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JPH11314276A - 三次元物体を作成する装置および方法 - Google Patents

三次元物体を作成する装置および方法

Info

Publication number
JPH11314276A
JPH11314276A JP11075627A JP7562799A JPH11314276A JP H11314276 A JPH11314276 A JP H11314276A JP 11075627 A JP11075627 A JP 11075627A JP 7562799 A JP7562799 A JP 7562799A JP H11314276 A JPH11314276 A JP H11314276A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
layers
dimensional object
thin
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11075627A
Other languages
English (en)
Inventor
W Hull Charles
チャールズ、ダブリュ、ハル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3D Systems Inc
Original Assignee
3D Systems Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3D Systems Inc filed Critical 3D Systems Inc
Priority to JP11075627A priority Critical patent/JPH11314276A/ja
Publication of JPH11314276A publication Critical patent/JPH11314276A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 三次元物体の作成において、複雑で精巧な形
状の造形を迅速かつ経済的に行う。 【解決手段】 重畳された硬化された複数の薄層(30a,3
0b,30c)から三次元物体(30)を形成するために、硬化手
段により硬化可能な流体媒質(22)の表面層を選択的に硬
化させる。先に硬化された薄層の上に所望の厚さのコー
ティングを形成し、流体媒質(22)の作業面(23)の高さに
硬化手段(26)を選択的に適用して、先に硬化された薄層
に付着した硬化薄層を形成し、この形成および適用を複
数回繰り返して複数の付着した薄層から三次元物体(30)
を形成する。形成工程は、一つの薄層の少なくとも一部
の上に過剰の厚さのコーティングを形成し、その後その
過剰の厚さを所望の厚さに減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化し得る流体媒質
から三次元の物体を形成する方法と装置、特に高精度の
三次元物体を光造形法により正確に形成する三次元物体
の形成方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックからなる部品等を製造する
場合、まず部品を設計した後、苦労してこの部品の原型
を作るのが普通である。これにはかなりの時間、労力お
よび費用がかかる。その後、この設計を検討し、設計が
最適になるまで、この手間のかかる過程を何回も繰返す
場合が多い。設計が最適になった後に、次の工程として
生産に入る。大抵の生産では、プラスチック部品は射出
成形される。設計の時間および型のコストが非常に高い
から、射出プラスチック部品は大量生産した場合にしか
実用的にならないのが普通である。プラスチック部品を
製造するために、直接的な機械加工、真空成形および直
接成形のような他の方法を利用することもできる。しか
し、これらの方法は、短期間に生産したい場合にだけコ
スト効果があるのが普通であり、製造された部品は射出
成形部品よりも品質が劣る。
【0003】最近、流体媒質の中で三次元の物体を作成
する非常に良い方法が開発された。流体媒質の三次元の
容積内で選択的に焦点を結ぶ放射ビームにより、流体媒
質が選択的に硬化させられる。このような三次元の物体
を形成する装置の典型が米国特許第2,775,785 号、第4,
041,476 号、同第4,078,229 号、同第4,238,840 号、同
第4,288,861 号、特開昭56−144478号公報に記載されて
いる。
【0004】また、作成する三次元物体の多数の断面を
表すデータに応答して硬化用照射を発生させ、その硬化
用照射への露出により硬化し得る流体媒質の層を硬化用
照射に順次露出することにより流体媒質を硬化させて断
面層を順次形成し、これにより複数の順次接着された断
面層から三次元物体を形成する方法が、小玉秀男「3次
元情報の表示法としての立体形状自動作成法」(電子通
信学会論文誌、VOL. J64-C No.4,1981年4月)、および
Alan J. Herbert, Solid Object Generation,Journal o
f Applied Photographic Engineering, VOL 8. No. 4,
August 1982に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような三
次元成形装置は、分解能および露出制御の点で多くの問
題がある。放射ビームの焦点が流体媒質の中に一層深く
移動するときに放射強度が低下すること、集束されたス
ポットの像を形成する分解能が低下することにより、当
然ながら複雑な制御状態が生ずる。吸収、拡散、分散な
らびに解析のいずれの方法も、経済的にかつ信頼性をも
って、流体媒質の中の深い所で加工することを難しくす
る。そのため、極めて薄い層の形成が困難であるととも
に、自動的な積層もまた困難であった。
【0006】しかし、設計段階から型形成段階へ、そし
て最終的な生産へ速やかにかつ信頼性をもって移ること
ができるようにすること、特に、この様なプラスチック
部品に対する計算機による設計から事実上即座に型形成
に直接的に移ること、ならびに経済的にかつ自動的に強
固に大量生産する設備に対する長い間の要望が、その設
