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JPH11205023A - 車両用ガラスアンテナ装置 - Google Patents

車両用ガラスアンテナ装置

Info

Publication number
JPH11205023A
JPH11205023A JP10019761A JP1976198A JPH11205023A JP H11205023 A JPH11205023 A JP H11205023A JP 10019761 A JP10019761 A JP 10019761A JP 1976198 A JP1976198 A JP 1976198A JP H11205023 A JPH11205023 A JP H11205023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resonance
coil
antenna conductor
antenna
frequency band
Prior art date
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Granted
Application number
JP10019761A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3700372B2 (ja
Inventor
Fumitaka Terajima
文貴 寺島
Koji Tabata
耕司 田畑
Goshi Yamamoto
剛資 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP01976198A priority Critical patent/JP3700372B2/ja
Publication of JPH11205023A publication Critical patent/JPH11205023A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3700372B2 publication Critical patent/JP3700372B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低域、高域の2つの異なる放送帯を良好に受信
できる。 【解決手段】窓ガラス板1の第1のアンテナ導体3aと
受信機7との間に接続された第1のコイル31とアンテ
ナ導体3aのインピーダンスとで第1の共振を生じさ
せ、第2のアンテナ導体3bと車体アースとの間に接続
された第2のコイル32とアンテナ導体3bのインピー
ダンスとで第2の共振を生じさせ、アンテナ導体3aと
アンテナ導体3bとを容量結合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長波放送帯(LW
帯)(150〜280kHz)、中波放送帯(530〜
1630kHz)、短波放送帯(SW帯)(2.3〜2
6.1MHz)、FM放送帯(76〜90MHz(日
本))、FM放送帯(88〜108MHz(米国))、
テレビVHF帯(90〜108MHz、170〜222
MHz)及びテレビUHF帯(470〜770MHz)
等の受信に適し、高受信感度、低ノイズであり、かつ、
生産性に富む車両用ガラスアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、共振を利用して受信感度を向上さ
せる車両用ガラスアンテナ装置として図7の車両用ガラ
スアンテナ装置が提案されている(実公平4−5307
0)。この従来例では、車両の後部窓ガラス板1にヒー
タ線2とバスバ15a、15b、15cからなるデフォ
ッガ90を設けてバスバ15a、15bとデフォッガ9
0用の直流電源10との間にチョークコイル9を接続
し、高周波帯域にてチョークコイル9のインピーダンス
を大きくすることによって、直流電源10からデフォッ
ガ90への直流電流は流すが放送周波数帯域等の高周波
帯域の電流は遮断するようにし、デフォッガ90をアン
テナとして利用している。
【0003】また、中波放送帯においてデフォッガ90
の対接地浮遊容量(以下、単に浮遊容量という)とコイ
ル71とで並列共振させ、さらに、コイル72、コンデ
ンサ73及び抵抗74とで中波放送帯の受信信号を通過
させるようにしている。なお11はノイズカット用のコ
ンデンサである。図7の従来例では、このような構成を
採ることにより、受信感度向上と低ノイズ化を図ってい
る。
【0004】しかし、この従来例では、デフォッガ90
と受信機とを結線しているケーブルの浮遊容量が並列共
振を生じさせる要素となっており、かつ、中波放送帯内
に並列共振周波数が存在するため、S/N比が悪く、共
振が1つであるため受信感度が充分でなかった。
【0005】さらに、デフォッガ90を中波放送帯とF
M放送帯との兼用アンテナとする場合、デフォッガ90
の形状を中波放送受信に最適な形状としても、中波放送
受信の際には、FM放送の受信感度や指向性が不充分で
ある問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の前
