JPH11504244A - 球状印象コーピング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、顎（１１）の固定部に取り付けるのに使用される球状取付構造を有するオーバーデンチャー（７，１６）の製造の際に用いられる一時的な球状印象コーピング（１）に関する。このコーピング（１）は前記球状取付構造（７）の球状部と協動する穴部（４）を有している。そして、前記穴部（４）は多角形断面を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 球状印象コーピング 発明の属する技術分野 本発明は、球状取付構造に関し、特に、球状部分を持つ支柱部または橋脚歯が 顎骨の固定部に取り付けられ、かつ、オーバーデンチャー(overdenture)には相 補的なスナップファスナーすなわち球状部ハウジングが備えられたオーバーデン チャーのための球状取付構造に関し、また特に、球状取付構造を有するオーバー デンチャーを製造する際に使用される一時的なコーピング(coping)に関する。 発明の背景 オーバーデンチャーを製造する際には、オーバーデンチャーを口腔の形状に適 合させるために使用されるとともに、顎内及びオーバーデンチャー内において固 定部材を互いに正確に関係づけるように方向を定めるため、一連の陽及び陰の印 象(impression)および模型を製造しなければならない。この模型・印象製造工程 において、一時なコーピングが顎内の球状橋脚歯に置かれ、印象スプーンにおい て印象に成形される。このコーピングには、球状取付構造の球状部分に相補的な 穴部が形成される。該印象内に位置するこのコーピングは、次に、印象に成形さ れる顎の陽型モデルに成形される球状橋脚歯のレプリカを保持するために利用さ れる。そして、スナップファスナーすなわち球状部ハウジングが前記一時的な球 状橋脚歯レプリカに取り付けられ、オーバーデンチャーに成形されるか、あるい さもなくばオーバーデンチャーに取り付けられる。 このコーピングには、通常、円形断面の内側穴部が備えられる。このことは、 コーピングと球状部分との間のはめ合いが非常に精巧でなければならないことを 意味する。もし穴部が小さすぎると、コーピングを球状部分に押圧するのが困難 となり、穴部が大きすぎると、球状橋脚歯とこの球状橋脚歯レプリカとを保持す るための摩擦力が全く得られないか、不十分となる。さらに、穴部内の空気を送 がすために外側部に溝部を形成するなどの特別な構成を採用しなければらならな い。 従って、コーピングの穴部と対応する球状橋脚歯の球状部との間に特定の摩擦 力が存在することが好ましい。これによって、穴部の寸法的な精密さに関して高 度の標準的な状態が得られる。さらに、コーピングを完全に球状部に据えるため 、コーピングが球状部に押し下げられた場合に、コーピングの内部に存在する空 気がすべて逃げることができるようにするのが好適である。 発明の開示 上記公知のコーピングにおける上記の欠点については、多角形の断面を有する 内側穴部を有する球状印象球形コーピングを使用することによって解決できるこ とが見出された。 すなわち、本発明は、顎の固定部に取り付けるのに使用される球状取付構造を 有するオーバーデンチャーの製造の際に用いられる一時的な球状印象コーピング であり、かつ、該コーピングは前記球状取付構造の球状部と協動する穴部を有す る一時的な球状印象コーピングにおいて、前記穴部はその断面が多角形であるこ とを特徴とする一時的な球状印象コーピング(temporary ball impression copin g)を提供する。 上述のような球状印象コーピングによって、従来技術に固有の欠点が解消され るとともに、さらに簡単かつ安価に製造することのできる球状印象コーピングを 提供することができる。 この穴部は多角形であればどのようなものでも採用することができる。しかし 、穴部は、正多角形の断面を有することが好適である。さらに、この多角形は６ 角 形であることが好適である。 この多角形の側辺を内側に曲げることも可能である。この多角形断面の側辺も また、同一の長さを有し、互いに星形を形成するように内側に傾斜するように形 成することも可能である。 穴部の口部には、前記球状取付構造の対応する円錐部と協動するため、円錐状 の拡開部を設けることが好適である。 図面の簡単な説明 本発明の好適例を、添付の図面を参照しながら説明する。 図面として、以下のものが添付されている。 図１は、本発明にかかる印象コーピングを示す斜視図である。 図２は、図１のコーピングの平面図である。 図３乃至図１０は、上記球状印象コーピングの使用法を示す図である。 本発明の好適例の詳細な説明 図１及び図２に示すように、本発明にかかる球状印象コーピング１には、印象 中にモールドされることとなる球面状上部２と、下部円筒部３（上下方向は図１ に示したコーピングの方向に従う）が備えられる。中央穴部４が下部円筒部３の 下端部から延設される。穴部４の内部には正６角形の穴部４の断面を形成する壁 部５が備えられる。穴部４の外側部には円錐状拡開部６が備えられ、それは、球 状橋脚歯７すなわち球状橋脚歯のレプリカ（図３参照）の対応する部分８に対し て完全に一致して係合するようにされている。前記６角形の寸法は、球状橋脚歯 ７の球状部分９の大円断面の寸法よりも僅かに小さい径を有する円に外接し、球 状印象コーピング１が球状橋脚歯の球状部に押し下げられた際に僅かに押圧され ながら係合するように決定される。 