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JPH11335559A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物並びにそれからなる成形体及びコネクター - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物並びにそれからなる成形体及びコネクター

Info

Publication number
JPH11335559A
JPH11335559A JP10146774A JP14677498A JPH11335559A JP H11335559 A JPH11335559 A JP H11335559A JP 10146774 A JP10146774 A JP 10146774A JP 14677498 A JP14677498 A JP 14677498A JP H11335559 A JPH11335559 A JP H11335559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
polyarylene sulfide
pas
melt viscosity
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10146774A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Okamoto
正哉 岡本
Minoru Chiga
実 千賀
Koichi Suga
浩一 菅
Kenji Seki
賢治 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Kosan Co Ltd
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Petroleum Energy Center PEC, Idemitsu Kosan Co Ltd, Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Petroleum Energy Center PEC
Priority to JP10146774A priority Critical patent/JPH11335559A/ja
Priority to US09/306,050 priority patent/US6316536B1/en
Publication of JPH11335559A publication Critical patent/JPH11335559A/ja
Priority to US09/902,685 priority patent/US20010047053A1/en
Priority to US10/093,027 priority patent/US20020161172A1/en
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L65/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L65/02Polyphenylenes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/02Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring
    • C08G65/26Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring from cyclic ethers and other compounds
    • C08G65/2603Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring from cyclic ethers and other compounds the other compounds containing oxygen
    • C08G65/2606Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring from cyclic ethers and other compounds the other compounds containing oxygen containing hydroxyl groups
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    • C08K7/04Fibres or whiskers inorganic
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時にバリ発生量が極めて少なく、機械
的物性に優れる上に、流動成形性に優れるポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】ポリアリーレンスルフィド20〜90重量
%と無機フィラー80〜10重量%とからなり、バリが
120mμ以下、ウエルド強度50MPa以上かつ厚み
1mmのスパイラルフロー長さが100mm以上であ
る。ポリアリーレンスルフィドは特定の分岐度指数と曲
げ強度を有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアリーレンスル
フィド(以下PASということがある)と無機フィラー
からなる樹脂組成物並びにそれからなる成形体及びコネ
クターに関する。さらに詳しくは、成形時にバリ発生量
が極めて少なく、ウエルド強度に優れる上に、流動成形
性に優れるポリアリーレンスルフィドと無機フィラーか
らなる樹脂組成物並びにそれからなる成形体及びコネク
ターに関する。
【0002】
【従来の技術】PASは、機械的強度,耐熱性,耐薬品
性等に優れるエンジニアリングプラスティックとして知
られ、PASと無機フィラーを混練した樹脂組成物を成
形した成形品は様々な用途に用いられている。しかしな
がら、上記の樹脂組成物の成形においては、バリが発生
するという欠点があることが指摘されてきた。
【0003】かかるバリ量の低減方法として、様々な方
法が提案されている。例えば、熱架橋により分岐を多く
