JPH11260271A - 電磁波遮蔽板の製造方法および電磁波遮蔽板 - Google Patents
電磁波遮蔽板の製造方法および電磁波遮蔽板Info
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- JPH11260271A JPH11260271A JP8049398A JP8049398A JPH11260271A JP H11260271 A JPH11260271 A JP H11260271A JP 8049398 A JP8049398 A JP 8049398A JP 8049398 A JP8049398 A JP 8049398A JP H11260271 A JPH11260271 A JP H11260271A
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Abstract
からなるメッシュを設けた電磁波遮蔽板の製造方法を提
供する。 【解決手段】 ディスプレイの前面に置いて用いられ
る、透明な基板の片面ないし両面に、所定形状に導電性
物質を形成して電磁波遮蔽性と透視性を有する電磁波遮
蔽板の製造方法であって、順に、(a)透明な基板の片
面または両面に所定形状の凹部を形成する凹部形成工程
と、(b)凹部形成面を含み、透明基板の凹部形成側面
に、金属電着可能な導電性薄膜を形成する導電性薄膜形
成工程と、(c)凹部のみに耐エッチング性樹脂ペース
トを充填するペースト充填工程と、(d)耐エッチング
性樹脂ペーストから露出している導電性薄膜領域のみを
エッチングにて除去するエッチング工程と、(e)凹部
に残留している耐エッチング性樹脂ペーストを除去する
ペースト除去工程と、(f)ペースト除去工程の後に、
導電性薄膜上に導電性金属を電着形成する電着工程とを
有する。
Description
管等の電磁波発生源から発生する電磁波を遮蔽するため
に、ディスプレイの前面に置いて用いられる、導電性薄
膜上に導電性金属薄膜をめっき形成した電磁波遮蔽板の
製造方法と、電磁波遮蔽板に関する。
磁波を発生する電子装置、例えばプラズマディスプレイ
等のディスプレイ用電子管は、人体への電磁波による弊
害を考慮して電磁波放出の強さを規格内に抑えることが
要求されている。更に、プラズマディスプレイパネル
(以下PDPとも言う)においては、発光はプラズマ放
電を利用しているので、周波数帯域が30MHz〜13
0MHzの不要な電磁波を外部に漏洩するため、他の機
器(例えば情報処理装置等)へ弊害を与えないよう電磁
波を極力抑制することが要求されている。これら要求に
対応し、一般には、電磁波を発生する電子装置から装置
外部へ流出する電磁波を除去ないし減衰させるために、
電磁波を発生する電子装置などの外周部を適当な導電性
部材で覆う電磁波シールドが採られる。プラズマディス
プレイパネル等のディスプレイ用パネルでは、良好な透
視性のある電磁波遮蔽板をディスプレイ前面に設けるの
が普通である。
単なものであり、透明なガラスやプラスチック基板面
に、例えばインジュウムー錫酸化物膜(ITO膜)等の
透明導電性膜を蒸着やスパッタリング法などで薄膜形成
したもの、透明なガラスやプラスチック基板面に、例え
ば金網等の適当な金属スクリーンを貼着したもの、透明
なガラスやプラスチック基板面に、無電解メッキや蒸着
などにより全面に金属薄膜を形成し、該金属薄膜をフォ
トリソグラフィー法等により加工して微細な金属薄膜か
らなるメッシュを設けたもの等が知られている。
蔽板は、透明性の点で優れており、一般的に、光の透過
率が90%前後となり、且つ基板全面に均一な膜形成が
可能なため、ディスプレイ等に用いられた場合には、電
磁波遮蔽板に起因するモアレ等の発生も懸念することが
ない。しかし、透明基板上にITO膜を形成した電磁波
遮蔽板においては、ITO膜を形成するのに、蒸着やス
パッタリング技術を用いるので、製造装置が高価であ
り、また、生産性も一般的に劣ることから、製品として
の電磁波遮蔽板自体の価格が高価になるという間題があ
る。更に、透明基板上にITO膜を形成した電磁波遮蔽
板においては、金属薄膜からなるメッシュを形成した電
磁波遮蔽板と比較して、導電性が1桁以上劣ることか
ら、電磁波放出が比較的に弱い対象物に対して有効であ
るが、強い対象物に用いた場合には、その遮蔽機能が不
十分となり、漏洩電磁波が放出されて、その規格値を満
