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JPH11315187A - アスファルト改質用ブロック共重合体組成物及びアスファルト組成物 - Google Patents

アスファルト改質用ブロック共重合体組成物及びアスファルト組成物

Info

Publication number
JPH11315187A
JPH11315187A JP11041548A JP4154899A JPH11315187A JP H11315187 A JPH11315187 A JP H11315187A JP 11041548 A JP11041548 A JP 11041548A JP 4154899 A JP4154899 A JP 4154899A JP H11315187 A JPH11315187 A JP H11315187A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
asphalt
weight
composition
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11041548A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4021577B2 (ja
Inventor
Keiichi Toda
圭一 戸田
Yukinori Nakamichi
幸則 仲道
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON ELASTOMER KK
Original Assignee
NIPPON ELASTOMER KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON ELASTOMER KK filed Critical NIPPON ELASTOMER KK
Priority to JP04154899A priority Critical patent/JP4021577B2/ja
Publication of JPH11315187A publication Critical patent/JPH11315187A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4021577B2 publication Critical patent/JP4021577B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い軟化点と伸度、機械的強度等の物性を示
し、しかも優れた貯蔵安定性を持ったアスファルト組成
物、及びこのアスファルト組成物を提供するための、ア
スファルトに対して非常に溶解性が良く、その後の加工
性にも優れたアスファルト改質剤としてのブロック共重
合体組成物を提供する。 【解決手段】 モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロ
ックと共投ジエン重合体ブロックよりなるブロック共量
合体(A)と、モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロ
ックと共役ジエン重合体ブロックの共重合体よりなり分
子量がブロック共重合体(A)の分子量の1/3〜2/
3に相当するブロック共重合体(B)とよりなるブロッ
ク共重合体組成物よりなるアスファルト改質用ブロック
共重合体組成物、及び該ブロック共重合体組成物とアス
ファルトからなるアスファスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノアルケニル芳
香族化合物−共役ジエン−ブロック共重合体組成物に関
するものである。特に、本発明は、高い軟化点と優れた
伸度を有し、さらに機械的強度などの物性と加工性との
バランスに優れ、さらには貯蔵安定性に優れたアスファ
ルト組成物、例えば排水舗装用に適したアスファルト組
成物と、このアスファルト組成物を提供するためのアス
ファルト改質剤としての特定の構造と特定の形状を有す
るアスファルトに対する溶解性の極めて優れたアスファ
ルト改質用ブロック共重合体組成物とを提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、アスファルト組成物は、道路舗
装、防水シート、遮音シート、ルーフイング等の用途に
広く使用されている。その際、アスファルトに種々のポ
リマーを添加して、その性質を改良しようとする試みが
多くなされている。そのポリマーの具体例としては、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、ゴムラテックス、ブタジエンとビニル
芳香族化合物とからなるブロック共重合体等が使用され
ている。
【0003】しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体の場合
は、アスファルト組成物の低温特性が劣り、冬場のひび
割れ等が発生して好ましくない。また、伸度特性も劣
り、そのために粘結力(テナシティー)も劣ることか
ら、特に道路舗装の場合には骨材の把握特性に劣る。ま
た、ゴムラテックスの場合は、ラテックス中の水を蒸発
させるために、余分な加熱が必要であるなどの経済的或
いはプロセス上の問題がある。
【0004】また近年では、道路通行車両の増大、或い
は高速化といった事情に伴って、重交通路や高速路のた
めにより優れた強度、耐磨耗性の保持という要求があ
り、さらには排水性改良や騒音低減化を目的として、空
隙率の高い舗装道路を施工するために高性能のアスファ
ルト組成物(排水舗装用アスファルトバインダー)の要
求も高まり、より高い軟化点やタフネス、テナシティー
などの機械的強度が必要とされている。
【0005】さらには、石油精製における精製度向上に
ともなうストレートアスファルトの品質低下によるアス
ファルト組成物の性能低下、さらにはアスファルト組成
物の長期保存による貯蔵時の安定性などいくつかの新ら
たな問題が発生してきた。貯蔵時の安定性とは、高温貯
蔵後の性能、例えば軟化点が全体に低下したり、また上
層と下層でその性能に差が出る相分離等の現象が見られ
るということである。このような現象は、これまで解決
されておらず、大きな問題になっていた。
【0006】これらの問題を解決するために、例えば前
記ブロック共重合体の分子量を上げることにより改良す
ることが試みられた。しかし、単純に分子量を上げるだ
けでは、機械強度は改良されるものの、溶融粘度が高く
なり、道路舗装等の加工性が著しく犠牲になる等の問題
があった。また貯蔵安定性については分子量を上げると
大幅に安定性が低下し、まったく改善の効果は見られな
い。
【0007】より高い軟化点をもった、より高性能のア
スファルト組成物として、ある特定の分子構造を持つブ