導入する方法があるが、この場合、バリ量は低減するも
のの機械的物性が低下し、分解ガスが発生したりするお
それがあった(特開昭64−9266号公報)。また、
熱架橋PASの欠点を補うべく、トリクロロベンゼン等
の分岐剤を反応系に添加した後、縮重合させて得られた
分岐PAS(特開昭51−144497号公報等)が提
案されたが、その強度は熱架橋PASに比べると向上し
たものの、直鎖状PASに比べると劣り、低バリ性及び
高強度を必要とされる分野での使用は躊躇されることが
あった。
【0004】更に、PASの縮重合が完了するに至る約
75分までの間に分岐剤を添加して重縮合させて得られ
た分岐PAS(特開昭55−28217号公報)が提案
されているが、前記同様の問題があった。他に、他の樹
脂と複合化したり(特開平4−213357号公報
等)、共重合させたり(特開平8−134352号公報
等)、ポリアリーレンスルフィドを変性させたり(特開
平5−170908号公報等)する技術も提案されてい
るが、これらによっても低バリ性と高強度を十分に満足
する技術とは言えなかった。
【0005】また、上記の樹脂組成物においてはバリが
発生するという欠点の他に、ウエルド強度が低いこと
や、流動性が低下するといった課題に対する改善が望ま
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題に
鑑みなされたものであり、成形時にバリ発生量が極めて
少なく、ウエルド強度に優れる上に、流動成形性に優れ
るポリアリーレンスルフィドと無機フィラーからなる樹
脂組成物並びにそれからなる成形体及びコネクターを提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討した結果、成形時にバリ発生量が極めて
少なく、ウエルド強度に優れる上に、流動成形性に優れ
るポリアリーレンスルフィドと無機フィラーからなる樹
脂組成物を見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成
した。
【0008】すなわち、本発明は、下記に記載のPAS
と無機フィラーからなる樹脂組成物並びにそれからなる
成形体及びコネクターを提供するものである。 1. ポリアリーレンスルフィド(A):20〜90w
t%と無機フィラー(B):80〜10wt%とからな
るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であって、バリ
量が120μm以下であり、ウエルド強度が50MPa
以上であり、かつ厚み1mmのスパイラルフロー長さが
100mm以上であることを特徴とするポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物。 2. ポリアリーレンスルフィド(A)が下記式(1)
〜(4)を満たす上記1記載のポリアリーレンスルフィ
ド樹脂組成物。
【0009】 N≧0.3×log10(ηm )+0.5 ・・・(1) N≧1.10 ・・・(2) F≧57×log10(ηm )−60 ・・・(3) F≧40 ・・・(4) 〔上記各式において、Nは分岐度指数,ηm は溶融粘度
(単位:Pa・s)、Fは曲げ強度(単位:MPa)で
ある。〕 3. ポリアリーレンスルフィド(A)の溶融粘度ηm
が20〜1500Pa・sである上記1または2に記載
のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 4. 無機フィラーがガラス繊維である上記1〜3のい
ずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 5. 上記1〜4のいずれかに記載のポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物を成形してなる成形体。 6. 上記1〜4のいずれかに記載のポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物からなるコネクター。 7. 上記1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成
物を製造するためのポリアリーレンスルフィド樹脂
(A)であって、下記式(1)〜(4)を満たすポリア
リーレンスルフィド樹脂。
【0010】 N≧0.3×log10(ηm )+0.5 ・・・(1) N≧1.10 ・・・(2) F≧57×log10(ηm )−60 ・・・(3) F≧40 ・・・(4) 〔上記各式において、Nは分岐度指数,ηm は溶融粘度
(単位:Pa・s)、Fは曲げ強度(単位:MPa)で
ある。〕 上記樹脂組成物におけるバリ、ウエルド強度及びスパイ
ラルフロー長さとは、下記のものをいう。 ・バリ バリとは、成形用金型のキャビテイ 部において、その組
合せ部の隙間から溶融した成形材料が流出した部分が、
そのまま成形品に付着したものをいう。このバリが少な
いほど成形性が優れている。なお、バリ量は下記(a)
に記載の方法により評価する。
【0011】(a)バリ量は、株式会社日本製鋼所製J
50EP:50トン射出成形機を用い、バリ評価用金型
(この金型のキャビティーはUL燃焼試験片形状をして
おり、サイズは127×12.7×3.18mmであ
り、流動末端に厚み10μmのガス抜き溝が設けてあ
る)を用いて、樹脂温度=320℃、金型温度=135
℃にて樹脂組成物を充填し、バリのない成形体を得るま
では速度制御、その後保圧制御(設定圧力20%)する
成形条件で樹脂組成物を成形した際に前記溝に流出した
バリ長さの平均値をバリ量とする。 ・ウエルド強度 ウエルド強度とは、射出成形又は押し出し成形により樹
脂を成形するときに、溶融した樹脂が2つ以上の流れで
接合するときにできる部分(ウエルド部)の強度をい
う。この値が大きいほど機械的特性が優れている。な
お、ウエルド強度は下記(b)に記載の方法により評価
する。
【0012】(b)ウエルド強度は、株式会社日本製鋼
所製J50EP:50トン射出成形機を用い、ASTM
規格(D−638)のダンベル試験片金型を用い、ダン
ベルのチェック固定部より2点ゲートで樹脂組成物を入
れ、樹脂温度=320℃、金型温度=135℃とし、樹
脂流動端の一部がぶつかり合うまでは速度制御(速度3
0%)、それ以後は保圧制御(保圧設定30%)する成
形条件でダンベル中央部にウエルドを発生させて試験片
