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JPH11340516A - 表示装置および照明装置 - Google Patents

表示装置および照明装置

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Publication number
JPH11340516A
JPH11340516A JP14416898A JP14416898A JPH11340516A JP H11340516 A JPH11340516 A JP H11340516A JP 14416898 A JP14416898 A JP 14416898A JP 14416898 A JP14416898 A JP 14416898A JP H11340516 A JPH11340516 A JP H11340516A
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JP
Japan
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phosphor
light emitting
light
green
red
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Application number
JP14416898A
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JP4126751B2 (ja
Inventor
Isamu Nakao
勇 中尾
Yutaka Oki
裕 大木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP14416898A priority Critical patent/JP4126751B2/ja
Publication of JPH11340516A publication Critical patent/JPH11340516A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高輝度、高解像度、低消費電力、薄型の表示
装置および照明装置を提供する。 【解決手段】 基板1上にGaN系発光ダイオードアレ
イを設け、各GaN系発光ダイオード2に対応して赤色
蛍光体5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7を設け、各
GaN系発光ダイオード2から発せられる光によりこれ
らの赤色蛍光体5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7を
励起して発光させるカラー表示装置において、赤色蛍光
体5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7を粒径が励起子
ボーア半径の2倍以下の結晶により構成する。青色蛍光
体7を設けず、GaN系発光ダイオード2から発せられ
る青色の光をそのまま用いてもよい。蛍光体として白色
蛍光体を用いることにより、白色の照明装置を得ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表示装置および
照明装置に関し、特に、窒化物系III−V族化合物半
導体を用いた発光素子およびこの発光素子から発せられ
る光により励起される蛍光体を用いた表示装置および照
明装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】GaN系半導体は直接遷移半導体であ
り、その禁制帯幅は1.9eVから6.2eVに亘って
おり、可視領域から紫外線領域におよぶ発光が可能な発
光素子の実現が可能であることから、近年注目を集めて
おり、その開発が活発に進められている。
【0003】このようなGaN系発光素子を用いた装置
として、全色画像表示装置が提案されている(特開平8
−63119号公報)。この全色画像表示装置において
は、基板上に配置されたGaN系発光ダイオードアレイ
によってそれぞれ赤、緑および青の3原色を発する蛍光
体を励起するか、あるいは、GaN系発光ダイオードア
レイによってそれぞれ赤および緑の蛍光体を励起し、青
にはGaN系発光ダイオードの発光を用いる。
【0004】一方、次世代の表示装置としては、高輝度
かつ高解像度であることが望まれている。このうち輝度
は、発光ダイオードの出力と蛍光体の量子効率とで決ま
るため、蛍光体としてはより量子効率の高いものが望ま
れる。また、解像度は画素の大きさで決まってしまうた
め、蛍光材料を塗布することにより蛍光面を形成する場
合には、画素の大きさに合わせて蛍光体結晶粒子の大き
さも小さくしなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に蛍光
体結晶表面近傍は表面準位による非発光再結合が支配的
になり、ほとんど発光に寄与しない。このため、蛍光体
の結晶粒子を小さくしていくと量子効率は減少する。特
に粒径1μm程度以下では、この減少が著しいと言われ
ている。
【0006】また、エピタキシャル成長、真空蒸着、ス
