JPH11320228A - 穴明け工具 - Google Patents
穴明け工具Info
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- JPH11320228A JPH11320228A JP13561998A JP13561998A JPH11320228A JP H11320228 A JPH11320228 A JP H11320228A JP 13561998 A JP13561998 A JP 13561998A JP 13561998 A JP13561998 A JP 13561998A JP H11320228 A JPH11320228 A JP H11320228A
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Abstract
面取りを行う穴明け工具において、切刃チップ11を保
持するカートリッジ9のコンパクト化を図る。 【解決手段】 先端に切刃5,5を備えた工具本体1に
設けられたカートリッジ9に保持され、工具外周側に弾
性的に付勢されて工具本体1の外周に出没自在とされた
切刃チップ11を備えた穴明け工具において、切刃チッ
プ11を付勢する付勢部材として捩りコイルバネ15を
用いたり、カートリッジ9の可動部14の先端部14A
と後端部14Bとを工具本体1の周方向にずらして形成
したり、略正三角形平板状の切刃チップ11を、工具本
体1の外周に没入した状態においてその正三角形面11
Aの工具外周側に位置する一の角部11Dに対向する底
辺が工具回転方向T側から見て工具本体1の軸線Oに略
平行となるように保持したりする。
Description
に被削材の加工穴の開口部周縁のバリ取りや面取りを行
うことが可能な穴明け工具に関するものである。
許第2641694号公報や特開平8−155716号
公報に記載されたものが知られている。これらの公報に
記載された穴明け工具では、軸線回りに回転される工具
本体の外周に形成された切屑排出溝の先端に臨んで切刃
が設けられるとともに、工具本体の周方向に上記切屑排
出溝の間に画成されるランドの工具先端側には上記軸線
に平行に凹溝が形成され、この凹溝に、カートリッジに
保持された切刃チップが工具本体の外周面に出没自在に
取り付けられた構成とされている。ここで、上記カート
リッジにおいては、上記軸線に平行に真っ直ぐ延びるア
ーム状の可動部が、その後端部が工具本体側に支持され
て上記凹溝内に収容されており、この可動部の先端部に
は上記切刃チップが取り付けられていて、可動部自体が
変形したり、あるいは上記後端部がピンなどによって回
動可能に軸支されたりすることにより、この切刃チップ
は工具本体の径方向に変位可能とされるとともに、可動
部自体の変形による弾性力や、あるいは可動部と凹溝の
底面との間に板バネや圧縮コイルバネ、あるいは複数の
皿バネ等が付勢部材として介装されることにより、該切
刃チップが工具外周側に付勢されるようになされてい
る。
状をなすものであって、そのすくい面とされる正三角形
面の角部に交差する二辺にはそれぞれ切削刃が形成され
ており、このすくい面を工具回転方向に向けるとともに
一の上記角部を工具外周側に位置させ、この角部に交差
する上記切削刃が工具先端外周側と工具後端外周側とを
向いて山型に工具本体の外周面から突出するように取り
付けられている。さらに、この切刃チップは、こうして
上記正三角形面の一の角部が工具外周側に突出した状態
で、この一の角部に対向する底辺が工具回転方向側から
見て工具本体の上記軸線に略平行となるように、上記カ
ートリッジに取り付けられている。
ば、工具本体を回転させながら前進させることにより、
上記切刃によって被削材に加工穴が形成されるととも
に、この加工穴の開口部周縁が上記切刃チップの工具先
端外周側を向く切削刃によって切削されるので、この開
口部周縁に生じたバリを削り取ったり、あるいはこの開
口部周縁に面取り加工を施したりすることができる。そ
して、さらに工具本体を前進させると、この切刃チップ
は、被削材の加工穴内周に押し込まれるようにして一旦
工具本体内に没入し、次いで加工穴が貫通して切刃チッ
プが該加工穴から抜け出ると、上記カートリッジに付勢
