JPH11235784A - 樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋 - Google Patents
樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋Info
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- JPH11235784A JPH11235784A JP10039453A JP3945398A JPH11235784A JP H11235784 A JPH11235784 A JP H11235784A JP 10039453 A JP10039453 A JP 10039453A JP 3945398 A JP3945398 A JP 3945398A JP H11235784 A JPH11235784 A JP H11235784A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 レトルト殺菌に耐える耐高温湿熱性を有し、
しかもレトルト殺菌後の耐衝撃性にも顕著に優れた樹脂
被覆金属板を提供するにある。 【解決手段】 金属基体と該基体表面に設けられた熱可
塑性ポリエステル層とからなる樹脂被覆金属板におい
て、前記熱可塑性ポリエステル層が少なくとも、熱可塑
性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃至2
5重量%のエポキシ樹脂との組成物からなる変性ポリエ
ステル層を含有するものであることを特徴とする樹脂被
覆金属板。
しかもレトルト殺菌後の耐衝撃性にも顕著に優れた樹脂
被覆金属板を提供するにある。 【解決手段】 金属基体と該基体表面に設けられた熱可
塑性ポリエステル層とからなる樹脂被覆金属板におい
て、前記熱可塑性ポリエステル層が少なくとも、熱可塑
性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃至2
5重量%のエポキシ樹脂との組成物からなる変性ポリエ
ステル層を含有するものであることを特徴とする樹脂被
覆金属板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂被覆金属板、金
属缶及び缶蓋に関するもので、より詳細には優れた加工
性、密着性、耐高温湿熱性及び耐衝撃性を有する樹脂被
覆金属板、並びにこの樹脂被覆金属板から形成された上
記特性を有する金属缶並びに缶蓋に関する。
属缶及び缶蓋に関するもので、より詳細には優れた加工
性、密着性、耐高温湿熱性及び耐衝撃性を有する樹脂被
覆金属板、並びにこの樹脂被覆金属板から形成された上
記特性を有する金属缶並びに缶蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】金属素材を熱可塑性ポリエステルフィル
ムで被覆した樹脂被覆金属板は、製缶用素材として古く
から知られており、この積層体を絞り加工或いは絞り・
しごき加工に付して、飲料等を充填するためのシームレ
ス缶とし、或いはこれをプレス成形してイージイオープ
ンエンド等の缶蓋とすることもよく知られている。
ムで被覆した樹脂被覆金属板は、製缶用素材として古く
から知られており、この積層体を絞り加工或いは絞り・
しごき加工に付して、飲料等を充填するためのシームレ
ス缶とし、或いはこれをプレス成形してイージイオープ
ンエンド等の缶蓋とすることもよく知られている。
【0003】金属素材に積層する熱可塑性ポリエステル
としては、加工性、耐腐食性、香味保持性等の見地か
ら、エチレンテレフタレート単位を主体とし、所望によ
り、他のエステル単位を含むポリエステル或いは共重合
ポリエステルが使用されてきた。
としては、加工性、耐腐食性、香味保持性等の見地か
ら、エチレンテレフタレート単位を主体とし、所望によ
り、他のエステル単位を含むポリエステル或いは共重合
ポリエステルが使用されてきた。
【0004】本発明者等の提案に係る特開平3−101
930号公報には、金属板と、エチレンテレフタレート
単位を主体とするポリエステルフィルム層と、必要によ
り金属板とポリエステルフィルム層の間に介在する接着
プライマー層との積層体から成り、該ポリエステルフィ
ルム層は、式(1) RX =IA /IB ‥(1) 式中、IA はポリエステルフィルム表面に平行な、面間
隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜から28
゜)の回折面によるX線回折強度、IB はポリエステル
フィルム表面に平行な面間隔約0.39nm(CuKαX
線回折角が21.5゜から24゜)の回折面によるX線
回折強度、で定義されるX線回折強度比が0.5乃至1
5の範囲内にあり且つ結晶の面内配向の異方性指数が3
0以下であるフィルム層から成ることを特徴とする缶用
被覆金属板が記載されている。
930号公報には、金属板と、エチレンテレフタレート
単位を主体とするポリエステルフィルム層と、必要によ
り金属板とポリエステルフィルム層の間に介在する接着
プライマー層との積層体から成り、該ポリエステルフィ
ルム層は、式(1) RX =IA /IB ‥(1) 式中、IA はポリエステルフィルム表面に平行な、面間
隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜から28
゜)の回折面によるX線回折強度、IB はポリエステル
フィルム表面に平行な面間隔約0.39nm(CuKαX
線回折角が21.5゜から24゜)の回折面によるX線
回折強度、で定義されるX線回折強度比が0.5乃至1
5の範囲内にあり且つ結晶の面内配向の異方性指数が3
0以下であるフィルム層から成ることを特徴とする缶用
被覆金属板が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性ポリエステル
を被覆した積層体から形成されたシームレス缶は、飲料
缶として耐腐食性については、一応満足できる評価は得
られているものの、未だ被覆樹脂層の金属基体への密着
性の一層の向上、高速製缶に対応できる加工性の一層の
向上が求められている。更に、充填する内容物の保存性
の一層の向上のために、レトルト殺菌に耐える耐高温湿
熱性の向上や、レトルト殺菌後の耐衝撃性の向上も重要
な技術的課題となってきている。
を被覆した積層体から形成されたシームレス缶は、飲料
缶として耐腐食性については、一応満足できる評価は得
られているものの、未だ被覆樹脂層の金属基体への密着
性の一層の向上、高速製缶に対応できる加工性の一層の
向上が求められている。更に、充填する内容物の保存性
の一層の向上のために、レトルト殺菌に耐える耐高温湿
熱性の向上や、レトルト殺菌後の耐衝撃性の向上も重要
な技術的課題となってきている。
【0006】しかしながら、これらの特性を熱可塑性ポ
リエステルの組成や物性の調節で同時に達成することは
次第に困難な状態に至っている。エチレンテレフタレー
ト単位やエチレンナフタレート単位を主体とするポリエ
ステルは、内容物中の芳香成分の吸着が少なく、腐食成
分に対するバリアー性にも優れ、更に耐衝撃性にも優れ
たものであるが、高度の配向状態では、耐高温湿熱性に
はある程度優れているものの、密着性や加工性に劣る傾
向があり、一方未配向の或いは低配向の状態では、高温
湿熱処理により白化(熱結晶化)し、耐衝撃性が著しく
劣ったものとなる。
リエステルの組成や物性の調節で同時に達成することは
次第に困難な状態に至っている。エチレンテレフタレー
ト単位やエチレンナフタレート単位を主体とするポリエ
ステルは、内容物中の芳香成分の吸着が少なく、腐食成
分に対するバリアー性にも優れ、更に耐衝撃性にも優れ
たものであるが、高度の配向状態では、耐高温湿熱性に
はある程度優れているものの、密着性や加工性に劣る傾
向があり、一方未配向の或いは低配向の状態では、高温
湿熱処理により白化(熱結晶化)し、耐衝撃性が著しく
劣ったものとなる。
【0007】この問題を解消する試みも既に多くなされ
ており、例えば種々のポリエステルのブレンド物を用い
る方法、種々のポリエステルの積層体を使用する方法等
が試みられているが、未だ上記の技術的課題を抜本的に
解決するには至っていない。
ており、例えば種々のポリエステルのブレンド物を用い
る方法、種々のポリエステルの積層体を使用する方法等
が試みられているが、未だ上記の技術的課題を抜本的に
解決するには至っていない。
【0008】従って、本発明の目的は、レトルト殺菌に
耐える耐高温湿熱性を有し、しかもレトルト殺菌後の耐
衝撃性にも顕著に優れた樹脂被覆金属板を提供するにあ
る。本発明の他の目的は、被覆樹脂層の金属基体への密
着性が一層向上し、更に高速製缶に対応できる加工性を
も備えた樹脂被覆金属板を提供するにある。本発明の更
に他の他の目的は、これらの特性を備えた金属缶及び缶
蓋を提供するにある。
耐える耐高温湿熱性を有し、しかもレトルト殺菌後の耐
衝撃性にも顕著に優れた樹脂被覆金属板を提供するにあ
る。本発明の他の目的は、被覆樹脂層の金属基体への密
着性が一層向上し、更に高速製缶に対応できる加工性を
も備えた樹脂被覆金属板を提供するにある。本発明の更
に他の他の目的は、これらの特性を備えた金属缶及び缶
蓋を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属基
体と該基体表面に設けられた熱可塑性ポリエステル層と
からなる樹脂被覆金属板において、前記熱可塑性ポリエ
ステル層が少なくとも、熱可塑性ポリエステルと該ポリ
エステル当たり0.05乃至25重量%のエポキシ樹脂
またはエポキシ変性樹脂との組成物からなる変性ポリエ
ステル層を含有するものであることを特徴とする樹脂被
覆金属板が提供される。本発明の樹脂被覆金属板におい
ては、 1.前記組成物中の熱可塑性ポリエステルが芳香族ジカ
ルボン酸を主体とするカルボン酸成分と脂肪族ジオール
を主体とするアルコール成分とから誘導されたポリエス
テル、特に前記カルボン酸成分の50モル%以上がテレ
フタール酸成分からなり且つ前記アルコール成分の50
モル%以上がエチレングリコール成分からなること、 2.前記エポキシ樹脂が150乃至5000のエポキシ
当量を有するものであること、 3.前記エポキシ樹脂がビスフェノール類とエピハロヒ
ドリンとから誘導されたエポキシ樹脂、ノボラック類と
エピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂或いは
これらの変性物であるか、或いは不飽和エポキシ化合物
が共重合或いはグラフト共重合された樹脂であること、 4.前記変性ポリエステル層が、エチレン系重合体、熱
可塑性エラストマー、ポリアリレート及びポリカーボネ
ートからなる群より選択された改質樹脂成分の少なくと
も1種を更に含有するものであること、 5.前記樹脂改質成分が熱可塑性ポリエステル当たり5
0重量%迄の量で含有されていること、 6.前記変性ポリエステル層が少なくとも金属基体と接
する側に位置していること、 が好ましい。本発明によればまた、上記樹脂被覆金属板
から形成された金属缶及び缶蓋が提供される。
体と該基体表面に設けられた熱可塑性ポリエステル層と
からなる樹脂被覆金属板において、前記熱可塑性ポリエ
ステル層が少なくとも、熱可塑性ポリエステルと該ポリ
エステル当たり0.05乃至25重量%のエポキシ樹脂
またはエポキシ変性樹脂との組成物からなる変性ポリエ
ステル層を含有するものであることを特徴とする樹脂被
覆金属板が提供される。本発明の樹脂被覆金属板におい
ては、 1.前記組成物中の熱可塑性ポリエステルが芳香族ジカ
ルボン酸を主体とするカルボン酸成分と脂肪族ジオール
を主体とするアルコール成分とから誘導されたポリエス
テル、特に前記カルボン酸成分の50モル%以上がテレ
フタール酸成分からなり且つ前記アルコール成分の50
モル%以上がエチレングリコール成分からなること、 2.前記エポキシ樹脂が150乃至5000のエポキシ
当量を有するものであること、 3.前記エポキシ樹脂がビスフェノール類とエピハロヒ
ドリンとから誘導されたエポキシ樹脂、ノボラック類と
エピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂或いは
これらの変性物であるか、或いは不飽和エポキシ化合物
が共重合或いはグラフト共重合された樹脂であること、 4.前記変性ポリエステル層が、エチレン系重合体、熱
可塑性エラストマー、ポリアリレート及びポリカーボネ
ートからなる群より選択された改質樹脂成分の少なくと
も1種を更に含有するものであること、 5.前記樹脂改質成分が熱可塑性ポリエステル当たり5
0重量%迄の量で含有されていること、 6.前記変性ポリエステル層が少なくとも金属基体と接
する側に位置していること、 が好ましい。本発明によればまた、上記樹脂被覆金属板
から形成された金属缶及び缶蓋が提供される。
【0010】
【発明の実施形態】[作用]本発明は、金属基体と該基
体表面に設けられた熱可塑性ポリエステル層とからなる
樹脂被覆金属板に関するが、この熱可塑性ポリエステル
層として、熱可塑性ポリエステルと該ポリエステル当た
り0.05乃至25重量%のエポキシ樹脂またはエポキ
シ変性樹脂との組成物からなる変性ポリエステル層を少
なくとも含有するものを用いたことが特徴であり、これ
により、レトルト殺菌に耐える耐高温湿熱性を付与し、
しかもレトルト殺菌後の耐衝撃性をも顕著に向上させる
ことができる。
体表面に設けられた熱可塑性ポリエステル層とからなる
樹脂被覆金属板に関するが、この熱可塑性ポリエステル
層として、熱可塑性ポリエステルと該ポリエステル当た
り0.05乃至25重量%のエポキシ樹脂またはエポキ
シ変性樹脂との組成物からなる変性ポリエステル層を少
なくとも含有するものを用いたことが特徴であり、これ
により、レトルト殺菌に耐える耐高温湿熱性を付与し、
しかもレトルト殺菌後の耐衝撃性をも顕著に向上させる
ことができる。
【0011】後述する例に示すとおり、ポリエチレンテ
レフタレート単独キャストフィルムを積層した樹脂被覆
金属板では、135℃で30分間のレトルト殺菌処理付
した場合、高度に白化(熱結晶化)し、被覆は極めて脆
い状態となっている(比較例1参照)。これに対して、
ポリエチレンテレフタレートに1重量%のエポキシ樹脂
(エピコート#1001)を配合した組成物のキャスト
フィルムを積層した樹脂被覆金属板を同様のレトルト殺
菌処理した場合には、驚くべきことに全く白化を生ぜ
ず、被覆は完全な状態に維持される(実施例1参照)。
レフタレート単独キャストフィルムを積層した樹脂被覆
金属板では、135℃で30分間のレトルト殺菌処理付
した場合、高度に白化(熱結晶化)し、被覆は極めて脆
い状態となっている(比較例1参照)。これに対して、
ポリエチレンテレフタレートに1重量%のエポキシ樹脂
(エピコート#1001)を配合した組成物のキャスト
フィルムを積層した樹脂被覆金属板を同様のレトルト殺
菌処理した場合には、驚くべきことに全く白化を生ぜ
ず、被覆は完全な状態に維持される(実施例1参照)。
【0012】ポリエチレンテレフタレートがレトルト条
件下で劣化する理由は、高温湿熱条件下でポリエステル
の熱結晶化が顕著に進行することも大きな原因である
が、それと同時にこの条件下でポリエステルの加水分解
による減成反応が生じること、及び分子量の減少によ
り、熱結晶化が一層促進されることも大きな他の原因と
なっていると考えられる。
件下で劣化する理由は、高温湿熱条件下でポリエステル
の熱結晶化が顕著に進行することも大きな原因である
が、それと同時にこの条件下でポリエステルの加水分解
による減成反応が生じること、及び分子量の減少によ
り、熱結晶化が一層促進されることも大きな他の原因と
なっていると考えられる。
【0013】これに対して、本発明によると、ポリエス
テル中に少量のエポキシ樹脂或いはエポキシ変性樹脂を
配合するという簡単な操作で樹脂被覆層の白化及び劣化
傾向が顕著に抑制されるのであって、これは配合された
エポキシ樹脂或いはエポキシ変性樹脂がポリエステルの
熱結晶化抑制や更に加水分解による減成抑制に有効に作
用していることを物語っている。
テル中に少量のエポキシ樹脂或いはエポキシ変性樹脂を
配合するという簡単な操作で樹脂被覆層の白化及び劣化
傾向が顕著に抑制されるのであって、これは配合された
エポキシ樹脂或いはエポキシ変性樹脂がポリエステルの
熱結晶化抑制や更に加水分解による減成抑制に有効に作
用していることを物語っている。
【0014】実際の缶詰製品に要求される実用的な耐衝
撃性として、耐デント性と呼ばれるものがある。これ
は、缶詰製品を落下して、或いは缶詰製品同士が相互に
衝突して、缶詰製品に打痕と呼ばれる凹みが生じた場合
にもなお、被覆の密着性やカバレージが完全に保たれる
ことが要求されるという特性である。即ち、デント試験
で被覆が剥離し或いは被覆にピンホールやクラックが入
る場合には、この部分から金属溶出や孔食による漏洩等
を生じて、内容物の保存性を失うという問題を生じるの
である。一般に、耐内容物性に優れたポリエステルの場
合、一般にデント試験の際の衝撃を吸収し或いは緩和さ
せるという特性に欠けており、これらの特性の付与が重
要な課題となる。
撃性として、耐デント性と呼ばれるものがある。これ
は、缶詰製品を落下して、或いは缶詰製品同士が相互に
衝突して、缶詰製品に打痕と呼ばれる凹みが生じた場合
にもなお、被覆の密着性やカバレージが完全に保たれる
ことが要求されるという特性である。即ち、デント試験
で被覆が剥離し或いは被覆にピンホールやクラックが入
る場合には、この部分から金属溶出や孔食による漏洩等
を生じて、内容物の保存性を失うという問題を生じるの
である。一般に、耐内容物性に優れたポリエステルの場
合、一般にデント試験の際の衝撃を吸収し或いは緩和さ
せるという特性に欠けており、これらの特性の付与が重
要な課題となる。
【0015】ポリエチレンテレフタレート単独キャスト
フィルムを積層した樹脂被覆金属板を、レトルト処理す
ることなく、高さ40mmからの鉄球落下試験に付した
後、エナメルレータ試験を行うと、電流値(ERV)は
10mAのレベルに達するが、前述したエポキシ樹脂配
合ポリエステルを積層した樹脂被覆金属板では、同様の
試験において、0.05mAのエナメルレータ電流値を
