JPH11302017A - 透明導電膜 - Google Patents
透明導電膜Info
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- JPH11302017A JPH11302017A JP10111891A JP11189198A JPH11302017A JP H11302017 A JPH11302017 A JP H11302017A JP 10111891 A JP10111891 A JP 10111891A JP 11189198 A JP11189198 A JP 11189198A JP H11302017 A JPH11302017 A JP H11302017A
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- film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液晶表示素子やプラズマ発光表示素子等の透
明電極、太陽電池等の透明電極、赤外線吸収反射膜、防
曇膜、電磁遮蔽膜等に利用される良好な電気伝導性と可
視光透過性を有する透明導電膜。 【解決手段】 インジウム(In)、アンチモン(S
b)、酸素(O)の3成分を主構成成分とし、欠陥蛍石
型結晶構造を有する複酸化物であり、一般式:In 3S
b1-XO7-δ(−0.2≦X≦0.2、および−0.5
≦δ≦0.5の範囲である)で表される透明導電膜であ
り、さらにSn、Si、Ge、Ti、Zr、Pb、C
r、Mo、W、Te、V、Nb、Ta、Bi、As、C
eの高原子価金属元素、もしくはF、Br、Iのハロゲ
ン元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を0.
01〜20原子%の割合でドープする。また還元アニー
ルにより酸素空孔を生成させ、それによりキャリア電子
を注入する。
明電極、太陽電池等の透明電極、赤外線吸収反射膜、防
曇膜、電磁遮蔽膜等に利用される良好な電気伝導性と可
視光透過性を有する透明導電膜。 【解決手段】 インジウム(In)、アンチモン(S
b)、酸素(O)の3成分を主構成成分とし、欠陥蛍石
型結晶構造を有する複酸化物であり、一般式:In 3S
b1-XO7-δ(−0.2≦X≦0.2、および−0.5
≦δ≦0.5の範囲である)で表される透明導電膜であ
り、さらにSn、Si、Ge、Ti、Zr、Pb、C
r、Mo、W、Te、V、Nb、Ta、Bi、As、C
eの高原子価金属元素、もしくはF、Br、Iのハロゲ
ン元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を0.
01〜20原子%の割合でドープする。また還元アニー
ルにより酸素空孔を生成させ、それによりキャリア電子
を注入する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な電気伝導性
と可視光透過性を有する透明導電膜に関するものであ
り、当該導電膜は液晶表示素子やプラズマ発光表示素子
等の透明電極、太陽電池等の透明電極、赤外線吸収反射
膜、防曇膜、電磁遮蔽膜等に利用される。
と可視光透過性を有する透明導電膜に関するものであ
り、当該導電膜は液晶表示素子やプラズマ発光表示素子
等の透明電極、太陽電池等の透明電極、赤外線吸収反射
膜、防曇膜、電磁遮蔽膜等に利用される。
【0002】
【従来技術とその解決しようとする課題】現在、透明導
電膜は液晶表示素子、プラズマ発光表示素子、太陽電池
等の透明電極の他、赤外線吸収反射膜、防曇膜、電磁遮
蔽膜等に利用されている。
電膜は液晶表示素子、プラズマ発光表示素子、太陽電池
等の透明電極の他、赤外線吸収反射膜、防曇膜、電磁遮
蔽膜等に利用されている。
【0003】特に液晶表示装置は、近年、パソコンやワ
ープロ等のOA機器への採用が活発であり、それととも
に透明電極の需要も高まっている。液晶表示素子用の透
明電極については、抵抗率が十分低いことと、エッチン
グによるパターニング性が比較的容易なことから、酸化
インジウムにスズを数モル%ドープしたITO(Ind
ium−Tin−Oxide)が主に用いられている。
ープロ等のOA機器への採用が活発であり、それととも
に透明電極の需要も高まっている。液晶表示素子用の透
明電極については、抵抗率が十分低いことと、エッチン
グによるパターニング性が比較的容易なことから、酸化
インジウムにスズを数モル%ドープしたITO(Ind
ium−Tin−Oxide)が主に用いられている。
【0004】しかし、最近の液晶表示装置は大面積化、