されて再び工具本体外周に突出するので、ここから工具
本体を後退させることにより、工具後端外周側を向く切
削刃によって加工穴の貫通側の開口部周縁のバリ取りや
面取り加工を行うことができる。
記載された従来の穴明け工具では、上記付勢部材が上述
のように板バネや圧縮コイルバネ、あるいは皿バネであ
るため、例えば加工条件等に応じてこの付勢部材による
付勢力を大きくしなければならない場合には、板バネの
厚さを厚くしたり、圧縮コイルバネの巻き数を増やした
り、または線径を太くしたり、あるいは皿バネの枚数を
増やしたりしなければならず、いずれにおいてもカート
リッジの可動部と凹溝の底面との間が大きくなることが
避けられない。そして、これに伴い該カートリッジを収
容する上記凹溝も深くなって工具本体が大きく切り欠か
れることとなるため、特に小径の穴明け工具などにおい
ては、工具剛性が損なわれて折損等が生じたり、あるい
はかかるカートリッジを収容可能な凹溝を形成すること
自体が不可能となるおそれがあった。
角形平板状とされた上記切刃チップが、その三角形面を
すくい面として工具回転方向に向け、かつ該三角形面の
一の角部を工具外周側に突出させるとともに、この一の
角部に対向する上記三角形面の底辺を、上記一の角部が
工具外周側に突出した状態、すなわち該切刃チップが被
削材の加工穴に押し込まれる前の状態で、工具回転方向
側から見て工具本体の軸線に平行となるように配置され
ている。ところが、このような状態から、上記切刃チッ
プが被削材の加工穴に押し込まれるのに伴い、上記カー
トリッジの可動部が変形したり、あるいは上記ピンを中
心に回動したりすることによって該切刃チップが工具内
周側に変位する際には、上記底辺が軸線に平行な状態か
ら工具先端側に向かうに従い工具内周側に向けて傾斜す
るように切刃チップが傾きつつ凹溝内に没入することと
なる。従って、このように底辺を傾斜させた状態で切刃
チップを凹溝内に没入させるには、この凹溝を、上記正
三角形面の底辺から一の角部までの高さ以上の深さで形
成しなければならず、やはり小径の穴明け工具などにお
いては工具剛性が損なわれたり、凹溝自体の形成が困難
となるという問題もあった。
ジの上記可動部が工具本体の軸線に平行に延びるように
配置され、これに伴い該カートリッジが収容される凹溝
も工具本体の軸線に平行に延びるように形成されてい
る。ところが、この凹溝が形成される工具本体の上記ラ
ンドは、ツイストドリルのように上記切屑排出溝が工具
本体の軸線回りに捩れて形成されている場合には、同様
に軸線回りに捩れて形成されることとなり、特に上述の
ような小径の穴明け工具や、あるいは上記切屑排出溝の
捩れ角が大きな穴明け工具においては、上記ランドの軸
線方向の長さも短くなる。従って、そのような穴明け工
具のランドに、上述のように工具本体の軸線に平行に延
びるように凹溝を形成するにも自ずと限度があり、かか
る穴明け工具に可動部の長さが長いカートリッジを取り
付けることは不可能であった。
たもので、上述のように工具本体の外周に出没する切刃
チップによって加工穴のバリ取りや面取りを行う穴明け
工具において、この切刃チップを保持するカートリッジ
のコンパクト化を図ることにより、特に小径の穴明け工
具などにおいても、かかるカートリッジを取付可能とし
て上記バリ取りや面取り加工を行いうる穴明け工具を提
供することを目的としている。
のような目的を達成するために、本発明は、まず第1
に、先端に切刃を備えた工具本体と、この工具本体に設
けられたカートリッジに保持され、工具外周側に弾性的
に付勢されて上記工具本体の外周に出没自在とされた切
刃チップとを備え、上記カートリッジに、上記切刃チッ
プを弾性的に付勢する付勢部材として捩りコイルバネを
用いたことを特徴とする。しかるに、このような捩りコ
イルバネは、螺旋状に巻回されたコイルが上記中心軸回
りに捩られることによって弾性変形して付勢力を生じる
ものであり、同じコイルバネであっても例えば圧縮コイ
ルバネ等に比べ、コイルの線径等が同じでも大きな付勢
力が得られる。言い換えれば、必要とされる同じ付勢力
を得るためには、その線径やコイル径、巻き数等を小さ
くすることができ、これによってカートリッジのコンパ
