【発明の詳細な説明】
心臓血管系病気の処置におけるアンギオテンシン変換酵素阻害薬と副作
用軽減量のアルドステロン拮抗薬との組合わせ治療発明の分野
心不全、高血圧およびうっ血性心不全などの心臓血管系病気を包含する循環器
系障害の処置におけるアンギオテンシン変換酵素阻害薬とアルドステロンレセプ
ター拮抗薬との組合わせ使用が開示される。特に重要な態様は、アンギオテンシ
ン変換酵素阻害薬と組合わせて、副作用軽減量のアルドステロンレセプター拮抗
薬を使用して、スピロラクトン系アルドステロンレセプター拮抗薬を使用する治
療にある。発明の背景
心筋(または心臓)不全、すなわち心不全(“HF”)は、事前の心筋梗塞の
結果であるか、高血圧を付随する心臓疾患であるか、または原発性心筋症(pr
imary cardiomyopathy)であるかにかかわらず、全世界の
人々の主要な健康上の問題である。症候性心不全(symptomatic h
eart failure)の発病率は過去数十年にわたり着々と増大している
。
臨床上の用語として、代償不全性心臓不全はうっ血した臓器および潅流低下し
た組織から生じ、うっ血性心不全症(CHF)を発病する、症状および徴候の集
合からなる。うっ血はほとんどが、静脈血圧の上昇により、およびまた食物によ
るNa+摂取に関連する異常なナトリウム(Na+)排泄により生じ、アルドステ
ロン(ALDO)の循環レベルに重大に関連している。Na+の異常保持は、遠
位細管の外側部分および皮質収集管(cortical collecting
ducts)(ここにALDOレセプターが存在する)を包含するネフロン全
体の管状上皮細胞を介して生じる。
ALDOは身体の最も強力な電解質コルチコイドホルモンである。電解質コル
チコイドの用語により暗示されているように、このステロイドホルモンは鉱物−
調節活性を有している。このホルモンは腎臓におけるばかりでなくまた、下部胃
腸器官ならびに唾液腺および汗腺におけるNa+再吸収を促進する。これらの器
官はそれぞれ、古典的ALDO−応答組織である。ALDOはカリウム(K+)
およびマグネシウム(Mg2+)排泄を犠牲にして、Na+および水の吸収を調節
する。
ALDOはまた、非上皮細胞における応答を誘発させる。食物によるNa+摂
取に対して不相応な血漿中ALDOレベルの慢性的上昇により誘発されることか
ら、これらの応答は心臓血管系の構造に対して有害な問題をもたらす可能性を有
する。一方で、ALDOは多くの理由から心筋不全の進行に関与することができ
る。
多くの因子がALDO合成および代謝を調節し、これらの因子のかなりは心筋
不全症の患者で動作する。これらには、ALDO合成を促進するレニンならびに
非レニン依存因子(例えば、K+、ACTH)が包含される。循環するALDO
のクリアランスを調節することによって、肝血流は、ALDO血漿濃度の決定を
補助する。このALDO血漿濃度は心臓排出量および肝臓血流量の低下を特徴と
する心不全症における重要な因子である。
レニン−アンギオテンシン−アルドステロン系(“RAAS”)は血圧/血流
量恒常性の調整およびまた高血圧、うっ血性心不全などのより重大な心臓血管系
病気の進行に関連する前駆症状の発現に含まれるホルモン性メカニズムの一つで
ある。レニン−アンギオテンシン−アルドステロン系の活性化は、腎臓の近位無
糸球状体細胞(juxtraglomerular cell)からの酵素レニ
ンの分泌により開始される。この酵素レニンは天然産出基質であるアンギオテン
シノーゲンに作用し、デカペプチドであるアンギオテンシンIを放出させる。こ
のデカペプチドはアンギオテンシン変換酵素(“ACE”)により分解され、オ
クタペプチドであるアンギオテンシンIIを生成させる。このアンギオテンシン
IIはこの系の第一活性物質である。このオクタペプチドであるアンギオテンシ
ンIIは強力な血管収縮体であり、かつまたアルドステロン分泌の刺激、ナトリ
ウムおよび流体保持の促進、レニン分泌の抑制、全身的交感神経系活性の増大、
バソプレシン分泌の刺激、正の心臓変力作用の発生およびその他のホルモン系の
変調などの別の生理学的作用を生じさせる。
患者の処置を最適にする基礎としてアルドステロン過剰を最低にすることが強
調されている。これには、慣用の利尿剤方式より処置されている患者およびアン
ギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬により処置されている患者の両方におけ
るALDO−レセプター拮抗作用の重要性が包含され、これらの患者は多くの場
合に、起立性低血圧から、少ない用量のACE阻害薬に制限される。このような
患者は血漿中ALDOレベルの上昇にまた関連する心不全症候群の再発を示すこ
とがある。
多くのアルドステロンレセプター遮断薬およびヒトにおけるそれらの効果は公
知である。例えば、スピロノラクトンはアルドステロン結合を競合的に抑制する
ことによって、電解質コルチコイドレセプターレベルで作用する医薬である。こ
のステロイド化合物は腎臓の遠位細管(distal tubule)における
アルドステロン−依存性ナトリウム輸送を遮断し、これにより浮腫を減少させ、
かつまた本態性高血圧症および原発性高アルドステロン血症を処置するために使
用されている[F.Mantero等によるClin.Sci.Mol.Med
.,45(Suppl 1),219s〜224s(1973)]。スピロノラ
クトンはまた、その他の高アルドステロン血症関連疾患、例えば肝硬変およびう
っ血性心不全の処置に慣用である[F.L.Saunders等によるAlda ctone;Spironolactone;A Comprehensive Review
,Searle,New York(1978)]。硬変関連腹
水の処置にスピロノラクトン−耐性患者に対しては、スピロノラクトンが1mg
/日から400mg/日までの次第に増加する用量(すなわち、1mg/日、5
mg/日、20mg/日の用量)で投与されている[P.A.Greenber
ger等によるN.Eng.Reg.Allergy Proc.,7(4),
343〜345(1986年7〜8月)]。心筋線維症の発症がアンギオテンシ
ンIIおよびアルドステロンの両方の循環レベルに対して敏感であること、およ
びアルドステロン拮抗体であるスピロノラクトンが動物モデルにおける心筋線維
症を防止し、これにより過剰のコラーゲン沈着物に対するアルドステロンの結合
を防止することは認識されている
[D.Klug等によるAn.J.Cardiol.,71(3),46A〜5
4A(1983)]。スピロノラクトンが左心室肥大の発症および高血圧の存在
に無関係である線維症を防止することは動物モデルにおいて証明されている[C
.G.Brilla等によるJ.Mol.Coll.Cardiol.,25(
5),563〜575(1993)]。経口投与したカリウム補給薬またはその
他のカリウム節約方式(potassium−sparing regimen
s)が不適であると考えられる場合に、25mg/日〜100mg/日の範囲の
薬用量で、スピロノラクトンが利尿剤誘発低カリウム血症の処置に使用されてい
る[Physicians´Desk Reference,46版,2153
頁、Medical Economics Company Inc.,Mon
tvale,N.J.(1992)]。
従来の研究によって、阻害性ACEがアンギオテンシンII生成の実質的に完
全な遮断によりレニン−アンギオテンシン系を抑制することが証明されている。
高血圧症の管理に、かなりのACE阻害薬が臨床使用されている。ACE阻害薬
は高血圧症を効果的に制御するけれども、慢性の咳、皮膚の発赤、味覚の減少、
タンパク尿および好中球減少を包含する副作用を通常的に生じさせる。
さらにまた、ACE阻害薬はアンギオテンシンIIの生成を効果的に阻止する
けれども、アルドステロンレベルは、心臓血管系病気を有する患者では良好に制
御されない。例えば、カプトプリル(captopril)を服用している高血
圧症の患者における連続したACE阻害にもかかわらず、血漿中アルドステロン
はベースラインレベルに次第に戻ることが見出されている[J.Staesse
n等によるJ.Endocrinol.,91,457〜465(1981)]
。類似の効果がゾーフェノプリル(zofenopril)を服用している心筋
梗塞症の患者で見出されている[C.Borghi等によるJ.Clin.Ph armacol.
