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JPH11314366A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11314366A
JPH11314366A JP5008599A JP5008599A JPH11314366A JP H11314366 A JPH11314366 A JP H11314366A JP 5008599 A JP5008599 A JP 5008599A JP 5008599 A JP5008599 A JP 5008599A JP H11314366 A JPH11314366 A JP H11314366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
pressure chambers
film
diaphragm
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5008599A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Machida
治 町田
Kenji Yamada
健二 山田
Takehiro Yamada
剛裕 山田
Katsunori Kawasumi
勝則 川澄
Hitoshi Kida
仁司 木田
Kunihiro Tamahashi
邦裕 玉橋
Yoshiaki Tachibana
良昭 橘
Jun Nagata
純 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP5008599A priority Critical patent/JPH11314366A/ja
Publication of JPH11314366A publication Critical patent/JPH11314366A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、金属や樹脂で構成される振動板上
に圧電素子を薄膜形成法を用いて低温で合成し、ノズル
間のインク速度及び吐出インク量の差を無くし、印字品
質の優れた高密度のインクジェットヘッドを提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 隔壁によって仕切られた複数の圧力室の
一面を封止する振動板をニッケルなどの金属で構成し、
かつ該振動板の表面にはニッケル−(5−20%)リン
めっきを形成し、これらの振動板上に水熱合成法などの
低温薄膜合成法を用いて圧電素子膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印字データの入力を受
けた時点で、インク滴を飛翔させ、このインク滴により
記録用紙にドットを形成させるオンデマンド方式のイン
クジェットヘッドおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術のインクジェットヘッドにおい
て、圧電素子を利用したものとして特公平2−5173
4号公報が開示されている。これは、流路となる溝の形
成された流路基板と、圧電素子と、この圧電素子に電圧
を印加する2つの電極(個別電極と共通電極)とによっ
て構成されている。圧電素子の両側に電極を形成した後
に、チップに切断整形し、これらのチップを圧力室に対
応した振動板上に実装する構造であって、この圧電素子
の変形によって振動板を変位させ、圧力室のインク圧力
を高めることによってインク滴を吐出して記録媒体上に
画像を形成するものであった。
【0003】また、高密度に配置された圧電素子を形成
する方法として、特開平5−97437号公報が開示さ
れている。これは、セラミック基板上に圧電素子が膜形
成法によって形成され、焼成することで一体に構成され
ている。このため、相対的に低作動電圧にて大変位が得
られ、また信頼性が高く、応答速度が速く、さらに高密
度が可能であるという特徴を有していた。その上、セラ
ミック基板、圧電素子、電極が積層構造であるため、非
常に簡単な構造となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の圧電素
子を利用したインクジェットヘッドは、圧電板の両側に
電極を形成した後に、圧電素子のチップを切断整形し、
