the base material (diffusion annealing). With these known methods, in many cases the tendency for contact coking to occur can be significantly reduced and thus the operating life of the components can be increased. Nevertheless, other solutions are sought to reduce as effectively and permanently as possible the catalytically induced formation of carbon deposits and the associated adverse effects. It is an object of the present invention to present, firstly, an alternative method of reducing the tendency for contact coking to occur in the components of a process plant for producing chemicals (raw materials to be processed and products of interest). Second, it is an object of the present invention to provide a component having a reduced tendency to cause contact coking. In addition, alternative methods of manufacturing chemicals are presented that have a reduced tendency for contact coking to occur in the components. The object is to provide a component designed as a heat exchanger or vessel or conduit and made of a refractory material consisting of a refractory alloy containing Cr and at least one of the two elements Fe and Ni. Is achieved by a method that reduces the formation of carbon deposits (contact coking) on the surface of the catalyst. Here, the components during the operating hours may be used in plants producing chemicals, in particular in plants for converting hydrocarbons or other carbon-containing substances by thermal or catalytic cracking, or in reducing CO-rich reducing gases. Are exposed to a high temperature C 2 -containing process gas. Here, the Al enrichment is performed on the surface region of the component by diffusion annealing in an atmosphere containing Al. This Al enrichment is such that the diffusion anneal is at a temperature in the range of 900 to 1200 ° C., at least for a portion of the annealing time in an atmosphere containing Cr 2, and has a penetration depth of at least 20 μm. It is done based on the fact that it takes place for a sufficient time to achieve a good Cr enrichment. Metal component according to the invention, in particular a refractory base material designed as a heat exchanger or vessel or conduit of a process plant for producing chemical substances and comprising at least one of the two elements Cr and Fe and Ni Can be obtained by the method described above. Here, Al enrichment in the region of the surface that is exposed to the high temperature process medium containing carbon (C) during the production of the chemical is achieved by diffusion annealing under an atmosphere containing Al. Such a metal component is such that the diffusion annealing has a penetration depth of at least 20 μm in the temperature range of 900 to 1200 ° C. for at least part of the annealing time in an atmosphere containing Cr. It is characterized by the fact that such Cr enrichment has taken place for a time sufficient to achieve. Preferably, the diffusion annealing (known per se), which enriches the surface area with the inhibitor, should be performed in two steps. Diffusion annealing is performed at a temperature in the range of about 900 to 1200 ° C. In the case of the two-step method of the present invention, the annealing is performed in an atmosphere containing Cr in the first step, and Cr diffuses from the outside into the base material. The duration of this diffusion annealing is calculated as that the penetration depth of the Cr-enrichment reaches at least 20 μm. Thereafter, in a second annealing step, further diffusion annealing is performed in an atmosphere containing Al. Preferably, this is maintained at least until the penetration depth of the Al enrichment reaches 20 μm, in particular 50 μm. A penetration depth of Cr of at least 30 μm and a penetration depth of Al of at least 100 to 150 μm have proven to be particularly advantageous. Particularly good results can be obtained with a penetration depth of up to 200 μm. Although higher values are technically possible, they do not improve the effect and are not particularly advantageous for cost reasons. It is recommended that the two diffusion annealing steps be performed in a two-step manner in the order described above, so that unnecessary non-uniformities do not occur in the surface area relating to the distribution of diffused Cr and Al atoms. If the order of the diffusion steps were reversed, the fact that the diffusion rate of Cr atoms in the base material matrix was significantly lower than that of Al atoms would be a significant obstacle to achieving the goal. In addition, it is recommended that the diffusion annealing in the Al atmosphere be performed at a temperature lower than that of the first step of the diffusion annealing (preferably, a temperature lower by 100 to 200 ° C.). It is also advantageous to carry out the diffusion annealing in an atmosphere containing both Cr and Al simultaneously. When this is performed, the diffusion rates of Cr and Al can be changed within a certain limit range by appropriately setting the partial pressure in the atmosphere. According to the present invention, a method for producing chemicals by thermal or catalytic cracking or steam conversion of hydrocarbons or other conversion methods of carbon-containing feedstock materials comprises a heat exchanger (eg, cracking tube). Or the fact that the production takes place in a process plant comprising at least one part, designed as a container or conduit and treated by diffusion annealing by the method described above in its surface area exposed to the hot carbon (C) containing process gas. And is characterized by Here, this diffusion annealing achieves Cr enrichment and Al enrichment of the surface region by diffusing Cr and Al into the base material. This method is particularly applicable to the thermal or catalytic cracking of hydrocarbons or other carbon-containing substances (eg, the conversion of ethylene dichloride to vinyl chloride, or the conversion of naphtha to light hydrocarbons), and the CO content. This is a method for producing reducing gas, which has a large amount, or a method for steam reforming hydrocarbons. The enrichment of Cr and Al in the surface layer of the heat exchanger or vessel or conduit of the process plant, achieved by the diffusion annealing according to the present invention, is less than that of surface treatment with Cr alone or Al alone. Better results with regard to prevention. For example, diffusion annealing in a Cr atmosphere alone exerts a good prevention effect on the surface immediately after the treatment. However, after several operating cycles, the effect drops off sharply, then with worse results compared to the untreated surface. An important advantage of the invention is that the protective effect lasts for a long time even if the components treated according to the invention are exposed to high temperatures. For example, in a component that has been diffusion annealed with Cr alone, the suppression effect is significantly reduced by decoking at 1100 ° C. after a total decoking time of only 100 hours. However, this does not fall under the present invention. Surface layers enriched with Al and Cr according to the present invention have been found to be extremely long-lasting under normal operating conditions. Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples. Example 1 A sample sheet (measurement 30 × 7.5 × 2 mm) of an alloy having the following composition (% by weight) was measured. Two-step diffusion annealing was performed in an annealing furnace. Ni 34% Cr 26% Fe 38% Si 2% In a first step lasting about 6 hours, the sample sheet was exposed to an atmosphere containing Cr at about 1100 ° C. The atmosphere containing Cr was prepared by introducing a Cr compound into a furnace, decomposing the compound at a predetermined annealing temperature, and separating elemental Cr. Directly following the first step, in a second annealing step performed at a lower temperature (about 950 ° C.), the sample sheet was exposed for 6 hours under an Al-containing atmosphere prepared in a corresponding manner. The material test resulted in an enrichment of Cr with a content of up to about 55% and a depth of up to about 35 μm, an enrichment of Al with a content of up to about 30% and a depth of up to about 150 μm And that the Ni content of the Cr-enriched diffusion layer was reduced to less than 3%. To test the effect of the treatment according to the invention, the treated sample sheet was coked under standardized conditions with an untreated sample sheet of the same alloy for comparison. To this end, the treated and untreated sample sheets were first subjected to a surface activation treatment in order to achieve a “aging effect” in subsequent tests, ie a shortening of the test period for clearly measurable coking. In the activation process, both sample sheets were annealed at 970 ° C. for 5 hours under N 2 atmosphere. Thereafter, heat treatment was performed at 850 ° C. for 1 hour in an H 2 atmosphere (H 2 supply: 6 Nl / h). To complete the activation process, each of the two sample sheets was subjected to 10 coking / decoking cycles in n-heptane at 830 ° C for 15 minutes per cycle. In order to quantify the coking tendency of the sample sheet treated and activated according to the invention, the sheet was changed at 850 ° C. to a process gas atmosphere consisting of isobutane and N 2 (2: 1 by weight) at various times. Exposed. This clearly reduces the catalytically induced carbon deposits on the surface exposed to the process gas compared to a sample sheet of the same material which was also activated but not treated according to the invention. I knew I was doing it. To determine the coking rate, carbon deposits were measured on a thermobalance. Table 1 shows the results. Example 2 As is well known, the tendency of coking is increased when the coke layer has been previously removed by oxidation with air or a mixture of steam and air. To determine how this effect occurs in the sheets treated according to the invention, the coking rates of the treated and untreated sample sheets were each exposed for 60 minutes in several driving cycles. ,It was measured. The temperature in an isobutane / N 2 process gas atmosphere (2: 1 weight ratio) was 850 ° C. After each coking cycle, 15 minutes of decoking occurred at 850 ° C. in air. The composition of the materials used for the treated and untreated sample sheets was the same as in Example 1. Prior to the test, the same activation treatment as in Example 1 was performed to ensure that standard conditions were present. Table 2 shows the results. In contrast to untreated sample sheets that show an increasing caulking tendency (eg, known from the Oil & Gas Journal, page 70 (August 15, 1988)), the coking rate of the treated sample sheets is: Substantially constant, very low rate. Example 3 A sample sheet of the same material as in Example 1 and having a size of 20 × 15 × 5 mm, treated according to the invention as in Example 1, was compared with an untreated sample sheet of the same material in a tubular furnace. Tested with. To activate those surfaces, both the sample sheet treated according to the invention and the untreated sample sheet were firstly subjected to 22. Exposure to an atmosphere consisting of 5% by volume of ethane, 27.5% by volume of ethylene and 50% by volume of H 2 at 820 ° C. for 90 minutes, followed by decoking in air at 800 ° C. for 30 minutes. Thereafter, the coking rate was measured again while exposing to the above-mentioned ethane / ethylene / H 2 atmosphere at 820 ° C. for 3 hours. The coking rate of the untreated sample sheet was 16.0 μg / cm 2 · min. On the other hand, the sample sheet treated according to the present invention had a substantially lower coking rate of only 0.6 μg / cm 2 · min. Comparative Example A sample sheet having the same composition as in Example 1 and a dimension of 20 × 15 × 5 mm was subjected to diffusion annealing under conditions corresponding to Example 1, but in an atmosphere containing only Al. Further, an untreated comparative sheet having the same composition and shape was prepared. To activate the surface, both sheets were exposed to an atmosphere having the same composition as the ethane / ethylene / H 2 atmosphere in Example 3 at 820 ° C. for 90 minutes and then degassed in air at 800 ° C. for 60 minutes. I coked. Thereafter, the coking rate of the sample sheet manufactured by this method was measured during the coking treatment by again exposing to the above-mentioned ethane / ethylene / H 2 atmosphere at 820 ° C for 2 hours. The measurement was performed by comparing the weight of the sample before and after the coking treatment. The coking rate of the Al-diffusion annealed sample sheet was only 23% of that of the untreated sample sheet. However, in Example 3 according to the present invention, the coking rate of the treated sample sheet was actually less than 4% of that of the untreated sample sheet. This clearly shows the surprisingly high effect of the present invention.
