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JPH11221024A - ポリペプチド、ポリペプチド混合物及び乳化剤 - Google Patents

ポリペプチド、ポリペプチド混合物及び乳化剤

Info

Publication number
JPH11221024A
JPH11221024A JP10025257A JP2525798A JPH11221024A JP H11221024 A JPH11221024 A JP H11221024A JP 10025257 A JP10025257 A JP 10025257A JP 2525798 A JP2525798 A JP 2525798A JP H11221024 A JPH11221024 A JP H11221024A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gln
polypeptide
ser
phe
val
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10025257A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunobu Tsumura
和伸 津村
Wataru Kugimiya
渉 釘宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP10025257A priority Critical patent/JPH11221024A/ja
Publication of JPH11221024A publication Critical patent/JPH11221024A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】食品をはじめ化粧品、医薬品などの分野に於い
て、乳化力に優れ、安定なエマルションを調製できる乳
化剤を提供すること。 【解決手段】例えば、大豆β-コングリシニンにプロテ
アーゼを作用させて分子量8000以下(SDS-ポリアク
リルアミド電気泳動法による)、N-末端アミノ酸配列が
Asn-Phe-Leu-Ala-Gly-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-
Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-のポリ
ペプチド、該ペプチドを含む乳化剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品をはじめ化粧
品、医薬品などの分野に於いて、エマルションの調製に
際し利用することができるポリペプチド及び該ポリペプ
チドを用いた乳化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】大豆蛋白質は、高い栄養価ばかりでな
く、乳化性、ゲル形成性、保水性等の様々な機能特性を
備えていることから優れた食品素材として使用されてき
た。従来、エマルションの製造には乳化剤としてグリセ
ロール脂肪酸エステル、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル等の天然或いは合成乳化
剤、或いは上記大豆蛋白をはじめ、乳蛋白、小麦蛋白等
の蛋白質系乳化剤が使用されてきたが、これら一般に用
いられている合成乳化剤は風味上の観点から食品エマル
ションの製造には適当ではなく、更に蛋白質系乳化剤は
一般に乳化力が弱く、他の乳化剤を併用する必要があっ
た。
【0003】近年、健康や安全を指向することから天然
系乳化剤とりわけ蛋白質系乳化剤が注目され、乳蛋白で
は、特定のアミノ酸配列を有するポリペプチドを用いる
方法(特開昭58-174232号公報)やバターミルクから得
られる特定の画分(特開平8-51934号公報)などが知ら
れており、小麦蛋白では、ある特定の部分分解物(特開
昭64-14274号公報)などが知られている。大豆蛋白で
は、特定の条件で酵素分解する方法(特開昭56-26171号
公報、特開昭57-16674号公報、特開平6-197788号公報)
などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の実情に鑑み、本
発明は食品をはじめ化粧品、医薬品などの分野に於い
て、乳化力に優れ、安定なエマルションを調製できる乳
化剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、大豆蛋白とりわけβ-
コングリシニンにプロテアーゼを作用させて得られる、
特定のポリペプチドが乳化力に優れ、安定なエマルショ
ンを調製できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】即ち、本発明は、N-末端アミノ酸配列がAs
n-Phe-Leu-Ala-Gly-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-Gln-
Ile-Pro-Ser-Gln-Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-で分子量8
000以下のポリペプチドである。又、本発明は、N-末
端アミノ酸配列がAsn-Phe-Leu-Ala-Gly-Ser-Gln-Asp-As
n-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-Val-Gln-Glu-Leu-
Ala-Phe-で分子量8000以下のポリペプチドを30%以
上含むポリペプチド混合物である。又、本発明は、N-末
端アミノ酸配列がAsn-Phe-Leu-Ala-Gly-Ser-Gln-Asp-As
n-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-Val-Gln-Glu-Leu-
Ala-Phe-で分子量8000以下のポリペプチドを含む乳