ロック共重合体を添加したアスファルト組成物が提案さ
れている(特開平6−041439号公報)。この組成
物は、高い軟化点と針入度、伸度、優れた耐寒性能、加
工性を合わせ持つ組成物であったが、やはり貯蔵安定性
については改善されず、貯蔵安定性が必要となる用途に
は使用できない。このように、従来の各ポリマーを添加
したアスファルト組成物は、その特性として必要な高い
軟化点、針入度、伸度や、加工性との高度なバランスを
同時に満足し、さらに優れた貯蔵安定性を持ったものは
存在せず、このようなアスファルト組成物の提供への強
い要求がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のアスファルト組成物が有する課題を解決し、高い
軟化点と伸度、機械的強度等の物性を示し、しかも優れ
た貯蔵安定性を持ったアスファルト組成物、及びこのア
スファルト組成物を提供するための、アスファルトに対
して非常に溶解性が良く、その後の加工性にも優れたア
スファルト改質剤としてのブロック共重合体組成物を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の性
能を有するアスファルト改質剤、及びこれを用いた改質
アスファルト組成物を開発するために、鋭意検討を重ね
た結果、ある非常に限定された範囲の構造および形状を
有するアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロッ
ク共重合体組成物をアスファルト改質剤としてある特定
の範囲で添加することにより、溶解性に優れ、さらに加
工性にも優れ、なおかつ、軟化点、伸度、機械強度に優
れ、その上、貯蔵時にもその性能が安定して保持される
優れた貯蔵安定性を示し、上記の目的が達成されること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明は、少なくとも2個のモノ
アルケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと
少なくとも1個の共投ジエン化合物を主体とする重合体
ブロックよりなるブロック共量合体(A)と、少なくと
も1個のモノアルケニル芳香族化合物を主体とする重合
体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体
とするブロック共重合体よりなり分子量がブロック共重
合体(A)の分子量の1/3〜2/3に相当するブロッ
ク共重合体(B)とよりなるブロック共重合体組成物よ
りなり、 1)ブロック共重合体(A)及びブロック共重合体
(B)中の、(ア)全結合アルケニル芳香族化合物の含
有量が10〜50重量%であり、(イ)共役ジエン中の
ビニル結合含有量が70重量%以下であり、 2)ブロック共重合体組成物中における(ウ)(A)の
含有量が98〜20重量%、(B)の含有量が2〜80
重量%であり、(エ)かつブロック共重合体組成物のM
I(G条件)が0.3〜15.0であって、(オ)嵩密
度が0.1〜0.7、(カ)粒径分布が5メッシュに残
る成分が30重量%以下で、なおかつ20メッシュを通
過する成分が30重量%以下、(キ)細孔の全容積が1
00〜2000mm3 /gであることを特徴とするアス
ファルト改質ブロック共重合体組成物、及び上記の該ア
スファルト改質用ブロック共重合体組成物3〜15重量
部とアスファルト85〜97重量部からなる道路舗装用
アスファルト組成物、である。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
を構成する(A)成分は、少なくとも2個のモノアルケ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと少なく
とも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとか
らなるブロック共重合体である。また、(B)成分は、
少なくとも1個のモノアルケニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックと、少なくとも1個の共役ジエンを
主体とする共重合体ブロックとからなるブロック共重合
体である。モノアルケニル芳香族化合物を主体とする重
合体ブロックとは、モノアルケニル芳香族化合物を50
重量%以上含有する、実質的にモノアルケニル芳香族化
合物を主成分とする重合体ブロックである。また、共役
ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエンを
50重量%以上含有する、実質的に共役ジエンを主成分
とする重合体ブロックである。
【0012】本発明を構成するブロック共重合体組成物
中のモノアルケニル芳香族化合物としては、例えば、ス
チレン、P−メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、
α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンなど
の単量体が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。これ
らの単量体は、単独でも2種以上を併用してもよい。一
方、共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、
イソプレン、2,3−ジメチルー1,3−ブタジエン、
ピペリレン、3−ブチルー1,3−オクタジエン、フェ
ニルー1,3−ブタジエンなどの単量体が挙げられ、中
でも1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。こ
れらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
【0013】本発明を構成する(B)成分のゲルパーミ
ェーシヨンクロマトグラフィー(GPC)で測定される
ピ−ク分子量は、(A)成分の同様にして測定されるピ
ーク分子量の1/3〜2/3の範囲である。1/3未満
の場合には、溶融粘度が低くなり加工性は優れるもの
の、凝集力や軟化点の点で劣り、また伸度も劣ったもの
となる。また、2/3を越える場合には、軟化点は高く
なるものの、アスファルト組成物の溶融粘度が高くなっ
て、加工性の点で好ましくない。
【0014】(A)成分の構造としては、Sがモノアル
ケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック、Bが
共役ジエンを主体とする重合体ブロックとした場合、S
BS、SBSB、SBSBS、(SB)2 X、(SB)
3 X、(SB)4 X、(SBS)2 X、(SBS)
3 X、(SBS)4 Xなどが挙げられる(但し、Xはカ
ップリング剤残基)。中でも、(SB)2 X、SBSが
性能上から好ましい。特に(SB)2 Xが性能上、生産
