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JPH11326625A - カラーフィルタ、カラー液晶ディスプレイ及びこれらの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ、カラー液晶ディスプレイ及びこれらの製造方法

Info

Publication number
JPH11326625A
JPH11326625A JP13077598A JP13077598A JPH11326625A JP H11326625 A JPH11326625 A JP H11326625A JP 13077598 A JP13077598 A JP 13077598A JP 13077598 A JP13077598 A JP 13077598A JP H11326625 A JPH11326625 A JP H11326625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
color filter
light transmitting
partition member
filter according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13077598A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kiguchi
浩史 木口
Masaru Kojima
勝 小島
Sadao Kanbe
貞男 神戸
Shunichi Seki
関  俊一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP13077598A priority Critical patent/JPH11326625A/ja
Publication of JPH11326625A publication Critical patent/JPH11326625A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットの印刷技法によるカラーフィ
ルタの着色に好適な仕切部材を備えたカラーフィルタを
提供する。 【解決手段】 複数の列を成して所定の配列ピッチで透
明基板上に形成される光透過領域102bのそれぞれを
仕切る仕切部材102を備えるカラーフィルタにおい
て、光透過領域102bを囲う仕切部材102の平面形
状を略円形とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶ディス
プレイ等に用いられるカラーフィルタに係わり、特に、
カラーフィルタの光透過領域(以下、「フィルタエレメ
ント」という。)を囲う仕切り(以下、本明細書におい
て「仕切部材」という。)の形状に係わる。具体的に
は、ピエゾ式オンデマンド型インクジェットの印刷技法
によるカラーフィルタの製造に好適な仕切部材の形状に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、カラ
ー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。この
カラー液晶ディスプレイは、ノートパソコン、車載用ナ
ビゲーションシステム、デスクトップ型パソコン、電子
スチルカメラ、ゲーム機器、プロジェクタ等に利用され
ている。
【0003】カラーフィルタは液晶ディスプレイの表示
装置に一体的に構成され、画質を向上させたり、カラー
液晶ディスプレイの各画素に各原色の色彩を与えたりす
る役割をする。例えば、カラーTFT(Thin Film Tr
ansistor)の画面はビットマップ方式で制御されてお
り、画面の1点とコンピュータ内のメモリを1対1に対
応させて表示している。この場合、画面全体を格子状に
細分化して、それぞれのフィルタエレメント毎に色と明
るさの情報を与えている。例えば、HDTVでは、10
24×1536×3個のフィルタエレメントを要する。
従って、画面を構成するフィルタエレメントの数が多い
程、精細な画像の表示が可能となり、また、フィルタエ
レメントの高精度な着色制御が必要とされる。
【0004】このため、高精細なカラーフィルタの製造
におけるフィルタエレメントの着色法として、例えば、