,33,40〜45(1993)]。この現象は「アルドステ
ロン エスケープ」(aldostron escape)と称されている。
アルドステロン拮抗薬とACE阻害薬との組合わせは、心不全症の処置に関し
て研究されている。上昇した血漿中アルドステロンレベルを有する患者の死亡率
が高いこと、およびRAAS活性化からCHFが進行するのに従い、アルドステ
ロンレベルが増加することは知られている。利尿剤を慣用すると、アルドステロ
ンレベルはさらに上昇することがある。ACE阻害薬はアンギオテンシンII生
産を確実に抑制するが、温和で、一時的な抗アルデステロン作用を発揮するのみ
である。
ACE阻害薬とスピロノラクトンとを組合わせると、完全RAASの実質的な
抑制が得られることが示唆されている。例えば、エナラプリル(enalapr
il)と25mg/日用量のスピロノラクトンとの組合わせが、血圧を追跡測定
しながら、歩行している患者に投与された[P.Poncelet等によるAm .J.Cardiol.
,65(2),33K〜35K(1990)]。90人
の患者における研究において、50mg/日〜100mg/日(平均73mg/
日)の範囲の用量のスピロノラクトンとカプトプリルとの組合わせが投与され、
重大なカリウム過剰症の発生を付随することなく難治性CHFが効果的に制御さ
れることが見出された[U.Dahlstrom等によるAm.J.Cardi ol
.,71,29A〜33A,(1993年1月21日)]。ACE阻害薬と
ともに、スピロノラクトンを100mg/日の用量で一緒に投与すると、うっ血
性心不全症を患う13〜16人の患者において格別の効果があったことが報告さ
れており、この場合に、ACE阻害薬および係蹄作用性利尿剤(loop di
uretic)で処置されている代償不全症の患者に対する実験の完了時点で、
25mg/日〜50mg/日のスピロノラクトン維持量が投与されている[A.
A.van Vliet等によるAm.J.Cardiol.,71,21A〜
28A(1993年1月21日)]。スピロノラクトンとACE阻害薬、エナラ
プリルとの共働治療を受けた患者について、臨床上の改善が報告されているが、
この報告書は、最低有効薬用量を決定するために、かつまた患者がこの組合わせ
治療から最高の利益を受けることを確認するためには、対照実験が必要であると
述べている[F.ZannadによるAm.J.Cardiol.,71(3)
,34A〜39A(1993)]。図面の要旨
図1は、安定用量のACE阻害薬および係蹄作用性利尿剤とともに投与された
、
種々の割合のスピロノラクトン投与(12.5mg、25mg、50mg、75
mg)における尿中アルドステロンレベルを偽薬と比較して示すものである。
図2は安定用量のACE阻害薬および係蹄作用性利尿剤とともに投与された、
種々の割合のスピロノラクトン投与(12.5mg、25mg、50mg、75
mg)における血漿中レニン活性を偽薬と比較して示すものである。
図3は安定用量のACE阻害薬および係蹄作用性利尿剤とともに投与された、
種々の割合のスピロノラクトン投与(12.5mg、25mg、50mg、75
mg)におけるN−末端ANFレベルを偽薬と比較して示すものである。
図4は安定用量のACE阻害薬および係蹄作用性利尿剤とともに投与された、
種々の割合のスピロノラクトン投与(12.5mg、25mg、50mg、75
mg)における仰臥位血圧の変化を偽薬と比較して示すものである。
図5は安定用量のACE阻害薬および係蹄作用性利尿剤とともに投与された、
種々の割合のスピロノラクトン投与(12.5mg、25mg、50mg、75
mg)における仰臥位心拍数の変化を偽薬と比較して示すものである。発明の説明
治療有効量のスピロラクトン系アルドステロンレセプター拮抗薬とともに、治
療有効量のアンギオテンシン変換酵素(“ACE”)阻害薬を含む組合わせ治療
によって、心不全、高血圧およびうっ血性心不全などの心臓血管系障害を包含す
る循環器系障害の処置または予防が達成される。好ましくは、この組合わせ治療
において、スピロラクトン系アルドステロンレセプター拮抗薬は低用量で、すな
わち臨床状況下で慣用の用量よりも少ない量で投与する。
本発明による組合わせ治療は、例えば対象において、代表的に本態性高血圧症
から、または心筋梗塞後の心臓状態から生じるうっ血性心不全の発症を防止また
は妨害するのに有用である。このような対象は代表的に、浮腫症状を示さず、従
って電解質平衡を変えることができ、かつまたカリウム過剰血症またはマグネシ
ウム過剰血症状態を発生させる係蹄作用性利尿剤を用いる慣用の利尿剤治療によ
る処置からは利益を得ることができない。
「アンギオテンシン変換酵素阻害薬」(angiotensin conve
rting enzyme inhibitor)(「ACE阻害
薬」)の用語は、生理学的に不活性なデカペプチド形態のアンギオテンシン(「
アンギオテンシンI」)から血管収縮性オクタペプチド形態のアンギオテンシン
(「アンギオテンシンII」)への、完全または部分的な迅速酵素性変換を阻止
する能力を有する薬剤または化合物、あるいは2種または3種以上の薬剤または
化合物の組合わせを包含するものとする。このアンギオテンシンIIの形成を阻
止すると、アンギオテンシンIIの一次作用が取り除かれることによって、流体
と電解質との平衡、血圧および血液量に対して迅速な影響を及ぼすことができる
。
これらのアンギオテンシンIIの一次作用には、副腎皮質によるアルドステロ
ンの合成および分泌の刺激および小動脈平滑筋の直接収縮による血圧の上昇が包
含される。
「アルドステロンレセプター拮抗薬」(aldosterone recep
tor antagonist)の用語は、腎臓細管に代表的に見出されるアル
ドステロンレセプター部位におけるアルドステロンそれ自体の作用の競合的抑制
体としてアルドステロンレセプターに結合し、これによってアルドステロンのレ
セプター媒介活性を調整する薬剤または化合物、あるいは2種または3種以上の
薬剤または化合物の組合わせを包含するものとする。このようなアルドステロン
レセプター拮抗薬の代表例は、スピロラクトン系化合物である。「スピロラクト
ン系」の用語は、ステロイド核に、代表的にはステロイド「D」環にスピロ結合
