JPH11278823A - 抗菌活性炭とその製造方法 - Google Patents
抗菌活性炭とその製造方法Info
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- JPH11278823A JPH11278823A JP10098474A JP9847498A JPH11278823A JP H11278823 A JPH11278823 A JP H11278823A JP 10098474 A JP10098474 A JP 10098474A JP 9847498 A JP9847498 A JP 9847498A JP H11278823 A JPH11278823 A JP H11278823A
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Abstract
イオンの溶出が微量でかつ持続的な抗菌効果を有し、し
かもカルキ臭、カビ臭の除去などの一般的な浄水効果に
も優れる抗菌活性炭とその製造方法を提供する。 【解決手段】 粒子径が50μm以下の銀又は銀化合物
を0.03〜3.0重量%含有する抗菌活性炭。かかる
抗菌活性炭は、例えば、活性炭、銀又は銀化合物及びバ
インダーを均一に混合して粉砕し、混和剤を添加して混
合した後造粒し、得られた造粒炭を500℃以上の不活
性ガス中で熱処理した後、そのままの雰囲気で300℃
以下まで冷却することによって製造することができる。
Description
製造方法に関する。さらに詳しくは、銀又は銀化合物を
含有する抗菌活性炭とその製造方法に関する。本発明の
抗菌活性炭は、用水や浄水などの製造過程で繁殖する雑
菌を防止するのに好適に使用される。
他の水を浄水器で濾過して飲料水としたり、さらに良質
な水として利用することが行われている。各種浄水器の
一つとして活性炭を用いた装置が開発されている。しか
しながら、活性炭を用いた浄水器では、活性炭が水道水
中の殺菌成分である塩素を除去するため殺菌効果を失
い、浄水器中でむしろ細菌が繁殖することがある。この
傾向は、とくに浄水器の使用を長期間停止したときに著
しい。
ことはよく知られており、この抗菌性を利用して雑菌の
繁殖を防止する銀コーティング活性炭や銀添着活性炭が
浄水材として使用されている。しかしながら、溶解性又
は難解性の銀塩を直接飲料水に使用することは健康上好
ましいことではない。このため、米国では、環境保護局
により、飲料水中の銀イオン濃度は50ppb以下に規
制されているほどである。
52−38666号公報及び特開昭60−183086
号公報に、活性炭を銀の担体とすることによって銀イオ
ン濃度の調整が可能な抗菌活性炭が開示されている。し
かしながら、この銀担持活性炭は、活性炭に硝酸銀水溶
液を添加するか、又は硝酸銀水溶液に活性炭を浸漬して
活性炭の表面に銀を担持した方法により得られるもので
あるため、銀粒子は主として活性炭表面に担持されてお
り、この銀担持活性炭を水処理に使用すると、水道水中
の塩素が活性炭表面で活性化され、金属銀と反応して塩
化銀が生成して銀の溶出量が増加する傾向にあった。し
たがって、抗菌力は発現するが、持続性がなく、また、
健康の面でも問題がある。さらに、製造中や輸送中に銀
粒子が剥離しやすく、担持量が安定していないのも問題
である。
れており、例えば特開平5―84439号公報及び特開
平6−79285号公報には、イオン交換体のイオン交
換基に銀イオンをイオン交換させた銀ゼオライトに代表
される抗菌活性炭が開示されている。また、その他の抗
菌活性炭として、特開平5−345703号公報に、難
