【発明の詳細な説明】
インターミディエートカレンダ掛け機能を設けた抄紙機の乾燥部
本発明は、1つもしくはいくつかのインターミディエートカレンダ掛けニップ
が設けられ、いくつかの連続するワイヤグループが配置された抄紙機の乾燥部に
関するものである。
従来技術で知られているように、抄紙機の乾燥部には、シングルワイヤドロー
もしくはツインワイヤドロー、またはそのさまざまな組合せが用いられている。
シングルワイヤドローでは、シングルワイヤドローを有する、いわゆる通常グル
ープが用いられ、これは、乾燥用シリンダが上列に、また逆転サクションシリン
ダまたはロールが下列に配され、その場合、乾燥部は、例えば損紙の除去のため
に底部に向けて開口しているものである。シングルワイヤドローを有する、いわ
ゆる逆転グループでは、乾燥用シリンダは下列に、逆転サクションシリンダもし
くはロールは上列に配され、その場合、欠点は、逆転グループが底部に向けて閉
じ、例えば損紙の除去を重力によって行なうように配設することができないため
、それが問題となることである。
初期には、乾燥部において、いわゆるブレーカースタック(インターミディエ
ートカレンダ)が非常に一般的に用いられ、それらのスタックは通常、ツインワ
イヤドローのグループの間に配されていた。これらのブレーカースタックはほと
んど廃止されている。なぜなら、ある程度は走行性の問題のため、また、ブレー
カースタックとそれに先行するワイヤグループおよび追従するワイヤグループと
の間にウエブの比較的長距離の無支持ドローを用いる必要があったため、乾燥部
の長さがブレーカースタックのために機械方向に増大するからである。無支持ド
ローは、はためき易くてウエブが破損し、ウエブの紙通しの観点からも問題であ
る。
近年、乾燥部の内側に配したブレーカースタックが提示されているが、それら
のスタックは加熱乾燥用シリンダと特定のカレンダロールとの間に形成されてい
る。この従来技術に関しては、一例として米国特許第5,127,168号、ドイツ公開
特許出願第 4,407,405号A1、およびBlack Clawson-Kennedy Inc.により商標「HY
DRA NIP」で市販のプレス部を参照する。後者のプレス部の特許もしくは特許出
願の番号は不明である。従来技術に関してはさらに、日本の特願平4-56040 号(
特開平5-222691号)三菱重工株式会社)を参照する。
前述の米国特許第5,127,168 号の第5図では、多円網式乾燥機のツインワイヤ
ドローを有する最初のグループにおける最初のシリンダに関連してインターミデ
ィエートカレンダ掛けの第1のニップが形成され、抄紙機のプレス部の受水フェ
ルトがインターミディエートカレンダ掛けのこの第1のニップを通るようにした
配列が記載されている。インターミディエートカレンダの第2のニップは、ツイ
ンワイヤドローの第2のグループ内の第1の下部シリンダに関連して形成されて
いる。上記の米国特許より公知のインターミディエートカレンダ掛け装置の欠点
は、インターミディエートカレンダ掛けのニップを用いるグループ空隙において
ウエブが非常に長い無支持ドローを有し、上記グループ空隙により乾燥部が機械
方向に著しく長くなってしまうことである。この米国特許は、シングルワイヤド
ローおよびウエブの閉鎖ドローのグループを用いる近代の乾燥部でインターミデ
ィエートカレンダ掛けを行なう解決策は、何も提示していない。
上記ドイツ特許出願第 4,497,405号の第1図には、インターミディエートカレ
ンダ掛けのニップがシングルワイヤドローの逆転グループ内の最後の乾燥用シリ
ンダに関連して取り付けられたインターミディエートカレンダ掛け装置が記載さ
れている。このドイツ特許出願によるインターミディエートカレンダ掛け装置に
は、インターミディエートカレンダ掛けが用いられているグループ空隙が機械方
向に比較的長くてスペースを要すようになり、これによって乾燥部の長さが機械
方向に増すという欠点がある。さらに、上記ドイツ特許出願では、シングルワイ
ヤドローの逆転グループに関連して、そのような逆転グループとシングルワイヤ
ドローだけの通常グループとの間のグループ空隙に適用されるインターミディエ
ートカレンダ掛け装置が記載されている。上記ドイツ特許出願は、シングルワイ
ヤドローのグループだけ、または前述のグループとツインワイヤドローのグルー
プとの様々な組合せ、または前述のグループといわゆるハイブリッドグループと
の組合せを用いた乾燥部におけるインターミディエートカレンダ掛けに関す
る解決策は、何も提示していない。
とくに抄紙機の近代化に関しては、例えば、その走行速度を増すためには、乾
燥部の乾燥能力を増すことも必要である。上述の従来技術のインターミディエー
トカレンダ掛け装置は、米国特許第 5,127,168号に記載のものを以外は、抄紙機
の近代化に適していない。なぜなら、乾燥部の長さが増大し、および/または乾
燥能力が減少するからである。
本発明は、乾燥部の内側で行なわれ、それ自体、明白で周知の利点を有するイ
ンターミディエートカレンダ掛けの新規の適用例を提供することを目的とする。
本発明は、乾燥部の内部、とくに閉鎖シングルワイヤドローを用い、望ましく
はシングルワイヤドローのいわゆる通常グループだけを用いて、上述の、主に損
紙の除去に関連する諸問題を有する逆転グループを全く用いない乾燥部における
、インターミディエートカレンダ掛けの新規の解決策を提供することを特定の目
的とする。
本発明はさらに、乾燥部のほとんどの部分において有支持ウエブの閉鎖ドロー
を適用して、ツインワイヤドローの最後のグループがあればそれ以外で、ウエブ
を乾燥用ワイヤにより乾燥部の全長にわたって継続的に支持して、横断方向の、
とくに乾燥部の乾燥端部で、とくに乾燥加熱残分が60% より高いところでのウエ
ブの破損およびウエブの収縮を実質的に回避することができるような乾燥部の内
側に適用されるインターミディエートカレンダ掛けの解決策を提供することを目
的とする。
本発明は、乾燥部で行なわれるインターミディエートカレンダ掛けのそれ自体