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN
(71)出願人 ダウ・ベネルクス・ナムローゼ・フェンノ
ートシャップ
オランダ国、エヌエル−3012 セーアー
ロッテルダム、アエルト・ファン・ネスス
トラート 45
(71)出願人 パラロイ・リミテッド
イギリス国、ティーエス23 4ディーエイ
ビリンガム、ナフフィールド・ロード、
パラロイ・ハウス
(72)発明者 ヴールデ,ヘンリクス・マティアス
オランダ国、エヌエル−2401 エムデー
アルフェン・アー/デー・ライン、ヘシ
ナ・ヴェー・デー・モーレンストラート
3
(72)発明者 ツィンマーマン,ゲルハルト
ドイツ連邦共和国、デー−04299 ライプ
ツィヒ、ナウンホーファー・シュトラーセ
14
(72)発明者 ステューアバウト,クラウディン
ベルギー国、ベー−9000 ゲント、グスタ
ーフ・カリエンラー 174
(72)発明者 ファン・ブーレン,フリッツ・アール
オランダ国、エヌエル−3012 セーアー
ロッテルダム、ドンメルストラート 41
(72)発明者 ゴマンス,ロベルトゥス・ヨアネス・ニコ
ラス
オランダ国、エヌエル−6107 ヘーエヌ
ステーフェンスヴェールト、アイラント
15
(72)発明者 ジョーンズ,ジョン・ジェイ
イギリス国、ディーエル14 7エスティー
カウンティ・ダーラム、ビショップ・オ
ークランド、ハイ・エスコーム 3────────────────────────────────────────────────── ───
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(81) Designated countries EP (AT, BE, CH, DE,
DK, ES, FI, FR, GB, GR, IE, IT, L
U, MC, NL, PT, SE), OA (BF, BJ, CF)
, CG, CI, CM, GA, GN, ML, MR, NE,
SN, TD, TG), AP (KE, LS, MW, SD, S
Z, UG), UA (AM, AZ, BY, KG, KZ, MD
, RU, TJ, TM), AL, AM, AT, AU, AZ
, BA, BB, BG, BR, BY, CA, CH, CN,
CU, CZ, DE, DK, EE, ES, FI, GB, G
E, HU, IL, IS, JP, KE, KG, KP, KR
, KZ, LC, LK, LR, LS, LT, LU, LV,
MD, MG, MK, MN, MW, MX, NO, NZ, P
L, PT, RO, RU, SD, SE, SG, SI, SK
, TJ, TM, TR, TT, UA, UG, US, UZ,
VN
(71) Applicant Dow Benelux Namrose Fenno
Tote shap
Nuel-3012 Sair, Netherlands
Rotterdam, Aerto van Ness
Trat 45
(71) Applicant Pararoy Limited
TS 23 4D, UK
Billingham, Nufffield Road,
Pararoy House
(72) Inventor Wurde, Henriks Matthias
Nuel 2401 M Day, Netherlands
Alphen Ah / Day Line, Hesh
Na V. Day Mohrenstraat
3
(72) Inventor Zimmermann, Gerhard
Federal Republic of Germany, Day 04299 Leip
Zig, Naunhofer Strasse
14
(72) Inventor Stuyabout, Claudin
Belgium, Be-9000 Ghent, Gusta
Roof Karienler 174
(72) Inventors Van Buren, Fritz Earl
Nuel-3012 Sair, Netherlands
Rotterdam, Dommerstraat 41
(72) Inventor Gomans, Robertus Joanes Nico
Lath
Nuel-6107 Heen, Netherlands
Stevenswerth, Eyland
Fifteen
(72) Inventors Jones, John Jay
Diel 147, 7 Estee, UK
County Durham, Bishop O
Kland, High Escombe 3