上から望ましい。(B)成分の構造としては、SB、S
BS、SBSB、SBSBS、(SB) 2 X、(SB)
3 X、(SB)4 X、(SBS)2 X、(SBS)
3 X、(SBS)4 Xなどがあげられる(但し、Xはカ
ップリング剤残基)。中でも、SB、(SB)2 X、S
BSが性能上から好ましい。特にSBが性能上、生産上
から望ましい。
【0015】本発明のブロック共重合体組成物中におけ
る(A)成分の含有量は98〜20重量%、(B)成分
の含有量は2〜80重量%であることを必要とする。こ
れらの範囲外の場合には、溶融粘度、軟化点、伸度の高
度な物性バランスが発現しない。好ましい範囲を(B)
成分の含有量についていえば、5〜60重量%、さらに
好ましくは10〜40重量%である。
【0016】本発明におけるブロック共重合体組成物中
のモノアルケニル芳香族化合物の含有量は10〜50重
量%である。モノアルケニル芳香族化合物の含有量が1
0重量%未満の場合、モノアルケニル芳香族化合物重合
体ブロックの凝集力が不足し、タフネス、テナシティー
等の機械強度に劣る。また50重量%を越える場合は、
貯蔵安定性が大幅に悪くなり望ましくない。またアスフ
ァルト配合物を製造する際に、アスファルト中への溶解
分散時間が長くなり、加工性が悪くなって好ましくな
い。さらには、アスファルト配合物の低温特性が悪化
し、好ましくない。モノアルケニル芳香族化合物の含有
量の好ましい範囲は15〜45重量%、さらに好ましく
は20〜40重量%である。
【0017】また、ブロック共重合体組成物中のモノア
ルケニル芳香族化合物重合体ブロックの含有量は10重
量%以上、50重量%未満が望ましい。10重量%未満
の場合、モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロックの
凝集力が充分に得られず、軟化点やタフネス、テナシテ
ィーが不足する場合がある。また50重量%以上の場合
は、アスファルト組成物にした時に相分離や軟化点の経
時変化が起こる場合がある。より好ましい範囲は15〜
45重量%、さらにより好ましくは20〜40重量%で
ある。モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロックの含
有量は、後述する酸化分解法により求めることが出来
る。
【0018】また、本発明におけるブロック共重合体組
成物中の共役ジエン重合体ブロック中の共役ジエン化合
物に由来するビニル結合含有量は70重量%以下であ
る。ビニル結合含有量が70重量%を越えると、ブロッ
ク共重合体の熱安定性が極端に悪くなり好ましくない。
また、アスファルト組成物の低温特性も劣ったものとな
る。好ましい範囲は、ビニル結合含有量が5〜60重量
%、より好ましくは8〜50重量%である。
【0019】本発明のブロック共重合体組成物のMI
は、G条件(200℃、5kgf)で測定して0.3〜
15.0である。MIが0.3未満の場合はアスファル
ト配合物の溶融粘度が高すぎ、加工性の点で劣る。ま
た、MIが15.0を越える場合、加工性は優れるもの
の、軟化点は低いものとなって、(A)及び(B)成分
の高度なアスファルト改質効果が発現されない。好まし
い範囲は0.5〜10.0、さらに好ましくは0.7〜
5.0である。
【0020】更に、本発明のブロック共重合体組成物の
静的熱機械試験機(TMA)で計測される軟化温度は8
0〜130℃であることを必要とする。軟化温度が80
℃未満の場合、凝集力に乏しく、アスファルト組成物の
高い軟化点が発現せず、またタフネス、テナシティーに
も劣る。一方、軟化温度が130℃を越える場合、アス
ファルト組成物の溶融粘度が高くなりすぎ、アスファル
トとの分散相溶性が悪くなって、好ましい物性効果を発
現できない。好ましい範囲は85〜125℃、さらに好
ましくは90〜120℃である。
【0021】さらに、本発明の共重合体組成物の形状は
以下の形状をとる必要がある。本発明の共重合体組成物
の嵩密度は0.1〜0.7の範囲にある必要がある。嵩
密度が0.1よりも低い場合、アスファルトへの溶解時
に浮き上がり、分離して溶解性が劣る。また、輸送時に
非効率的である。また、0.7よりも大きい場合、高度
に凝集しているため、溶解しにくく、溶解時間がかか
る。望ましくは0.2〜0.5、さらに望ましくは0.
25〜0.4である。
【0022】本発明の共重合体組成物の粒度分布が、ふ
るいにかけたときの5メシュに残る成分が30重量%以
下であることが必要である。5メッシュに残る成分が3
0重量%よりも多い場合、粒径の大きい成分が増えるの
で溶解性が劣る。望ましくは20重量%以下、さらに望
ましくは10重量%以下である。さらに、20メッシュ
を通過する成分が30重量%以下であることが必要であ
る。20メッシュを通過する成分が30重量%以下の場
合、粒径の小さな成分が多すぎて、ダマになりやすく溶
解に時間がかかる。望ましくは10重量%以下、さらに
望ましくは2重量%以下である。
【0023】本発明の共重合体組成物に存在する細孔の
容積を測定したときに細孔全容積が100〜2000m
3 /gの範囲であることが必要である。100mm3
/g未満の場合、細孔が少ないのでアスファルトの成分
が入り込みにくく、溶解時間がかかる。又、2000m
3 /gを超える場合、空隙が多くなりすぎて溶解時に
アスファルトの上面に浮遊して溶解時間がかかる。望ま
しくは120〜1500mm3 /g、さらに望ましくは
130〜1000mm3 /gである。
【0024】さらに、本発明の共重合体組成物は、以下
の態様で特に優れた性能を示す。すなわち、本発明のブ
ロック共重合体組成物中には、全結合アルケニル芳香族
化合物の含有量(TS)からモノアルケニル芳香族化合
物重合体ブロックの含有量(BS)を差し引いたアルケ
ニル芳香族化合物含有量(TS−BS)が2〜30重量
%であることが望ましい。2重量%未満では本発明の目
的である貯蔵安定性の特に優れた効果が期待できない。
また、40重量%よりも多い場合には、軟化点などの性
能が低下する。望ましい範囲は、3〜25重量%、さら
に望ましくは4〜20重量%である。
【0025】この(TS−BS)の量は、例えば、共役
ジエンを主体とするブロックを重合する際に、共役ジエ
ンを反応容器に仕込んだ後、徐々にモノアルケニル芳香
族化合物を添加していくか、又は場合によりランダム化
剤の存在下、共役ジエンとアルケニル芳香族化合物を同
時に反応容器に仕込み、場合によりさらに共役ジエンを
追添しながら、重合すること等により調整することが出
来る。
【0026】この時、本発明におけるブロック共重合体
組成物中のモノアルケニル芳香族化合物の含有量(T
S)は12〜50重量%であることが望ましい。モノア
ルケニル芳香族化合物の含有量が12重量%未満の場
合、モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロックの凝集
