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JPH1121587A - シリコーンエマルジョン組成物、製造方法および化粧料 - Google Patents

シリコーンエマルジョン組成物、製造方法および化粧料

Info

Publication number
JPH1121587A
JPH1121587A JP18133397A JP18133397A JPH1121587A JP H1121587 A JPH1121587 A JP H1121587A JP 18133397 A JP18133397 A JP 18133397A JP 18133397 A JP18133397 A JP 18133397A JP H1121587 A JPH1121587 A JP H1121587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle diameter
emulsion
emulsion composition
water
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18133397A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Satou
彰訓 佐藤
Yutaka Horie
豊 堀江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Silicone Co Ltd filed Critical Toshiba Silicone Co Ltd
Priority to JP18133397A priority Critical patent/JPH1121587A/ja
Publication of JPH1121587A publication Critical patent/JPH1121587A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化粒子径分布幅を狭くして乳化粒子を均一
にすることによって、保存安定性に優れる、大きな粒子
径をもつO/W型シリコーン樹脂エマルジョン組成物お
よびその製造方法を提供すること、そしてこのようなエ
マルジョン組成物を配合して得られた化粧料を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 (A)ポリオルガノシロキサン100重
量部、(B)ソルビタン系界面活性剤1〜50重量部、
および(C)水20〜85重量部を含有し、乳化粒子径
が1〜500μmであり、平均粒子径/最頻粒子径
(V)の値が0.7≦V≦1.3であることを特徴とす
るO/W型のシリコーンエマルジョン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーンエマル
ジョン組成物とその製造方法に係わり、特に、ソルビタ
ン系の界面活性剤を使用することにより得られ、乳化粒
子が均一で保存安定性に優れたO/W型シリコーンエマ
ルジョン組成物およびその製造方法に関する。
【0002】また、本発明は、上記のシリコーンエマル
ジョン組成物を配合して得られた化粧料に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、毛髪用化粧料には、その光沢や滑
らかさを与える目的でシリコーン樹脂が使用されてい
る。シリコーンを化粧料中へ添加する手段としては、シ
リコーン樹脂を添加し撹拌溶解するほかに、あらかじめ
シリコーン樹脂を可溶化、或いは乳化して添加する方法
がある。最近では、その作業性の良さから乳化物への要
求が高まり多数の乳化組成物やその製造方法が提案され
ている(特願平8−107348、特公昭59−515
65、特開平7−173294、特開昭64−4334
2、特公平5−82851、特開平6−184315、
特開平6−234918)。
【0004】しかし、乳化物とした場合、シリコーン樹
脂は非常に微細な粒子となるため、毛髪への付着性が悪
くなり、シリコーン樹脂本来の特性が発現し難くなると
いう欠点が生じていた。
【0005】特公昭59−51565には、ジオルガノ
ポリシロキサンを含むグリース状シリコーン水性液の連
続製造方法が開示されているが、エマルジョン粒子は
0.5μm以下と微細すぎる。
【0006】特開昭64−43342には、直鎖高分子
シリコーンを含む乳化組成物が開示されているが、この
乳化粒子径も1μmと微細である。
【0007】特公平5−82851には、オルガノポリ
シロキサンエマルジョンの製造方法が開示されている
が、これも、分散粒子の平均粒径が0.5μm以下と微
細である。
【0008】さらに、特開平6−234918には、高
重合度のオルガノポリシロキサンを含む水中油型シリコ