配置により結合しているラクトン分子を有するステロイド構造を特徴とすること
を意味する。
ACE阻害薬およびアルドステロンレセプター拮抗薬の使用の定義に関して、
「組合わせ治療」(または共働−治療)の用語は、これらの医薬の組合わせによ
り有益な効果が得られる治療方式において、これら各医薬を順次的方式で投与す
ることを包含し、かつまたこれらの各医薬を実質的に同時的方式で投与すること
を包含し、例えばこれらの活性医薬を一定の割合で含有する1個のカプセル剤と
して、またはこれら各医薬のそれぞれを複数の分離したカプセル剤として一緒に
投与することを包含するものとする。
「治療有効量」の用語は、これらの医薬がそれぞれ典型的に有する有害な副作
用を回避しながら、例えばうっ血性心不全の進行を軽減または防止することによ
って、心臓の能力を改善するという目標を達成する組合わせ治療に使用される各
医薬の量が確保されていることを意味する。
本組合わせ治療におけるアルドステロンレセプター拮抗薬の治療有効量の特徴
である「低用量」の用語は、1種または2種以上のアルドステロン拮抗薬が誘発
する副作用、例えばカリウム過剰血症を軽減または回避しながら、心臓の能力を
改善することができる、これらの医薬の量あるいは量的範囲を定める意味を有す
る。副作用を軽減または回避しながら、心臓の能力を好ましく増強させるという
治療目標を達成することができるスピロノラクトン化合物の薬用量は、利尿の誘
発を実質的に回避できる用量、すなわち実質的に無利尿性有効用量である。
好適組合わせ治療は基本的に、2種の活性医薬、すなわちACE阻害薬および
アルドステロンレセプター拮抗薬からなる。これらの薬剤は約0.5対1〜約2
0対1のアンギオテンシン変換酵素薬剤対アルドステロンレセプター拮抗薬の重
量範囲で組合せて使用する。これら2種の医薬の好適範囲(ACE阻害薬対AL
DO拮抗薬)は、約1対1〜約15対1であるが、さらに好ましい範囲は約1対
1〜約5対1であり、最終的にはACE阻害薬およびALDO拮抗薬の選択に依
存する。
本組合わせ治療に使用することができるACE阻害薬の例は、下記の4つのカ
テゴリイで示される。
ACE阻害薬の第一グループは下記の化合物からなる:AB−103、アンコ
ベニン(ancovenin)、ベナゼプリレート(benazeprilat
)、BRL−36378、BW−A575C、CGS−13928C、CL−2
42817、CV−5975、エクアテン(Equaten)、EU−4865
、EU−4867、EU−5476、ホロキシミチン(foroxymithi
ne)、FPL−66564、FR−900456、Hoe−065、I5B2
、インドラプリル(indlapril)、ケトメチル尿素、KRI−1177
、KRI−1230、L−681176、リベンザプリル(libenzapr
il)、MCD、MDL−27088、MDL−27467A、モベルチプリル
(moveltipril)、MS−41、
ニコチアナミド、ペントプリル(pentopril)、フェナセイン(phe
nacein)、ピボプリル(pivopril)、レチアプリル(retia
pril)、RE−5975、RG−6134、RG−6207、RGH−03
99、ROO−911、RS−10085−197、RS−2039、RS−5
239、RS−86127、RU−44403、S−8308、SA−291、
スピラプリレート(spiraprilat)、SQ−26900、SQ−28
084、SQ−28370、SQ−28940、SQ−31440、サイネコル
(Synecor)、ウチバプリル(utibapril)、WF−10129
、Wy−4422l、Wy−44655、Y−23785、アイサム(Yiss
um)P−0154、ザビシプリル(zabicipril)等。
重要なACE阻害薬の第二グループは下記の化合物からなる:アサヒ醸造所(
Asahi Brewery)AB−47、アラトリオプリル(alatrio
pril)、BMS−182657、アサヒケミカル(Asahi Chmic
al)C−111、アサヒケミカルC−112、ダイニッポン(Dainipp
on)DU−1777、ミキサンプリル(mixanpril)、プレンチル(
Prentyl)、ゾーフェノプリレート(zofenoprilat)および
1−(−(1−カルボキシ−6−(4−ピペリジニル)ヘキシル)アミノ)−1
−オキソプロピルオクタヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸。
さらに重要なACE阻害薬の第三グループは下記の化合物からなる:バイオプ
ロジェクト(Bioproject)BP1.137、チエシ(Chiesi)
CHF−1514、フィソンス(Fisons)FPL−66564、イドラプ
リル(idrapril)、マリオン メレル ダウ(Marion Merr
ell Dow)MDL−100240、ペルインドプリレート(preind
oprilat)およびセルビエール(Servier)S−5590。
最も重要なACE阻害薬の第四グループは下記の化合物からなる:アラセプリ
ル(alacepril)、ベナゼプリル(benazepril)、カプトプ
リル(captopril)、チラザプリル(cilazapril)、デラプ
リル(delapril)、エナラプリル(enalapril)、エナラプリ
レート(enalaprilat)、ホシノプリル(fosinopril)、
ホシノプリレート(fosinoprilat)、イミダプリル(imidap
ril)、リシノプリル(lisinopril)、ペルインドプリル(per
indopril)、キナプリル(quinapril)、ラミプリル(ram
ipril)、サララシン(saralasin)酢酸塩、テモカプリル(te
mocapril)、トランドラプリル(trandolapril)、セラナ
プリル(ceranapril)、モエキシプリル(moexipril)、キ
ナプリレート(quinaprilat)およびスピラプリル(spirapr
il)。
これらのACE阻害薬の多く、特に第四グループに挙げられている化合物は市
販されている。例えば、格別に好適なACE阻害薬であるカプトプリルは、E.