足させることができない場合があるという問題がある。
この透明基板上にITO膜を形成した電磁波遮蔽板にお
いては、導電性を高めるために、ITO膜の膜厚を厚く
すればある程度の導電性は向上するが、この場合、透明
性が著しく低下するという問題が発生する。加えて、更
に厚くすることにより、製造価格もより高価になるとい
う問題がある。
に金属スクリーンを貼った電磁波遮蔽板を用いる場合、
あるいは、金網等の適当な金属スクリーンを直接ディス
プレイ面に貼着する場合、簡単であり、かつ、コストも
安価となるが、有効なメッシュ(100−200メッシ
ュ)の金属スクリーンの透過率が、50%以下であり、
極めて暗いディスブレイとなってしまうという重大な欠
点を持っている。
に金属薄膜からなるメッシュを形成したものは、フオト
リソグラフィー法を用いたエッチング加工により外形加
工されるため、微細加工が可能で高開口率(高透過率)
メッシュを作成することができ、且つ金属薄膜にてメッ
シュを形成しているので、導電性が上記のITO膜等と
比して非常に高く、強力な電磁波放出を遮蔽することが
できるという利点を有する。しかし、その製造工程は煩
雑かつ複雑で、その生産性は低く、生産コストが高価に
なるという間題点を避けることができない。
得失があり、用途に応じて選択して用いられている。中
でも、透明なガラスやプラスチック基板面に金属薄膜か
らなるメッシュを形成した電磁波遮蔽板は、電磁波シー
ルド性、光透過性の面では良好で、近年プラズマディス
プレイパネル等のディスプレイ用パネルの前面に置い
て、電磁波シールド用として用いられるようになってき
た。
面に金属薄膜からなるメッシュを形成した電磁波遮蔽板
を、図6に示し、簡単に説明しておく。図6(a)は電
磁波遮蔽板の平面図で、図6(b)は図6(a)のA1
−A2における断面図、図6(c)はメッシュ部の一部
の拡大図である。尚、図6(a)と図6(c)には、位
置関係、メッシュ形状を明確にするための、X方向、Y
方向を表示してある。図6に示す電磁波遮蔽板は、PD
P等のディスプレイの前面に置き用いられる電磁波シー
ルド用電磁波遮蔽板で、透明基板の一面上に接地用枠部
とメッシュ部とを形成したもので、接地用枠部415
は、ディスプレイの前面に置いて用いられた際にディス
プレイの画面領域を囲むように、メッシュ部410の外
周辺にメッシュ部と同じ金属薄膜で形成されている。メ
ッシュ部410は、その形状を図6(c)に一部拡大し
て示すように、それぞれ所定のピッチPx、Py間隔で
互いに平行に、Y、X方向に沿い設けられた複数のライ
ン470群とライン450群とからなる。
うな金属薄膜からなるメッシュを透明基板上に設けた電
磁波遮蔽板が、その透視性と電磁波遮蔽性の面から、量
的に多く求められるようになり、結果、該電磁波遮蔽板
を生産性良く効率的に製造できる方法が求められるよう
になってきた。本発明はこれに対応するもので、透明な
基板の片面ないし両面に所定形状の導電性薄膜上に導電
性の金属薄膜を形成して、電磁波遮蔽性と透視性を有す
る電磁遮蔽板の製造方法であって、品質面、生産性の面
でも十分対応できる製造方法を提供しようとするもので
ある。
製造方法は、ディスプレイの前面に置いて用いられる、
透明な基材の片面ないし両面に、所定形状に導電性物質
を形成して電磁波遮蔽性と透視性を有する電磁波遮蔽板
の製造方法であって、順に、(a)透明な基板の片面ま
たは両面に所定形状の凹部を形成する凹部形成工程と、
(b)凹部形成面を含み、透明基板の凹部形成側面に、
金属電着可能な導電性薄膜を形成する導電性薄膜形成工
程と、(c)凹部のみに耐エッチング性樹脂ペーストを
充填するペースト充填工程と、(d)導電性薄膜の耐エ
ッチング性樹脂ペーストから露出している領域のみをエ
ッチングにて除去するエッチング工程と、(e)凹部に
残留している耐エッチング性樹脂ペーストを除去するペ
ースト除去工程と、(f)ペースト除去工程の後に、導
電性薄膜上に導電性金属を電着形成する電着工程とを有
することを特徴とするものである。そして、上記におけ
るペースト充填工程後、必要に応じ、ワイピング処理、
プラズマエッチング処理を行うことを特徴とするもので
ある。そしてまた、上記において、導電性薄膜は、真空
蒸着、スパッタリング、無電解めっきにより形成される
ことを特徴とするものである。また、上記において、導
電性薄膜の厚さは500Å〜3μmであることを特徴と