化剤である。N-末端アミノ酸配列がAsn-Phe-Leu-Ala-Gl
y-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-
Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-で分子量8000以下のポリ
ペプチドを30%以上含む乳化剤が好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のポリペプチドは、大豆蛋
白、特に所謂7S画分であるβ-コングリシニンにプロテ
アーゼを作用させて特定のポリペプチドとして得りこと
が出来る。又、アミノ酸合成により該ペプチドを合成す
ることも出来る。 該ポリペプチドの分子量は8000
以下(SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法による)が適
当である。
【0008】又、そのN-末端アミノ酸配列が、Asn-Phe-
Leu-Ala-Gly-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pr
o-Ser-Gln-Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-である。
【0009】又、本発明のポリペプチド混合物は、該ポ
リペプチドを30%以上含む。又、本発明の乳化剤は、上
記ポリペプチドを含むものであり、その含有量は30%以
上が適当であ。それ以下では乳化剤としての機能が劣
る。
【0010】本発明のポリペプチド、ポリペプチド混合
物及び乳化剤の製造法の一例を示す。
【0011】本発明のポリペプチドは、β-コングリシ
ニンにプロテアーゼを作用させて得られる加水分解物に
油脂を加えてエマルションを調製し、ポリペプチドをエ
マルションに濃縮させた後、該ポリペプチドが濃縮され
たエマルションから油脂を除去して、該ポリペプチドを
分離して製造することが出来る。
【0012】本発明のポリペプチドは、β-コングリシ
ニンを含む大豆蛋白を基質として、プロテアーゼで分解
することができる。ここで用いられるプロテアーゼは、
特に制限はなくパパイン、ペプシン、トリプシン、ズブ
チリシン等が使用可能であるが、上記の性質を有するポ
リペプチドを多く生成しうる酵素としてパパインが好適
に使用される。
【0013】本発明の乳化剤として用いるポリペプチド
は、β-コングリシニンを含む大豆蛋白、好ましくは公
知の方法(例えばThanh and Shibasakiの方法;J.Agri
c.Food Chem.,24,1117(1976)を例示できる)でβ-コン
グリシニンを分画或いは濃縮したものを基質とし、その
0.5%〜15%溶液に対して、プロテアーゼを基質固形分
に対して、0.001〜1%、好ましくは0.01〜0.5%の範囲
で添加され、20℃〜90℃、好ましくは30〜80℃に於いて
pH=5〜10、好ましくはpH=6〜9で、5分〜2時間、好ま
しくは10分〜1時間反応させることで実施できる。尚、
反応条件は、用いる酵素剤の至適温度、至適pHや安定pH
および目的のポリペプチドの生成量から決定される。
【0014】酵素反応終了後、反応液から目的のポリペ
プチドを分離あるいは濃縮するには、pH分画、ゲルろ
過、イオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動、
吸着法等の公知の分離手法を組み合わせて行うことが可
能であり、必要あれば殺菌や乾燥を行う。
【0015】本発明の乳化剤は、上記ポリペプチドを含
む(好ましくは30重量%以上)ものである。
【0016】本発明の乳化剤は、水と油脂を含み油滴が
乳化分散された水中油型乳化組成物の調製に於いて有効
に用いられる。水中油型乳化組成物の調製に用いられる
油脂は、水中油型乳化を形成するものであれば特に限定
されることなく種々のものを用いることができ、動植物
由来の食用油脂例えば、牛脂、豚脂、魚油、大豆油、な
たね油、ヤシ油、パーム油等及びこれらの硬化油、分別
油、エステル交換油等、その他にシリコン油、香油、機
械油、石油分留物等を挙げることができる。
【0017】本発明の乳化剤を用いて得られる水中油型
乳化組成物の水相対油相の構成比は、特に限定されない
が2/8〜9/1で好ましくは3/7〜8/2の比率(重量比)
となるように調製することが好ましい。本発明のポリペ
プチド乳化剤の添加量は、乳化組成物の水相対油相の構
成比や油相の種類により異なるが、その全量に対して通
常0.01〜10重量%好ましくは0.05〜5重量%の範囲であ
ることが好ましい。
【0018】本発明のポリペプチド乳化剤には、乳化を
安定させる目的で従来より用いられている界面活性剤を
併用することもできる。例えば、グリセロール脂肪酸エ
ステル、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、アルキル
アミン誘導体、アルキルアルコール、アルキル糖誘導体
等の天然或いは合成乳化剤を挙げることができる。ま
た、乳化を補助して粘弾性を付与する目的で本発明のポ
リペプチド乳化剤以外の蛋白質や多糖類を添加してもよ
い。これら蛋白質の例としては、大豆蛋白、小麦蛋白、
乳蛋白、卵白、卵黄、血液蛋白、魚肉蛋白、畜肉蛋白な
どの動植物由来の蛋白質やその分解物等を挙げることが
できる。また、公知のpH安定剤や蛋白溶解剤、例えば無
機燐酸塩類、有機酸、EDTA等を使用することは任意であ
る。
【0019】本発明のポリペプチド乳化剤を用いて乳化
組成物の調製は、公知の乳化或いは均質化方法を用いて
調製することができる。乳化の温度は、油相成分の性質
に依存することがあるが、乳化剤の主成分であるポリペ
プチドの機能低下しない範囲で、一般に10〜100℃、好
ましくは20〜90℃がよい。
【0020】本発明のポリペプチド乳化剤は、水中油型
乳化組成物の調製に於いて、例えばクリーム類、マヨネ
ーズ、ドレッシング、ペースト類などの乳化食品をはじ