力が不足し、タフネス、テナシティー等の機械強度に劣
る。また、50重量%を越える場合は、貯蔵安定性が大
幅に悪くなり望ましくない。また、アスファルト配合物
を製造する際に、アスファルト中への溶解分散時間が長
くなり、加工性が困難となって好ましくない。さらに
は、アスファルト配合物の低温特性が悪化し、好ましく
ない。モノアルケニル芳香族化合物の好ましい範囲は1
5〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%で
ある。
【0027】また、同様にブロック共重合体組成物中の
モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロックの含有量
(BS)は10重量%以上、48重量%以下であること
が望ましい。10重量%未満の場合、モノアルケニル芳
香族化合物ブロックの凝集力が充分に得られず、軟化点
やタフネス、テナシティーが不足する。また48重量%
を越える場合は、アスファルト組成物にした時に相分離
や軟化点の経時変化が起こる。好ましい範囲は15〜4
5重量%、さらに好ましくは20〜40重量%である。
【0028】本発明は、アスファルト改質用のブロック
共重合体組成物、及びこれを用いて改質した改質アスフ
ァルト組成物を開示しているが、このとき成分(A)及
び(B)よりなるアスファルト改質用ブロック共重合体
組成物2〜15重量部とアスファルト85〜97重量部
とが含有される場合に、アスファルト組成物の効果が有
効に発現される。改質アスファルト組成物中における共
重合体組成物の配合量が2重量部未満の場合は、満足な
アスファルト改質効果を得ることができない。また、1
5重量部を越えて配合した場合、アスファルト組成物の
溶融粘度が高くなって、加工性が損なわれるばかりか、
経済的にも不利である。より好ましくは、共重合体組成
物が4〜12重量部、アスファルトが88〜96重量部
配合されてなる場合である。
【0029】本発明で使用されるアスファルトは、特に
制限されるものでなく、慣用されているアスファルト、
例えば、ストレートアスファルト、(セミ)ブローンア
スファルト及びこれらの混合物などが挙げられる。好適
には、針入度40〜120のストレートアスファルト、
針入度10〜30のブローンアスファルト及びこれらの
混合物が挙げられる。
【0030】本発明を構成する(A)成分は、例えば不
活性炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を重合開始剤
としてスチレンを重合させ、次いで、ブタジエン単独を
重合させる方法、またブタジエンを重合させながらスチ
レンを徐々に添加していき重合させる方法、またはブタ
ジエン/スチレンの混合物を重合させる方法、場合によ
り極性化合物存在下で行う前記方法、また場合により共
役ジエンを追添する前記方法等によりブタジエン重合体
ブロック、又はスチレンブタジエン共重合体ブロックを
形成し、さらに再度スチレンを重合させ、場合により、
さらに上記操作を繰り返すこと等により得られる。この
とき、GPCにおけるピーク分子量が、標準ポリスチレ
ン換算で5×104 〜50×104 の範囲になるよう
に、有機リチウム化合物量を制御し調製される。
【0031】また、本発明を構成する(B)成分は、例
えば不活性炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重
合開始剤としてスチレンを重合させ、次いで、上記に記
載されたいずれかの方法でブタジエン重合体ブロック、
又はスチレンブタジエン共重合体ブロックを形成し、場
合により、さらに上記操作を繰り返すことにより得られ
る。(A)成分の重合方法と(B)成分の方法は同じで
ある必要はない。このときGPCにおけるピーク分子量
が(A)成分のピーク分子量の1/3〜2/3倍の範囲
になるように有機リチウム化合物量を制御し調製され
る。(A)成分及び(B)成分は、反応終了後、水、ア
ルコール、酸などを添加して活性種を失活させ、各成分
の溶液を所定の組成でブレンドした後、例えばスチーム
ストリッピングなどを行って共重合体組成物を得ること
ができる。
【0032】また、本発明を構成する(A)成分および
(B)成分からなるブロック共重合体組成物は、(B)
成分を重合した後、重合系内に適当なカップリング剤を
有機リチウム化合物に対して所定量添加することにより
系内でカップリング反応をさせて、未反応の成分を
(B)成分とし(B)成分がカップリング反応して得ら
れた成分を(A)成分とする所定の組成物が得られる。
この方法では、前記の方法に比ベ工業的に有利である。
これらの(A)、(B)両成分は、同様に反応終了後、
水、アルコール、酸などを添加して活性種を失活させ、
例えばスチームストリッピングなどを行って共重合体組
成物を得ることができる。
【0033】カップリング剤としては、好ましくは2官
能性カップリング剤が使用される。そのようなものとし
ては、例えば、ジクロルジメチルシラン、フェニルメチ
ルジクロロシランのようなハロゲン化ケイ素化合物、ジ
メチルジメトキシシランのようなアルコキシケイ素化合
物、ジクロルジメチルスズのようなスズ化合物、安息香
酸メチルのようなエステル化合物、ジビニルベンゼンな
どのようなビニルアレン類、そして2官能性のエポキシ
化合物などが挙げられる。
【0034】ブロック共重合体(A)、及び(B)中の
共役ジエンを主体とするブロックを重合する際に、ラン
ダム化剤として極性化合物を添加することにより共役ジ
エンブロック中のモノアルケニル芳香族化合物のランダ
ム性を調整することが可能である。例えば、エーテル類
や第三級アミン類など、具体的にはエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、α−メトキシ
テトラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメチ
ルエチレンジアミンなど、好ましくはテトラヒドロフラ
ンやN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ンを使用することが出来る。そのような極性化合物は、
例えば有機リチウム化合物を開始剤として重合体を得る
際に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、オクタンなどの不活性炭化水素溶媒中に少量添加
させることにより使用することが出来る。また、ブタジ
エン/スチレン混合物のかわりに、スチレンをまず仕込
み、ブタジエンを徐々に添加する方法により、ブタジエ
ンとスチレンのランダム性を調整することも可能であ
る。
【0035】さらに、ビニル結合含有量は、例えば有機
リチウム化合物を開始剤として重合体を得る際に、n−
ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、オク