特開平8−292317号公報、特開平8−27171
5号公報、特開平9−49921号公報等に開示されて
いるように、インクジェットの印刷技法が知られてい
る。この技術は、圧電体薄膜素子を用いたインクジェッ
ト式記録ヘッドの加圧室にインクを貯蔵し、圧電体素子
の振動による加圧室の体積変化でインクを吐出すること
でフィルタエレメントを着色し、カラーフィルタを製造
するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フィルタエレメントは矩形の形状をしていたので、イン
クジェットの印刷技法でインク滴を吐出すると、フィル
タエレメント全体を均一に着色することはできなかっ
た。この点を図9を参照して説明する。同図に示すよう
に、フィルタエレメント7内に4発のインク滴81、8
2,83及び83を吐出した場合、各インク滴はその表
面張力により略球形になるため、フィルタエレメント7
内を均一に着色することはできず、フィルタエレメント
7の開口部周辺において着色抜けが生じていた。カラー
フィルタにおいて、このような着色抜けは大きな欠陥で
あり、画質を大きく損なう原因になる。
【0006】このような問題点に鑑み、例えば、特開平
8−327816号公報には、フィルタエレメントに吐
出するインク滴の吐出開始位置を適宜変えることでフィ
ルタエレメントを着色する技術が開示されている。しか
し、この技術では、インクジェット式記録ヘッドとして
熱エネルギーを利用したインクの体積膨張による加熱ジ
ェット式でインクを吐出するものであるため、吐出され
たインクの直進性が悪く、インク滴の着弾位置を適宜調
整しても矩形の形状のフィルタエレメント全体を均一に
着色するこは困難である。
【0007】この他、特開平8−271720号公報、
特開平7−253510号公報、特開平7−14640
6号公報には、矩形状のフィルタエレメント全体を均一
にインク滴で着色するための工夫かなされているが、こ
れらの技術では複雑なインクの吐出制御をしなければな
らず、製造工程が複雑になるとともに、製造コストが高
くなる問題がある。
【0008】そこで、本発明は、インクジェットの印刷
技法によるカラーフィルタの着色に好適なカラーフィル
タと、このカラーフィルタを備えたカラー液晶ディスプ
レイ、及びこれらの製造方法を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
は、複数の列を成して所定の配列ピッチで透明基板上に
形成される光透過領域(フィルタエレメント)のそれぞ
れを仕切る仕切部材を備えるカラーフィルタであって、
この光透過領域を囲う仕切部材の形状を略円形としたも
のである。光透過領域を囲う仕切部材の形状をインク滴
の形状、即ち、略円形とすることで、光透過領域にイン
クを充填したときの着色抜けを有効に防止できる。この
光透過領域を囲う仕切部材の形状の大きさは、インク滴
の大きさに合わせて設定する。好ましくは、上記略円形
の直径を、20μm乃至30μmの範囲とする。また、
光透過領域を囲う仕切部材の形状を多角形とすることも
できる。例えば、6角形、12角形等の多角形にする。
好ましくは、透過領域を囲う仕切部材の断面形状を開口
部が広いテーパ形状とする。この構成により、インクの
着色抜けをより効果的に防止できる。さらに、好ましく
は、上記所定の配列ピッチを、光透過領域を着色するイ
ンクを吐出するインクジェット式記録ヘッドのノズルの
配列ピッチと同一にする。また、光透過領域の列同士の
間隔を、光透過領域を着色するインクを吐出するインク
ジェット式記録ヘッドのノズルの列同士の間隔と同一に
してもよい。この構成により、光透過領域の配列寸法を
インクジェット式記録ヘッドの配列寸法と同一にするこ
とができるため、インク吐出制御が容易になる。好まし
くは、仕切部材を遮光性の材料で構成する。この場合、
仕切部材はブラックマトリクスとして機能する。本発明
のカラー液晶ディスプレイは、カラーフィルタと、表面
に画素極と配向膜が形成された第2の透明基板との間に
液晶を封入して構成される。本発明のカラー液晶ディス
プレイによれば、カラーフィルタの着色抜けが無いた
め、高品質、高精細のカラー液晶ディスプレイを提供す
ることができる。
【0010】本発明のカラーフィルタの製造方法は、イ