公知の利点、すなわち、例えば前記米国特許第 5,127,168号に詳細に記載されて
いる利点を保持することを更なる目的とする。これらの利点は、簡単に言えば、
とりわけ、紙の印刷特性の改善、紙の不均等側面性の減少、およびインターミデ
ィエートカレンダ掛けをしても乾燥効率の改善もしくは少なくとも不変維持であ
る。
さらに本発明は、抄紙機の近代化にとくによく適合するようにインターミディ
エートカレンダ掛けを行なって、インターミディエートカレンダ掛けを既存の機
械に、もしくは乾燥部の近代化に関連して、例えば機械の運転速度を向上させる
際に、配設することができるような乾燥部を提供することを目的とする。
本発明は、インターミディエートカレンダ掛けを行なっても乾燥能力を増すこ
とさえできることを更なる目的とする。本発明はさらに、マシンスタックを完全
に省くことができ、その場合、近代化の際、上記マシンスタックがそれまで占め
ていたスペースまで乾燥部を拡張することができ、それによって、なかでも、乾
燥能力を増し、もしくは新規の建設の場合は抄紙機の部屋の長さを短縮すること
ができるような抄紙機を構成できることを非必須の目的とする。
上述した、および後に明らかになる目的を達成するため、本発明の第1の実施
例は、次のような主たる特徴を有する。すなわち、乾燥部は、主として、もしく
は全体的に、シングルワイヤドローのグループをそれ自体公知の方法で含み、加
熱乾燥用シリンダが上列に配され、逆転サクションシリンダもしくは同等の逆転
サクションロールが下列に配され、シングルワイヤドローのグループは乾燥用ワ
イヤを有し、これは、蛇行する走路に沿って前記乾燥用シリンダおよび逆転サク
ションシリンダもしくはサクションロールへ走行して、前記逆転サクションシリ
ンダが乾燥用ワイヤのループの内側に残り、前記シングルワイヤドローのグルー
プの内側に、もしくは最後の乾燥用シリンダに関連して、自由空間が配され、こ
の空間にカレンダロールが取り付けられ、このロールは、最後に述べた乾燥用シ
リンダとともにカレンダ掛けニップを形成するように取り付けられ、このニップ
を被乾燥紙ウエブが通され、したがって、乾燥部の内側でカレンダ掛けされる。
本発明の第2の実施例は、次のような主たる特徴を有する。すなわち、乾燥部
は、シングルワイヤドローのグループが設けられた初めの部分をそれ自体公知の
方法で有し、その後に1つもしくはいくつかの、望ましくは1つのツインワイヤ
ドローのグループがあり、このグループ内に、それ自体公知の方法で2列の加熱
乾燥用シリンダがあり、それらの間でウエブは自由な無支持ドローを有し、ツイ
ンワイヤドローのグループは上部ワイヤおよび下部ワイヤを含み、ツインワイヤ
ドローのグループより前のシングルワイヤドローの通常グループ内の最後の乾燥
用シリンダの後半上には、乾燥中のウエブのカレンダ掛け用のニップが配され、
このニップは、平滑面のカレンダ掛け用ロールと一緒に、もしくはこれで前記乾
燥用シリンダによって形成され、このカレンダ掛け用ニップへ被乾燥紙ウエブが
通され、したがって乾燥部の内側でカレンダ掛けされる。
本発明の第3の実施例は、つぎのような主たる特徴を有する。すなわち、乾燥
部は、ツインワイヤドローのグループのみをそれ自体公知の方法で含み、もしく
は乾燥部は、少なくとも1つのグループ、望ましくは最後のグループとして、ツ
インワイヤドローのグループを有するとともに、先行するグループはシングルワ
イヤドローのグループであり、ツインワイヤドローのグループ内の非側面乾燥用
シリンダの代わりにカレンダ掛け用ロールが取り付けられ、このロールは、反対
側の列に配されている反対側の乾燥用シリンダとともにカレンダ掛け用ニップを
形成し、省かれた乾燥用シリンダの列の乾燥用ワイヤは、ガイドロールによって
前記列における前の乾燥用シリンダから次の乾燥用シリンダへ送られて、前記カ
レンダロールへ走行し前記カレンダ掛け用ニップ内ですでにカレンダ掛けされた
、および/またはカレンダ掛け中の紙ウエブを支持する。
本発明の第4の実施例は、次のような主たる特徴を有している。すなわち、乾
燥部は、シングルワイヤドローのグループをそれ自体公知の方法で含み、加熱乾
燥用シリンダが上列に、逆転サクションシリンダもしくは同等の逆転サクション
ロールが下列に配され、シングルワイヤドローのグループは乾燥用ワイヤを有し
、これは、蛇行している走路に沿って前記乾燥用シリンダおよび逆転サクション
シリンダもしくはロールへ走行して、前記逆転サクションシリンダが乾燥用ワイ
ヤのループの内側に残り、前記シングルワイヤドローのグループでは、1つもし
くはいくつかの逆転サクションシリンダの代わりに、または2つの連続する乾燥
用シリンダより上に、2つの連続する乾燥用シリンダの間にカレンダロールが配
設されて、前記カレンダロールは2つの連続するカレンダ掛け用ニップを前記乾
燥用シリンダで形成する。
本発明の第5の実施例は、次のような主たる特徴を有している。すなわち、乾
燥部は、1つもしくはいくつかのいわゆるハイブリッドグループを、望ましくは
乾燥部内の最後の乾燥用グループとして、それ自体公知の方法で有し、このハイ
ブリッドグループには、ツインワイヤドロー部およびシングルワイヤドロー部の
両方が用いられ、ハイブリッドグループにおけるツインワイヤドロー部もしくは
シングルワイヤドロー部の後における最後の、もしくは最初の下部乾燥用シリン
ダ上には、カレンダ掛け用ロールが配設され、これは、カレンダロールおよび前
記下部乾燥用シリンダの間に形成されている。
本発明の第6の実施例は、つぎのような主たる特徴を有する。すなわち、シン
グルワイヤドローを有する2つの通常グループの間にインターミディエートカレ
ンダ掛け用ニップが配設され、これらのグループにおいて、乾燥用シリンダが上
列に、逆転サクションシリンダ、もしくは同等の逆転サクションロールが下列に
、それ自体公知の方法で配され、先行するグループの最後の逆転サクションシリ
ンダ、もしくは同等のロールの後には、カレンダ掛け用ロールが取り付けられ、