を作成し、ASTM(D−638)に準拠して引張試験
を行ない、破断強度の値をウエルド強度とする。 ・スパイラルフロー長さ スパイラルフロー長さとは、射出成形機にて、スパイラ
ルフロー金型を用いて、樹脂を射出したとき樹脂が流動
した距離をいう。この値が大きいほど流動性が優れてい
る。なお、スパイラルフロー長さは下記(c)に記載の
方法により評価する。
【0013】(c)スパイラルフロー長さは、東芝機械
株式会社製IS30EPN:30トン成形機を用い、厚
み1mmのスパイラルフロー金型を用いて、射出圧力=
1000kgf/cm2(設定49%)、樹脂温度=3
20℃、金型温度=135℃、射出時間10秒の成形条
件で樹脂組成物を成形し、流動末端までの長さをスパイ
ラルフロー長さとする。
【0014】また、上記のPASにおける曲げ強度F、
溶融粘度ηm 、溶液粘度及び分岐度指数N(以下、N値
と呼ぶこともある。)の定義は下記の通りである。曲げ
強度Fは、PASを320℃、50kgf/cm2 で長
さ50mm×2mmにプレス成形後、220℃、2時間
アニ−ルしたものを、スパン40mm,テストスピ−ド
1.0mm/分で測定した曲げ強度である。
【0015】溶融粘度ηm は、キャピログラフを用い
て、樹脂温度300℃、剪断速度200/sec.、オ
リフィス半径1mm,オリフィス長さ40mmで測定し
た粘度である。溶液粘度は、ウベローデ粘度計を用い、
測定溶媒がα−クロロナフタレン、測定濃度0.4g/d
l、測定温度206℃で測定した粘度である。
【0016】分岐度指数のN値とは、樹脂の溶融粘度η
(単位:poise)及び剪断速度γ(単位:se
-1)に関し、logηをlogγの関数としてlog
η=f(logγ)で表したとき、下記式で表される値
である。
【0017】
【数1】
【0018】(式中、ηL は直鎖PASの溶融粘度、η
m はN値を求めようとしている分岐PASの溶融粘度、
γは剪断速度を表す。∂logη/∂logγ|γ=200
とは、logγによるlogηの偏微分∂logη/∂
logγにおいて、γ=200(sec-1)における偏
微分値を表す。) 式(5)における、直鎖PASとは、N値を求めようと
している分岐PASと同じ繰り返し単位からなり、さら
に共重合体の場合は同じ構成モノマー比率であり、且
つ、ある剪断速度(本願の場合は、200/s)で、N
値を求める分岐PASと同じ溶融粘度を持つ直鎖PAS
を指す。
【0019】なお、logηをlogγの関数としてl
ogη=f(logγ)で表すにあたっては、以下の関
係式から、ある剪断速度における溶融粘度値を数点求
め、その数点について、最小自乗法等の数学的処理をす
ることにより関数化することができる。即ち、剪断速度
及び剪断応力は、一定のシリンダー及びオリフィスを有
するキャピラリーレオメーターを用いることにより、試
料をある一定の押出速度で押し出すのに要する荷重から
以下の計算式に基づいて得られる値である。
【0020】・剪断速度(sec-1)={4・(SR)
2 ・押出速度(mm/分)}/(10×60×R3 ) ・剪断応力(dyne/cm2 )={荷重(kg)・9
80・103 }/{π・(SR)・2・L} これらにおいて、SRはシリンダー半径、Rはオリフィ
ス半径、Lはオリフィス長さである。このとき、溶融粘
度は、次式により求められる。
【0021】・溶融粘度(poise)=剪断応力(d
yne/cm2 )/剪断速度(sec-1
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のポリアリーレンスルフィ
ド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド(A):2
0〜90wt%と無機フィラー(B):80〜10wt
%とからなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であ
って、前記の方法(a)により測定したバリ量が120
μm以下であり、前記の方法(b)により測定したウエ
ルド強度が50MPa以上でありかつ前記の方法(c)
により測定した厚み1mmのスパイラルフロー長さが1
00mm以上であることを特徴とする。
【0023】以下、本発明について具体的に説明する。 〔I〕本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 1.本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の組
成 (1)組成 本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物はポリア
リーレンスルフィド(A):20〜90wt%と無機フ
ィラー(B):80〜10wt%とからなる。
【0024】本発明においては、無機フィラーの量は、
80〜10wt%であることが必要である。好ましく
は、70〜15wt%である。10wt%未満である
と、寸法安定性に劣る。また、80wt%を超えると、
流動性が著しく低下すると共に機械的強度が低下する。 (a)本発明に用いられるPAS 本発明に用いられるPASは、特に制限はなく、再製品
を用いることもできるが、以下の関係を満たすPASが
好適に用いられる。本発明に好適に用いられるPAS
は、溶融粘度ηm とN値の関係式、 N≧0.3 log10(ηm )+ 0.5・・・(1),N≧1.10・・・(2) を満たす。より好ましくは、 N≧0.3 log10(ηm )+0.55・・・(6),N≧1.1 0・・・(2) さらに好ましくは、 N≧0.3 log10(ηm )+0.6 ・・(7),N≧1.10・・・(2) を満たす。
【0025】前記関係式を満たすPASを用いた場合
は、従来の分岐PASを用いた場合に比べ、同じ溶融粘
度におけるN値が大きく、バリ抑制性能に優れている。
従来の分岐PASは、N値を大きくすると、溶融粘度も
増大し、結果として成形性悪化、特に射出成形性が悪く
なり、実用面で不利であった。前記関係式を満たすPA
Sを用いた場合は、実用的な成形性を持つ溶融粘度領域
において、従来の分岐PASを用いた場合に比べ、優れ
たバリ抑制性能を示す。
【0026】前記関係式を満たすPASにおけるN値は
1.10以上であることが好ましい。より好ましくは
1.10〜1.50、さらに好ましくは1.20〜1.