計および製造の分野に依然としてある。
【0007】従って、三次元のプラスチックの物体等の
開発および製造に携わる者は、従来の三次元製造装置の
複雑な焦点合せ、整合および露出の問題を避けながら、
設計段階から原型段階へ、そして製造へと速やかに移さ
れるようにする、さらに敏速で、信頼性があって経済的
で自動的な手段を一層改良するのが望ましいことを知っ
ている。この発明は、これら全ての要望に十分応えるも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明による
三次元物体の作成方法は、重畳された硬化された複数の
薄層から三次元物体を形成するために、硬化手段により
硬化可能な流体媒質の表面層を選択的に硬化させること
により、該物体を作成する方法であって、先に硬化され
た薄層の上に所望の厚さのコーティングを形成し、前記
流体媒質の作業面の高さに前記硬化手段を選択的に適用
して、該先に硬化された薄層に付着した硬化薄層を形成
し、前記形成工程および前記適用工程を複数回繰り返し
て、複数の付着した薄層から前記三次元物体を形成する
各工程からなり、前記形成工程が、一つの薄層の少なく
とも一部の上に過剰の厚さのコーティングを形成し、そ
の後該過剰の厚さを前記所望の厚さに減少させる工程を
含むことを特徴とするものである。
【0009】また本発明による三次元物体の作成装置
は、重畳された硬化された複数の薄層から三次元物体を
形成するために、硬化手段により硬化可能な流体媒質の
表面層を選択的に硬化させることにより、該物体を作成
する装置であって、最初に硬化された薄層の上に所望の
厚さのコーティングを形成する手段、前記流体媒質の作
業面の高さに前記硬化手段を選択的に適用して、前記先
に硬化された薄層に付着した硬化薄層を形成する手段、
および前記形成手段および前記適用手段の操作を複数回
繰り返して、複数の付着した薄層を形成することにより
前記三次元物体を形成する手段からなり、前記形成手段
が、薄層の少なくとも一部の上に過剰な厚さのコーティ
ングを形成し、その後該過剰の厚さを前記所望の厚さに
減少させる手段を含むことを特徴とするものである。
【0010】さらに、本発明による装置は、三次元物体
を設計し、直接的に作成する装置であって、該三次元物
体を設計し、図で表示する手段と、該三次元物体の薄い
断面を定義する図形像出力を発生する手段と、反応性流
体媒質の薄い最初の層を自動的に提供し、該反応性流体
媒質の最初の層を作業面に位置させる手段と、該最初の
層を、前記図形像出力に応答して発せられる硬化用放射
線に自動的に露出し、それによって、該図形像出力に対
応する、反応した媒質の薄い断面を形成する手段と、反
応性媒質の複数の薄い層を自動的に提供し、複数の層か
ら前記三次元物体を自動的に作成できるように、各層を
続けて露出する間に各層が直前の層に付着して複数の層
を続けて自動的に形成する手段と、前記物体の異なる面
を、前記複数の層を続けて提供している最中に硬化用放
射線に露出する手段とからなることを特徴とするもので
ある。
【0011】また、本発明による方法は、三次元物体を
設計し、直接的に作成する方法であって、前記三次元物
体を設計し、図に表示し、コンピュータにより設計され
た該三次元物体の薄い断面を定義する図形像出力データ
を作成し、反応性流体媒質の薄い最初の層を作業面に提
供し、該最初の層を、前記図形像出力データに応答して
発生する硬化用放射線に露出し、それによって、該図形
像出力データに対応する、反応した媒質の薄い断面を形
成し、反応性媒質の複数の薄い層を提供し、複数の層か
ら前記三次元物体の自動作成を可能にするように次々の
層を露出する間に、直前の層に付着する反応した媒質の
複数の層を続けて形成し、前記物体の異なる面を、前記
複数の層を続けて提供する最中に硬化用放射線に露出す
る各工程からなることを特徴とするものである。
【0012】この発明は適当な相乗的なエネルギーに応
答して、その物理的な状態を変えることができる流体媒
質の表面に、この物体の一つずつ隣接した断面積層板を
形成することにより、三次元の物体を作成する新規で改
良された装置を提供する。一つずつ積層される層は、そ
れらが形成されたときに自動的に強固に一体化され、所
望の三次元の物体を形成する。
【0013】例えば、好ましいと考えられる実施例で
は、この発明は計算機によって発生されたグラフィック
の考えをリトグラフィーと組合せて活用する。すなわ
ち、リトグラフィー(造形)技術を三次元の物体の製造
に応用し、計算機の命令から直接的に三次元の物体を製
造するには、計算機に支援された設計(CAD)および
計算機に支援された製造(CAM)を同時に実行する。
この発明は製品開発の設計段階で雛形および型を形成す
るため、または製造装置として、または純粋な芸術的な
物体の形成のために用いることができる。
【0014】ここで「立体造形」とは、硬化し得る材
料、例えば紫外線で硬化し得る材料の薄い層を互いに上
下に「プリント」することにより、物体を作る方法およ
び装置である。UV(紫外線)で硬化し得る液体の面ま
たは層を照らすプログラムされたUV光の可動スポット
・ビームを使って、液体の表面に物体の固体断面を形成
する。その後、物体をプログラムされた形で、一層の厚
さだけ液体の表面から遠ざけ、その後、次の断面を形成
し、その直前の層に接着して物体の部分をを構成する。
物体全体が形成されるまで、この工程を続ける。
【0015】この発明の方法により、ほぼあらゆる形の
物体を作ることができる。複雑な形は、計算機を使うこ
とによって作ることが一層容易になる。
【0016】勿論、硬化し得る流体媒質を硬化させるた
めの照射は、粒子の照射(電子ビーム等)、マスクを介
して材料を吹付けること、またはインク・ジェットによ
る化学反応、または紫外線以外の放射のように、硬化し
得る流体媒質に対する他の種類の好適な相乗的な(照射
と材料との相互作用により硬化するような)エネルギー
であれば、どのようなものの照射でもよい。
【0017】本発明の実施に際しては、所定のエネルギ
ーに応答して硬化し得る流体媒質を最初に任意の適当な
容器の中に収容して、その流体媒質に断面層を一層ずつ
作成することのできるような所定の作業面を規定する。
その後、紫外線のスポット等のような適当な種類の相乗
的なエネルギーをグラフィック・パターンとして流体媒
質のその特定された作業面に適用し、この面に薄い固体