示すに過ぎない。この傾向は、レトルト殺菌後の樹脂被
覆金属板を上記試験に付した場合にも同様に認められ
る。
フィルムを積層した樹脂被覆金属板を、レトルト処理す
ることなく、高さ40mmからの鉄球落下試験に付した
後、エナメルレータ試験を行うと、電流値(ERV)は
10mAのレベルに達するが、前述したエポキシ樹脂配
合ポリエステルを積層した樹脂被覆金属板では、同様の
試験において、0.05mAのエナメルレータ電流値を
示すに過ぎない。この傾向は、レトルト殺菌後の樹脂被
覆金属板を上記試験に付した場合にも同様に認められ
る。
【0016】以上の実験事実から、ポリエステル被覆層
中に配合されたエポキシ樹脂等の成分は、樹脂被覆金属
板の耐衝撃性を高めしかも金属基体との密着性及び被覆
性能を顕著に向上させていることが明らかとなる。
中に配合されたエポキシ樹脂等の成分は、樹脂被覆金属
板の耐衝撃性を高めしかも金属基体との密着性及び被覆
性能を顕著に向上させていることが明らかとなる。
【0017】更に、エポキシ樹脂或いはエポキシ変性樹
脂を含有するポリエステル層を設けた樹脂被覆金属板
は、絞り・深絞り成形、絞り・しごき成形等により缶胴
に成形し、或いはネックイン加工、フランジ加工、ビー
ド加工、周状多面体壁加工、バルジ加工等の二次加工に
付した場合にも、亀裂、ピンホール、剥離等を発生する
ことなく、加工性、密着性に顕著に優れている。これ
は、樹脂被覆金属板をプレス成形、スコア加工、リベッ
ト加工等に付して、缶蓋に成形した場合にも同様であ
る。
脂を含有するポリエステル層を設けた樹脂被覆金属板
は、絞り・深絞り成形、絞り・しごき成形等により缶胴
に成形し、或いはネックイン加工、フランジ加工、ビー
ド加工、周状多面体壁加工、バルジ加工等の二次加工に
付した場合にも、亀裂、ピンホール、剥離等を発生する
ことなく、加工性、密着性に顕著に優れている。これ
は、樹脂被覆金属板をプレス成形、スコア加工、リベッ
ト加工等に付して、缶蓋に成形した場合にも同様であ
る。
【0018】本発明に用いる変性ポリエステル層には、
エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレ
ート及びポリカーボネートからなる群より選択された改
質樹脂成分の少なくとも1種を更に含有させることがで
き、これにより耐高温湿熱性や耐衝撃性を更に向上させ
ることができる。
エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレ
ート及びポリカーボネートからなる群より選択された改
質樹脂成分の少なくとも1種を更に含有させることがで
き、これにより耐高温湿熱性や耐衝撃性を更に向上させ
ることができる。
【0019】[樹脂被覆金属板の概略]本発明の樹脂被
覆金属板の断面構造の一例を示す図1において、この樹
脂被覆金属板1は、金属基体2と、容器としたとき内面
側となる側に設けられた変性ポリエステル層3とから成
っている。金属基体2の容器外面側にも熱可塑性ポリエ
ステル層4が形成されているが、この外面側のポリエス
テル層4は変性ポリエステルからなっていても、或いは
それ以外のポリエステル被覆層からなっていてもよい。
覆金属板の断面構造の一例を示す図1において、この樹
脂被覆金属板1は、金属基体2と、容器としたとき内面
側となる側に設けられた変性ポリエステル層3とから成
っている。金属基体2の容器外面側にも熱可塑性ポリエ
ステル層4が形成されているが、この外面側のポリエス
テル層4は変性ポリエステルからなっていても、或いは
それ以外のポリエステル被覆層からなっていてもよい。
【0020】樹脂被覆金属板の断面構造の他の例を示す
図2において、容器内面となる側には、金属基体と接す
る側に位置する変性ポリエステル下地層3とそれ以外の
ポリエステル表面層5との積層樹脂層6を設けている以
外は、図1の場合と同様である。
図2において、容器内面となる側には、金属基体と接す
る側に位置する変性ポリエステル下地層3とそれ以外の
ポリエステル表面層5との積層樹脂層6を設けている以
外は、図1の場合と同様である。
【0021】[金属板]本発明では、金属板としては各
種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用され
る。
種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用され
る。
【0022】表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍
後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメ
ッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の
一種または二種以上行ったものを用いることができる。
好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板で
あり、特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と
1乃至50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化
物層とを備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐
腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例
は、0.5乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する
硬質ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換算
で、クロム量が1乃至30mg/m2 となるようなクロ
ム酸処理或いはクロム酸−リン酸処理が行われているこ
とが望ましい。
後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメ
ッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の
一種または二種以上行ったものを用いることができる。
好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板で
あり、特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と
1乃至50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化
物層とを備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐
腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例
は、0.5乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する
硬質ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換算
で、クロム量が1乃至30mg/m2 となるようなクロ
ム酸処理或いはクロム酸−リン酸処理が行われているこ
とが望ましい。
【0023】更に他の例としては、アルミニウムメッ
キ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板
が用いられる。
キ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板
が用いられる。
【0024】軽金属板としては、所謂アルミニウム板の
他に、アルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃
至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
他に、アルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃
至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
【0025】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB
)は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによって
も相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚み
を有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合に
は、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の
場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのが
よい。
)は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによって
も相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚み
を有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合に
は、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の
場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのが
よい。
【0026】[変性ポリエステル層]本発明において、
変性ポリエステル層を形成するポリエステルベース樹脂
としては、熱可塑性ポリエステルが芳香族ジカルボン酸
を主体とするカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主体と
するアルコール成分とから誘導されたポリエステル、特
に前記カルボン酸成分の50モル%以上がテレフタール
酸成分からなり且つ前記アルコール成分の50モル%以
上がエチレングリコール成分からなるポリエステルが挙
げられる。上記条件を満足する限り、このポリエステル
は、ホモポリエステルでも、共重合ポリエステルでも、
或いはこれらの2種類以上のブレンド物であってもよ
い。
変性ポリエステル層を形成するポリエステルベース樹脂
としては、熱可塑性ポリエステルが芳香族ジカルボン酸
を主体とするカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主体と
するアルコール成分とから誘導されたポリエステル、特
に前記カルボン酸成分の50モル%以上がテレフタール
酸成分からなり且つ前記アルコール成分の50モル%以
上がエチレングリコール成分からなるポリエステルが挙
げられる。上記条件を満足する限り、このポリエステル
は、ホモポリエステルでも、共重合ポリエステルでも、
或いはこれらの2種類以上のブレンド物であってもよ
い。
【0027】テレフタル酸成分以外のカルボン酸成分と
しては、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、P
−β−オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル−4,4’
−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカ
ルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサ
ヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
しては、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、P
−β−オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル−4,4’
−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカ
ルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサ
ヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
【0028】一方、エチレングリコール以外のアルコー
ル成分としては、1,4−ブタンジオール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物、グリセロール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、ソルビタンなどのアルコール成分を
挙げることができる。
ル成分としては、1,4−ブタンジオール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物、グリセロール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、ソルビタンなどのアルコール成分を
挙げることができる。
【0029】適当な熱可塑性ポリエステルの例は、決し
てこれに限定されないが、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート/テレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート/アジペート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート/アジペート、或いはこれらの2種以上のブレンド
物である。
てこれに限定されないが、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート/テレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート/アジペート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート/アジペート、或いはこれらの2種以上のブレンド
物である。
【0030】ポリエステル層のベースポリマーは、フィ
ルム形成範囲の分子量を有するべきであり、溶媒とし
て、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて
測定した固有粘度〔η〕は0.5以上、特に0.6乃至
1.5の範囲にあるのが腐食成分に対するバリアー性や
機械的性質の点でよい。
ルム形成範囲の分子量を有するべきであり、溶媒とし
て、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて
測定した固有粘度〔η〕は0.5以上、特に0.6乃至
1.5の範囲にあるのが腐食成分に対するバリアー性や
機械的性質の点でよい。
【0031】[エポキシ樹脂]本発明において、ポリエ
ステル中に配合するエポキシ樹脂とは、1分子中に2個
以上のエポキシ基を含有する化合物が用いられる。この
エポキシ樹脂は、150乃至5000、特に400乃至
4000のエポキシ当量を有することが好ましく、上記
エポキシ当量を有する限り、液状、半固体状或いは固体
状のエポキシ樹脂が使用される。
ステル中に配合するエポキシ樹脂とは、1分子中に2個
以上のエポキシ基を含有する化合物が用いられる。この
エポキシ樹脂は、150乃至5000、特に400乃至
4000のエポキシ当量を有することが好ましく、上記
エポキシ当量を有する限り、液状、半固体状或いは固体
状のエポキシ樹脂が使用される。
【0032】エポキシ当量が上記範囲よりも下回ると、
ポリエステルとの混練に際して、エポキシ樹脂が揮散し
たりしてポリエステルにブレンドすることが困難となっ
たり、或いは配合したエポキシ樹脂の抽出傾向が大きく
なったりするので好ましくなく、一方上記範囲を上回る
と、ポリエステル中への分散傾向が悪くなる傾向がある
ので好ましくない。更に、これら何れの場合にも、エポ
キシ当量が上記範囲内にある場合に比して、変性ポリエ
ステル層の耐高温湿熱性や耐衝撃性が低下する傾向があ
る。
ポリエステルとの混練に際して、エポキシ樹脂が揮散し
たりしてポリエステルにブレンドすることが困難となっ
たり、或いは配合したエポキシ樹脂の抽出傾向が大きく
なったりするので好ましくなく、一方上記範囲を上回る
と、ポリエステル中への分散傾向が悪くなる傾向がある
ので好ましくない。更に、これら何れの場合にも、エポ
キシ当量が上記範囲内にある場合に比して、変性ポリエ
ステル層の耐高温湿熱性や耐衝撃性が低下する傾向があ
る。
【0033】エポキシ樹脂としては、次のものが使用さ
れる。例えば次の掲げるようなものが使用される。 (1)ビスフェノール型エポキシ樹脂:ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールB、等のビスフ
ェノール類とエピハロヒドリンとから誘導されるエポキ
シ樹脂。上記エポキシ樹脂中に組み込まれるビスフェノ
ール類としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等のp
−p体が一般的であるが、ビス(2−ヒドロキシフェニ
ル)メタンのようなo−o体や、2−ヒドロキシフェニ
ル・4−ヒドロキシフェニルメタン)等のo−p体も、
単独で或いはp−p体との組み合わせで使用可能であ
る。 (2)ノボラック型エポキシ樹脂:ノボラック型フェノ
ール樹脂とエピハロヒドリンとから誘導されるエポキシ
樹脂。フェノール類とホルムアルデヒドとを酸性で反応
させるとノボラックが生成する。フェノール類として
は、フェノール(石炭酸)、m−クレゾール、m−エチ
ルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフ
ェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert
ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キ