45である。1.10未満のPASを用いると成形時の
バリの低減が十分でなく、1.50を超えるPASを用
いると機械的強度、特に靱性が低下することがあるう
え、溶融粘度が高すぎて成形条件が厳しくなる場合もあ
る。
【0027】また、溶融粘度ηm は、射出、押出、ゲル
成形法等公知の成形法で成形可能な限り特に制限はない
が、好ましくは20〜1500Pa・s、更に好ましく
は60〜1000Pa・s、特に好ましくは80〜80
0Pa・sである。20Pa・s未満のPASを用いる
と、成形が困難、又は成形できても機械的物性、耐熱性
等、PASの良好な特性が十分に発現されない恐れがあ
り、1500Pa・sを越えるPASを用いると成形が
困難、又は成形方法、成形条件の選択幅が非常に狭くな
る恐れがある。
【0028】前記関係式を満たすPASは、前記式
(1)及び(2)、好ましくは(6)及び(2)、特に
好ましくは(7)及び(2)を満たすうえに、さらに下
記 F≧57log10(ηm )−60・・(3)、F≧40・・(4) を満たす。より好ましくは、 F≧57log10(ηm )−55・・(8)、F≧40・・(4) 特に好ましくは、 F≧57log10(ηm )−50・・(9)、F≧40・・(4) を満たす。
【0029】このようなPASを用いた場合は、従来の
熱架橋PAS等を用いた場合に比べ、同じ溶融粘度にお
いてより大きな曲げ強度を示す。本発明に好適に用いら
れるPASは、曲げ強度は40MPa以上、好ましくは
50MPa以上、特に好ましくは60MPa以上であ
る。曲げ強度が40MPa未満の場合、実用上使用でき
る用途が著しく狭くなる。
【0030】本発明に好適に用いられるPASは、−A
r−S−(但しArはアリール基)で表される繰り返し
単位を70モル%以上含有している。代表的なものは、
下記構造式(I)
【0031】
【化1】
【0032】(式中、R1は炭素数6以下のアルキル基
及びアルコキシ基、フェニル基、カルボン酸及びその金
属塩、アミノ基、ニトロ基、並びにフッ素,塩素,臭素
等のハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基であ
り、mは0〜4の整数である。)で示される繰り返し単
位を70モル%以上有するPASであり、溶液粘度(ウ
ベローデ粘度計を用い、測定溶媒がα−クロロナフタレ
ン,測定濃度0.4g/dl、測定温度206℃で測定し
た値)が、0.13〜0.50dl/g、好ましくは
0.15〜0.45dl/g、特に好ましくは0.20
〜0.35dl/gである。又、本発明に用いられるP
ASは構造式(I)以外に共重合構成単位として、メタ
フェニレンスルフィド単位、オルソフェニレンスルフィ
ド単位、p,p’−ジフェニレンケトンスルフィド単
位、p,p’−ジフェニレンスルホンスルフィド単位、
p,p’−ビフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジ
フェニレンエーテルスルフィド単位、p,p’−ジフェ
ニレンメチレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレ
ンクメニルスルフィド単位、ナフチルスルフィド単位な
どを30モル%未満含んでいても良い。
【0033】(b)本発明に好適に用いられるPASの
製造方法 上述した前記の関係を満たす本発明に好適に用いられる
PASを製造する方法は、以下のような製造方法が挙げ
られる。
【0034】すなわち、溶液粘度が0.05〜0.25
dl/gであるPASのプレポリマー、該プレポリマー
が溶解している溶液又はスラリーのいずれかに分岐剤を
添加して、更に必要に応じて重合溶媒及び硫黄源を添加
して、230〜290℃で縮重合させること、及び重合
時の重合溶液が相分離していないことを特徴とする製造
方法により製造することができる。
【0035】プレポリマーは、溶液粘度が0.05〜
0.25dl/g、好ましくは0.07〜0.20dl
/gであり、分岐していないことを除けば、前記関係式
を満たすPASと同じ組成を有する。プレポリマーの溶
液粘度が0.05dl/g未満の場合、低分子量のPA
Sも生成するため分子量分布が広くなり、その結果、成
形時にガスが発生したり、成形品の耐熱性が低下する恐
れがある。プレポリマーの溶融粘度が0.25dl/g
を超えると、PASの高分子量化は進むが、その割りに
はN値や強度が向上しないため、前記関係式を満たすP
ASが得られない。
【0036】プレポリマーの製造方法は、例えば本願比
較例3の様な公知の直鎖PASの製造方法に準じて良
く、任意の溶液粘度のプレポリマーを得るために、重合
時間等を適宜設定すれば良い。重合時間は重合助剤や水
の有無等により変動するが、通常0.1〜4時間、好ま
しくは0.1〜2時間である。0.1時間より短いとプ
レポリマーの溶液粘度が0.05dl/g未満になるこ
とがあり、4時間を超えると溶液粘度が0.25dl/
gを超えることがある。
【0037】なお、前記のプレポリマーは、上記の特徴
を有する製造方法において分岐剤を添加して重合する前
に反応系に存在するPASを意味しており、低分子量の
いわゆるオリゴマーに限定されるものではなく、通常ポ
リマーと見なされる程度の分子量を有するものでもあり