パッタリングなどで蛍光材料を成膜することにより蛍光
面を形成することも可能であるが、これらの方法では、
屈折率が大きい蛍光体面内で導波的に光が伝搬し、光が
外に放射されにくくなってしまうという不都合がある。
【0007】以上のような理由により、これまでは、G
aN系発光素子を用いた、高輝度かつ高解像度の表示装
置の実現は困難であった。
【0008】したがって、この発明の目的は、高輝度、
高解像度、低消費電力、薄型の表示装置を提供すること
にある。
【0009】この発明の他の目的は、高輝度、低消費電
力、薄型、全固体型の照明装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】結晶サイズを励起子ボー
ア半径程度まで小さくすると(以降このような結晶を
「ナノクリスタル」と呼ぶ)、量子サイズ効果による励
起子の閉じ込めやバンドギャップの増大が観測される
(J.Chem.Phys.,Vol.80,No.9,p.1984)。このようなサイ
ズの半導体には、フォトルミネッセンスにおける量子効
率が大きくなるものもあることが報告されている(Phy
s.Rev.Lett.,Vol.72,No.3,p.416,1994 、MRSbulletin V
ol.23,No.2,p.18,1998および米国特許第5455489
号)。この効果を、発光波長が量子サイズ効果で変化し
ないため比較しやすいMnドープZnS(ZnS:M
n)を例にとって説明する。表1に、メタクリル酸で表
面処理したZnS:Mnナノクリスタルと、1μm以上
の粒径のバルクZnS:Mn粒子とを同じ紫外線ランプ
によって励起したときの発光の輝度を比較して示す。表
1より、ZnS:Mnナノクリスタルでは、バルクZn
S:Mn粒子の5倍近く高い輝度が得られていることが
わかる。
【0011】 表1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ナノクリスタル バルク −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 輝度 69cd/m2 14.2cd/m2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− このような高い量子効果と量子サイズ効果とが物理的に
どのように関係しているかは未だ明確に説明されていな
いが、電子−正孔対形成による振動子強度の増大、エネ
ルギー準位の量子化による発光に寄与しない状態密度の
減少、結晶格子の歪みによる発光中心付近の結晶場の変
化の影響、結晶表面処理などが関係していると考えられ
る。これらのうちどの要素が発光効率に有効に寄与して
いるかは明らかではないが、以下に説明する励起子ボー
ア半径以下の大きさの結晶で、発光効率の増大が報告さ
れている。ここで、励起子ボーア半径とは励起子の存在
確率の広がりを示すもので、4πε0 2 /me2 (た
だし、ε0 は材料の低周波誘電率、hはプランク定数、
mは電子および正孔の有効質量から得られる換算質量、
eは電子の電荷)で表される。例えば、ZnSの励起子
ボーア半径は2nm程度である。
【0012】最も典型的な量子サイズ効果の例として
は、バンドギャップの増大が挙げられる。図1はL.E.Br
usらの理論を基に計算したZnSのバンドギャップの結
晶サイズ依存性を示す。本来のZnSのバンドギャップ
は約3.5eVであるから、直径約8nmより小さい範
囲で量子サイズ効果が大きくなると予測することができ
る。この直径の値は励起子ボーア半径の2倍の半径を有
する結晶に相当する。したがって、励起子ボーア半径の
2倍以下の大きさの結晶からなる蛍光体を用いること
で、量子サイズ効果の発光への寄与を利用することがで
きる。
【0013】一方、表面処理をしていない結晶では、表
面に存在するイオンのダングリングボンドに励起された
電子が捕獲され、非発光再結合するため、発光強度が著
しく減少する。例えば、表2に示すように、アクリル酸
によって表面処理されたZnS:Mnナノクリスタルで
は、結晶表面のダングリングボンドが有効にターミネイ
トされ、表面処理されていない試料に比べて著しく発光
強度が増大している。また、図2に示すように、ZnS
でキャッピングしたCdSeナノクリスタルでは、同じ
ように結晶表面のダングリングボンドがターミネイトさ
れているだけでなく、量子井戸構造をとることで電子−
正孔対がナノクリスタル内に強く閉じ込められ、再結合
する。この材料では、キャッピングのないCdSeナノ
クリスタルに比べ一桁以上高い発光効率が得られ、50
%程度の量子効率が得られる。
【0014】 表2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 表面処理 アクリル酸 無 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 輝度 69cd/m2 9.4cd/m2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 蛍光体としてZnSe量子ドットを用いた場合について
説明する。本来室温ではZnSeは2.58eVのバン
ドギャップを有するが、結晶サイズを粒径8.5±1.