これらのチップを圧力室に対応した振動板上に実装する
もので、高密度化、ライン化が非常に困難であった。こ
のため、圧電素子を印刷によって形成する方法を用いた
が、圧電素子の印刷は、その厚さが幅に比べ十分には薄
くないため、圧電素子の形状の外側の部分の精度が非常
に悪く、振動板の変形特性が不均一であった。このた
め、同様の印字パルスを入力してもノズルごとにインク
速度及び吐出インク量が大きく異なるという問題点を有
していた。
【0005】そのうえ、圧電素子を形成する際に、酸素
雰囲気中で1000℃以上の高温で焼成する必要があ
り、振動板の材料として金属の酸化物などの一部のセラ
ミック基板しか利用できないという問題点を有してい
た。
【0006】それらの問題を解決する方法が特開平08
−118620号公報に開示されている。具体的には、
チタン膜を振動板とし、この表面に感光性レジストを塗
布し、圧電素子を形成するべき位置の感光性レジストの
みを除去し、この除去部分に水熱合成法により圧電素子
を結晶化させるというものである。しかしながら、かかる
製造方法においても、以下のような問題がある。そのひ
とつは、マスクの問題である。すなわち、水熱合成法に
より圧電素子を形成する場合、圧電素子はチタン膜上で
しか成長できないので、振動板の材料が比較的高価なチ
タンに限定されてしまう点である。いまひとつは、感光
性レジストの耐久性の問題である。水熱合成法により圧
電素子を結晶化させる際に、100℃〜150℃程度の
強アルカリ性溶液に浸堰させるが、この過酷な条件に耐
え得る感光性レジストは存在しない。
【0007】また、特開平08−267763号公報に
は、ポリエーテルイミド樹脂を振動板とし、その表面に
導電層となるチタン板を接着し、さらに圧電素子を形成
する箇所を除く部分にスパッタによりニッケルマスクを
形成し、水熱合成法によって圧電素子を結晶化させた後
にニッケルマスクを除去する方法が開示されいる。
【0008】しかしながら、この方法においても一般的
に用いられるニッケルの硝酸系のエッチング液ではチタ
ン膜や振動板も若干エッチングされる。逆に言えば、圧
電素子形成後にこれらに影響を与えずにニッケルマスク
を選択的に除去するエッチング液が存在しないのであ
る。
【0009】更に、何らかの方法でニッケルマスクを除
去できたとしても、振動板上の全面に形成されている圧
電素子はパターンとして残る部分と除去される部分との
境目の形状のばらつきが大きく、加工精度が悪い。
【0010】また、チタン板が振動板上の全面に被覆さ
れているため、圧電素子によって変位する振動板の厚み
が全体的に厚くなり、インクを吐出させる圧力室に隣接
する圧力室への振動の影響が大きく、インク吐出時にイ
ンク滴の速度が変化するクロストークの影響が問題とな
る。
【0011】そこで、本発明は従来のこのような問題点
を解決するもので、その目的とするところは、チタンな
どの金属や樹脂など任意の材料で構成される振動板上に
圧電素子を薄膜形成法を用いて低温で合成し、ノズル間
のインク速度及び吐出インク量の差を無くし、印字品質
の優れた高密度のインクジェットヘッドを提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の第1の構成は、隔壁によって仕切られた複数
の圧力室と、これらの圧力室の一面を封止する振動板
と、該振動板の外側に前記圧力室毎に対応して配置され
るチタン膜と、該チタン膜に密着して積層される複数の
圧電素子膜と、これらの膜を挟み込むように配置した複
数の上部電極とを備え、各々の圧力室に連通するインク
吐出ノズルとインク供給孔から構成されるインクジェッ
トヘッドにおいて、前記振動板が、チタン、ニッケルな
どの金属または樹脂で構成され、かつ該振動板の表面に
はニッケル−(5−20%)リンめっきを形成するよう
にしたことにある。
【0013】上記前記ニッケル−(5−20%)リンめ
っきの膜厚は好ましくは5μm以下がよい。
【0014】また、上記第1の構成のインクジェトヘッ
ドは、振動板の表面全体にニッケル−(5−20%)リ
ンめっきを形成し、該めっきの一面の前記圧力室に対応
する位置毎に複数のチタン膜を形成した後、水熱合成法
により複数の圧電素子膜を析出させ、更に該圧電素子膜
上に上部電極を設けるようにして製造される。その際、
前記圧電素子膜は200℃以下で形成されるとよく、前