溶性リン酸塩又は難溶性リン酸複塩に、銀及び/又は銅
を担持させた結晶粉体と微粉末活性炭とを混合して成形
した抗菌性活性炭が開示されている。
5―84439号公報及び特開平6−79285号公報
開示された抗菌活性炭によっても、水道水の陽イオン濃
度により、溶出銀イオン濃度が左右されることがある。
また、特開平5−345703号公報に開示された抗菌
活性炭は造粒法により製造されるもものであり、銀溶出
の持続性は期待できるが、この製造方法は、難溶性リン
酸塩又は難溶性リン酸複塩に、銀及び/又は銅を担持し
たものを活性炭と混合して造粒する煩雑な製造方法であ
る。また、銅イオンなど多くの重金属イオンは水中で種
々の化合物に変化し、毒性を示す恐れもある。
であり、銀又は銀化合物を活性炭と混合して造粒するこ
とができれば、簡単な製造方法によって銀溶出の持続性
が期待できる抗菌活性炭を得ることができる。したがっ
て、本発明の目的は製造中でも銀粒子の剥離がなく、銀
イオンの溶出が微量でかつ持続的な抗菌効果を有し、し
かもカルキ臭、カビ臭の除去などの一般的な浄水効果に
も優れる抗菌活性炭とその製造方法を提供することにあ
る。
に適う抗菌活性炭を得るため、鋭意検討を重ね、本発明
に至った。すなわち本発明は、粒子径が50μm以下の
銀又は銀化合物を0.03〜3.0重量%含有すること
を特徴とする抗菌活性炭である。
は銀化合物及びバインダーを均一に混合して粉砕し、混
和剤を添加して混合した後造粒し、得られた造粒炭を5
00℃以上の不活性ガス中で熱処理した後、そのままの
雰囲気で300℃以下まで冷却することを特徴とする抗
菌活性炭の製造方法である。
原料、銀又は銀化合物及びバインダーを均一に混合して
粉砕し、混和剤を添加して混合した後造粒し、得られた
造粒炭を330℃以下の酸素を含む雰囲気下で酸化し、
500℃以上の不活性ガス中で熱処理し、次いで800
℃以上、水蒸気含有率15容量%以下の雰囲気中で賦活
した後、そのままの雰囲気中で300℃以下まで冷却す
ることを特徴とする抗菌活性炭の製造方法である。
でかつ持続的な抗菌効果を有している。この理由は必ず
しも明らかではないが、500℃以上の不活性ガス中で
熱処理した後、そのままの雰囲気を維持して300℃以
下まで冷却することや、800℃以上で水蒸気含有率が
15容量%以下で賦活した後、そのままの雰囲気を維持
して300℃以下に冷却することにより、活性炭の酸化
触媒能が向上され、微量でかつ持続的な銀のイオン化が
可能となっていると考えられる。
明する。本発明に使用される炭素質原料としては、活性
炭、有機物などの炭化物殆ど全てをあげることができ
る。なかでも活性炭は、無極性吸着剤として水中の殆ど
全ての溶存物質に対して高い吸着性を示し、水道水中に
存在する遊離塩素によるカルキ臭その他の水の味を害す
る成分を吸着除去する能力があるので、本発明の炭素質
原料として好ましい。
ヤシガラ、樹脂、石油ピッチなどを原料として製造され
たものが使用されるが、これら木質系、石炭系、樹脂
系、ピッチ系などの各種原料炭化物を、ガス賦活法、水
蒸気賦活法、薬品賦活法などの方法により賦活したもの
が好ましい。賦活法としては、塩化亜鉛やリン酸で賦活
する薬品賦活法によるものが効果があり好ましい。
70g/cm3 、好ましくは0.15〜0.60g/c
m3 、比表面積300〜2800m2 /g、好ましくは
600〜2500m2 /g、細孔半径10nm〜1μm
の範囲の細孔容積0.1〜2.5ml/g、好ましくは
0.5〜2.0ml/g、粒子径1μm〜100μmの
ものが好適である。なかでも、木質系のものは、有機化
合物や臭い成分の捕捉性に優れているので好ましい。
れる銀又は銀化合物としては、金属銀、塩化銀、臭化