5nm程度まで小さくすると、量子サイズ効果によりバ
ンドギャップは2.8eV程度に大きくなり、波長43
5nm付近にバンド端発光が観測される(図3)。Zn
Seの励起子ボーア半径は4nm程度なので、この蛍光
体の結晶粒径はこれとほぼ同程度と考えられる。この蛍
光体は、紫外線照射により化学反応を誘起することで、
結晶表面のダングリングボンドをターミネイトすること
ができ、さらに結晶表面に生成される反応物質がポテン
シャル障壁となるので、理想的な量子井戸構造を形成す
ることができる。このため、紫外線処理により図4に示
すように発光強度を著しく増大させることができる。
【0015】この蛍光体の励起スペクトル(発光強度の
励起波長依存性)を図3に示す。図3より、波長270
nmおよび波長370nmのところにピークが観測され
る。これらのうち長波長側の370nmのピークはGa
Nのバンドギャップに相当していることから、GaNあ
るいはGaNにInを添加したGaInNを活性層の材
料とする紫外線発光ダイオードでこの蛍光体を励起する
ことにより高い発光効率が得られる。また、発光ピーク
の半値幅も、従来の青色蛍光体に用いられている粒径が
数μmのZnS:Agの60nmに比べ、ZnSe量子
ドットでは20nm程度と非常に狭いので、色品質の良
いディスプレイを実現することが可能である。
【0016】一方、緑色および赤色の蛍光体について
は、ZnSeの一部のZnをCdで置換したZn1-x
x Se(ただし、0<x≦1)量子ドットを用いるこ
とで、バンドギャップを小さくすることができる。そし
て、このZn1-x Cdx Se量子ドットにおいて、Zn
およびCdの組成比あるいは結晶サイズを変えることに
より、所望の波長の発光を得ることができる。これらの
直接バンド間遷移の発光を用いることで、フルカラーデ
ィスプレイを実現することができる。
【0017】さらに、上述のようなナノクリスタルから
なる赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体を混在さ
せた白色蛍光体を用い、この白色蛍光体をGaN系発光
ダイオードの光で励起することにより、白色の照明装置
を得ることができる。
【0018】以上のように、量子サイズ効果を示すよう
な微結晶、すなわちナノクリスタルからなる蛍光体に
は、非常に大きな量子効率を示すものがあるので、この
ような蛍光体を紫外線発光素子で励起することにより、
効率の良い表示装置や照明装置を実現することができ
る。
【0019】この発明は、本発明者による以上のような
検討に基づいて案出されたものである。
【0020】すなわち、上記目的を達成するために、こ
の発明の第1の発明は、窒化物系III−V族化合物半
導体を用いた発光素子と、発光素子から発せられる光に
より励起される蛍光体とを有する表示装置において、蛍
光体が励起子ボーア半径の2倍以下の粒径を有する結晶
からなることを特徴とするものである。
【0021】この発明の第2の発明は、窒化物系III
−V族化合物半導体を用いた発光素子と、発光素子から
発せられる光により励起される蛍光体とを有する照明装
置であって、蛍光体が励起子ボーア半径の2倍以下の粒
径を有する結晶からなることを特徴とする照明装置であ
る。
【0022】この発明において、好適には、蛍光体を構
成する結晶の表面のダングリングボンドがターミネイト
される。また、典型的には、蛍光体を構成する結晶は量
子井戸構造を有する。
【0023】この発明において、発光素子は、典型的に
は、一次元または二次元のアレイ状に配置される。ま
た、これらの発光素子は、典型的には、サファイア基
板、SiC基板、ZnO基板などの基板上に窒化物系I
II−V族化合物半導体を成長させることにより形成さ
れる。
【0024】この発明の第1の発明において、典型的な
一つの例では、蛍光体は、赤色発光部、緑色発光部およ
び青色発光部にそれぞれ設けられた赤色蛍光体、緑色蛍
光体および青色蛍光体からなり、これらの赤色蛍光体、