多画素子化、高精細化、低コスト化の傾向にあり、表示
欠陥の無い高画質の液晶表示素子を得る上で、透明電極
の性能、特にシート抵抗の低減と可視光透過率の向上が
望まれている上、透明電極そのもののコストダウンが極
めて重要な課題になっている。
多画素子化、高精細化、低コスト化の傾向にあり、表示
欠陥の無い高画質の液晶表示素子を得る上で、透明電極
の性能、特にシート抵抗の低減と可視光透過率の向上が
望まれている上、透明電極そのもののコストダウンが極
めて重要な課題になっている。
【0005】このため、従来、ITOの成膜技術改良や
スパッタリングターゲットの改良等により透明導電膜の
物性向上とコストダウンを進めてきたが、ITOの物性
には限界があり、最近のより進んだニーズへの対応が困
難になっている。
スパッタリングターゲットの改良等により透明導電膜の
物性向上とコストダウンを進めてきたが、ITOの物性
には限界があり、最近のより進んだニーズへの対応が困
難になっている。
【0006】一方、最近、ITOとは異なる新規透明導
電材料(In3SbO7系複酸化物)が、ITO以上の高
い可視光透過性と良好な導電性を有することがわかって
きた(特開平9-194212号、特開平9-19425
9号)。この材料は、主構成成分にインジウム、アンチ
モンを用いるものであり、高価なインジウムの含有率が
75%程度(金属元素mol比)と、従来のITOのイ
ンジウム含有率(90%以上)よりも低く、原料コスト
が安くなる。
電材料(In3SbO7系複酸化物)が、ITO以上の高
い可視光透過性と良好な導電性を有することがわかって
きた(特開平9-194212号、特開平9-19425
9号)。この材料は、主構成成分にインジウム、アンチ
モンを用いるものであり、高価なインジウムの含有率が
75%程度(金属元素mol比)と、従来のITOのイ
ンジウム含有率(90%以上)よりも低く、原料コスト
が安くなる。
【0007】
【課題を解決するための具体的手段】本発明者らは、上
記の問題に鑑み鋭意検討の結果、InとSbをモル比で
3:1の割合で含む複酸化物、すなわちIn3SbO7で
表される新規透明導電材料を、スパッタリング法にて成
膜した結果、ITOよりも優れる可視光透過性と良好な
抵抗率を示すことを見い出し本発明に到達した。
記の問題に鑑み鋭意検討の結果、InとSbをモル比で
3:1の割合で含む複酸化物、すなわちIn3SbO7で
表される新規透明導電材料を、スパッタリング法にて成
膜した結果、ITOよりも優れる可視光透過性と良好な
抵抗率を示すことを見い出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、インジウム(In)、
アンチモン(Sb)、酸素(O)の3成分を主構成成分
とし、欠陥蛍石型結晶構造を有する複酸化物であり、一
般式:In3Sb1-XO7-δ(−0.2≦X≦0.2、お
よび−0.5≦δ≦0.5の範囲である)で表される透
明導電膜で、Sn、Si、Ge、Ti、Zr、Pb、C
r、Mo、W、Te、V、Nb、Ta、Bi、As、C
eの高原子価金属元素及びF、Br、Iのハロゲン元素
から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を0.01〜
20原子%の割合でドープした透明導電膜であり、さら
に還元アニールにより酸素空孔を生成させ、それにより
キャリア電子を注入した透明導電膜を提供するものであ
る。
アンチモン(Sb)、酸素(O)の3成分を主構成成分
とし、欠陥蛍石型結晶構造を有する複酸化物であり、一
般式:In3Sb1-XO7-δ(−0.2≦X≦0.2、お
よび−0.5≦δ≦0.5の範囲である)で表される透
明導電膜で、Sn、Si、Ge、Ti、Zr、Pb、C
r、Mo、W、Te、V、Nb、Ta、Bi、As、C
eの高原子価金属元素及びF、Br、Iのハロゲン元素
から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を0.01〜
20原子%の割合でドープした透明導電膜であり、さら
に還元アニールにより酸素空孔を生成させ、それにより
キャリア電子を注入した透明導電膜を提供するものであ
る。
【0009】本発明においてインジウムとアンチモンの
モル比が3:1−X(−0.2≦X≦0.2)の組成の
膜を得ることが重要である。この組成からずれると、良
好な導電性が期待される欠陥蛍石型結晶構造を有するI
n3SbO7相以外の第2相(In2O3、Sb2O3、In
SbO4など)が生成し、膜の抵抗率が上昇するため好
ましくない。
モル比が3:1−X(−0.2≦X≦0.2)の組成の
膜を得ることが重要である。この組成からずれると、良