R.Squibb & Sons,Inc.,Princeton,N,J,の
Bristol−Myers−Squibbの新部門から「カポテン」(CAP
OTEN)の登録商標名で販売されており、これは12.5mg/錠、50mg
/錠および100mg/錠の用量の錠剤剤型である。エナラプリルまたはエナラ
プリルマレイン酸塩、およびリシノプリルは2種のさらに格別に好適なACE阻
害薬であり、Merck & Co.,West Point,Pa.により販
売されている。エナラプリルは、2.5mg/錠、5mg/錠、10mg/錠お
よび20mg/錠の用量の錠剤剤型で、登録商標名「バソテック」(VASOT
EC)として販売されている。リシノプリルは、5mg/錠、10mg/錠、2
0mg/錠および40mg/錠の用量の錠剤剤型で、登録商標名「プリニビル」
(PRINIVIL)として販売されている。
重要なスピロラクトン系化合物の一族は下記式Iで定義される:
式中、
式中、Rは5個までの炭素原子を有する低級アルキルであり、そして
式中、
である。
低級アルキル基は、分枝鎖状基および非分枝鎖状基、好ましくはメチル、エチ
ルおよびp−プロピル基を包含する。
式I内の重要な特定の化合物には、下記の化合物がある:
7α−アセチルチオ−3−オキソ−4,15−アンドロスタジエン−[17(
β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−オン:
3−オキソ−7α−プロピオニルチオ−4,15−アンドロスタジエン−[1
7(β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−オン;
6β,7β−メチレン−3−オキソ−4,15−アンドロスタジエン−[17
(β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−オン;
15α,16α−メチレン−3−オキソ−4,7α−プロピオニルチオ−4−
アンドロステン[17(β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−
オン;
6β,7β,15α,16α−ジメチレン−3−オキソ−4−アンドロステン
[17(β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−オン;
7α−アセチルチオ−15β,16β−メチレン−3−オキソ−4−アンドロ
ステン[17(β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−オン;
15β,16β−メチレン−3−オキソ−7β−プロピオニルチオ−4−アン
ドロステン[17(β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−オン
;および
6β,7β,15β,16β−ジメチレン−3−オキソ−4−アンドロステン
[17(β−1´)−スピロ−5´]ペルヒドロフラン−2´−オン。
式Iで表わされる化合物の製造方法は、1978年12月12日付けで発行さ
れたWiechart等に対する米国特許第4,129,564号に記載されて
いる。
重要なスピロラクトン系化合物の第二の一族は下記式IIで定義される:
式中、R1はC1 〜3−アルキルまたはC1 〜3−アシルであり、そしてR2はHま
たはC1 〜3−アルキルである。
式II内の重要な特定の化合物には、下記の化合物がある:
1α−アセチルチオ−15β,16β−メチレン−7α−メチルチオ−3−オ
キソ−17α−プレグネ−4−エン−21,17−カルボラクトン;および
15β,16β−メチレン−1α,7α−ジメチルチオ−3−オキソ−17α
−プレグネ−4−エン−21,17−カルボラクトン。
式IIで表わされる化合物の製造方法は、1988年12月6日付けで発行さ
れたNickisch等に対する米国特許第4,789,668号に記載されて
いる。
重要なスピロラクトン系化合物の第三の一族は下記式IIIの構造により定義
される:
式中、Rは低級アルキルであり、この低級アルキル基は好ましくは、メチル、
エチル、プロピルおよびブチルである。重要な特定の化合物には、下記の化合物
が包含される:
3β,21−ジヒドロキシ−17α−プレグナ−5,15−ジエン−17−カ
ルボン酸 γ−ラクトン;
3β,21−ジヒドロキシ−17α−プレグナ−5,15−ジエン−17−カ
ルボン酸 γ−ラクトン 3−アセテート;
3β,21−ジヒドロキシ−17α−プレグネ−5−エン−17−カルボン酸
γ−ラクトン;
3β,21−ジヒドロキシ−17α−プレグネ−5−エン−17−カルボン酸
γ−ラクトン 3−アセテート;
21−ヒドロキシ−3−オキソ−17α−プレグネ−4−エン−17−カルボ
ン酸 γ−ラクトン;
21−ヒドロキシ−3−オキソ−17α−プレグネ−4,6−ジエン−17−
カルボン酸 γ−ラクトン;
21−ヒドロキシ−3−オキソ−17α−プレグネ−1,4−ジエン−17−
カルボン酸 γ−ラクトン;
7α−アセチルチオ−21−ヒドロキシ−3−オキソ−17α−プレグネ−4
−エン−17−カルボン酸 γ−ラクトン;および
7α−アセチルチオ−21−ヒドロキシ−3−オキソ−17α−プレグネ−4
−エン−17−カルボン酸 γ−ラクトン。
式IIIで表わされる化合物の製造方法は、1966年6月21日付けで発行
されたPatchettに対する米国特許第3,257,390号に記載されて
いる。
重要な化合物の第四の一族は下記式IVで表わされる:
式中、E´はエチレン、ビニレンおよび(低級アルカノイル)チオエチレン基
から選択され、E´´はエチレン、ビニレン、(低級アルカノイル)チオエチレ
ンおよび(低級アルカノイル)チオプロピレン基から選択され;E´およびE´
´がそれぞれエチレンおよび(低級アルカノイル)チオエチレンからなる群から
選択される場合を除いて、Rはメチル基であり、E´およびE´´がエチレンお
よび(低級アルカノイル)チオエチレン基からなる群から選択される場合には、
Rは水素およびメチル基からなる群から選択され;そしてE´およびE´´は、
少なくとも1個の(低級アルカノイル)チオ基が存在するように選択される。
式IV内の化合物の好適な一族は下記式Vで表わされる:
式Vのより好適な化合物には、下記の化合物がある:
1−アセチルチオ−17α−(2−カルボキシエチル)−17β−ヒドロキシ
−アンドロスト−4−エン−3−オン ラクトン。
式IV内の化合物のもう一つの好適な一族は下記式VIで表わされる:
式VIのより好適な化合物には、下記の化合物が包含される:
7α−アセチルチオ−17α−(2−カルボキシエチル)−17β−ヒドロキ
シ−アンドロスト−4−エン−3−オン ラクトン;
7β−アセチルチオ−17α−(2−カルボキシエチル)−17β−ヒドロキ
シ−アンドロスト−4−エン−3−オン ラクトン;
1α,7α−ジアセチルチオ−17α−(2−カルボキシエチル)−17β−
ヒドロキシ−アンドロスト−4,6−ジエン−3−オン ラクトン;
7α−アセチルチオ−17α−(2−カルボキシエチル)−17β−ヒドロキ
シ−アンドロスト−1,4−ジエン−3−オン ラクトン;
7α−アセチルチオ−17α−(2−カルボキシエチル)−17β−ヒドロキ
シ−19−ノルアンドロスト−4−エン−3−オン ラクトン;および
7α−アセチルチオ−17α−(2−カルボキシエチル)−17β−ヒドロキ
シ−6α−メチルアンドロスト−4−エン−3−オン ラクトン。
式IV〜VIにおいて、「アルキル」の用語は、1個〜約8個の炭素を含有す
る直鎖状および分枝鎖状アルキル基を包含するものとする。「(低級アルカノイ
特に重要な化合物は下記構造および式名を有するスピロノラクトン化合物であ
る:
「スピロノラクトン」:17−ヒドロキシ−7α−メルカプト−3−オキソ−
17α−プレグネ−4−エン−21−カルボン酸 γ−ラクトン
アセテート。
式IV〜VIで表わされる化合物の製造方法は、1961年12月12日付け