緑色蛍光体および青色蛍光体のそれぞれに対応して発光
素子が設けられ、発光素子から発せられる光によりこれ
らの赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体が励起さ
れてそれぞれ赤色、緑色および青色を発光するように構
成される。また、典型的なもう一つの例では、蛍光体
は、赤色発光部および緑色発光部にそれぞれ設けられた
赤色蛍光体および緑色蛍光体からなり、これらの赤色蛍
光体および緑色蛍光体のそれぞれに対応して発光素子が
設けられているとともに、青色発光部に発光素子が設け
られ、発光素子から発せられる光によりこれらの赤色蛍
光体および緑色蛍光体が励起されてそれぞれ赤色および
緑色を発光するとともに、青色発光部に設けられた発光
素子から直接青色を発光するように構成される。
【0025】この発明の第2の発明において、典型的に
は、蛍光体は赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体
が混在した白色蛍光体からなり、発光素子から発せられ
る光により白色蛍光体を構成する赤色蛍光体、緑色蛍光
体および青色蛍光体が励起されてそれぞれ赤色、緑色お
よび青色を発光することにより白色を発光するように構
成される。
【0026】この発明において、赤色蛍光体および緑色
蛍光体を構成する結晶は例えばZn1-x Cdx Se(た
だし、0<x≦1)からなり、青色蛍光体を構成する結
晶は例えばZnSeからなる。
【0027】この発明において、窒化物系III−V族
化合物半導体は、Ga、Al、InおよびBからなる群
より選ばれた少なくとも一種類のIII族元素と、少な
くともNを含み、場合によってさらにAsまたはPを含
むV族元素とからなる。この窒化物系III−V族化合
物半導体の具体例を挙げると、GaN、AlGaN、A
lN、GaInN、AlGaInN、InNなどであ
る。
【0028】上述のように構成されたこの発明の第1の
発明によれば、蛍光体が励起子ボーア半径の2倍以下の
粒径を有する結晶からなるので、窒化物系III−V族
化合物半導体を用いた発光素子から発せられる光により
この蛍光体を励起することにより、蛍光体の量子効率を
高くすることができるとともに、蛍光体を構成する結晶
のサイズが極めて小さいことにより解像度を高くするこ
とができる。
【0029】上述のように構成されたこの発明の第2の
発明によれば、蛍光体が励起子ボーア半径の2倍以下の
粒径を有する結晶からなるので、窒化物系III−V族
化合物半導体を用いた発光素子から発せられる光により
この蛍光体を励起することにより、蛍光体の量子効率を
高くすることができるとともに、蛍光体を構成する結晶
のサイズが極めて小さいことにより、より均一な照明を
得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図
において、同一または対応する部分には同一の符号を付
す。
【0031】図5にこの発明の第1の実施形態によるカ
ラー表示装置を示す。図5に示すように、この第1の実
施形態によるカラー表示装置においては、表示面積に対
応した大きさを有するサファイア基板1上に、GaN系
発光ダイオード2が二次元アレイ状に配置されている。
このGaN系発光ダイオード2の発光波長は例えば38
0nm程度である。サファイア基板1としては例えばc
面方位のものが用いられる。これらのGaN系発光ダイ
オード2同士は隔壁3で互いに分離されている。これら
のGaN系発光ダイオード2をはさんでサファイア基板
1と対向して、サファイア基板1と同じ大きさの紫外線
遮断フィルター4がサファイア基板1と平行に設けられ
ている。この紫外線遮断フィルター4のGaN系発光ダ
イオード2側の主面には、各GaN系発光ダイオード2
に対応して蛍光体が設けられている。具体的には、互い
に隣接する三つのGaN系発光ダイオード2を一組と
し、これらのGaN系発光ダイオード2のそれぞれに対