の層を形成する。各層が作ろうとする三次元の物体の隣
接する断面を表す隣接した多数の層を、それらが形成さ
れたときに、互いに重畳することが自動的に行なわれ
て、層を一体化し、所望の三次元の物体を形成する。こ
こで流体媒質が硬化し、固体材料が作業面で薄い積層板
として形成されるとき、最初の積層板が固定されている
適当な台を任意の適当な作動装置により、典型的には全
てマイクロコンピュータ等の制御の下に、プログラムさ
れた形で作業面から遠ざける。このようにして、最初に
作業面に形成された固体材料がこの面から遠ざけられ、
新しい液体が作業面の位置に流れ込む。この新しい液体
の一部分がプログラムされたUV光スポットによって固
体材料に変換されて新しい積層板(層)を形成し、この
新しい層がそれに隣接する材料、すなわち、直前に形成
された層に接着によって接合される。三次元の物体全体
が形成されるまで、この工程が続けられる。その後、形
成された物体を容器から取り出し、最初の物体と同一の
別の物体、または計算機によって創造された全く新しい
物体を作ることができる。
【0018】この発明の立体造形方法および装置は、プ
ラスチックの物体を作成するために現在使われている方
法に比べて、多くの利点がある。すなわちこの発明の方
法は、設計したり図面を作成したり、加工のための図面
および工具を作る必要がない。設計者は直接的に計算機
および立体造形装置において作業することができ、計算
機の出力スクリーンに図形で表示された設計に満足した
とき、直接的に検査するために部品を製造することがで
きる。設計を修正しなければならない場合、これは計算
機を通じて容易に行なうことができ、その後、設計変更
が正しかったことを確かめるために、もう1つの部品を
作ることができる。設計において相互作用する設計パラ
メータをもつ幾つかの部品が必要になる場合、部品の全
ての設計を迅速に変更して再び作成し、その組立体全体
を、必要があれば繰返し作って検査することができるの
で、この発明の方法はさらに有用である。
【0019】設計が完了した後、部品の製造を直ちに開
始することができるので、設計と製造の間の何週間も何
ヶ月もの所要期間が避けられる。最終的な生産速度およ
び部品のコストは、短期の生産の現在の射出成形のコス
トと同様にすべきであり、射出成形の場合より労働のコ
ストは一層低くなる。射出成形は、多数の同一の部品を
必要とするときだけ経済的である。工具の必要がなく、
生産の設定時間がごく短いことから、立体造形は短期の
生産に有用である。同様に、この方法を用いると、設計
の変更および注文部品の製造が容易になる。部品を製造
するのが容易であるため、この立体造形により、現在金
属または他の材料の部品が使われている多くの箇所に、
プラスチックの部品を使うことができるようになる。さ
らに、高価な金属品またはその他の材料の製品を作るこ
とを決定する前に、プラスチックのモデルを素早くかつ
経済的に作ることができる。
【0020】従って、この発明の立体造形方法および装
置は三次元のプラスチックの部品等を速やかに、確実
に、正確にかつ経済的に設計して製造することができる
CADまたはCAMシステムに対する長い間存在した要
望に応えるものである。
【0021】この発明の上記並びにその他の目的および
利点は、以下図面について詳しく説明するところからさ
らに明らかになろう。
【0022】
【実施例】次に図面について本発明の実施例を説明す
る。図1および図2は、立体造形によって三次元の物体
を作成するこの発明の基本的な方法と装置を示すフロー
チャートである。
【0023】紫外線(UV)の照射、電子ビーム、可視
光、非可視光の照射、インク・ジェットまたは適当なマ
スクを介して適用する反応性化学剤のような他の種類の
相乗的なエネルギーにより、固定重合体プラスチックに
変化するように誘発することができる数多くの液体状態
の化学材料が知られている。UV硬化性化学材料は現在
高速印刷のインクとして、紙およびその他の材料の被覆
プロセスに接着剤として、並びにその他の特殊な分野に
現在使われている。
【0024】立体造形は種々の方式を用いて、グラフィ
ックな物体を再生する技術である。現在、例としては、
微小電子回路の製造に使われるような写真の複製、ゼロ
グラフィおよびマイクロ製版がある。プロッタまたは陰
極線管に表示された計算機で発生されたグラフィックも
リトグラフィー形式であり、像は計算機で符号化された
物体の映像である。
【0025】計算機の助けを借りる設計(CAD)およ
び計算機の助けを借りる製造(CAM)は、計算機の能
力を設計および製造の工程に応用する技術である。CA
Dの典型的な例は、電子プリント配線の設計の分野であ
る。計算機およびプロッタに設計パラメータがデータと
して入力されると印刷配線板の設計を描くCAMの典型
的な例として、数値制御のフライス盤が知られている。
適当なプログラミング命令が与えられると、計算機およ
びフライス盤が金属部品を加工する。CADもCAMも
急速に成長している技術である。
【0026】この発明の主な目的は、コンピュータで発
生されたグラフィックの考えをUV硬化性プラスチック
と組合せて活用して、CADおよびCAMを同時に実行
し、計算機の命令から直接的に三次元の物体を作ること
である。この発明は、立体造形と呼ばれ、製品開発の設
計段階で雛形および原型を形どるため、または製造装置
として、あるいは美術的な形どりとして使うことができ
る。
【0027】図1には、この発明の立体造形方法が広く
説明されている。図1の工程10は、形成しようとする
三次元の物体の断面を表す個別の層を作成することを表
す。工程11は、工程10が正しく行なわれた場合にだ
け行なわれるのが普通であるが、相次いで形成された隣
接する薄層を組み合せて、装置のプログラムされた所望
の三次元の物体を形成し、選択的に硬化を行なわせる。
このため、この発明の立体造形装置は、入射する放射、
電子ビーム、その他の粒子の照射、インク・ジェット
か、あるいは流体の表面に隣接するマスクを介しての吹
付けによって適用された化学剤のような適当な相乗的な
エネルギーに応答して、それぞれ物理的な状態を変える
ことができる流体媒質、例えばUV硬化性液体等の選ば
れた面に、形成しようとする物体の断面パターンを作る
ことにより、三次元の物体を作成する。物体の相次ぐ隣
接した断面を表す相次ぐ隣接した層が自動的に形成さ
れ、一体化されて、物体の段階的な層状のすなわち薄層
