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JPH11302178A - 脂肪肝予防及び治療剤 - Google Patents

脂肪肝予防及び治療剤

Info

Publication number
JPH11302178A
JPH11302178A JP2967899A JP2967899A JPH11302178A JP H11302178 A JPH11302178 A JP H11302178A JP 2967899 A JP2967899 A JP 2967899A JP 2967899 A JP2967899 A JP 2967899A JP H11302178 A JPH11302178 A JP H11302178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active ingredient
fatty liver
compound
liver
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2967899A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Tsutsumi
一彦 堤
Yasuhide Inoue
泰秀 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Factory Inc
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Factory Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Factory Inc filed Critical Otsuka Pharmaceutical Factory Inc
Priority to JP2967899A priority Critical patent/JPH11302178A/ja
Publication of JPH11302178A publication Critical patent/JPH11302178A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】脂肪肝の予防及び治療剤を提供。 【解決手段】一般式 【化1】 〔式中Rは低級アルキル基を、Xはハロゲン原子を示
す。〕で表わされるカルボン酸アミド誘導体を有効成分
とする脂肪肝予防及び治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脂肪肝予防及び治療
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪肝とは、肝臓内に脂質、主に中性脂
肪(トリグリセリド、TG)が過剰に蓄積した状態、即
ち肝細胞のほぼ半数以上に脂肪空胞が認められる状態を
いう。その原因としては、肥満、糖尿病、アルコール摂
取、酸素不足、内分泌性障害、外来性毒物乃至薬品、内
因性毒物等の種々のものが報告されている。特に、最近
肥満の増加と共に、脂肪肝を伴う患者が増加している。
該脂肪肝は、やがて肝炎、肝硬変等の重篤な肝障害に移
行し、死に至る場合も少なくないので、早期の治療が必
要であるが、現在、有効な治療薬はなく、食事療法が一
般的であり、満足な予防及び治療効果を奏し得る医薬品
の開発が望まれている。
【0003】本発明者らは従来より、医薬品有効成分化
合物につき、鋭意研究を重ねてきたが、その過程で先に
一連のカルボン酸アミド誘導体が、抗炎症剤、カルシウ
ム拮抗作用剤として有用であることを見出し、該誘導体
に係る発明を完成し、特許出願した(特開昭61−15
1199号公報及びEP特許公開第273444号公報
参照)。
【0004】また、本発明者らは、上記カルボン酸アミ
ド誘導体に関連する他のカルボン酸アミド誘導体が、優
れた脂質低下作用を有し、また副作用等の毒性面でもよ
り優れており、高脂質血症治療剤として、高コレステロ
ール血症、高トリグリセリド血症、高リン脂質血症、高
遊離脂肪酸血症等の各種疾患(高脂質血症)の治療及び
予防に有用であることを見出し、該知見に基づく発明を
特許出願した(特許第2584336号参照)。
【0005】更に、本発明者は、上記高脂質血症に有効
なカルボン酸アミド誘導体が、これとは別個に、尿蛋白
排泄抑制作用を有し、腎炎治療剤として有効であること
も見出し、該知見に基づく発明を特許出願した(特願平
9−93002号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
特許出願に係る化合物の低毒性等の優れた性質を利用し
て、該化合物の新たな医薬用途、特に脂肪肝に対する予
防及び治療剤を開発する点にある。
【0007】本発明者は、上記目的より引続き研究を重
ねた結果、高脂血症及び腎炎に対して有効な上記化合物
が、之等各医薬用途とは関連せず、しかも之等医薬用途
に適した薬理作用からは予想外の、肝臓中の中性脂肪
(トリグリセリド、TG)、総コレステロールの低下作用
を有し、脂肪肝の予防及び治療に有効であるという新し
い知見を得た。本発明はこの知見に基づいて完成された
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は一般式
(1)
【0009】
【化4】
【0010】〔式中Rは低級アルキル基を、Xはハロゲ
ン原子を示す。〕で表わされるカルボン酸アミド誘導体
を有効成分とする脂肪肝予防及び治療剤に係わる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明脂肪肝予防及び治療剤にお