で発行されたCellaに対する米国特許第3,013,012号に記載されて
いる。スピロノラクトンは、G.D.Searl & Co.,Skokie,
Illinoisにより登録商標名「アルダクトン」(ALDACTONE)と
して、25mg/錠、50mg/錠および100mg/錠の用量の錠剤剤型で販
売されている。
ACE阻害薬およびアルドステロンレセプター拮抗薬と組合わせて、利尿剤を
使用することができる。このような利尿剤は数種の公知群から選択することがで
き、例えばチアジド化合物および関連スルホンアミド化合物、カリウム節約作用
性利尿剤、係蹄作用性利尿剤および有機水銀利尿剤から選択することができる。
チアジド化合物の例には、ベンドロフルメチアジド、ベンズチアジド、クロロ
チアジド、シクロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアゾド、
hydrochloromethiazode)メチクロチアジド、ポリチアジ
ドおよびトリクロルメチアジドがある。
関連スルホンアミド化合物の例には、クロルサリドン(chlorthali
don)、キネサゾン(quinethazon)およびメトラゾン(meto
lazone)がある。
非チアジドスルホンアミド利尿剤の例には、メトラゾン(metolazon
e)がある。
カリウム節約作用性利尿剤の例には、トリアメテレン
(triameterene)およびアミロライド(amiloride)があ
る。
係蹄作用性利尿剤、すなわち腎臓のヘンレ係蹄の上行枝に作用する利尿剤の例
には、フロセミド(furosemide)およびエチンアクリル酸がある。
有機水銀利尿剤の例には、メルカプトメリンナトリウム(mercatome
rin sodium)、メレトキシリンプロカイン(merethoxyll
ine procaine)およびメルサリル(mersalyl)とテオフィ
リン(theophylline)がある。生物学的評価
ヒト臨床実験
ACE阻害薬とスピロノラクトンとの組合わせを、下記の臨床実験に従いヒト
で評価した。患者
:症候性心不全を患う二百十四人(214人)の患者は突出部分(ejec
tion fraction)≦35%を有しており、ニューヨーク心臓協会[
New York Heart Association(NYHA)]の病歴
で登録前の6か月の時点の機能上の分類(functional classi
fication)はIII〜IVであり、現在の分類がII〜IVである。こ
れらの患者を無作為に5群の処置群に分けた。患者には、12週間にわたり一日
一回スピロノラクトンが12.5mg(患者41人)、25mg(患者45人)
、50mg(患者47人)、75mg(患者41人)投与され、あるいは偽薬(
患者40人)が投与されるように指定した。無作為に分けられた患者の2人は、
この薬物処置実験を受け損ない、評価から除外された。患者の全部には、薬物処
置実験の一回目の薬物投与前の30日間、安定用量のACE阻害薬、係蹄作用性
系利尿剤および任意の食物を与えた。薬物処置実験の一回目の薬物投与前の14
日間、一定のカリウム補給治療をまた行った。全患者からインホームドコンセン
トを得ており、計画は各倫理委員により承認されていた。登録時点で、全患者は
正常血清カリウム値(<5.5mmol/L)および≦2.0mg/dLまたは
≦180mmol/Lのクレアチニン値を有していた。下記の患者は登録から除
外した:(1)急性の生命を脅
かす疾患(自動式移植用電気除細動器/細動除去器を付けた患者を包含する)、
弁疾患、不安定な狭心症、インシュリン依存性糖尿病、癌(過去五年間以内、再
発していない)または原発性肝不全を患っていると診断された患者;(2)薬物
処置実験の一回目の薬物投与前の30日間の間に、心臓移植を待つリストに登録
されているか、または心筋梗塞を体験した患者;(3)薬物処置実験の一回目の
薬物投与前に、血液学的または生化学的に考慮して異常があり、臨床的に有意で
あるという実験室評価を受けた患者;(4)薬物処置実験の一回目の薬物投与前
の30日以内にカリウム節約作用性利尿剤を服用した患者;(5)定期的に、>
325mg/日の非ステロイド系抗炎症薬またはアスピリン、ステロイド、ドー
パミン作用薬または拮抗薬、インシュリンまたはヘパリンを服用していた患者;
(6)薬物処置実験の一回目の薬物投与前の30日以内にいずれかの薬物治療試
験を受けた患者。実験設計
:これは多国籍、ダブル−ブラインド、無作為、平行グループ実験であ
った。検査測定値
:下記の情報を各患者から、ベースラインで得た:
1.過去30日間以内の併用薬物処置。
2.12−リードECG(心電図)
3.血圧、脈拍、ナトリウム保有値を包含する心臓評価(患者の浮腫症状の一般
的評価は表1から得た尺度を総合して誘導された)、NYHA分類、および
4.過去30日間の症状および症候。
下記の検査値は、予備処置のための訪問時点で得た:
血液学:白血球数(WBC)、ヘマトクリット、ヘモグロビン、血小板数。
生化学:クレアチニン、カリウム、AST、SGOT、尿中ナトリウム/カリウ
ム比、重炭酸塩、カルシウム、クロライド、クレアチニン、クレアチニ
ンクリアランス、マグネシウム、グルコース、尿素、尿酸。
神経分泌ホルモン:血漿レニン活性、前−心房性ナトリウム排泄増加因子
(pro−atrial natriuretic factor)、
尿中アルドステロン。
血液および尿試料は、SciCor Laboratoriesにおいて集中
的に分析した。尿中アルドステロンおよびレニンレベルに関する検査値はCol
umbus,OhioのOhio州立大学実験室で得た。前−心房性ナトリウム
排泄増加因子試料は、Osio,NorwayのUniversity of
Oslo Laboratoryで評価した。患者は薬物処置実験の開始後の9
日間、評価した。併用薬物処置、症状および症候、およびまた薬物コンプライア
ンスを証明する変化を記録した。これらの検査は4週間目および8週間目の訪問
時点で反復した。最後の訪問時点における患者の情報および処置は予備処置のた
めの訪問時点と同一であった。統計学的分析
:患者の治療における心臓評価についての変数および生命徴候の分
析は、目的対処置(Intent−to−Treat)(ITT)および評価可
能な患者群の両方について行った。人口学的変化、有害な事象および臨床検査値
の分析はITT群で行った。効力変数(efficacy variable)
のそれぞれについて、各訪問時点における結果を別々に評価した。相当する傾向
変動試験を使用して、総合的投与量−応答について評価した。対様相の比較を、
偽薬に対する各活性投与について行った。この対様相の比較にかかわる有意のレ
ベルはHochberg−Bonferromi法を用いて調整し、総合タイプ
I誤差率を保持した。統計学的方法はいずれも、2−サイド法(two−sid
ed)であった。募集
:214人の患者は、11か国の22か所の試験場所から募集した。患者の特徴
:患者の人口学的特徴、生命徴候およびベースラインにおける心臓の
状態を表IIにまとめて示す。
患者は26才から83才までの範囲(平均=60才)にあり、81%が男性で
あり、94%は白色人種であった。ベースラインにおいて、患者の51%はNY
HAのクラスIIであり、47%はクラスIIIであった。ナトリウム保持測定
値について、統計学的に有意の投与応答が9日目に見られ、投与量が多いほど、
ナトリウム保持検査値の減少が見られた(p=0.019)。しかしながら、こ
の効果は後刻の訪問時点では見出されなかった(p>0.20)。NYHAのク
ラス偽薬群およびスピロノラクトン群の全部で、改善があった。スピロノラクト
ン群における改善傾向変動が見出されたが、その差異は統計学的に有意ではなか
った。患者の治療による変化
:いずれの訪問時点においても、処置群に、ACE阻害薬
、ジギタリスまたはカリウム補給剤の用量の変化にかかわる有意の差異はなかっ