この球状印象コーピングは、ポリプロピレン等の適当な弾性を有するプラスチ ック材料によって形成される。 二つの互いに補完する関係にある円錐形状を有する部分６、８によって、コー ピング及び球状橋脚歯は、この二つの部分が相互に適合した場合に、正確かつ再 現可能な状態で互いに方向付けられる。 コーピングの穴部を６角形にした結果、穴部の内部と球状部との係合が、穴部 のそれぞれの内壁の中心線に沿った部分に限定され、これによっていくつかの重 要な利点が得られる。すなわち、これらの二つの部分の摩擦力が好適に決定され 、二つの部分の相対的な寸法を予め決定することが比較的容易になる。予め決定 された最小限の摩擦力を得ることもまた容易となる。 さらに、６角形（多角形）の形状を採用したことによる利点として、穴部に含 まれている空気が容易に球状部分から６角形の穴部の隅部に形成された溝を通り 球状部分を通過して逃げることができることが挙げられる。これによって、コー ピング及び球状橋脚歯の円錐部が互いに完全に係合ようになる。溝の位置を調整 することによって、印象材料が穴部を貫通し、コーピングと球状橋脚歯との間の 好適な装着状態が損なわれる危険性が小さくなる。 前記コーピングの使用方法が図３乃至図１０に示される。図３は、適当な工具 １９を使用して、球状橋脚歯７を顎１１の固定部に装着する態様を示している。 次に、図４に示すように、球状印象コーピング１が球状橋脚歯７に対して押し下 げられ、各々の円錐部６、８は完全に係合する。これによって、これら二つの部 分間の独特かつ確実な方向付けが確保される。そして、印象材料１３を含む印象 トレイ１２が球状印象コーピング１に押し下げられ、この印象材料が硬化し、陰 の模型が形成される。次に、印象トレイ１２が取り外され、この印象トレイ１２ はまだ印象材料１３を保持しているけれども、図５に示されるように、印象コー ピングが硬化した印象材料に保持される。球状橋脚歯レプリカ１０（図７参照） が印象材料中の球状印象コーピング１に装着される。顎の陽の模型１４が陰の印 象模型を使用して成形される。そして、前記橋脚歯レプリカ１０は陽の顎模型に 成形され、保持される。 穴部の多角形断面の規則性により、橋脚歯７の球状部及び取付部のレプリカが コーピングの中心に位置することを確実とする。球状橋脚歯７が顎１１の固定部 に装着される際に、橋脚歯レプリカ１０は陽の顎模型と同じようにして方向付け される（図７参照）。 そして、図９に示すように、球状部ハウジング１６が球状橋脚歯レプリカ１０ に装着され、図８に示すように、オーバーデンチャー１５には、球状部ハウジン グ１６に対応する位置において、穴部１７が形成され、すなわち穴部１７が備え られる。そして、オーバーデンチャーの穴部１７には少なくとも部分的に硬化剤 が満たされ、オーバーデンチャー１５が顎模型１４及び球状部ハウジング１６上 に固定される。オーバーデンチャー１５の穴部１７内の材料が硬化すると、図１ ０ａ及び図１０ｂに示すように、確実に球状部ハウジング１６を固定して、オー バーデンチャー１５を球状橋脚歯レプリカ１０から取り除くことができ、オーバ ーデンチャーが使用できる状態となる。 オーバーデンチャーはもちろん既存のオーバーデンチャーである必要はない。 デンチャーは、また、顎の陽模型を使用して上述の工程において製造されてもよ い。 本発明は、もちろん、添付の請求項に記載の技術的範囲内において種々の要領 で改変することができる。例えば、上述の好適例においては、穴部の断面が６角 形に形成されている。しかし、すべての正多角形を採用することが可能であり、 例えば、正３角形、正４角形、正５角形、正７角形及び正８角形を使用すること もできる。多角形部の壁部はまた、多角形の頂点から内側に向かって曲がるよう に形成したり、互いにある角度で傾斜する二つの部分で形成することも可能であ り、これによって断面が例えば二重６角星形のような星形となる。 コーピングはさらに、印象材料に成形される曲面を有するように構成すること も可能である。しかし、コーピングのこの部分には、硬化する印象材料内におい て好適な保持力を発揮する形状であればいかなる形状も採用することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．顎（１１）の固定部に取り付けるのに使用される球状取付構造を有するオー バーデンチャー（７，１６）の製造の際に用いられる一時的な球状印象コーピン グ（１）であり、かつ、該コーピング（１）は前記球状取付構造（７）の球状部 と協動する穴部（４）を有する一時的な球状印象コーピング（１）において、前 記穴部（４）はその断面が多角形であることを特徴とする一時的な球状印象コー ピング（１）。 ２．前記穴部が正多角形の断面を有することを特徴とする請求項１記載のコーピ ング。 ３．前記多角形が６角形であることを徴とする請求項１または２記載のコーピン グ。 ４．前記多角形の側辺が内側に曲がっていることを特徴とする請求項１、２また は３記載のコーピング（１）。 ５．前記多角形の断面の側部が、同一長さを有し星形を形成するように互いに内 側に傾斜する二つの部分で形成されることを特徴とする請求項１または２記載の 記載のコーピング。 ６．前記穴部（４）の口部に、前記球状取付橋脚歯（７）の対応する円錐部と協 動する円錐状拡開部（６）を設けたことを特徴とする請求項１乃至５のいずれか に記載の記載のコーピング（１）。