ーン乳化組成物が開示されているが、このエマルジョン
粒子の粒径もまた、290〜380nm(0.29〜
0.38μm)と微細である。
【0009】そのため特開平6−184315では、特
性発現に有利な乳化粒子径1〜100μmの大きな粒子
の乳化物の検討も行われてきたが、製造工程が複雑なた
め、製造効率が悪く非現実的であったり、1〜100μ
mと乳化粒子径分布幅が広く組成物の保存安定性が劣る
など問題があり、良好なエマルジョン組成物を見出すこ
とができなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳化
粒子径分布幅を狭くして乳化粒子を均一にすることによ
って、保存安定性に優れる、大きな粒子径をもつO/W
型シリコーン樹脂エマルジョン組成物およびその製造方
法を提供することである。
【0011】本発明のもうひとつの目的は、このような
エマルジョン組成物を配合して得られた、化粧料を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために研究を重ねた結果、ポリオルガノシ
ロキサンを、ソルビタン系の界面活性剤とともに乳化す
ることにより、乳化粒子径分布が単ピークでしかも大き
な粒子径をもち、保存安定性にも優れるエマルジョン組
成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】すなわち、本発明のO/W型のシリコーン
エマルジョン組成物は、(A)ポリオルガノシロキサン
100重量部、(B)ソルビタン系界面活性剤1〜50
重量部、および(C)水20〜85重量部を含有し、乳
化粒子径が1〜500μmであり、平均粒子径/最頻粒
子径(V)の値が0.7≦V≦1.3であることを特徴
としている。さらに、このエマルジョン組成物に、
(D)ポリオキシエチレンアルキルエーテル1〜50重
量部、および(E)ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル1〜50重量部を含有させることを特徴としてい
る。
【0014】また、本発明のシリコーンエマルジョン組
成物の製造方法は、(1)(A)ポリオルガノシロキサ
ンと(B)ソルビタン系界面活性剤とを混合する工程、
(2)工程(1)で得られた混合物に(C)水を加え、
高剪断力をかけて各成分を分散させ、乳化する工程、と
から成ることを特徴としている。
【0015】さらに、本発明の化粧料は、上記シリコー
ンエマルジョン組成物を含んでなることを特徴としてい
る。
【0016】本発明に用いられる成分(A)のポリオル
ガノシロキサンは、毛髪に光沢や滑らかさを与えるため
の成分である。該成分(A)は、基本的に直鎖状のシロ
キサン骨格を有するもので、若干の分岐を有していても
よく、分子全体が直鎖状の構造からなるものが好まし
い。シロキシ単位の数は、800〜100,000のも
のが好ましく、特に、1,000〜10,000のもの
が好ましい。
【0017】分子中のケイ素原子に結合する有機基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、へキシルな
どのアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル
基;ビニル、アリルなどのアルケニル基;フェニル、ト
リルなどのアリール基;ならびにこれらの基の炭素原子
に結合した水素原子がハロゲン原子、シアノ基、アミノ
基などで置換された基、たとえばクロロメチル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基、3
−アミノプロピル基などが例示される。ケイ素原子に結
合するその他の基として、アルコキシ基、水酸基、水素
原子などを部分的に含んでいてもよい。これらの中で
も、得られる組成物の安定性、つや出し効果、滑り性な
どが良好であり、コスト的にも安価なことから、メチル
基が特に好ましい。すなわち、該ポリオルガノシロキサ
ンとしては、ポリジメチルシロキサンが好ましい。な
お、分子鎖の末端基としては、トリオルガノシリル基、
またはその有機基の一部の代わりに水酸基がケイ素原子
に結合した基が例示される。このような成分(A)とし
ては、トリメチルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル
基で末端封鎖されたポリジオルガノシロキサンが好まし
く、トリメチルシリル基で末端封鎖されたポリジメチル
シロキサンが特に好ましい。
【0018】このような成分(A)のポリオルガノシロ
キサンは、一般に有機溶媒に可溶なシリコーンオイルま
たはシリコーン生ゴムといわれる範囲のものが使用され
る。
【0019】エマルジョンの乳化のしやすさ、及び化粧
料が使用された際、成分(A)の特性が発現され易いこ
とから、25℃における粘度が10,000〜100,