クト化を図ることができるので、該カートリッジを収容
する凹溝が大幅に深くなったりするのを防いで、工具剛
性を確実に確保することが可能となる。
えて軸線回りに回転される工具本体と、この工具本体に
設けられたカートリッジに保持され、工具外周側に弾性
的に付勢されて上記工具本体の外周に出没自在とされた
切刃チップとを備え、この切刃チップを略正三角形平板
状として、その正三角形面をすくい面として工具回転方
向に向けるとともに、この正三角形面の一の角部を工具
外周側に位置させ、かつ当該切刃チップが上記工具本体
の外周面に没入した状態において上記正三角形面の上記
一の角部に対向する底辺が工具回転方向側から見て上記
軸線に略平行となるように保持することを特徴とする。
従って、このような穴明け工具では、切刃チップが工具
本体の外周面に没入した状態において、該切刃チップを
収容するための凹溝の深さは、そのすくい面とされる正
三角形面の底辺から上記一の角部までの当該三角形面の
高さ分が確保されていればよく、従来のようにこれ以上
凹溝を深くする必要がない。
備えた工具本体と、この工具本体に設けられたカートリ
ッジに保持され、工具外周側に弾性的に付勢されて上記
工具本体の外周に出没自在とされた切刃チップとを備
え、上記カートリッジに、後端部が工具本体側に支持さ
れるとともに先端部に上記切刃チップが取り付けられて
上記工具本体の径方向に変位可能とされる可動部を設
け、この可動部の上記先端部と後端部とを、上記工具本
体の周方向にずらして形成したことを特徴とする。従っ
て、このような穴明け工具においては、該穴明け工具が
小径であったり、あるいは切屑排出溝の捩れ角が大きか
ったりしても、上記可動部の先端部と後端部とを、この
切屑排出溝の捩れに合わせて工具本体の周方向にずらす
ことにより、該切屑排出溝の間に画成されるランドにカ
ートリッジを確実に取り付けることが可能となる。
の実施形態を示すものである。本実施形態において工具
本体1は外形略円柱状をなしていて、その先端部の外周
には、該工具本体1の軸線O回りに工具後端側に向かう
に従い工具回転方向Tの後方側に捩れる一対の切屑排出
溝2,2が、工具本体1の先端面3に開口して後端側に
延びるように形成されており、これらの切屑排出溝2,
2の工具回転方向T側を向く壁面の先端に、それぞれ超
硬合金等の硬質材料より成るチップ4がろう付けされて
取り付けられ、このチップ4の先端に、被削材に加工穴
を明けるための切刃5が形成されている。なお、工具本
体1内には工具後端側から先端側に向けて切削油剤等の
供給孔6が軸線Oに沿って形成されており、この供給孔
6は工具先端側において2つに分岐して軸線Oに平行に
延び、上記切刃5,5の工具回転方向T後方側に連なる
上記先端面3,3部分にそれぞれ開口している。
切屑排出溝2,2の間に画成される一対のランド7,7
のうちの一方には、このランド7に連なる上記先端面3
から工具後端側に僅かに離れた位置から上記軸線O方向
に沿って工具後端側に延びる凹溝8が形成されており、
この凹溝8内にはカートリッジ9が収容されてクランプ
ネジ10によって固定されていて、このカートリッジ9
に、上記加工穴の開口部周縁のバリ取りや面取りを行う
切刃チップ11が保持されている。なお、工具先端側に
おいて分岐した上記供給孔6のうち当該凹溝8が形成さ
れたランド7側に延びる供給孔6は、その工具外周側の
部分がこの凹溝8の底面8Aの工具先端側の部分に開口
して該凹溝8に連通するように形成されている。
3ないし図5に示すように、凹溝8の工具後端側に上記
クランプネジ10によって固定される固定部12と、こ
の固定部12にピン13を介して回動可能に取り付けら
れる可動部14と、上記固定部12に取り付けられて可
動部14と係合し、上記切刃チップ11を工具外周側に
付勢する付勢部材としての捩りコイルバネ15とから構
成されている。ここで、固定部12の工具先端側を向く
面には断面U字状の凹部12Aが形成されており、上記
捩りコイルバネ15は、その捩れの中心軸Xが工具本体
1の軸線Oを中心とする円の接線方向に延びるようにし
てこの凹部12Aに収容され、その一端部15Bを上記
凹部12Aの底面12Bに当接させるとともに、他端部