するものである。また上記において、透明な基板への凹
部形成が、凸型プレス、切削等の機械加工、あるいは、
フォトリソグラフィ技術によるエッチング加工により、
透明な基板に直接加工形成するものであることを特徴と
するものである。あるいは、該透明な基板の凹部形成側
には、凹部形成用の透明な樹脂層が設けられており、該
樹脂層に凹部を形成することを特徴とするものである。
また、上記において、透明な基板は、予めキャリアフィ
ルム面に凹部を形成した透明な樹脂層を設けておき、該
樹脂層を凹部側が外側になるように透明なベース板材に
転写して形成されたものであることを特徴とするもので
ある。また、上記透明な基板がガラスまたはプラスチッ
ク単体、あるいはこれらの積層体であることを特徴とす
るものである。また、上記において、透明な基板の片面
にのみ凹部は形成され、且つ、凹部はメッシュ状に前記
片面に形成されることを特徴とするものである。また、
上記において、透明な基板の両面に凹部を形成するもの
で、両面の凹部は、面毎にそれぞれ平行線状に多数設け
られ、且つ、両面の凹部は互いに所定の角度傾けて設け
られ、透明な基板を透過でみた場合、両面の凹部は併せ
てメッシュ状であることを特徴とするものである。
遮蔽板の製造方法により、作製されたことを特徴とする
ものである。
な構成にすることにより、品質面、生産性の面で十分対
応できる電磁波遮蔽板の製造方法の提供を可能としてい
る。具体的には、順に、(a)透明な基板の片面または
両面に所定形状の凹部を形成する凹部形成工程と、
(b)凹部形成面を含み、透明基板の凹部形成側面に、
金属電着可能な導電性薄膜を形成する導電性薄膜形成工
程と、(c)凹部のみに耐エッチング性樹脂ペーストを
充填するペースト充填工程と、(d)導電性薄膜の耐エ
ッチング性樹脂ペーストから露出している領域のみをエ
ッチングにて除去するエッチング工程と、(e)凹部に
残留している耐エッチング性樹脂ペーストを除去するペ
ースト除去工程と、(f)ペースト除去工程の後に、導
電性薄膜上に導電性金属を電着形成する電着工程とを有
することにより、これを達成している。
ング処理、プラズマエッチング処理を行うことにより、
凹部からはみ出た薄いペースト残留を除去することを可
能としている。透明な基板への凹部形成方法としては、
凸型プレス、切削等の機械加工、あるいは、フォトリソ
グラフィ技術による耐エッチング性の膜を用いたエッチ
ング加工が挙げられる。これらによる加工は、微細加工
が可能である。凹部の幅としては5〜50μm程度であ
るが、好ましくは10〜20μmである。凹部深さとし
ては3〜20μmが好ましい。尚、導電性金属薄膜の電
着工程において、線幅が太ることから、目的とする線幅
よりその太り(例えば5〜10μmの太り)を見込んだ
細い凹部を形成することが好ましい。透明な基板の凹部
形成側には、凹部形成用の透明な樹脂層が設けられてお
り、該樹脂層に凹部を形成することにより、凹部の形
成、さらには全工程に対し、その自由度を大きくするも
のである。例えば、透明な基板は、予めキャリアフィル
ム面に凹部を形成した透明な樹脂層を設けておき、該樹
脂層を凹部側が外側になるように透明なベース板材に転
写して形成されたものであることにより、適当な印刷
法、或いは、フォトリソ法が凹部を形成する際に利用で
き、長巻きロール状での加工ができることなどによっ
て、工程管理が容易、或いは量産性を良いものとでき、
結果、製品の低コスト化も可能となる。尚、透明な基板
としては、ガラスまたはプラスチック単体、あるいはこ
れらの積層体等が挙げられる。
ることにより、真空蒸着、スパッタリング、無電解めっ
きにより比較的簡単に形成され、エッチング工程の加工
を容易とし、且つ、電着工程における導電性金属薄膜の
形成を可能とするものである。
する。はじめに、本発明の電磁波遮蔽板の製造方法の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の電磁波遮蔽板の
製造方法の実施の形態の第1の例を示した製造工程断面
図であり、図2は実施の形態の第2の例を示した製造工
程断面図で、いずれもPDP等のディスプレイの前面に
置き用いられる電磁波シールド用電磁波遮蔽板の製造工
程を示したものである。尚、図1、図2には、説明を分
かり易くするため、電磁波シールド部となる導電性金属
薄膜を形成する工程のみを示してある。図1、図2中、