シレノール、2,5−キシレノール、2,4−キシレノ
ール、2,6−キシレノール等の1官能性フェノール
類;p−tert−アミルフェノール、p−ノニルフェノー
ル、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェ
ノール、或いはビスフェノール類等が、単独或いは2種
以上の組み合わせで用いられる。 (3)1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン等の多価多環フェノール類のグリシジ
ルエーテル化エポキシ樹脂。 (4)フェノール類化合物の核水素化物のグリシジルエ
ーテル化エポキシ樹脂。 (5)カテコール、ルゾルシン、ヒドロキノン、フロロ
グルシン等の多価フェノール類のグリシジルエーテル化
エポキシ樹脂。 (6)エチレングリコール、ブタンジオール、グリセロ
ール、エリスリトール、ポリオキシアルキレングリコー
ル等の多価アルコール類のグリシジルエーテル化エポキ
シ樹脂。 (7)ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオ
キシド、ジシクロペンタジエンオキシド等の脂環族系エ
ポキシ樹脂。 (8)フタル酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン
酸のエステル縮合物のポリグリシジルエステル化エポキ
シ樹脂。 (9)ポリグリシジルアミン系乃至アミド系エポキシ樹
脂。 (10)上記エポキシ樹脂を、末端或いは側鎖に水酸
基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基
等の官能基を有する樹脂と反応させて得られる樹脂や、
脂肪族カルボン酸、脂肪族アルコール、脂肪族アミン類
等と上記エポキシ樹脂とを反応させて得られた樹脂。 (11)不飽和エポキシ単量体を共重合或いはグラフト
共重合等の手段で導入した樹脂が使用される。不飽和エ
ポキシ単量体としては、例えば、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、p−スチリルカルボン
酸グリシジルなどの不飽和モノカルボン酸のグリシジル
エステル;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブ
テントリカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1
〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンド
−シス−ビシクロ〔2,2,1 〕ヘプト−5−エン−2−メ
チル−2,3−ジカルボン酸などの不飽和ポリカルボン
酸のモノグリシジルエステルあるいはポリグリシジルエ
ステル;アルリルグリシジルエーテル、2−メチルアル
リルグリシジルエーテル、o−アルリルフェノールのグ
リシジルエーテル、m−アルリルフェノールのグリシジ
ルエーテル、p−アルリルフェノールのグリシジルエー
テル、イソプロペニルフェノールのグリシジルエーテ
ル、o−ビニルフェノールのグリシジルエーテル、m−
ビニルフェノールのグリシジルエーテル、p−ビニルフ
ェノールのグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジル
エーテル;2−(o−ビニルフェニル)エチレンオキシ
ド、2−(p−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2
−(o−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−
(p−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(o
−アルリルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−ア
ルリルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−アルリ
ルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−アルリル
フェニル)プロピレンオキシド、p−グリシジルスチレ
ン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ
−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペ
ンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテ
ン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシド、アルリル−2,3−エポキシシク
ロペンチルエーテルなどが好適である。このタイプの樹
脂としては、エポキシ変性オレフィン系樹脂、エポキシ
変性アクリル樹脂等が例示される。
れる。例えば次の掲げるようなものが使用される。 (1)ビスフェノール型エポキシ樹脂:ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールB、等のビスフ
ェノール類とエピハロヒドリンとから誘導されるエポキ
シ樹脂。上記エポキシ樹脂中に組み込まれるビスフェノ
ール類としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等のp
−p体が一般的であるが、ビス(2−ヒドロキシフェニ
ル)メタンのようなo−o体や、2−ヒドロキシフェニ
ル・4−ヒドロキシフェニルメタン)等のo−p体も、
単独で或いはp−p体との組み合わせで使用可能であ
る。 (2)ノボラック型エポキシ樹脂:ノボラック型フェノ
ール樹脂とエピハロヒドリンとから誘導されるエポキシ
樹脂。フェノール類とホルムアルデヒドとを酸性で反応
させるとノボラックが生成する。フェノール類として
は、フェノール(石炭酸)、m−クレゾール、m−エチ
ルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフ
ェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert
ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キ
シレノール、2,5−キシレノール、2,4−キシレノ
ール、2,6−キシレノール等の1官能性フェノール
類;p−tert−アミルフェノール、p−ノニルフェノー
ル、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェ
ノール、或いはビスフェノール類等が、単独或いは2種
以上の組み合わせで用いられる。 (3)1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン等の多価多環フェノール類のグリシジ
ルエーテル化エポキシ樹脂。 (4)フェノール類化合物の核水素化物のグリシジルエ
ーテル化エポキシ樹脂。 (5)カテコール、ルゾルシン、ヒドロキノン、フロロ
グルシン等の多価フェノール類のグリシジルエーテル化
エポキシ樹脂。 (6)エチレングリコール、ブタンジオール、グリセロ
ール、エリスリトール、ポリオキシアルキレングリコー
ル等の多価アルコール類のグリシジルエーテル化エポキ
シ樹脂。 (7)ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオ
キシド、ジシクロペンタジエンオキシド等の脂環族系エ
ポキシ樹脂。 (8)フタル酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン
酸のエステル縮合物のポリグリシジルエステル化エポキ
シ樹脂。 (9)ポリグリシジルアミン系乃至アミド系エポキシ樹
脂。 (10)上記エポキシ樹脂を、末端或いは側鎖に水酸
基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基
等の官能基を有する樹脂と反応させて得られる樹脂や、
脂肪族カルボン酸、脂肪族アルコール、脂肪族アミン類
等と上記エポキシ樹脂とを反応させて得られた樹脂。 (11)不飽和エポキシ単量体を共重合或いはグラフト
共重合等の手段で導入した樹脂が使用される。不飽和エ
ポキシ単量体としては、例えば、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、p−スチリルカルボン
酸グリシジルなどの不飽和モノカルボン酸のグリシジル
エステル;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブ
テントリカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1
〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンド
−シス−ビシクロ〔2,2,1 〕ヘプト−5−エン−2−メ
チル−2,3−ジカルボン酸などの不飽和ポリカルボン
酸のモノグリシジルエステルあるいはポリグリシジルエ
ステル;アルリルグリシジルエーテル、2−メチルアル
リルグリシジルエーテル、o−アルリルフェノールのグ
リシジルエーテル、m−アルリルフェノールのグリシジ
ルエーテル、p−アルリルフェノールのグリシジルエー
テル、イソプロペニルフェノールのグリシジルエーテ
ル、o−ビニルフェノールのグリシジルエーテル、m−
ビニルフェノールのグリシジルエーテル、p−ビニルフ
ェノールのグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジル
エーテル;2−(o−ビニルフェニル)エチレンオキシ
ド、2−(p−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2
−(o−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−
(p−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(o
−アルリルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−ア
ルリルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−アルリ
ルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−アルリル
フェニル)プロピレンオキシド、p−グリシジルスチレ
ン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ
−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペ
ンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテ
ン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシド、アルリル−2,3−エポキシシク
ロペンチルエーテルなどが好適である。このタイプの樹
脂としては、エポキシ変性オレフィン系樹脂、エポキシ
変性アクリル樹脂等が例示される。
【0034】[変性ポリエステル組成物]本発明では、
ポリエステルに上記エポキシ樹脂を、ポリエステル10
0重量部当たり0.05乃至25重量部、特に0.1乃
至15重量部となる割合でブレンドする。エポキシ樹脂
のブレンド比が上記範囲を下回ると、上記範囲内にある
場合に比して耐高温湿熱性や耐衝撃性の改善が不十分で
あり、一方上記範囲を上回ると被覆層の機械的性質や腐
食成分に対するバリアー性が低下する傾向がある。
ポリエステルに上記エポキシ樹脂を、ポリエステル10
0重量部当たり0.05乃至25重量部、特に0.1乃
至15重量部となる割合でブレンドする。エポキシ樹脂
のブレンド比が上記範囲を下回ると、上記範囲内にある
場合に比して耐高温湿熱性や耐衝撃性の改善が不十分で
あり、一方上記範囲を上回ると被覆層の機械的性質や腐
食成分に対するバリアー性が低下する傾向がある。
【0035】変性ポリエステル組成物中には、エチレン
系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート及び
ポリカーボネートからなる群より選択された改質樹脂成
分の少なくとも1種を更に含有させ、耐高温湿熱性や耐
衝撃性を更に向上させることができる。この改質樹脂成
分は、一般にポリエステル100重量部当たり50重量
部迄の量、特に好適には5乃至35重量部の量で用いる
のが望ましい。
系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート及び
ポリカーボネートからなる群より選択された改質樹脂成
分の少なくとも1種を更に含有させ、耐高温湿熱性や耐
衝撃性を更に向上させることができる。この改質樹脂成
分は、一般にポリエステル100重量部当たり50重量
部迄の量、特に好適には5乃至35重量部の量で用いる
のが望ましい。
【0036】エチレン系重合体として、例えば低−、中
−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチ
レン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン
−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオ
ノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が
挙げられる。これらの内でも、アイオノマーが好適なも
のであり、アイオノマーのベースポリマーとしては、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合
体、イオン種としては、Na、K、Zn等のものが使用
される。
−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチ
レン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン
−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオ
ノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が
挙げられる。これらの内でも、アイオノマーが好適なも
のであり、アイオノマーのベースポリマーとしては、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合
体、イオン種としては、Na、K、Zn等のものが使用
される。
【0037】熱可塑性エラストマーとしては、例えばス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水
素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
等が使用される。
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水
素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
等が使用される。
【0038】ポリアリレートとしては、二価フェノール
と二塩基酸とから誘導されたポリエステルとして定義さ
れ、二価フェノールとしては、ビスフェノール類として
は、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、4
−ヒドロキシフェニルエーテル、p−(4−ヒドロキ
シ)フェノール等が使用されるが、ビスフェノールA及
びビスフェノールBが好適である。二塩基酸としては、
テレフタール酸、イソフタール酸、2,2−(4−カル
ボキシフェニル)プロパン、4, 4’−ジカルボキシジ
フェニルエーテル、4, 4’−ジカルボキシベンゾフェ
ノン等が使用される。ポリアリレートは、上記単量体成
分から誘導されたホモ重合体でもよく、また共重合体で
もよい。また、その本質を損なわない範囲で、脂肪族グ
リコールと二塩基酸とから誘導されたエステル単位との
共重合体であってもよい。これらのポリアリレートは、
ユニチカ社のUポリマーのUシリーズ或いはAXシリー
ズ、UCC社のArdelDー100、Bayer社の
APE、Hoechst社のDurel、DuPont
社のArylon、鐘淵化学社のNAP樹脂等として入
手できる。
と二塩基酸とから誘導されたポリエステルとして定義さ
れ、二価フェノールとしては、ビスフェノール類として
は、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、4
−ヒドロキシフェニルエーテル、p−(4−ヒドロキ
シ)フェノール等が使用されるが、ビスフェノールA及
びビスフェノールBが好適である。二塩基酸としては、
テレフタール酸、イソフタール酸、2,2−(4−カル
ボキシフェニル)プロパン、4, 4’−ジカルボキシジ
フェニルエーテル、4, 4’−ジカルボキシベンゾフェ
ノン等が使用される。ポリアリレートは、上記単量体成
分から誘導されたホモ重合体でもよく、また共重合体で
もよい。また、その本質を損なわない範囲で、脂肪族グ
リコールと二塩基酸とから誘導されたエステル単位との
共重合体であってもよい。これらのポリアリレートは、
ユニチカ社のUポリマーのUシリーズ或いはAXシリー
ズ、UCC社のArdelDー100、Bayer社の
APE、Hoechst社のDurel、DuPont
社のArylon、鐘淵化学社のNAP樹脂等として入
手できる。
【0039】ポリカーボネートは、二環二価フェノール
類とホスゲンとか誘導される炭酸エステル樹脂であり、
高いガラス転移点と耐熱性とを有することが特徴であ
る。ポリカーボネートとしては、ビスフェノール類、例
えば、 2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,