銀、ヨウ化銀、フッ化銀などのハロゲン化銀、硝酸銀、
硫酸銀、亜硫酸銀、チオ硫酸銀、リン酸銀、硫化銀、塩
素酸銀、過塩素酸銀、酸化銀、炭酸銀、酢酸銀をあげる
ことができる。これらの銀又は銀化合物は、活性炭など
の炭素質原料と造粒されたときに、粒子径が50μm以
下であることが必要である。成形性の点から3〜40μ
mのものが好ましい。粒子に長径と短径がある場合の粒
子径は短径をいう。銀又は銀化合物の粒子径は、走査型
電子顕微鏡(SEM)を観察して測定した後、エネルギ
ー分散型X線分析(EDX)により、金属粒子が銀又は
銀化合物であることを確認した。
合物と活性炭などの炭素質原料を造粒したものであっ
て、銀又は銀化合物が活性炭などの炭素質原料表面に担
持、添着されたものではない。銀又は銀化合物の含有率
は、あまり低いと抗菌効果が低く、またあまり高くても
抗菌効果の向上はそれほど認められないので、0.03
〜3.0重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%で実
施される。
しい方法について述べる。まず、活性炭と銀又は銀化合
物をバインダーと混合する。バインダーとしては、コー
ルタール、ピッチ、リグニン、熱可塑性や熱硬化性の各
種合成樹脂などが使用される。添加するバインダーは、
活性炭の性状にもよるが、通常は活性炭100重量部に
対して20〜40重量部で実施される。
μm程度に粉砕され、この粉砕物に、水、重油などの混
和剤を添加混合し、ペレットミルなどで造粒炭又は顆粒
炭に形成される。混和剤は活性炭100重量部に対して
5〜20重量部程度使用されるが、必要に応じて2種以
上の混和剤を併用してもよい。次いで、500℃以上の
窒素ガス、二酸化炭素ガスなどの不活性ガス中で熱処理
され、バインダーを含め全て炭化される。熱処理時間は
通常30分〜5時間程度で実施される。そして、そのま
ま同じ雰囲気を維持して300℃以下まで冷却し、本発
明の抗菌活性炭を得ることができる。
好ましく製造することができる。炭素質原料と銀又は銀
化合物をバインダーと混合し、混合物は上記と同様10
0μm程度に粉砕する。バインダーは上記と同じものが
使用される。この粉砕物に、水、重油などの混和剤を添
加混合し、造粒炭又は顆粒炭に形成する。造粒炭の大き
さは所望により、種々の大きさに造粒可能であるが、破
砕して得た粒度分布からみた破砕収率の点から3〜6m
m程度のものが好ましい。次いで、330℃以下の酸素
を含む雰囲気下で酸化され、500℃以上の不活性ガス
中で熱処理され、炭化される。熱処理時間は通常30分
〜5時間程度で実施される。
素と窒素の混合ガス、酸素と水蒸気の混合ガス、酸素と
二酸化炭素の混合ガス、水蒸気、二酸化炭素及び酸素を
含む混合ガスなど酸素と他のガスとの混合ガスの雰囲気
をいう。水蒸気、二酸化炭素などは300℃以下では炭
素質原料に対して不活性であるが、この工程により、造
粒炭又は顆粒炭は酸化され、炭素質の表面に酸素原子が
結合した状態となる。
は、さらに800℃以上の水蒸気含有率15容量%以下
の二酸化炭素ガスなどの雰囲気中で賦活し、賦活時の雰
囲気を維持して300℃以下まで冷却して本発明の抗菌
活性炭を得ることができる。造粒炭又は顆粒炭は、通常
10〜100メッシュに整粒して浄水器などの用途に使
用される。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 賦活した活性炭(クラレケミカル株式会社製P―60)
100重量部に、銀含有率が0.5重量%になるよう
に、金属銀(片山化学製)を加え、アトマイザーで10
0μm程度によく粉砕した。これにバインダーとして、