タンなどの不活性炭化水素溶媒中にエーテル類や第三級
アミン類などの極性化合物、例えば、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、α−メトキ
シテトラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメ
チルエチレンジアミンなど、好ましくはテトラヒドロフ
ランやN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミンなどを使用することにより調整が出来る。
【0036】本発明の組成物には、必要に応じて、酸化
防止剤、光安定剤などの安定剤を添加することもでき
る。該安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−
(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチ
レンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−0−クレゾ
ール、2−t−プチル−6−(3−t−プチル−2−ヒ
ドロキシ−5−メチルペンジル)−4−メチルフェニル
アクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
エチル〕フェニルアクリレートなどのヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロビオネート、
ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリス
リトールーテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネー
ト)などのイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などを挙
げることができる。
【0037】また、光安定剤としては、例えば2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ペンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−t
−ブチルフェニル)ペンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−
5−クロロペンゾトリアゾールなどのペンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤や2−ヒドロキシ−4−メトキシペン
ゾフェノンなどのペンゾフェノン系紫外線吸収剤、ある
いはヒンダードアミン系光安定剤などを挙げることがで
きる。
【0038】さらに、本発明の組成物は、前記の方法で
重合した後、以下の方法で得ることが出来る。例えば、
スチームストリッピングで得られた含水状態のポリマー
(含水クラム)をスクリュー型搾り機を用いて脱水しな
がら半溶融状態で押し出し、所定の発泡度になるように
水分、温度等を調整して、搾り機出口で発泡させて、さ
らに出口に取り付けられたカッター刃で所定の粒径が得
られるように調整し、ポーラスなペレットを得る。さら
に必要であれば、熱風乾燥機で残りの水分を蒸発させて
本発明の組成物を得ることが出来る。また、含水クラム
をプレス型脱水機にかけて脱水後、熱風乾燥機で温度、
時間、含水量を調整して必要に応じて発泡させながら半
溶融の状態で乾燥させて、その後、粉砕器で祖粉砕し本
発明の組成物を得る事もできる。さらには、含水クラム
をロール脱水機にかけて、加熱脱水後、所定の形状にな
るように調整した粉砕器にかけて祖粉砕し本発明の組成
物を得ることもできる。さらに別の方法として、含水ク
ラムをそのまま流動乾燥機等で乾燥することにより本発
明の組成物を得ることも出来る。この場合は、スチーム
ストリッピングの際に温度、攪拌数、攪拌時間等の条件
を調整して所定の形状が得られるようにする。
【0039】本発明のアスファルト組成物を混合する方
法は時に限定されるものでなく、所望により前記の各種
添加剤を、例えば、熱溶融釜、ロール、ニーダー、バン
バリーミキサー、押出機などにより加熱溶融混練するこ
とにより調製することができる。本発明のアスファルト
組成物には、前記安定剤以外に、必要により従来アスフ
ァルト組成物に慣用されている各種添加剤、例えばシリ
カ、タルク、炭酸カルシウム、鉱物質粉末、ガラス繊維
などの充填剤や補強剤、鉱物質の骨材、顔料あるいはパ
ラフィン系、ナフテン系及びアロマ系のプロセスオイル
などの軟化剤、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂な
どの粘着付与性樹脂、アゾジカルボンアミドなどの発泡
剤、アタクチックポリプロビレン、エチレンーエチルア
クリレート共重合体などのポリオレフィン系又は低分子
量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂;天然ゴム;ポリイソ
プレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンーブタジエ
ンゴム、エチレンープロピレンゴム、クロロプレンゴ
ム、アクリルゴム、イソプレンーイソブチレンゴム、ポ
リペンテナマーゴム、及び本発明以外のスチレンーブタ
ジエン系ブロック共重合体、スチレンーイソプレン系ブ
ロック共重合体などの合成ゴムを添加しても良い。特
に、道路舗装用として用いられる場合には、通常該アス
ファルト組成物は、鉱物質の石、砂、スラグなどの骨材
と混合して使用される。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、これらの実施例は本発明を何等限定するもの
ではない。なお、各種測定は下記の方法に従った。 A.ブロック共重合体組成物の物性測定; 1)全スチレン含量:紫外線分光光度計(日立UV20
0)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。 2)ブロックスチレン含量:四酸化オスミウムとt−ブ
チルハイドロパーオキシドによる酸化分解法〔「ジャー
ナル・オブ・ポリマー・サイエンス」第1巻、第429 頁
(1946年)に記載〕に従って求めた。なお、スチレン重
合体ブロックの重量測定は、紫外線分光光度計(日立U
V200)を用いて、262nmの吸収強度より算出し
た。
【0041】3)ブタジエン部のビニル結合含有量:赤
外線分光光度計(パーキンエルマー製モデル1710)を用
いて測定し、ハンプトン法(「Analytical
Chem.、21、943(’43)」に記載)により
測定した。 4)静的熱機械分析:熱機械分析装置(島津製作所
(株)製、TMA −40)を使用し、ブロック共重合体を2
mm厚に圧縮成形したシートをピン径0.5φmmの円
柱状先端を持つ石英棒を検出棒に用いて、針入度法によ