いて有効成分とする上記一般式(1)で表わされる化合
物は、前述した通り、本発明者らにより、既に血中の中
性脂肪(トリグリセリド、TG)低下作用及びコレステロ
ール低下作用を有し、高脂血症治療に有効であることが
知られている(特開平3−68592号公報)。しかし
ながら、この作用と脂肪肝予防及び治療のための肝臓に
おける中性脂肪蓄積抑制乃至肝臓コレステロール低下作
用とは、むしろ相反する作用であることが知られてい
る。
【0012】事実、血中の中性脂肪及びコレステロール
の低下作用を有し、高脂血症治療剤として用いられてい
る、例えばクロフィブラートは、副作用として肝への中
性脂肪蓄積をもたらし、肝肥大を引き起こすことが知ら
れているのである(例えば特開平8−119860号公
報参照)。
【0013】本発明は、かかる従来の知見に反して驚く
べきことに、上記一般式(1)で表わされる化合物が、
血中の中性脂肪低下作用及びコレステロール低下作用を
有するにもかかわらず、該作用と共に、肝臓における中
性脂肪の蓄積抑制乃至肝臓中コレステロール低下作用を
奏し、所望の脂肪肝予防及び治療効果を奏し得ることを
見出し完成されているのである。
【0014】本発明有効成分化合物を示す一般式(1)
において、Rで示される低級アルキル基としては、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の
直鎖状及び分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。
またXで示されるハロゲン原子には、弗素原子、塩素原
子、臭素原子及び沃素原子が包含される。
【0015】殊に優れた脂肪肝予防及び治療効果を奏し
得る上記有効成分化合物としては、下記一般式(1a)
及び(1b)で表わされるカルボン酸アミド誘導体、即
ちフェニル環上の置換基としてのCN基が同置換基とし
てのアミノ基に対してオルト位又はパラ位に存在し、且
つXで示されるハロゲン原子がパラ位又はオルト位に存
在する誘導体が例示できる。 一般式(1a):
【0016】
【化5】
【0017】〔式中R及びXは上記に同じ。〕 一般式(1b):
【0018】
【化6】
【0019】〔式中R及びXは上記に同じ。〕 上記一般式(1a)で表わされる有効成分化合物中で
も、4−ジエトキシホスフィノイルメチル−N−(4−
ブロモ−2−シアノフェニル)ベンズアミドは、最も優
れた脂肪肝予防及び治療効果を奏し得るものとして例示
できる。
【0020】上記一般式(1)で表わされる誘導体、殊
に一般式(1a)及び一般式(1b)で表わされる誘導
体は、優れた脂肪肝予防及び治療効果を奏するに加え
て、溶血作用等の副作用を殆んど伴わない安全性の優れ
たものである特徴を有しており、この面から上記予防及
び治療剤として極めて有用である。更に、上記誘導体
は、肝に対する副作用、例えば脂肪の蓄積や浮腫等によ
る肝肥大を伴わない特徴をも有しており、この点でも脂
肪肝予防及び治療剤として特に有効である。
【0021】本発明において有効成分とするカルボン酸
アミド誘導体は、種々の方法により製造できる。その例
としては、例えば特許第2584336号の記載を引用
することができる。より詳しくは、上記一般式(1)の
化合物に対応するカルボン酸塩化物誘導体と、同化合物
に対応するハロゲン原子及びシアノ基をフェニル環上置
換基として有するアミン類とを、芳香族乃至脂肪族炭化
水素やハロゲン化炭化水素等の適当な溶媒中、脱酸剤、
例えばトリエチルアミン等の第3級アミンの存在下に、
室温〜溶媒の還流温度下に、0.5〜10時間程度反応
させる方法を例示することができる。
【0022】上記有効成分化合物は、通常一般的な医薬
製剤の形態に調製され本発明予防及び治療剤とされる。
該医薬製剤は、通常使用される充填剤、増量剤、結合
剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤乃
至賦形剤を用いて調整される。この医薬製剤としては各
種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なも
のとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒
剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が
挙げられる。
【0023】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿
素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロ
ース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノー
ル、単シロツプ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶
液、カルボキシメチルセルロース、セラツク、メチルセ
ルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の
結合剤、カルボキシメチルセルロース又はそのカルシウ
ム塩、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、カン
テン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カル
シウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセ
リド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、
カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アン
モニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進
剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸
着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ
チレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。さらに錠
剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣
錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコーテイング
錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0024】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
して例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化
植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム
末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、
ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。坐剤
の形態に成形するに際しては、担体として例えばポリエ
チレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級ア
ルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド
等を使用できる。
【0025】カプセル剤は常法に従い通常本発明化合物
を上記で例示した各種の担体と混合して硬質ゼラチンカ
プセル、軟質カプセル等に充填して調整される。
【0026】注射剤として調整される場合、液剤、乳剤
及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ま
しく、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤とし
て例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピ
レングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコー
ル、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用でき
る。なお、この場合等張性の溶液を調整するに充分な量
の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含
有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤等を添加してもよい。
【0027】更に本発明医薬製剤中には、必要に応じて
着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品
を含有させることもできる。
【0028】本発明医薬製剤中に含有されるべき有効成
分化合物の量は、特に限定されず広範囲から適宜選択さ
れる。通常医薬製剤中に1〜70重量%とするのがよ
い。
【0029】本発明医薬製剤の投与方法は、特に制限が
なく、その製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、
疾患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、
液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与
される。注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通
常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じて
単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。
坐剤は直腸内投与される。
【0030】本発明医薬製剤の投与量は、用法、患者の
年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択
され、通常有効成分化合物の量が1日成人体重1kg当
り約450mg〜4.5g程度とするのがよく、該製剤
は1日に1〜4回に分けて投与することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため本発
明有効成分化合物の製造例を挙げ、次いで薬理試験例を
挙げる。更に、本発明脂肪肝予防及び治療剤の製剤例を
挙げる。
【0032】
【製造例1】2−アミノ−5−ブロモベンゾニトリル
3.94g(20ミリモル)、トリエチルアミン2.2
2g(22ミリモル)及び4−ジメチルアミノピリジン
0.49g(4ミリモル)とを、乾燥ジクロロメタン4
0mlに溶解させ、これに氷冷撹拌下に、4−ジエトキ
シホスフィノイルメチルベンゾイル クロリド5.81
g(20ミリモル)の乾燥ジクロロメタン40ml溶液
をゆっくり滴下した。室温で10時間撹拌した後、反応
混合物中に水50mlを加え、クロロホルムで抽出し、