ンクジェット式記録ヘッドからインク滴を吐出し、透明
基板上に形成される仕切部材により所定の配列ピッチで
複数の列に区画形成される光透過領域を着色するカラー
フィルタの製造方法において、仕切部材で略円形に区画
される光透過領域のそれぞれにインクを充填する工程
と、光透過領域に充填された各インクを乾燥させる工程
と、乾燥させられた前記インクを覆う保護膜を形成する
工程と、を備える。好ましくは、上記略円形の直径を、
20μm乃至30μmの範囲とする。また、光透過領域
を囲う仕切部材の形状を多角形とすることもできる。ま
た、上記所定の配列ピッチを、光透過領域を着色するイ
ンクを吐出するインクジェット式記録ヘッドのノズルの
配列ピッチと同一にすることもできる。さらに、光透過
領域の列同士の間隔を、光透過領域を着色するインクを
吐出するインクジェット式記録ヘッドのノズルの列同士
の間隔と同一にしてもよい。本発明のカラーフィルタの
製造方法は、上記の工程のほか、さらに、仕切部材を遮
光性の材料で形成する工程を含むものであってもよい。
光透過領域にインクを充填する工程は、電気機械変換素
子として機能する圧電体薄膜素子をインク吐出の加圧源
とするインクジェット式記録ヘッドで行う。本発明のカ
ラー液晶ディスプレイの製造方法は、本発明のカラーフ
ィルタの製造方法と、第2の透明基板上に画素電極と配
向膜を形成する工程と、カラーフィルタと前記第2の透
明基板との間に液晶を封入する工程とを備える。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1乃至図8を参照して説明する。図1はインクジェット
式記録ヘッドの分解斜視図、図2はインクジェット式記
録ヘッドの動作原理の説明図、図3は本発明に係わる仕
切部材の平面図、図4は本発明に係わる仕切部材を備え
るカラー液晶ディスプレイの断面図、図5及び図6はカ
ラーフィルタの製造工程殿面図、図7及び図8は他の形
態の仕切部材の平面図である。
【0012】(インクジェット式記録ヘッドの構成)図
1に示すインクジェット式記録ヘッド9の分解斜視図
は、インクの供給流路が加圧室基板内に形成されるタイ
プである。同図に示すように、インクジェット式記録ヘ
ッド9は主に加圧室基板1、ノズルプレート5及び基体
3から構成される。
【0013】加圧室基板1はシリコン単結晶基板上に形
成された後、各々に分離される。加圧室基板1は複数の
短冊状の加圧室106が設けられ、全ての加圧室106
にインクを供給するための共通流路110を備える。加
圧室106の間は側壁107により隔てられている。加
圧室106は2列に配列され、一列当たり128個形成
されており、256ノズルの印字密度を有するインクジ
ェット式記録ヘッドを実現している。加圧室基板1の基
体3側には振動板膜及び圧電体薄膜素子が形成されてい
る。また、各圧電体薄膜素子からの配線はフレキシブル
ケーブルである配線基板4に収束され、基体3の外部回
路(図示せず)と接続される。外部回路にはカラーフィ
ルタを着色するためのインク吐出タイミングが指示さ
れ、インクを吐出する。
【0014】ノズルプレート5は加圧室基板1に接合さ
れる。ノズルプレート5における加圧室106に対応す
る位置にはインク滴を摘出するためのノズル51が形成
されている。ノズル51は所定の配列ピッチで2列形成
されている。各列の間隔は、180分の1インチ、即
ち、141μmであり、ノズル51の配列ピッチは、3
60分の1インチ、即ち、70.5μmである。
【0015】基体3はプラスチック、金属等の鋼体であ
り、加圧室基板1の取付台となる。
【0016】(インクジェット式記録ヘッドの動作原
理)図2は、インクヘット式記録ヘッド9の動作原理の
説明図である。この図はインクヘット式記録ヘッド9の
主要部に対する電気的な接続関係を示したものである。
駆動電圧源301の一方の電極は配線302を介し、イ
ンクヘット式記録ヘッドの下部電極303に接続する。
駆動電圧源301の他方の電極は配線304及びスイッ
チ306a〜306cを介して各加圧室106a〜10
6cに対応する上部電極307に接続する。
【0017】この図では、加圧室106bのスイッチ3
06bのみが閉じられ、他のスイッチ306a、306
cが開放されている。スイッチ306a、306cが開
放されている加圧室106a、106cはインク吐出の