形の構成を作り、このような形成工程の間、流体媒質の
略平面状またはシート面から三次元の物体が形成されか
つ引き上げられる。
【0028】上述した方法が図2にさらに詳しく述べら
れている。図2では、工程12で、所定の反応性エネル
ギーに応答して凝固し得る流体媒質を収容することが要
求される。工程13は、このエネルギーを選定された流
体表面にグラフィック・パターンとして適用して、その
表面に薄い固体の個別の層を形成する。各層が作ろうと
する三次元の物体の隣接する断面を表す。このような各
々の層は、形成される三次元の物体の分解能を最大にす
るとともに正確に再現しさらに作成時間を短縮するため
に、この発明を実施する間、できるだけ薄く作ることが
望ましい。このため、理想的な理論的な状態は、流体媒
質の選定された作業面だけで物体が作られて、無限の数
の層が得られるようにし、各々の層の厚さがゼロよりも
極く僅かしか大きくない硬化した深さ(例えば、1mm以
下)をもつようにすることである。このように薄い層と
することにより形成される物体の精度を向上させること
ができるとともに、面に支持体のない成形部の形成が可
能となる。勿論、この発明を実際に用いるとき、各々の
層は薄い層ではあるが、断面を形成して形成される物体
の他の断面を限定する隣接する積層版に接着する際に適
当な結合性をもつ位の厚さとする。
【0029】図2の工程14では、相次ぐ隣接した層を
それらが形成されたときに互いに重畳して、種々の層を
一体化して、所望の三次元の物体を形成する。この発明
を普通に実施するとき、流体媒質が硬化し、固体材料が
形成されて、1つの層を構成するとき、その層を流体媒
質の作業面から遠ざけ、前に形成された層に代わる新し
い液体の中に次の層が形成され、このため、各々の相次
ぐ層が他の全ての断面層と重畳されて(硬化した流体媒
質の自然の接着性によって)一体となる。このため、こ
のような断面層を製造する工程は、三次元の物体全体が
形成されるまで何回も繰り返される。その後、物体を液
の中から取り出し、装置は別の物体を製造する用意がで
きる。この物体は、前の物体と同一であってもよいし、
あるいは立体造形装置を制御するプログラムを取り替え
ることにより、全く新しい物体にすることができる。
【0030】図3から図8は、図1と図2のフローチャ
ートで示した立体造形方法を実施するのに適した種々の
装置を示している。
【0031】前に述べたように、「立体造形」は、硬化
性材料、例えばUV硬化性材料の薄い層を互いに上下に
相次いで「プリント」することによって、固体の物体を
作る方法および装置である。UV硬化性液体の表面また
は層を照らすUV光のプログラムされた可動スポット・
ビームを使って、液体の表面に物体の固体断面を形成す
る。この後、プログラムされた形で、一層の厚さだけ物
体を液体の表面から遠ざけ、次の断面を形成し、直前の
層と接着して物体を形成する。物体全体が形成されるま
で、この工程を続ける。
【0032】この発明の方法により、ほぼあらゆる形式
の物体の形を作ることができる。プログラム命令を発生
して、このプログラム信号を立体造形装置に送るのに計
算機を使うことにより、複雑な形を一層容易に作ること
ができる。
【0033】現在、好ましいと考えられる実施例の立体
造形装置が図3に側断面図で示されている。容器21に
UV硬化性液体22等を充填し、選定された作業面23
を定める。紫外線26等の制御可能な照射源が面23の
平面内に紫外線スポット27を作る。光源26の一部分
である鏡、その他の光学または機械的な素子(図示せ
ず)の移動により、スポット27は面23にわたって移
動し得る。面23上のスポット27の位置が計算機28
によって制御される。容器21の内側にある可動の昇降
台29は選択的に昇降することができる。台29の位置
は計算機28によって制御される。この装置が動作する
とき、30a,30b,30cに示すような一体化した
層を段階的に積み上げることにより三次元の物体30が
形成される。
【0034】UV硬化性液体22の表面は容器21内の
一定の高さの所に保たれ、この液体を硬化させ固体材料
に変換する強度をもつUV光のスポット27またはその
他の適当な種類の反応性エネルギーを作業面23にわた
って移動する。液体22が硬化して固体材料が形成され
るとき、最初は作業面23の直ぐ下にあった昇降台29
を適当な作動装置によって、プログラムされた形でこの
作業面から下に降げる。このようにして、最初に形成さ
れた固体材料は面23の下に来るようになり、新しい液
体22が面23に流れ込む。この新しい液体の一部分が
プログラムされたUV光スポット27によって固体材料
に変換され、この新しい材料がその下にある材料と接着
によって接合される。三次元の物体30の全体が形成さ
れるまで、この工程を続ける。その後、物体30を容器
21から取出し、装置は別の物体を作る用意ができる。
その後、もう1つの物体が作ることができ、あるいは計
算機28のプログラムを取り替えることにより、新しい
物体を作ることができる。
【0035】硬化性液体22、例えばUV硬化性液体
は、次のような幾つかの重要な性質を持っていなければ
ならない。 (A)物体を形成する時間が実用的な長さに(短く)な
るように、利用し得るUV光源で早く硬化しなければな
らない。 (B)接着性があって、相次ぐ層が互いに接着しなけれ
ばならない。 (C)粘度が十分低く、昇降台が物体を動かしたとき、
新鮮な液体材料が面に素早く流れ込まなければならな
い。 (D)UVを吸収して形成された層が適度に薄くならな
ければならない。 (E)液体状態である溶媒に適度に可溶性であり、固体
状態では同じ溶媒に対して適度に不溶性であって、物体
が形成された後、物体からUV硬化性液体および途中ま
で硬化した液体を洗い落とすことができなければならな
い。 (F)できるだけ無毒性で非刺激性でなければならな
い。
【0036】硬化した材料は一旦それが固体状態になっ
たとき、所望の性質をもっていなければならない。すな
わち、他のプラスチック材料を普通に使う場合と同じ
で、用途に関係する。色、生地、強度、電気的な性質、
可燃性および可撓性を考慮すべきである。さらに、多く
の場合、材料のコストも重要である。
【0037】実用的な立体造形装置(例を図3に示す)
の現在好ましいと考えられる実施例で使われたUV硬化
性材料は、ロックタイト・リミテッド(Loctite Ltd.)
