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JPH1149667A - ハードゼラチンカプセル - Google Patents

ハードゼラチンカプセル

Info

Publication number
JPH1149667A
JPH1149667A JP10136056A JP13605698A JPH1149667A JP H1149667 A JPH1149667 A JP H1149667A JP 10136056 A JP10136056 A JP 10136056A JP 13605698 A JP13605698 A JP 13605698A JP H1149667 A JPH1149667 A JP H1149667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capsule
water
hard gelatin
polyethylene glycol
gelatin capsule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10136056A
Other languages
English (en)
Inventor
Taizo Yamamoto
泰三 山本
Seinosuke Matsuura
誠之介 松浦
Kenji Abe
賢治 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIONOGI KUORIKAPUSU KK
Original Assignee
SHIONOGI KUORIKAPUSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIONOGI KUORIKAPUSU KK filed Critical SHIONOGI KUORIKAPUSU KK
Priority to JP10136056A priority Critical patent/JPH1149667A/ja
Publication of JPH1149667A publication Critical patent/JPH1149667A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 分子量200〜20000のポリエチレ
ングリコールをゼラチンに配合して得られる非フォーム
状ハードゼラチンカプセルに水感応性物質を充填してな
ることを特徴とする水感応性物質充填ハードゼラチンカ
プセル。 【効果】 本発明によれば、製造時及び吸水性賦形剤で
ある低分子ポリエチレングリコールや、あるいはゼラチ
ン皮膜を脆化させる中鎖脂肪酸トリグリセライド等の水
感応性物質を充填した場合の使用時における割れの発生
が少なく、しかも溶解性も改善された水感応性物質充填
ハードゼラチンカプセルを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水感応性物質を充
填した非フォーム状ハードゼラチンカプセルの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医薬品の固形製剤の1つとしてハードカ
プセル剤がある。このものは、通常ゼラチン皮膜で形成
された互いに一端の開いた帽状容体の内部に粉末、顆粒
又は液状(油状)の医薬又は食品を所定量充填した後、
それら容体を同軸的に結合して完成される。
【0003】このハードゼラチンカプセル剤は、製剤化
のし易さと医薬活性成分の矯味及び/又は矯臭作用によ
る服用のし易さから近年広く利用されている。
【0004】ところで、このカプセル剤に利用される前
記ハードゼラチンカプセルは、一般に当該ゼラチン皮膜
中の含有水分が少なくなると極端にその機械的強度が低
下するといった欠点を持っている。すなわち、既存のハ
ードゼラチンカプセルは、通常そのカプセル皮膜中に約
13〜15%程度の水分を保有しているが、これが10
%以下になると皮膜の柔軟性が低下してきわめて脆くな
る。従って、カプセル成形後における例えば内容物充填
作業でのカプセルの機械的取扱に際して、ひび、割れ又
は欠け等のカプセル皮膜に損傷を生じることがある。こ
のような不都合を防止もしくは抑制するための方策とし
ては、日本薬局方にも記載されているとおりゼラチンを
基剤とし、これにグリセリン又はソルビトール等の可塑
剤を添加することが知られているが、これらの可塑剤を
ハードゼラチンカプセルの製造時に添加すると、その添
加量によっては当該カプセル皮膜が柔らかくなり過ぎた
り、またその乾燥速度が遅くなることもあり、現実の使
用に当っては種々の問題が残されている。
【0005】以上のような背景から前記可塑剤の添加に
よる難点を解消する手段として、前記グリセリンに加え
てポリオキシエチレンソルビトールもしくはポリエチレ
ングリコール、またはその両者を添加する方法が既に提
案されている(特公昭33−5649号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
特公昭33−5649号公報の提案は、分子量200〜
800のポリエチレングリコールを添加することにより
ゼラチン皮膜の強度と乾燥性の向上を目的として案出さ
れたものであるが、このゼラチン皮膜はソフトカプセル
に関するものである。
【0007】一方、周知のとおり近年における液状物用
カプセル充填機と同封緘機の開発によって、ハードゼラ
チンカプセルヘ液状物を充填したカプセル剤も実用化さ
れている。
【0008】ところで、平均分子量が200〜600の
範囲にある常温で液状のポリエチレングリコールや中鎖
脂肪酸トリグリセライドは、共に優れた溶解作用と吸収
性を有し、賦形剤として好適なものであるが、前者はそ
れ自体の吸湿性によりカプセル皮膜から水分を奪うため