15Bを凹部12Aの天井面12Cに当接させ、かつこ
の他端部15Bの先端を凹部12Aから突出させて固定
部12に取り付けられている。
は、上記固定部12の先端側に位置して上記切刃チップ
11が装着されるチップ取付座16が形成された先端部
14Aと、固定部12の側面に沿って上記中心軸Xに直
交する方向に真っ直ぐ延びる後端部14Bとが一体に形
成された構成とされていて、この後端部14Bが上記中
心軸Xに平行に延びるピン13を介して上記固定部12
に取り付けられて、このピン13を中心に工具本体1の
軸線Oを含む平面内にて回動自在とされることにより、
上記先端部14Aが工具本体1の径方向に変位可能とさ
れている。そして、上記切刃チップ11は、この可動部
14の先端部14Aが工具外周側に回転したときには図
3に示すように工具本体1の上記ランド7の外周に突出
し、かつ先端部14Aが工具内周側に回転したときには
上記凹溝8内に没入するようにされ、すなわち工具本体
1の外周に出没自在とされている。
後端側には、図3および図4に示すように切刃チップ1
1が工具本体1の外周に突出した状態において固定部1
2の凹部12Aの上記天井面12Cに面一に配置され、
凹部12Aから突出する上記捩りコイルバネ15の他端
部15Bに当接可能とされる当接面14Cが形成されて
いる。そして、これら天井面12Cと当接面14Cとが
面一に配置されて切刃チップ11が工具本体1の外周に
突出した状態から、可動部14の先端部14Aが工具内
周側に回転して切刃チップ11が凹溝8内に没入するこ
とにより、上記当接面14Cがこの回転方向に上記捩り
コイルバネ15の他端部15Bの先端と係合し、捩りコ
イルバネ15が上記中心軸X回りに捩られて弾性変形さ
せられるとともに、その弾性力によって可動部14自体
は上記回転方向とは反対向きに押圧され、これによって
切刃チップ11は工具外周側に弾性的に付勢されること
となる。
形成されて切刃チップ11が装着される上記チップ取付
座16は、捩りコイルバネ15の上記中心軸Xに直交す
る方向に形成されて工具回転方向T側を向く底面16A
と、この底面16Aの周縁から屹立して工具外周側を向
く壁面16Bおよび工具先端側を向く短い壁面16Cと
から概略画成されており、上記底面16Aには図示され
ないクランプネジ穴が該底面16Aに垂直に形成される
とともに、この底面16Aに対向する方向から見て上記
壁面16B,16Cは60°に交差する方向に形成され
ている。ここで、このうち上記壁面16Bは、可動部1
4の上記当接面14Cが固定部12の上記天井面12C
と面一とされて切刃チップ11が突出した状態で、図3
および図4に示すように工具後端側に向かうに従い工具
内周側に向かうように僅かに傾斜して配置されるととも
に、可動部14が工具内周側に回転して切刃チップ11
が凹溝8内に没入した状態では、工具回転方向T側から
見て工具本体1の軸線Oに平行に配置されるように形成
されている。
される上記切刃チップ11は、本実施形態では超硬合金
等の硬質材料よって略正三角形平板状に形成されたポジ
ティブスローアウェイチップであって、その一方の正三
角形面11Aがすくい面とされるとともに他方の正三角
形面11Bが着座面とされ、さらにこれらの正三角形面
11A,11Bの周囲に配置される3つの側面11C…
が逃げ面とされて、これらの側面11C…と上記正三角
形面11Aとの交差稜線部に、上記切刃5,5によって
被削材に明けられた加工穴の開口部周縁の切削を行う切
削刃17…がそれぞれ形成されている。ただし、この切
刃チップ11の上記正三角形面11Aの各角部11D…
には、互いに隣り合う上記側面11C,11Cの交差稜
線部が正三角形面11A,11B間に亙ってそれぞれの
角部11D…に対向する切削刃17…に平行に切り欠か
れることにより面取り部11E…が形成されており、こ
のため本実施形態における切刃チップ11は、厳密には
上記切削刃17…が形成される長辺と短辺とが交互に配
置された偏6角形の平板状を呈することとなる。また、
この切刃チップ11の上記正三角形面11A,11Bの
中央には、取付穴11Fが貫設されている。
される正三角形面11Aを工具回転方向T側に向けると
ともに着座面とされる上記正三角形面11Bを上記底面