して赤色蛍光体5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7が
設けられている。そして、これらの赤色蛍光体5、緑色
蛍光体6および青色蛍光体7のそれぞれに対応するGa
N系発光ダイオード2から発せられる光が照射されて励
起されることにより、それぞれ赤色、緑色および青色を
発光するようになっている。この場合、これらの一組の
赤色蛍光体5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7とこれ
に対応する一組のGaN系発光ダイオード2とにより1
画素が形成される。
【0032】GaN系発光ダイオード2の構造の一例を
図6に示す。図6に示すように、このGaN系発光ダイ
オード2は、サファイア基板1上にGaNバッファ層2
1、n型GaNコンタクト層22、n型AlGaNクラ
ッド層23、Ga1-x InxN/Ga1-y Iny N多重
量子井戸構造の活性層24、p型AlGaNクラッド層
25およびp型GaNコンタクト層26を順次積層した
構造を有する。n型AlGaNクラッド層23、活性層
24、p型AlGaNクラッド層25およびp型GaN
コンタクト層26は所定のメサ形状を有する。そして、
p型GaNコンタクト層26上に例えばTi/Au膜か
らなるp側電極27がオーミックコンタクトしていると
ともに、n型GaNコンタクト層22上に例えばTi/
Al膜からなるn側電極28がオーミックコンタクトし
ている。
【0033】このGaN系発光ダイオード2の形成は次
のようにして行われる。すなわち、サファイア基板1上
に有機金属化学気相成長(MOCVD)法により例えば
560℃程度の温度でGaNバッファ層21を成長させ
た後、引き続いてMOCVD法により、このGaNバッ
ファ層21上にn型GaNコンタクト層22、n型Al
GaNクラッド層23、活性層24、p型AlGaNク
ラッド層25およびp型GaNコンタクト層26を順次
成長させる。ここで、Inを含まない層であるn型Ga
Nコンタクト層22、n型AlGaNクラッド層23、
p型AlGaNクラッド層25およびp型GaNコンタ
クト層26の成長温度は1000℃程度とし、Inを含
む層であるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量
子井戸構造の活性層24の成長温度は700〜800℃
とする。この後、これらの層にドープされたn型不純物
およびp型不純物の電気的活性化、特にp型AlGaN
クラッド層25およびp型GaNコンタクト層26にド
ープされたp型不純物の電気的活性化のための熱処理を
行う。この熱処理は、例えば窒素ガス雰囲気中において
800℃の温度で行う。次に、p型GaNコンタクト層
26上に所定のストライプ形状のレジストパターン(図
示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスク
として例えば反応性イオンエッチング(RIE)法によ
りn型GaNコンタクト層22に達するまでエッチング
する。この後、このレジストパターンを除去する。次
に、p型GaNコンタクト層26上にp側電極27を形
成するとともに、n型GaNコンタクト層22上にn側
電極28を形成する。次に、基板表面に所定のストライ
プ形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、
このレジストパターンをマスクとして、GaNバッファ
層21、n型GaNコンタクト層22、n型AlGaN
クラッド層23、Ga1-x Inx N/Ga1-y Iny
多重量子井戸構造の活性層24、p型AlGaNクラッ
ド層25およびp型GaNコンタクト層26をエッチン
グする。以上により、GaN系発光ダイオード2が互い
に分離された状態で二次元アレイ状に形成される。
【0034】この第1の実施形態において、赤色蛍光体
5としては、例えば粒径6〜10nmの例えばx=0.