待機状態を示す。インク吐出時には、例えば、スイッチ
306bのようにスイッチが閉じられ、圧電体膜209
に電圧が印加される。この電圧は、矢印Aに示す圧電体
膜309の分極方向と同極性、換言すると、分極時の印
加電圧の極性と同じように電圧が印加される。圧電体膜
309は厚み方向に膨張するとともに、厚み方向と垂直
方向に収縮する。この収縮で圧電体膜309と振動板3
10の界面に応力が働き、圧電体膜309及び振動板3
10は下方向にたわむ。このたわみにより加圧室106
bの体積が減少し、51bからインク滴23が吐出す
る。このインク滴23によりフィルタエレメントを着色
する。その後再びスイッチ306bを開くと、たわんで
いた圧電体膜309及び振動板310が復元し、加圧室
106bの体積が膨張することでインク供給路(図示せ
ず)より加圧室106bへインクが充填される。尚、圧
電体膜309の振動周波数は、7.2kHzである。
【0018】(仕切部材の形状)次に、図3を参照して
本発明に係わる仕切部材102の形状を説明する。図3
(A)は仕切部材102の平面図である。本発明に係わ
る仕切部材102に形成されるフィルタエレメント10
2bの配列ピッチX及びフィルタエレメント102b列
の間隔Yはインクジェット式記録ヘッドのノズル51の
配列ピッチ及びノズル51列の間隔と同じである。即
ち、フィルタエレメント102bの配列ピッチXは36
0分の1インチ、即ち、70.5μmである。また、フ
ィルタエレメント102b列の間隔Yは、180分の1
インチ、即ち、141μmである。図3(B)は図3
(A)のA−A矢視断面図である。同図に示すように、
フィルタエレメント102bは、円柱状の形状をしてお
り、その直径はインク滴の大きさとの関係で定まる。イ
ンク滴はその表面張力により球形をしており、その直径
は20μm乃至30μmの範囲であるから、フィルタエ
レメント102bの直径を20μm乃至30μmの範囲
とする。但し、フィルタエレメント102bの断面形状
は、図3(C)に示すように開口部が広いテーパ状に形
成してもよい。また、仕切部材の形状は、上述した円形
に限らず、多角形(例えば、6角形、12角形等)であ
ってもよい、このように、フィルタエレメント102b
を囲う仕切部材102の形状をインク滴に合わせた形状
にすることで、フィルタエレメント102bを全体的に
均一に着色することができるため、着色抜けがない。こ
のため、従来のような矩形のフィルタエレメントを着色
する場合に必要とされた、複雑なインク吐出の制御が不
要となり、カラーフィルタの製造工程を簡易にすること
ができる。また、フィルタエレメント102bの着色抜
けが無いため、高品質なカラーフィルタを提供すること
ができる。更に、フィルタエレメント102bの配列ピ
ッチとフィルタエレメント102b列の間隔がインクジ
ェット式記録ヘッドのノズル51のそれと同じであるた
め、インクジェット式記録ヘッド9の制御が容易とな
る。即ち、ノズル51の配列ピッチは70.5μmであ
り、圧電体膜309の振動周波数は7.2kHzである
ため、インクジェット式記録ヘッド9は、508mm/
s(=70.5μm×7.2kHz)の速さで仕切部材
102上をフィルタエレメント102bに沿って走査す
ることでフィルタエレメント102bを着色することが
できる。
【0019】(カラー液晶ディスプレイの構造)本発明
に係わる仕切部材を備えたカラー液晶ディスプレイの構
成を図4を参照して説明する。同図は、カラーフィルタ
10を組み込んだTFTカラー液晶ディスプレイの断面
図である。カラー液晶ディスプレイはカラーフィルタ1
0と対向するガラス基板207を備え、その間に液晶層
204を封入することにより形成される。液晶層204
は、分極した液晶分子により構成され、電圧の印加方向
により液晶分子の配列方向を制御することができる。こ
の液晶層204は、数種類のネマティク液晶を混合し
て、その特性を調整する。カラーフィルタ10は、ガラ
ス基板101上に赤、緑及び青色にそれぞれ染色された
着色パターン層20,21及び22を液晶ディスプレイ
の各原色の表示要素に対応して設けたもので、液晶ディ
スプレイでカラーを表示させるための必須のフィルタで
ある。このカラー液晶ディスプレイがVGA仕様の場
合、カラー画素数は640列×480行となるので、総