110は透明な基板、120は凹部、125は凹部形成
面、130は導電性薄膜、140は樹脂ペースト、15
0は導電性金属薄膜、160は保護膜、210Aは透明
な基板、210は透明なベース材、220は凹部、22
5は凹部形成面、230は導電性薄膜、240は樹脂ペ
ースト、250は導電性金属薄膜、260は保護膜、2
70は透明な樹脂層、280はキャリアフィルムであ
る。実施の形態の第1の例を図1に基づいて、以下、説
明する図1に示す、電磁波遮蔽板の製造方法の実施の形
態の第1の例は、ガラスやプラスチック等の単一材料か
らなる透明な基板の片面にのみメッシュ状の凹部を形成
して、該凹部に導電性物質をメッシュ状に形成するもの
である。先ず、透明基板110を用意し(図1(a)、
透明基板110の片面にのみ所定のメッシュ状の凹部1
20を形成する。(図1(b))凹部の形成は、通常、
凸型プレス、切削等の機械加工、あるいは、フォトリソ
グラフィ技術による耐エッチング性の膜を用いたエッチ
ング加工が微細加工の面から採られる。凹部の幅として
は5〜50μm程度であるが、好ましくは10〜20μ
mである。凹部深さとしては3〜20μmが好ましい。
凹部の形状としては、V字溝に限定はされない、U字他
の形状でも良い。尚、導電性金属薄膜の電着工程におい
て、線幅が太ることから、目的とする線幅より5〜10
μm細い凹部を形成することが好ましい。透明な基板1
10としてのプラチックフィルムとしては、具体的に
は、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセル
ロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィ
ルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、,ポリスルホンフィ
ルム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィ
ルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロ
ニトリルフィルム等が使用できるが、特に、二軸延伸ポ
リエステルが透明性、耐久性に優れている点で好適であ
る。その厚みは、通常は8μm〜1000μm程度のも
のが好ましいが、これに限定はされない。上記透明なフ
ィルムの光透過率としては、100%のものが理想であ
るが、透過率80%以上のものを選択することが好まし
い。
板の凹部形成側面に、金属電着可能な導電性薄膜130
を形成する。(図1(c))導電性薄膜130は、後工
程のエッチングを容易とし、且つ電着可能とするため
に、厚さは500Å〜3μmとし、真空蒸着、スパッタ
リング、無電解めっきにより形成する。導電性薄膜13
0は処理性の面から銅等の金属薄膜が好ましい。次い
で、スキージ法により凹部120のみに耐エッチング性
の樹脂ペースト140を充填し、これを乾燥する。(図
1(d))この後、必要に応じ、ワイピング処理や、プ
ラズマエッチングによる灰化処理により余分の樹脂ペー
スト140の除去を行う。耐エッチング性の樹脂ペース
ト140としては、例えば、安価な一般印刷インキ類
(好ましくはレジストインキ)あるいは硬化性の水溶性
のカゼイン、PVA、ワックス類等が挙げられるが、特
にこれらに限定されない。後工程での導電性薄膜130
のエッチングに耐え、且つ剥離性の良いものが好まし
い。次いで、耐エッチング性の樹脂ペースト140から
露出している導電性薄膜130のみをエッチングにて除
去する。(図1(e))エッチングは酸溶液、又は塩化
第2鉄液等のアルカリ溶液が用いられる。次いで、凹部
120に残留している耐エッチング性の樹脂ペースト1
40を除去する。(図1(f))水溶性の樹脂(カゼイ
ン、PVA等)からなる樹脂ペースト140には、アル
カリ性の水、温水が使用できるので便利である。インキ
類の除去は有機溶剤を用いる。この後、必要に応じ、導
電性薄膜130の表面を裸出し、酸またはアルカリ水溶
液による電着前処理を行ってから、導電性薄膜130上
に導電性金属薄膜150を電着形成する。(図1
(g))電着形成する導電性金属薄膜150としては銅
がベストであるが、必ずしもこれに限定されない。尚、
電磁波を効果的に遮蔽するための金属薄膜の厚さは、電
磁波遮蔽の点では厚い程良いが0.2〜10μm程度が
好ましい。