好な導電性が期待される欠陥蛍石型結晶構造を有するI
n3SbO7相以外の第2相(In2O3、Sb2O3、In
SbO4など)が生成し、膜の抵抗率が上昇するため好
ましくない。
【0010】また、基本組成であるIn:Sb=3:1
のモル比でも十分に良好な導電性が得られるが、例え
ば、上記の範囲内でずらした、非化学量論組成にする
と、さらにキャリア電子が注入され、抵抗率が減少す
る。
のモル比でも十分に良好な導電性が得られるが、例え
ば、上記の範囲内でずらした、非化学量論組成にする
と、さらにキャリア電子が注入され、抵抗率が減少す
る。
【0011】一方、上記組成の透明導電膜にIV族元素で
あるSn、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、V族元素で
あるV,Nb,Ta、Bi、As、VI族元素であるC
r、Mo、W、Te、ランタノイド元素であるCe及び
ハロゲン元素であるF、Br、Iから選ばれる少なくと
も1種以上をそれぞれドープすることによって、すなわ
ち、高原子価元素の置換固溶による電荷補償から生じる
キャリア電子の注入、または酸素元素にハロゲン元素が
置換することによる電荷補償から生じるキャリア電子の
注入も可能であり、このようなドーピングにより、さら
に抵抗率が減少する。
あるSn、Si、Ti、Zr、Ge、Pb、V族元素で
あるV,Nb,Ta、Bi、As、VI族元素であるC
r、Mo、W、Te、ランタノイド元素であるCe及び
ハロゲン元素であるF、Br、Iから選ばれる少なくと
も1種以上をそれぞれドープすることによって、すなわ
ち、高原子価元素の置換固溶による電荷補償から生じる
キャリア電子の注入、または酸素元素にハロゲン元素が
置換することによる電荷補償から生じるキャリア電子の
注入も可能であり、このようなドーピングにより、さら
に抵抗率が減少する。
【0012】しかし、上記の元素を添加する場合、0.
01〜20原子%の割合でドープすることが望ましい。
この範囲を越えると、ドープした元素は固溶限を越え、
これによりIn3SbO7相以外の第2相が生成し、抵抗
率の上昇を招き好ましくない。このため、添加元素のド
ープ量は上記の範囲で行うことが好ましい。
01〜20原子%の割合でドープすることが望ましい。
この範囲を越えると、ドープした元素は固溶限を越え、
これによりIn3SbO7相以外の第2相が生成し、抵抗
率の上昇を招き好ましくない。このため、添加元素のド
ープ量は上記の範囲で行うことが好ましい。
【0013】さらに、上記透明導電膜を還元雰囲気でア
ニール処理することにより酸素空孔を生成させ、それに
よる電荷補償から生じるキャリア電子の注入も可能であ
る。上記組成の透明導電膜を還元雰囲気で100℃〜1
300℃の温度範囲で、0.1〜10時間アニール処理
を行うのが好ましい。この時の還元雰囲気は酸素分圧1
0-1〜10-21atm程度であり、真空中、もしくはH
e、Ne、Ar等の希ガス中、窒素ガス中、一酸化炭素
ガス中、水素ガス中、およびこれらのガスから選ばれる
2種類以上の混合ガス中での処理によって行われる。
ニール処理することにより酸素空孔を生成させ、それに
よる電荷補償から生じるキャリア電子の注入も可能であ
る。上記組成の透明導電膜を還元雰囲気で100℃〜1
300℃の温度範囲で、0.1〜10時間アニール処理
を行うのが好ましい。この時の還元雰囲気は酸素分圧1
0-1〜10-21atm程度であり、真空中、もしくはH
e、Ne、Ar等の希ガス中、窒素ガス中、一酸化炭素
ガス中、水素ガス中、およびこれらのガスから選ばれる
2種類以上の混合ガス中での処理によって行われる。
【0014】本発明の透明導電膜は、スパッタリング法
で製造可能である。もちろん製造方法がスパッタリング
法のみに限定されるわけではなく、真空蒸着法、イオン
プレーティング法等の他の物理的成膜方法、あるいは熱
スプレー法、ディップコート法、CVD法等の化学的成
膜方法でも上記透明導電膜の製造は十分可能である。し
かし、スパッタリング法は他の成膜方法と比較して、透
明導電膜の製造では一般的であり、低抵抗の透明導電膜
が容易に得やすいという利点がある。
で製造可能である。もちろん製造方法がスパッタリング
法のみに限定されるわけではなく、真空蒸着法、イオン
プレーティング法等の他の物理的成膜方法、あるいは熱
スプレー法、ディップコート法、CVD法等の化学的成
膜方法でも上記透明導電膜の製造は十分可能である。し
かし、スパッタリング法は他の成膜方法と比較して、透
明導電膜の製造では一般的であり、低抵抗の透明導電膜
が容易に得やすいという利点がある。