計640×480×3個のフィルタエレメントを備え
る。また、各着色パターン層は、色材の混合防止等のた
めに格子状の仕切部材102で仕切られている。この仕
切部材102は遮光性性の材料から構成されており、ブ
ラックマトリクスとして機能する。さらに、各着色パタ
ーン層上には保護層103及び共通電極202が順次形
成されている。一方、ガラス基板207の内側には透明
な画素電極206とTFT(図示せず)がマトリクス上
に形成されている。両ガラス基板101、207の面内
には配向膜203、205が形成されており、これをラ
ビング処理することにより液晶分子を一定方向に配列さ
せることができる。配向膜203,205はポリイミド
薄膜等の有機薄膜から構成されており、ラビン具処理に
対応した膜強度や、ITO(Indium Thin Oxide)膜
等と良好な密着性を有する。この液晶ディスプレイにバ
ックライト光を照射し、液晶層204をバックライト光
の透過率を変化させる光シャッターとして機能させるこ
とによりカラー表示を行うことができる。バックライト
光は、液晶ディスプレイの輝度をCRT並みの400c
d/m2とするため、液晶透過率(カラーで3%乃至6
%)を考慮して13000cd/m2以上とする。
【0020】(カラー液晶ディスプレイの製造工程)次
に、図5、図6を参照してカラー液晶ディスプレイの製
造工程を説明する。同図はカラー液晶ディスプレイの製
造工程断面図である。
【0021】仕切部材前駆体成膜工程(図5(A)) ガラス基板101上に仕切部材前駆体102aを成膜す
る。ガラス基板101としては、例えば、370mm×
470mmの寸法で厚さ1.1mm程度の平坦な透明ガ
ラス基板を用意する。この透明ガラス基板は、350℃
の熱に耐えられ、酸やアルカリ等の薬品に侵されにく
く、量産可能であるものが好ましい。
【0022】また、仕切部材102の組成は種々のもの
を用いることができるが、本実施の形態では、仕切部材
102をブラックマトリクスとして機能させる場合を説
明する。仕切部材前駆体102aは、光透過性の無い材
料であって、耐久性のあるものであれば、適当な材料を
適宜選択して用いることができる。具体的には、富士ハ
ント社製ネガ型樹脂ブラック、凸版印刷社製高絶縁性ブ
ラックマトリクス用レジストHRB−♯01、日本合成
ゴム社製樹脂ブラック等の黒色の樹脂を有機溶剤に溶か
したものを用いることができる。これらの樹脂は、スピ
ンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロー
ルコート法、バーコート法等で所定の厚み、例えば、1
μm乃至2μmの範囲で成膜する。
【0023】これら樹脂の他、金属クロム、カーボンや
チタンをフォトレジストに分散した樹脂ブラック、ニッ
ケル、クロムと酸化クロムの二層構造等を用いることが
できる。この場合、スパッタ成膜法、蒸着法等で仕切部
材前駆体102aを成膜する。
【0024】仕切部材形成工程(図5(B)) 仕切部材前駆体102a上にレジスト(図示せず)を塗
布し、所望のパターンに露光・現像する。次いで、この
レジストをマスクにして仕切部材前駆体102aをエッ
チングする。仕切部材前駆体102aのエッチングは、
図3に示すように、直径20μm乃至30μmの円柱状
のフィルタエレメント102bを70.5μm間隔のピ
ッチで形成する。また、フィルタエレメント102b列
の間隔は、141μmとする。また、図3(C)に示す
ように、仕切部材102の断面形状をテーパ形状にする
場合は、エッチング条件を適宜設定することで可能であ
る。
【0025】但し、フィルタエレメント102bの配列
ピッチとフィルタエレメント102b列の間隔は、上記
の値に限られず、インクジェット式記録ヘッドのノズル
の配列ピッチとノズル列の間隔と同じにすればよい。
【0026】インク充填工程(図5(C)) 仕切部材102によって格子状に区画形成されるフィル
タエレメント102bにインクを吐出することで各フィ
ルタエレメント102bを着色し、インクを充填する。
同図では、赤色のインク20a、青色のインク21a、
緑色のインク22aがフィルタエレメント102bに向
けて吐出されている様子を示している。インクジェット
式記録ヘッド9はフィルタエレメント102bに沿って
508mm/sの速さで仕切部材102上を走査する。