た(p≧0.11)。処置群では、8週目の時点でのみ、スピロノラクトンの投
与量が多い患者ほど、偽薬群と比較して、係蹄作用性利尿剤投与量を減少した係
蹄作用性利尿剤治療の差異にかかわり有意の差異があった(p=0.004)。
このパターンは12週間目には見出されなかった。生命徴候の変化
:12週目時点における生命徴候にかかわるベースラインからの
変化を表IIIにまとめて示す。
全訪問時点で、25mg、50mgおよび75mgの投与群で、平均収縮期血
圧および拡張期血圧が減少したが、偽薬群では平均収縮期血圧および拡張期血圧
(起立および仰臥の両方)が上昇した。起立および仰臥における拡張期血圧にか
かわる投与量応答は全訪問時点で統計学的に有意であった(p≦0.002)。
起立および仰臥の血圧にかかわる投与量応答は、4週目、8週目、および12週
目の訪問時点で統計学的に有意であったが(p≦0.033)、9日目では有意
ではなかった(p≧0.12)。全訪問時点で、脈拍にかかわるベースラインか
らの変化について、各処置群間に有意の差異は見られなかった(p−値≧0.1
36)。仰臥状態で、投与量が多いほど脈拍が減少するという統計学的に有意の
投与量応答が、4週間目に見出された(p−値=0.045)。25mgおよび
50mgのスピロノラクトン投与はまた、偽薬の場合と統計学的に差異を有して
いた(p−値≦0.043)(図1参照)。9日目および4週目の訪問時点で、
体重にかかわりベースラインからの変化について統計学的に有意の投与量応答が
見られ、75mg投与群の患者は、他の患者よりも大きい体重の損失を体験した
。この投与量応答は後刻の訪問時点では見出されなかった(p≧0.062)。臨床検査値
:表IVには、各種臨床検査値の詳細が含まれており、12週目の訪
問時点における各ベースライン値からの平均変化にかかわる統計学的に有意の処
置間の差異が示されている:
尿中アルドステロン(図1参照):尿中アルドステロンはベースラインおよび1
2週目の訪問時点でのみ測定した。尿中アルドステロン排泄は全処置群でベース
ラインからの平均的増加を示した(p≦0.012)。スピロノラクトンの投与
量が多いほど、大きい増加が見られた(p=0.002)。活性処置と偽薬との
間の対様相比較は全てが、統計学的に有意であった(p≦0.009)。血漿中レニン活性(PRA)(図2参照)
:PRAについて、ベースラインから
の変化にかかわり統計学的に有意の投与量−応答が、9日目、4週目および12
週目に見られ、スピロノラクトンの投与量が多いほど、PRAの上昇は大きかっ
た。8週目には、PRAは測定されなかった。N−末端心房性ナトリウム排泄増加因子(N−Terminal Atrial Natriuretic Factor)(ANF)(図3参照)
:
活性処置群の全部が、処置訪問の全時点でベースラインからの減少を示した。
投与量−応答は、9日目(p=0.048)、4週目(p=0.005)、およ
び12週目(p=0.008)の時点で統計学的に有意であった。8週目には、
ANFは測定されなかった。比較において、50mg投与群は、4週目(p=0
.009)および12週目(p=0.006)の時点で、偽薬群から統計学的に
有意の差異を示したが、75mg投与群は、12週目の時点でのみ有意の差異を
示した(p=0.007)。ヘマトクリットおよびヘモグロビン
:9日目の訪問時点で、偽薬処置群と各種活
性処置群との間の統計学的に有意の平均値差が見られ、偽薬処置群の数値は活性
処置群の数値よりも低かった(p<0.001)。12週目の時点では、逆の統
計学的に有意の差異が見られ、ヘマトクリット(p=0.002)およびヘモグ
ロビン(p=0.005)について、活性処置群の数値は偽薬処置群の数値より
も低かった。血清中カリウム
:血清中カリウムについて、ベースラインからの変化にかかわり
統計学的に有意の投与量-応答が、全訪問時点で見られた(p<0.001)。
スピロノラクトンの投与量が多くなるに従い、カリウムの増加は大きくなった。
活性処置群は全投与量で、偽薬群に比較して、ベースラインから有意により高い
血清中カリウムレベルを有していた(p≦0.034)。
カリウム過剰血症の予測:段階的Cox回帰分析には、カリウム過剰(カリウム
≧5.5mmol/L)を予見することができる7つの指標が包含される:無作
為化された処置(カテゴリイ的変数として処理)、年令、ベースラインNYHA
分類、ベースライン血清中カリウム、ベースラインPRA、ベースラインクレア
チニン、ベースライン尿中アルドステロン、およびACE−Iのタイプおよび用
量。段階的Cox回帰分析において、スピロノラクトンの投与量以外に、下記の
カリウム過剰血を示す指標が統計学的に有意であった:ACE−Iのタイプ(カ
プトプリル対その他)、ベースライン血清中クレアチニンおよびベースライン血
清中カリウム。結果を下記にまとめて示す:
この分析において、危険率は、危険因子を有していない患者がカリウム過剰血
症を発病する可能性に比較して、危険因子を有する患者がカリウム過剰血症を発
病する可能性があると考えさせることができる。(例えば、カプトプリル服用患
者は、別のACE−I服用患者に比較して、約1/3のカリウム過剰血症発病可
能性を有する)。
スピロノラクトンの各種投与量に関する偽薬と比較した危険率は次のとおりで
ある:
上記の因子を調整した後では、段階的Cox回帰分析に包含されるその他の指
標は統計学的に有意ではなかった(p−値≧0.07)。しかしながら、スピロ
ノラクトンの投与量を除く別の指標を別々に考慮すると、下記の追加の因子がカ
リウム過剰血症発病に有意に関連していた。
血清中マグネシウム:血清中マグネシウムにかかわるベースラインからの変化は
、9日目および4週目の時点で、統計学的に有意を示し(p≦0.048)、偽
薬群の患者ほど、血清中マグネシウム値の減少を示した。しかしながら、この効
果は、後刻の訪問時点では見られなかった(p≧0.083)。有害な作用
:各種処置群による12の最も共通の有害な事象を表Vにまとめて示
す。症候の一つ、カリウム過剰血症のみが、発生の観点で明白な投与量−応答を
示した(p=0.001)。
入院期間の分類は下記のとおりである:
薬物処置期間中における死亡は報告されなかった。3人の患者は、実験が完了
した後の30日以内に死亡した。これらの3人の患者は以前に、50mg投与量
群に属していた。
アンギオテンシン変換酵素阻害薬およびアルドステロンレセプター拮抗薬の投
与は、別の製剤として順次的に投与することができ、あるいは1個の製剤または
別々の製剤中に入れて同時投与により行うこともできる。投与は、経口によりま
たは静脈、筋肉または皮下注射により達成することができる。製剤は、固体の形
態で、あるいは水性または非水性等張無菌注射溶液または懸濁液の形態であるこ
とができる。これらの溶液および懸濁液は、1種または2種以上の医薬上で許容
される担体または稀釈剤、あるいは結合剤、例えばゼラチンまたはヒドロキシプ
ロピル−メチルセルロースを、1種または2種以上の滑剤、保存剤、界面活性剤
または分散剤とともに含有する無菌粉末または顆粒から調製することができる。
経口投与用の医薬製剤は、例えば錠剤、カプセル剤、懸濁液または液体の形態
であることができる。この医薬製剤は好ましくは、特定量の活性成分を含有する
剤型の形態に形成する。このような剤型の例には、錠剤またはカプセル剤がある
。ACE阻害薬は、選択された特定のACE阻害薬に応じて、約1〜200mg
、好ましくは約2〜150mgの量で存在させることができる。適当な一日薬用
量は患者の状態およびその他の因子により広く変えることができる。ALDO拮
抗薬は選択された特定のALDO拮抗薬および本組合わせ治療の対象の特定の病
気に応じて、約1〜400mg、好ましくは約2〜150mgの量で存在させる
ことができる。
心臓血管系病気状態をカリウム過剰血症の発病を伴うことなく、防止、軽減ま
たは処置する必要がある病気状態の場合に、例えばALDO拮抗成分、代表的に