これより上に乾燥用シリンダ、もしくは同等なカレンダロールがあり、これは、
カレンダ掛け用のニップを前記カレンダロールで形成するように取り付けられ、
このニップの後には、前記ワイヤが後者のグループの最後の逆転サクションシリ
ンダ、もしくは同等の逆転サクションロールへ紙ウエブが走行すると、次のグル
ープの乾燥用ワイヤへ前記紙ウエブが送られる。
本発明において、上で定義した6つの実施例を記載したが、これらは、互いに
異なっているように見える。しかし、これらの実施例に共通する特徴および利点
は、インターミディエートカレンダ掛けを乾燥部の内側に、乾燥部の長さを増さ
ずに、かつ乾燥部の乾燥能力を実質的に低下させないで、同時にウエブのドロー
を保持して抄紙機の運転性を良好に保ちしながら、配設することができることで
ある。
本発明では、インターミディエートカレンダ掛けのニップとして、公知の拡張
ニップを用いることができ、これは、プレスシュー、一連のプレスシューにより
、もしくはプレスベルトにより設けられるいずれかの拡張ニップでである。この
ようなニップは、紙のカレンダ掛けではそれ自体公知である。これに関して、一
例として、欧州特許公報第0,370,185 B1号および第0,141,614 号A1、ならびにド
イツ特許公開公報第43,22,876 号A1を参照する。本発明によるインターミディエ
ートカレンダ掛けのニップの使用に適した拡張ニップロールの構造の詳細に関し
ては、一例として、本出願人の次の特許;フィンランド特許第70,952号、欧州
特許第0,345,500 号および欧州特許第0,527,881 号を参照する。
拡張ニップカレンダ掛けを用いると、適切なカレンダ掛け効果の他に、ニップ
圧のプロファイルを機械方向および横断方向の両方に調整することができる利点
も得られる。
本発明を適用すれば、本発明の新規の特徴にも拘らず、インターミディエート
カレンダ掛けの利点が維持される。これらの利点自体は周知のものであり、紙の
両面の平滑性および不均等側面性の減少などの紙の品質特性の改善、ならびに本
発明のいくつかの実施例における乾燥効率の増進に関連するものである。
次に、添付図面の各図に示す本発明のいくつかの実施例を参照して、本発明を
詳細に説明する。これらの実施例の細部に本発明が厳格に限定されることはない
。
第1図は、ブレーカースタックが乾燥部のシングルワイヤドローの最後の正常
グループ内の最後の乾燥用シリンダに関連して配されている本発明の第1の実施
例を示す。
第1A図は、第1図に示す実施例の本発明の範囲内に含まれる改造型を示し、こ
れは、インターミディエートカレンダ掛けのニップがシングルワイヤドローのグ
ループの内側に配されている。
第2図は、ブレーカースタックがシングルワイヤドローの2つの連続するグル
ープの間に配されている本発明の第1の実施例を示す。
第2A図は、第2A図において拡張ニップがインターミディエートカレンダ掛けの
ニップとして用いられていること以外、他の点では第2図に示すものと同様であ
るインターミディエートカレンダ掛け装置を示す。
第2B図は、第2図に示すインターミディエートカレンダ掛け装置の改造型を示
し、これは、スチームボックスなどのカレンダ掛け効果を促進するウエブ加熱装
置より後にインターミディエートカレンダ掛けのニップがある。
第3図は、第2図に示す第1の実施例の変形例を示す。
第4図は、本発明の第2の実施例を示し、これは、ブレーカースタックが乾燥
部のシングルワイヤドローの最後のグループの端部に配され、そのグループの後
にさらにツインワイヤドローの1つのグループがある。
第5図は、第4図に示す本発明の第2の実施例の変形例を示す。
第5A図は、本発明の範囲内に含まれる第5図に示す実施例の改造型を示す。
第6図は、本発明の第3の実施例を示し、これは、ブレーカースタックが本発
明に従ってツインワイヤドローのグループの内側に取り付けられ、このグループ
が乾燥部の最後の乾燥用グループを構成している。
第7図は、第6図に示す本発明の第3の実施例の変形例を示す。
第8図は、第6図に示す本発明の第3の変形例を示す。
第8A図は、本発明の範囲内に含まれる第8図に示すインターミディエートカレ
ンダ掛け装置の改造型を示す。
第8B図は、第8A図および第9図に示すインターミディエートカレンダ掛け装置
の本発明に範囲内に含まれる改造型を示す。
第9図は、本発明の第4の実施例を示す。
第10図は、本発明の第5の実施例を示す。
第11図は、本発明の第6の実施例を示す。
先ず、第1図〜第3図を参照して、本発明の第1の実施例を説明する。
第1図は、多数の乾燥用グループ、望ましくはすべてシングルワイヤグループ
から成る乾燥部の終端部、すなわち乾燥端部を示す。被乾燥紙ウエブWは、シン
グルワイヤドローの先行グループRv-1からシングルワイヤドローの最終グループ
Rvへ送られる。これらのシングルワイヤドローのグループは、上列に蒸気加熱平
滑面20’付き乾燥用シリンダ20、20a と、下列に配されている逆転サクションシ
リンダ30もしくはロールとを有している。逆転サクションシリンダ30もしくはそ
の等価物は、それぞれの軸ジャーナルを介して真空源に連絡し、また多孔の溝付
きマントル31が設けられている。シリンダ30の内部にある真空は、マントルを通
して乾燥用ワイヤ21を介してウエブWに作用し、遠心力およびブローイングから
生じてウエブに加わる様々な力の作用に逆らってウエブWを乾燥用ワイヤ21と接
触状態に保つ。このようにして、ウエブWの破損およびウエブ面方向、とくに横
断方向のウエブの過剰な収縮は、ウエブWを乾燥部の全長にわたって乾燥用ワイ
ヤ21と確実な接触状態に保つことによって防止される。
シングルワイヤドローのグループの数は一般に4〜10であるが、これらのグ
ループの間にウエブの閉鎖ドローが形成されている。ウエブWは、先行グループ
Rv-1内の最後のシリンダ20から最後のグループRvの乾燥用ワイヤ21へ達する。乾
燥用シリンダ20には駆動装置25およびドクタ23が設けられ、これらによってシリ
ンダ20の平滑面20’が清潔に保たれる。