金属薄膜150が透明な基板110の片面に形成される
が、この後、金属薄膜150の表面に黒化処理を施して
おく。(図1(h)) これは、PDP等のディスプレイの前面におき用いられ
た場合に、反射防止の効果を得るためのものである。次
いで、水洗、乾燥した後、表面平滑化と保護のために、
保護膜処理を行う。(図1(i)) 保護膜は、表面硬化剤、赤外線吸収剤混入のものが好ま
しい。
膜の周囲に通常設ける接地用枠部については、導電性薄
膜130の一部を耐エッチング性レジストで所定の形状
に覆い、凹部の導電性薄膜130上に電着を行う際に、
同時に金属薄膜を形成することにより作成しても良い。
或いは、導電性薄膜130のエッチング後、凹部の導電
性薄膜130上に電着を行う前に、所定形状にスパッタ
や真空蒸着により500Å〜1μ程度の厚に導電性薄膜
を形成し、この上に電着時にさらに金属薄膜を形成して
作成しても良いが、方法はこれらに限定はされない。
おいては、透明な基板110の片面にのみ、メッシュ状
の凹部120を形成し、該片面にのみ金属薄膜150を
形成したが、透明な基板を透過でみた場合、両面の凹部
が併せてメッシュ状になるように、凹部を透明な基板1
10の面毎にそれぞれ平行線状に多数設けても良い。こ
の場合には、図1に示す工程を透明な基板110の両面
に施すだけで良く、同様に作製できる。
いて説明する。第2の例は、所定の形状の導電性の金属
薄膜250を形成する透明な板材210に次の処理を行
うものである。予め、キャリアフィルム280面に凹部
220を形成した透明な樹脂層270を設けておき、該
樹脂層270を凹部220側が外側になるように透明な
ベース板材210の面に転写して形成するもので、更
に、転写後、凹部220に導電性金属薄膜150を形成
するものである。尚、キャリアフィルム280に代え、
他の基板を用いても良い。先ず、予めキャリアフィルム
280面に凹部220を形成した(実際にはオス型(凸
部)が固定的に設けられている)透明な樹脂層270を
設けておく。(図2(a2)) 次いで、凹部220が形成された透明な樹脂層270全
体をキャリアフィルム280側から用意した透明なベー
ス板材210(図2(a1))の一面に転写し、透明な
ベース板材210と透明な樹脂層270からなる透明な
基板210とする。(図2(b)) 透明な樹脂層270への凹部の形成は、通常、凸型プレ
ス等にて行い、この後、凹部形成側面をキャリアフィル
ム280側にして、透明な樹脂層270をキャリアフィ
ルム280に積層し、更に、透明な樹脂層270の凹部
形成側ではない反対面側に接着剤を設けた状態とする。
そして、この接着剤を介してキャリアフィルム280か
ら透明な樹脂層270を透明なベース板材210側へと
転写するものである。転写後、必要に応じて、接着剤の
硬化処理を行う。以下、実施の形態の第1の例と同様
に、凹部220に導電性薄膜230を形成し(図2
(c))、スキージー法により凹部のみに耐エッチング
性のペースト240を充填し乾燥した(図2(d))
後、これを耐エッチング性のマスクとして導電性薄膜2
30のペースト240から露出している部分をエッチン
グ除去し(図2(e))、ペースト除去し(図2
(f))、残った導電性薄膜230上に導電性の金属薄
膜250を電着形成する。(図2(g)) 透明な樹脂層270の材質としては第1の例で透明な基
板110の材質として挙げたのと同じプラスチック材質
が使用でき、特に二軸延伸ポリエステルが透明性、耐久
性に優れている点で好ましい。透明なベース板材210
としては、第1の例で挙げた、ガラスまたはプラスチッ
クが使用できる。電着に際しては、必要に応じ、電着前
処理を施しておく。更に、第1の例と同様に、金属薄膜
250表面を黒化処理し(図2(h))、保護膜形成処
理を行う。(図2(i)) 尚、各部の形状、処理条件等は第1の例と同様である。
また、第1の例と同様、電磁波シールド部となる導電性
金属薄膜の周囲に通常設ける接地用枠部については、導
電性薄膜230の一部を耐エッチング性レジストで所定
の形状に覆い、凹部の導電性薄膜230上に電着を行う
際に、同時に金属薄膜を形成することにより作成しても
良い。或いは、導電性薄膜230のエッチング後、凹部
の導電性薄膜230上に電着を行う前に、所定形状にス
パッタや真空蒸着により500Å〜1μ程度の厚に導電
性薄膜を形成し、この上に電着時にさらに金属薄膜を形