って温度変化を測定し、針入度が急激に変化する温度を
軟化温度とした(荷重10g、昇温速度5℃/分)。
【0042】5)ピーク分子量及び組成比:GPC〔装
置は、ウォーターズ製であり、カラムは、デュポン製の
ZORBAXPSMlOOO −S を2本とPSM 60−S の計3本の組
合せである。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定
条件は、温度35℃、流速0.7ml/分、試料濃度
0.1重量%、注入量50μlである〕のクロマトグラ
ムより、ピーク分子量及び組成比を求めた。なお、ピー
ク分子量は、以下の標準ポリスチレン(ウォーターズ
製)検量線からの換算値である。1.75×106
4.1×105 、1.12×105 、3・5×104
8.5×103 6)MI:MIの測定はJIS−K7210のA法に準
じて、試験条件は表−1の条件8(試験温度200℃、
試験荷重5kgf ASTMのG条件に相当)で行っ
た。
【0043】B.アスファルト組成物の物性測定: 1)溶融粘度:180℃でブルックフィールド型粘度計
により測定した。 2)タフネス、テナシティ:舗装工事に関する試験方法
(日本道路建設業協会編)に準じて測定した。 3)伸度、進入度、軟化点:JIS−K−2207に準
拠して測定した。 4)相分離:アスファルト組成物を調製後、160℃×
2日間放置し上下層の軟化点を測定し、その差を相分離
性とした。 5)アスファルトへの溶解性:アスファルトへ溶解させ
る過程において、金網で未溶解物の有無を確認し、未溶
解物がなくなった時の時間をアスファルトへの溶解時間
として溶解性を判断した。
【0044】C.組成物の形状分析: 1)嵩密度 充分に乾燥した重合体組成物を100ccの容器で計量
し、100ccの重量から嵩密度を計算した。 2)粒度分布 充分に乾燥した重合体組成物500gを5メッシュ、2
0メッシュを重ねたふるいにかけて、そのふるいを通過
した重量、ふるいに残った重量を各々測定し計算した。 3)細孔全容積 水銀ポロシメータ〔(株)アムコ社製、ポロシメータpa
scal140型〕を使用して水銀圧入法で測定した。
【0045】
【実施例1】ジャケットと攪拌機の付いた10lステン
レス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7
000cc、テトラヒドロフラン1.41g、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.6g、
スチレン(第1スチレンと称す)300gを仕込み、ジ
ャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定し
た。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液
(純分で1.8g)を添加し、第1スチレンの重合を開
始した。第1スチレンが完全に重合してから、ブタジエ
ン(1,3−ブタジエン)700gを添加し重合を継続
し、ブタジエン及びスチレンがほぼ完全に重合してか
ら、表1−1に示すカップリング剤を添加し、カップリ
ング反応させた。カップリング剤添加後に、水0.5g
を加えた。第1スチレンを仕込んだ直後より、この間、
攪拌機により系内を連続的に攪拌した。
【0046】この後、ブロック共重合体組成物の溶液を
抜き出し、2,6−ジ−t−ブチルー4−メチルフェノ
ール1.9g、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト
1.2gを添加し、得られた該溶液をスチームストリッ
ピングすることにより溶媒を除去し含水クラムを得た。
引き続き、熱ロールにより脱水乾燥して、さらに粉砕器
にかけて所定の粒径分布になるように調整しブロック共
重合体組成物を得た。この操作の条件を表1−1にまと
めた。このようにして得られたブロック共重合体組成物
をGPCで測定し、低分子主成分を(B)、高分子主成分
を(A)とした。その分析値、物性値を表2−1に示し
た。また、ストレートアスファルト〔日本石油(株)
製、ストアス60/80〕100gに対し該重合体組成物を
6gの割合で添加し、180℃で溶融混練してアスファ
ルト組成物を調製した。そのアスファルト組成物の特
性、加工性等のデータを表3−1に示した。
【0047】
【実施例2】ジャケットと攪拌機の付いた10lステン
レス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7
000cc、テトラヒドロフラン1.41g、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.6g、
スチレン(第1スチレンと称す)200gを仕込み、ジ
ャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定し
た。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液
(純分で1.4g)を添加し、第1スチレンの重合を開
始した。第1スチレンが完全に重合してから、ブタジエ
ン (1,3−ブタジエン)700g、スチレン(第2
スチレンと称す)100gを添加し重合を継続し、ブタ
ジエンがほぼ完全に重合してから、カップリング剤を添
加し、カップリングさせた。
【0048】カップリング剤添加後に、水0.4gを加
えた。第1スチレンを仕込んだ直後より、この間、攪拌
機により系内を連続的に攪拌した。この後、ブロック共
重合体組成物の溶液を抜き出し、2,6−ジ−t−ブチ
ルー4−メチルフェノール1.9g、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト1.2gを添加し、得られた該溶
液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去
し含水クラムを得た。引き続き、ベント付き30mm押
出機により脱水乾燥を行なった。その際、カッターを調
整して所定の粒度分布になるようにした。さらに熱風乾
燥を行い、所望するブロック共重合体組成物を得た。こ
の操作の条件を表1−1にまとめた。このようにして得
られたブロック共重合体組成物をGPCで測定し、低分子
主成分を(B)、高分子主成分を(A)とした。その分
析値、物性値を表2−1に示した。また、ストレートア
スファルト〔日本石油(株)製、ストアス60/80〕10
0gに対し該重合体組成物を6gの割合で添加し、18
0℃で溶融混練してアスファルト組成物を調製した。そ
のアスファルト組成物の特性、加工性等のデータを表3
−1に示した。
【0049】
【実施例3】ジャケットと攪拌機の付いた10lステン
レス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7