1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノール
F)、1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シ
クロペンタン、1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン、1, 1−ビス(4ーヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1, 2−ビス
(4ーヒドロキシフェニル)エタン等から誘導されたポ
リカーボネートが好適である。
類とホスゲンとか誘導される炭酸エステル樹脂であり、
高いガラス転移点と耐熱性とを有することが特徴であ
る。ポリカーボネートとしては、ビスフェノール類、例
えば、 2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,
1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノール
F)、1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シ
クロペンタン、1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン、1, 1−ビス(4ーヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1, 2−ビス
(4ーヒドロキシフェニル)エタン等から誘導されたポ
リカーボネートが好適である。
【0040】ポリエステルとエポキシ樹脂或いは更に改
質樹脂成分とのブレンドは、エポキシ樹脂の性状に応じ
て、ドライブレンドやメルトブレンドで行うことがで
き、前者の場合、樹脂をブレンダー、ヘンシェルミキサ
ーやスーパーミキサー等で混合し、直接押出機のホッパ
ーに供給すればよく、また後者の場合、一軸或いは二軸
の押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練すれ
ばよい。これら何れの場合でも、ポリエステルとエポキ
シ樹脂とは、最終的には、ポリエステルの溶融温度以上
の温度でブレンドが行われることになる。エポキシ樹脂
を比較的高濃度で含有するポリエステル/エポキシ樹脂
のマスターバッチを製造し、このマスターバッチをポリ
エステルにブレンドすることもできる。
質樹脂成分とのブレンドは、エポキシ樹脂の性状に応じ
て、ドライブレンドやメルトブレンドで行うことがで
き、前者の場合、樹脂をブレンダー、ヘンシェルミキサ
ーやスーパーミキサー等で混合し、直接押出機のホッパ
ーに供給すればよく、また後者の場合、一軸或いは二軸
の押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練すれ
ばよい。これら何れの場合でも、ポリエステルとエポキ
シ樹脂とは、最終的には、ポリエステルの溶融温度以上
の温度でブレンドが行われることになる。エポキシ樹脂
を比較的高濃度で含有するポリエステル/エポキシ樹脂
のマスターバッチを製造し、このマスターバッチをポリ
エステルにブレンドすることもできる。
【0041】ポリエステルとエポキシ樹脂とのブレンド
に際して、ポリエステルとエポキシ樹脂との間に反応が
生じても本発明の効果に差異がないことが注目されるべ
きである。即ち、ポリエステル中には、末端水酸基や末
端カルボキシル基等の官能基が存在し、ポリエステルと
エポキシ樹脂とがポリエステルの溶融温度以上の高温
(一般に200℃以上)で接触している条件では、これ
らの官能基とエポキシ基との間に反応が生じていると信
じられる。この反応により、ポリエステル分子鎖には、
分子間架橋が生じている可能性もある。ポリエステルの
加水分解による減成には、末端カルボキシル基が悪い影
響を与えるという説もあるが、エポキシ樹脂との反応は
加水分解を抑制する上でよい影響を与えている可能性が
ある。
に際して、ポリエステルとエポキシ樹脂との間に反応が
生じても本発明の効果に差異がないことが注目されるべ
きである。即ち、ポリエステル中には、末端水酸基や末
端カルボキシル基等の官能基が存在し、ポリエステルと
エポキシ樹脂とがポリエステルの溶融温度以上の高温
(一般に200℃以上)で接触している条件では、これ
らの官能基とエポキシ基との間に反応が生じていると信
じられる。この反応により、ポリエステル分子鎖には、
分子間架橋が生じている可能性もある。ポリエステルの
加水分解による減成には、末端カルボキシル基が悪い影
響を与えるという説もあるが、エポキシ樹脂との反応は
加水分解を抑制する上でよい影響を与えている可能性が
ある。
【0042】本発明で用いる変性ポリエステル層には、
それ自体公知の樹脂用配合剤を配合することができる。
例えば、酸化防止剤、特に分子量が400以上の酸化防
止剤を配合することにより、製缶用積層体の耐熱性を顕
著に向上させることができる。
それ自体公知の樹脂用配合剤を配合することができる。
例えば、酸化防止剤、特に分子量が400以上の酸化防
止剤を配合することにより、製缶用積層体の耐熱性を顕
著に向上させることができる。
【0043】上記の高分子フェノール系酸化防止剤とし
ては、例えば、テトラキス[メチレン−3(3’,5’
−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート)メタン(分子量1177.7)、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン(分子量544.8)、1,3,5
−トリメチルー2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(分子量7
75.2)、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキ
シ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]
グリコールエステル(分子量794.4)、1,3,5
−トリス(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキ
シベンジル)−s−トリアジン 2,4,6−(1H,
3H,5H)トリオン(分子量783.0)、トリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分
子量586.8)、1,6−ヘキサンジオール−ビス
[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート(分子量638.9)等を用いる
ことができる。中でも特に、テトラキス[メチレン−3
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート)メタンが好適である。
ては、例えば、テトラキス[メチレン−3(3’,5’
−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート)メタン(分子量1177.7)、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン(分子量544.8)、1,3,5
−トリメチルー2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(分子量7
75.2)、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキ
シ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]
グリコールエステル(分子量794.4)、1,3,5
−トリス(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキ
シベンジル)−s−トリアジン 2,4,6−(1H,
3H,5H)トリオン(分子量783.0)、トリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分
子量586.8)、1,6−ヘキサンジオール−ビス
[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート(分子量638.9)等を用いる
ことができる。中でも特に、テトラキス[メチレン−3
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート)メタンが好適である。
【0044】分子量400以上の酸化防止剤の他の例と
して、トコフェロール系酸化防止剤、例えばα−型、β
−型、γ−型、δ−型等のトコフェロールを挙げること
ができる。α−トコフェロールが特に好適である。
して、トコフェロール系酸化防止剤、例えばα−型、β
−型、γ−型、δ−型等のトコフェロールを挙げること
ができる。α−トコフェロールが特に好適である。
【0045】これらの酸化防止剤は、ポリエステル10
0重量部当たり0.01乃至1.5重量部の量で用いる
のがよい。
0重量部当たり0.01乃至1.5重量部の量で用いる
のがよい。
【0046】勿論、このポリエステル組成物には、それ
自体公知の他の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等の
アンチブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の
顔料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配
合することができる。
自体公知の他の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等の
アンチブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の
顔料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配
合することができる。
【0047】本発明の樹脂被覆金属板において、金属基
体上に設けるポリエステル被覆は、変性ポリエステル層
単独からなっていても、或いは変性ポリエステル層とそ
れ以外の少なくとも1個のポリエステル層との積層体か
ら成る層であってもよい。後者の積層体の場合、変性ポ
リエステル層は、少なくとも金属基体と接する側に存在
することが耐高温湿熱性及び耐衝撃性の点で必要であ
る。
体上に設けるポリエステル被覆は、変性ポリエステル層
単独からなっていても、或いは変性ポリエステル層とそ
れ以外の少なくとも1個のポリエステル層との積層体か
ら成る層であってもよい。後者の積層体の場合、変性ポ
リエステル層は、少なくとも金属基体と接する側に存在
することが耐高温湿熱性及び耐衝撃性の点で必要であ
る。
【0048】例えば、変性ポリエステル層とそれ以外の
ポリエステル層との積層体からなる被覆層の場合、変性
ポリエステル層が下地層となり、それ以外のポリエステ
ル層が表面層となるべきであり、しかもポリエステル表
面層は耐内容物性に優れたポリエステル層からなるのが
よい。
ポリエステル層との積層体からなる被覆層の場合、変性
ポリエステル層が下地層となり、それ以外のポリエステ
ル層が表面層となるべきであり、しかもポリエステル表
面層は耐内容物性に優れたポリエステル層からなるのが
よい。
【0049】具体的には、ポリエステル表面層は、カル
ボン酸成分の50モル%以上、特に70モル%以上がテ
レフタル酸或いはナフタレンジカルボン酸成分からな
り、アルコール成分の50モル%以上、特に70モル%
以上がエチレングリコール成分からなるポリエステルで
あって、ガラス転移点が50℃以上、特に60℃以上で
あるものがよい。ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレン
ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレンナフタレ
ンジカルボキシレート/テレフタレート等が適当な例で
ある。これらのポリエステル表面層も、既に述べた範囲
の固有粘度を有するのがよい。
ボン酸成分の50モル%以上、特に70モル%以上がテ
レフタル酸或いはナフタレンジカルボン酸成分からな
り、アルコール成分の50モル%以上、特に70モル%
以上がエチレングリコール成分からなるポリエステルで
あって、ガラス転移点が50℃以上、特に60℃以上で
あるものがよい。ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレン
ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレンナフタレ
ンジカルボキシレート/テレフタレート等が適当な例で
ある。これらのポリエステル表面層も、既に述べた範囲
の固有粘度を有するのがよい。
【0050】本発明において、ポリエステル被覆層は、
全体として1乃至60μm、特に2乃至40μmの厚み
を有するのが金属基体の保護と加工性とのバランスの点
でよく、一方、積層被覆層の場合、変性ポリエステル層
とそれ以外のポリエステル層とは、1:40乃至40:
1の厚み比、特に1:20乃至20:1の厚み比で存在
するのが、耐高温湿熱性及び耐衝撃性と耐内容物性との
バランスの点で好ましい。
全体として1乃至60μm、特に2乃至40μmの厚み
を有するのが金属基体の保護と加工性とのバランスの点
でよく、一方、積層被覆層の場合、変性ポリエステル層
とそれ以外のポリエステル層とは、1:40乃至40:
1の厚み比、特に1:20乃至20:1の厚み比で存在
するのが、耐高温湿熱性及び耐衝撃性と耐内容物性との
バランスの点で好ましい。
【0051】[樹脂被覆金属板及びその製造]金属基体
へのポリエステル被覆層の形成は、任意の手段で行うこ
とができ、例えば、押出コート法、キャストフィルム熱
接着法、二軸延伸フィルム熱接着法等により行うことが
できる。
へのポリエステル被覆層の形成は、任意の手段で行うこ
とができ、例えば、押出コート法、キャストフィルム熱
接着法、二軸延伸フィルム熱接着法等により行うことが
できる。
【0052】押出コート法の場合、樹脂層の種類に対応
する数の押出機を使用し、ダイを通してポリエステルを
押出すると共に、これを溶融状態で金属基体上に押出し
コートして、熱接着させる。
する数の押出機を使用し、ダイを通してポリエステルを
押出すると共に、これを溶融状態で金属基体上に押出し
コートして、熱接着させる。
【0053】樹脂被覆金属板の押出コート法による製造
方法を説明するための図3において、金属板11を必要
により加熱ロール12a、12bにより予備加熱し、チ
ルロール13とニップロール14間に供給する。一方、
ポリエステルは、押出機のダイヘッド15を通して薄膜
16の形に押し出し、チルロール13とニップロール1
4間に金属板11と重ねられるように供給される。チル
ロール13とニップロール14は、強制冷却されてお
り、金属板11に複合ポリエステルから成る薄膜16を
圧着して両者を熱接着させると共に両側から急冷するこ
とにより積層体17を得る。熱接着後の被覆金属板は、
冷却水槽に導いて急冷し、熱結晶化を防止する。
方法を説明するための図3において、金属板11を必要
により加熱ロール12a、12bにより予備加熱し、チ
ルロール13とニップロール14間に供給する。一方、
ポリエステルは、押出機のダイヘッド15を通して薄膜
16の形に押し出し、チルロール13とニップロール1
4間に金属板11と重ねられるように供給される。チル
ロール13とニップロール14は、強制冷却されてお
り、金属板11に複合ポリエステルから成る薄膜16を
圧着して両者を熱接着させると共に両側から急冷するこ
とにより積層体17を得る。熱接着後の被覆金属板は、
冷却水槽に導いて急冷し、熱結晶化を防止する。
【0054】金属基体に対する複合ポリエステル組成物
の熱接着は、溶融ポリエステル層が有する熱量と、金属
板が有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度
(T1)は、一般に90乃至290℃、特に100乃至
280℃の温度が適当である。
の熱接着は、溶融ポリエステル層が有する熱量と、金属
板が有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度
(T1)は、一般に90乃至290℃、特に100乃至
280℃の温度が適当である。
【0055】ポリエステルフィルムを用いる製造法の場
合、図3のダイヘッドの代わりに、ポリエステルフィル
ムのロールを設け、巻き戻したフィルムをチルロール1
3とニップロール14間に供給するようにすればよい。
合、図3のダイヘッドの代わりに、ポリエステルフィル
ムのロールを設け、巻き戻したフィルムをチルロール1
3とニップロール14間に供給するようにすればよい。
【0056】上記積層フィルムは、前述した共押出物を
T−ダイ法やインフレーション製膜法でフィルムに成形
することにより得られる。フィルムとしては、押し出し
たフィルムを急冷した、キャスト成形法による未延伸フ
ィルムを用いることもでき、また、このフィルムを延伸
温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルム
を熱固定することにより製造された二軸延伸フィルムを
用いることもできる。
T−ダイ法やインフレーション製膜法でフィルムに成形
することにより得られる。フィルムとしては、押し出し
たフィルムを急冷した、キャスト成形法による未延伸フ
ィルムを用いることもでき、また、このフィルムを延伸
温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルム
を熱固定することにより製造された二軸延伸フィルムを
用いることもできる。
【0057】ポリエステル系フィルムの二軸配向の程度
は、X線回折法、偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法
密度等でも確認することができる。フィルムの二軸延伸
の程度は、表面層ポリエステルが0.04乃至0.18
の複屈折を有するものが適当である。フィルムの延伸は
一般に80乃至130℃の温度で、面積延伸倍率が2.