第1図の最後の乾燥用シリンダ20a に関連して、本発明によれば、被乾燥ウエ
ブWのインターミディエートカレンダ掛け用ニップNKが配設され、このニップNK
は、乾燥用シリンダ20a の平滑面20’と、望ましくはソフトコーティング10’が
施されたカレンダロール10との間に形成されている。本発明の範囲には、乾燥用
シリンダ20a が通常の加熱もしくは非加熱カレンダロールに置換された、第1図
に示す実施例の変形例も含む。これに関しては、第1図の括弧内の参照番号(10A
)により参照する。カレンダロール10の直径DKは、望ましくは乾燥用シリンダの
直径D0の約半分である。カレンダ掛け用ニップNKの後では、ウエブWはフリード
ローWoutとしてガイドロール19へ、さらに巻取り装置などの仕上げ装置へ送られ
る。インターミディエートカレンダ掛け用の単数または複数のニップNKのため、
抄紙機は通常、必ずしも別個のマシンスタック、例えば、いわゆるソフトカレン
ダを必要としない。
第1A図は、インターミディエートカレンダ掛けのニップNKがシングルワイヤド
ローRnのグループの内側に配されたインターミディエートカレンダ掛け装置を示
す。インターミディエートカレンダ掛けのニップNKを作るため、乾燥用ワイヤ21
用のガイドロール22AAが1つ、もしくはいくつかの乾燥用シリンダ20a より上に
取り付けられ、このガイドロールによって乾燥用ワイヤ21は、直線走程21’およ
び21”として乾燥用シリンダ20a および紙ウエブWから離れて送られる。ワイヤ
走程21’および21”の内側、ならびにガイドロール22AAの下にはカレンダロール
10が配設され、その平滑面10’は、前述のカレンダロールの下に位置する乾燥用
シリンダ20a とともに前述のインターミディエートカレンダ掛けのニップNKを形
成している。その他については、構造および作動は第1図に関連して上述したも
のと同様である。
第1図および第1A図に示すカレンダ掛け用ニップの代わりに、もしくはそれに
加えて、カレンダ掛け用ニップNKを第2図によるシングルワイヤドローのグルー
プRnおよびRn-1の間に用いることができる。その場合、シングルワイヤドローの
先行するグループRn-1内の最後のシリンダ20a に関連して乾燥用ワイヤ21がガイ
ドロール22a によって案内され、また最後のグループRn内にガイドロール22が配
されて、乾燥用シリンダ20a の最後の上部4半分が開放状態になり、インターミ
ディエートカレンダロール10を前述の4半分上に配することができる。このロー
ル10は、乾燥用シリンダ20a とともにカレンダ掛け用ニップNKを形成している。
このようにして、インターミディエートカレンダ掛け用ニップNKを有利に配して
、ウエブWがカレンダ掛け用ニップNKの前後に閉鎖ドローを絶えず有し、また乾
燥部の全長が全く増大しないようにすることができる。その他については、乾燥
部の構造は第1図もしくは第1A図に関して上述したものと同様である。
第2A図は、第2図に示すようなインターミディエートカレンダ掛け装置の改造
型を示す。これは、カレンダロール10が拡張ニップロール10P に置き換わり、拡
張ニップロール10P は、乾燥用シリンダ20a とともに拡張カレンダ掛け用ニップ
NKP を形成している。公知の方法で、拡張ニップロール10P は可撓性ホースマン
トル10P'を有し、これはその両側面に閉鎖された垂直端部を有している。ホース
マントル10P'の内側には、液圧により加圧される滑りシュー、もしくは一連の滑
りシュー27があり、これは、乾燥用シリンダ20a とともに拡張カレンダ掛け用ニ
ップNKP を形成している。ウエブWの進行方向におけるカレンダ掛け用ニップNK
P の長さは一般に、100〜300mmのオーダである。拡張ニップロール10P として、
例えば本出願人の商標Sym-BeltTMで市販されている拡張ニップロールが用いられ
、このロールは以前から主に抄紙機のプレス部に適用されている。第2A図におい
て、グループRn-1、Rn内の乾燥用ワイヤ21のガイドロール22apおよび22bは、比
較的大径の拡張ニップロール10P に対して、および乾燥用シリンダ20a に関連し
てそれより上の結合部に対して充分な空間が残るように配されている。拡張ニッ
プロール10P の直径は、例えば乾燥用シリンダ20、20a の直径と同じオーダので
ある。拡張ニップNKP を用いると、ことに効率的なカレンダ掛け効果が得られる
。さらに、拡張ニップNKP を用いると、一連の滑りシュー27によって、カレンダ
掛け区域の横断方向および機械方法の両方にけるニップ圧プロファイルを公知の
方法で調整することができる。
第2B図は、第2図に示すようなインターミディエートカレンダ掛けの改造型を
示す。これは、乾燥シリンダ20a より上の、カレンダ掛け用ニップNKの手前に特
定の装置28が取り付けられ、これによって次のニップNKにおけるカレンダ掛け効
果が促進される。シリンダ20a より上に装置28のための空間を設けることができ
るようにするため、乾燥用ワイヤ21のガイドロール22apがこの目的に適した位置
に配されている。装置28は、例えば蒸気供給ボックス、赤外線ヒータもしくはそ
の等価物であり、これによってウエブWの温度がその開放上部面の側で上昇し、
これによってカレンダ掛け効果が装置28の直後のニップNKで促進される。さらに
、装置28に関連して、水噴霧装置もしくはその等価物を備えてもよく、これによ
ってニップNKでのカレンダ掛け効果が促進される。必要な場合、装置28は、その
位置を調整できるよう、矢印Sで示すように配される。調整Sによって、ウエブ
Wの上の装置28の無接触処理空隙29の延長部に、また場合によっては熱処理の効
率にも影響を及ぼすことができる。加熱装置28もしくはそれと同等の第2の加熱
装置をカレンダロール10の面に関連させて配設して、ニップNKにおけるカレンダ
掛け効果を高めることができる。装置28もしくはその等価物によってまた、ニッ
プNKにおける横断方向の温度、水分および/または線形負荷プロファイルを調整