記チタン膜の厚さは0.1〜1.0μmであるとよい。
【0015】上記課題を解決するための本発明の第2の
構成は、隔壁によって仕切られた複数の圧力室と、これ
らの圧力室の一面を封止する振動板と、該振動板の外側
に前記圧力室毎に対応して配置される絶縁膜と、該絶縁
膜に密着して積層される下部電極と、該下部電極の上に
さらに積層される圧電素子膜と、これらの膜を挟み込む
ように配置した上部電極とを備え、各々の前記圧力室に
連通するインク吐出ノズルとインク供給孔から構成され
るインクジェットヘッドにおいて、前記振動板が、チタ
ン、ニッケルなどの金属または樹脂で構成され、かつ該
振動板の表面にはニッケル−(5−20%)リンめっき
が形成されていることにある。
【0016】なお、上記第2の構成のインクジェトヘッ
ドは、振動板の表面全体にニッケル−(5−20%)リ
ンめっきを形成し、該めっきの一面の前記圧力室に対応
する位置毎に絶縁膜および下部電極を積層し、更に該下
部電極上の圧電素子が形成される部分にチタン膜を形成
した後、水熱合成法により圧電素子膜を析出させ、該圧
電素子膜上に上部電極を設けるようにして製造される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。
【0018】図1は、本発明の第1の構成のインクジェ
ットヘッドの分解斜視図であって、複数の圧電素子膜5
を有する振動板1、インクを各ノズルへ供給するための
リストリクタ6が設けられているリストリクタ基板2、
インクが加圧される圧力室7を有する圧力室基板3、お
よび複数のノズル8を有するノズル板4からなり、各々
が接着されている。
【0019】ノズル8の配列ピッチは180分の1イン
チ、約141μmとし、2列に千鳥状に配置することに
よって360ドット/インチを有するものであるが、ノ
ズル数、列数及びユニット構成はどの様な組み合わせで
も限定されるものではない。
【0020】図2は、圧力室3のインクの流れ方向に平
行な面で切断した断面形状であり,8はノズル板4内の
ノズル、10は配列された加圧室内のインク、1は振動
板、5は圧電素子膜、9は上部電極、12はチタン膜で
ある。
【0021】ここでインク吐出の原理を簡単に説明す
る。
【0022】待機時には分極方向が振動板1に向いてい
る圧電素子膜5に撓みはないが、分極方向と同極性の電
圧を印可すると圧電素子膜5は厚み方向、すなわち振動
板1の方向(図面下方)に膨張すると共にその幅方向
(紙面に垂直な方向)に収縮する。この収縮で圧電素子
膜5と振動板1の界面に圧縮のせん断応力が働き、振動
板1と圧電素子膜5は図の下方向に撓む。この撓みによ
り圧力室7の体積が減少し、ノズル8からインク滴が吐
出する。その後、電圧印可を止めると、撓んでいた振動
板1等が復元し、圧力室体積の膨張により図示しないイ
ンク供給路よりインクが充填される。
【0023】次に、本発明のインクジェットヘッドの製
造方法を図3、図4に基づいて説明する。
【0024】まず、図3(1)に示すように、振動板1
となる15μm厚のニッケル板の表面全体にニッケル−
リン(8%)めっき11を5μm施す。このように振動
板1にめっき11を被覆することにより、めっき11は
振動板1の保護膜となる。よって、以下に示す圧電素子
膜5の形成時に、振動板1が強アルカリ性溶液によって
腐食されることはない。更に、このめっき11は共通電
極を兼ねているため、樹脂などの絶縁物を振動板に用い
ても、新たに共通電極を形成する工程を必要としない。
【0025】次いで、図3(2)に示すように、圧電素
子膜5を形成する面に、圧電素子膜5の形成用基板とし
てチタン膜12を0.5μm厚さで、スパッタ法などの
薄膜形成法を用いて成膜する。その後、チタン膜12を
フォトリソグラフィ工程によってパターニングを行い、
圧電素子膜5を形成する部分以外を除去する。
【0026】圧電素子膜5の形成は水熱合成法によって
行う。四塩化チタン2.52mmol、オキシ塩化ジルコニ
ウム2.73mmol、硝酸鉛6.82mmolを原料として、
図3の(2)の状態の振動板をオートクレーブ内に入
れ、140℃、48時間の成膜条件で20μmの圧電素
子膜5が形成された。
【0027】ここで、上記製造方法で得られた圧電素子
膜の特性を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】また、上記成膜条件を140℃、24時間