5乃至16.0、特に4.0乃至14.0となる範囲か
ら、ポリエステルの種類や他の条件との関連で、複屈折
が前記範囲となる延伸倍率を選ぶ。また、フィルムの熱
固定は、130乃至240℃、特に150乃至230℃
の範囲から、やはり前記条件が満足されるような熱固定
温度を選ぶ。
は、X線回折法、偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法
密度等でも確認することができる。フィルムの二軸延伸
の程度は、表面層ポリエステルが0.04乃至0.18
の複屈折を有するものが適当である。フィルムの延伸は
一般に80乃至130℃の温度で、面積延伸倍率が2.
5乃至16.0、特に4.0乃至14.0となる範囲か
ら、ポリエステルの種類や他の条件との関連で、複屈折
が前記範囲となる延伸倍率を選ぶ。また、フィルムの熱
固定は、130乃至240℃、特に150乃至230℃
の範囲から、やはり前記条件が満足されるような熱固定
温度を選ぶ。
【0058】ポリエステルフィルムと金属素材の間に
は、一般に必要でないが、所望により接着プライマー層
を設けておくこともできる。この接着プライマーは、金
属素材とフィルムとの両方に優れた接着性を示すもので
ある。密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代
表的なものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒド
から誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂
と、ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノー
ルエポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキ
シ樹脂とを50:50乃至1:99の重量比、特に4
0:60乃至5:95の重量比で含有する塗料である。
接着プライマー層は、一般に0.01乃至10μmの厚
みに設けるのがよい。接着プライマー層は予め金属素材
上に設けてよく或いは予めポリエステルフィルム上に設
けてもよい。
は、一般に必要でないが、所望により接着プライマー層
を設けておくこともできる。この接着プライマーは、金
属素材とフィルムとの両方に優れた接着性を示すもので
ある。密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代
表的なものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒド
から誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂
と、ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノー
ルエポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキ
シ樹脂とを50:50乃至1:99の重量比、特に4
0:60乃至5:95の重量比で含有する塗料である。
接着プライマー層は、一般に0.01乃至10μmの厚
みに設けるのがよい。接着プライマー層は予め金属素材
上に設けてよく或いは予めポリエステルフィルム上に設
けてもよい。
【0059】[金属缶及びその製造方法]本発明の金属
缶は、前述した樹脂被覆金属板から形成されている限
り、任意の製缶法によるものでよい。この金属缶は、側
面継ぎ目を有するスリーピース缶であることもできる
が、一般にシームレス缶(ツーピース缶)であることが
好ましい。このシームレス缶は、絞り加工、絞り・深絞
り加工、絞り・しごき加工等の手段で製造される。その
側壁部は、樹脂被覆金属板の絞り−再絞り加工による曲
げ伸ばし或いは更にしごき加工により、積層体元厚の2
0乃至95%、特に30乃至85%の厚みとなるように
薄肉化されているのが好ましい。
缶は、前述した樹脂被覆金属板から形成されている限
り、任意の製缶法によるものでよい。この金属缶は、側
面継ぎ目を有するスリーピース缶であることもできる
が、一般にシームレス缶(ツーピース缶)であることが
好ましい。このシームレス缶は、絞り加工、絞り・深絞
り加工、絞り・しごき加工等の手段で製造される。その
側壁部は、樹脂被覆金属板の絞り−再絞り加工による曲
げ伸ばし或いは更にしごき加工により、積層体元厚の2
0乃至95%、特に30乃至85%の厚みとなるように
薄肉化されているのが好ましい。
【0060】本発明のシームレス缶は、上記の樹脂被覆
金属板をポンチとダイスとの間で、有底カップに絞り−
深絞り成形し、深絞り段階で曲げ伸し或いは更にしごき
によりカップ側壁部の薄肉化を行なうことにより製造さ
れる。即ち、薄肉化のための変形を、缶軸方向(高さ方
向)の荷重による変形(曲げ伸ばし)と缶厚み方向の荷
重による変形(しごき)との組み合わせでしかもこの順
序に行う。上記の加工により、缶軸方向への分子配向が
付与される。
金属板をポンチとダイスとの間で、有底カップに絞り−
深絞り成形し、深絞り段階で曲げ伸し或いは更にしごき
によりカップ側壁部の薄肉化を行なうことにより製造さ
れる。即ち、薄肉化のための変形を、缶軸方向(高さ方
向)の荷重による変形(曲げ伸ばし)と缶厚み方向の荷
重による変形(しごき)との組み合わせでしかもこの順
序に行う。上記の加工により、缶軸方向への分子配向が
付与される。
【0061】樹脂被覆金属板の絞り−しごき成形は次の
手段で行われる。即ち、図4に示す通り、被覆金属板か
ら成形された前絞りカップ30は、このカップ内に挿入
された環状の保持部材31とその下に位置する再絞り−
しごきダイス32とで保持される。これらの保持部材3
1及び再絞り−しごきダイス32と同軸に、且つ保持部
材31内を出入し得るように再絞り−しごきポンチ33
が設けられる。再絞り−しごきポンチ33と再絞り−し
ごきダイス32とを互いに噛みあうように相対的に移動
させる。
手段で行われる。即ち、図4に示す通り、被覆金属板か
ら成形された前絞りカップ30は、このカップ内に挿入
された環状の保持部材31とその下に位置する再絞り−
しごきダイス32とで保持される。これらの保持部材3
1及び再絞り−しごきダイス32と同軸に、且つ保持部
材31内を出入し得るように再絞り−しごきポンチ33
が設けられる。再絞り−しごきポンチ33と再絞り−し
ごきダイス32とを互いに噛みあうように相対的に移動
させる。
【0062】再絞り−しごきダイス32は、上部に平面
部34を有し、平面部の周縁に曲率半径の小さい作用コ
ーナー部35を備え、作用コーナー部に連なる周囲に下
方に向けて径の減少するテーパー状のアプローチ部36
を有し、このアプローチ部に続いて曲率部37を介して
円筒状のしごき用のランド部(しごき部)38を備えて
いる。ランド部38の下方には、逆テーパ状の逃げ39
が設けられている。
部34を有し、平面部の周縁に曲率半径の小さい作用コ
ーナー部35を備え、作用コーナー部に連なる周囲に下
方に向けて径の減少するテーパー状のアプローチ部36
を有し、このアプローチ部に続いて曲率部37を介して
円筒状のしごき用のランド部(しごき部)38を備えて
いる。ランド部38の下方には、逆テーパ状の逃げ39
が設けられている。
【0063】前絞りカップ30の側壁部は、環状保持部
材31の外周面40から、その曲率コーナ部41を経
て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部材31の環状
底面42と再絞りダイス32の平面部34とで規定され
る部分を通り、再絞りダイス32の作用コーナ部35に
より軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカップ30よ
りも小径の深絞りカップに成形される。この際、作用コ
ーナー部35において、コーナー部35と接する側の反
対側の部分は、曲げ変形により伸ばされ、一方、作用コ
ーナー部35と接する側の部分は、作用コーナー部を離
れた後、戻し変形で伸ばされ、これにより側壁部の曲げ
伸ばしによる薄肉化が行われる。
材31の外周面40から、その曲率コーナ部41を経
て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部材31の環状
底面42と再絞りダイス32の平面部34とで規定され
る部分を通り、再絞りダイス32の作用コーナ部35に
より軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカップ30よ
りも小径の深絞りカップに成形される。この際、作用コ
ーナー部35において、コーナー部35と接する側の反
対側の部分は、曲げ変形により伸ばされ、一方、作用コ
ーナー部35と接する側の部分は、作用コーナー部を離
れた後、戻し変形で伸ばされ、これにより側壁部の曲げ
伸ばしによる薄肉化が行われる。
【0064】曲げ伸ばしにより薄肉化された側壁部は、
その外面が径の次第に減少する小テーパー角のアプロー
チ部36と接触し、その内面がフリーの状態で、しごき
部38に案内される。側壁部がアプローチ部を通過する
行程は続いて行うしごき行程の前段階であり、曲げ伸ば
し後のラミネートを安定化させ、且つ側壁部の径を若干
縮小させて、しごき加工に備える。即ち、曲げ伸ばし直
後のラミネートは、曲げ伸ばしによる振動の影響があ
り、フィルム内部には歪みも残留していて、未だ不安定
な状態にあり、これを直ちにしごき加工に付した場合に
は、円滑なしごき加工を行うことができないが、側壁部
の外面側をアプローチ部36と接触させてその径を縮小
させると共に、内面側をフリーの状態にすることによ
り、振動の影響を防止し、フィルム内部の不均質な歪み
も緩和させて、かつ曲げ伸ばしにより発生した熱も奪
い、円滑なしごき加工を可能にするものである。
その外面が径の次第に減少する小テーパー角のアプロー
チ部36と接触し、その内面がフリーの状態で、しごき
部38に案内される。側壁部がアプローチ部を通過する
行程は続いて行うしごき行程の前段階であり、曲げ伸ば
し後のラミネートを安定化させ、且つ側壁部の径を若干
縮小させて、しごき加工に備える。即ち、曲げ伸ばし直
後のラミネートは、曲げ伸ばしによる振動の影響があ
り、フィルム内部には歪みも残留していて、未だ不安定
な状態にあり、これを直ちにしごき加工に付した場合に
は、円滑なしごき加工を行うことができないが、側壁部
の外面側をアプローチ部36と接触させてその径を縮小
させると共に、内面側をフリーの状態にすることによ
り、振動の影響を防止し、フィルム内部の不均質な歪み
も緩和させて、かつ曲げ伸ばしにより発生した熱も奪