芒硝上で乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチ
ル=1:2で溶出)で精製し、ベンゼン−n−ヘキサン
より再結晶して、無色結晶の4−ジエトキシホスフィノ
イルメチル−N−(4−ブロモ−2−シアノフェニル)
ベンズアミド2.94gを得た。融点:165〜166
℃(ベンゼン−n−ヘキサンより再結晶)
【0033】
【薬理試験例1】 脂肪肝抑制及び改善効果試験 9ヶ月齢の雄性ラット(SDラット、体重約700g)
を3群に分け、その一群(9匹、正常群)は、固形飼料
(オリエンタル酵母工業株式会社製、CRF−1)で3
ヶ月間飼育した。
【0034】他の2群(各群6匹、本発明群及び対照
群)は、26.7%のサフラワー油を含有する同固形飼
料(オリエンタル酵母工業株式会社製、CRF−1)で
3ヶ月間飼育した。
【0035】本発明群は、上記固形飼料による飼育と同
時に、4−ジエトキシホスフィノイルメチル−N−(4
−ブロモ−2−シアノフェニル)ベンズアミドを50m
g/kg/日の割合で経口投与(5%アラビアゴム懸濁
液として投与)させた。
【0036】実験終了後、各群ラットを解剖し、肝臓を
摘出し、肝臓中のトリグリセリド量及びコレステロール
濃度を測定した。尚、上記測定は、肝臓の脂質をクロロ
ホルム:メタノール=2:1の混合液で抽出した後、市
販の酵素法のキットを用いて行なった。
【0037】結果を下記表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】尚、表中※印は、スチュデンツテストによ
る対照群に対する有意差(p<0.01)を示す。
【0040】上記表1より、高脂肪食でラットを飼育す
ると、対照群として示すように、肝臓中のトリグリセリ
ド濃度及びコレステロール濃度が増加し、脂肪肝となる
のに対して、本発明有効成分化合物の投与によれば、本
発明群として示す通り、上記トリグリセリド濃度及びコ
レステロール濃度の増加は顕著に抑制されることが明ら
かである。このことから、上記有効成分化合物は、脂肪
肝の発症抑制効果乃至脂肪肝の改善効果を奏し得ること
が明らかである。
【0041】
【薬理試験例2】 脂肪肝改善効果試験 フルクトース含有飼料(フルクトース70%、カゼイン
15%、コーン油7%、ミネラル混合物5%、ビタミン
混合物1%及びセルロース2%)で9週齢の雄性ウイス
ターラットを3日間飼育して脂肪肝を誘発させた。
【0042】上記脂肪肝誘発ラットに、4−ジエトキシ
ホスフィノイルメチル−N−(4−ブロモ−2−シアノ
フェニル)ベンズアミド(本発明有効成分化合物)を5
0mg/kgの割合で1日1回、4日間経口投与(5%
アラビアゴム懸濁液として投与)した(本発明群)。
【0043】最終投与の4時間後に、エーテル麻酔下に
ラットより肝臓を摘出し、肝臓中の中性脂肪(トリグリ
セリド)及びコレステロールを薬理試験例1と同様にし
て測定した。
【0044】結果を下記表2に示す。尚、表には、本発
明有効成分化合物の投与を行なわなかった脂肪肝誘発ラ
ットをコントロール群とし、また正常ラットを正常群と
して、それぞれの中性脂肪及びコレステロール測定結果
を併記する。
【0045】
【表2】
【0046】尚、表中※印及び※※印は、それぞれスチ
ュデンツテストによるコントロール群に対する有意差
(p<0.05及びp<0.01)を示す。
【0047】上記表2より、本発明有効成分化合物の投
与(本発明群)によれば、脂肪肝誘発ラットにおけるト
リグリセリド及びコレステロールの顕著な低下の認めら
れることが明らかである。このことから、上記有効成分
化合物は、脂肪肝の治療、改善効果を奏し得ることが判
る。
【0048】
【薬理試験例3】 脂肪肝改善効果試験 本発明有効成分化合物として、4−ジエトキシホスフィ
ノイルメチル−N−(4−ブロモ−2−シアノフェニ
ル)ベンズアミド(化合物1という)の他に、以下の化
合物2〜4のそれぞれを用いて、薬理試験例2と同一試
験を繰り返した。
【0049】
【化7】
【0050】得られた結果を下記表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】該表3から、試験した本発明有効成分化合
物は、いずれもその投与によって、脂肪肝誘発ラットに
おけるトリグリセリド及びコレステロールを顕著に低下
させることが明らかである。このことから、上記有効成
分化合物は、脂肪肝の治療、改善効果を奏し得ることが
判る。
【0053】
【薬理試験例4】 脂肪肝改善効果試験 7週齢の雄性ウィスター系ラットにストレプトゾトシン
(シグマ社製)を85mg/kgの割合で尾静脈より投
与して糖尿病を惹起させた。
【0054】上記糖尿病発症ラットを、コレステロール
0.25%を含有する固形飼料(オリエンタル酵母工業
社製、CRF−1)にて8ヶ月間飼育した(対照群)。
【0055】また本発明群は、上記固形飼料による飼育
と同時に、4−ジエトキシホスフィノイルメチル−N−
(4−ブロモ−2−シアノフェニル)ベンズアミドを、
1日1回、8ヶ月間、30、100又は300mg/k
g/日の割合で経口投与した。
【0056】8ヶ月の実験期間経過後、各群ラットより
肝臓を摘出し、その状態を観察すると共に、写真撮影を
行なった。
【0057】結果は、図1に示す通りである。図1は、
各群ラットの摘出肝臓を写真撮影した生物の形態を示す
図面代用写真である。
【0058】図中、「Normal」は正常ラット(普通食に
よる飼育)の肝臓である。「Control」は対照群ラット
の肝臓である。また、「30mg/kg」、「100mg/kg」及び
「300mg/kg」は、それぞれ本発明有効成分化合物を30
mg/kg、100mg/kg及び300mg/kgと