【0015】次に、スパッタリング法にて本発明の透明
導電膜の製造を行う際の、スパッタリングターゲット
は、基本的にインジウムおよびアンチモン、もしくはイ
ンジウムとアンチモンの他に、上記添加元素を含有した
構成成分からなる材料を用いる。形態は、In3SbO7
焼結体、およびその粉末、もしくは酸化インジウムと酸
化アンチモンの混合体、または金属インジウムと金属ア
ンチモンの合金などが可能であるが、一般的には酸化物
焼結体をスパッタリングターゲット材料に用いることが
多い。
導電膜の製造を行う際の、スパッタリングターゲット
は、基本的にインジウムおよびアンチモン、もしくはイ
ンジウムとアンチモンの他に、上記添加元素を含有した
構成成分からなる材料を用いる。形態は、In3SbO7
焼結体、およびその粉末、もしくは酸化インジウムと酸
化アンチモンの混合体、または金属インジウムと金属ア
ンチモンの合金などが可能であるが、一般的には酸化物
焼結体をスパッタリングターゲット材料に用いることが
多い。
【0016】また、スパッタリング法における電源は、
DC電源あるいはRF電源、どちらを用いても製造可能
であるが、DC電源を用いる場合は、導電性のスパッタ
リングターゲットを用いる必要があり、この点から、導
電性を有するIn3SbO7焼結体、または金属合金をス
パッタリングターゲットとして用いる方が有利である。
しかし、後者は反応性スパッタとなり、一般的に多量の
導入酸素を、精密に制御しないと良好な透明導電膜は得
られにくいなどの欠点がある。このため、In 3SbO7
焼結体をスパッタリングターゲットとして用いる方が好
ましい。
DC電源あるいはRF電源、どちらを用いても製造可能
であるが、DC電源を用いる場合は、導電性のスパッタ
リングターゲットを用いる必要があり、この点から、導
電性を有するIn3SbO7焼結体、または金属合金をス
パッタリングターゲットとして用いる方が有利である。
しかし、後者は反応性スパッタとなり、一般的に多量の
導入酸素を、精密に制御しないと良好な透明導電膜は得
られにくいなどの欠点がある。このため、In 3SbO7
焼結体をスパッタリングターゲットとして用いる方が好
ましい。
【0017】さらに、本発明の透明導電膜を支持する基
板は、透明な基板であり、用途に応じて種々の材料を用
いることができる。例えば、アルカリガラス、無アルカ
リガラス、石英ガラスなどの無機物の他、アクリルやP
MMR等の透明樹脂等が用いられる。
板は、透明な基板であり、用途に応じて種々の材料を用
いることができる。例えば、アルカリガラス、無アルカ
リガラス、石英ガラスなどの無機物の他、アクリルやP
MMR等の透明樹脂等が用いられる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、かかる実施例に限定されるものではない。
が、かかる実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 DCプレーナー型マグネトロンスパッタ装置の陰極上に
元素比(In:Sb)=3:1のIn3SbO7焼結体タ
ーゲットをセットした。その後、1mm厚の無アルカリ
ガラス基板を真空チャンバー内に入れ、真空ポンプで
1.3×10-4Paまで排気した。この際、基板を50
0℃に加熱した。
元素比(In:Sb)=3:1のIn3SbO7焼結体タ
ーゲットをセットした。その後、1mm厚の無アルカリ
ガラス基板を真空チャンバー内に入れ、真空ポンプで
1.3×10-4Paまで排気した。この際、基板を50
0℃に加熱した。
【0020】次にArとO2の混合ガスをAr:O2=9
8:2の割合で真空チャンバに導入し、ガス圧が6.5
×10-1Paになるように調節した。この状態でスパッ
タリングターゲットに2W/cm2の出力の直流電流を
印加し、20分間プレスパッタした後、30分間スパッ
タ成膜を行い、上記In3SbO7複酸化物膜を得た。
8:2の割合で真空チャンバに導入し、ガス圧が6.5
×10-1Paになるように調節した。この状態でスパッ
タリングターゲットに2W/cm2の出力の直流電流を
印加し、20分間プレスパッタした後、30分間スパッ
タ成膜を行い、上記In3SbO7複酸化物膜を得た。
【0021】以上のようにして製造した複酸化物膜は、
X線回折法による解析の結果、In 3SbO7相のみが認
められ、他の結晶相は認められなかった。この膜につい
て、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行ったとこ
ろ、膜厚:2020 、抵抗率:3.8×10-4Ω・c
m、可視光透過率:93%であった。これらの結果は、