い、円滑なしごき加工を可能にするものである。
【0065】アプローチ部36を通過した側壁部は、し
ごき用のランド部(しごき部)38と再絞り−しごきポ
ンチ33との間隙に導入され、この間隙(C1)で規制
される厚みに圧延される。最終側壁部の厚みC1は積層
体元厚(t)の20乃至95%、特に30乃至85%の
厚みとなるように定める。尚、しごき部導入側の曲率部
37は、しごき開始点を有効に固定しながら、しごき部
38への積層体の導入を円滑に行うものであり、ランド
部38の下方の逆テーパ状の逃げ39は、加工力の過度
の増大を防ぐものである。
ごき用のランド部(しごき部)38と再絞り−しごきポ
ンチ33との間隙に導入され、この間隙(C1)で規制
される厚みに圧延される。最終側壁部の厚みC1は積層
体元厚(t)の20乃至95%、特に30乃至85%の
厚みとなるように定める。尚、しごき部導入側の曲率部
37は、しごき開始点を有効に固定しながら、しごき部
38への積層体の導入を円滑に行うものであり、ランド
部38の下方の逆テーパ状の逃げ39は、加工力の過度
の増大を防ぐものである。
【0066】再絞り−しごきダイス32の曲率コーナー
部35の曲率半径Rdは、曲げ伸ばしを有効に行う上で
は、ラミネートの肉厚(t)の2.9倍以下であるべき
であるが、この曲率半径があまり小さくなるとラミネー
トの破断が生じることから、ラミネートの肉厚(t)の
1倍以上であるべきである。
部35の曲率半径Rdは、曲げ伸ばしを有効に行う上で
は、ラミネートの肉厚(t)の2.9倍以下であるべき
であるが、この曲率半径があまり小さくなるとラミネー
トの破断が生じることから、ラミネートの肉厚(t)の
1倍以上であるべきである。
【0067】テーパー状のアプローチ部36のアプロー
チ角度(テーパー角度の1/2)αは1乃至8゜を有す
るべきである。このアプローチ部角度が上記範囲よりも
小さいと、ポリエステルフィルム層の配向緩和やしごき
前の安定化が不十分なものとなり、アプローチ部角度が
上記範囲よりも大きいと、曲げ伸ばしが不均一な(戻し
変形が不十分な)ものとなり、何れの場合もフィルムの
割れや剥離を生じることなしに、円滑なしごき加工が困
難となる。
チ角度(テーパー角度の1/2)αは1乃至8゜を有す
るべきである。このアプローチ部角度が上記範囲よりも
小さいと、ポリエステルフィルム層の配向緩和やしごき
前の安定化が不十分なものとなり、アプローチ部角度が
上記範囲よりも大きいと、曲げ伸ばしが不均一な(戻し
変形が不十分な)ものとなり、何れの場合もフィルムの
割れや剥離を生じることなしに、円滑なしごき加工が困
難となる。
【0068】しごき用のランド部38と再絞り−しごき
ポンチ33とクリアランスは前述した範囲にあるが、ラ
ンド長Lは、一般に0.5乃至3mmの長さを有してい
るのがよい。この長さが上記範囲よりも大きいと加工力
が過度に大きくなる傾向があり、一方上記範囲よりも小
さいとしごき加工後の戻りが大きく、好ましくない場合
がある。
ポンチ33とクリアランスは前述した範囲にあるが、ラ
ンド長Lは、一般に0.5乃至3mmの長さを有してい
るのがよい。この長さが上記範囲よりも大きいと加工力
が過度に大きくなる傾向があり、一方上記範囲よりも小
さいとしごき加工後の戻りが大きく、好ましくない場合
がある。
【0069】本発明のシームレス缶において、フランジ
部のポリエステル層は、過酷な巻締加工を受けることか
ら、缶側壁部のポリエステル層に比して、マイルドな加
工を受けていることが好ましい。これにより、巻締部の
密封性及び耐腐食性を向上させることができる。この目
的のため、しごき後の缶側壁部の上端に、缶側壁部の厚
みよりも厚いフランジ形成部が形成されるようにする。
即ち、缶側壁部の厚みをt1 及びフランジ部の厚みをt
2 とすると、t2 /t1 の比は、1.0乃至2.5、特
に1.0乃至2.0の範囲に定めるのがよい。
部のポリエステル層は、過酷な巻締加工を受けることか
ら、缶側壁部のポリエステル層に比して、マイルドな加
工を受けていることが好ましい。これにより、巻締部の
密封性及び耐腐食性を向上させることができる。この目
的のため、しごき後の缶側壁部の上端に、缶側壁部の厚
みよりも厚いフランジ形成部が形成されるようにする。
即ち、缶側壁部の厚みをt1 及びフランジ部の厚みをt
2 とすると、t2 /t1 の比は、1.0乃至2.5、特
に1.0乃至2.0の範囲に定めるのがよい。
【0070】本発明のシームレス缶を製造するに際し
て、表面の複合ポリエステル層は十分な潤滑性能を付与
するものであるが、より潤滑性を高めるために、各種油
脂類或いはワックス類等の潤滑剤を少量塗布しておき、
固体表面潤滑で前記加工を行うことができる。勿論、潤
滑剤を含有する水性クーラント(当然冷却も兼ねる)を
使用することもできるが、操作の簡単さの点では避けた
方がよい。
て、表面の複合ポリエステル層は十分な潤滑性能を付与
するものであるが、より潤滑性を高めるために、各種油
脂類或いはワックス類等の潤滑剤を少量塗布しておき、
固体表面潤滑で前記加工を行うことができる。勿論、潤
滑剤を含有する水性クーラント(当然冷却も兼ねる)を
使用することもできるが、操作の簡単さの点では避けた
方がよい。
【0071】また、再絞り−しごき加工時の温度(しご
き終了直後の温度)は、ポリエステルのガラス転移点
(Tg)よりも50℃高い温度以下で且つ10℃以上の
温度であることが好ましい。このため、工具の加温を行
ったり、或いは逆に冷却を行うことが好ましい。
き終了直後の温度)は、ポリエステルのガラス転移点
(Tg)よりも50℃高い温度以下で且つ10℃以上の
温度であることが好ましい。このため、工具の加温を行
ったり、或いは逆に冷却を行うことが好ましい。
【0072】本発明によれば、次いで絞り成形後の容器
を、少なくとも一段の熱処理に付することができる。こ
の熱処理には、種々の目的があり、加工により生じるフ
ィルムの残留歪を除去すること、加工の際用いた滑剤を
表面から揮散させること、表面に印刷した印刷インキを
乾燥硬化させること等が主たる目的である。この熱処理
には、赤外線加熱器、熱風循環炉、誘導加熱装置等それ
自体公知の加熱装置を用いることができる。また、この
熱処理は一段で行ってもよく、2段或いはそれ以上の多
段で行うこともできる。熱処理の温度は、180乃至3
00℃の範囲が適当である。熱処理の時間は、一般的に
いって、1乃至10分のオーダーである。
を、少なくとも一段の熱処理に付することができる。こ
の熱処理には、種々の目的があり、加工により生じるフ
ィルムの残留歪を除去すること、加工の際用いた滑剤を
表面から揮散させること、表面に印刷した印刷インキを
乾燥硬化させること等が主たる目的である。この熱処理
には、赤外線加熱器、熱風循環炉、誘導加熱装置等それ
自体公知の加熱装置を用いることができる。また、この
熱処理は一段で行ってもよく、2段或いはそれ以上の多
段で行うこともできる。熱処理の温度は、180乃至3
00℃の範囲が適当である。熱処理の時間は、一般的に
いって、1乃至10分のオーダーである。
【0073】熱処理後の容器は急冷してもよく、また放
冷してもよい。即ち、フィルムや積層板の場合には急冷
操作が容易であるが、容器の場合には、三次元状でしか
も金属による熱容量も大きいため、工業的な意味での急
冷操作はたいへんであるが、本発明では急冷操作なしで
も、結晶成長が抑制され、優れた組合せ特性が得られる
のである。勿論、所望によっては、冷風吹付、冷却水散
布等の急冷手段を採用することは任意である。
冷してもよい。即ち、フィルムや積層板の場合には急冷
操作が容易であるが、容器の場合には、三次元状でしか
も金属による熱容量も大きいため、工業的な意味での急
冷操作はたいへんであるが、本発明では急冷操作なしで
も、結晶成長が抑制され、優れた組合せ特性が得られる
のである。勿論、所望によっては、冷風吹付、冷却水散
布等の急冷手段を採用することは任意である。
【0074】得られた缶は、所望により、一段或いは多
段のネックイン加工に付し、フランジ加工を行って、巻
締用の缶とする。また、ネックイン加工に先立って、ビ
ード加工や、特公平7−5128号公報に記載された周
状多面体壁加工を施すことができる。
段のネックイン加工に付し、フランジ加工を行って、巻
締用の缶とする。また、ネックイン加工に先立って、ビ
ード加工や、特公平7−5128号公報に記載された周
状多面体壁加工を施すことができる。
【0075】[缶蓋及びその製造]本発明の樹脂被覆金
属板は、イージイオープン蓋等の缶蓋の製造にも適用す
ることができる。
属板は、イージイオープン蓋等の缶蓋の製造にも適用す
ることができる。
【0076】本発明のイージイオープン缶蓋の上面を示
す図5及び断面を拡大して示す図6において、この蓋5
0は、前述した樹脂被覆金属板から形成されており、缶
胴側面内面に嵌合されるべき環状リム部(カウンターシ
ンク)51を介して外周側に密封用溝52を備えてお
り、この環状リム部51の内側には開口すべき部分53
を区画するスコア54が設けられている。この開口すべ
き部分53の外部には、これに近接して、蓋材を缶蓋外
面側に突出させて形成したリベット55が形成され、開
口用タブ56がこのリベット55のリベット打ちにより
以下に示すように固定されている。即ち、開口用タブ5
6は、一端に押し裂きによる開口用先端57及び他端に
保持用リング58を有し、開口用先端57に近接してリ
ベット55で固定される支点部分59が存在する。開口
すべき部分53はおおむねスコア54によって囲まれて
いるが、一部は蓋材にスコア54を経ることなく蓋50
に結合されている。前述した密封用溝52には、密封用
ゴム組成物のコンパウンド(シーラント)60がライニ
ングされていて、缶胴フランジとの間に密封が行われ
る。
す図5及び断面を拡大して示す図6において、この蓋5
0は、前述した樹脂被覆金属板から形成されており、缶
胴側面内面に嵌合されるべき環状リム部(カウンターシ
ンク)51を介して外周側に密封用溝52を備えてお
り、この環状リム部51の内側には開口すべき部分53
を区画するスコア54が設けられている。この開口すべ
き部分53の外部には、これに近接して、蓋材を缶蓋外
面側に突出させて形成したリベット55が形成され、開
口用タブ56がこのリベット55のリベット打ちにより
以下に示すように固定されている。即ち、開口用タブ5
6は、一端に押し裂きによる開口用先端57及び他端に
保持用リング58を有し、開口用先端57に近接してリ
ベット55で固定される支点部分59が存在する。開口
すべき部分53はおおむねスコア54によって囲まれて
いるが、一部は蓋材にスコア54を経ることなく蓋50
に結合されている。前述した密封用溝52には、密封用