によって製造される変性アクリレートであるポッティン
グ・コンパウンド(PottingCompound)363である。
この典型的なUV硬化性材料を作る方法は、米国特許第
4,100,141号に記載されている。
【0038】すなわち、前記したUV硬化性材料は、無
数の公知の開始剤を遊離基として使った遊離基共重合に
より硬化できる。このような開始剤として、過酸化水素
のような過酸化物;過酸化ペンゾイルメチルケトン過酸
化物のような有機過酸化物;2,2´−アゾビス(イソ
ブチロニトリル)のようなアゾ化合物;クメンヒドロペ
ルオキシド、t−ブチルハイドロペルオキシド、メチル
エチルケトンハイドロペルオキシドのようなハイドロペ
ルオキシド;t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチル
パーアセテートのような加水分解して過酸化合物になる
パーエステル;ベンゾフェノン、ベンゾインエーテルの
ような感光化合物があげられる。光源26は、物体の所
望の細部を形成することができる位に小さく、かつ使わ
れるUV硬化性液体を実用的になる位に敏速に硬化させ
る位の強さをもつUV光のスポット27を発生する。源
26はオンおよびオフに転ずるとともに、集束スポット
27が液体22の面23を横切って移動するようにプロ
グラムすることができるように構成される。このため、
スポット27が移動するとき、それが液体22を固体に
硬化させ、チャート式記録装置または製図装置がペンを
使って紙の上にパターンを描くのとほぼ同じように、面
の上に固体パターンを描く。
【0039】現在好ましいと考えられる実施例の立体造
形装置の光源26は、ハウジング内にある350ワット
の短アーク水銀灯で、ハウジングの光出力を直径1mmの
UV透過性光学繊維束(図に示してない)の端に集束し
た。水銀灯に近い方の束の端を水冷し、灯と束の端の間
に電子的に制御されるシャッタ・プレートを設け、束を
通る光をオンおよびオフに転ずることができるようにし
た。束の長さ1mであり、光出力は、UVをスポットに
集束するために石英レンズをもつレンズ管に送り込ん
だ。光源26は直径1mmより若干小さいスポットを発生
することができ、約1ワット/cm3 の長波UV強度をも
っている。
【0040】図3の装置では、面23を一定の高さに保
ち、物体を取り去った後、この材料を補給する手段を設
けて、焦点スポット27が一定の焦点平面に鮮鋭に合焦
点状態に停止し、作業面に沿って薄い層を形成する際の
分解能を最大になるようにする。この場合、作業面23
に強度の大きい領域が得られるように焦点を形成し、急
速に低い強度に発散して、硬化工程の深さを制限して、
形成する物体に対して適当な最も薄い断面層が得られる
ようにするのが望ましい。これは、焦点距離の短いレン
ズを使い、源26をできるだけ作業面に近づけて、流体
媒質に入る焦点コーンにおける発散が最大になるように
して達成するのが最もよい。その結果、分解能が実質的
に高くなる。
【0041】ヒューレット・パッカード社によって製造
されるH−P9872型ディジタル・プロッタ(図示せ
ず)を用いて、光源26を移動する。レンズ管をプロッ
タのペン・カートリッジに取付け、普通のグラフィック
指令を用いて、計算機28によってプロッタを駆動す
る。シャッタは、計算機の指令を使って、H−P349
7型データ収集/制御装置によって制御する。
【0042】物理的にこの他の形の光源26またはその
均等物を用いることができる。走査は光走査器を用いて
行なうことができ、こうすれば光学繊維束およびディジ
タル・プロッタが不要となる。最終的には、UVレーザ
が短アーク灯よりも一層良い光源になる。立体造形工程
の速度は主に光源の強度とUV硬化性液体の応答とによ
って制限される。
【0043】昇降台29を使って形成する物体30を支
持しかつ保持するとともに、上下に動かす。典型的に
は、1つの層が形成された後、物体30を次の層のレベ
ルを超えて移動(液体媒質内にオーバディップする)し
て、固体が形成された所で面23に形成された一時的な
空所に液体22が流れ込むことができるようにし、その
後、次の層に対する正しい高さに戻す。これにより空所
に流れ込んだ液体22が潮が引くごとく退いて所定の厚