000,000センチストークス(cSt)のものが好
ましく、50,000〜50,000,000cStの
ものが好ましい。
【0020】本発明に用いられる成分(B)のソルビタ
ン系界面活性剤は、乳化剤であり、成分(A)を水中に
均一に分散させて、得られるエマルジョンの保存安定性
を向上させる働きをすることに加えて、乳化粒子径を1
〜500μmとし、粒径分布幅を狭くするための必須成
分である。ソルビタン系界面活性剤は、非イオン性の界
面活性剤であり、安全性が高いなどの特徴を有してい
る。
【0021】ソルビタン系界面活性剤としては、ソルビ
タン脂肪酸エステルやポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステルが例示される。
【0022】これらの界面活性剤は、ソルビタン系であ
れば、通常、同一のもの又は異なる2種以上のものを併
用しても構わない。
【0023】成分(B)の配合量は、通常、成分(A)
100重量部に対し、1〜50重量部であり、好ましく
は3〜30重量部である。1重量部未満では、得られる
エマルジョン組成物中に成分(A)を良好に分散させる
ことが難しくなり、また50重量部を超えると、得られ
るエマルジョンの経時安定性が低下する。
【0024】また同時に、同一系に他種のノニオン系界
面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性
剤のいずれかを併用してもよい。
【0025】ノニオン系界面活性剤としては、モノラウ
リン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノ
ステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルの
ようなグリセリン脂肪酸エステル;同様の脂肪酸残基を
有するポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエー
テル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのようなポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;オキシエ
チレン・オキシプロピレンブロック共重合体;ならびに
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが例示され
る。
【0026】アニオン系界面活性剤としては、ヘキシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ミリスチルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム;ブチルナフチルスルホン酸ナトリウムのよ
うなアルキルナフチルスルホン酸ナトリウム;ポリオキ
シエチレンオクチルエーテル硫酸エステルナトリウム、
ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸エステルナトリ
ウム、ポリオキシエチレンイコシルエーテル硫酸エステ
ルナトリウムのようなポリオキシエチレンモノアルキル
エーテル硫酸エステルナトリウム塩;ポリオキシエチレ
ンデシルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムのよ
うなポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エー
テル硫酸エステルナトリウム塩などが例示される。
【0027】カチオン系界面活性剤としては、オクチル
トリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチル
アンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリ
ド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、オクチル
ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメ
チルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム
塩が例示される。
【0028】本発明において、分散媒として成分(C)
の水を配合する。これは、成分(A)およびその他の成
分を分散または溶解することによって、均一なエマルジ
ョン組成物を得るためのものである。
【0029】成分(C)の水の配合量は、成分(A)1
00重量部に対して、20〜85重量部、好ましくは3
0〜75重量部である。水の配合量が20重量部に満た
ないと、疎水性油であるオルガノシロキサンの量が多す
ぎてエマルジョンがW/O型からO/W型へ転相せず、
水が連続層とならない場合があり、水の配合量が85重
量部を超えると、オルガノシロキサン濃度が薄すぎて乳
化の効率が悪くなる場合がある。
【0030】又、これらのほかに、(D)ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、(E)ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステルの界面活性剤を併用すると、さらに効
果的である。
【0031】成分(D)および(E)の界面活性剤は、
分散剤の働きとともに組成物の増粘剤としての働きをす
る。一般的に増粘剤としては、アクリル酸、メタクリル
酸共重合体などの高分子ポリアクリル酸共重合体や、ア
ルギン酸、アラビアゴム、カゼイン、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、陽イオン変性エーテ
ル化セルロース、ヒドロキシプロピルデン粉、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ベントナイトな
どが知られている。しかし、これらをリンスインシャン
プーなどの毛髪化粧料中に添加した場合、経時的に分離
や沈降を生じさせ毛髪化粧料の性能を低下させることが
あるが、(D)および(E)を使用すると化粧料中での
安定性に優れるため非常に有用である。
【0032】成分(D)、(E)の配合量は、通常本発
明のエマルジョン組成物の1〜50重量部であり、好ま
しくは3〜30重量部である。1重量部未満では、増粘
効果が不十分であることがあり、また50重量部を超え
ると得られるエマルジョンの経時安定性が低下したり、
化粧料製造時の作業性を損なうことがある。
【0033】本発明において、成分(Α)を溶解させ乳
化を容易にするために、必要に応じて有機溶媒を配合し
てもよい。有機溶媒は、上記の機能を果たすものであれ
ば特に限定されず、n−へキサン、n−へプタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソパラフィン混
合溶媒、ガソリン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、
灯油のような脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンの
ような芳香族炭化水素類;n−ブチルエーテル、メチル
フェニルエーテルのようなエーテル類;メチルイソブチ
ルケトン、ジエチルケトンのようなケトン類;酢酸−n
−ブチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソ
トリデシル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イ
ソプロピル、ジオクタン酸−2,2−ジメチルプロペン
−1,3−ジイルのようなエステル類;ヘキサメチルジ
シロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチル
テトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンのよ
うな鎖状揮発性シロキサン類;ならびにオクタメチルシ
クロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのような環
状揮発性シロキサン類が例示され、用途によって適宜選
択され、1種を用いても2種以上を併用しても差し支え
ない。これらのうち、成分(Α)の乳化を良好に行いう
ることから、脂肪族炭化水素類またはエステル類を用い
ることが好ましく、特にこのような脂肪族炭化水素類お
よびエステル類から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒
を含む組成物をシャンプー、リンス、へアコンディショ
ナーなどの毛髪化粧料に配合すると、使用後に毛髪に対
してさらさらとした良好な感触を与えるという特徴が得
られる。
【0034】本発明の組成物は、髪油、染毛料、スキ
油、セットローション、チック、びん付油、へアクリー
ム、へアトニック、へアリキッド、へアスプレー、ポマ
ード、シャンプー、へアリンス、へアコンディショナ
ー、ヘアローション等の毛髪化粧料、ハンドクリーム、
スキンクリーム、ファンデーション、アイシャドウ、洗
顔料、皮膚洗浄・洗拭剤等の皮膚化粧料のほか、使用時
に感触が問題とされる外用医薬品などに至るまで、皮膚
に外用される全ての製品に使用することができる。ま
た、製品の形態としては、固形状、ゲル状、液状、ペー
スト状のものが例示される。これ以外にも、化粧料およ
び化粧料以外の用途にも幅広く適用でき、例えばゴム、
プラスチックおよびシェルモールド等の離型剤、電線の
芯線の引抜きやアイロン掛けの際の潤滑剤、ゴム、プラ
スチック製品あるいは家具等の艶出剤、ラテックスやパ
ルプ廃液等の消泡剤、繊維に撥水性や柔軟性等を付与す
るための繊維処理剤、あるいは塗料成分等の用途にも適
宜、使用することができる。
【0035】本発明の組成物には、必要に応じて、防腐
剤、増粘剤などを配合することができる。防腐剤として
は、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安
息香酸プロピル、安息香酸ナトリウム、クエン酸、サリ
チル酸などが例示される。増粘剤については、前述の通
りである。
【0036】上記以外の任意の成分としては、流動パラ
フィン、ワセリン、固形パラフィン、スクワラン、およ
びオレフィンオリゴマー等の炭化水素;イソプロピルパ
ルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチン酸オ
クチルドデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライ
ド等のエステル;ラウリルアルコール、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等の高級アルコール;パラミ
チン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、グリセリン、ソルビトールのような保湿剤;酸化
チタン、カーボンブラック、酸化鉄、セリサイト、タル
ク、カオリン、マイカのような無機粉体;ナイロン、ポ
リチタレン、ポリエチレン、ポリアクリレートのような
有機粉体;エタノール等の溶剤;水;後述する各種界面
活性剤;殺菌剤;香料等が挙げられる。
【0037】本発明のシリコーンエマルジョン組成物の
製造方法は、(1)成分(A)および成分(B)を混合
する工程と、(2)次に工程(1)で得られた混合物
に、(C)水を加え、高剪断力をかけて各成分を分散さ
せ、乳化する工程とから成る。これらの工程は、連続し
て行ってもよく、各工程を独立して行ってもよい。
【0038】工程(1)における混合は、通常10〜9
0℃、好ましくは20〜80℃の温度で、系に通常50
0rpm未満、好ましくは、10〜200rpm、より
好ましくは10〜60rpmの回転を与えるように、た
とえばパドル型、アンカー型、ゲート型などの櫂型ミキ
サー;プロペラ型ミキサー;プラネタリーミキサーなど
の低速撹拌装置を用い、配合された各成分を均質に分散
させるまで、通常0.5〜5時間、好ましくは1〜4時
間撹拌することによって行われる。
【0039】工程(2)の水の添加と乳化は、高剪断力
のもとに、通常5〜90℃、好ましくは10〜70℃の
温度で、通常0.5〜8時間、好ましくは1〜4時間か
けて行われる。乳化に必要な高い剪断力は、たとえばコ
ロイドミル、ホモミキサー、ホモディスパー、フロージ
ェットミキサー、ウルトラミキサーなどの高速剪断分散
装置;またはホモジナイザーなどの高圧剪断分散装置を
用いて与えることができる。高速剪断分散装置を用いる
場合、回転速度は500〜10,000rpmが好まし
く、1,000〜5,000rpmが特に好ましい。5
00rpm未満では安定性の良好なエマルジョンが得ら
れず、10,000rpmを超える回転数では、かえっ
て生成したエマルジョンの破壊を招く。−方、高圧剪断
分散装置を用いる場合は、通常50〜1,000kgf
/cm2 、好ましくは100〜500kgf/cm2
圧力をかけて、間隙に混合物を通す。
【0040】低速撹拌装置と高剪断力分散装置を組み合
わせた装置を用いて、工程(1)および(2)を、一つ
の装置内で一連の操作によって行うこともでき、工程
(1)において、低速撹拌に、さらに高剪断分散を併用
してもよい。このような装置としては、アンカーミキサ
ーとホモミキサーを組み合わせたアヂホモミクサー;プ
ラネタリーミキサーとホモディスパーを組み合わせた分
散装置;アンカーミキサー、ホモミキサーおよびホモデ
ィスパーを組み合わせたコンビミックスなどの分散装置
が挙げられる。このような分散装置の使用は、特に保存
安定性の優れたエマルジョン組成物が得られることから
好ましい。また、上記の一連の操作の前後または途中、
好ましくは操作後に、高圧剪断分散装置を併用してもよ
い。
【0041】一般的に乳化を行う場合、W/O型からO
/W型への転相を利用する。これは、徐々に注水を行い
転相させて透明ゲル状物を得、さらに注水してO/W型
エマルジョンを得るが、本発明では初期に転相水以上の
水を添加したり、製造温度をコントロールすることによ
り乳化粒子径の違うエマルジョンを得ることができる。
一般に、初期に転相水以上の水を注水すると、粒径は大
きくなる。また、通常、製造温度を上げると粒子径は大
きくなり、製造温度を下げると粒子径は小さくなる。
【0042】以上のようにして、シリコーン樹脂エマル
ジョン組成物を調製できる。さらに、必要に応じて、こ
のようにして得られた組成物を水によって希釈して、所
望のシリコーン濃度のO/W型エマルジョン組成物を得
ることができる。この希釈工程では、高剪断力を加える
必要はない。
【0043】本発明により得られるO/W型エマルジョ
ンは、油相の平均粒子径がおよそ1〜500μmであ
る。このエマルジョンを化粧料に配合して使用する場合
は、良好な使用感を得られることから、平均粒子径3〜
100μmのエマルジョンを使用することが好ましく、
特に5〜50μmが良い。この平均粒子径と最頻粒子径
との比、平均粒子径/最頻粒子径(V)の値が0.7〜
1.3の範囲であると、保存安定性の高いエマルジョン
組成物が得られる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例および比較
例によって説明する。これらの例において、部は重量
部、%は重量%を示し、粘度は25℃における値を示
す。本発明は、これらの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0045】[実施例1〜6、及び比較例1〜2] シリコーンエマルジョン組成物の調製と評価 図1に示すような、ステンレス製容器内の中心軸にステ
ーター6を有し、その周囲を回転し器壁に付着した内容
物をかき取るスクレーパー4を備えた撹拌部を有するア
ンカー型回転式低速撹拌装置aと、該ステーター内部に
設けられた高速剪断分散装置b(ホモキミサー)とを組
み合わせた乳化装置(商品名アヂホモミクサー、特殊機
化工業(株))を用い、表1に示す成分および組成比に
より、O/W型シリコーン樹脂エマルジョン組成物を調
製した(E−1〜E−8)。
【0046】すなわち、まず、表1に示すポリジメチル
シロキサン、及び乳化剤を仕込み、容器内を設定温度の
60℃まで昇温し、撹拌装置aを40rpmで撹拌を2
時間続けて系を均一にした。ついで、初期注水として水
15部を加え、撹拌装置aに加えてbを1000rpm
に回転させて、60℃で1〜3時間撹拌して均一化し、
透明グリース状物を得た。
【0047】撹拌装置bを停止した後、aを40rpmで
回転させながら、必要に応じてポリアクリル酸ナトリウ
ム、パラベン、精製水の残りを加え、30〜40℃で2
〜4時間撹拌し、シリコーン濃度50%の均一なO/W型
エマルジョン組成物にE−1〜E−2、E−4〜E−8
を得た。
【0048】また、初期注水の水を30部として装置
a、bにて撹拌して、微白色グリース状物を得たほか
は、全て他のサンプルと同様にしてシリコーン濃度50
%の均一なO/W型エマルジョン組成物E−3を得た。
【0049】得られたエマルジョンの油相粒子の平均粒
子径を、粒径測定装置LS−100Q(コールター社、
商品名)によって測定した。また、エマルジョンの安定
性を保存安定性試験により、50℃にて保管した場合の
油相と水相の分離の有無を観察して評価した。これらの
結果は表1に示す通りである。
【0050】
【表1】 表1から明らかなように、比較例の平均粒子径は19μ
mおよび25μmであるので一見、適当であるようだ
が、実は平均粒子径/最頻粒子径(V)が0.61およ
び1.58と粒径分布幅が広く、保存安定性に劣ること
がわかった。これに対し、本発明のエマルジョンは、平
均粒子径が30μmから150μmと微細すぎず、ま
た、平均粒子径/最頻粒子径(V)の値が0.91〜
1.20と分布幅が狭いため、50℃における長期保存
に対して極めて安定であった。また、初期に転相水以上
の水を注水した実施例3の平均粒子径は、初期注水の水
を転相水以上に注入しなかった平均粒子径に比べて大き
くなった。また、製造温度を80℃にした実施例4の平
均粒子径は、製造温度が60℃の同一組成比の実施例2
の平均粒子径に比べて大きくなった。このように、水の
添加のタイミングや製造温度をコントロールすることに
よって、得られるエマルジョン組成物の平均粒子径を自
由にコントロールすることができる。
【0051】[実施例7、8、比較例3、4リンスイン
シャンプーの調製と評価]実施例2または実施例5で調
製したシリコーンエマルジョン組成物E−2またはE−
5をそれぞれ用いて、表2に示す成分および組成物によ
り、実施例7および実施例8のリンスインシャンプーを
調製した。また、比較のために、組成物E−7、E−8
を用いて、同様に比較例3、および比較例4のリンスイ
ンシャンプーを調製した。
【0052】
【表2】 すなわち、表2の成分のうち、界面活性剤であるラウリ
ン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリ
オキシエチレン(3) ラウリルエーテル硫酸ナトリウムお
よびポリオキシエチレンジステアレートと、増粘剤であ
る陽イオン変性エーテル化セルロースと、グリセリンと
p−ヒドロキシ安息香酸メチルとを混合槽に仕込み、8
0℃で撹拌して混合した。これに、実施例7および実施
例8では、それぞれ純水を加えて撹拌しながら30℃ま
で冷却し、ついでそれぞれ上記のシリコーンエマルジョ
ン組成物E−2、E−5を5.0部を添加して混合し、
リンスインシャンプーを得た。比較例3、4では、同様
にE−7、E−8を添加混合し、リンスインシャンプー
を得た。
【0053】得られたリンスインシャンプーの安定性
を、実施例1〜6と同様に、保存安定性試験によって評
価した。また、該リンスインシャンプーの化粧品として
の特徴を、使用時の滑らかさ、ならびに使用後のくし通
り性、ボリューム感、感触およびつやを評価項目とし、
健常な日本人女性パネラー20名により、3は良好、2
は普通、1は悪いで評価してもらい、平均値を出した。
これらの結果は、表2に示すとおりである。
【0054】表2から明らかなように、成分(B)を使
用しない比較例3および4は保存安定性が悪いばかりで
なく、化粧品としての特性にも劣っている。これに対
し、本発明の実施例7および8は保存安定性にも化粧品
としての特性にも優れたものであることがわかった。
【0055】
【発明の効果】本発明のエマルジョン組成物は、特定の
界面活性剤の働きによりその乳化粒子が均一で、保存安
定性に優れ、粒子径が1〜500μmであり0.7≦V
≦1.3という特徴がある。本発明の成分(B)を使用
せず、他の界面活性剤のみで乳化させた場合、乳化粒子
径分布が複数ピークとなり乳化粒子が不均一であり保存
安定性に劣る。そのうえ、本発明のエマルジョンは、O
/W型エマルジョンであるために、化粧料として使用し
た場合には、ベタツキの無い良好な使用感を得られ、化
粧料製造時には優れた作業性を得ることができる。
【0056】このような特徴により、本発明のシリコー
ンエマルジョン組成物は毛髪化粧料、皮膚化粧料、メー
キャップ化粧料、クレンジング剤などの化粧料の原料と
して有用である。
【0057】化粧料としてシリコーン成分を配合する場
合は、本発明のシリコーン樹脂エマルジョン組成物を用
いることにより優れた作業性が得られ、かつ優れた感
触、および毛髪化粧料では良好な光沢と滑らかさを毛髪
へ付与することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシリコーンエマルジョン組成物を製
造する際に用いるミキサーの内部図。
【符号の説明】
a……アンカー型回転式低速撹拌装置 b……高速剪断分散装置 1………モーター 2………タービンシャフト 3………固定パドル 4………スクレーパー 5………回転パドル 6………ステーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/18 C08K 3/18 5/06 5/06 C08L 83/04 C08L 83/04 // A61K 9/107 A61K 9/107 B (C08L 83/04 71:02)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオルガノシロキサン100重量
    部、 (B)ソルビタン系界面活性剤1〜50重量部、および
    (C)水20〜85重量部を含有し、乳化粒子径が1〜
    500μmであり、平均粒子径/最頻粒子径(V)の値
    が0.7≦V≦1.3であることを特徴とするO/W型
    のシリコーンエマルジョン組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、 (D)ポリオキシエチレンアルキルエーテル1〜50重
    量部、および(E)ポリエチレングリコール脂肪酸エス
    テル1〜50重量部を含有することを特徴とする請求項
    1記載のシリコーンエマルジョン組成物。
  3. 【請求項3】 (1)(A)ポリオルガノシロキサンと
    (B)ソルビタン系界面活性剤とを混合する工程、
    (2)工程(1)で得られた混合物に(C)水を加え、
    高剪断力をかけて各成分を分散させ、乳化する工程、と
    から成ることを特徴とするシリコーンエマルジョン組成
    物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のシリコーンエマルジョン
    組成物を含んでなることを特徴とする化粧料。
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JP2000191503A (ja) * 1998-12-29 2000-07-11 L'oreal Sa エトキシル化脂肪エ―テルまたはエトキシル化脂肪エステルをベ―スとするナノエマルジョン、並びに化粧、皮膚科学および/または眼科学分野における使用
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