スピロノラクトンを、約1mg〜約25mg/投与の範囲の量で、本組合わせ治
療に存在させる。スピロノラクトンの好適範囲は、約5mg〜15mg/投与で
ある。約10mg〜約15mg/投与/日の範囲はさらに好ましい。
本発明の「二重治療」(double therapy)を代表するACE阻
害薬とALDO拮抗薬との種々の一定の組合わせの例を下記に示す:
活性成分はまた、例えば塩類、デキストロースまたは水を適当な担体として使
用することができる製剤として、注射によって投与することができる。
本発明による組合わせ治療により病気状態を処置するための投薬計画は、患者
の種、年令、性別および医療状態、病気の重篤度、投与経路、および使用される
特定の化合物を包含する種々の因子に従い選択され、従って広く変えることがで
きる。
治療の目的には、本発明による組合わせ治療の活性成分を通常、指定投与経路
に適当である1種または2種以上の助剤と組合わせる。経口投与の場合には、諸
成分を乳糖、ショ糖、粉末状デンプン、アルカン酸のセルロースエステル、セル
ロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、ゼラ
チン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および(
または)ポリビニルアルコールと混合し、次いで投与に都合が良いような剤型に
形成するか、またはカプセルに封入することができる。このようなカプセル剤ま
たは錠剤は制御放出製剤を包含することができ、この製剤はヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース中に活性成分を分散させることによって得ることができる。
非経口投与用製剤は水性または非水性等張無菌注射溶液または懸濁液の形態であ
ることができる。これらの溶液および懸濁液は、経口投与用製剤における使用に
関して上記した1種または2種以上の担体または稀釈剤を含有する無菌の粉末ま
たは顆粒から調製することができる。これらの成分は水、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、
ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、および(または)各種緩衝液中
に溶解させることができる。その他の助剤および投与形態は調剤技術で充分に、
かつまた広く知られている。
本発明の処置方法に使用するための医薬製剤は経口形態で、または静脈内投与
により投与することができる。本組合わせ治療は経口投与により行うと好適であ
る。経口投与による投与は単次一日投与ということができる方式、または一日置
きの単次投与ということができる方式、あるいは一日中の多回の間隔をあけた投
与ということができる方式で行うことができる。本組合わせ治療を構成する活性
薬剤は、実質的に同時の経口投与用の組合わせ剤型または別個の剤型のどちらか
を用いて、同時に投与することができる。本組合わせ治療を構成する活性薬剤は
また、どちらかの成分を2段階摂取ということができる方式により投与する方法
で順次投与することもできる。従って、この方式は、別々の活性剤の間隔をあけ
た投与による活性剤の順次的投与ということができる。多回投与間の時間的間隔
は、効力、溶解度、生体利用性、血漿中半減期および薬剤の動態プロフィールな
どの各活性薬剤の性質に依存して、およびまた患者の年令および状態に応じて、
数分から数時間にわたることができる。同時的投与または実質的に同時的投与ま
たは順次的投与にかかわらず、本組合わせ治療の活性薬剤は、1種の活性薬剤を
経口経路で投与し、かつまたもう1種の活性薬剤を静脈経路により投与する方式
に包含させることもできる。本組合わせ治療の活性薬剤が、別々にまたは一緒に
、経口投与されるか、または静脈内投与されるかにかかわらず、これらの活性薬
剤はそれぞれ、医薬上で許容される賦形剤、稀釈剤またはその他の調剤成分の適
当な医薬製剤中に含有させることができる。活性成分を含有する、経口投与用に
適する製剤を以下に示す。これらの製剤は同一処方で両方の活性薬剤が一緒に記
載
されているが、これらの処方を適当に利用して、活性成分のうちの一方を含有す
る製剤を調製することもできる。
例1
指定量の下記の成分を篩分けし、次いで一緒に混合することによって、経口剤
型を調製することができる。この製剤は次いで、硬質ゼラチンカプセル中に充填
することができる。
成分 量
カプトプリル 62.0mg
スピロノラクトン 12.5mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
乳糖 100mg
例2
10%ゼラチン溶液を用いて一緒に混合して顆粒形成することによって、経口
剤型を調製することができる。この湿った顆粒を篩分けし、乾燥させ、デンプン
、タルクおよびステアリン酸と混合し、篩分けし、次いで錠剤に圧縮する。
成分 量
カプトプリル 62.0mg
スピロノラクトン 12.5mg
硫酸カルシウム二水和物 100mg
ショ糖 15mg
デンプン 8mg
タルク 4mg
ステアリン酸 2mg
例3
指定量の下記の成分を篩分けし、次いで一緒に混合することによって、経口剤
型を調製することができる。この製剤は次いで、硬質ゼラチンカプセル中に充填
することができる。
成分 量
エナラプリル 14.3mg
スピロノラクトン 12.5mg
ステアリン酸マグネシウム 10mg
乳糖 100mg
例4
10%ゼラチン溶液を用いて一緒に混合して顆粒形成することによって、経口
剤型を調製することができる。この湿った顆粒を篩分けし、乾燥させ、デンプン
、タルクおよびステアリン酸と混合し、篩分けし、次いで錠剤に圧縮する。
成分 量
エナラプリル 14.3mg
スピロノラクトン 12.5mg
硫酸カルシウム二水和物 100mg
ショ糖 15mg
デンプン 8mg
タルク 4mg
ステアリン酸 2mg
本発明を特定の態様に関して説明したけれども、これらの態様の詳細は制限す
るものと解釈されるべきではない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年3月14日
【補正内容】
請求の範囲
1. 治療有効量のアンギオテンシン変換酵素阻害薬およびアルドステロンレ
セプター拮抗薬からなる組合わせであって、上記アルドステロンレセプター拮抗
薬を、アルドステロンの生理学的作用に拮抗するのに治療上で有効であるが、上
記アルドステロンレセプター拮抗薬による実質的利尿作用を生じさせるのには充
分ではない量で存在させ、かつまた上記アルドステロンレセプター拮抗薬を約1
mg〜約25mg/用量の一日薬用量範囲の量で存在させる組合わせ。
2. 上記アルドステロンレセプター拮抗薬がスピロラクトン系化合物である
、請求項1に記載の組合わせ。
3. 上記スピロラクトン系化合物がスピロノラクトンである、請求項2に記
載の組合わせ。
4. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬が、アラセプリル(alacep
ril)、ベナゼプリル(benazepri)、カプトプリル(captop
ril)、チラザプリル(cilazapril)、デラプリル(delapr
il)、エナラプリル(enalapril)、エナラプリレート(enala
prilat)、ホシノプリル(fosinopril)、ホシノプリレート(
fosinoprilat)、イミダプリル(imidapril)、リシノプ
リル(lisinopril)、ペルインドプリル(perindopril)
、キナプリル(quinapril)、ラミプリル(ramipril)、サラ
ラシン(saralasin)酢酸塩、テモカプリル(temocapril)
、トランドラプリル(trandolapril)、セラナプリル(ceran
april)、モエキシプリル(moexipril)、キナプリレート(qu