16Aに密着させ、また一対の側面11C,11Cを上
記壁面16B,16Cに当接させるとともに、このうち
壁面16Bに当接する側面11C側に形成された切削刃
17に対向する一の角部11Dを工具外周側に位置させ
て上記チップ取付座16に着座させられ、さらに上記取
付穴11Fに挿入されたクランプネジ18を底面16A
の上記クランプネジ穴にねじ込むことにより、カートリ
ッジ9に固定されて保持される。従って、当該切刃チッ
プ11は、上記天井面12Cと当接面14Cとが面一と
された状態で、この一の角部11Dが工具外周側に突出
させられることとなり、かつこの一の角部11Dに交差
する一対の上記切削刃17,17が、工具先端側および
工具後端側に向かうに従いそれぞれ工具内周側に向かう
ように傾斜して配置されて上記開口部周縁の切削に供さ
れる。
ば、こうして切刃チップ11の一の角部11Dが工具本
体1の外周に突出した状態において、工具本体1を軸線
O回りに回転しつつ工具先端側に送り出すことにより、
上記切刃5,5によって被削材に加工穴が形成され、次
いで工具本体1の送りに伴ってこの加工穴の開口部周縁
に上記切刃チップ11が接したところで、その工具先端
側を向く傾斜した上記切削刃17によってこの開口部周
縁のバリ取りや面取り加工が行われる。そして、続けて
工具本体1を送り出すと、この切削刃17の傾斜に案内
されるようにして切刃チップ11が工具内周側に押し付
けられて凹溝8内に没入し、切刃5,5のみによって加
工穴の穴明けが行われる。なお、このとき切刃チップ1
1においては、上述のように上記一の角部11Dに対向
する切削刃17が工具本体1の軸線Oに平行に配置され
るのに伴い、この切削刃17に平行に該一の角部11D
に形成された面取り部11Eも軸線Oに平行に配置され
ることとなり、従って上記捩りコイルバネ15によって
工具外周側に付勢されるにも拘わらず、この面取り部1
1Eが切刃5,5によって形成された加工穴の内周に食
い込むことなく摺接することになる。
れて切刃5,5が被削材を貫通し、次いで切刃チップ1
1がこの貫通側の開口部から抜け出ると、上記捩りコイ
ルバネ15による付勢力によって切刃チップ11は、上
記一の角部11Dが再び工具本体1の外周に突出する。
そして、ここから工具本体1を工具後端側に引き戻す
と、切刃チップ11の工具後端側を向く傾斜した切削刃
17が被削材の加工穴の貫通側の開口部周縁に接して、
この貫通側開口部周縁のバリ取りや面取り加工が行われ
る。さらに続けて工具本体1を引き戻すと、上記と同様
にこの工具後端側を向く切削刃17の傾斜に案内される
ように切刃チップ11が工具内周側に押し付けられて凹
溝8内に没入するので、そのまま工具本体1を加工穴か
ら引き抜くことにより、上記穴明け工具によれば、被削
材の表裏の両開口部周縁にバリ取りや面取り加工が施さ
れた加工穴を、1度の工具本体1の往復で形成すること
ができる。
ては、まず切刃チップ11を工具外周側に付勢する付勢
部材として捩りコイルバネ15が用いられており、かか
る捩りコイルバネ15は、同じコイルバネでも従来の圧
縮コイルバネ等に比べ、コイルの線径やコイル外径、あ
るいは巻き数が同じでも、大きな付勢力を得ることがで
きる。例えば、図6は、付勢部材として線径、コイル
径、および巻き数を等しくした捩りコイルバネと圧縮コ
イルバネとを用いた場合で、工具本体1の径方向におけ
るカートリッジ9の可動部14の変位量とそのときの工
具外周側への付勢力との関係を示すものであって、実線
で示すのが捩りコイルバネ、破線で示すのが圧縮コイル
バネであるが、この図6に示されるように線径やコイル
径、巻き数が同じでも本実施形態に係わる捩りコイルバ
ネでは従来の圧縮コイルバネに比べて略2倍の付勢力が
得られることが分かる。
ることにより、上記捩りコイルバネ15を備えた穴明け
工具によれば、切刃チップ11を大きな押圧力で加工穴
の開口部周縁に接触させることができ、これにより確実
なバリ取りあるいは面取り加工を図ることができる。ち
なみに、図6において符号Aで示すのは、切刃チップ1
1の上記切削刃17に摩耗がない場合に、この切削刃1
7によってバリ取りや面取りを行うときに必要とされる
付勢力であり、また符号Bで示すのは切削刃17の摩耗