得る。前記分岐剤は公知の分岐剤を使用して良く、例え
ば特開昭56−28217号公報に記載されている、ト
リクロロベンゼン、トリブロモベンゼン、テトラクロロ
ナフタレン等の3個以上のハロゲン置換基を持つポリハ
ロ芳香族化合物や、ジハロゲン化アニリン、ジハロゲン
化ニトロベンゼンが挙げられる。その中でも特に1,
2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロ
ベンゼンが好ましい。
【0038】プレポリマーの繰り返し単位のモル数に対
する分岐剤の添加割合は、求める分岐度に合わせて定め
られるが、通常ば0.1〜1.5モル%、好ましくは
0.3〜1.2モル%、更に好ましくは0.5〜1.0
モル%である。分岐剤の添加割合が必要以上に多いと、
分岐度が必要以上に大きくなりすぎて、成形性悪化、強
度低下が起こることもあり、必要以上に少ないと分岐度
が小さく、成形時のバリ抑制性能が劣り,本発明の樹脂
組成物に用いた場合好ましくない場合がある。
【0039】重合溶媒は、PASの重合に使用できる公
知の溶媒を使用して良く、例えば特開昭56−2821
7号公報に記載されて有機アミド溶媒が挙げられる。そ
の中でもN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が好ま
しい。重合に際し、重合溶媒が状況に応じて追加され
る。例えば、プレポリマーが固体状の場合は、重合を実
行できるに足る量、添加すべきであり、溶媒に溶解して
いる場合、若しくはスラリー状の場合は必ずしも重合溶
媒を添加する必要はない。
【0040】前記の製造法では、重合溶液中における重
合溶媒の存在量は、プレポリマーの繰り返し単位のモル
数に対し、モル比で2〜20が好ましく、更に好ましく
は3〜15である。前記硫黄源も公知のものが使用で
き、例えば特開昭55−28217号公報に記載されて
いるアルカリ金属スルフィドや、アルカリ土類金属スル
フィドが挙げられる。その中でも硫化リチウム,硫化ナ
トリウムが好ましい。
【0041】重合溶液中に含まれる硫黄源の存在量は、
プレポリマーの繰り返し単位のモル数に対し通常、0〜
10モル%、好ましくは0.9〜6モル%である。10モ
ル%を超えると、解重合等の分解反応が進むことがあ
る。更に必要なら水酸化リチウムを、プレポリマーの繰
り返し単位のモル数に対しモル比で、0〜10、好まし
くは1〜5添加しても良い。
【0042】重合温度は、重合時の重合溶液が相分離せ
ず、均一相を保つように、230〜290℃、好ましく
は240〜280℃、特に好ましくは250℃〜275
℃とする。プレポリマー及び重合中に生成するPASが
溶媒に溶解して相分離しない範囲で多段階に変化させて
も良い。重合時間は特に制限はないが、通常、0.1〜
24時間、好ましくは0.5〜10時間、特に好ましく
は0.5〜2時間である。重合時間は、重合温度、触媒
等により影響されるが、必要以上に長過ぎても、得られ
るPASの強度が低下したり、一部PASが分解して低
分子量成分が増えたPASが得られることもあり、経済
的にも物性面でも不利になる恐れがある。
【0043】前記の重合方法において、重合時の重合溶
液の相分離を防ぎ、均一相を保持する方法としては、重
合温度を適切に設定する以外に、重合溶液中の重合副成
塩を減らすか、水分量を適切に設定することが挙げられ
る。重合副成塩を減らす方法としては、例えば、水、N
MP等の重合溶媒で洗浄したプレポリマーを用いること
が挙げられる。
【0044】重合溶液中の水分量は、本発明の効果を阻
害しない限り特に制限されないが、反応溶液の重量を1
00%として10%以内、特に5%以内であるのが好ま
しい。水分量が10%を越えると、重合溶液が相分離す
るおそれがある。また、プレポリマーに分岐剤等を添加
した直後の重合溶液中に含まれるジハロ芳香族化合物
は、プレポリマーの繰り返しモル数とジハロ芳香族化合
物のモル数の総和に対し、30モル%以下であることが
好ましく、より好ましくは20モル%以下、特に好まし
くは10モル%以下である。
【0045】重合溶液中にジハロ芳香族化合物が多い
と、最終的に得られるPASの分子量分布が広くなり、
PASの耐熱性が低下したり、重合副生塩が多く発生
し、重合溶液が相分離する恐れがある。ジハロ芳香族化
合物の存在量が少ない重合溶液を得るためには、プレポ
リマーを合成する際、ジハロ芳香族化合物の転化率が、
好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%
以上、特に好ましくは90モル%より大きくなるまで反
応させるか、プレポリマ−を含む溶液から、プレポリマ
−を析出させた後、水やNMP等の重合溶媒や塩化メチ
レン、アセトン等の有機溶媒で十分に洗浄すれば良い。
【0046】重合後が終了した後の反応溶液から、本発
明のPASを取り出す方法は公知の方法で良い。例えば
水等の相分離剤を添加して冷却させることで、顆粒及び
/又は粉末状PASとして取り出す方法、水等の相分離
剤を添加し、かつPASが析出しない温度に保持して相
分離剤させ、反応槽の下部からPAS相(液相)で取り
出す方法が挙げられる。
【0047】取り出したPASは水、NMP等の有機溶
媒で洗浄した後、フラッシュ法で洗浄液を除去する等、