することもでき、したがってウエブWに所望の横断方向プロファイルを与えるの
に役立てることもできる。第2B図はまた、逆転サクションシリンダ30の下に配し
た加熱および/またはプロファイリング装置28’を示す。この装置は、ウエブW
を無接触処理空隙29’を介して装置28の作用に対して反対の面の側から処理する
。
第3図は第2図に示すブレーカースタックの実施例の変形例を示す。第3図で
は、シングルワイヤドローのグループRn-1およびRnは第2図に示すように配設さ
れ、特定のカレンダ掛け用ベルト11がカレンダロール10の周囲を、ガイドロール
12により案内されながら垂直に走行するように配設されて、カレンダ掛け用ベル
ト11がカレンダ掛け用ニップNKを通り抜ける。このカレンダロール10および/ま
たはガイドロール12には駆動装置を設けてもよく、必要な場合に、カレンダ掛け
用ニップNKにおいて、カレンダ掛け効果をウエブWとベルト11の外面との間の速
度差によって高めることができるが、これ自体は公知のことである。カレンダ掛
け効果は、様々な圧縮性のカレンダ掛けバンドもしくはベルト11を用いることに
よって変えることができる。カレンダ掛けベルト11がこの実施例にだけ示されて
いるが、これは、本発明に従って、乾燥部の内側でブレーカースタックの他の位
置にも使用することができる。ベルト11は、紙に面して位置する平滑面を有して
いることを特徴としている。紙のベルト11面への追従性向は、ニップNKにおける
シリンダもしくはカレンダロールの面を追従する性向より劣るのが望ましい。
次に、第4図および第5図を参照して、本発明の第2の実施例を説明する。
第4図に示すように、乾燥部内のシングルワイヤドローの最後のグループの後
には、それらのシングルワイヤグループのうちのグループRvのみが見えているが
、ツインワイヤドローの1つのグループ、もしくは例外的にいくつかのグループ
R2Wが置かれている。周知のように、ツインワイヤグループR2Wは2列の蒸気加熱
乾燥用シリンダ20A および20B を有している。グループR2Wには、上部ワイヤ21A
および下部ワイヤ21B がある。上部ワイヤ21A は、ガイドロール22A によって
、および各乾燥用シリンダ20A の間の空隙に配されているガイドロール24A によ
って案内される。同様に、下部ワイヤ21B はガイドロール22B によって、および
各乾燥シリンダ20B の間の空隙に配されているガイドロール24B によって案内さ
れる。グループR2Wでは、シリンダ20A および20B の列の間でウエブWがフリー
の無支持ドローWPを有している。グループR2wが乾燥部の終端部に配される場合
、とくに厚手の等級紙の場合は、ウエブWは、フリードローWPおよびそのドロー
上で発生するウエブWのはためきに耐えるほど充分に強い。
第4図によれば、ツインワイヤドローのグループR2Wより前のシングルワイヤ
ドローのグループRvには、上列に乾燥用シリンダ20が、また下列に小径の逆転サ
クションロール30aaが配されている。グループRv内の最後の乾燥用シリンダ20a
に関連して、被乾燥ウエブWのインターミディエートカレンダ掛け用のニップNK
があり、このニップNKは、本発明の第2の実施例に従って取り付けられ、乾燥用
シリンダ20a の後部下4半分に配設されている。カレンダ掛け用ニップNKの後に
は、ウエブWがカレンダロール10の平滑面10’に従走し、ロール10上でツインワ
イヤドローのグループR2Wの下部ワイヤ21B へ移される。このワイヤは、小さい
移転セクタTS上でその近くのガイドロール22B により案内されながらカレンダ
ロールの後部下4半分に接触する。ウエブを確実に走行させるため、サクション
ボックス26を用いる。この後、ウエブWは、グループR2W内の最初の下部シリン
ダ20B の加熱面20’上へ、さらにフリードローWPとして最初の上部シリンダ20上
へ運ばれる。
第5図は第4図に示す実施例の改造型を示すが、これは、シングルワイヤドロ
ーの最後のグループRv内の最後の上部シリンダ20a の回転中心を通る水平面の付
近にインターミディエートカレンダ掛け用ニップNKが配されて、カレンダ掛け用
ニップNKの後、ウエブWが下方へ垂直な最初のフリードローWp1を有している。
本発明の範囲には第5図に示す本発明の実施例も含まれるが、これは、ニップ
NKの代わりに、もしくはそれに加えて、カレンダ掛け用ニップNK’を用いる。こ
れは、ツインワイヤドローのグループR2Wの最初の下部シリンダ20B に関連して
取り付けられ、カレンダロール10”とともに形成されている。
第4図および第5図、とくに第5図に示す本発明の実施例は、フリードローWp 1
、Wpに耐える厚手の等級紙に最適である。それらのドローのうちの最初のドロ
ーWP1は、第5図に示すようにカレンダ掛け用ニップNKの直後にすでに配されて
いる。
第5A図は、第5図に示す実施例の改造型を示す。これは、シングルワイヤドロ
ーのグループRv内の最後の乾燥用シリンダ20a およびツインワイヤドローのグル
ープR2W内の最初の乾燥用シリンダ20b が互いにインターミディエートカレンダ
掛けのニップNKを形成している。乾燥用シリンダ20a および/または乾燥用シリ
ンダ20b の位置には、乾燥用シリンダの代わりに、カレンダロール10を用いるこ
ともできる。第5A図に示すインターミディエートカレンダ掛け装置は、構造を非
常にコンパクトにでき、ウエブWの開放ドローをインターミディエートカレンダ
掛けのニップNKに関連して避ける点でも有利である。
第6図、第7図、第8図および第8A図は本発明の第3の実施例を示す。これは
、乾燥部内で最後のグループを構成するツインワイヤドローのグループR2Wの内
側にインターミディエートカレンダ掛けのニップNKが配されている。第6図、第
7図、第8図および第8A図に示す乾燥部は望ましくは、ツインワイヤドローの
グループR2wが最後の乾燥用グループとして配され、底部へ向けて開放したシン
グルワイヤドローの多数の通常グループR1〜Rvの後にこのグループR2wが位置し