90のZn1-x Cdx Seからなるナノクリスタルある
いはZn1-x Cdx Se量子ドットからなるものが用い
られる。また、緑色蛍光体6としては、例えば粒径6〜
10nmの例えばx=0.38のZn1-x Cdx Seか
らなるナノクリスタルあるいはZn1-x Cdx Se量子
ドットからなるものが用いられる。また、青色蛍光体6
としては、粒径6〜10nm程度のZnSeからなるナ
ノクリスタルあるいはZnSe量子ドットからなるもの
が用いられる。
【0035】上述のように構成されたこの第1の実施形
態によるカラー表示装置においては、入力信号に応じた
電流を各GaN系発光ダイオード2に注入し、各GaN
系発光ダイオード2から発生される光により赤色蛍光体
5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7を励起すること
で、フルカラーの表示を行うことができる。
【0036】以上のように、この第1の実施形態によれ
ば、赤色蛍光体5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7と
も、励起子ボーア半径以下の粒径の結晶、すなわちナノ
クリスタルからなることにより、高輝度、高解像度、低
消費電力のフルカラーフラット型ディスプレイを実現す
ることができる。
【0037】図7はこの発明の第2の実施形態によるカ
ラー表示装置を示す。図7に示すように、この第2の実
施形態によるカラー表示装置においては、青色蛍光体7
が設けられていない。また、GaN系発光ダイオード2
の発光波長は460nm程度である。この場合、青色発
光部においては、GaN系発光ダイオード2から発せら
れる青色の光がそのまま紫外線遮断フィルター4を通っ
て外部に放出される。その他のことは、第1の実施形態
によるカラー表示装置と同様であるので、説明を省略す
る。
【0038】この第2の実施形態によれば、第1の実施
形態と同様の利点を有する。
【0039】図8はこの発明の第3の実施形態による照
明装置を示す。図8に示すように、この第3の実施形態
による照明装置においては、所定の大きさを有するサフ
ァイア基板1上に、GaN系発光ダイオード2が二次元
アレイ状に配置されている。このGaN系発光ダイオー
ド2の発光波長は例えば380nm程度である。サファ
イア基板1としては例えばc面のものが用いられる。こ
れらのGaN系発光ダイオード2同士は隔壁3で互いに
分離されている。これらのGaN系発光ダイオード2を
はさんでサファイア基板1と対向して、サファイア基板
1と同じ大きさの紫外線遮断フィルター4がサファイア
基板1と平行に設けられている。この紫外線遮断フィル
ター4のGaN系発光ダイオード2側の主面には、各G
aN系発光ダイオード2に対応して白色蛍光体8が設け
られている。そして、これの白色蛍光体8に対応するG
aN系発光ダイオード2から発せられる光が照射されて
励起されることにより、白色を発光するようになってい
る。
【0040】GaN系発光ダイオード2の構造および形
成方法は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略
する。
【0041】この第3の実施形態において、白色蛍光体
8としては、第1の実施形態において用いた赤色蛍光体
5、緑色蛍光体6および青色蛍光体7をそれぞれ構成す
る3種類のナノクリスタルを混在させたものからなるも
のが用いられる。
【0042】この第3の実施形態によれば、高輝度かつ
低消費電力のフラット型照明装置を実現することができ
るとともに、従来の照明装置と異なり、全固体で機械的
強度の非常に高い照明装置を実現することができる。
【0043】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0044】例えば、上述の第1、第2および第3の実
施形態において挙げた数値、構造、基板、プロセスなど
はあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異な
る数値、構造、基板、プロセスなどを用いてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の第1の
発明によれば、蛍光体が励起子ボーア半径の2倍以下の
粒径を有する結晶からなることにより、高輝度、高解像
度、低消費電力、薄型の表示装置を実現することができ
る。
【0046】この発明の第2の発明によれば、蛍光体が
励起子ボーア半径の2倍以下の粒径を有する結晶からな
ることにより、高輝度、低消費電力、薄型の照明装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ZnSのバンドギャップエネルギーの結晶サイ
ズ依存性を示す略線図である。
【図2】CdSe量子ドットを示す断面図およびエネル
ギーバンド図である。
【図3】室温で測定されたフォトルミネッセンススペク
トルおよび励起スペクトルを示す略線図である。
【図4】ZnSe量子ドットのフォトルミネッセンス強
度を紫外線照射時間の関数として表した略線図である。
【図5】この発明の第1の実施形態によるカラー表示装
置を示す断面図である。