が生じた場合に必要とされる付勢力であるが、圧縮コイ
ルバネでは切削刃17に摩耗が生じた場合は勿論、摩耗
がない場合でもある程度可動部14を変位させなければ
上記必要とされる付勢力を満足させることができず、従
ってかかる変位量を確保するために凹溝8を深く形成し
なければならないのに対し、同じ線径、コイル径、およ
び巻き数であっても、捩りコイルバネ15を用いた場合
には、切刃チップ11に摩耗が生じていても、極小さな
変位量で必要な付勢力を得ることが可能となる。
た本実施形態の穴明け工具では、同じ大きさのコイルバ
ネであっても従来よりも大きな付勢力を得ることがで
き、言い換えれば、同じ付勢力を得る場合には、より小
さな線径、コイル径、あるいは巻き数で済むこととな
り、これによりカートリッジ9のコンパクト化を図るこ
とができて、該カートリッジ9が収容される凹溝8も浅
く形成することが可能となる。従って、本実施形態によ
れば、当該穴明け工具がたとえ小径の穴明け工具であっ
ても、工具本体1の剛性が損なわれるのを防いで折損等
が生じるの防止することができ、安定した穴明けおよび
バリ取りや面取り加工を促すことが可能となる。
に形成された切刃チップ11が上記凹溝8内に没入され
た状態で、工具外周側に突出していたその一の角部11
Dに対向する上記正三角形面11Aの底辺に形成される
切削刃17が、工具回転方向T側から見て工具本体1の
軸線Oに平行となるように配置されている。この点、上
記従来の穴明け工具では、切刃チップが工具外周側に突
出した状態において上記底辺が工具本体の軸線に平行と
なるようにされており、従って切刃チップが凹溝内に没
入した状態ではこの底辺が傾斜してしまうため、かかる
状態の切刃チップを収容するには、凹溝の深さを切刃チ
ップがなす正三角形の上記底辺から上記一の角部までの
高さよりも大きくとらなければならない。ところが、こ
れに対して本実施形態の穴明け工具では、上述のように
切刃チップ11が凹溝8に没入した状態でその上記底辺
が軸線Oに平行となるため、該切刃チップ11を収容す
るための凹溝8の深さは、この底辺から上記一の角部1
1Dまでの上記正三角形面11Aの高さ分だけ確保され
ていればよく、従って従来よりも凹溝8の深さを小さく
することができるので、一層の工具本体1の剛性確保を
図ることができ、たとえ小径の穴明け工具でも折損等の
発生をより確実に防止することが可能となるのである。
ップ11の角部11D…に面取り部11Eが形成されて
おり、これによってさらに凹溝8の深さを小さく抑える
ことができるとともに、上述したように切刃チップ11
が凹溝8に没入した際にこの面取り部11Eが加工穴の
内周に摺接することによって切刃チップ11が食い込む
ことが避けられ、加工穴の仕上げ精度の向上を図ること
ができるという効果も得ることができる。なお、本実施
形態ではカートリッジ9における付勢部材として上記捩
りコイルバネ15を用いているが、上述の切刃チップ1
1を工具本体1の外周に没入した状態において正三角形
面11Aの一の角部11Dに対向する底辺が工具回転方
向T側から見て軸線Oに略平行となるように保持すると
いった構成は、付勢部材として圧縮コイルバネや板バ
ネ、あるいは皿バネ等を用いた穴明け工具に適用するこ
とが可能であり、その場合でも同様の効果を得ることが
できる。
2,2が軸線O回りに捩れるように形成され、従ってカ
ートリッジ9が取り付けられるランド7も同様に捩れる
ように形成されているのに対し、上記凹溝8は軸線Oに
平行に形成され、これに伴いカートリッジ9もその可動
部14が軸線Oに平行に真っ直ぐ延びるように形成され
ているが、例えば小径の穴明け工具のようにランド7の
軸線O方向の長さを大きくとることができない場合や、
あるいは切屑排出溝2,2の捩れ角が大きい場合には、
図7に示すように凹溝8およびカートリッジ9がランド
7からはみ出してしまって、カートリッジ9の可動部1
4に必要な長さを確保することができなくなるおそれが
生じる。そこで、そのような場合には、図8に示す本発
明の第2の実施形態や、図9に示す第3の実施形態の穴
明け工具のように、上記カートリッジ9の可動部14に
おいて、切刃チップ11が装着される先端部14Aと、