公知の方法で精製することができる。 (c)本発明に用いられる無機フィラー 本発明に用いられる無機フィラーとしては、特に制限は
なく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、
チタン酸カリウムウィスカ、炭化ケイ素ウィスカ、マイ
カセラミック繊維、ウォストナイト、マイカ、タルク、
シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、シリカアルミ
ナ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、
炭酸リチウム、二硫化モリブデン、黒鉛、酸化鉄、ガラ
スビーズ、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、リン酸マグネシウム、窒化ケイ素、ハイド
ロタルサイト等が用いられる。これらは単独で用いて
も、2種以上組み合わせても差し支えない。
【0048】また、これらの無機フィラーと共に各種カ
ップリング剤、例えば、アミノシラン系、メルカプトシ
ラン系、エポキシシラン系等や無機系や有機系の顔料を
用いることができる。さらに、特性を損ねない程度に他
の樹脂を添加しても良い。2.本発明のポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物の特徴本発明の樹脂組成物は下記
の測定方法により測定した以下の特徴を有する。 (1)バリ量 本発明の樹脂組成物は、バリ量が120μm以下である
ことが必要である。好ましくは100μm以下、より好
ましくは90以下である。120μmを超えると精密成
形等の精度が要求される用途に適用することができず好
ましくない。なお、バリ量は前記(a)に記載した方法
により評価した。 (2)ウエルド強度 本発明の樹脂組成物は、ウエルド強度50MPa以上で
あることが必要である。好ましくは60MPa以上、よ
り好ましくは70MPa以上である。50MPa未満で
は、機械的強度が低下し好ましくない。なお、ウエルド
強度は前記(b)に記載した方法により評価した。 (3)スパイラルフロー長さ 本発明の樹脂組成物は、厚み1mmのスパイラルフロー
長さが100mm以上であることが必要である。好まし
くは110mm以上、より好ましくは120mm以上で
ある。100mm未満では、流動性が低下し好ましくな
い。なお、スパイラルフロー長さは前記(c)に記載し
た方法により評価した。3.本発明の樹脂組成物の製造
方法本発明の樹脂組成物を製造する方法としては、特に
制限はないが、好ましくは前記PASと無機フィラー及
び必要に応じて各種カップリング剤、安定剤等の添加剤
や他の樹脂等を所望の割合で混合し、2軸混練機を用い
て押し出すことにより製造することができる。押出機の
温度は、通常280〜340℃の範囲で行えばよい。 〔II〕本発明の成形体 本発明の成形体は、前記の樹脂組成物を射出成形により
製造したものである。射出成形の樹脂温度は、通常28
0〜340℃の範囲で行えばよい。本発明の成形体とし
ては、射出成形品であれば特に制限はなく、各種電気電
子部品、機械部品及び自動車部品等を挙げることができ
る。 〔III〕本発明のコネクター 本発明のコネクターは、前記の樹脂組成物を射出成形に
より製造したものであり、少なくとも2つの電気電子機
器部品等の部品相互間を電気的及び機械的に接続するた
めの接続具であって、その形状または構造については特
に制限はない。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。なお、評価は次の方法で行なった。 (1) 溶融粘度(ηm ) キャピラリーレオメーター(東洋精機社製、キャピログ
ラフI型相当)を用いて、樹脂温度300℃、オリフィ
ス半径1mm,オリフィス長さ40mmの条件下で前述
の算出方法により求めた。 (2) 分岐度指数(N値) 各剪断速度における溶融粘度の値を5点以上求め、各々
のlog値について最小自乗法によりlogηをlog
γの関数としてlogη=f(logγ)を求め、前述
の方法により分岐度指数N値を算出した。 (3) 曲げ強度(F) 試料を320℃、50kgf/cm2 で長さ50mm×
2mmにプレス成形し、220℃、2時間アニ−ルした
ものを、スパン40mm,テストスピ−ド1.0mm/
分で測定した値。(島津製作所株式会社,精密万能試験
機:島津オ−トグラフIS−5000Bを使用) (4) バリ量 バリ量は、前記(a)に記載した方法により測定し、評
価した。なお、バリ量は万能投影機で測定した。 (5) ウエルド強度 ウエルド強度は、前記(b)に記載した方法により測定
し、評価した。 (6) スパイラルフロー長さ スパイラルフロー長さは、前記(c)に記載した方法に
より測定し、評価した。 [実施例1]ステンレス製10リットルオートクレーブ
に、硫化リチウム540.8g、NMP5.1リット
ル、パラジクロロベンゼン(PDCB)1695.7
g、水酸化リチウム5.3g、水318.1gを仕込
み、窒素雰囲気下、260℃まで昇温し、0.5時間反
応させ、プレポリマ−を合成した。
【0050】プレポリマ−を反応液から分離し、NMP
次いで水、アセトンを用いて洗浄し、120℃、8時間
減圧乾燥した。得られたプレポリマ−の溶液粘度は0.