、乾燥部内の前述のグループの数は標準的には2〜8である。第8B図には、本発
明の第3の実施例の改造型を示し、これは、インターミディエートカレンダ掛け
の2つのニップNK1およびNK2がシングルワイヤドローのグループとツインワイヤ
ドローのグループとの間に配設されている。
第6図に示すように、ツインワイヤドローのグループR2Wにおいて、第4の下
部シリンダ20B が省かれ、インターミディエートカレンダ掛けのニップNKに置き
換わっている。このインターミディエートカレンダ掛け用ニップNKは、グループ
R2W内の第3の上部シリンダ20Aaとカレンダロール10との間に形成されている。
ウエブWは、上部シリンダ20Aaの平滑面に載ってカレンダ掛け用ニップNKへはい
る。そこからウエブWは、カレンダロール10の平滑面10’上へ運ばれるとともに
、下部ワイヤ21B は、下部ワイヤ21B のガイドロール24B1と24B2との間の走程の
部分上でウエブWを下から支持する。カレンダロール10の後で、ウエブWは次の
上部シリンダ20A への垂直フリードローWP2を有している。ガイドロール24B2の
後において乾燥用ワイヤ21B は、その次のガイドロール24B3への下方に傾斜した
走程を有する。このガイドロール24B3は、通常の位置、すなわち下部ワイヤ21B
の他のガイドロール24B と高さが同じで隣接の下部シリンダ20B に対する位置に
ある。インターミディエートカレンダの作動は、たとえウエブが反対方向に走行
するように配設されたとしても、変わらない。すなわち、自由空隙をインターミ
ディエートカレンダの手前に配することができ、これは第7図にも適用できる。
第7図に示す本発明の第3の実施例の第2の変形例は、カレンダ掛けニップNK
が第5の下部シリンダ20Bbに関連して形成されている以外の他の点では第6図に
示すものと実質的に同じである。グループR2Wにおいて、第4の上部乾燥用シリ
ンダ20A が省かれ、カレンダロール10に置き換わっている。これは、前述の下部
シリンダ20Bbとともにカレンダ掛け用ニップNKを形成している。上部ワイヤ21A
は、通常の位置にあるそのガイドロール24A1および24A3の間で案内され、またガ
イドロール24A2およびカレンダロール10によって導かれて、ウエブWがフリード
ローWp'としてカレンダロール10へ到達する。これはロール10に上部ワイヤ21A
によって押し付けられ続け、その後、上部ワイヤ21A はロール10から、さらにガ
イドロール24A3上でウエブWから離れる。ウエブWは、カレンダ掛け用ニップNK
を通り抜け、さらに下部シリンダ20Bbの平滑面20’に載って下部ワイヤ21B の下
へ運ばれる。その他の点では、構造は第6図に示すものと同じである。
第8図は第6図に示す本発明の第3の実施例の第3の変形例を示す。第8図に
よれば、カレンダロール10は、機械式回転駆動装置15が設けられ、2つのカレン
ダ掛け用ニップNK1およびNK2を形成し、2つの連続する乾燥用シリンダ20A が上
述のカレンダロール10より上に配されている。第1のニップNK1の後では、紙ウ
エブWはカレンダロール10の面に従走する。カレンダロール10の下部外周におい
て、ウエブWはツインワイヤドローのグループR2wの下部ワイヤ21B に支持され
、その後、ウエブWは下部ワイヤ21B から離され、カレンダロール10の平滑面10
’に従って、カレンダロール10により形成される第2のカレンダ掛け用ニップNK2
へはいる。第8図によれば、空間のとくに有利でコンパクトな利用のインター
ミディエートカレンダ掛け装置および効率的なインターミディエートカレンダ掛
けが達成される。これは、2つの連続するカレンダ掛け用ニップNK1およびNK2が
用いられているからである。
第8A図には、第8図に示す実施例の改造型を示す。これは、2つの連続するカ
レンダ掛け用ニップNK1およびNK2が2つの連続する上部乾燥用シリンダ20A1およ
び20A2に関連して形成され、一方、上部乾燥用シリンダ20A、20A1、29A2の高さ
より上に取り付けられたカレンダロール10が用いられている。カレンダロール10
には、カレンダロール10より上に配したロール24AAにより上部ワイヤ21A を直線
走程21A'として乾燥用シリンダ21A から前述のガイドロール24AAへ、そしてそこ
からさらに下方傾斜走程21A"として最後の乾燥用シリンダ20A2へ送ることによっ
て、空間が設けられている。ウエブWをカレンダ掛け用ニップNK1およびNK2の間
に通すために、2つの別な実施例が第8A図に示されている。第1の実施例では、
ウエブWは第1のニップNK1からカレンダロール10の平滑面10’上の第2のニッ
プNK2へ運ばれる。このような場合、下部ワイヤ21B は水平走程21B'としてガイ
ドロール24B1から次のガイドロール24B2へ送られる。この別な実施例では、ウエ
ブWはフリードローW'Pとして下部シリンダ20B'へ、そこからさらに第2のフリ
ードローW'p,として第2のニップNK2へ送られる。
第8B図に示すように、2つの連続するカレンダ掛け用ニップNK1およびNK2が、
シングルワイヤドローの前者のグループRn-1内の最後の乾燥用シリンダ20a とシ
ングルワイヤドローの後者のグループRn内の第1の乾燥用シリンダ20a とに
関連して、カレンダロール10を用いて配設され、カレンダロール10は乾燥用シリ
ンダ20、20a の列より上に配されている。第8B図では、破線および括弧付き参照
番号によって代替物を示す。これは、2つの連続するインターミディエートカレ
ンダ掛けのニップNK1およびNK2がシングルワイヤドローのグループRn-1とツイン
ワイヤドローのグループR2Wとの間に用いられている。このような場合、ウエブ
Wを最初のニップNK1からカレンダロール10の平滑面10’上か、もしくは自由間
隙(WP)およびツインワイヤドローグループ(R2w)の位置(20B')の最初の下部シリ
ンダとして示されている乾燥用シリンダを用いるかの何れかで第2のニップNK2