め、乳化香料、経腸栄養剤、化粧品乳液等に使用するこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施様態を具体
的に説明するが、本発明がこれらによってその技術範囲
が限定されるものではない。
【0022】実施例1 Thanh and Shibasaki,J.Agric.Food Chem.,24,1117(197
6)の方法に従って得た大豆のβ-コングリシニンの2重量
%溶液100mlをpH7、70℃に調整し、固形物重量当たり0.
01%のパパイン(Sigma社製)を加え、30分酵素反応を
行った。該反応液を100℃、5分加熱して酵素を失活さ
せ、pH5に調整し、遠心分離した上清を凍結乾燥し、凍
結乾燥物200mgを得た。凍結乾燥物の0.5重量%溶液(pH
5)40mlに大豆油13.3mlを加え、超音波分散機で乳化物
を調製した。該乳化物を遠心分離し、水層と乳化層に分
離し、乳化層を回収した。該乳化層をクロロホルム-メ
タノール(2:1)溶媒で洗浄、風乾して、固形物(ポリ
ペプチド混合物)70mgを得た。(収率3.5%)
【0023】上記ポリペプチド混合物をSDS-電気泳動で
分析したところ、分子量5000乃至6000のポリペプチドが
50%を占めるものであった(デンシトメーターによる定
量)。SDS-電気泳動したゲルからこれら5000乃至6000の
バンドをPVDF膜に転写し、プロテインシケンサーでこれ
らポリペプチドのN末端アミノ酸配列を調べたところ、
どちらもAsn-Phe-Leu-Ala-Gly-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Il
e-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-
から構成されるポリペプチドであった。
【0024】実施例2及び比較例1 実施例1で得たポリペプチド混合物の乳化力を濁度法に
て評価した(J.Agric.Food Chem.,26,716(1978)の方法
を参照)。即ち、0.05重量%溶液(pH7)1mlに大豆油0.
25mlを加え、超音波分散機で乳化物を調製し、0.1%SDS
溶液で500倍に希釈して溶液濁度を測定(500nmの吸光
度)した。比較として、実施例1のパパイン反応液のpH
5上清乾燥物(以下比較例1)の乳化力を上記同様の方
法で評価した。
【0025】乳化力(500nmの吸光度) ポリペプチド混合物(実施例2) 0.35 pH5上清乾燥物 (比較例1) 0.18 ポリペプチド混合物は高い乳化力であった。
【0026】実施例3 実施例1で得たポリペプチド混合物のN末端アミノ酸配
列に対応する23残基のポリペプチドをペプチド合成機に
て合成した。この合成ペプチドを用い、実施例2の方法
(但し、0.02重量%溶液(pH7)1mlを用いた以外は同
様)で乳化力を評価したところ、乳化力(500nmの吸光
度)は0.75であった。このように、上記N末端アミノ酸
配列に対応する23残基が高い乳化力に必須であった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、食品をはじめ化粧品、
医薬品などの分野に於いて、エマルションの調製に際し
利用することができるポリペプチド、ポリペプチド混合
物及び乳化剤が提供できる。
【0028】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:23 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Phe Leu Ala Gly Ser Gln Asp Asn Val 1 5 10 Ile Ser Gln Ile Pro Ser Gln Val Gln Glu 11 15 20 Leu Ala Phe 21 23
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01F 17/30 B01F 17/30 C07K 14/42 ZNA C07K 14/42 ZNA

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N-末端アミノ酸配列がAsn-Phe-Leu-Ala-Gl
    y-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-
    Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-で分子量8000以下のポリ
    ペプチド。
  2. 【請求項2】N-末端アミノ酸配列がAsn-Phe-Leu-Ala-Gl
    y-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-
    Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-で分子量8000以下のポリ
    ペプチドを30%以上含むポリペプチド混合物。
  3. 【請求項3】N-末端アミノ酸配列がAsn-Phe-Leu-Ala-Gl
    y-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-
    Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-で分子量8000以下のポリ
    ペプチドを含む乳化剤。
  4. 【請求項4】N-末端アミノ酸配列がAsn-Phe-Leu-Ala-Gl
    y-Ser-Gln-Asp-Asn-Val-Ile-Ser-Gln-Ile-Pro-Ser-Gln-
    Val-Gln-Glu-Leu-Ala-Phe-で分子量8000以下のポリ
    ペプチドを30%以上含む乳化剤。
JP10025257A 1998-02-06 1998-02-06 ポリペプチド、ポリペプチド混合物及び乳化剤 Pending JPH11221024A (ja)

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