ピッチ33重量部、混和剤として重油10重量部、水1
5重量部を加え、混和機で充分混和した。次に、ペレッ
トミルでペレット化し、直径4mmの造粒炭に成形し
た。該造粒炭を600℃の窒素ガス中で熱処理して炭化
し、そのままの雰囲気で300℃以下まで冷却した。該
造粒炭を粉砕し、48〜100メッシュに整粒し、抗菌
活性炭とした。
率を0.5重量%とする以外は実施例1と同様にして、
抗菌活性炭を得た。
率を0.03重量%とする以外は実施例1と同様にし
て、抗菌活性炭を得た。
率となるように、酸化銀(片山化学製)を加え、アトマ
イザーで100μm程度によく粉砕した。これにバイン
ダーとして、ピッチ33重量部、混和剤として重油10
重量部、水15重量部を加え、混和機で充分混和した。
次に、ペレットミルでペレット化し、直径4mmの造粒
炭に成形した。
ながら165℃〜180℃に加熱し、酸化した。次い
で、空気を遮断し、徐々に加熱し、530℃〜630℃
で熱処理し、炭化した。さらに、炭化した造粒炭を賦活
炉に入れ、700℃〜900℃の水蒸気含有率15容量
%以下の雰囲気で賦活した後、実施例4〜6及び比較例
1〜2についてはそのままの雰囲気中で300℃以下ま
で冷却した後粉砕し、振動篩で48〜100メッシュに
整粒して抗菌活性炭を得た。
で冷却して空気中に取り出し、粉砕し、振動篩で48〜
100メッシュに整粒した。得られた抗菌活性炭の銀含
有率は表1に示すとおりであった。さらに、比較のた
め、活性炭に銀を添着したものを調製し、比較例3とし
た。
〜3からなる試料各20gを充填し、水道水を1リット
ル(L)/分で通水し、5分後の浄水中の銀イオン濃度
をフレームレス原子吸光度計(パイロ化グラファイトチ
ューブ使用)により測定した。結果を表1に示す。
7、比較例1、比較例3及び比較例4(活性炭のみ)か
らなる試料各20gを充填し、水道水を1リットル
(L)/分で通水し、30L/日で間欠通水し、1分後
の浄水中の細菌コロニーの発生数を測定した。なお、細
菌コロニーの発生数の測定は標準寒天培地を用いて、3
6℃、48時間培養後に培地に形成されたコロニー数を
カウントした。結果を表2に示す。日本の水道水の一般
細菌に関する規格は100個/ml以下となっている
が、表2に示すとおり、本発明の効果は明らかである。
子の剥離がなく、銀イオンの溶出が微量でかつ持続的な
抗菌効果を有し、しかもカルキ臭、カビ臭の除去などの
一般的な浄水効果にも優れる抗菌活性炭とその製造方法
を提供することができる。本発明の抗菌活性炭によれ
ば、上記のような抗菌能力を有するので、カルキ臭など
の臭気を伴う水の浄化に好適に使用される。
Claims (3)
- 【請求項1】 粒子径が50μm以下の銀又は銀化合物
を0.03〜3.0重量%含有することを特徴とする抗
菌活性炭。 - 【請求項2】 活性炭、銀又は銀化合物及びバインダー
を均一に混合して粉砕し、混和剤を添加して混合した後
造粒し、得られた造粒炭を500℃以上の不活性ガス中
で熱処理した後、そのままの雰囲気で300℃以下まで
冷却することを特徴とする抗菌活性炭の製造方法。 - 【請求項3】 炭素質原料、銀又は銀化合物及びバイン
ダーを均一に混合して粉砕し、混和剤を添加して混合し
た後造粒し、得られた造粒炭を330℃以下の酸素を含
む雰囲気下で酸化し、500℃以上の不活性ガス中で熱
処理し、次いで800℃以上、水蒸気含有率15容量%
以下の雰囲気中で賦活した後、そのままの雰囲気で30
0℃以下まで冷却することを特徴とする抗菌活性炭の製
造方法。
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