一列のフィルタエレメント102b列を着色した後、再
び元の位置に戻って次のフィルタエレメント102b列
を着色する。
【0027】この場合、インクジェット式記録ヘッド9
から吐出されるインクは確実にフィルタエレメント10
2bに着弾することが望まれる。このため、インクの組
成としては、色材として顔料又は染料を1%から40%
含み、分散剤として樹脂又は界面活性剤を1%から40
%含み、湿潤剤として多価アルコールを1%から40%
含み、浸透剤として低級アルコールを1%から40%含
み、溶媒として水又は水溶性有機溶剤を5%から95%
含むことが好ましい。インクをこの組成にすることで、
インクジェット式記録ヘッドのノズル面を構成する材料
との接触角を30deg〜170degの範囲に設定すること
ができる。また、インクの粘度を1cp〜20cpの範囲に
設定することができ、インクの表面張力を20dyne〜7
0dyneの範囲に設定することができる。このため、イン
クの直進性が優れ、円形のフィルタエレメント102b
に確実に着弾することができる。また、上記の組成によ
り、インクがノズル51面において乾燥し、固形成分が
析出するまでの時間を長くすることができるため、ノズ
ル51面におけるインクをフレッシュな状態にすること
ができる。例えば、赤色の着色パターン層20を着色す
るためのインクは、色材としてレーキレッドCを2%か
ら5%含み、分散剤としてアクリル樹脂を1%から30
%含み、湿潤剤としてグリセリンを1%から20%含
み、浸透剤としてエタノールを3%から10%含み、溶
媒として水を10%から80%含むインクを使用するこ
とが好ましい。
【0028】焼成工程(図6(D)) フィルタエレメント内にインクを充填した後、熱処理を
することで、インク中の溶剤成分を揮発させ、固化した
着色パターン層20,21及び22を得る。熱処理は、
例えば、ヒータを用いて行われ、全体を所定の温度、例
えば、110℃に加熱することで行われる。インクの溶
媒が揮発するとインクの体積が減少するが体積現象が著
しい場合は、カラーフィルタとして十分な厚みが得られ
るまでインク充填工程と焼成工程とを繰り返す。この処
理によりインクの溶媒成分が蒸発し、所望の厚みを有す
る着色パターン層が形成される。
【0029】着色パターン層形成後、インク滴を完全に
乾燥させるため、所定の温度、例えば、180℃で所定
時間、例えば、1時間の加熱を行う。
【0030】保護膜形成工程(図6(E)) 本工程では、形成された着色パターン層を覆って、着色
パターン層を保護するとともに、フィルタ表面を平坦化
するために、所望の樹脂を用いて保護膜103を形成す
る。保護膜103としては、光、熱、又は光及び熱の双
方の何れかのエネルギーで硬化する材料を用いることが
できる。このような材料によれば、汎用の露光装置やベ
イク炉、ホットプレート等が利用でき、設備の低コスト
化を図ることができる。具体的には、紫外線硬化型のア
クリル系樹脂として、エポキシアクリレート類、ウレタ
ンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、ポリ
エーテルアクリレート類、スピロアセタール系アクリレ
ート類等のアクリレート類、エポキシメタクリレート
類、ウレタンメタクリレート類、ポリエステルメタクリ
レート類、ポリエーテルメタクリレート類等のメタクリ
レート類等が利用できる。紫外線硬化型のアクリル系樹
脂は市場に多く出回っており、感光剤も入手しやすい。
これらの樹脂は、スピンコート法等で所定の厚み、例え
ば、2μmに塗布する。無機膜を用いる場合は、蒸着
法、スパッタ法等で成膜する。
【0031】共通電極形成工程(図6(F)) 本工程では、保護膜103上に光透過性のある導電性材
料、例えば、ITO、酸化インジウムと酸化亜鉛の複合
酸化物等をスパッタ法等で所定の厚み、例えば、0.1
5μmに成膜する。
【0032】以上の工程でカラーフィルタ10が形成さ
れたら、別途、画素電極206を配したガラス基板20
7との間に、さらに、配向膜203、液晶層204、配
向膜205を形成し、偏光板201、208を貼り付け
てカラー液晶ディスプレイを製造する。
【0033】(仕切部材の変形例)尚、上述の説明で
は、仕切部材102に形成されるフィルタエレメント1
02bは格子状のモザイク型であったが、図7に示すよ