000cc、テトラヒドロフラン1.41g、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.6g、
スチレン(第1スチレンと称す)150gを仕込み、ジ
ャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定し
た。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液
(純分で1.64g)を添加し、第1スチレンの重合を
開始した。第1スチレンが完全に重合してから、ブタジ
エン(1,3−ブタジエン)850gを添加し重合を継
続し、ブタジエンがほぼ完全に重合してから、カップリ
ング剤を添加し、カップリングさせた。
【0050】カップリング剤添加後に、水0.4gを加
えた。第1スチレンを仕込んだ直後より、この間、攪拌
機により系内を連続的に攪拌した。この後、ブロック共
重合体組成物の溶液を抜き出し、2,6−ジ−t−ブチ
ルー4−メチルフェノール1.9g、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト1.2gを添加し、得られた該溶
液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去
し含水クラムを得た。引き続き、プレス型脱水機により
脱水を行い、次に乾燥機で乾燥を行った。さらに粉砕器
にかけて所定の粒径分布になるように調整しブロック共
重合体組成物を得た。この操作の条件を表1−1にまと
めた。
【0051】このようにして得られたブロック共重合体
組成物をGPCで測定し、低分子主成分を(B)、高分
子主成分を(A)とした。その分析値、物性値を表2−
1に示した。また、ストレートアスファルト〔日本石油
(株)製、ストアス60/80〕100gに対し該重合体組
成物を6gの割合で添加し、180℃で溶融混練してア
スファルト組成物を調製した。そのアスファルト組成物
の特性、加工性等のデータを表3−1に示した。
【0052】
【実施例4〜17及び比較例1〜8】実施例4〜18及
び比較例1〜7は、表1−1、2、3に記載した条件以
外は、実施例1と同様の条件で行った。その結果、得ら
れたブロック共重合体組成物の分析値、物性値を表2−
1、2、3に示した。また、アスファルト組成物評価に
ついて、アスフアルトは実施例1と同じものを用い、ア
スファルトの配合量、配合方法も実施例1と同等に行っ
た。その結果を表3−1、2、3に示した。
【0053】
【参考例1】〔ブロック共重合体成分(A)の製法〕ジ
ャケットと攪拌機のついた10lステンレス製反応器を
充分に窒素置換した後、所定量のシクロヘキサン、テト
ラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン、スチレン(第1スチレンと称する)を
仕込み、ジャケットに温水を通水し、内容物を約70℃
に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサ
ン溶液を所定量添加し、第1スチレンの重合を開始し
た。第1スチレンが完全に重合してから、ブタジエン
(1,3−ブタジエン)、スチレン(第2スチレンと称
す)を所定量添加して重合を継続し、ブタジエンが完全
に重合してから、再度、スチレン(第3スチレンと称す
る)を所定量添加して重合を続け、第3スチレンが完全
に重合してから、水を加えて活性種を完全に失活させ
た。この後、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノールとトリス(ノニルフェノール)ホスファイト(シ
クロヘキサン溶液)を添加した。この操作の条件を表1
−4に示した。
【0054】
【参考例2】〔ブロック共重合体成分(B)の製法〕ジ
ャケットと攪拌機のついた10lステンレス製反応器を
充分に窒素置換した後、所定量のシクロヘキサン、テト
ラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン、スチレン(第1スチレンと称する)を
仕込み、ジャケットに温水を通水し、内容物を約70℃
に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサ
ン溶液を所定量添加し、第1スチレンの重合を開始し
た。第1スチレンが完全に重合してから、ブタジエン
(1,3−ブタジエン)とスチレン(第2スチレン)を
所定量添加して重合を継続し、ブタジエン、第2スチレ
ンが完全に重合してから、水を加えて活性種を完全に失
活させた。この後、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノールとトリス(ノニルフェノール)ホスファイ
ト(シクロヘキサン溶液)を添加した。この操作の条件
を表1−4に示した。
【0055】
【実施例18】上記の参考例1および参考例2で得られ
た(A)成分及び(B)成分のポリマー溶液は、所定の
組成比となるように、溶液で混合し、得られた該溶液を
スチームストリッピングする事により溶媒を除去し含水
クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥し
て、さらに粉砕機にかけて所定の粒径分布になるように
調整しブロック共重合体組成物を得た。このブロック共
重合体組成物の物性を表2−3に示した。このようにし
て得たブロック共重合体組成物を実施例1と同様のアス
ファルトを用いて、同様に配合量でアスファルト組成物
にした。その物性値を表3−3に示した。
【0056】
【参考例3】ジャケットと攪拌機の付いた10lステン
レス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7
000cc、テトラヒドロフラン1.41g、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン0.6g、
スチレン(第1スチレンと称す)220gを仕込み、ジ
ャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定し
た。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液
(純分で1.4g)を添加し、第1スチレンの重合を開
始した。第1スチレンが完全に重合してから、ブタジエ
ン(1,3−ブタジエン)680g、第2スチレン10
0gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重
合してから、カップリング剤を添加し、カップリングさ
せた。カップリング剤添加後に、水0.5gを加えた。
第1スチレンを仕込んだ直後より、この間、攪拌機によ
り系内を連続的に攪拌した。この後、ブロック共重合体
組成物の溶液を抜き出し、2,6−ジ−t−ブチルー4
−メチルフェノール1.9g、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト1.2gを添加した。