に、また後者はカプセル皮膜の材質を脆くする性質を持
っており、従って、これらの賦形剤を充填したハードカ
プセルは経時的に割れを発生する不安が多々あり、前記
のソフトカプセルの場合と異なり現実にはその使用が敬
遠されているような状況である。また、公知のハードゼ
ラチンカプセルにおいては、水分に対して不安定な薬物
を充填する場合、安定性確保のために水分を低めに保つ
必要があるが、前述したとおり低水分下のゼラチン皮膜
は割れを発生し易く製剤化が困難となるのを避け得な
い。
【0009】以上要するに従来公知のハードゼラチンカ
プセルは、水感応性物質、すなわち、吸水(湿)性があ
るか、また水に対して反応性もしくは分解性があるか、
更には水放出性を有するような物質を充填したときに
は、そのカプセル皮膜の機械的強度の低下による割れ、
柔軟性不良また脆性化の発現といった難点を持ってい
た。
【0010】本発明はこのような状況に鑑みて提案され
たものであって、水感応性物質を充填した場合における
上記ハードゼラチンカプセルにおける皮膜の低含有水分
下での機械的強度の脆さ、及びその他水感応性物質の充
填製剤化の困難性といった不都合を解消した水感応性物
質充填カプセルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者等は上記課題解決のための具体的手段について鋭
意検討した結果、非フォーム状ハードゼラチンカプセル
のカプセル皮膜として、分子量200〜20000のポ
リエチレングリコールを含有した非フォーム状ハードゼ
ラチンカプセルに水感応性物質を充填することにより、
特にカプセル皮膜中の含有水分量が13重量%以下と少
なくてもカプセルの機械的強度が高く、吸湿性、水反応
性等のいわゆる水感応性物質の充填によるカプセル皮膜
の機械的強度の低下による割れもなく、柔軟性不良、脆
性化の発現といった難点、不都合を解消し得るものであ
ることを見出したものである。
【0012】即ち、本発明は、分子量200〜2000
0のポリエチレングリコールをゼラチンに配合して得ら
れる非フォーム状ハードゼラチンカプセルに水感応性物
質を充填してなることを特徴とする水感応性物質充填ハ
ードゼラチンカプセルを提供する。
【0013】上記手段を採用することにより、ハードゼ
ラチンカプセルのカプセル皮膜の含有水分が少ない低水
分下でも充分な柔軟性と優れた機械的強度を持った非フ
ォーム状ハードゼラチンカプセルに、分子量200〜4
00の低分子ポリエチレングリコールのような吸湿性賦
形剤や中鎖脂肪酸トリグリセライド等水感応性物質を上
述した難点や不都合なく充填した非フォーム状ハードゼ
ラチンカプセルを提供することができる。
【0014】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のカプセルは、ポリエチレングリコールを含有し
た非フォーム状ハードゼラチンカプセルに水感応性物質
を充填したものである。
【0015】本発明の非フォーム状ハードゼラチンカプ
セルとは、欧州特許公開公報第110502号に記載の
あるような気泡入りのハードカプセルではなく、カプセ
ル皮膜中には気泡等の「泡」を実質的に含まない、通常
のハードゼラチンカプセルを意味する。
【0016】本発明において使用されるポリエチレング
リコールは分子量200〜20000、特に#200、
300、400、600、1000、1500、154
0、4000、6000又は20000から選ばれた1
種もしくは2種以上の混合物である。このポリエチレン
グリコールの添加量は、使用される該ポリエチレングリ
コールの分子量によって下記のとおり若干異なる。すな
わち、組成物中のゼラチンに対して、 イ.#200〜1540である場合:1〜50重量% ロ.#4000である場合:0.5〜15重量% ハ.#6000である場合:0.5〜10重量% ニ.#20000である場合:0.1〜5重量% の範囲が好適である。
【0017】上記のとおり一般に使用されるポリエチレ
ングリコールの分子量が大きくなるほど、その添加量は
少なくてよい。それぞれ上記ポリエチレングリコールの
最適添加量を越えてポリエチレングリコールを使用すれ
ばゼラチン溶液は白濁し、その粘度が急激に低下してポ
リエチレングリコールを均一に混合させることができな
くなり、いわゆるコアセルベーションを惹起する。もち
ろんこの状態で均一なカプセル皮膜を成形することはで
きない。また、前記添加量に満たないポリエチレングリ
コールの使用量では目的とするカプセル皮膜の割れ防止
効果を充分には発揮することができない。なお、分子量
が異なる2種以上のポリエチレングリコールを混合して
併用する場合には、その混合比率にもよるがそれぞれ単
独使用の場合の各種最適使用量より若干少なくてよい。
【0018】本発明において、上記ゼラチンカプセル中
の水分含有量は、13重量%以下であり、好ましくは
7.9〜13重量%、より好ましくは10.1〜12.
9重量%であることが推奨される。
【0019】本発明において水感応性物質とは、例えば
分子量200〜600のポリエチレングリコールのよう
な吸湿性あるいは吸水性のある物質、水放出性を有する
物質、また中鎖脂肪酸トリグリセライド等におけるゼラ
チン皮膜の脆化を誘発する物質、その他水に対して反応
性又は分解性等を持った物質をいう。
【0020】なお、この場合において本発明の非フォー
ム状ハードゼラチンカプセルは、従来のハードゼラチン
カプセルの場合と同様に所望によりその他の添加剤、例
えば薬事法あるいは食品衛生法などで指定された食用色
素や不透明化剤等を適宜添加することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0022】[実施例1] (1)ゼラチンジェリーの調製 (a)ジェリー:A ゼラチン7kgに精製水14Lを加え、約1〜2時間放