固定部12のピン13に取り付けられる後端部14Bと
を、工具本体1の周方向にずらして形成すればよい。
いては、切屑排出溝2,2の捩れに伴うランド7の捩れ
に合わせて、切刃チップ11が取り付けられる可動部1
4の先端部14Aに対して後端部14Bが、上記第1の
実施形態とは逆に工具回転方向Tの後方側に平行にずら
されて配置されており、このずらされた分だけ凹溝8お
よびカートリッジ9のランド7からのはみ出しを第1の
実施形態に比べて小さくすることができる。また、図9
に示す第3の実施形態においては、可動部14の先端部
14Aに対して後端部14Bが工具回転方向Tの後方側
に段違いとなるようにずらされており、図示のように凹
溝8やカートリッジ9のはみ出しを防止して、必要な長
さの可動部14を備えたカートリッジ9をランド7に確
実に取り付けることが可能となる。
カートリッジ9の可動部14の先端部14Aと後端部1
4Bとを工具本体1の周方向に平行にずらしたり、段違
いにずらしたりしているが、これら先端部14Aと後端
部14Bとの間を切屑排出溝2,2の捩れに合わせて斜
めに延びるように形成したり、あるいはチップ取付座1
6やピン13に取り付けられる部分を除いて可動部14
自体を斜めに形成したりするようにしてもよい。また、
これら第2、第3の実施形態におけるカートリッジ9の
可動部14の先端部14Aと後端部14Bとを工具本体
1の周方向にずらして形成するといった構成も、付勢部
材として圧縮コイルバネや板バネ、あるいは皿バネ等を
用いた穴明け工具に適用することが可能であり、その場
合でも同様の効果を得ることができる。
先端に切刃を備えた工具本体と、この工具本体に設けら
れたカートリッジに保持され、工具外周側に弾性的に付
勢されて上記工具本体の外周に出没自在とされた切刃チ
ップとを備えた穴明け工具において、まず第1に、上記
切刃チップを付勢する付勢部材として捩りコイルバネを
用いることにより、また第2に、カートリッジの可動部
の先端部と後端部とを工具本体の周方向にずらして形成
することにより、さらに第3に、略正三角形平板状の切
刃チップを、工具本体の外周に没入した状態においてそ
の正三角形面の工具外周側に位置する一の角部に対向す
る底辺が工具回転方向側から見て工具本体の軸線に略平
行となるように保持することにより、カートリッジのコ
ンパクト化を図って該カートリッジを収容するための凹
溝を小さくすることができる。そして、これにより、た
とえ小径の穴明け工具であっても、工具本体の剛性が損
なわれたりするのを防いでその折損等を防止し、安定し
た穴明けおよびバリ取りや面取り加工を行うことが可能
となる。
先端部の側面図である。
図である。
るカートリッジ9の側面図である。
と圧縮コイルバネを用いたカートリッジとにおける可動
部14の変位量と付勢力との関係を示す図である。
周辺を示す工具本体1の外周の展開図である。
辺を示す工具本体1の外周の展開図である。
辺を示す工具本体1の外周の展開図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 先端に切刃を備えた工具本体と、この工
具本体に設けられたカートリッジに保持され、工具外周
側に弾性的に付勢されて上記工具本体の外周に出没自在
とされた切刃チップとを備え、上記カートリッジには、
上記切刃チップを弾性的に付勢する付勢部材として捩り
コイルバネが用いられていることを特徴とする穴明け工
具。 - 【請求項2】 先端に切刃を備えて軸線回りに回転され
る工具本体と、この工具本体に設けられたカートリッジ
に保持され、工具外周側に弾性的に付勢されて上記工具
本体の外周に出没自在とされた切刃チップとを備え、こ
の切刃チップは略正三角形平板状であって、その正三角
形面をすくい面として工具回転方向に向けるとともに、
この正三角形面の一の角部を工具外周側に位置させ、か
つ当該切刃チップが上記工具本体の外周面に没入した状
態において上記正三角形面の上記一の角部に対向する底
辺が工具回転方向側から見て上記軸線に略平行となるよ
うに保持されていることを特徴とする穴明け工具。 - 【請求項3】 先端に切刃を備えた工具本体と、この工
具本体に設けられたカートリッジに保持され、工具外周
側に弾性的に付勢されて上記工具本体の外周に出没自在