【0057】
【実施例19】参考例3で得られた該溶液をスチームス
トリッピングすることにより溶媒を除去し含水クラムを
得、引き続き、ベント付き30mm押出機により脱水乾
燥を行なった。その際、カッターを調整して所定の粒度
分布になるようにした。さらに熱風乾燥を行い、所望す
るブロック共重合体組成物を得た。このようにして得ら
れたブロック共重合体組成物をGPCで測定し、低分子
主成分を(B)、高分子主成分を(A)とした。その物
性値を表2−3に示した。また、該重合体組成物6gとス
トレートアスファルト〔日本石油(株)製、ストアス60
/80〕100gを、180℃で溶融混練してアスファル
ト組成物を調製した。そのアスファルト組成物の特性を
表3−3に示した。
【0058】
【実施例20〜23、比較例9〜10】実施例20〜2
3、及び比較例9〜10は、実施例19と同様に、参考
例3で得られた該溶液を表1−5に記載の方法で粒体に
し、該重合体組成物6gとストレートアスファルト〔日
本石油(株)製、ストアス60/80〕100gを、180
℃で溶融混練してアスファルト組成物を調製した。その
重合体組成物の分析値を表2−4に、アスファルト組成
物の特性を表3−4に示した。
【0059】
【比較例11】参考例3の該溶液をスチームストリッピ
ングすることにより溶媒を除去し、得られた含水クラム
を、熱風乾燥機で脱水乾燥させて水分を実質的に完全に
除去し乾燥クラムを得た。さらに、該乾燥クラムを30
mm押出機で溶融押し出しを行いペレットを得た。ペレ
ットの分析値を表2−4に示した。また、ストレートア
スファルト〔日本石油(株)製、ストアス60/80〕10
0gに対し該重合体組成物を6gの割合で添加し、18
0℃で溶融混練してアスファルト組成物を調製した。そ
のアスファルト組成物の特性、加工性等のデータを表3
−4に示した。
【0060】
【比較例12】参考例3の該溶液をスチームストリッピ
ングすることにより溶媒を除去し、得られた含水クラム
を、熱風乾燥機で脱水乾燥させ、乾燥クラムを得た。該
クラムの分析値を表2−4に示した。重合体組成物6gと
ストレートアスファルト〔日本石油(株)製、ストアス
60/80〕100gを、180℃で溶融混練してアスファ
ルト組成物を調製した。そのアスファルト組成物の特性
を表3−4に示した。
【0061】
【比較例13】比較例10で得られたペレットをプレス
成形してシートを得た。さらにそのシートを裁断しサン
プルを得た。該サンプルの分析値を表2−4に示した。
該サンプル6gとストレートアスファルト〔日本石油
(株)製、ストアス60/80〕100gを、180℃で溶
融混練してアスファルト組成物を調製した。そのアスフ
ァルト組成物の特性を表3−4に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】
【表11】
【0073】
【表12】
【0074】
【表13】
【0075】
【発明の効果】これらの表から、ある特定された範囲の
構造のブロック共重合体で改質されたアスファルト組成
物は、高い軟化点、高い60℃溶融粘度、すぐれた伸
度、及び高いタフネス、テナシティーを示し、なおかつ
貯蔵安定性にも優れていることがわかる。さらに、実施
例は比較例に比べて初期軟化点が同等の場合は貯蔵安定
性が優れており、また貯蔵安定性が同等の場合は初期の
軟化点に優れていることがわかる。本発明のアスファル
ト組成物は、機械強度、軟化点、伸度、等の物性に優
れ、かつ加工性にも優れた高度のバランスを有してお
り、なおかつ貯蔵安定性にも優れているので、道路舗装
用はもちろん、防水シート、遮音シート、止水材などの
用途に利用でき、その工業的意義は大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個のモノアルケニル芳香族
    化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の
    共投ジエン化合物を主体とする重合体ブロックよりなる
    ブロック共量合体(A)と、少なくとも1個のモノアル
    ケニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと少な
    くとも1個の共役ジエン化合物を主体とするブロック共
    重合体よりなり分子量がブロック共重合体(A)の分子
    量の1/3〜2/3に相当するブロック共重合体(B)
    とよりなるブロック共重合体組成物よりなり、 1)ブロック共重合体(A)及びブロック共重合体
    (B)中の、 (ア)全結合アルケニル芳香族化合物の含有量が10〜
    50重量%であり、 (イ)共役ジエン中のビニル結合含有量が70重量%以
    下であり、 2)ブロック共重合体組成物中における (ウ)(A)の含有量が98〜20重量%、(B)の含
    有量が2〜80重量%であり、 (エ)かつブロック共重合体組成物のMI(G条件)が
    0.3〜15.0であって、 (オ)嵩密度が0.1〜0.7、 (カ)粒径分布が5メッシュに残る成分が30重量%以
    下で、なおかつ20メッシュを通過する成分が30重量
    %以下、 (キ)細孔の全容積が100〜2000mm3 /gであ
    る ことを特徴とするアスファルト改質用ブロック共重合体
    組成物。
  2. 【請求項2】 静的熱機械分析(TMA)で測定したブ
    ロック共重合体混合物の軟化温度が80〜130℃であ
    ることを特徴する請求項1のアスファルト改質用ブロッ
    ク共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 モノアルケニル芳香族化合物重合体ブロ
    ック(BS)が10重量%以上、48重量%未満であ
    り、全結合アルケニル芳香族化合物の含有量(TS)か
    らモノアルケニル芳香族化合物重合体ブロック(BS)
    を差し引いたアルケニル芳香族化合物含有量(TS−B
    S)が2〜30重量%であることを特徴とする請求項1
    又は2記載のアスファルト改質用ブロック共重合体組成
    物。
  4. 【請求項4】 (A)成分が、(B)成分のカップリン
    グ反応により得られたカップリングポリマーであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアスファ
    ルト改質用ブロック共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のアスフ
    ァルト改質ブロック共重合体組成物3〜15重量部とア
    スファルト85〜97重量部からなるアスファルト組成
    物。
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