へ送り込むことができる。ツインワイヤドローのグループ(R2w)が用いられる場
合、これは、そのガイドロール(24A)付の上部ワイヤ(21A)およびそのガイドロー
ル(24B)付の下部ワイヤ(21B)と下部乾燥用シリンダ(20B、20B')とを公知の方
法で含む。
第9図は第4の実施例を示す。これは、2つのカレンダ掛け用ニップNK1およ
びNK2が用いられて、これらのニップが1つのカレンダロール10によってシング
ルワイヤドローのグループRn内の連続する上部乾燥用シリンダ20とともに形成さ
れている点に関して、第8図に示す実施例との類似性を有している。第9図によ
れば、シングルワイヤドローのグループRn内の1つの下部逆転サクションシリン
ダ30もしくはロールが省かれて、その位置にカレンダロール10および乾燥用ワイ
ヤ21のガイドロール22aAが取り付けられている。第9図に示すインターミディエ
ートカレンダ掛け装置は、乾燥用ワイヤ21がグループRn内の乾燥用20シリンダか
らガイドロール22aAによって分離されて、ウエブWがシリンダ20の平滑面20’に
従走して最初のカレンダ掛け用ニップNK1へはいり、その後、ウエブWはカレン
ダロール10の平滑面10’に従走するように作動する。カレンダロール10上では、
ウエブWは支持ワイヤ21Sによって下から支持されて、これはそのガイドロール2
2Sにより案内される。支持ワイヤ22SがウエブWから分離されると、ウエブWは
カレンダロール10の面10’に乗って第2のカレンダ掛け用ニップNK2へ運ばれ、
その後、ウエブWは後者の乾燥シリンダ20の平滑面20’に従って、そのガイドロ
ール22aAの後の乾燥用ワイヤ21の下へはいる。支持ワイヤ21Sは必ずしも必要で
はなく、そのため、支持ワイヤ21S およびそのガイドロール22S は第9
図に破線で描かれている。
第10図は、本発明の第5の実施例を示す。第10図に示すように、インターミデ
ィエートカレンダ掛け用ニップNKが乾燥部内の最後のグループRHに取り付けられ
、このグループは、いわゆるハイブリッドグループであり、シングルワイヤドロ
ー部およびツインワイヤドロー部を有している。グループRHには、先ずツインワ
イヤドロー部があり、これは、上部乾燥用シリンダ20AHの列および下部乾燥用シ
リンダ20BHの列がある。上部ワイヤ21H は最初に、ガイドロール24A に案内され
ると、上部シリンダ20AHを越えてグループRH全体を通り抜け、その後、そのワイ
ヤは上部シリンダ20および下部逆転サクションシリンダ30もしくはロールの両方
を越えて、シングルワイヤドローを使いながら走行する。
第10図には、グループRH内のツインワイヤドロー部における最後の下部シリン
ダ20bHに関連して、本発明によれば、インターミディエートカレンダ掛けのニッ
プNKが設けられ、これは、平滑面10’のカレンダロール10に関連して形成されて
いる。カレンダロール10にはそれ自身の駆動装置15が設けられ、その中心が抄紙
機室の床面T-T よりわずかに下に位置している。ウエブWは、下部シリンダ20bH
の平滑面20’上でインターミディエートカレンダ掛けのニップNKにはいり、その
ニップNK後、前述のシリンダ20bHの面を従走し、最後のフリードローWPLとして
上部シリンダ20AHへ運ばれる。この上部シリンダの区域でシングルワイヤドロー
部が始まる。その他に関して、構造は上述のものと同じである。第10図において
、ハイブリッドグループがツインワイヤドロー部を最初に、その後にシングルワ
イヤドロー部のみを有する場合でさえ、本発明の範囲内で、最初にシングルワイ
ヤドロー部があり最後にツインワイヤドロー部があるハイブリッドグループに同
様のインターミディエートカレンダ掛け用ニップNKを適用することも可能である
。
第11図は、本発明の第6の実施例を示す。これは概して、予備的に大ざっぱな
優先順序を付けた上述の最初の5つの実施例と同程度には有利でない。第11図に
よれば、シングルワイヤドローの2つのグループRnおよびRn-1の間には、別個の
乾燥用シリンダ20aaもしくは同様のカレンダロールが取り付けられて、これはソ
フト面もしくはハード面になっている。前述の追加のシリンダ20aaもしくはロー
ルは、シングルワイヤドロー内の上部シリンダ20の位置の高さより寸法Haだけ高
く取り付けられている。追加のシリンダ20aaもしくはロールの前部下4半分に関
連して、インターミディエートカレンダ掛けのニップNKが配設され、ニップNKへ
ウエブWは、前のグループRn-1の乾燥用ワイヤ21とカレンダロール10の支持で送
られる。ロール10の後、乾燥用ワイヤ21はさらにガイドロール22aaにりより案内
されて走行する。カレンダ掛けされるウエブWは、カレンダ掛け用ニップNKの中
へ、カレンダロール10の平滑面10’に乗って送り込まれ、ニップNKの後、ウエブ
Wはさらにロール10の平滑面10’に従走し、この面から、下方傾斜のほとんど垂
直なドローWP4として走行して、後のグループRn内の最初の下部サクションシリ
ンダ30へ行く。シリンダ20aaは被加熱シリンダにする必要はない。なぜなら、ウ
エブWは前述のシリンダを越えて走行せず、インターミディエートカレンダ掛け
のニップNK内で前述のシリンダに接触するだけであるからである。さらに強調す
べきことは、余分のシリンダ20aaの代わりに、小径のカレンダロールを使用する
こともできる。
第11図には、カレンダ掛け用ベルト11a がカレンダロール10へ通されて、駆動
された15ガイドロール12a によりこのベルトが案内されるオプションが示されて
いる。カレンダ掛け用ベルト11a によって、そうしなければ開いているはずのウ
エブWの空隙WP4を、カレンダ掛け用ベルト11a を最初の逆転サクションシリン
ダ30に通して接触させることによって閉鎖することができる。カレンダ掛け用ベ
ルト11a は、開放空隙WP4を閉鎖できる利点を有している場合でさえ、必ずしも
必要でない。
第1図ないし第11図において、インターミディエートカレンダ掛けのニップNK