表1に示した。なお、膜厚は触針式表面粗さ計より求
め、抵抗率は直流4探針法、可視光透過率は分光光度計
を用いて測定を行った。
X線回折法による解析の結果、In 3SbO7相のみが認
められ、他の結晶相は認められなかった。この膜につい
て、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行ったとこ
ろ、膜厚:2020 、抵抗率:3.8×10-4Ω・c
m、可視光透過率:93%であった。これらの結果は、
表1に示した。なお、膜厚は触針式表面粗さ計より求
め、抵抗率は直流4探針法、可視光透過率は分光光度計
を用いて測定を行った。
【0022】
【表1】
【0023】実施例2 スパッタリングターゲットに元素比(In:Sb)=
3:0.95の非化学量論組成のIn3Sb0.95O7-δ
焼結体を用いた他は、すべて実施例1と同様の方法で行
い複酸化物膜を得た。
3:0.95の非化学量論組成のIn3Sb0.95O7-δ
焼結体を用いた他は、すべて実施例1と同様の方法で行
い複酸化物膜を得た。
【0024】X線回折法による解析の結果In3SbO7
相のみが認められ、他の結晶相は認められなかった。こ
の膜について、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行
った。その結果を表1に示した。
相のみが認められ、他の結晶相は認められなかった。こ
の膜について、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行
った。その結果を表1に示した。
【0025】実施例3 スパッタリングターゲットに元素比(In:Sb:F)
=3:1:0.1のハロゲン元素としてフッ素をドープ
したIn3SbO7焼結体を用いた他は、すべて実施例1
と同様の方法で行い複酸化物膜を得た。
=3:1:0.1のハロゲン元素としてフッ素をドープ
したIn3SbO7焼結体を用いた他は、すべて実施例1
と同様の方法で行い複酸化物膜を得た。
【0026】X線回折法による解析の結果In3SbO7
相のみが認められ、他の結晶相は認められなかった。こ
の膜について、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行
った。その結果を表1に示した。
相のみが認められ、他の結晶相は認められなかった。こ
の膜について、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行
った。その結果を表1に示した。
【0027】実施例4 スパッタリングターゲットに元素比(In:Sb:S
n)=3:1:0.2の高原子価金属元素のSnをドー
プしたIn3SbO7焼結体を用いた他は、すべて実施例
1と同様の方法で行い複酸化物膜を得た。
n)=3:1:0.2の高原子価金属元素のSnをドー
プしたIn3SbO7焼結体を用いた他は、すべて実施例
1と同様の方法で行い複酸化物膜を得た。
【0028】X線回折法による解析の結果In3SbO7
相のみが認められ、他の結晶相は認められなかった。こ
の膜について、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行
った。その結果を表1に示した。
相のみが認められ、他の結晶相は認められなかった。こ
の膜について、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行
った。その結果を表1に示した。
【0029】実施例5 実施例1と同様の方法で得られたIn3SbO7複酸化物
膜を、その後、水素気流中、250℃、30分間アニー
ル処理を行った。
膜を、その後、水素気流中、250℃、30分間アニー
ル処理を行った。
【0030】以上のようにして製造した複酸化物膜は、
X線回折法による解析の結果In3SbO7相のみが認め
られ、他の結晶相は認められなかった。この膜につい
て、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行った。その
結果を表1に示した。
X線回折法による解析の結果In3SbO7相のみが認め
られ、他の結晶相は認められなかった。この膜につい
て、膜厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行った。その
結果を表1に示した。
【0031】比較例1 DCプレーナー型マグネトロンスパッタ装置の陰極上に
元素比(In:Sn)=9:1のITO焼結体ターゲッ
トをセットした。その後、十分洗浄、乾燥した1mm厚
の無アルカリガラス基板を真空チャンバー内に入れ、真