とされた切刃チップとを備え、上記カートリッジには、
後端部が工具本体側に支持されるとともに先端部に上記
切刃チップが取り付けられて上記工具本体の径方向に変
位可能とされた可動部が設けられていて、この可動部の
上記先端部と後端部とが、上記工具本体の周方向にずら
されて形成されていることを特徴とする穴明け工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13561998A JPH11320228A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 穴明け工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13561998A JPH11320228A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 穴明け工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11320228A true JPH11320228A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15156050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13561998A Pending JPH11320228A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 穴明け工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11320228A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003011011A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-15 | Mitsubishi Materials Corp | 穴明け工具 |
JP2003089007A (ja) * | 2001-09-12 | 2003-03-25 | Mitsubishi Materials Corp | 穴明け工具 |
WO2008073038A1 (en) * | 2006-12-12 | 2008-06-19 | Sandvik Intellectual Property Ab | A tool for chip removing machining as well as a basic body therefor |
-
1998
- 1998-05-18 JP JP13561998A patent/JPH11320228A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4698891B2 (ja) * | 2001-06-29 | 2011-06-08 | 三菱マテリアル株式会社 | 穴明け工具 |
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US7670088B2 (en) | 2006-12-12 | 2010-03-02 | Sandvik Intellectual Property Ab | Tool for chip removing machining and a basic body therefor |
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A521 | Written amendment |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040831 |
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20041029 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041214 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |