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JPH11217055A - ガス発生器 - Google Patents

ガス発生器

Info

Publication number
JPH11217055A
JPH11217055A JP10311872A JP31187298A JPH11217055A JP H11217055 A JPH11217055 A JP H11217055A JP 10311872 A JP10311872 A JP 10311872A JP 31187298 A JP31187298 A JP 31187298A JP H11217055 A JPH11217055 A JP H11217055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
combustion
combustion chambers
combustion chamber
space
Prior art date
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Granted
Application number
JP10311872A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3986184B2 (ja
Inventor
Seigo Taguchi
征吾 田口
Hiroyuki Ochi
博之 越智
Kenji Sako
賢二 佐古
Yoshiyuki Kishino
喜行 岸野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP31187298A priority Critical patent/JP3986184B2/ja
Publication of JPH11217055A publication Critical patent/JPH11217055A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3986184B2 publication Critical patent/JP3986184B2/ja
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  • Air Bags (AREA)
  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、エアバッグを展開初期の段階で緩
慢に膨張展開させ、その後に急速に膨張展開を可能とな
し、これによってエアバッグ本来の機能を発揮できるガ
ス発生器を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、ハウジング1の密閉空間S内
を、内筒材2によって燃焼空間S1とガス通過空間S2
に画成する。又内筒材2に装入される仕切部材5によっ
て上下2つの燃焼室3、4に画成し、各燃焼室3、4内
にガス発生剤6、フィルタ部材7及び点火器8、9を配
置する。更に、各燃焼室3、4をフィルタ部材7を介し
て互いに連通する。そして、自動車の衝突の際に、点火
器8、9を時間差を持って作動させる事で、上側燃焼室
3の燃焼による少量のガスのみでエアバッグの展開初期
の段階で緩やかに膨張展開させ、その後に下側燃焼室4
から追加される多量のガスによって急速に膨張展開させ
る様にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエアバッ
グを膨張展開させるものに係わり、特に、エアバッグの
展開形態を制御できるガス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の衝突時に生じる衝撃から自動車
の乗員を保護するため、急速にエアバッグを展開膨張さ
せる為のガス発生器は、ステアリングホイール内やイン
ストルメントパネル内に装着されたエアバッグモジュー
ルに組み込まれている。そして、ガス発生器は、衝突の
際に衝突センサからの衝突検出信号により瞬時に多量の
高温ガスを発生させるものである。
【0003】エアバッグを膨張展開させるガス発生器の
一例としては、図16に示す様に、有蓋の二重円筒構造
の上下容器101,102の内筒同士及び外筒同士を突
合せて摩擦圧接する事により環状の密閉空間が形成され
たハウジング100を備え、このハウジング100の密
閉空間内に、内筒から径外方に向かってガス発生剤10
3及び筒状のフィルタ部材104を順次収納したもので
ある。又、内筒内には、衝突センサからの衝突検出信号
によって点火される点火具105と、この点火具105
の点火により着火される伝火剤106とが配置されてい
る。
【0004】そして、ガス発生器は、衝突センサからの
衝突検出信号による点火具105の点火で伝火剤106
を着火し、更に伝火剤106の火炎を内筒の導火孔10
7を介して密閉空間内に噴出させることで、ガス発生剤
103を着火燃焼させ、瞬時に多量の高温ガスを発生さ
せる。この多量の高温ガスは、フィルタ部材104に流
入し、ここでスラグ捕集と冷却を経て、上容器101の
複数のガス放出孔101aからエアバッグ内に放出さ
れ、エアバッグを急速に膨張展開させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のガス発生器で
は、自動車衝突の形態(低速衝突、高速衝突など)や乗
員の着座姿勢(正規着座、前屈みなどの非正規着座な
ど)の如何に拘らず、衝突センサからの衝突検出信号に
よって点火具を点火し、瞬時に多量のガスを発生してエ
アバッグを急速に膨張展開させている。従って、乗員が
ステアリングホイールやインストルメントパネルの近傍
に着座するとき、又は自動車が低速衝突するときには、
急速に膨張展開されるエアバッグによって乗員が衝撃を
受ける(パンチング現象)ことが生じており、乗員を保
護するエアバッグ本来の機能を発揮できないという問題
があった。
【0006】本発明は、エアバッグを展開初期の段階で
緩慢に膨張展開させ、その後に急速に膨張展開させる制
御を可能となし、これによって、エアバッグ本来の機能
を発揮できるガス発生器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明のガス発生器では、ハウジング内の密閉空間
を、複数の燃焼室に画成し、各燃焼室内にガス発生剤、
フィルタ部材及び点火器を配置すると共に、各燃焼室は
フィルタ部材を介して互いに連通する構成としたもので
ある。これによって、各点火器を時間差を設けて作動さ
せることを可能となし、エアバッグの展開初期には一の
燃焼室のみで発生したガスにより緩やかに膨張展開さ
せ、その後に、他の燃焼室で発生したガスの追加により
急速に膨張展開させる多段展開制御を可能にしたもので
ある。又、仕切部材によって2つの燃焼室に画成するこ
とで、エバッグを2段展開制御できる。更に、各燃焼室
が互いに連通されていることから、複数の点火器を時間
差で作動させることで、ハウジングから放出されるガス
の時間的な圧力上昇と最高圧力を制御できる。特に、各
燃焼室をフィルタ部材を介して連通させると、各燃焼室
で発生するガスがフィルタ部材によって冷却されて、他
の燃焼室に流れてガス発生剤を直ちに燃焼させるとこと
がなく、点火器によって各燃焼室のガス発生剤を時間差
を持って強制着火できる。
【0008】本発明になるガス発生器であって、運転席
用のガス発生器に適用されるものの具体的構成として
は、各燃焼室内に突出する長尺内筒、或いは短尺内筒に
各点火器を夫々配置して、密閉空間を、内筒材にて該内
筒材の内外側の燃焼空間とガス通過空間に画成し、燃焼
空間を内筒材と長尺内筒間に装入される仕切部材によっ
て、ガス通過空間を通して互いに連通する上下2つの燃
焼室に画成すると共に、各燃焼室内にガス発生剤とフィ
ルタ部材を配置して構成した方式のもの、各燃焼室内に
突出する長尺内筒、或いは短尺内筒に各点火器を夫々配
置して、密閉空間を、内筒材及び該内筒材に装入される
フィルタ部材にて内外側に燃焼空間とガス通過空間に画
成し、燃焼空間をフィルタ部材と長尺内筒間に装入され
る仕切部材によって、ガス通過空間及びフィルタ部材を
通して互いに連通する上下2つの燃焼室に画成すると共
に、各燃焼室内にガス発生剤を配置して構成した方式の
もの、各燃焼室内に突出する長尺内筒、或いは短尺内筒
に各点火器を夫々配置して、密閉空間を、外筒と長尺内
筒間に装入される仕切部材によって、上下2つの燃焼室
に画成し、各燃焼室内にガス発生剤とフィルタ部材を配
置すると共に、仕切部材によって、各燃焼室のフィルタ
部材を通して各燃焼室を互いに連通するガス通孔を形成
して構成した方式のもの、とを採用する。
【0009】又、本発明になるガス発生器であって、助
手席用のガス発生器に適用されるものの具体的構成とし
ては、長尺円筒状の外筒の密閉空間を、外筒に装入され
る仕切部材によって、左右2つの燃焼室に画成し、各燃
焼室内にガス発生剤、フィルタ部材及び内筒材を配置す
ると共に、仕切部材に各燃焼室のフィルタ部材を通して
各燃焼室を互いに連通するガス通孔を形成して構成した
方式のもの、長尺円筒状の外筒の密閉空間を、内筒材に
て内外側の燃焼空間とガス通過空間とに画成し、燃焼空
間を内筒材に装入される仕切部材によって、ガス通過空
間を通して互いに連通される左右2つの燃焼室に画成す
ると共に、各燃焼室にガス発生剤とフィルタ部材を配置
して構成した方式のもの、長尺円筒状の外筒の密閉空間
を、内筒材と該内筒材に装入されたフィルタ部材にて内
外側の燃焼空間とガス通過空間とに画成し、燃焼空間を
フィルタ部材に装入される仕切部材によって、ガス通過
空間及びフィルタ部材を通して互いに連通される左右2
つの燃焼室に画成すると共に、各ガス発生室にガス発生
剤を配置して構成した方式のもの、とを採用する。
【0010】又、点火器を配置する長尺内筒は、ハウジ
ングの強度を考慮して、ハウジングの中心部に配置し且
つ下側燃焼室、仕切部材を貫通して上蓋に接合させるよ
うにするのが好ましい。仕切部材を長尺内筒の段部に当
接して位置決めすることで、簡単な構造で上下2つの燃
焼室を画成でき、段部を調整することで上下2つの燃焼
室の容積を容易に変更でき、又仕切部材に上側燃焼室に
突出する凸部を設けることで、点火器を短尺内筒内に容
易に配置することができる。
【0011】更に、仕切部材に、燃焼熱の伝達を抑制す
るクッション部材を設ける構成とすると、一方の燃焼室
で発生した燃焼熱の伝達を遮断でき、2つの燃焼室のガ
ス発生剤の燃焼を時間差をもって点火させる点火器によ
って確実に調整可能となし得る。
【0012】又、内筒材を、エクスパンディッドメタル
により形成すると、エクスパンディッドメタル自体は、
内外周面に突出して互いに連通した多数のガス通過孔を
有するものであるから、エクスパンディッドメタル層自
体がガス通過空間を形成することになり、内筒材と外筒
及びフィルタ部材とを密着させて配置させることが可能
となるので、これらの部材の位置決めや配置が容易とな
る。
【0013】更に、フィルタ部材を、メリヤス編み金
網、或いはクリンプ織り線材の集合体で成形すると、安
価に製作できる利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態におけるガス発
生器について説明する。本発明のガス発生器は、ハウジ
ング内を2つの燃焼室に画成し、各燃焼室内に装填され
るガス発生剤を各燃焼室内に配置された点火器によっ
て、独立して点火可能となすことにより、エアバッグの
展開形態を制御可能としたものである。又、2つの燃焼
室をフィルタ部材を介して互いに連通し、点火器を時間
差を以て作動することで、ハウジングから放出されるガ
スの圧力上昇と最高圧力を制御可能としたものである。
【0015】以下、運転席用エアバッグに用いられるガ
ス発生器と、助手席用エアバッグに用いられるガス発生
器とを、図1〜図14に基づいて説明する。
【0016】先ず、図1〜図5に示す運転席用エアバッ
グのガス発生器X1〜X3について説明する。
【0017】図1及び図3の運転席用ガス発生器X1
は、短円筒状のハウジング1と、ハウジング1内に装入
される内筒材2と、内筒材2内を上下2つの燃焼室3、
4に画成する仕切部材5と、各燃焼室3、4内に配置さ
れるガス発生剤6及びフィルタ部材7と、各燃焼室3、
4のガス発生剤6を夫々独立して燃焼させる2つの点火
器8、9とを備えている。
【0018】ハウジング1は、上容器10と下容器11
とで、内部に密閉空間Sを形成する構造とされている。
上容器10は、短円筒状の外筒12の上端部を上蓋13
で閉塞することで有蓋円筒形状にされており、アルミ合
金などで一体成形されている。外筒12の上蓋13側に
は、密閉空間Sに開口する複数のガス放出孔12aが形
成されており、これら各ガス放出孔12aは外筒12の
内周に貼着されたバーストプレート15で閉鎖されてい
る。このバーストプレート15は、例えばアルミ箔等で
形成されており、ハウジング1内の防湿と燃焼時の内圧
調整の役割を果たすものである。又、上蓋13の中央部
には、外筒12と同心円状として内部に突出する内筒突
起14が成形されている。
【0019】下容器11は、短円筒状のフランジ筒部1
6の下端部を下蓋17で閉塞することで有底円筒形状に
されており、アルミ合金などで一体成形されている。フ
ランジ筒部16の上端部には、径外方に水平に折れ曲が
るサイドフランジ20が一体成形されており、このサイ
ドフランジ20は図示しないエアバッグモジュールのリ
テーナに取付けられる。又、下蓋17には、その中央部
にフランジ筒部16と同心円状にして配置される長尺内
筒18と、この長尺内筒18とフランジ筒部16との間
に配置される短尺内筒19とがフランジ筒部16内に突
出するように一体形成されている。
【0020】ハウジング1は、上容器10の外筒12の
下端周面を下蓋17内の底周縁面に突合せると共に、内
筒突起14の下端周面を長尺内筒18の上端周面に突合
わせ溶接(例えば、摩擦圧接)により接合することで、
外筒12の上下端部を各蓋13、17で閉塞する二重円
筒構造とされ、内部に環状の密閉空間Sが形成されてい
る。ハウジング1の密閉空間Sは、外筒12と短尺内筒
19との間に位置し、長尺内筒18に同心円状として装
入された内筒材2によって、この内筒材2の内周と長尺
内筒18の外周との間の環状の燃焼空間S1と、その外
周と外筒12の内周との間の環状のガス通過空間S2と
に画成されている。内筒材2は、その軸方向と周方向に
亘って各空間S1とS2を連通する複数のガス通過孔2
aが形成されている。又、内筒材2は下蓋17から上蓋
13近傍まで延びており、長尺内筒18の外周に圧入さ
れた蓋材21によって上端部が閉鎖されている。
【0021】この内筒材2としては、図6(a)に示す
ように、所定間隔で多数のスリット22aが形成された
母材22を一様に引っ張ることで、図6(b)に示すよ
うな複数のガス通過孔2aが開口するエクスパンディッ
ドメタルを用いて製作される。そして、内筒材2は、図
6(c)に示すように、所定長さと幅を有するエクスパ
ンディッドメタルを円筒状に成形し、終端同士をスポッ
ト溶接などの接合方法によって固着することにより製作
する。尚、母材22はステンレス薄鋼板或いはステンレ
ス以外の薄鋼板を用いる。
【0022】このように、エクスパンディッドメタルで
内筒材2を製作すると、各スリット22aの部分は、図
6(a)に示す矢印方向への引張加工時に、図7に示す
如く母材22の平面部Bから高さhだけ内外周側に反り
返った形状にされる。したがって、内筒材2は、その外
周に各スリット22aの部分で高さhだけ突出して周方
向に開口して軸方向に延びる複数のガス通過孔2aが形
成され、且つ各ガス通過孔2aがその周方向で相互に連
通される構造となる。
【0023】そして、エクパンディッドメタル製の内筒
材2を、ハウジング1内に装入すると、各燃焼室3、4
のガス発生剤6の燃焼による高圧高温ガスによって膨
張、変形されても、高さhだけ内外周側に突出する複数
のガス通過孔2aからガスを各ガス放出孔12aに向け
て通過させることが可能となる。したがって、エクスパ
ンディッドメタルで内筒材2を成形した場合には、外筒
12の内周面に接触するように配置しても、この外筒1
2の内周側に連続した環状空間を形成でき、この環状空
間をガス通過空間S2とすることが可能となる。
【0024】尚、内筒材2は、エクスパンディッドメタ
ルで製作するものに限定されず、所定間隔で複数のガス
通過孔2aを形成した多孔薄鋼板(パンチングプレート
など)を、円筒状に成形して、終端同士をスポット溶接
などの接合方法により接合して製作しても良い。このパ
ンチングプレート製の内筒材2では、外筒12の内周と
の間でガス通過空間S2を画成するような間隔を設ける
必要がある。
【0025】内筒材2内の燃焼空間S1は、上蓋13及
び下蓋17との間にこれらと略平行に配置された仕切部
材5によって、上下2つの燃焼室3、4に画成される。
この仕切部材5は、内筒材2内に圧入自在な円板形状に
されており、その中心部に長尺内筒18を貫通させる貫
通穴23を有している。又仕切部材5には、貫通穴23
に対して偏心して短尺内筒19上を覆うように突出する
コップ状の凸部24が形成されている。
【0026】仕切部材5は、下容器11の開口端から内
筒材2の内周に装入され、貫通穴13を長尺内筒18に
嵌め込んで、長尺内筒18の段部18aに当接して位置
決めされる。これで、仕切部材5は、凸部24の開口側
が短尺内筒19上に対峙する状態でハウジング1の軸方
向に上下2つの燃焼室3、4を画成している。そして、
各燃焼室3、4内には、ガス発生剤6が装填され、これ
を囲繞するようにフィルタ部材7が配置されている。
【0027】各燃焼室3、4のフィルタ部材7は、内筒
材2内に装入自在な円筒形状にされている。上側燃焼室
3のフィルタ部材7は、内筒材2に装入されて仕切部材
5から蓋材21に当接するまで延在しており、又下側燃
焼室4のフィルタ部材7は内筒材2に装入されて下蓋1
7から仕切部材5に当接するまで延在している。
【0028】このフィルタ部材7としては、図8(a)
に示すメリヤス編み金網、或いは図8(b)に示すクリ
ンプ織り金属線材の集合体を、図8(c)の如く円筒形
状にプレス成形して安価に製作することが好ましい。こ
れで、各燃焼室3、4は、各フィルタ部材7、内筒材2
の各ガス通過孔2a及びガス通過空間S2を通して相互
に連通する構造にされている。
【0029】又、下側燃焼室4のガス発生材6と仕切部
材5との間には、仕切部材5に当接するクッション部材
25が配置されている。このクッション部材25は、ガ
ス発生剤6の振動による粉化防止と、各燃焼室3、4の
相互間での熱伝達を抑制する断熱材としての機能をも兼
ね備えている。したがって、クッション部材25として
は、セラミックス繊維などの断熱機能を有する弾性材を
用いることが好ましい。又、上側燃焼室3のガス発生剤
6と蓋材21との間には、蓋材21に当接するクッショ
ン部材26が配置されている。このクッション部材26
もガス発生剤6の振動による粉化防止の機能を備えるも
ので、シリコンゴムやシリンコン発泡体などの弾性材を
用いることが好ましいが、セラミックス繊維などにより
断熱機能を有するものであっても構わない。
【0030】各点火器8、9は、保持部27Aと、この
保持部27A先端に配置された着火部27Bとで構成さ
れ、内筒突起14と長尺内筒18で形成される収納空間
と、仕切部材5の凸部24内と短尺内筒19で形成され
る収納空間に夫々独立して配置されている。各点火器
8、9は、長尺内筒18内、短尺内筒19内に形成され
たテーパー状の段部28にシール部材29(ゴムシー
ト)を介在させて気密に当接されており、各内筒18、
19先端のカシメ部30を内側に折り曲げることでカシ
メ固定されている。
【0031】これで、長尺内筒18の点火器8は、着火
部27Bが収納空間内に突出されて、着火部27Bの着
火による火炎を長尺内筒18の複数の導火孔18bを通
して上側燃焼室3内に噴出させる。又、短尺内筒19の
点火器9は、着火部27Bがクッション部材25を貫通
して凸部24内に突出されて、着火部27Bの着火によ
る火炎を仕切部材5と短尺内筒19間の隙間を通して下
側燃焼室4内に噴出させる。これらの点火器8、9は、
図示しない衝突センサからの衝突検出信号に基づいて点
火するものである。
【0032】次に、運転席用ガス発生器X1の作動につ
いて説明する。
【0033】衝突センサが自動車の衝突を検出すると、
先ず、上側燃焼室3側の点火器8のみを作動させること
で、着火部27Bを着火させる。着火部27Bの着火炎
は、各導火孔18bから上側燃焼室3に噴出されて、こ
の火炎でガス発生剤6を強制着火して燃焼させることで
高温ガスを発生させる。このとき、上側燃焼室3内で発
生した燃焼熱は、クッション部材25の断熱機能によっ
て伝熱が抑制(鈍化)されて、下側燃焼室4のガス発生
剤6が同時に着火するのを防止されている。
【0034】上側燃焼室3で発生した高温ガスは、フィ
ルタ部材7に流入し、このフィルタ部材7でのスラグ捕
集と冷却を経て、内筒材2の各ガス通過孔2aからガス
通過空間S2内に流出する。そして、上側燃焼室3での
燃焼と共にガス圧が上昇して、所定圧力に達すると、バ
ーストプレート15が破られ、ガス通過空間S2で均一
化された清浄ガスが、各ガス放出孔12aからエアバッ
グ内に放出される。
【0035】このとき、上側燃焼室3で発生した高温ガ
スの一部は、フィルタ部材7、内筒材2、ガス通過空間
S2などを通して下側燃焼室4内に流出する。これで、
上側燃焼室3での燃焼は、ガス通過空間S2などで連通
される下側燃焼室4を含むハウジング1全体の容積(密
閉空間S)を以て行われることになり、その増加された
容積(下側燃焼室4の容積)だけ圧力上昇が抑制(鈍
化)される圧力特性となる。又、下側燃焼室4内に流出
するガスの熱量は、下側燃焼室4側の内筒材2とフィル
タ部材7を通過するときに吸収(冷却)され、温度が低
下してフィルタ部材7から下側燃焼室4内に噴出される
ので、下側燃焼室4のガス発生剤6を直ちに自然着火さ
せることがない。
【0036】そして、エアバッグは、圧力上昇の抑制
(鈍化)された少量の清浄なガスによって、緩やかで、
弱めに張られるようにして膨張展開される。この意味
で、ガス通過空間S2のガス通過のための断面積を調整
して、下側燃焼室4に流出させるガス流量を制御するこ
とで、適切な圧力上昇特性にされた少量のガスでエアバ
ッグを膨張展開させる。
【0037】続いて、上側燃焼室3の燃焼開始後、微小
時間差をおいて下側燃焼室4の点火器9を作動させる
と、下側燃焼室4内のガス発生剤6が強制着火されて燃
焼が始まり高温ガスを発生させる。下側燃焼室4で発生
した高温ガスは、上側燃焼室3と同様にして、内筒材2
の各ガス通過孔2aからガス通過空間S2内に流出さ
れ、各ガス放出孔12aからエアバッグ内に放出される
ことから、エアバッグは両燃焼室3、4から放出される
多量の清浄なガスによって急速な膨張展開に移行され
る。
【0038】このとき、下側燃焼室4での燃焼は、上側
燃焼室3と同様に、ガス通過空間S2などで上側燃焼室
3に連通されるハウジング1全体の容積(密閉空間S)
を以て行われる。したがって、エアバッグに放出される
清浄ガスは、点火器9の作動時におけるハウジング1全
体のガス圧(上側燃焼室3の燃焼によるガス圧)に加え
て、下側燃焼室4での燃焼によるガス圧による圧力上昇
特性を持つことになり、これらのガス圧の平衡圧力を最
高圧力Pmaxとして、エアバッグを急速に膨張展開さ
せる。
【0039】この意味で、各点火器8、9の微小時間差
を大きくする程に、上側燃焼室3で燃焼されたガスが下
側燃焼室4を含むハウジング1全体の容積に広がり得る
ことから、エアバッグに放出される圧力上昇を緩やかな
特性とすることができ、最高圧力Pmaxも低く抑えら
れることになる。これによって、各点火器8、9を作動
させる微小時間差を適宜変更することで、エアバッグに
放出するガスの圧力上昇特性と最高圧力Pmaxを制御
でき、エアバッグを膨張展開させる時に、乗員に与える
衝撃を和らげることが可能となる。
【0040】尚、上側燃焼室3での燃焼が開始される
と、高温ガスの一部は、ガス通過空間S2などを通して
下側燃焼室4に流入する。この流入する高温ガスは、燃
焼の開始された初期の段階では、ガス通過空間S2から
下側燃焼室4側の内筒材2、フィルタ部材7を通過する
間に冷却されるので、下側燃焼室4のガス発生剤6を自
然着火させるまでに至らないが、上側燃焼室3の燃焼が
進んで下側燃焼室4のフィルタ部材7の温度が上昇する
と、遂には、下側燃焼室4のガス発生剤6を自然着火さ
せることになる。
【0041】したがって、各点火器8、9によって、各
燃焼室3、4のガス発生剤6を微小時間差で強制着火す
るには、下側燃焼室4内に流入する高温ガスの熱量によ
って、下側燃焼室4のガス発生剤6が自然着火するまで
のタイミングを微小時間差より遅らせる必要がある。
【0042】この意味で、上側燃焼室3から下側燃焼室
4に流出する燃焼ガス量(熱量)を制御する必要がある
が、この制御はガス通過空間S2のガス通過のための断
面積によって調整できる。
【0043】又、各点火器8、9の作動は、微小時間差
をおいて行うことを必ずしも要するものでなく、自動車
の衝突態様などによって各点火器8、9の作動を適宜選
択するものである。
【0044】例えば、高速度での正面衝突や斜め前方衝
突の如き重要な衝突では、各点火器8、9を同時に作動
する。これで、エアバッグは各燃焼室3、4で発生した
多量で急激な圧力上昇の特性を持つガスによって急速に
膨張展開され、そのガス圧の最高圧力Pmaxも高いも
のとできる。
【0045】又、中程度の衝突では、各点火器8、9を
微小時間差を以て作動する。これで、エアバッグは、展
開初期の段階で、ガスの圧力上昇の抑えられた少量のガ
スで緩やかに膨張展開され、微小時間差後に圧力特性の
高められた多量のガスによって急速に膨張展開され、そ
のガス圧の最高圧力Pmaxは高速度での正面衝突など
に比して抑えられたものとできる。
【0046】更に、軽程度の衝突では、1つの点火器8
のみを作動することで、上側燃焼室3のガス発生剤6を
強制着火させると共に、下側燃焼室4に流出される高温
ガスなどによって下側燃焼室4のガス発生剤6を自然着
火する。この自然着火により発生するガスは乗員保護に
は寄与しないレベルの時間差でエアバッグ内に放出され
るので、該エアバッグはゆっくりと膨張展開される。
又、この自然着火により、1つの点火器8のみを作動さ
せる場合でも下側燃焼室4のガス発生剤6は完全に燃焼
して残ることがない。従って、ガス発生器X1は、極め
て広範囲の最高圧力が点火器8、9の強制着火次第で調
整可能となる。
【0047】このように、運転席用ガス発生器X1によ
れば、各点火器8、9を微小時間差を以て作動させるこ
とで、エアバッグの展開初期で上側燃焼室3のみから発
生し、圧力上昇の抑えられた少量のガスによって緩やか
に膨張展開させ、その後に、両燃焼室3、4から発生
し、圧力上昇の高められた多量のガスによって急速に膨
張展開させる展開制御を行える(2段階でエアバッグへ
のガス放出量とガス圧力の制御を行える)。
【0048】したがって、運転席の乗員がステアリング
ホイールの近い部分に着座していても、エアバッグ展開
初期における急速な膨張展開による衝撃を受けることな
く、安全にエアバッグ本来の機能が発揮される。
【0049】又、内筒材2をエクスパンディッドメタル
によって製作すると、エクスパンディッドメタルの内外
周側には開口形成時の反り返りによって、図7に示す如
く母材22の基準平面Bから高さhの突出部が形成され
る。これで、エクスパンディッドメタル製の内筒材2
を、外筒12の内周とフィルタ部材7の外周に接して配
置しても、エクスパンディッドメタル自体にガス通過空
間S2を一体に形成させることが可能となる。
【0050】図2及び図3の運転席用ガス発生器X2に
ついて説明する。
【0051】図2及び図3のガス発生器X2は、図1の
ガス発生器X1に対して、フィルタ部材7を両燃焼室
3、4に亘って配置した点が異なり、図1及び図3と同
一部材は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0052】図2において、フィルタ部材7は、内筒材
2内に装入されており、下容器11の下蓋17から蓋材
21の間に亘って延びている。仕切部材5は、下容器1
1の開口端からフィルタ部材7の内周に装入され、貫通
穴23を長尺内筒18に嵌め込んで、長尺内筒18の段
部18aに当接して位置決めされる。これで、仕切部材
5は、凸部24の開口側が短尺内筒19上に対峙する状
態でハウジング1の軸方向に上下2つの燃焼室3、4を
画成している。そして、各燃焼室3、4内には、ガス発
生剤6が装填されている。又、各燃焼室3、4は、フィ
ルタ部材7を通して相互に連通する構造にされている。
【0053】次に、運転席用ガス発生器X2の作動につ
いて説明する。
【0054】衝突センサが自動車の衝突を検出して、上
燃焼室3側の点火器8のみが作動されると、図1と同様
に、上側燃焼室3で発生した高温ガスは、フィルタ部材
7でスラグ捕捉と冷却を経て、ガス通過空間S2で均一
化された後に、エアバッグへの放出が開始される。
【0055】このとき、上側燃焼室3で発生した燃焼ガ
スの一部は、フィルタ部材7などを通して下側燃焼室4
内に流出されることから、エアバッグは、上側燃焼室3
のみで発生して圧力上昇の抑制(鈍化)された少量の清
浄なガスによって、緩やかで、弱めに張られるようにし
て膨張展開される。尚、図1のガス発生器X1と同様に
して、フィルタ部材7やガス通過空間S2のガス通過の
ための断面積を調整することで、適切な圧力上昇特性に
する。
【0056】又、フィルタ部材7内に流入した高温ガス
の一部は、下側燃焼室4内に流入するが、そのガスの熱
量は、下側燃焼室4側のフィルタ部材7を通過するとき
に吸収(冷却)され、温度が低下して下側燃焼室4に噴
出されるので、下側燃焼室4のガス発生剤6を直ちに自
然着火させることがない。
【0057】続いて、上側燃焼室3の燃焼開始後、微小
時間差をおいて下側燃焼室4の点火器9を作動させる
と、下側燃焼室4内のガス発生剤6の燃焼が始まり、図
1と同様に、エアバッグは、両燃焼室3、4から放出さ
れる多量の清浄なガスによって急速な膨張展開に移行さ
れる。
【0058】このとき、下側燃焼室4での燃焼は、上側
燃焼室3と同様に、フィルタ部材7などで上側燃焼室3
に連通されるハウジング1全体の容積を以て行われるこ
とから、エアバッグに放出される清浄ガスは、点火器9
の作動時におけるハウジング1全体のガス圧に加えて、
下側燃焼室4での燃焼によるガス圧による圧力上昇特性
とになり、これらのガス圧の平衡圧力を最高圧力Pma
xとして、エアバッグを急速に膨張展開することにな
る。尚、図1のガス発生器X1と同様にして、各点火器
8、9を作動する時間差を適宜調整することで、自動車
の衝突態様に応じて、所定の圧力上昇特性と最高圧力P
maxにされるものである。
【0059】このように、運転席用ガス発生器X2によ
れば、図1と同様に、エアバッグの展開制御を容易に行
えることになり、安全にエアバッグ本来の機能を発揮で
きる。
【0060】又、各燃焼室3、4で発生する燃焼ガスの
スラグ捕集と冷却を、一体物のフィルタ部材7で行う構
成とすると、各燃焼室3、4内の夫々にフィルタ部材7
を配置する図1のガス発生器X1に比して、部品点数を
減少して製造コストの低減を図れる。
【0061】図4及び図5の運転席用ガス発生器X3に
ついて説明する。
【0062】図4及び図5のガス発生器X3は、図1の
ガス発生器X1に対して、内筒材2を設けないで、外筒
12の内周に仕切部材5を装入することで上下2つの燃
焼室3、4に画成し、この仕切部材5に各燃焼室3、4
を互いに連通するガス通孔5aを形成した点などが異な
り、図1及び図3と同一部材は同一の符号を付して重複
説明を省略する。
【0063】図4及び図5において、仕切部材5は、下
容器11の開口端から外筒12の内周に装入され、貫通
穴23を長尺内筒18に嵌め込んで、長尺内筒18の段
部18aに当接して位置決めされている。これで、仕切
部材5は、凸部24の開口側が短尺内筒19上に対峙す
る状態でハウジング1の軸方向に上下2つの燃焼室3、
4を画成している。又、仕切部材5の外周縁には、複数
のガス通孔5aが形成されている。各ガス通孔5aは、
図5にも示すように、ハウジング1の周方向に90度の
角度を隔てて4つ形成されており、ハウジング1の軸方
向で仕切部材5を貫通して各燃焼室3、4を連通してい
る。そして、各燃焼室3、4内には、ガス発生剤6が装
填され、これを囲繞するようにフィルタ部材7が配置さ
れている。
【0064】各フィルタ部材7は、下蓋17から仕切部
材5まで延び、又は仕切部材5から蓋材21まで延びて
各燃焼室3、4内に配置されている。又、各フィルタ部
材7は、仕切部材5側の端部で各ガス通孔5aを覆って
おり、外筒12の内周との間にガス通過空間S2を画成
している。これで、各燃焼室3、4は、各フィルタ部材
7、各ガス通孔5aを通して相互に連通される構造にさ
れている。又、上容器10の外筒12には、各燃焼室
3、4のガス通過空間S2と外部とを連通する複数のガ
ス放出孔12aが夫々形成されている。
【0065】次に、運転席用ガス発生器X3の作動につ
いて説明する。
【0066】衝突センサが自動車の衝突を検出して、上
燃焼室3側の点火器8のみが作動されると、図1と同様
に、上側燃焼室3で発生した燃焼ガスは、フィルタ部材
7でスラグ捕捉と冷却を経て、ガス通過空間S2で均一
化された後に、エアバッグへの放出が開始される。
【0067】このとき、上側燃焼室3で発生した燃焼ガ
スの一部は、フィルタ部材7、各ガス通孔5aを通して
下側燃焼室4内に流出されることから、エアバッグは、
上側燃焼室3のみで発生して圧力上昇の抑制(鈍化)さ
れた少量の清浄なガスによって、緩やかで、弱めに張ら
れるようにして膨張展開される。尚、図1のガス発生器
X1と同様にして、ガス通孔5aの開口面積や数を調整
することで、適切な圧力上昇特性にする。
【0068】続いて、上側燃焼室3の燃焼開始後、微小
時間差をおいて下側燃焼室4の点火器9を作動させる
と、下側燃焼室4内のガス発生剤6の燃焼が始まり、図
1と同様に、エアバッグは、両燃焼室3、4から放出さ
れる多量の清浄なガスによって急速な膨張展開に移行さ
れる。
【0069】このとき、下側燃焼室4での燃焼は、上側
燃焼室3と同様に、各ガス通孔5aなどで上側燃焼室3
に連通されるハウジング1全体の容積を以て行われるこ
とから、エアバッグに放出される清浄なガスは、点火器
9の作動時におけるハウジング1全体のガス圧に加え
て、下側燃焼室4での燃焼によるガス圧による圧力上昇
特性とになり、これらのガス圧の平衡圧力を最高圧力P
maxとして、エアバッグを急速に膨張展開することに
なる。尚、図1のガス発生器X1と同様にして、各点火
器8、9を作動する時間差を適宜調整することで、自動
車の衝突態様に応じて、所定の圧力上昇特性と最高圧力
Pmaxにされるものである。
【0070】このように、運転席用ガス発生器X3によ
れば、図1と同様に、エアバッグの展開制御を容易に行
えることになり、安全にエアバッグ本来の機能を発揮で
きる。
【0071】尚、運転席用ガス発生器X1〜X3におい
ては、上側燃焼室3のガス発生剤6を燃焼させた後に、
下側燃焼室4のガス発生剤6を燃焼させる形態について
説明したが、これに限定されるものでなく、下側燃焼室
4の燃焼後に、上側燃焼室3を燃焼させるようにしても
良い。又、各燃焼室3、4の容積を変えて、一方を大き
く、他方を小さくし、大容量の燃焼室側から点火するよ
うになすこともできる。
【0072】次に、図9〜図14に示す助手席用エアバ
ッグのガス発生器Y1〜Y3について説明する。
【0073】図9及び図10に示す助手席用ガス発生器
Y1は、長尺円筒状のハウジング31と、ハウジング3
1内を左右2つの燃焼室33、34に画成する仕切部材
35と、各燃焼室33、34内に夫々配置されるガス発
生剤36、フィルタ部材37及び内筒材32と、各燃焼
室33、34のガス発生剤36を夫々独立して燃焼させ
る点火器38、39とを備えている。
【0074】ハウジング31は、両端開口の長尺円筒状
の外筒42と、この外筒42の両開口をそれぞれ閉鎖す
る2つの蓋部材41とで構成されている。このハウジン
グ31は、各蓋部材41を外筒42の両開口端から嵌め
込んで、外筒42の両側から突出するカシメ突起42b
を径内方に折り曲げることで、内部に密閉空間Sを形成
する構造とされている。
【0075】外筒42の外周には、助手席用のエアバッ
グ(図示しない)に通じる複数のガス放出孔42aが形
成されている。各ガス放出孔42aは、図10(a)に
も示すように、ハウジング31の周方向に180度の角
度を隔てて軸方向に延びる直線上に形成されて、2つの
ガス孔列r1、r2を構成している。各ガス孔列r1、
r2のガス放出孔42aは、外筒42の軸方向に亘って
所定間隔毎に順次形成されており、外筒42の内周に貼
着された帯状のバーストプレート47で夫々閉鎖されて
いる。このバーストプレート47は、例えばアルミ箔等
で形成されており、各ガス孔列r1、r2ごとのガス放
出孔42aを閉鎖するに足る長さと幅を有している。
尚、バーストプレート45としては、1枚のものを外筒
42の内周に渡って貼ることを排除するものでない。
【0076】ハウジング31の密閉空間Sは、仕切部材
35によってハウジング31の軸方向で左右2つの燃焼
室33、34に画成されている。仕切部材35は、外筒
42の内周に装入されて各燃焼室33、34を画成して
おり、外筒42の外周に施される絞り加工(外筒42の
径を減少させる加工)によって、カシメ固定されてい
る。又、仕切部材35には、その外周縁側に複数のガス
通孔35aが形成されている。各ガス通孔35aは、図
10(b)に示すように、ハウジング31の周方向に9
0度の角度を隔てて4つ形成されており、ハウジング3
1の軸方向で仕切部材35を貫通して各燃焼室33、3
4を連通している。そして、仕切部材35で画成された
各燃焼室33、34内には、ガス発生剤36が装填さ
れ、これを囲繞するようにフィルタ部材37及び内筒材
32の順に配置されている。
【0077】各フィルタ部材37は、各蓋部材41の凸
部41aに嵌め込まれており、仕切部材35まで延びる
端部で各ガス通孔35aを覆って仕切部材35を挟持し
ている。これで、各燃焼室33、34は、各フィルタ部
材37、各ガス通孔35aを通して互いに連通する構造
にされている。このフィルタ部材37としては、図8
(a)〜(c)に示すように、メリヤス編み金網、或い
はクリンプ織り金属線材の集合体を、円筒状に成形する
ことで製作される。又、フィルタ部材37は、ハウジン
グ31の軸方向に順次積層される複数のフィルタユニッ
トに分割して構成しても良く、このフィルタユニットの
積層数を適宜変更することで、ハウジング31の長さに
対応させてフィルタ部材37を配置できる。
【0078】各内筒材32は、各燃焼室33、34のフ
ィルタ部材37の外周に嵌められて、外筒42の内周と
の間に環状のガス通過空間S2を形成している。各内筒
材32は、フィルタ部材37と共に各蓋部材41の凸部
41aに嵌め込まれており、各蓋部材41から仕切部材
35まで延びている。又、各内筒材32の周面には、フ
ィルタ部材37内とガス通過空間S2とを連通する複数
のガス通過孔32aが形成されている。各ガス通過孔3
2aは、図10(a)にも示すように、ハウジング31
の周方向から見て各ガス放出孔42aと対峙しないずれ
た部位に開口しており、且つハウジング31の軸方向に
亘って形成されている。これで、内筒材32の各ガス通
過孔32aから流出するガスは、直接、外筒42の各ガ
ス放出孔42aに向かうことなく、一旦外筒42の内周
に衝突されて該外筒42でスラグ捕集と冷却が行われた
後に、各ガス放出孔42aからエアバッグ内に放出され
る。
【0079】この内筒材32としては、図6及び図7と
同様に、エクスパンディッドメタルで円筒状に成形する
ことが好ましいが、パンチングプレートを円筒状に成形
して製作しても良い。そして、内筒材32をエクスパン
ディッドメタルで製作すると、外筒42の内周とフィル
タ部材37の外周とに接するように配置でき、図1と同
様に、エクスパンディッドメタルでガス通過空間S2を
形成できる。
【0080】各点火器38、39は、伝火剤44と、伝
火剤44を着火する点火具45からなり、外筒42の両
開口を閉塞する各蓋部材41に設けられて、各燃焼室3
3、34内のガス発生剤36を夫々独立して燃焼させる
ものである。各点火具45は、各蓋部材41の凸部41
a内にカシメ固定されている。又、各伝火剤44は、各
蓋部材41の凸部41aに嵌め込まれた鍔付きキャップ
46内に収納されており、凸部41aに隙間を隔てて点
火具45と対峙している。
【0081】鍔付きキャップ46の突出側46aは、フ
ィルタ部材37内に装入されており、伝火剤44の着火
炎を各燃焼室33、34のフィルタ部材37内に噴出さ
せる貫通孔46bを有している。キャップ46の鍔部4
6cは、フィルタ部材37の蓋部材41側を閉鎖して外
筒42内周まで延びて、蓋部材41とフィルタ部材3
7、内筒材32で挟持されている。又、鍔部46cは、
蓋部材41に介装されたシール材47に弾接されて、各
燃焼室33、34を外部から密閉している。
【0082】次に、助手席用ガス発生器Y1の作動につ
いて説明する。
【0083】衝突センサが自動車の衝突を検出すると、
先ず、左側燃焼室33側の点火器38のみを作動させる
ことで、伝火剤44を着火させる。伝火剤44の着火炎
は、鍔付きキャップ46の貫通孔46bから左側燃焼室
33内に噴出されて、この火炎でガス発生剤36を強制
着火して燃焼させることで高温ガスを発生させる。
【0084】このとき、左側燃焼室33で発生した高温
ガスの一部は、フィルタ部材37、各ガス通孔35aを
通して右側燃焼室34内に流出する。これで、左側燃焼
室33での燃焼は、各ガス通孔35aなどで連通される
右側燃焼室34を含むハウジング31全体の容積(密閉
空間S)を以て行われることになり、その増加された容
積(右側燃焼室34の容積)だけ圧力上昇が抑制(鈍
化)される圧力特性となる。又、右側燃焼室34内に流
出するガスの熱量は、右側燃焼室34側の内筒材32と
フィルタ部材37を通過するときに吸収(冷却)され、
温度が低下してフィルタ部材37から右側燃焼室34内
に噴出されるので、右側燃焼室34のガス発生剤36を
直ちに自然着火させることがない。
【0085】そして、エアバッグは、圧力上昇の抑制
(鈍化)された少量の清浄ガスによって、緩やかで、弱
めに張られるようにして膨張展開される。この意味で、
仕切部材35のガス通孔35aの開口面積と数を調整し
て、右側燃焼室34に流出させるガス流量を制御するこ
とで、適切な圧力上昇特性にされた少量のガスでエアバ
ッグを膨張展開させることができる。
【0086】続いて、左側燃焼室33の燃焼開始後、微
小時間差をおいて右側燃焼室34の点火器39を作動さ
せると、右側燃焼室34内のガス発生剤36が強制着火
されて燃焼が始まり高温ガスを発生させる。右側燃焼室
34で発生した高温ガスは、左側燃焼室33と同様にし
て、内筒材32の各ガス通過孔32aからガス通過空間
S2に放出され、各ガス放出孔42aからエアバッグ内
に放出されることから、エアバッグは両燃焼室33、3
4から放出される多量の清浄ガスによって急速な膨張展
開に移行される。
【0087】このとき、右側燃焼室34での燃焼は、左
側燃焼室33と同様に、各ガス通孔35aなどで左側燃
焼室33に連通されるハウジング31全体の容積(密閉
空間S)を以て行われる。したがって、エアバッグに放
出される清浄ガスは、点火器39の作動時におけるハウ
ジング31全体のガス圧(左側燃焼室33の燃焼による
ガス圧)に加えて、右側燃焼室34での燃焼によるガス
圧による圧力上昇特性を持つことになり、これらのガス
圧の平衡圧力を最高圧力Pmaxとして、エアバッグを
急速に膨張展開する。
【0088】この意味で、各点火器38、39の微小時
間差を大きくする程に、左側燃焼室33で燃焼されたガ
スが右側燃焼室34を含むハウジング31全体の容積に
広がり得ることから、エアバッグに放出される圧力上昇
を緩やかな特性とでき、最高圧力Pmaxも低く抑えら
れることになる。
【0089】これによって、各点火器38、39を作動
させる微小時間差を適宜変更することで、エアバッグに
放出するガスの圧力上昇特性と最高圧力Pmaxを制御
でき、エアバッグを膨張展開させる時に、乗員に与える
衝撃を和らげることが可能となる。この結果、エアバッ
グは、展開初期で左側燃焼室33のみで発生し、圧力上
昇の抑えられた少量の清浄ガスによって緩やかに膨張展
開を開始し、微小時間差をおいて両燃焼室33、34で
発生し、所定の圧力特性と最高圧力Pmaxにされた多
量の清浄ガスにより急速に膨張展開することになる。
【0090】このように、助手席用ガス発生器Y1によ
れば、助手席の乗員がインストルメントパネルの近い部
分に着座していても、エアバッグ展開初期における急速
な膨張展開による衝撃を受けることなく、安全にエアバ
ッグ本来の機能が発揮される。
【0091】図11及び図12の助手席用ガス発生器Y
2について説明する。
【0092】図11及び図12のガス発生器Y2は、図
9のガス発生器Y1に対して、ハウジング31及び仕切
部材35の構成と、内筒材32を両燃焼室33、34に
亘って配置した点が異なり、図9及び図10と同一部材
は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0093】図11及び図12のガス発生器Y2は、一
端が開口された有底で長尺円筒状の外筒62と、外筒6
2の開口端を閉鎖する蓋部材41とで、内部に密閉空間
Sを形成するハウジング31を構成している。
【0094】ハウジング31は、蓋部材41の外周端に
形成された環状リブ41bと外筒62の開口端を突合せ
溶接(例えば、摩擦圧接)により接合することで、内部
に密閉空間Sを形成する構造とされている。外筒62に
は、図10(a)と同様に、各ガス孔列r1、r2ごと
に複数のガス放出孔62aが形成されている。又外筒6
2の底には、密閉空間S内に突出する突起部62bが形
成されている。ハウジング31の内部には、外筒62の
底と蓋部材41に亘って内筒材32が配置されている。
内筒材32は、ハウジング31の密閉空間Sを、該内筒
材32の内周側の燃焼空間S1、その外周と外筒62の
内周の間のガス通過空間S2とに画成している。
【0095】内筒材32の燃焼空間S1内は、内筒材3
2内に圧入される仕切部材35によって、左右2つの燃
焼室33、34に画成されている。各燃焼室33、34
内には、ガス発生剤36が装填され、これを囲繞するよ
うに内筒材32内にフィルタ部材37が配置されてい
る。
【0096】各フィルタ部材37は、内筒材32と共に
突起部62b及び蓋部材41の凸部41aに嵌め込まれ
ており、仕切部材35まで延びる端部で仕切部材35を
挟持している。これで、各燃焼室33、34は、各フィ
ルタ部材37、内筒材32のガス通過孔32a、ガス通
過空間S2を通して相互に連通する構造にされている。
【0097】又、蓋部材41、突起部62bには、図9
と同様に、点火器38、39の点火具45がカシメ固定
され、又伝火剤44が鍔付きキャップ46によって点火
具45と対峙するように設けられている。蓋部材41側
の鍔付きキャップ46は、鍔部46c先端を外筒62と
蓋部材41との溶接時に形成されるバリ62cに当接し
て固定されている。64は蓋部材41側のキャップ46
の鍔部46cと燃焼室34のフィルタ部材37の端部と
の間に介装された環状のシールプレートである。
【0098】次に、助手席用ガス発生器Y2の作動につ
いて説明する。
【0099】衝突センサが自動車の衝突を検出して、左
燃焼室33側の点火器38のみが作動されると、図9と
同様に、左側燃焼室33で発生した燃焼ガスは、フィル
タ部材37でスラグ捕捉と冷却を経て、ガス通過空間S
2で均一化された後に、エアバッグへの放出が開始され
る。
【0100】このとき、左側燃焼室33で発生した燃焼
ガスの一部は、フィルタ部材37、ガス通過空間S2を
通して右側燃焼室34内に流出されることから、エアバ
ッグは、左側燃焼室33のみで発生して圧力上昇の抑制
(鈍化)された少量の清浄ガスによって、緩やかで、弱
めに張られるようにして膨張展開される。尚、図9のガ
ス発生器Y1と同様にして、ガス通過空間S2のガス通
過のための断面積を調整することで、適切な圧力上昇特
性にする。
【0101】続いて、左側燃焼室33の燃焼開始後、微
小時間差をおいて右側燃焼室34の点火器39を作動さ
せると、右側燃焼室34内のガス発生剤36の燃焼が始
まり、図9と同様に、エアバッグは、両燃焼室33、3
4から放出される多量の清浄なガスによって急速な膨張
展開に移行される。
【0102】このとき、右側燃焼室34での燃焼は、左
側燃焼室33と同様に、ガス通過空間S2で左側燃焼室
33に連通されるハウジング1全体の容積を以て行われ
ることから、エアバッグに放出される清浄なガスは、点
火器39の作動時におけるハウジング1全体のガス圧に
加えて、右側燃焼室34での燃焼によるガス圧との圧力
上昇特性となり、これらのガス圧の平衡圧力を最高圧力
Pmaxとして、エアバッグを急速に膨張展開すること
になる。
【0103】このように、助手席用ガス発生器Y2によ
れば、図9の助手席用ガス発生器Y1と同様に、エアバ
ッグの展開制御を容易に行えることになり、安全にエア
バッグ本来の機能を発揮できる。
【0104】図13及び図14に示す助手席用ガス発生
器Y3について説明する。
【0105】図13及び図14のガス発生器Y3は、図
9のガス発生器Y1に対して、ハウジング31の構成
と、内筒材32とフィルタ部材37を両燃焼室33、3
4に亘って配置した点が異なり、図9及び図10と同一
部材は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0106】図13及び図14のガス発生器Y3は、長
尺円筒状の外筒82の両開口端にそれぞれ蓋部材41の
環状リブ41bを突合わせ溶接(例えば、摩擦圧接)に
より接合することで、内部に密閉空間Sを形成するハウ
ジング31を構成する。外筒82には、図10(a)と
同様に、各ガス孔列r1、r2ごとに複数のガス放出孔
82aが形成されている。ハウジング31の内部には、
内筒材32とこの内筒材32内に装入されたフィルタ部
材37とが各蓋部材41の間に亘って配置されている。
フィルタ部材37は、内筒材32と共に各蓋部材41の
凸部41aに嵌め込まれて、ハウジング31の密閉空間
Sを内筒材32の外周と外筒80の内周との間のガス通
過空間S2と、フィルタ部材37の内周側の燃焼空間S
1とに画成している。
【0107】フィルタ部材37内の燃焼空間S1は、仕
切部材35によってハウジング31の軸方向に左右2つ
の燃焼室33、34に画成している。仕切部材35は、
フィルタ部材37の内周に装入された円筒部35Aを有
し、この円筒部35Aの燃焼室33側の開口を円板35
Bで閉鎖することで、各燃焼室33、34を画成してい
る。これで、各燃焼室33、34は、フルタ部材37、
又はフィルタ部材37、内筒材32及びガス通過空間S
2を通して相互に連通する構造にされている。そして、
各燃焼室33、34内には、ガス発生剤36が装填され
ている。
【0108】又、各蓋部材41には、図9と同様に、各
点火器38、39の点火具45がカシメ固定され、又伝
火剤44が鍔付きキャップ46によって点火具45と対
峙するように設けられている。又各鍔付きキャップ46
は、その鍔部46c先端を外筒82と各蓋部材41との
溶接時に形成されるバリ82cに当接して固定されてい
る。
【0109】次に、助手席用ガス発生器Y3の作動につ
いて説明する。
【0110】衝突センサが自動車の衝突を検出して、左
側燃焼室33側の点火器38のみが作動されると、図9
と同様に、左側燃焼室33で発生した燃焼ガスは、フィ
ルタ部材37でスラグ捕捉と冷却を経て、ガス通過空間
S2で均一化された後に、エアバッグへの放出が開始さ
れる。
【0111】このとき、左側燃焼室33で発生した燃焼
ガスの一部は、フィルタ部材37、ガス通過空間S2な
どを通して右側燃焼室34内に流出されることから、エ
アバッグは、左側燃焼室33のみで発生して圧力上昇の
抑制(鈍化)された少量の清浄ガスによって、緩やか
で、弱めに張られるようにして膨張展開される。尚、図
9のガス発生器Y1と同様にして、フィルタ部材37、
ガス通過空間S2のガス通過のための断面積を調整する
ことで、適切な圧力上昇特性にする。
【0112】続いて、左側燃焼室33の燃焼開始後、微
小時間差をおいて右側燃焼室34の点火器39を作動さ
せると、右側燃焼室34内のガス発生剤36の燃焼が始
まり、図9と同様に、エアバッグは、両燃焼室33、3
4から放出される多量の清浄なガスによって急速な膨張
展開に移行される。
【0113】このとき、右側燃焼室34での燃焼は、左
側燃焼室33と同様に、フィルタ部材37などで左側燃
焼室33に連通されるハウジング31全体の容積を以て
行われることから、エアバッグに放出される清浄なガス
は、点火器39の作動時におけるハウジング31全体の
ガス圧に加えて、燃焼室34での燃焼によるガス圧によ
る圧力上昇特性とになり、これらのガス圧の平衡圧力を
最高圧力Pmaxとして、エアバッグを急速に膨張展開
することになる。
【0114】このように、助手席用ガス発生器Y3によ
れば、図9の助手席用ガス発生器Y1と同様に、エアバ
ッグの展開制御を容易に行えることになり、安全にエア
バッグ本来の機能を発揮できる。
【0115】尚、助手席用ガス発生器Y1〜Y3におい
ても、運転席用ガス発生器X1〜X3と同様にして、自
動車の衝突形態によって各点火器38、39の作動を制
御するものである。即ち、高速度での正面衝突などで
は、各点火器38、39を同時に作動し、中程度の衝突
では、各点火器38、39を微小時間差を以て作動し、
更に軽程度の衝突では、1つの点火器38のみを作動さ
せることで、運転席用ガス発生器X1〜X3と同様に、
エアバッグの展開形態を選択する。
【0116】又、助手席用ガス発生器Y1〜Y3におい
ては、左側燃焼室33のガス発生剤36を燃焼させた後
に、右側燃焼室34のガス発生剤36を燃焼させる形態
について説明したが、これに限定されるものでなく、右
側燃焼室34の燃焼後に、左側燃焼室33を燃焼させる
ようにしても良い。又、各燃焼室33、34の容積を変
えて、一方を大きく、他方を小さくし、大容量の燃焼室
側から点火するようになすこともできる。
【0117】更に、助手席用ガス発生器Y1〜Y3にお
いては、仕切部材35に当接するように図1に示すクッ
ション部材25を配置しても良い。これで、図1〜図5
の運転席用ガス発生器X1〜X3と同様にして、ガス発
生剤36の粉化防止と、各燃焼室33、34の相互間で
熱伝達を抑制することが可能となり、適正なエアバッグ
の展開制御を行える。
【0118】以上の各ガス発生器X1〜X3、Y1〜Y
3は、仕切部材5、35により2つの燃焼室3,4、3
3,34に画成したものを示したが、これに限定される
ものでなく、仕切部材5、35の装入数を変えることに
より3以上の燃焼室に画成し、各燃焼室の夫々に点火器
を配置することで、エアバッグ展開を多段制御する事も
できる。
【0119】
【実施例】本発明の実施例としてのガス発生器と、比較
例としてのガス発生器において、実験を行い圧力上昇特
性と最高圧力とを比較したものを図15に示す。実施例
のガス発生器は、2つの燃焼室を互いに連通させて画成
し、各燃焼室のガス発生剤を独立して強制着火できる2
つの点火器を備えるものである(図1〜図14参照)。
一方、比較例のガス発生器は、2つの燃焼室を密閉して
画成し、各燃焼室のガス発生剤を独立して強制着火でき
る2つの点火器を備えるものである。
【0120】次に、実験条件としては、実施例のガス発
生器、比較例のガス発生器の各点火器を作動させる微小
時間差tを、t=0ms、10ms、20msとして、
60リットルタンク内に供した。そして、実施例のガス
発生器、比較例のガス発生器において、60リットルタ
ンク内の圧力上昇特性と最高圧力Pmaxとを、各時間
差tごとに測定し、その結果を図15(a)及び図15
(b)に示す。
【0121】図15(a)において、実施例のガス発生
器では、各点火器を作動させる微小時間差tが長くなる
程、圧力上昇が抑制される傾向にあることが確認され
た。又、最高圧力Pmaxについても、点火器を作動さ
せる微小時間差tが長くなる程、低く抑えることができ
る。これは、各燃焼室とが連通して、各燃焼室での燃焼
がハウジング全体の大きな容積で行われることに起因す
ると考えられる。
【0122】これに対して、図15(b)において、比
較例のガス発生器では、実施例程でないが、各点火器を
作動させる微小時間差tが長くなる程、圧力上昇が抑制
される傾向となるが、最高圧力Pmaxについては、比
較的高い同圧力に維持される。これは、各燃焼室が互い
に密閉され、各燃焼室での燃焼が実施例に比して小さな
容積(各燃焼室の容積)で行われることに起因すると考
えられる。
【0123】したがって、エアバッグの膨張展開を2段
階で行うためには、エアバッグの展開初期の段階のみな
らず、その後、急速に膨張展開されても乗員に衝撃を与
えない程度のガス圧(最高圧力Pmax)に制御可能な
実施例のガス発生器(図1〜図14のガス発生器)を用
いることが最適である。
【0124】比較例のガス発生器では、各点火器を作動
させる時間差tに係わらずほぼ同じ最高圧力Pmaxに
制御されるので、各点火器を微少時間差tを以て作動し
ても、最高圧力Pmaxを乗員に衝撃を与えない程度の
ガス圧にできない。従って、エアバッグの膨張展開を2
段階で行っても、最終的には比較的高い圧力(最高圧力
Pmax)でエアバッグを展開膨張させることになり、
乗員に衝撃を与える恐れがある。特に、自動車の中程
度、軽程度の衝突に際して、危険性を伴うものと考えら
れる。
【0125】
【発明の効果】本発明のガス発生器によれば、ハウジン
グ内を仕切部材によって複数の燃焼室に画成し、各燃焼
室内にガス発生剤、フィルタ部材及び点火器を配置する
と共に、各燃焼室をフィルタ部材を介して互いに連通し
ているので、各燃焼室でのガス発生剤の燃焼をハウジン
グ全体の容積(密閉空間)を持って行うようにすると共
に、各点火器を時間差を設けて作動させることを可能と
なしている。したがって、各燃焼室のガス発生剤の燃焼
に時間差を設け、エアバッグ展開初期には一の燃焼室の
みで発生し圧力上昇特性の抑制された少量のガスによっ
て緩やかに展開させ、その後に、他の燃焼室で発生し所
定の圧力上昇特性と最高圧力にされたガスの追加によっ
てエアバッグを急速に展開させる多段展開制御を行うこ
とが可能となる。又、仕切部材によって2つの燃焼室に
画成し、各燃焼室のガス発生剤を各点火器で燃焼可能と
なすことで、エアバッグの2段展開制御を行うことも可
能となる。この結果、乗員がエアバッグの展開初期にお
ける急速展開による衝撃を受けることなく、安全にエア
バッグ本来の機能を発揮させることが可能となる。
【0126】本発明になるガス発生器であって、運転席
用のガス発生器に適用されるものの具体的構成として
は、ハウジングの燃焼空間を内筒材と長尺内筒の間に装
入される仕切部材によって上下2つの燃焼室に画成し、
各燃焼室をフィルタ部材、内筒材外周のガス通過空間を
介して互いに連通する方式と、ハウジングの燃焼空間を
内筒材内のフィルタ部材と長尺内筒の間に装入される仕
切部材によって上下2つの燃焼室に画成し、各燃焼室を
ガス通過空間、フィルタ部材を介して互いに連通する方
式と、ハウジングの密閉空間を外筒と長尺内筒の間に装
入される仕切部材によって上下2つの燃焼室に画成し、
各燃焼室を仕切部材のガス通孔、フィルタ部材を介して
互いに連通する方式があるが、いずれの方式であって
も、上下2つの燃焼室に配置した点火器で強制着火する
ことによって、安定したエアバッグの2段展開形態を実
現することが可能となる。
【0127】又、本発明になるガス発生器であって、助
手席用のガス発生器に適用されるものの具体的構成とし
ては、ハウジングの密閉空間を外筒に装入される仕切部
材によって左右2つの燃焼室に画成し、各燃焼室を仕切
部材のガス通孔、フィルタ部材を介して互いに連通する
方式と、ハウジングの燃焼空間を内筒材に装入される仕
切部材によって左右2つの燃焼室に画成し、各燃焼室を
フィルタ部材、内筒材外周のガス通過空間を介して互い
に連通する方式と、ハウジングの燃焼空間を内筒材内の
フィルタ部材に装入される仕切部材によって左右2つの
燃焼室に画成し、各燃焼室を該フィルタ部材を介して互
いに連通する方式とがあるが、いずれの方式によって
も、左右2つの燃焼室に配置した点火器で強制着火する
ことによって、安定したエアバッグの2段展開形態を実
現することが可能となる。
【0128】又、運転席用ガス発生器において、点火器
は、ハウジングの中心部に配置された下側燃焼室を貫通
して上側燃焼室内に突出する長尺内筒と、下側燃焼室内
に突出する短尺内筒とに夫々配置し、特に、長尺内筒を
上蓋に接合させる構造とすると、ハウジングの構造強度
の増加を図ることができ、ガスを多量に発生させる大型
のガス発生器や高圧のガスを発生する非アジ化系ガス発
生剤の場合にも適応が可能となる。
【0129】更に、仕切部材に、燃焼熱の伝達を抑制す
るクッション部材を設ける構成とすると、一方の燃焼室
で発生した燃焼熱の伝達を遮断できるので、2つの各燃
焼室のガス発生剤の燃焼を、確実に時間差をもって強制
着火させることが容易となり、エアバッグの展開形態制
御が、より一層確実且つ安定したものとなる。
【0130】又、内筒材を、エクスパンディッドメタル
により形成すると、エクスパンディッドメタルは、内外
周面に突出して相互に連通した複数のガス通過孔を有す
るものであるから、エクスパンディッドメタル層自体が
ガス通過空間を形成することになり、内筒材と外筒及び
フィルタ部材とを密着させて配置させることが可能とな
って、これらの部材の位置決めや配置が容易となる。
【0131】更に、運転席用ガス発生器においては、仕
切部材に、上側燃焼室に突出する凸部を設けることで、
下側燃焼室を小さくする場合においても、点火器を短尺
内筒によって下側燃焼室内に確実に配置でき、又、仕切
部材を長尺内筒の段部に当接して位置決めすることによ
って、簡単な構造で上下2つの燃焼室を画成でき、段部
を調整することのみで容易に上下2つの燃焼室の容積を
調整できる。
【0132】又、フィルタ部材を、メリヤス編み金網或
いはクリンプ織り線材の集合体で成形すると、安価に作
成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】運転席用ガス発生器を示す断面図である。
【図2】他の運転席用ガス発生器を示す断面図である。
【図3】図1及び図2のA−A断面図である。
【図4】更に、他の運転席用ガス発生器を示す断面図で
ある。
【図5】図4のC−C断面図である。
【図6】内筒材を成形する部材を示す図であって、
(a)はエクスパンディッドメタルの母材を示す図、
(b)は母材を引張した状態を示す図、(c)はエクス
パンディッドメタルで成形した内筒材を示す斜視図であ
る。
【図7】図6に示すエクスパンディッドメタルの引張状
態を示す断面図である。
【図8】フィルタ部材を成形する部材を示す図であっ
て、(a)はメリヤス編み金網を示す拡大図、(b)は
クリンプ織り線材を示す拡大図、(c)は成形されたフ
ィルタ部材を示す斜視図である。
【図9】助手席用ガス発生器を示す断面図である。
【図10】図9の断面図であって、(a)はD−D断面
図、(b)はE−E断面図である。
【図11】他の助手席用ガス発生器を示す断面図であ
る。
【図12】図11のF−F断面図である。
【図13】更に、他の助手席用ガス発生器を示す断面図
である。
【図14】図13のG−G断面図である。
【図15】本発明のガス発生器と、比較例のガス発生器
との圧力上昇特性と最高圧力を比較したグラフであっ
て、(a)は本発明のガス発生器の実験結果を示すグラ
フ、(b)は比較例のガス発生器の実験結果を示すグラ
フである。
【図16】従来の運転席用ガス発生器を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1、31 ハウジング 3,4、33,34 燃焼室 5、35 仕切部材 6、36 ガス発生剤 7、37 フィルタ部材 8,9、38,39 点火器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐古 賢二 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内 (72)発明者 岸野 喜行 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のガス放出孔(12a、42a、6
    2a、82a)を有し、内部に密閉空間(S)を形成す
    るハウジング(1、31)を備えてなるガス発生器にお
    いて、 前記密閉空間(S)内を、複数の燃焼室(3,4、3
    3,34)に画成し、 前記各燃焼室(3,4、33,34)内には、夫々、燃
    焼により高温ガスを発生させるガス発生剤(6、36)
    を装填し、該ガス発生剤(6、36)を囲繞するように
    フィルタ部材(7、37)を配置すると共に、 前記ハウジング(1、31)には、前記各燃焼室(3,
    4、33,34)のガス発生剤(6、36)を夫々独立
    して燃焼させる複数の点火器(8,9、38,39)を
    配置してなり、 前記各燃焼室(3,4、33,34)は、前記各フィル
    タ部材(7、37)を介して互いに連通してなることを
    特徴とするガス発生器。
  2. 【請求項2】 前記密閉空間(S)内を、仕切部材
    (5、35)によって2つの燃焼室(3,4、33,3
    4)に画成し、 前記各燃焼室(3,4、33,34)内には、夫々、燃
    焼により高温ガスを発生させるガス発生剤(6、36)
    を装填し、該ガス発生剤(6、36)を囲繞するように
    フィルタ部材(7、37)を配置すると共に、 前記ハウジング(1、31)には、前記各燃焼室(3,
    4、33,34)のガス発生剤(6、36)を夫々独立
    して燃焼させる2つの点火器(8,9、38,39)を
    配置してなり、 前記各燃焼室(3,4、33,34)は、前記各フィル
    タ部材(7、37)を介して互いに連通してなることを
    特徴とする請求項1に記載のガス発生器。
  3. 【請求項3】 前記ハウジング(1)は、短円筒状の外
    筒(12)と、該外筒(12)の上下端部を閉塞する上
    蓋(13)及び下蓋(17)とで、内部に密閉空間
    (S)を形成する構造とされ、 前記密閉空間(S)内を、前記上蓋(13)及び前記下
    蓋(17)の間に配置される仕切部材(5)によって、
    上下2つの燃焼室(3、4)に画成し、該各燃焼室
    (3、4)を前記フィルタ部材(7)を介して互いに連
    通すると共に、 前記下蓋(17)には、前記仕切部材(5)を貫通して
    前記上側燃焼室(3)内に突出する長尺内筒(18)及
    び前記下側燃焼室(4)内に突出する短尺内筒(19)
    とを形成し、 前記各内筒(18、19)内には、夫々、前記各燃焼室
    (3、4)内のガス発生剤(6)を燃焼させる点火器
    (8、9)を配置したことを特徴とする請求項2に記載
    のガス発生器。
  4. 【請求項4】 前記長尺内筒(18)は、前記下蓋(1
    7)の中心部に配置し、且つ前記上蓋(13)まで延び
    て該上蓋(13)と突合せ接合してなることを特徴とす
    る請求項3に記載のガス発生器。
  5. 【請求項5】 前記ハウジング(1)の密閉空間(S)
    は、複数のガス通過孔(2a)を有する内筒材(2)に
    よって、該内筒材(2)の内側の燃焼空間(S1)と、
    その外側のガス通過空間(S2)とに画成し、 前記燃焼空間(S1)内を、前記内筒材(2)の内周と
    前記長尺内筒(18)の外周との間に装入される前記仕
    切部材(5)によって、前記ガス通過空間(S2)を通
    して互いに連通する上下2つの燃焼室(3、4)に画成
    すると共に、 前記各燃焼室(3、4)内には、夫々、前記ガス発生剤
    (6)を装填し、該ガス発生剤(6)を囲繞するように
    前記内筒材(2)内に装入される前記フィルタ部材
    (7)を配置したことを特徴とする請求項3又は請求項
    4に記載のガス発生器。
  6. 【請求項6】 前記ハウジング(1)の密閉空間(S)
    は、複数のガス通過孔(2a)を有する内筒材(2)及
    び該内筒材(2)内に装入させる前記フィルタ部材
    (7)によって、該フィルタ部材(7)の内側の燃焼空
    間(S1)と、前記内筒材(2)の外側のガス通過空間
    (S2)とに画成し、 前記燃焼空間(S1)内を、前記フィルタ部材(7)の
    内周と前記長尺内筒(18)の外周との間に装入される
    前記仕切部材(5)によって、前記ガス通過空間(S
    2)及び前記フィルタ部材(7)を通して互いに連通す
    る上下2つの燃焼室(3、4)に画成すると共に、 前記各燃焼室(3、4)内には、夫々、前記ガス発生剤
    (6)を装填したことを特徴とする請求項3又は請求項
    4に記載のガス発生器。
  7. 【請求項7】 前記ハウジング(1)の密閉空間(S)
    は、前記外筒(12)の内周と前記長尺内筒(18)の
    外周との間に装入させる前記仕切部材(5)によって、
    上下2つの燃焼室(3、4)に画成し、 前記各燃焼室(3、4)内には、夫々、前記ガス発生剤
    (6)を装填し、該ガス発生剤(6)を囲繞するように
    前記フィルタ部材(7)を配置すると共に、 前記仕切部材(5)には、前記各燃焼室(3、4)の前
    記フィルタ部材(7)を通して、該各燃焼室(3、4)
    を互いに連通するガス通孔(5a)を形成したことを特
    徴とする請求項3又は請求項4に記載のガス発生器。
  8. 【請求項8】 前記仕切部材(5)には、前記短尺内筒
    (19)によって前記下側燃焼室(4)内に配置される
    前記点火器(9)を収納するための凸部(24)を形成
    したことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかに
    記載のガス発生器。
  9. 【請求項9】 前記仕切部材(5)は、前記長尺内筒
    (18)に形成された段部(18a)に当接して位置決
    めしたことを特徴とする請求項3〜請求項8のいずれか
    に記載のガス発生器。
  10. 【請求項10】 前記ハウジング(31)は、長尺円筒
    状の外筒(42、62、82)の両開口端を閉塞して、
    内部に密閉空間(S)を形成する構造としてなり、 前記外筒(42、62、82)の両端部には、前記各燃
    焼室(33、34)のガス発生剤(36)を燃焼させる
    点火器(38、39)を夫々配置してなることを特徴と
    する請求項2に記載のガス発生器。
  11. 【請求項11】 前記ハウジング(31)の密閉空間
    (S)は、前記外筒(42)の内周に装入される前記仕
    切部材(35)によって、左右2つの燃焼室(33、3
    4)に画成し、 前記各燃焼室(33、34)内には、夫々、前記ガス発
    生剤(36)を装填し、前記外筒(42)の内周との間
    にガス通過空間(S2)を形成する内筒材(32)と、
    前記ガス発生剤(36)を囲繞するように前記内筒材
    (32)内に装入される前記フィルタ部材(37)とを
    配置すると共に、 前記仕切部材(35)には、前記各燃焼室(33、3
    4)の前記フィルタ部材(37)を通して、該各燃焼室
    (33、34)を互いに連通するガス通孔(35a)を
    形成したことを特徴とする請求項10に記載のガス発生
    器。
  12. 【請求項12】 前記ハウジング(31)の密閉空間
    (S)は、複数のガス通過孔(32a)を有する内筒材
    (32)によって、該内筒材(32)の内側の燃焼空間
    (S1)と、その外側のガス通過空間(S2)とに画成
    し、 前記燃焼空間(S1)内を、前記内筒材(32)の内周
    に装入される前記仕切部材(35)によって、前記ガス
    通過空間(S2)を通して互いに連通する左右2つの燃
    焼室(33、34)に画成すると共に、 前記各燃焼室(33、34)内には、夫々、前記ガス発
    生剤(36)を装填し、該ガス発生剤(36)を囲繞す
    るように前記内筒材(32)に装入される前記フィルタ
    部材(37)を配置してなることを特徴とする請求項1
    0に記載のガス発生器。
  13. 【請求項13】 前記ハウジング(31)の密閉空間
    (S)は、複数のガス通過孔(32a)を有する内筒材
    (32)及び該内筒材(32)に装入される前記フィル
    タ部材(37)によって、該フィルタ部材(37)の内
    側の燃焼空間(S1)と、前記内筒材(32)の外側の
    ガス通過空間(S2)とに画成し、 前記燃焼空間(S1)内を、前記フィルタ部材(37)
    の内周に装入される前記仕切部材(35)によって、前
    記ガス通過空間(S2)及び前記フィルタ部材(37)
    を通して互いに連通する左右2つの燃焼室(33、3
    4)に画成すると共に、 前記各燃焼室(33、34)内には、夫々、前記ガス発
    生剤(36)を装填してなる請求項10に記載のガス発
    生器。
  14. 【請求項14】 前記仕切部材(35)には、前記各燃
    焼室(3,4、33,34)との間で、前記ガス発生剤
    (6、36)の燃焼による燃焼熱の伝達を抑制するクッ
    ション部材(25)を配置したことを特徴とする請求項
    2〜請求項13のいずれかに記載のガス発生器。
  15. 【請求項15】 前記内筒材(2、32)は、複数のガ
    ス通過孔(2a、32a)を有するエクスパンディッド
    メタルを円筒状に成形してなり、該内筒材(2、32)
    の外周面は前記外筒(12、42、62、82)に近接
    しており、且つ内周面は前記フィルタ部材(7、37)
    に接しており、該エクスパンディッドメタルの円筒部が
    前記ガス通過空間(S2)を兼ねていることを特徴とす
    る請求項5、6、請求項11〜請求項13のいずれかに
    記載のガス発生器。
  16. 【請求項16】 前記フィルタ部材(7、37)は、メ
    リヤス編み金網、或いはクリンプ織り線材の集合体によ
    って、円筒状に成形してなることを特徴とする請求項1
    〜請求項3、請求項5〜請求項7、請求項11〜請求項
    13のいずれかに記載のガス発生器。
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