うな、デルタ型、図8に示すような、ストライプ型であ
ってもよい。図8に示すストライプ型の場合、フィルタ
エレメント102bの形状は円形ではなく、それぞれの
円形の領域が中心をずらしながら互いに重なった形にな
っている。従って、このタイプのフィルタエレメント1
02bを着色する場合は、吐出される各インクは互いに
重なって着色パターン層を形成する。このタイプのフィ
ルタエレメント102bによれば、液晶ディスプレイの
開口率を減少せずにカラーフィルタを形成することがで
きる。
【0034】また、本発明の仕切部材は、カラーフィル
タの他、EL(electro luminescent )等の蛍光体に
電界を加えて発光させる発光現象を利用した表示デバイ
スに応用することができる。特に、アクティブマトリク
ス型表示デバイスの仕切部材に好適である。
【0035】以上、説明したように、本実施の形態によ
れば、フィルタエレメントを囲う仕切部材の形状をイン
ク滴に合わせた形状、即ち、円形としたため、複雑なイ
ンク吐出制御をしなくても、フィルタエレメントの着色
抜けを容易に抑えることができる。また、インクジェッ
ト式記録ヘッドに電気機械変換作用をする圧電体薄膜素
子を用いて、インク吐出の直進性に優れたインクを使用
してフィルタエレメントを着色するため、インク吐出に
おける飛行曲がりが生ぜず、確実にインクをフィルタエ
レメントに着弾させることができるため、着色抜けを防
止できる。さらに、フィルタエレメントの配列ピッチを
インクジェット式記録ヘッドのノズルの配列ピッチと同
じにしたため、フィルタエレメントの着色におけるイン
クジェット式記録ヘッドの制御が容易になる。
【0036】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタによれば、フィ
ルタエレメントを囲う仕切部材の形状をインク滴に合わ
せて円形としたため、複雑なインク吐出制御をしなくて
も、フィルタエレメントの着色抜けを容易に抑えること
ができる。
【0037】また、本発明のカラーフィルタの製造方法
によれば、フィルタエレメントの配列ピッチ、フィルタ
エレメント列の間隔がインクジェット式記録ヘッドのノ
ズルの配列ピッチ、ノズル列の間隔と同じであるため、
フィルタエレメントの着色におけるインクジェット式記
録ヘッドの制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であ
る。
【図2】インクジェット式記録ヘッドの動作原理の説明
図である。
【図3】本発明に係わる仕切部材の平面図と断面図であ
る。
【図4】本発明に係わるカラー液晶ディスプレイの断面
図である。
【図5】本発明に係わるカラーフィルタの製造工程断面
図である。
【図6】本発明に係わるカラーフィルタの製造工程断面
図である。
【図7】本発明に係わる仕切部材の平面図である。
【図8】本発明に係わる仕切部材の平面図である。
【図9】従来における矩形のカラーフィルタをインク滴
で着色する説明図である。
【符号の説明】
1 加圧室基板 106 加圧室 107 側壁 110 共通流路 5 ノズルプレート 51 ノズル 4 配線基板 3 基体 102 仕切部材 102b フィルタエレメント 101 ガラス基板 103 保護膜 202 共通電極 203 配向膜 204 液晶層 205 配向膜 206 画素電極 207 ガラス基板 208 偏光板 201 偏光板 10 カラーフィルタ 2 カラー液晶ディスプレイ 20 着色パターン層(赤) 21 着色パターン層(青) 22 着色パターン層(緑)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 俊一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の列を成して所定の配列ピッチで透
    明基板上に形成される光透過領域のそれぞれを仕切る仕
    切部材を備えるカラーフィルタにおいて、前記光透過領
    域を囲う仕切部材の平面形状を略円形とする、カラーフ
    ィルタ。
  2. 【請求項2】 前記略円形の直径を、20μm乃至30
    μmの範囲とする、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の「略円形」に代えて