さの層となる。これにより極めて薄い層の自動積層が可
能となる。昇降台29に対する条件は、適当な速度かつ
精度でプログラムされた通りに動かすことができるこ
と、形成する物体の重量に耐えるように丈夫であること
である。さらに、設定時並びに物体を取り外すとき、昇
降台の位置を手動で微調節できるようにするのがよい。
【0044】図3の実施例の昇降台29は、アナログ・
プロッタ(図示せず)に取り付けた台である。このプロ
ッタが、計算機28のプログラム制御の下に、内部にデ
ィジタル・アナログ変換器をもつH−P3497型デー
タ収集/制御装置によって駆動される。
【0045】この発明の立体造形装置の計算機28は基
本的に2つの作用をもつ。第1に、オペレータが三次元
の物体を設計するのを、それを作ることができるような
形で助けることである。第2に、この設計を、立体造形
に対する適切な指令に変換し、その指令を物体が形成さ
れるように送り出すことである。ある用途では、物体の
設計が存在しており、計算機の作用は適当な命令や司令
を送り出すことだけになる。
【0046】理想的な場合、オペレータは物体を設計し
て、それを計算機28のCRTスクリーンに三次元画像
で見ることができる。オペレータが設計を終了したと
き、計算機28に物体を作るように命令し、計算機が立
体造形に対して適当な命令を出す。
【0047】この発明の実施例に用いられた例では、計
算機28はH−P9816であって、ベーシック・オペ
レーション・システムを用いる。このシステムでは、オ
ペレータがH−Pグラフィック・ランゲージ(3497
Aに対する指令構造)およびベーシック・ランゲージの
指令を用いてプログラムする。オペレータはUV硬化時
間に対する適当な露出時間および速度をも設定しなけれ
ばならない。この装置を動作させるため、物体の像を作
り、立体造形装置をこの物体を作るように駆動するため
のプログラムを作成する。
【0048】昇降台29の駆動は、機械式、空気圧式、
流体圧または電気式のいずれでもよく、その位置を精密
に制御するために光または電子回路のフィードバック制
御を用いることができる。昇降台29は典型的にはガラ
スまたはアルミニウムで作られるが、硬化したプラスチ
ック材料が接着するものであっれば任意の材料を使用す
ることができる。
【0049】ある場合には、計算機28が不要になり、
特に簡単な形しか造形しない場合、一層簡単な専用のプ
ログラミング装置を使うことができる。その代わりに、
計算機28が、別のさらに複雑な計算機によって発生さ
れた命令を単に実行するだけであってもよい。例えば、
幾つかの立体造形装置を使って物体を作り、別の装置を
用いて形成すべき物体を最初に設計することができる。
【0050】計算機によって制御されるポンプ(図に示
してない)を使って、作業面23の位置に液体22の一
定の液位を保つことができる。その必要性は、次の理由
による。すなわち、液体が露光されるとその容量変化の
ために収縮し液位が変化する。また、昇降台29が液体
内に移動すると、液体の容積が変化し、それにより液位
が変化する。液体の層の厚さは、液位下に形成された直
前の層の深さによって決まるので、もし、液位が一定に
保たれていないと、実際に形成される層の厚さは、所望
の層の厚さより異なってしまい正確な厚さの層が形成さ
れないからである。周知の適当な液位検出装置およびフ
ィードバック回路を用いて、流体ポンプを駆動するか、
あるいは液体変位装置を駆動し、昇降台を流体媒質の中
に一層深く移動するときに流体媒質の外へ移動する中実
な棒(図示せず)を駆動し、流体容積の変化量をならし
て、面23に一定の流体の液位を保つことができる。こ
の代わりに、光源26からの光を検出した液位22に対
して移動し、作業面23に鮮鋭な焦点を自動的に保つよ
うにしてもよい。これらの全ての代案は、計算機28と
ともに作用する普通のソフトウェアにより容易に達成す
ることができる。
【0051】三次元の物体30が形成された後、昇降台
29を高くし、物体を台から取外す。典型的には、この
後、物体をアセトンのように、硬化した固体の媒質は溶
解しないが、未硬化の流体媒質の液体状態を溶解する溶
媒の中で、超音波で洗浄する。その後、物体30を強い
紫外線、典型的には、200ワット/インチ(約78.