ゴム組成物のコンパウンド(シーラント)60がライニ
ングされていて、缶胴フランジとの間に密封が行われ
る。
【0077】開口に際しては、開口用タブ56のリング
58を保持して、これを上方に持上げる。これにより開
口用タブ56の開口用先端57が下方に押込まれ、スコ
ア54の一部が剪断開始される。次いで、リング58を
保持してこれを上方に引張ることにより、スコア54の
残留部が破断されて開口が容易に行われる。このタイプ
の蓋50では、タブ56が開口部分53と共に蓋から離
脱することなく、蓋に残ることになる。
58を保持して、これを上方に持上げる。これにより開
口用タブ56の開口用先端57が下方に押込まれ、スコ
ア54の一部が剪断開始される。次いで、リング58を
保持してこれを上方に引張ることにより、スコア54の
残留部が破断されて開口が容易に行われる。このタイプ
の蓋50では、タブ56が開口部分53と共に蓋から離
脱することなく、蓋に残ることになる。
【0078】上記具体例の蓋は、いわゆるステイ・オン
・タブであるが、勿論フルオープンのイージイオープン
蓋にも適用可能である。
・タブであるが、勿論フルオープンのイージイオープン
蓋にも適用可能である。
【0079】本発明の缶蓋は、前述した樹脂被覆金属板
を用いる点を除けば、それ自体公知の手段で行われる。
この工程を説明すると、先ずプレス成形工程で、樹脂被
覆金属板を円板の形に打抜くと共に、所望の蓋形状に成
形する。
を用いる点を除けば、それ自体公知の手段で行われる。
この工程を説明すると、先ずプレス成形工程で、樹脂被
覆金属板を円板の形に打抜くと共に、所望の蓋形状に成
形する。
【0080】次いで、スコア刻印工程で、スコアダイス
を用いて、蓋の外面側からスコアが金属素材の途中に達
するようにスコアの刻印を行う。スコアにおける金属素
材の残留厚み(t2)は、金属素材の元厚み(t1)に対し
て、t2/t1 ×100が10乃至50%で、t2が20乃至
150μmとなるようにするのがよい。また、スコアの
底部巾(d)は75μm以下、特に50μm以下とする
ことがフィルム層への傷の発生を防止する上で重要であ
る。
を用いて、蓋の外面側からスコアが金属素材の途中に達
するようにスコアの刻印を行う。スコアにおける金属素
材の残留厚み(t2)は、金属素材の元厚み(t1)に対し
て、t2/t1 ×100が10乃至50%で、t2が20乃至
150μmとなるようにするのがよい。また、スコアの
底部巾(d)は75μm以下、特に50μm以下とする
ことがフィルム層への傷の発生を防止する上で重要であ
る。
【0081】リベット形成工程において、リベット形成
ダイスを用いてスコアで区画された開口用部に外面に突
出したリベットを形成させ、タブ取付工程で、リベット
に開口タブを嵌合させ、リベットの突出部を鋲出してタ
ブを固定させる。リベット形成工程の代りに、接着タブ
の場合には、開口用部或いはタブにナイロン系接着剤テ
ープ等の接着剤を施こし、タブ取付工程でタブと開口用
部とを熱接着させる。最後にライニング工程において、
蓋の密封用溝に、ノズルを通して、密封用コンパウンド
をライニング塗布し、乾燥して密封剤層を形成させる。
この蓋と缶胴との二重巻締工程を説明すると、缶胴部材
のフランジとイージイオープン蓋の密封用溝部とを嵌合
させると共に、一次巻締用ロールを用いてフランジの周
囲に溝部を一次巻締させる。次いで、二次巻締工程にお
いて、このフランジ部を更に、缶胴側壁部に沿って更に
90°巻締して缶体とする。
ダイスを用いてスコアで区画された開口用部に外面に突
出したリベットを形成させ、タブ取付工程で、リベット
に開口タブを嵌合させ、リベットの突出部を鋲出してタ
ブを固定させる。リベット形成工程の代りに、接着タブ
の場合には、開口用部或いはタブにナイロン系接着剤テ
ープ等の接着剤を施こし、タブ取付工程でタブと開口用
部とを熱接着させる。最後にライニング工程において、
蓋の密封用溝に、ノズルを通して、密封用コンパウンド
をライニング塗布し、乾燥して密封剤層を形成させる。
この蓋と缶胴との二重巻締工程を説明すると、缶胴部材
のフランジとイージイオープン蓋の密封用溝部とを嵌合
させると共に、一次巻締用ロールを用いてフランジの周
囲に溝部を一次巻締させる。次いで、二次巻締工程にお
いて、このフランジ部を更に、缶胴側壁部に沿って更に
90°巻締して缶体とする。
【0082】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0083】[エポキシ当量の測定]使用するエポキシ
樹脂またはエポキシ化合物をクロロホルム及び酢酸で溶
解し,その溶液に臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶
液を加えガラス電極と比較電極を用いて,0.1N過塩
素酸酢酸溶液で滴定した。この際,電位差計の読みと,
これに対する0.1N過塩素酸酢酸溶液の滴定量との関
係を作図し,滴定曲線に得られた変曲点を終点とし,消
費した0.1N過塩素酸酢酸溶液の量によってエポキシ
当量を算出した。算出方法は,次の式によった。 EE=1000×m2/(0.1×f×(V3−V4) EE:エポキシ当量(g/eq) m2:試料の質量(g) f:0.1N過塩素酸酢酸溶液のファクター V3:終点までの滴定に消費した0.1N過塩素酸酢酸
溶液の量(ml) V4:空試験によるVに相当する量(ml)
樹脂またはエポキシ化合物をクロロホルム及び酢酸で溶
解し,その溶液に臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶
液を加えガラス電極と比較電極を用いて,0.1N過塩
素酸酢酸溶液で滴定した。この際,電位差計の読みと,
これに対する0.1N過塩素酸酢酸溶液の滴定量との関
係を作図し,滴定曲線に得られた変曲点を終点とし,消
費した0.1N過塩素酸酢酸溶液の量によってエポキシ
当量を算出した。算出方法は,次の式によった。 EE=1000×m2/(0.1×f×(V3−V4) EE:エポキシ当量(g/eq) m2:試料の質量(g) f:0.1N過塩素酸酢酸溶液のファクター V3:終点までの滴定に消費した0.1N過塩素酸酢酸
溶液の量(ml) V4:空試験によるVに相当する量(ml)
【0084】[キャストフィルムの成膜]実施例1〜1
5,比較例1〜6については,第1成分として表1に示
した組成のポリエステル樹脂,第2成分及び第3成分を
ヘンシェルミキサーで予備混合したものを,実施例16
〜18及び比較例7に関しては,第1成分として表1に
示した組成のポリエステル樹脂,第2成分及び第3成分
をバッチ式ニーダーでメルトブレンドした後,ピンミル
等にて粉砕したものを二軸押出機に投入して溶融混練
し,Tダイを通して厚さ20μmとなるように押し出し
たものを冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻
きとり,キャストフィルムとした。実施例19,20に
ついては,2台の二軸押出機を用い,多層Tダイに一つ
の層には,表1で示した組成のポリエステル樹脂を,も
う1層にはポリエチレンテレフタートの酸成分の12モル
%をイソフタル酸に置き換えた共重合樹脂を溶融押出し
たのち,このTダイを通して厚さ10μm/10μmの
2層のキャストフィルムとした。
5,比較例1〜6については,第1成分として表1に示
した組成のポリエステル樹脂,第2成分及び第3成分を
ヘンシェルミキサーで予備混合したものを,実施例16
〜18及び比較例7に関しては,第1成分として表1に
示した組成のポリエステル樹脂,第2成分及び第3成分
をバッチ式ニーダーでメルトブレンドした後,ピンミル
等にて粉砕したものを二軸押出機に投入して溶融混練
し,Tダイを通して厚さ20μmとなるように押し出し
たものを冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻
きとり,キャストフィルムとした。実施例19,20に
ついては,2台の二軸押出機を用い,多層Tダイに一つ
の層には,表1で示した組成のポリエステル樹脂を,も
う1層にはポリエチレンテレフタートの酸成分の12モル
%をイソフタル酸に置き換えた共重合樹脂を溶融押出し
たのち,このTダイを通して厚さ10μm/10μmの
2層のキャストフィルムとした。
【0085】[密着性試験]加工後の密着性は,加工後
の成形体にカッターでクロスカットを入れたところにセ
ロテープ(ニチバン社製 24mm幅)を貼り,セロテ
ープを剥離した。評価はセロテープ剥離後の成形体にお
ける樹脂皮膜の剥離状態から評価した。
の成形体にカッターでクロスカットを入れたところにセ
ロテープ(ニチバン社製 24mm幅)を貼り,セロテ
ープを剥離した。評価はセロテープ剥離後の成形体にお
ける樹脂皮膜の剥離状態から評価した。
【0086】[レトルト処理試験]95℃で蒸留水を充
填後,135℃30分のレトルト処理を行い,室温に戻
し蒸留水を抜き取り,缶内面の腐食状態を観察した。
填後,135℃30分のレトルト処理を行い,室温に戻
し蒸留水を抜き取り,缶内面の腐食状態を観察した。
【0087】[平板デントERV試験]樹脂被覆金属板
を,5℃,湿潤下にて,厚み3mm,硬度50゜のシリ
コンゴムに評価すべき被覆面を接触させて,金属板をは
さんだ反対側に直径5/8インチの鋼球を置き,1kg
のおもりを40mmから落下させて衝撃張り出し加工を
行った。衝撃加工部の樹脂皮膜の割れの程度を電圧6.
00Vでの電流値で測定し,6個の平均を取り,加工に
よる金属露出の評価を行った。
を,5℃,湿潤下にて,厚み3mm,硬度50゜のシリ
コンゴムに評価すべき被覆面を接触させて,金属板をは
さんだ反対側に直径5/8インチの鋼球を置き,1kg
のおもりを40mmから落下させて衝撃張り出し加工を
行った。衝撃加工部の樹脂皮膜の割れの程度を電圧6.
00Vでの電流値で測定し,6個の平均を取り,加工に
よる金属露出の評価を行った。
【0088】[缶デント試験]コーラを充填した缶を横
向きに静置した後,5℃において,金属板の圧延方向に
対し直角となる缶軸線上で,缶のネック加工部の缶底側
終点に,径65.5mmの球面を有する1kgのおもり
を40mmの高さから球面が缶に当たるように落下させ
て衝撃を与えた。その後,37℃の温度で貯蔵試験を行
い,1年後の缶内面の状態を観察した。
向きに静置した後,5℃において,金属板の圧延方向に
対し直角となる缶軸線上で,缶のネック加工部の缶底側
終点に,径65.5mmの球面を有する1kgのおもり
を40mmの高さから球面が缶に当たるように落下させ
て衝撃を与えた。その後,37℃の温度で貯蔵試験を行
い,1年後の缶内面の状態を観察した。
【0089】<実施例1〜20>TFS鋼鈑(板厚0.