、もしくは複数のニップNK、NK’;NK1、NK2のカレンダロール10は、ハードコー
ティング10’もしくはソフトコーティングを備えたカレンダロールにすることが
できる。カレンダ掛け用ニップNK内のニップ圧の横断方向の分布は、公知の方法
で、カレンダで公知の技法によって、例えばロール10の、もしくは反対側の乾燥
用シリンダ20a;20Aa;20Bbの、および/または誘導加熱装置によってカレンダ
ロール10の横断方向の温度プロファイルを調節することによって、または各区域
で調整可能なカレンダロール10、例えば本出願人のSym ZSロールを用いるこ
とによって、プロファイルされるように配設することができる。
第2A図に示すインターミディエートカレンダ掛けの拡張ニップNKP を、第3図
〜第11図に示すカレンダ掛け用ニップNKの位置に用いることもでき、これは空間
もしくは他の環境の利用の点で適している。同様に、カレンダ掛け効果を高める
加熱処理装置28および/またはそれと同等の、蒸気ボックスもしくは赤外線ヒー
タなどの第2B図に示すプロファイリング装置を、第2B図に示す以外の他の位置に
も、もちろんカレンダ掛け効果を増大する必要性、空間の利用および他の実施上
の環境を考慮して使用することができる。これに関して、第2B図において処理装
置28’を参照するが、その作用は、処理用空隙29’を介してウエブWの下面へ、
すなわち装置28の作用の面とは反対の面へ及ぶようにする。
カレンダロール10;10P の表面材料は、適用場所に応じて、カレンダロールの
面がウエブWをはねつけたり、もしくはウエブWに被着しようとするかのいずれ
かに選択される。
上述の多数のインターミディエートカレンダ掛けのニップNKを上述の様々な位
置に取りつけることができる。そのとき、同じ乾燥部に本発明の様々な実施例に
よるカレンダ掛け用ニップNK;NKP の位置と配列の様々な組合せを適用すること
ができる。代表的には、本発明において、1〜3つのインターミディエートカレ
ンダ掛けのニップNKが用いられ、これらは望ましくは乾燥部の乾燥端部に、望ま
しくはウエブWの乾燥加熱残分がka>60% の領域に設けられる。
カレンダ掛け用ニップNK;NKP における線形負荷は、カレンダ掛け用ニップNK
;NKP の位置と、カレンダ掛け用ニップNK;NKP を通過するウエブの厚さおよび
乾燥加熱残分と、生産される紙の等級によって異なる。代表的には、カレンダ掛
け用ニップNKにおける線形負荷は、0〜300kN/m の範囲内、望ましくは0〜80kN
/mの範囲内で選ばれる。
周知のように、圧縮の他に、高い温度もカレンダ掛けの「アイロン効果」を促
進する。そのため、インターミディエートカレンダ掛けのニップNK;NKP をカレ
ンダ掛け用ロール10とともに形成する乾燥用シリンダ20a;20Aa;20Bb;20bH;2
0aaにおいて、表面温度T≒60〜250℃のレベルが用いられ、これは当該乾燥用シ
リンダの通常の蒸気加熱によって生成される。必要な場合、カレンダ掛け用
ニップNK;NKP が配されている関係の乾燥用シリンダに対して別個の温度調節を
行ない、この調節は、必要な場合、カレンダ掛け用ニップ圧の断面方向プロファ
イルの調整のためにプロファイルすることもできる。
本発明によれば、比較的低い線形負荷がインターミディエートカレンダ掛けの
ニップNK;NKP、もしくは複数のニップNK、NK’;NK1、NK2に掛かる場合、一般
に、鋳鉄マントルの通常の乾燥用シリンダ20a;20Aa;20Bb;20bH;20aaが適切で
ある。もちろん、上述の乾燥用シリンダ20a;20Aa;20Bb;20bH;20aaとして、
特別強化の乾燥用シリンダ、もしくは被加熱カレンダロールなども使用すること
ができる。さらに、NKニップをカレンダ掛け用ニップのところで形成するロール
/シリンダの両方に加熱および/または温度プロファイルもしくはレベルの調整
を、ニップNK;NKP における線形負荷のプロファイルの調整のために行なうこと
もできる。カレンダロール10の軸ジャーナルは、それ自体公知の動力装置に連結
され、これらは図示しないが、これによってカレンダ掛け用ニップNK;NKP のニ
ップ圧負荷が行なわれる。
上述の本発明のすべての実施例の重要な特徴および効果は、乾燥部内にカレン
ダ掛け用ニップNK;NKP を設けても乾燥部の長さが増すことはなく、カレンダ掛
け用ニップNK;NKP の位置に関係なく、乾燥部の乾燥能力がわずかに増し、もし
くは少なくとも不変に保たれることである。したがって、本発明は抄紙機の近代
化への使用にも適し、その場合、わずかな修正作業によって、1つ、もしくはい
くつかのインターミディエートカレンダ掛け用ニップNK;NKP を乾燥部内の適切
な場所に配置することができる。そのような場合、いくつかの例では、本発明を
適用する際、マシンスタック、例えばソフトカレンダを完全に省くことができ、
その場合、マシンスタックが占めていたスペースまで乾燥部の長さを増すことが
できる。したがって、乾燥能力は、例えば抄紙機の運転速度を近代化に関連して
増加させると、大きくすることができる。
とくに有利なことは、本発明において、ソフトコーティング10’を設けたカレ
ンダロール10を用いて、いわゆるソフトカレンダロールを本発明による様々な位
置に設けることである。このような場合、カレンダロール10のコーティング10’
の硬さは80〜95 Shore Dの範囲、望ましくは88〜92 Shore Dの範囲で選ぶことが
望ましい。
次に、請求の範囲を記載する。本発明の様々な内容は、請求の範囲に記載した
発明の概念の範囲内で改変し、例示のみによって上述した内容から変えることが
できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 リエデス、アラン
フィンランド共和国 エフアイエヌ−
40270 パロッカ、アイランテエンティエ
10 シー 20
【要約の続き】
けされる。さらに、本発明の他の5つの実施例が記載さ
れている。