成して作成しても良いが、これらに限定はされない。
を説明する。図3(a)は、本発明の電磁波遮蔽板の実
施の形態の第1の例を示した概略斜視図で、図3(b)
はそのメッシュ部の一部を拡大して示した図で、図3
(c)は図3(b)のA3−A4における断面を示した
図で、図4は実施の形態の第2の例を示した概略斜視図
で、図4(b)(イ)は図4(a)のB1側の金属薄膜
ラインの形状を一部拡大して示した図で、図4(b)
(ロ)は図4(a)のB2側の金属薄膜ラインの形状を
一部拡大して示した図で、図4(c)は、図4(b)
(イ)、図4(b)(ロ)の金属薄膜ラインにより形成
されるメッシュを示した図で、図5(a)は実施の形態
の第3の例を示した概略斜視図であり、図5(b)はそ
のメッシュ部の一部を拡大して示した図で、図5(c)
は図5(b)のC3−C4における断面を示した図であ
る。図3〜図5に示すものは、いずれもPDP等のディ
スプレイの前面に置き用いられる電磁波シールド用電磁
波遮蔽板である。図3、図4、図5中、110は透明な
基板、130は導電性薄膜、140は樹脂ペースト、1
50は導電性金属薄膜、155は黒化部、160は保護
膜、190はメッシュ、193、195はライン、19
7は接地用枠部、210Aは透明な基板、210は透明
なベース材、230は導電性薄膜、240は樹脂ペース
ト、250は導電性金属薄膜、260は保護膜、270
は透明な樹脂層、280はキャリアフィルム、290は
メッシュ、293、295はラインである。
形態の第1の例は、図1に示す製造工程により作製され
たもので、その片面にメッシュ状の金属薄膜150を設
けており、図3(b)のA3−A4における断面の構造
は、図3(c)のようになっている。A1側の面のみに
導電性金属薄膜150からなるメッシュ190を設けて
おり、A2側の面は透明な基板110のままである。
形態の第2の例は、単一の透明な基板110の両面に凹
部を設けて両面に、それぞれ、導電性金属薄膜150か
らなる互いに平行なラインの群をそれぞれ設けたもので
ある。図4(c)に示すように、B1側からB2側をみ
た場合に透明な基板110の両面の導電性金属薄膜15
0からなるライン193の群、ライン195の群を併せ
て、メッシュ状となる。このようにしても電磁波遮蔽効
果は得られる。
形態の第3の例は、図2に示す製造工程により作製され
たもので、透明なベース板材210の一面に凹部220
を形成した透明な樹脂層270を、凹部220側が外側
になるように、転写して形成し、該凹部に導電性金属薄
膜250からなるメッシュ290を形成したものであ
る。C1側の面のみに導電性金属薄膜250からなるメ
ッシュ290を設けており、C2側の面は透明なベース
板材210のままである。
発明を更に説明する。実施例は、図1に示す電磁波遮蔽
板の製造方法の実施の形態の第1の例の製造方法を用
い、図3に示す電磁波遮蔽板の実施の形態の第1の例の
ブラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽板を作製したもの
である。電磁波遮蔽板の製造方法の実施例を図1に基づ
いて、電磁波遮蔽板の実施例を図3に基づいて説明す
る。先ず、電磁波遮蔽板の製造方法の実施例を説明す
る。 (実施例1)先ず、透明な基板110としては、単一の
ガラス基板を用い(図1(a))、その一面を機械切削
により、幅15μm、深さ10μmにV字状の溝からな
る凹部120を作成し(図1(b))、下記のめっき条
件にて無電解めっきを行い、透明な基板110の凹部形
成面125を含み、凹部120形成側面全体に、銅薄膜
からなる導電性薄膜130を1000Å厚に形成した
(図1(c)) (めっき条件) 浴組成: OPC750M(奥野製薬工業株式会社製) OPC750MA 100ml/l OPC750MB 100ml/l OPC750MC 2〜5ml/l 液温 50°C めっき速度 0.5μmin 次いで、該凹部120のみに耐エッチング性樹脂ペース
ト140を充填する。(図1(d)) 耐エッチング性樹脂ペースト140の形成には、プリン
ト回路板加工用で入手容易なスクリーン印刷用の汎用エ
ッチングレジスト(アクリル系)を用いた。凹部への充
填はスクリーンと同様にスキージ法を用い、充填後一旦
乾燥し、次いでスクリーン印刷法で、接地用枠部(外部
コンタクト用の端子部等)の保護印刷を行った。次い
で、塩化第二鉄(38度ボーメ液)を用いし露出してい