とし、10μmの圧電素子膜を形成した場合の圧電素子
膜の特性を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】上記表1および表2の双方の圧電定数はほ
ぼ一致しており、再現性良く形成されていることが確認
できた。
【0032】この様に形成された圧電素子膜5の上に、
さらに上部電極9となるアルミニウムを薄膜形成法によ
って1.0μm形成し、図3(3)に示すような振動板
1上への圧電素子膜5の形成が完了する。
【0033】なお、圧電素子膜の原料として四塩化チタ
ンとオキシ塩化ジルコニウムを用いた2成分系の圧電素
子膜でも同様な特性が得られれば、何ら問題はない。
【0034】また、振動板1の材料としては表面に耐ア
ルカリコーティングを施したチタン、ステンレスなどの
金属板や、プラスチック、ポリイミド、フェノールなど
の各種樹脂を用いても良い。
【0035】本例では上部電極の材料としてアルミニウ
ムを用いたが、本発明の製造方法においては、この後の
工程で高温加熱工程がないことから、導電性の良いいか
なる金属を用いても良い。
【0036】一方、圧力室7及びリストリクタ6は、図
4に示すようにフォトリソグラフィ工程で形成される。
【0037】ニッケル電鋳にて形成され、ノズル8を有
する厚さ100μmのノズル板4の上に、厚さ100μ
mの感光性ドライフィルムをラミネートし、この作業を
2回繰り返し圧力室基板3とする。その後、露光、現像
によって圧力室7を形成する。更に、リストリクタ基板
2となる厚さ50μmの感光性ドライフィルムを圧力室
7の上にラミネートし、露光、現像の工程を行ってリス
トリクタ6を形成する。
【0038】なお、本例では、圧力室基板3及びリスト
リクタ基板2を感光性ドライフィルムで形成したが、ポ
リイミド樹脂やプラスチックモールドによって形成して
も良い。
【0039】そして、振動板1とリストリクタ基板2の
接着は、大気中150℃、1時間の条件で熱圧着によっ
て接合される。なお、この工程は感光性ドライフィルム
のキュアもかねている。
【0040】以上の如く形成したインクジェットヘッド
の振動板の変位量と印加電圧の関係を図5に示す。
【0041】実際にインク滴を吐出させるには、0.1
5〜0.25μmの変位量が必要であるが、本結果から
20V程度の電圧においてこれらの変位量が得られてお
り、低消費電力での駆動が可能であることがわかる。
【0042】更に、図中の2本の線は隣接する圧電素子
膜の変位量を示しているが、50V程度までは再現性の
よい変位量が得られており、クロストークの影響がない
ことがわかる。
【0043】また、図6に示すように、ノズルから噴射
されるインク滴の速度は最大で10m/secであり、ノズ
ル間のばらつきも±5%であり、高品質の印刷が可能で
あった。
【0044】更に、長期印字による信頼性評価を行った
ところ、スクリーン印刷によるものが5000万回のイ
ンク吐出で10%の印字素子が配線領域の断線および膜
剥離により不良となっていたのに比べ、本例では20億
回のインク吐出で1%以下にすることができた。
【0045】次に、本発明の第2の構成について説明す
る。
【0046】図7は、本発明の第2の構成のインクジェ
ットヘッドを圧力室3のインクの流れ方向に平行な面で
切断した断面形状である。図において、8はノズル板4
内のノズル、10は配列された圧力室3内のインク、1
は振動板、20は絶縁膜、21は下部電極、5は圧電素
子膜、9は上部電極である。なお、インク吐出の原理は
先述の第1の構成と同様である。
【0047】次に、本発明の第2の構成のインクジェッ
トヘッドの製造方法を図8、図9に基づいて説明する。
【0048】まず、図8(1)に示すように、振動板1
となる15μm厚のニッケル板の表面全体にニッケル−
リン(8%)めっき11を5μm施す。このように振動
板1にめっき11を被覆することにより、めっき11は
振動板1の保護膜となる。よって、以下に示す圧電素子
膜5の形成時に、振動板1が強アルカリ性溶液によって
腐食されることはない。
【0049】次いで、図8(2)に示すように、圧電素
子膜5を形成する面に、絶縁膜20としてSiO2膜を
スパッタ方法等の薄膜形成法を用いて0.5μm被覆
し、圧電素子膜5及び下部電極21を形成する領域全体
を被覆するようにパターニングを行い、その上に下部電
極21となる白金を同様に0.5μm被覆し、圧電素子