14dl/gであった。次いで1リットルオートクレー
ブに、プレポリマ−51.84g、硫化リチウム0.5
5g,トリクロロベンゼン(TCB)0.73g,水酸
化リチウム0.6g、水8.65g、NMP216.3
2gを仕込み、窒素雰囲気下、260℃で1時間反応さ
せ(本重合)、ポリマーを合成した。仕込んだ重合成分
が重合溶媒に溶解してから重合終了時まで、重合溶液は
相分離しなかった。
【0051】重合溶液を冷却して、ポリマーを析出させ
たのち、遠心分離機で重合溶媒を分離した。得られた重
合体をNMP次いで水、アセトンを用いて洗浄し、12
0℃、8時間減圧乾燥した。得られたポリマ−の溶融粘
度は364Pa・s、N値は1.49、Fは124MP
aであった。得られた結果を表1に示した。次に、得ら
れたポリマーにエポキシシラン系シランカップリング剤
(東レ・ダウコウニング製SH6040)を表1に示し
た割合で配合した後、2軸混練機を用い、ガラス繊維
(旭ファイバーガラス製JAF591)を押出機の下流
より投入しながら310°Cでペレット化した。得られ
たペレットについて、バリ、ウエルド強度及びスパイラ
ルフロ−長さを評価した。結果を表2に示した。 [実施例2]プレポリマーに添加する硫化リチウムの量
を0.48g、TCBの量を0.64gに変えた以外
は、実施例1と同様に操作し、ポリマーを合成した。得
られたポリマ−の溶融粘度は127Pa・s、N値は
1.23、Fは80MPaであった。得られた結果を表
1に示した。
【0052】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例3]プレポリマーの合成時間を1hrとして溶
液粘度0.17dl/gのプレポリマーを合成し、次の
重合に用いたこと、硫化リチウムの量を0.34g、T
CBの量を0.45gに変えた以外は、実施例1と同様
に操作し、ポリマーを合成した。得られたポリマ−の溶
融粘度は243Pa・s、N値は1.30、Fは102
MPaであった。得られた結果を表1に示した。
【0053】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例4]プレポリマーの合成時間を0.1hrとして
溶液粘度0.11dl/gのプレポリマーを合成し、次
の重合に用いたこと、硫化リチウムの量を0.75g、T
CBの量を0.91gに変えた以外は、実施例1と同様
に操作し、ポリマーを合成した。得られたポリマ−の溶
融粘度は135Pa・s、N値は1.33、Fは76MP
aであった。得られた結果を表1に示した。
【0054】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例5]プレポリマーに、更にチオフェノール0.
83gを加えた以外は、実施例1と同様に操作し、ポリ
マーを合成した。得られたポリマ−の溶融粘度は111
Pa・s、N値は1.18、Fは82MPaであった。
得られた結果を表1に示した。
【0055】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例6]本重合時間を0.5時間にした以外は、実
施例1と同様に操作しポリマーを合成した。得られたポ
リマ−の溶融粘度は135Pa・s、N値は1.33、F
は76MPaであった。得られた結果を表1に示した。
【0056】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例7]プレポリマーに添加するTCBの量を0.