る銅薄膜をエッチング除去し(図1(e))、更にエッ
チング後、エッチングレジスト(樹脂ペースト140)
をアルカリ水溶液で溶解除去し(図1(f))、銅薄膜
による電磁波遮蔽用メッシュブおよび接地用枠部(端子
部等)を形成した。次に、形成された導電性薄膜130
上に、下記電着液で8μmの厚さで銅を積層した。(図
1(g)) (電着液組成) 浴組成:ピロ燐酸銅浴 Cu2 P2 O7 ・3H2 O 49g/l K4 P2 O7 340g/l MH4 OH(28%) 3ml/l pH 8.8 P比(P2 O7 4-/Cu2+) 7.0 液温 55°C 次いで、めっき形成された銅(導電性金属薄膜150に
相当)の表面部を黒化処理して反射防止膜を形成した。
(図1(h)) 黒化処理は、硫化物系処理剤のコバーブラックCuO
(株式会社アイソレート化学研究所製)を用いた。更
に、表面の保護を目的として硬化型アクリル系樹脂、ユ
ピマーUVH6000(三菱化学株式会社製)を塗布し
硬化させ、耐摩耗性のある表面を得た。(図1(i))
0として、単一のアクリル板を用い(図1(a))、そ
の一面を凸型(以下、雄型とも言う)プレスにより、凹
部を形成した(図1(b))ものであり、透明な基板1
10への凹部作成後の導電性メッシュ形成や黒化処理、
耐摩耗性付与などは、実施例1と同様に行って軽量の透
明プラスチック製電磁波遮蔽板を作成した。アクリル板
からなる透明な基板110への凹部の形成について、以
下、簡単に説明しておく。雄型プレス版は、平坦な鏡面
銅版を機械切削で幅15μm、深さ20μmに切削し、
次いで薄くNiめっき(スルファミン酸浴使用)をした
ものを母版とした。 この母版面に実施例1の銅めっき
を200μmの厚さで行い、めっき後銅めっき部を剥離
し、表面強化の意味で更にNiめっきを5μmの厚さに
行って雄型プレス版とした。実際の押圧工程では、5m
m厚の平滑鉄板上に押す型プレス版を接着剤を介して固
着した後に使用した。凹部形成用透明材料として5mm
の厚のアクリル板(熱熱可塑性透明プラスチック板)を
用い、清浄な環境下で250°Cで上記雄型プレス版で
熱プレスを行い、冷却後取り出して凹部を持つアクリル
透明板(図1に示す透明基板110に相当)を作成し
た。
波遮蔽板の製造方法の実施の形態の第1の例の製造方法
を用い、図5に示す電磁波遮蔽板の実施の形態の第3の
例のブラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽板を作製した
ものである。透明な基板210Aとして、厚さ5mmの
アクリル板を透明な樹脂層210とし、この板の一面
に、凹部をその一面に形成した0.2mm厚のPETフ
ィルム(透明な樹脂層270に相当)を、凹部が外側に
なるようにして貼り付けたものを用いた。PETフヘル
ム(透明な樹脂層270)への凹部220の形成は以下
のようにして行った。実施例2において、剥離したプレ
ス用雄型母版を40cm径のシリンダーに巻き付けて固
定し、このシリンダーを用いて、0.2mm厚のPET
フィルム面に、表面温度300°Cで熱ロールプレスを
行い、長巻き状の凹部を持つPETフィルムを作成し
た。この場合は、熱プレス速度を速く出来て能率的だ
が、冷却前にプレスロールから剥離させるので、実施例
2程の母版の精密な再現性はないが、十分に実用に供し
得るものである。この長巻きPETフィルムを適当な面
積に切断し、厚さ5mmのアクリル板面に気泡の入らな
いように、凹部のある面を外側にして均一に貼りつけ、
凹部を有する透明基板を作成した。
る。実施例の電磁波遮蔽板は、上記実施例の電磁波遮蔽
板の製造方法により作成されたもので、図3(a)に示
すように、透明なガラス基板単体からなる透明な基板1
10の一方の面(A1側面)の凹部にのみに、1000
Å厚の銅薄膜からなる導電性薄膜130を介し、上に略
8μm厚に電着形成された銅薄膜からなる金属薄膜15
0(黒化部155も含む)からなるメッシュを設けたも
のである。導電性金属薄膜150(黒化部155を含
む)の幅(ライン193、195の幅)は30μmで、
ライン193のピッチは280μm、ライン195のピ
ッチは280μmである。この電磁波遮蔽板は、450
nm〜650nmの範囲の可視光の透過率60%以上2
0MHz〜10000MHzの電磁波に対する減衰率が
20dB以上と、実用的なものが得られた。