    「多角形」とする、請求項1に記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記光透過領域を囲う仕切部材の断面形
    状を開口部が広いテーパ形状とする、請求項1乃至請求
    項3のうち何れか1項に記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記所定の配列ピッチが、前記光透過領
    域を着色するインクを吐出するインクジェット式記録ヘ
    ッドのノズルの配列ピッチと同一である、請求項1乃至
    請求項4のうち何れか1項に記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記光透過領域の列同士の間隔が、前記
    光透過領域を着色するインクを吐出するインクジェット
    式記録ヘッドのノズルの列同士の間隔と同一である、請
    求項1乃至請求項5のうち何れか1項に記載のカラーフ
    ィルタ。
  7. 【請求項7】 前記仕切部材は遮光性の材料で構成され
    ている、請求項1乃至請求項6のうち何れか1項に記載
    のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のうち何れか1項
    に記載のカラーフィルタと、表面に画素極と配向膜が形
    成された第2の透明基板との間に液晶を封入して構成さ
    れるカラー液晶ディスプレイ。
  9. 【請求項9】 インクジェット式記録ヘッドからインク
    滴を吐出し、透明基板上に形成される仕切部材により所
    定の配列ピッチで複数の列に区画形成される光透過領域
    を着色するカラーフィルタの製造方法において、前記仕
    切部材で略円形に区画される光透過領域のそれぞれにイ
    ンクを充填する工程と、前記光透過領域に充填された各
    インクを乾燥させる工程と、乾燥させられた前記インク
    を覆う保護膜を形成する工程と、を備えるカラーフィル
    タの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記略円形の直径を、20μm乃至3
    0μmの範囲とする、請求項9に記載のカラーフィルタ
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の「略円形」に代えて
    「多角形」とする、請求項8に記載のカラーフィルタの
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記所定の配列ピッチが、前記光透過
    領域を着色するインクを吐出するインクジェット式記録
    ヘッドのノズルの配列ピッチと同一である、請求項9乃
    至請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記光透過領域の列同士の間隔が、前
    記光透過領域を着色するインクを吐出するインクジェッ
    ト式記録ヘッドのノズルの列同士の間隔と同一である、
    請求項9乃至請求項12のうち何れか1項に記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記仕切部材を遮光性の材料で形成す
    る工程をさらに含む、請求項9乃至請求項13のうち何
    れか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記光透過領域にインクを充填する工
    程は、電気機械変換素子として機能する圧電体薄膜素子
    をインク吐出の加圧源とするインクジェット式記録ヘッ
    ドで行う、請求項9乃至請求項14のうち何れか1項に
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項9乃至請求項15のうち何れか
    1項に記載のカラーフィルタの製造方法と、第2の透明
    基板上に画素電極と配向膜を形成する工程と、カラーフ
    ィルタと前記第2の透明基板との間に液晶を封入する工
    程と、を備えるカラー液晶ディスプレイの製造方法。
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