空ポンプで1.3×10-4Paまで排気した。この際、
基板を500℃に加熱した。
元素比(In:Sn)=9:1のITO焼結体ターゲッ
トをセットした。その後、十分洗浄、乾燥した1mm厚
の無アルカリガラス基板を真空チャンバー内に入れ、真
空ポンプで1.3×10-4Paまで排気した。この際、
基板を500℃に加熱した。
【0032】次にArとO2の混合ガスをAr:O2=9
9:1の割合で真空チャンバに導入し、ガス圧が6.5
×10-1Paになるようにバルブで調節した。この状態
でスパッタリングターゲットに2W/cm2の出力の直
流電流を印加し、20分間プレスパッタした後、30分
間スパッタ成膜を行い、ITO膜を得た。
9:1の割合で真空チャンバに導入し、ガス圧が6.5
×10-1Paになるようにバルブで調節した。この状態
でスパッタリングターゲットに2W/cm2の出力の直
流電流を印加し、20分間プレスパッタした後、30分
間スパッタ成膜を行い、ITO膜を得た。
【0033】以上のようにして製造した酸化物膜は、X
線回折法による解析の結果In2O3相のみが認められ、
他の結晶相は認められなかった。この膜について、膜
厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行った。その結果を
表1に示した。
線回折法による解析の結果In2O3相のみが認められ、
他の結晶相は認められなかった。この膜について、膜
厚、抵抗率、可視光透過率の測定を行った。その結果を
表1に示した。
【0034】表1から明らかなように、本発明の透明導
電膜は、可視光透過率が高く、低い抵抗率を示している
ことが分かる。特に高原子価金属元素、およびハロゲン
元素のドープ、または非化学量論化、還元アニールによ
り可視光透過性を損なうことなく、さらに抵抗率が改善
されていることが分かる。
電膜は、可視光透過率が高く、低い抵抗率を示している
ことが分かる。特に高原子価金属元素、およびハロゲン
元素のドープ、または非化学量論化、還元アニールによ
り可視光透過性を損なうことなく、さらに抵抗率が改善
されていることが分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明の透明導電膜は、従来材料比較し
て、良好な抵抗率を有しながらも、可視光透過率の向
上、および材料コストの低減を可能にしたものである。
て、良好な抵抗率を有しながらも、可視光透過率の向
上、および材料コストの低減を可能にしたものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 インジウム(In)、アンチモン(S
b)、酸素(O)の3成分を主構成成分とし、欠陥蛍石
型結晶構造を有する複酸化物であり、一般式:In 3S
b1-XO7-δ(−0.2≦X≦0.2、および−0.5
≦δ≦0.5の範囲である)で表される透明導電膜。 - 【請求項2】 請求項1に記載の透明導電膜おいて、S
n、Si、Ge、Ti、Zr、Pb、Cr、Mo、W、
Te、V、Nb、Ta、Bi、As、Ceの高原子価金
属元素及びF、Br、Iのハロゲン元素から選ばれる少
なくとも1種類以上の元素を0.01〜20原子%の割
合でドープしたことを特徴とする請求項1記載の透明導
電膜。 - 【請求項3】 還元アニールにより酸素空孔を生成さ
せ、それによりキャリア電子を注入したことを特徴とす
る請求項1または請求項2に記載の透明導電膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10111891A JPH11302017A (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | 透明導電膜 |
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JP10111891A JPH11302017A (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | 透明導電膜 |
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JP (1) | JPH11302017A (ja) |
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1998
- 1998-04-22 JP JP10111891A patent/JPH11302017A/ja active Pending
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