inaprilat)、スピラプリル(spirapril)、バイオプロジェ
クト(Bioproject)BP1.137、チエシ(Chiesi)CHF
−1514、フィソンス(Fisons)FPL−66564、イドラプリル(
idrapril)、マリオン メレル ダウ(Marion Merrell
Dow)MDL−100240、ペルインドプリレート
(preindoprilat)およびセルビエール(Servier)S−5
590からなる群から選択される、請求項1に記載の組合わせ。
5. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬が、アラセプリル、ベナゼプリル
、カプトプリル、チラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリレート
、ホシノプリル、ホシノプリレート、イミダプリル、リシノプリル、ペルインド
プリル、キナプリル、ラミプリル、サララシン酢酸塩、テモカプリル、トランド
ラプリル、セラナプリル、モエキシプリル、キナプリレートおよびスピラプリル
からなる群から選択される、請求項4に記載の組合わせ。
6. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬および上記アルドステロンレセプ
ター拮抗薬を、約0.1対1〜約25対1の上記アンギオテンシン変換酵素阻害
薬対上記アルドステロンレセプター拮抗薬の重量比範囲で、上記組合わせ中に存
在させることを特徴とする、請求項1に記載の組合わせ。
7. 上記重量比範囲が、約0.5対1〜約15対1である、請求項6に記載
の組合わせ。
8. 上記重量比範囲が、約0.5対1〜約5対1である、請求項7に記載の
組合わせ。
9.複合した心臓血管系障害を有するか、またはこのような障害に被患し易い
対象における心臓血管系障害の処置において、治療有効量のアンギオテンシン変
換酵素阻害薬を使用し、かつまたアルドステロンに拮抗するのに治療上で有効で
あるが、実質的利尿作用を生じさせるのには充分ではない量のアルドステロンレ
セプター拮抗薬を投与し、上記アルドステロンレセプター拮抗薬を約1mg〜約
25mg/用量の一日薬用量範囲の量で存在させる、治療有効量のアンギオテン
シン変換酵素阻害薬の使用。
10. 上記対象が、高血圧症に被患しているか、または高血圧症に被患し易
い対象であって、かつまた上記対象がカリウム過剰血症の発病の回避をさらに要
する対象である、請求項9に記載の使用。
11. 上記対象がさらに、うっ血性心不全症に被患し易い対象である、請求
項10に記載の使用。
12. 上記対象がさらに、心室肥大症に被患し易い対象である、請求項10
に記載の使用。
13. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬および上記アルドステロンレセ
プター拮抗薬を順次方式で投与することをさらに特徴とする、請求項10に記載
の使用。
14. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬および上記アルドステロンレセ
プター拮抗薬を実質的に同時方式で投与することをさらに特徴とする、請求項1
0に記載の使用。
15.上記アルドステロンレセプター拮抗薬がスピロラクトン系化合物である
、請求項9に記載の使用。
16. 上記スピロラクトン系化合物がスピロノラクトンである、請求項15
に記載の使用。
17. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬が、アラセプリル、ベナゼプリ
ル、カプトプリル、チラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリレー
ト、ホシノプリル、ホシノプリレート、イミダプリル、リシノプリル、ペルイン
ドプリル、キナプリル、ラミプリル、サララシン酢酸塩、テモカプリル、トラン
ドラプリル、セラナプリル、モエキシプリル、キナプリレート、スピラプリル、
バイオプロジェクトBP1.137、チエシCHF−1514、フィソンスFP
L−66564、イドラプリル、マリオン メレル ダウMDL−100240
、ペルインドプリレートおよびセルビエールS−5590からなる群から選択さ
れる、請求項9に記載の使用。
18. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬が、アラセプリル、ベナゼプリ
ル、カプトプリル、チラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリレー
ト、ホシノプリル、ホシノプリレート、イミダプリル、リシノプリル、ペルイン
ドプリル、キナプリル、ラミプリル、サララシン酢酸塩、テモカプリル、トラン
ドラプリル、セラナプリル、モエキシプリル、キナプリレートおよびスピラプリ
ルからなる群から選択される、請求項17に記載の使用。
19. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬および上記アルドステロンレセ
プター拮抗薬を、約0.1対1〜約25対1の上記アンギオテンシン変換酵素阻
害薬対上記アルドステロンレセプター拮抗薬の重量比範囲で、上記共働−治療に
使用することをさらに特徴とする、請求項9に記載の使用。
20. 上記重量比範囲が、約0.5対1〜約15対1である、請求項19に
記載の使用。
21. 上記重量比範囲が、約0.5対1〜約5対1である、請求項20に記
載の使用。
22. 上記アンギオテンシン変換酵素阻害薬が、約30mg〜約80mg/
用量の一日薬用量範囲のカプトプリルであるか、または約5mg〜約25mg/
用量の一日薬用量範囲のエナラプリルである、請求項9に記載の使用。
23. 上記アルドステロンレセプター拮抗薬が、約1mg〜約23mg/用
量の一日薬用量範囲のスピロノラクトンである、請求項22に記載の使用。
24. 上記スピロノラクトンの一日薬用量が、約5mg〜約20mgの範囲
である、請求項23に記載の使用。
25. 上記スピロノラクトンの一日薬用量が、約5mg〜約15mgの範囲
である、請求項23に記載の使用。
26. 1種または2種以上の賦形剤および2種の心臓血管系医薬成分からな
る一定の組合わせからなる医薬として許容される投与型であって、上記第一医薬
成分がACE阻害薬であり、かつまた上記第二成分がスピロノラクトンであり、
そしてこの剤型中に、上記第一成分および上記第二成分が約0.1対1〜約25
対1の範囲の上記第一成分対上記成分の重量比で存在し、かつまたスピロノラク
トンが、約5mg〜約22.5mgの範囲から選択される量で存在する投与型。
27. 上記重量比範囲が、0.5対1〜約15対1である、請求項26に記
載の投与型。
28. 上記ACE阻害薬が、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、
チラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリレート、ホシノプリル、
ホシノプリレート、イミダプリル、リシノプリル、ペルインドプリル、キナプリ
ル、ラミプリル、サララシン酢酸塩、テモカプリル、トランドラプリル、セラナ
プリル、モエキシプリル、キナプリレートおよびスピラプリルからなる群から選
択される、請求項27に記載の投与型。
29. 上記ACE阻害薬が、エナラプリルである、請求項28に記載の投与
型。
30. エナラプリルが、約5mg〜約20mgの範囲から選択される量で存
在する、請求項29に記載の投与型。
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(72)発明者 ペレズ,アルフォンソ ティー.
アメリカ合衆国 60045 イリノイ州 レ
イクフォレスト,カスケード コート
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