7ワット/cm)のUV硬化灯の下に置き、硬化工程を完
了する。
【0052】さらに、この発明を実施するとき、複数の
容器21を用いることができる。各々の容器は、互いに
異なる種類の硬化性材料を保有していて、立体造形装置
によって自動的に選択することができる。この場合、種
々の材料は違う色のプラスチックであってもよいし、あ
るいは電子部品の種々の層に利用し得る絶縁材料および
導電材料の両方をもっていてよい。
【0053】他の図面により本発明の他の実施例を説明
するが、図面全体にわたり、発明の好ましい例について
説明した図3と同様な部分には同じ参照数字を用いてい
る。
【0054】図4には、別の形の立体造形装置が示され
ている。この場合、UV硬化性液体22等が一層重いU
V透過性液体32の上に浮いている。液体32は硬化性
液体22と非混和性であってかつそれをぬらさない。一
例として、中間の液体層32としては、エチレン、グリ
コールまたは重水が適している。図4の装置では、図3
の装置に示すように流体媒質の中に物体を沈めていく代
わりに、物体30が液体22から引き上げられるように
なっている。
【0055】図4のUV光源26が液体22と非混和性
の中間液体層(離型液剤)32との間の境界面にスポッ
ト27を集束する。UV放射は、容器21の底に支持さ
れた石英等で作られた適当なUV透過性の窓33を通過
する。硬化性液体22は非混和性の層32の上に極く薄
い層として設けられ、このため、理想的には極く薄い層
を作るべきであるから、硬化の深さを制限するために吸
着等だけに頼る代わりに、層の厚さを直接的に制限する
という利点がある。このため、形成領域がさらに鮮鋭に
限定され、図4の装置を用いれば、図3の装置よりも、
ある面は一層なめらかに形成される。さらに、UV硬化
性液体22は一層少ない容積ですみ、ある硬化性材料と
別の硬化性材料との取り替えが一層容易である。
【0056】図5の装置は図3の装置と同様であるが、
可動のUV光源26がなく、プログラムされた源26お
よび集束スポット27の代わりに、コリメートされた幅
の広いUV光源35と適当な開口マスク36とを用いて
いる。開口マスク36は作業面23にできるだけ近づ
け、UV源35からのコリメートされた光がマスク36
を通過して、作業面23を露出し、図3および図4の実
施例と同じように、続けて隣接した層を作る。しかし、
形成する物体の断面の形を表わす固定マスク36を使う
ことにより、三次元の物体は一定の断面の形のものが得
られる。この断面の形を変えるときには、その特定の断
面の形に対応する新しいマスク36に取り替えて、正し
く整合させなければならない。勿論、面23と整合する
ように相次いで移動させられるマスクのウェブ(図示せ
ず)を設けることにより、マスクを自動的に交換するこ
とができる。
【0057】図6も上記図3について述べたものと同様
な立体造形装置を示している。しかし、光源26および
焦点スポット27の代わりとして、陰極線管(CRT)
38、光学繊維のフェースプレート39および水または
その他の雛形層40を設ける。このため、計算機28か
らCRT38に出力された画像が管のUV放出発光体面
に形成像を作り、そこで光学繊維層39および雛形層4
0を通過して、流体媒質22の作業面23に入る。他の
全ての点で、図6の装置は、これまで説明した実施例と
全く同じように、形成しようとする所望の三次元の物体
を画定する相次ぐ断面層を形成する。
【0058】図7および図8は、昇降台29が付加的な
自由度をもち、物体30の異なる面を他の構成方法のた
めに露出することができるようにした立体造形装置を示
している。同様に、この立体造形方法は物体にある部分
を「つけ加える」方法として用いることができ、昇降台
29を使って、補助的な立体造形処理のために、別の部
分を拾い、かつ位置決めすることができる。この点、図
7および図8に示す装置は図3と同一であるが、図7お
よび図8の装置では、昇降台29が枢軸ピンまたは丁番
部材42の周りに手動でまたは自動的に制御されて回転
する2番目の自由度をもっている点が異なる。この点、
図7は普通の位置にある調節自在の昇降台29aを示し
ており、図8は90°回転した台29aを示しており、
このため、三次元の物体30の片側に追加として立体造
形によって形成された補助的な構造41を選択的に形成
することができる。実用的な立体造形装置は、図3から
図8に略図で示した装置についてこれまで説明したもの
以外に、追加の部品およびサブシステムをもっている。
例えば、実用的な装置は枠およびハウジングと制御パネ
ルとをもっている。さらに、オペレータを過剰のUV光
および可視光から遮蔽する手段ももっており、形成中に
物体30を見ることができるようにする手段をもってい
てもよい。実用的な装置は、オゾンおよび有害な煙を制
御する安全手段や高圧安全保護および連動装置を有して
いる。このような実用的な装置は、影響を受け易い電子
回路を雑音源から有効に遮蔽する手段をももっている。
【0059】すでに説明したように、この他の多数の装
置を利用して本発明の立体造形方法を実施することがで
きる。例えばUV光源26の代わりに、電子源、可視光
源、レーザ光源、ショートアーク光源、高エネルギー粒
子光源、X線源またはその他の放射線源を使うことがで
き、特定の種類の反応性エネルギーに応答して硬化する
適当な流体媒質、例えば光重合材料を用いることができ
る。例えば、UV光を用いて若干予め重合させたアルフ
ァオクタデシルアクリル酸を電子ビームを用いて重合さ
せることができる。同様に、ポリ(2,3−ジクロロ−
1−プロピル・アクリレート) をX線ビームを用いて
重合させることもできる。
【0060】
【発明の効果】この発明の立体造形方法および装置は、
プラスチックの物体を製造するために現在使われている
方法に比べて多くの利点がある。この発明の方法は、設
計の配置および図面を作る必要がなく、加工図面および
工具を作る必要もない。設計者は直接的に計算機および
立体造形装置を相手として作業することができ、計算機
の出力スクリーンに表示された設計に満足したとき、直
接的に検討するために、部品を製造することができる。
設計を変更しなければならないとき、計算機を通じてそ
の変更を容易に行うことができ、その後、もう1つの部
品を作って、その変更が正しかったことを検証すること
ができる。設計が相互作用をする設計パラメータをもつ
幾つかの部分を必要とする場合、すべての部分の設計を
素早く変更しかつ再び作ることができる。このため全体
の集成体を、必要であれば、反復的に作って検査するこ
とができるので、この発明の方法はさらに役立つ。
【0061】設計が完成した後、部品の製造を直ちに始
めることができ、このため、設計と製造の間に何週間も
何ヶ月もかかることが避けられる。最終的な生産速度お