【図6】この発明の第1の実施形態によるカラー表示装
置におけるGaN系発光ダイオードの構造例を示す断面
図である。
【図7】この発明の第2の実施形態によるカラー表示装
置を示す断面図である。
【図8】この発明の第3の実施形態による照明装置を示
す断面図である。
【符号の説明】
1・・・サファイア基板、2・・・GaN系発光ダイオ
ード、3・・・隔壁、4・・・紫外線遮断フィルター、
5・・・赤色蛍光体、6・・・緑色蛍光体、7・・・青
色蛍光体、8・・・白色蛍光体

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物系III−V族化合物半導体を用
    いた発光素子と、 上記発光素子から発せられる光により励起される蛍光体
    とを有する表示装置において、 上記蛍光体が励起子ボーア半径の2倍以下の粒径を有す
    る結晶からなることを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 上記結晶の表面のダングリングボンドが
    ターミネイトされていることを特徴とする請求項1記載
    の表示装置。
  3. 【請求項3】 上記結晶が量子井戸構造を有することを
    特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 上記発光素子がアレイ状に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 上記蛍光体は赤色発光部、緑色発光部お
    よび青色発光部にそれぞれ設けられた赤色蛍光体、緑色
    蛍光体および青色蛍光体からなり、これらの赤色蛍光
    体、緑色蛍光体および青色蛍光体のそれぞれに対応して
    上記発光素子が設けられ、上記発光素子から発せられる
    光によりこれらの赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍
    光体が励起されてそれぞれ赤色、緑色および青色を発光
    するように構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の表示装置。
  6. 【請求項6】 上記蛍光体は赤色発光部および緑色発光
    部にそれぞれ設けられた赤色蛍光体および緑色蛍光体か
    らなり、これらの赤色蛍光体および緑色蛍光体のそれぞ
    れに対応して上記発光素子が設けられているとともに、
    青色発光部に上記発光素子が設けられ、上記発光素子か
    ら発せられる光によりこれらの赤色蛍光体および緑色蛍
    光体が励起されてそれぞれ赤色および緑色を発光すると
    ともに、上記青色発光部に設けられた上記発光素子から
    直接青色を発光するように構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の表示装置。
  7. 【請求項7】 上記赤色蛍光体および上記緑色蛍光体を
    構成する結晶はZn1-x Cdx Se(ただし、0<x≦
    1)からなり、上記青色蛍光体を構成する結晶はZnS
    eからなることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  8. 【請求項8】 上記赤色蛍光体および上記緑色蛍光体を
    構成する結晶はZn1-x Cdx Se(ただし、0<x≦
    1)からなることを特徴とする請求項6記載の表示装
    置。
  9. 【請求項9】 窒化物系III−V族化合物半導体を用
    いた発光素子と、 上記発光素子から発せられる光により励起される蛍光体
    とを有する照明装置であって、 上記蛍光体が励起子ボーア半径の2倍以下の粒径を有す
    る結晶からなることを特徴とする照明装置。
  10. 【請求項10】 上記結晶の表面のダングリングボンド
    がターミネイトされていることを特徴とする請求項9記
    載の照明装置。
  11. 【請求項11】 上記結晶が量子井戸構造を有すること
    を特徴とする請求項9記載の照明装置。
  12. 【請求項12】 上記発光素子がアレイ状に配置されて
    いることを特徴とする請求項9記載の照明装置。
  13. 【請求項13】 上記蛍光体は赤色蛍光体、緑色蛍光体
    および青色蛍光体が混在した白色蛍光体からなり、上記
    発光素子から発せられる光により上記白色蛍光体を構成
    する上記赤色蛍光体、上記緑色蛍光体および上記青色蛍
    光体が励起されてそれぞれ赤色、緑色および青色を発光
    することにより白色を発光するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項9記載の照明装置。
  14. 【請求項14】 上記赤色蛍光体および上記緑色蛍光体
    を構成する結晶はZn1-x Cdx Se(ただし、0<x
    ≦1)からなり、上記青色蛍光体を構成する結晶はZn
    Seからなることを特徴とする請求項13記載の照明装
    置。
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