ィスプレイの前面に置いて用いられる、電磁波遮蔽性と
光透過性を有する電磁波遮蔽板で、品質面、生産性の面
で十分対応できる電磁波遮蔽板と、その製造方法の提供
を可能としている。
の第1の例を示した工程図
の第2の例を示した工程図
を示した概略図
を示した概略図
を示した概略図
板を説明するための図
Claims (11)
- 【請求項1】 ディスプレイの前面に置いて用いられ
る、透明な基板の片面ないし両面に、所定形状に導電性
物質を形成して電磁波遮蔽性と透視性を有する電磁波遮
蔽板の製造方法であって、順に、(a)透明な基板の片
面または両面に所定形状の凹部を形成する凹部形成工程
と、(b)凹部形成面を含み、透明基板の凹部形成側面
に、金属電着可能な導電性薄膜を形成する導電性薄膜形
成工程と、(c)凹部のみに耐エッチング性樹脂ペース
トを充填するペースト充填工程と、(d)導電性薄膜の
耐エッチング性樹脂ペーストから露出している領域のみ
をエッチングにて除去するエッチング工程と、(e)凹
部に残留している耐エッチング性樹脂ペーストを除去す
るペースト除去工程と、(f)ペースト除去工程の後
に、導電性薄膜上に導電性金属を電着形成する電着工程
とを有することを特徴とする電磁波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1におけるペースト充填工程後、
必要に応じ、ワイピング処理、プラズマエッチング処理
を行うことを特徴とする電磁波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1ないし2において、導電性薄膜
は、真空蒸着、スパッタリング、無電解めっきにより形
成されることを特徴とする電磁波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3において、導電性薄膜
の厚さは500Å〜3μmであることを特徴とする電磁
波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4において、透明な基板
への凹部形成が、凸型プレス、切削等の機械加工、ある
いは、フォトリソグラフィ技術によるエッチング加工に
より、透明な基板に直接加工形成するものであることを
特徴とする電磁波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5において、透明な基板の凹部形
成側には、凹部形成用の透明な樹脂層が設けられてお
り、該樹脂層に凹部を形成することを特徴とする電磁波
遮蔽板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし4において、透明な基板
は、予めキャリアフィルム面に凹部を形成した透明な樹
脂層を設けておき、該樹脂層を凹部側が外側になるよう
に透明なベース板材に転写して形成されたものであるこ
とを特徴とする電磁波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし7において、透明な基板
がガラスまたはプラスチック単体、あるいはこれらの積
層体であることを特徴とする電磁波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1ないし8において、透明な基板
の片面にのみ凹部は形成され、且つ、凹部はメッシュ状
に前記片面に形成されることを特徴とする電磁波遮蔽板
の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1ないし8において、透明な基
板の両面に凹部を形成するもので、両面の凹部は、面毎
にそれぞれ平行線状に多数設けられ、且つ、両面の凹部
は互いに所定の角度傾けて設けられ、透明な基板を透過
でみた場合、両面の凹部は併せてメッシュ状であること
を特徴とする電磁波遮蔽板の製造方法。 - 【請求項11】 請求項1ないし10により、作製され
たことを特徴とする電磁波遮蔽板。
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-
1998
- 1998-03-13 JP JP8049398A patent/JP3935596B2/ja not_active Expired - Fee Related
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