よび部品のコストは、短期的な生産用の現在の射出成形
のコストと同様にすべきであり、射出成形よりも労賃は
一層低くすることができる。射出成形は、多数の同一の
部品を必要とするときにだけ経済的である。立体造形は
短期的な生産に有用である。これは、工具の必要がな
く、また生産の設定時間が極く短いからである。同様
に、この方法を使うと、設計の変更および注文製の部品
が容易に得られる。部品を作るのが容易であるため、立
体造形は、現在では金属またはその他の材料の部品が使
われている多くの場所で、プラスチックの部品を使うこ
とができるようにする。さらに、一層高価な金属または
その他の材料の部品を製造する決定を下す前に、物体の
プラスチックのモデルを敏速かつ経済的に作ることがで
きる。
【0062】以上、この発明を実施するための種々の立
体造形装置を説明したが、それらがほぼ二次元の面を描
き、この面から三次元の物体を引き上げるという考えを
共通にもっていることが明らかである。この発明は、三
次元のプラスチックの部品等を敏速に、確実に、正確に
かつ経済的に設計して、製造することができるCADお
よびCAM装置に対する従来長い間あった要望に応え
る。
【0063】以上、この発明の特定の形式を図示し、か
つ説明したが、この発明の範囲内で種々の変更を加える
ことができることは明らかである。従って、この発明は
本願の特許請求の範囲の記載のみに限定されることはな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の立体造形方法を実施するのに用いら
れる基本的な考えを示すフローチャート
【図2】図1と同様なフローチャート
【図3】この発明を実施する装置の現在好ましいと考え
れる実施例の断面図と組み合わせたブロック図
【図4】この発明を実施するための2番目の実施例の断
面図
【図5】この発明の3番目の実施例の断面図
【図6】この発明のさらに別の実施例の断面図
【図7】多数の自由度をもつ昇降台を取り入れるように
図3の立体造形装置を変更した場合の部分的な断面図
【図8】図7と同様な断面図
【符号の説明】
21 容器 22 UV硬化性液体 23 作業面 26 光源 28 計算機 29 昇降台 30 物体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重畳された硬化された複数の薄層(30a,3
    0b,30c)から三次元物体(30)を形成するため、硬化手段
    により硬化可能な流体媒質(22)の表面層を選択的に硬化
    させることにより、該物体(30)を作成する方法であっ
    て、 先に硬化された薄層の上に所望の厚さのコーティングを
    形成し、 前記流体媒質(22)の作業面(23)の高さに前記硬化手段(2
    6)を選択的に適用して前記先に硬化された薄層に付着し
    た硬化薄層を形成し、 前記形成工程および前記適用工程を複数回繰り返して、
    複数の付着した薄層から前記三次元物体(30)を形成する
    各工程からなり、 前記形成工程が、一つの薄層の少なくとも一部の上に過
    剰の厚さのコーティングを形成し、その後該過剰の厚さ
    を前記所望の厚さに減少させる工程を含むことを特徴と
    する方法。
  2. 【請求項2】 重畳された硬化された複数の薄層(30a,3
    0b,30c)から三次元物体(30)を形成するため、硬化手段
    により硬化可能な流体媒質(22)の表面層を選択的に硬化
    させることにより、該物体(30)を作成する装置であっ
    て、 最初に硬化された薄層の上に所望の厚さのコーティング
    を形成する手段、 前記流体媒質(22)の作業面(23)の高さに前記硬化手段(2
    6)を選択的に適用して前記先に硬化された薄層に付着し
    た硬化薄層を形成する手段、および前記形成手段および
    前記適用手段の操作を複数回繰り返して、複数の付着し
    た薄層を形成することにより前記三次元物体(30)を形成
    する手段からなり、 前記形成手段が、薄層の少なくとも一部の上に過剰な厚
    さのコーティングを形成し、その後該過剰の厚さを前記
    所望の厚さに減少させる手段を含むことを特徴とする装
    置。
  3. 【請求項3】 三次元物体を設計し、直接的に作成する
    装置であって、 該三次元物体を設計し、図で表示する手段と、 該三次元物体の薄い断面を定義する図形像出力を発生す
    る手段と、 反応性流体媒質の薄い最初の層を自動的に提供し、該反
    応性流体媒質の最初の層を作業面に位置させる手段と、 該最初の層を、前記図形像出力に応答して発せられる硬
    化用放射線に自動的に露出し、それによって、該図形像
    出力に対応する、反応した媒質の薄い断面を形成する手
    段と、 反応性媒質の複数の薄い層を自動的に提供し、複数の層
    から前記三次元物体を自動的に作成できるように、各層
    を続けて露出する間に各層が直前の層に付着して複数の
    層を続けて自動的に形成する手段と、 前記物体の異なる面を、前記複数の層を続けて提供して
    いる最中に硬化用放射線に露出する手段とからなること
    を特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 三次元物体を設計し、直接的に作成する
    方法であって、 前記三次元物体を設計し、図に表示し、 コンピュータにより設計された該三次元物体の薄い断面
    を定義する図形像出力データを作成し、 反応性流体媒質の薄い最初の層を作業面に提供し、 該最初の層を、前記図形像出力データに応答して発生す
    る硬化用放射線に露出し、それによって、該図形像出力
    データに対応する、反応した媒質の薄い断面を形成し、 反応性媒質の複数の薄い層を提供し、複数の層から前記
    三次元物体の自動作成を可能にするように次々の層を露
    出する間に、直前の層に付着する反応した媒質の複数の
    層を続けて形成し、 前記物体の異なる面を、前記複数の層を続けて提供する
    最中に硬化用放射線に露出する各工程からなることを特
    徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020121569A (ja) * 2013-11-14 2020-08-13 ストラクト ピーティーイー.エルティーディーStructo Pte. Ltd 付加製造装置及び方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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