置して吸水膨潤させる。ゼラチンが充分に膨潤した後、
60℃に加温し、撹拌してゼラチンを均一に溶解させ
る。更に、予め市販の#400のポリエチレングリコー
ルの50重量%水溶液を上記ゼラチン溶液中にそれぞれ
0.7、1.4、2.1、2.8kgずつ加えて撹拌
し、その粘度を調整した後、常法どおり脱泡処理してジ
ェリーを得る。 (b)ジェリー:B〜G 上記#400のポリエチレングリコールの代わりに#1
000〜20000の6種のポリエチレングリコールを
ジェリーAの場合に準じてそれぞれ表1、2に記載する
量を添加して数種のジェリーを調製した。
【0023】(2)ハードゼラチンカプセルの製造 上記(1)で得た各種ポリエチレングリコール含有のジ
ェリーのゼラチン濃度を27重量%に調整した後、該溶
液を約60℃に保持して通常の浸漬法によるカプセル製
造機によりそれぞれサイズ3号の非フォーム状ハードゼ
ラチンカプセルを得る。
【0024】(3)カプセルの割れ試験 上記(2)で得た各種ポリエチレングリコール含有ハー
ドゼラチンカプセルと従来公知のカプセルを対照カプセ
ルとして、各々カプセルに分子量400のポリエチレン
グリコールを充填しバンドシールして7日間保存した
後、これを横方向に置いてテスター産業製加圧試験機で
静圧荷重5kgをカプセル全体に徐々に加え、その時の
割れの発生を確認し、表1、2に示すような結果を得た
(供試カプセル数はそれぞれ50個)。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1、2に示すとおり#400〜2000
0のポリエチレングリコールをそれぞれ所定量含有した
ハードゼラチンカプセルは、たとえ皮膜中の含有水分量
が適正値より少なくなっても皮膜の割れは殆ど認められ
ない。
【0028】(4)溶状試験 前記ジェリー:Eによる本発明の非フォーム状ハードゼ
ラチンカプセルと前記対照カプセルについて日本薬局方
規定の標準条件で、37±1℃に加温した精製水を用い
た溶状試験を行い、表3に示す結果を得た(供試カプセ
ル数5個)。
【0029】
【表3】
【0030】表3の結果からも明らかなように、本発明
の非フォーム状ハードゼラチンカプセルは対照カプセル
に比べて皮膜の溶解時間にそれほどの遅延は認められな
い。
【0031】[参考例]実施例1の(1)、(2)に準
じて#200〜600のポリエチレングリコールをそれ
ぞれ1〜10重量%の範囲に添加したゼラチン組成物を
用いて浸漬法によるハードゼラチンカプセル製造時のカ
プセルの割れの発生状況を調べた。
【0032】実験はカプセル製造機を故意に停止させ、
浸漬した成形ピンを乾燥装置内に通常運転時よりも長時
間放置し(約10時間)、カプセル皮膜が乾燥過度とな
るようにしてからピンより該カプセルを剥ぎ取り、その
際生じるカプセル皮膜の縦方向の割れを調べた。結果は
表4のとおりである。
【0033】
【表4】
【0034】表4のとおり#200〜600のポリエチ
レングリコールを添加した場合には、カプセル製造時に
おけるカプセルの割れ発生を防止することができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
製造時及び吸水性賦形剤である低分子ポリエチレングリ
コールや、あるいはゼラチン皮膜を脆化させる中鎖脂肪
酸トリグリセライド等の水感応性物質を充填した場合の
使用時における割れの発生が少なく、しかも溶解性も改
善された水感応性物質充填ハードゼラチンカプセルを提
供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量200〜20000のポリエチレ
    ングリコールをゼラチンに配合して得られる非フォーム
    状ハードゼラチンカプセルに水感応性物質を充填してな
    ることを特徴とする水感応性物質充填ハードゼラチンカ
    プセル。
  2. 【請求項2】 非フォーム状ハードゼラチンカプセルの
    水分含有量が13重量%以下である請求項1記載の水感
    応性物質充填ハードゼラチンカプセル。
JP10136056A 1998-04-30 1998-04-30 ハードゼラチンカプセル Pending JPH1149667A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10136056A JPH1149667A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 ハードゼラチンカプセル

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JP1173668A Division JPH0611696B2 (ja) 1989-07-04 1989-07-04 ゼラチン皮膜組成物

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JPH1149667A true JPH1149667A (ja) 1999-02-23

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JP10136056A Pending JPH1149667A (ja) 1998-04-30 1998-04-30 ハードゼラチンカプセル

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021024930A1 (ja) 2019-08-02 2021-02-11 クオリカプス株式会社 タグを含むバンドシールにより封緘された硬質カプセル製剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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