なる割合で経口投与したラット(本発明群)の肝臓であ
る。
【0059】図1より、本発明群ラットの肝臓は、濃度
依存的に若干脂肪の蓄積による淡色化は認められるもの
の、いずれも正常ラットの肝臓とほぼ同様の色調を有し
ていることが判る。これに対して、対照群ラットの肝臓
は、脂肪の蓄積による白化が著しく、正常ラットの肝臓
とは明らかに異なる色調を呈することが判る。このこと
から、上記有効成分化合物は、脂肪肝の予防及び治療剤
として有効であることが判った。
【0060】また、本発明群ラットの肝臓では、肝肥大
は認められなかった。
【0061】
【薬理試験例5】 溶血試験 7週齢の雄性ddYマウスを1群6匹(試験群)に群分
けして以下の試験を行なった。即ち、本発明有効成分化
合物(製造例で得たもの)を0.5%カルボキシメチル
セルロース(CMC)に懸濁させて、経口ゾンテを用い
て強制的に600mg/5ml/kgで10日間経口投与し
た。
【0062】尚、コントロール群として、0.5%CM
Cのみを投与した群を設けた。
【0063】上記最終投与後、20時間絶食させた後、
供試動物を解剖し、採血及び臓器摘出を行ない、血液の
赤血球数を測定し、また脾臓の重量測定を行なった。
【0064】その結果、上記有効成分化合物を経口投与
した試験群の赤血球数比(コントロール群の赤血球数を
1とする相対比)は0.96であり、脾臓重量比(同様
にコントロール群の同値を1とする相対値)は、1.1
3であり、両値ともコントロール群と比べて有意差が認
められず、このことから本発明有効成分化合物は、溶血
の副作用を示さないものであることが明らかとなった。
【0065】
【製剤例1】 錠剤の調製 製造例1で調製した化合物を、1錠当り250mg含有
する錠剤(1000錠)を、次の処方により調製した。 製造例1で調製した化合物 250g 乳糖(日本薬局方品) 33.3g コーンスターチ(日本薬局方品) 16.4g カルボキシメチルセルロースカルシウム(日本薬局方品) 12.8g メチルセルロース(日本薬局方品) 6.0g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 1.5g 全量 320.0g 即ち、上記処方に従い、有効成分化合物、乳糖、コーン
スターチ及びカルボキシメチルセルロースを充分に混合
し、メチルセルロース水溶液を用いて顆粒化し、24メ
ッシュの篩に通し、ステアリン酸マグネシウムと混合し
て錠剤にプレスした。
【0066】
【製剤例2】 カプセル剤の調製 本発明有効成分化合物として4−ジエトキシホスフィノ
イルメチル−N−(2−クロロ−4−シアノフェニル)
ベンズアミドを、1カプセル当り250mg含有する硬
質ゼラチンカプセル(1000個)を、次の処方により
調製した。 4−ジエトキシホスフィノイルメチル−N−(2−クロロ−4−シアノフェニル )ベンズアミド 250g 結晶セルロース(日本薬局方品) 30g コーンスターチ(日本薬局方品) 17g タルク(日本薬局方品) 2g ステアリン酸マグネシウム(日本薬局方品) 1g 全量 300g 即ち、上記処方に従い各成分を細かく粉末にし、均一な
混合物となるように充分混和した後、所望の寸法を有す
る経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的のカプ
セルを得た。
【0067】
【製剤例3】 顆粒剤の調製 有効成分として4−ジエトキシホスフィノイルメチル−
N−(2−ブロモ−4−シアノフェニル)ベンズアミド
を、1g当り500mg含有する顆粒剤(1000g)
を、次の処方により調製した。 4−ジエトキシホスフィノイルメチル−N−(2−ブロモ−4−シアノフェニル )ベンズアミド 500g コーンスターチ(日本薬局方品) 250g 乳糖(日本薬局方品) 100g 結晶セルロース(日本薬局方品) 100g カルボキシメチルセルロースカルシウム(日本薬局方品)40g ヒドロキシプロピルセルロース(日本薬局方品) 10g 全量 1000g 即ち、上記処方に従い有効成分化合物、コーンスター
チ、乳糖、結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロ
ースカリウムを混合した後、混合物にヒドロキシプロピ
ルセルロース水溶液を加えて混練し、押出し造粒機で造
粒し、50℃で2時間乾燥して、目的顆粒剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例4に従う、各群ラットの摘出肝臓を写真
撮影した生物の形態を示す図面代用写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中Rは低級アルキル基を、Xはハロゲン原子を示
    す。〕で表わされるカルボン酸アミド誘導体を有効成分
    とする脂肪肝予防及び治療剤。
  2. 【請求項2】 有効成分が一般式 【化2】 〔式中R及びXは上記に同じ。〕で表わされるカルボン
    酸アミド誘導体である請求項1に記載の脂肪肝予防及び
    治療剤。
  3. 【請求項3】 有効成分が一般式 【化3】 〔式中R及びXは上記に同じ。〕で表わされるカルボン
    酸アミド誘導体である請求項1に記載の脂肪肝予防及び
    治療剤。
  4. 【請求項4】 有効成分が4−ジエトキシホスフィノイ
    ルメチル−N−(4−ブロモ−2−シアノフェニル)ベ
    ンズアミドである請求項1に記載の脂肪肝予防及び治療
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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