45gに変えて、本重合時間を2時間に変えた以外は、
実施例1と同様に操作しポリマーを合成した。得られた
ポリマ−の溶融粘度は364Pa・s、N値は1.32、
Fは72MPaであった。得られた結果を表1に示し
た。
【0057】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例8]プレポリマーに添加する水酸化リチウムを
0.24gに変えた以外は、実施例1と同様に操作しポ
リマーを合成した。得られたポリマ−の溶融粘度は23
6Pa・s、N値は1.38、Fは104MPaであっ
た。得られた結果を表1に示した。
【0058】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例9]実施例3で得られたプレポリマーに添加す
るTCBの量を0.54gに変えた以外は、実施例1と
同様に操作しポリマーを合成した。得られたポリマ−の
溶融粘度は696Pa・s、N値は1.44、Fは118
MPaであった。得られた結果を表1に示した。
【0059】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [実施例10]実施例1で得られたポリマーを用い、エ
ポキシシラン系シランカップリング剤(東レ・ダウコウ
ニング製SH6040)を用いなかった以外は実施例1
と同様に行った。結果を表2に示した。 [比較例1]1リットルオートクレーブに、PDCB1
10.26g、硫化リチウム34.46g、TCB1.
63g、水24.53g、NMP334.21gを仕込
み、窒素雰囲気下、260℃、3時間反応し、ポリマー
を合成した。
【0060】ポリマーを反応液から分離し、NMP次い
で水、アセトンを用いて洗浄し、120℃、8時間減圧
乾燥した。得られたポリマ−の溶融粘度は179Pa・
s、N値は1.40、Fは41MPaであった。得られ
た結果を表1に示した。得られたポリマーを用いた以外
は実施例1と同様にペレット化し、評価を行った。結果
を表2に示した。 [比較例2]TCBの量を0.69g、水の量を10.
09gに変えた以外は、比較例1と同様の操作を行なっ
た。得られたポリマ−の溶融粘度は245Pa・s、N
値は1.30、Fは58MPaであった。得られた結果
を表1に示した。
【0061】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [比較例3]TCBを添加せず、水の量を10.09g
に変えた以外は、比較例1と同様の操作を行なった。得
られたポリマ−の溶融粘度は100Pa・s、N値は
1.01、Fは112MPaであった。得られた結果を
表1に示した。
【0062】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [比較例4]260℃で1時間経た後に、TCBを1.
63g添加し、更に1時間反応を続けた以外は比較例1
と同様に行なった。得られたポリマ−の溶融粘度は18
9Pa・s、N値は1.34,Fは55MPaであっ
た。得られた結果を表1に示した。
【0063】得られたポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示
した。 [比較例5]ポリマーとして、東レ−フィリップス・ペ
トロケミカル社製M2588用いた以外は実施例1と同
様にペレット化し、評価を行った。結果を表2に示し
た。 [比較例6]ポリマーとして、呉羽化学工業社製フォー
トロンKPSを用いた以外は実施例1と同様にペレット
化し、評価を行った。結果を表2に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物は、成形時のバリ発生量が極めて少なく、ウエル
ド強度に優れるうえ、流動特性に優れることから、射出
成形法による精密成形品の成形材料やコネクター等の種
々の成形品に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08J 5/00 CEZ C08J 5/00 CEZ (72)発明者 千賀 実 千葉県市原市姉先海岸1番地1 (72)発明者 菅 浩一 千葉県袖ヶ浦市上泉1280 (72)発明者 関 賢治 千葉県袖ヶ浦市上泉1280

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリーレンスルフィド(A):20
    〜90wt%と無機フィラー(B):80〜10wt%
    とからなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物であっ
    て、バリ量が120μm以下であり、ウエルド強度が5
    0MPa以上であり、かつ厚み1mmのスパイラルフロ
    ー長さが100mm以上であることを特徴とするポリア
    リーレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアリーレンスルフィド(A)が下記
    式(1)〜(4)を満たす請求項1記載のポリアリーレ
    ンスルフィド樹脂組成物。 N≧0.3×log10(ηm )+0.5 ・・・(1) N≧1.10 ・・・(2) F≧57×log10(ηm )−60 ・・・(3) F≧40 ・・・(4) 〔上記各式において、Nは分岐度指数,ηm は溶融粘度
    (単位:Pa・s)、Fは曲げ強度(単位:MPa)で
    ある。〕
  3. 【請求項3】 ポリアリーレンスルフィド(A)の溶融
    粘度ηm が20〜1500Pa・sである請求項1また
    は2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機フィラーがガラス繊維である請求項
    1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリア
    リーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリア
    リーレンスルフィド樹脂組成物からなるコネクター。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のポリアリーレンスルフィ
    ド樹脂組成物を製造するためのポリアリーレンスルフィ
    ド樹脂(A)であって、下記式(1)〜(4)を満たす
    ポリアリーレンスルフィド樹脂。 N≧0.3×log10(ηm )+0.5 ・・・(1) N≧1.10 ・・・(2) F≧57×log10(ηm )−60 ・・・(3) F≧40 ・・・(4) 〔上記各式において、Nは分岐度指数,ηm は溶融粘度
    (単位:Pa・s)、Fは曲げ強度(単位:MPa)で
    ある。〕
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