18mm、金属クロム量120mg/m2、クロム水和
酸化物量15mg/m2)の両面に,表1に示した組成
からなるポリエステルフィルムを熱ラミネートし,ただ
ちに水冷することにより樹脂被覆金属板を得た。この
時,ラミネート前の金属板の温度は,ポリエステル樹脂
の融点より15℃高く設定した。また,ラミネートロー
ル温度は150℃,通板速度は40m/min.でラミ
ネートを行った。この有機被覆金属板にグラマーワック
スを均一に塗布した後,直径160mmの円板に打ち抜
き,常法に従って浅絞りカップを成形した。この絞り工
程における絞り比は1.59である。次いで,第1次,第2
次再絞り加工を行い,薄肉化深絞りカップを得た。再絞
り工程の成形条件及び再絞り成形された深絞りカップの
諸特性を以下に示す。 第1次再絞り比1.23 第2次再絞り比1.24 再絞りダイス作用コーナー部曲率半径0.30mm 再絞りダイス保持コーナー部曲率半径1.0mm カップ径66mm カップ高さ130mm 側壁厚み変化率-40% この後,常法に従ってドーミング成形を行った後,前記
深絞りカップを215℃で1分間熱処理し,フィルムの加
工歪みを取り除くとともに,潤滑剤を揮発させた。次い
で,66mmの開口部端部を57mmまでロールネック方
式により縮径し,フランジ加工を行って,外面側壁部の
面積が235cm2である350ml用の薄肉化シームレス缶
とした。表5にその評価結果を示す。
18mm、金属クロム量120mg/m2、クロム水和
酸化物量15mg/m2)の両面に,表1に示した組成
からなるポリエステルフィルムを熱ラミネートし,ただ
ちに水冷することにより樹脂被覆金属板を得た。この
時,ラミネート前の金属板の温度は,ポリエステル樹脂
の融点より15℃高く設定した。また,ラミネートロー
ル温度は150℃,通板速度は40m/min.でラミ
ネートを行った。この有機被覆金属板にグラマーワック
スを均一に塗布した後,直径160mmの円板に打ち抜
き,常法に従って浅絞りカップを成形した。この絞り工
程における絞り比は1.59である。次いで,第1次,第2
次再絞り加工を行い,薄肉化深絞りカップを得た。再絞
り工程の成形条件及び再絞り成形された深絞りカップの
諸特性を以下に示す。 第1次再絞り比1.23 第2次再絞り比1.24 再絞りダイス作用コーナー部曲率半径0.30mm 再絞りダイス保持コーナー部曲率半径1.0mm カップ径66mm カップ高さ130mm 側壁厚み変化率-40% この後,常法に従ってドーミング成形を行った後,前記
深絞りカップを215℃で1分間熱処理し,フィルムの加
工歪みを取り除くとともに,潤滑剤を揮発させた。次い
で,66mmの開口部端部を57mmまでロールネック方
式により縮径し,フランジ加工を行って,外面側壁部の
面積が235cm2である350ml用の薄肉化シームレス缶
とした。表5にその評価結果を示す。
【0090】<実施例21>表1に示した組成にて二軸
延伸したフィルム(延伸倍率:縦3.0倍,横3.0
倍)を用いた以外は,実施例1と同様に金属缶を成形し
た。表5にその評価結果を示す。
延伸したフィルム(延伸倍率:縦3.0倍,横3.0
倍)を用いた以外は,実施例1と同様に金属缶を成形し
た。表5にその評価結果を示す。
【0091】<実施例22>金属基材として板厚0.2
26mmのアルミ合金板(A3004H39材)を用い
た以外は,実施例1と同様に金属缶を成形した。表5に
その評価結果を示す。
26mmのアルミ合金板(A3004H39材)を用い
た以外は,実施例1と同様に金属缶を成形した。表5に
その評価結果を示す。
【0092】<実施例23>250℃に加熱したTFS
鋼鈑(板厚0.18mm、金属クロム量120mg/m
2、クロム水和酸化物量15mg/m2)上に、表1に
示した組成の樹脂をドライブレンドしてエクストルージ
ョン・ラミネーション設備を備えたφ65mm押出機に
供給し、厚さ20μmとなるように溶融押出しを行いT
FS片面側にラミネートした。次いで、同じ樹脂成分を
エクストルージョン・ラミネーション設備を備えたφ6
5mm押出機に供給した後、板温度を樹脂の融点より3
0℃低い温度に加熱し、厚さ20μmとなるように溶融
押出しを行い、もう一方の面にラミネートした。次い
で,実施例1と同様の加工工程にて金属缶を成形した。
表5にその評価結果を示す。
鋼鈑(板厚0.18mm、金属クロム量120mg/m
2、クロム水和酸化物量15mg/m2)上に、表1に
示した組成の樹脂をドライブレンドしてエクストルージ
ョン・ラミネーション設備を備えたφ65mm押出機に
供給し、厚さ20μmとなるように溶融押出しを行いT
FS片面側にラミネートした。次いで、同じ樹脂成分を
エクストルージョン・ラミネーション設備を備えたφ6
5mm押出機に供給した後、板温度を樹脂の融点より3
0℃低い温度に加熱し、厚さ20μmとなるように溶融
押出しを行い、もう一方の面にラミネートした。次い
で,実施例1と同様の加工工程にて金属缶を成形した。
表5にその評価結果を示す。
【0093】<実施例24>金属基材として板厚0.2
26mmのアルミ合金板(A3004H39材)を用い
た以外は,実施例24と同様に金属缶を成形した。表5
にその評価結果を示す。
26mmのアルミ合金板(A3004H39材)を用い
た以外は,実施例24と同様に金属缶を成形した。表5
にその評価結果を示す。
【0094】<実施例25、26>250℃に加熱した
板厚0.25mmのアルミニウム合金(A5052H3
8材)上に、表1に示した組成の樹脂をドライブレンド
してエクストルージョン・ラミネーション設備を備えた
φ65mm押出機に供給し、厚さ20μmとなるように
溶融押出しを行いTFS片面側にラミネートした。次い
で、同じ樹脂成分をエクストルージョン・ラミネーショ
ン設備を備えたφ65mm押出機に供給した後、板温度
を樹脂の融点より30℃低い温度に加熱し、厚さ20μ
mとなるように溶融押出しを行い、もう一方の面にラミ
ネートした。得られた樹脂被覆金属板について、樹脂被
覆面が蓋の内面側となるように直径68.7mmの蓋を
打ち抜き、次いで蓋の外面側にパーシャル開口型のスコ
ア加工(幅22mm、スコア残厚110μm、スコア幅
20μm)、リベット加工ならびに開封用タブの取り付
けを行い、SOT蓋の作製を試みた結果、実用上良好な
成形ができた。次いで、作製したSOT蓋を、実施例1
で作製した金属缶と組み合わせてデント試験及び耐レト
ルト試験を実施したところ、いずれも腐食の発生はみと
められず、容器としての実用性能が得られた。
板厚0.25mmのアルミニウム合金(A5052H3
8材)上に、表1に示した組成の樹脂をドライブレンド
してエクストルージョン・ラミネーション設備を備えた
φ65mm押出機に供給し、厚さ20μmとなるように
溶融押出しを行いTFS片面側にラミネートした。次い
で、同じ樹脂成分をエクストルージョン・ラミネーショ
ン設備を備えたφ65mm押出機に供給した後、板温度
を樹脂の融点より30℃低い温度に加熱し、厚さ20μ
mとなるように溶融押出しを行い、もう一方の面にラミ
ネートした。得られた樹脂被覆金属板について、樹脂被
覆面が蓋の内面側となるように直径68.7mmの蓋を
打ち抜き、次いで蓋の外面側にパーシャル開口型のスコ
ア加工(幅22mm、スコア残厚110μm、スコア幅
20μm)、リベット加工ならびに開封用タブの取り付
けを行い、SOT蓋の作製を試みた結果、実用上良好な
成形ができた。次いで、作製したSOT蓋を、実施例1
で作製した金属缶と組み合わせてデント試験及び耐レト
ルト試験を実施したところ、いずれも腐食の発生はみと
められず、容器としての実用性能が得られた。
【0095】<比較例1〜6>表1に示した組成からな
るポリエステルフィルムを用いた以外は,実施例1と同
様に金属缶の成形を試みた。表5にその評価結果を示
す。
るポリエステルフィルムを用いた以外は,実施例1と同
様に金属缶の成形を試みた。表5にその評価結果を示
す。
【0096】<比較例7>表1に示した組成からなるポ
リエステルフィルムを用いた以外は,実施例21,22
と同様に金属缶の成形を試みた。表5にその評価結果を
示す。
リエステルフィルムを用いた以外は,実施例21,22
と同様に金属缶の成形を試みた。表5にその評価結果を
示す。
【0097】<比較例8>表1に示した組成からなるポ
リエステルフィルムを用いた以外は,実施例26と同様
にSOT蓋の作製を試みた結果、見かけ上良好な成形が
可能であったが、デント試験や耐レトルト試験において
は、顕著に腐食が発生し、容器としての実用性能に乏し
いものであった。
リエステルフィルムを用いた以外は,実施例26と同様
にSOT蓋の作製を試みた結果、見かけ上良好な成形が
可能であったが、デント試験や耐レトルト試験において
は、顕著に腐食が発生し、容器としての実用性能に乏し
いものであった。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】
【表5】
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、金属基体と該基体表面
に設けられた熱可塑性ポリエステル層とからなる樹脂被
覆金属板において、熱可塑性ポリエステル層として、熱
可塑性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃
至25重量%のエポキシ樹脂との組成物からなる変性ポ
リエステル層を含有するものを用いることにより、レト
ルト殺菌に耐える耐高温湿熱性を付与し、しかも耐衝撃
性をも顕著に向上させることができる。この樹脂被覆金
属板では、被覆樹脂層の金属基体への密着性が一層向上
し、更に高速製缶に対応できる加工性をも備えているた
め、金属缶や缶蓋の製造に特に適している。
に設けられた熱可塑性ポリエステル層とからなる樹脂被
覆金属板において、熱可塑性ポリエステル層として、熱
可塑性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃
至25重量%のエポキシ樹脂との組成物からなる変性ポ
リエステル層を含有するものを用いることにより、レト
ルト殺菌に耐える耐高温湿熱性を付与し、しかも耐衝撃
性をも顕著に向上させることができる。この樹脂被覆金
属板では、被覆樹脂層の金属基体への密着性が一層向上
し、更に高速製缶に対応できる加工性をも備えているた
め、金属缶や缶蓋の製造に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる樹脂被覆金属板の断面構造の一
例を示す拡大断面図である。
例を示す拡大断面図である。
【図2】本発明に用いる樹脂被覆金属板の断面構造の他
の例を示す拡大断面図である。
の例を示す拡大断面図である。
【図3】樹脂被覆金属板の製造工程の一例を示す説明図
である。
である。
【図4】金属缶の製造に用いる曲げ伸ばし・しごき工程
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図5】本発明のイージイオープン缶蓋の一例を示す上
面図である。
面図である。
【図6】図5の缶蓋の断面を拡大して示す拡大断面図で
ある。
ある。
【符号の説明】 1 樹脂被覆金属板 2 金属基体 3 変性ポリエステル層 4 熱可塑性ポリエステル層 5 ポリエステル表面層 6 積層樹脂層 11 金属板 12a、12b 加熱ロール 13 チルロール 14 ニップロール 15 ダイヘッド 16 薄膜 17 積層体 30 前絞りカップ 31 保持部材 32 しごきダイス 33 しごきポンチ 34 平面部 35 作用コーナー部 36 アプローチ部 37 曲率部 38 ランド部 40 外周面 41 曲率コーナー部 42 環状底面 50 蓋 51 環状リム部 52 密封用溝 53 開口すべき部分 54 スコア 55 リベット 56 開口用タブ 57 開口用先端 58 保持用リング 59 支点部分
Claims (11)
- 【請求項1】 金属基体と該基体表面に設けられた熱可
塑性ポリエステル層とからなる樹脂被覆金属板におい
て、前記熱可塑性ポリエステル層が少なくとも、熱可塑
性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃至2
5重量%のエポキシ樹脂との組成物からなる変性ポリエ
ステル層を含有するものであることを特徴とする樹脂被
覆金属板。 - 【請求項2】 前記組成物中の熱可塑性ポリエステルが
芳香族ジカルボン酸を主体とするカルボン酸成分と脂肪
族ジオールを主体とするアルコール成分とから誘導され
たポリエステルである請求項1記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項3】 前記カルボン酸成分の50モル%以上が
テレフタール酸成分からなり且つ前記アルコール成分の
50モル%以上がエチレングリコール成分からなる請求
項2記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項4】 前記エポキシ樹脂が150乃至5000
のエポキシ当量を有するものである請求項1乃至3の何
れかに記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項5】 前記エポキシ樹脂がビスフェノール類と
エピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂、ノボ
ラック類とエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ
樹脂或いはこれらの変性物である請求項1乃至4の何れ
かに記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項6】 前記エポキシ樹脂が不飽和エポキシ化合
物が共重合或いはグラフト共重合された樹脂である請求
項1乃至4の何れかに記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項7】 前記変性ポリエステル層が、エチレン系
重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート及びポ
リカーボネートからなる群より選択された改質樹脂成分
の少なくとも1種を更に含有するものである請求項1記
載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項8】 前記樹脂改質成分が熱可塑性ポリエステ
ル当たり50重量%迄の量で含有されている請求項7記
載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項9】 前記変性ポリエステル層が少なくとも金
属基体と接する側に位置している請求項1乃至8の何れ
かに記載の樹脂被覆金属板。 - 【請求項10】 請求項1乃至9の何れかに記載の樹脂
被覆金属板から形成された金属缶。 - 【請求項11】 請求項1乃至9の何れかに記載の樹脂
被覆金属板から形成された缶蓋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10039453A JPH11235784A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10039453A JPH11235784A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11235784A true JPH11235784A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=12553471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10039453A Withdrawn JPH11235784A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11235784A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001087594A1 (fr) * | 2000-05-19 | 2001-11-22 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Plaque metallique recouverte de resine, boite metallique et couvercle de boite |
JP2005254627A (ja) * | 2004-03-11 | 2005-09-22 | Jfe Steel Kk | 缶蓋用ラミネート金属板及び缶蓋の製造方法 |
JP2005324468A (ja) * | 2004-05-14 | 2005-11-24 | Idemitsu Unitech Co Ltd | 熱ラミネート用多層フィルム、多層フィルムラミネート金属板及び多層フィルムラミネート金属板の製造方法 |
JP2009073495A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-09 | Daiwa Can Co Ltd | 金属製キャップ |
JP2014091244A (ja) * | 2012-11-02 | 2014-05-19 | Jfe Steel Corp | 容器用樹脂被覆金属板 |
US20220204752A1 (en) * | 2020-12-31 | 2022-06-30 | Industrial Technology Research Institute | Biodegradable polyester and method for preparing the same |
-
1998
- 1998-02-20 JP JP10039453A patent/JPH11235784A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001087594A1 (fr) * | 2000-05-19 | 2001-11-22 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Plaque metallique recouverte de resine, boite metallique et couvercle de boite |
US6764730B2 (en) | 2000-05-19 | 2004-07-20 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Resin-coated metal plate, metal can and can cap |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050510 |