膜5から電圧印加部(図示せず)に引き出すようにパタ
ーニングを行う。更に、圧電素子膜5の形成用基板とし
てチタン膜12を0.5μm、スパッタ法などの薄膜形
成法で成膜し、その後、チタン膜14もフォトリソグラ
フィ工程によってパターニングを行い、圧電素子膜5を
形成する部分以外を除去する。
【0050】次に、圧電素子膜5の形成を水熱合成法に
よって行う。四塩化チタン2.52mmol、オキシ塩化ジ
ルコニウム2.73mmol、硝酸鉛6.82mmolを原料と
して、図8(2)の状態の振動板と共にオートクレーブ
内に入れ、140℃、48時間、さらに120℃、48
時間の成膜条件で20μmの圧電素子膜を形成した。
【0051】表3に得られた圧電素子膜の特性を示す。
【0052】
【表3】
【0053】表の結果より、振動板の材料によらず、再
現性の良い特性が得られることが分かる。
【0054】この様に形成された圧電素子膜5の上に、
更に上部電極9となるアルミニウムを薄膜形成法によっ
て1.0μm形成し、図8(3)に示すような振動板1
上への圧電素子膜5の形成が完了する。
【0055】なお、先述したように、ニッケル−リン
(8%)めっき13が振動板1の保護膜として作用する
ので、本構成においても振動板1の材料としては表面に
耐アルカリコーティングを施したチタン、ステンレスな
どの金属板やプラスチック、ポリイミド、フェノールな
どの各種樹脂など、任意の材料を選択することができ
る。もちろん、上部電極11の材料としても、この後の
工程で高温加熱工程がないことから導電性の良いいかな
る金属を用いることは可能である。
【0056】そして、第1の構成と同様に、振動板1と
リストリクタ基板2の接着を、大気中150℃、1時間
の条件で熱圧着によって接合し、インクジェットヘッド
が完成する。
【0057】以上の如く形成したインクジェットプリン
トヘッドの圧電素子膜の駆動条件としては、駆動電圧が
20V、駆動周波数20kHzと、従来のセラミック振
動板上へのスクリーン印刷法によるものに比べ、大幅な
特性の改善がみられた。
【0058】更に、長期印字による信頼性評価を行った
ところ、スクリーン印刷によるものが5000万回のイ
ンク吐出で10%の印字素子が配線領域の断線および膜
剥離により不良となっていたものが、本例では20億回
のインク吐出で1%以下にすることができた。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、圧電素子膜を水熱合成
法などを用い低温で形成することによって、振動板とし
て金属板、プラスチックや樹脂を使用でき、低廉で簡単
な工程で製作が可能となり、さらに信頼性の高い、高品
質で高密度のインクジェットヘッドを実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェットヘッドの分解斜視
図。
【図2】 本発明の第1の構成となるインクジェットヘ
ッドの断面図。
【図3】 図2のインクジェットヘッドの振動板の製造
工程を示す図。
【図4】 本発明のインクジェットヘッドの圧力室及び
リストリクタの製造工程を示す図。
【図5】 振動板の変位量と印加電圧の関係を示すグラ
フ。
【図6】 インク滴速度とパルス幅の関係を示すグラ
フ。
【図7】 本発明の第2の構成となるインクジェットヘ
ッドの断面図。
【図8】 図7のインクジェットヘッドの振動板の製造
工程を示す図。
【符号の説明】
1は振動板、2はリストリクタ基板、3は圧力室基板、
4はノズル板、5は圧電素子膜、6はリストリクタ、7
は圧力室、8はノズル、9は上部電極、10はインク、
11はニッケル−リンめっき、12はチタン膜、20は
絶縁膜、21は下部電極である。
フロントページの続き (72)発明者 川澄 勝則 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 木田 仁司 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 玉橋 邦裕 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 橘 良昭 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 永田 純 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隔壁によって仕切られた複数の圧力室と、
    これらの圧力室の一面を封止する振動板と、該振動板の
    外側に前記圧力室毎に対応して配置されるチタン膜と、
    該チタン膜に密着して積層される複数の圧電素子膜と、
    これらの膜を挟み込むように配置した複数の上部電極と
    を備え、各々の圧力室に連通するインク吐出ノズルとイ
    ンク供給孔から構成されるインクジェットヘッドにおい
    て、 前記振動板が、チタン、ニッケルなどの金属または樹脂
    で構成され、かつ該振動板の表面にはニッケル−(5−
    20%)リンめっきが形成されていることを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインクジェットヘッドであ
    って、前記ニッケル−(5−20%)リンめっきの膜厚
    は5μm以下であることを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】隔壁によって仕切られた複数の圧力室と、
    これらの圧力室の一面を封止する振動板と、該振動板の
    外側に前記圧力室毎に対応して配置されるチタン膜と、
    該チタン膜に密着して積層される複数の圧電素子膜と、
    これらの膜を挟み込むように配置した複数の上部電極と
    を備え、各々の圧力室に連通するインク吐出ノズルとイ
    ンク供給孔から構成されるインクジェットヘッドにおい
    て、 振動板の表面全体にニッケル−(5−20%)リンめっ
    きを形成し、該めっきの一面の前記圧力室に対応する位
    置毎に複数のチタン膜を形成した後、水熱合成法により
    複数の圧電素子膜を析出させ、更に該圧電素子膜上に上
    部電極を設けるようにしたことを特徴とするインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載のインクジェットヘッドの製
    造方法であって、 前記圧電素子膜が200℃以下で形成されることを特徴
    とするインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3記載のインクジェットヘッドの製
    造方法であって、 前記チタン膜の厚さが0.1〜1.0μmであることを
    特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】隔壁によって仕切られた複数の圧力室と、
    これらの圧力室の一面を封止する振動板と、該振動板の
    外側に前記圧力室毎に対応して配置される絶縁膜と、該
    絶縁膜に密着して積層される下部電極と、該下部電極の
    上にさらに積層される圧電素子膜と、これらの膜を挟み
    込むように配置した上部電極とを備え、各々の前記圧力
    室に連通するインク吐出ノズルとインク供給孔から構成
    されるインクジェットヘッドにおいて、 前記振動板が、チタン、ニッケルなどの金属または樹脂
    で構成され、かつ該振動板の表面にはニッケル−(5−
    20%)リンめっきが形成されていることを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】隔壁によって仕切られた複数の圧力室と、
    これらの圧力室の一面を封止する振動板と、該振動板の
    外側に前記圧力室毎に対応して配置される絶縁膜と、該
    絶縁膜に密着して積層される下部電極と、該下部電極の
    上にさらに積層される圧電素子膜と、これらの膜を挟み
    込むように配置した上部電極とを備え、各々の前記圧力
    室に連通するインク吐出ノズルとインク供給孔から構成
    されるインクジェットヘッドにおいて、 振動板の表面全体にニッケル−(5−20%)リンめっ
    きを形成し、該めっきの一面の前記圧力室に対応する位
    置毎に絶縁膜および下部電極を積層し、更に該下部電極
    上の圧電素子が形成される部分にチタン膜を形成した
    後、水熱合成法により圧電素子膜を析出させ、該圧電素
    子膜上に上部電極を設けるようにしたことを特徴とする
    インクジェットヘッドの製造方法。
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