述の欠点の解消を目的とし、高受信感度、低ノイズ及び
良生産性の車両用ガラスアンテナ装置を新規に提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1のコイ
ル、第2のコイル、車両の窓ガラス板に設けられた第1
のアンテナ導体及び該窓ガラス板に設けられた第2のア
ンテナ導体を備え、第1のアンテナ導体のインピーダン
スと第1のコイルのインダクタンスとを共振要素として
含む第1の共振を生じさせており、第2のアンテナ導体
のインピーダンス第2のコイルのインダクタンスとを共
振要素として含む第2の共振を生じさせており、第2の
アンテナ導体は第1の受信周波数帯用としての導体長及
び導体形状を有し、第1のアンテナ導体は第1の受信周
波数帯より高周波数の第2の受信周波数帯用としての導
体長及び導体形状を有し、第1の共振の共振周波数及び
第2の共振の共振周波数は、それぞれ第1の受信周波数
帯の感度が向上するような周波数であり、第1のアンテ
ナ導体と第2のアンテナ導体とが電気的に接続されてい
ることを特徴とする車両用ガラスアンテナ装置を提供す
る。
【0008】また、第1のアンテナ導体と第2のアンテ
ナ導体とが、1)両者近接による容量結合、2)コンデ
ンサ接続、3)抵抗接続及び4)コイル接続から選ばれ
る1以上の手段により電気的に接続されてなる上記車両
用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0009】また、第1のコイル、第2のコイル、車両
の窓ガラス板に設けられた第1のアンテナ導体及び該窓
ガラス板に設けられた第2のアンテナ導体を備え、第1
のアンテナ導体のインピーダンスと第1のコイルのイン
ダクタンスとを共振要素として含む第1の共振を生じさ
せており、第2のアンテナ導体のインピーダンス第2の
コイルのインダクタンスとを共振要素として含む第2の
共振を生じさせており、第1の受信周波数帯の受信信号
及び第1の受信周波数帯より高周波数の第2の受信周波
数帯の受信信号が第1のアンテナ導体より受信機に送ら
れており、第1の共振の共振周波数及び第2の共振の共
振周波数は、それぞれ第1の受信周波数帯の感度が向上
するような周波数であり、第1のアンテナ導体と第2の
アンテナ導体との間に、第2の受信周波数帯の受信信号
を遮断又は減衰させるフィルタ回路が電気的に接続され
ていることを特徴とする車両用ガラスアンテナ装置を提
供する。
【0010】また、第1のアンテナ導体と受信機との間
に第1のコイルが電気的に接続されており、第2のアン
テナ導体と車体アースとの間に第2のコイルが電気的に
接続されている上記車両用ガラスアンテナ装置を提供す
る。
【0011】また、ヒータ線と該ヒータ線に給電するバ
スバとを有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導
体とが車両の後部窓ガラス板に設けられており、バスバ
と直流電源との間、及び、バスバと車体アースとの間、
の少なくとも一方にチョークコイルが接続されている車
両用ガラスアンテナ装置において、第1のコイルと第2
のコイルとを備え、アンテナ導体のインピーダンスと第
1のコイルのインダクタンスとを共振要素として含む第
1の共振を生じさせており、デフォッガのインピーダン
スと第2のコイルのインダクタンスとを共振要素として
含む第2の共振を生じさせており、第1の受信周波数帯
の受信信号と第1の受信周波数帯より高周波数の第2の
受信周波数帯の受信信号とがアンテナ導体より受信機に
送られており、第1の共振の共振周波数及び第2の共振
の共振周波数は、それぞれ第1の受信周波数帯の感度が
向上するような周波数であり、アンテナ導体とデフォッ
ガとの間に、第2の受信周波数帯の受信信号を遮断又は
減衰させるフィルタ回路が電気的に接続されていること
を特徴とする車両用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0012】また、アンテナ導体と受信機との間に第1
のコイルが電気的に接続されており、デフォッガと車体
アースとの間に第2のコイルが電気的に接続されている
上記車両用ガラスアンテナ装置を提供する。また、第2
のコイルとデフォッガとの間にコンデンサが電気的に接
続されている上記車両用ガラスアンテナ装置を提供す
る。また、第1の共振が直列共振であり、第2の共振が
並列共振である上記車両用ガラスアンテナ装置を提供す
る。また、第1の受信周波数帯が中波放送帯であり、第
2の受信周波数帯がFM放送帯、テレビVHF帯及びテ
レビUHF帯から選ばれる1以上である上記車両用ガラ
スアンテナ装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は自動車の後部窓ガラス板1
を使用した本発明の車両用ガラスアンテナ装置の基本的
構成図である。図1において、2はヒータ線、3aは第
1のアンテナ導体、3bは第2のアンテナ導体、4a、
4bは給電点、5a、5bはバスバ、6は共振回路、7
は受信機、21は短絡線、31は第1のコイル、32は
第2のコイル、90はデフォッガである。
【0014】感度向上のために、第1のアンテナ導体3
aと第2のアンテナ導体3bとは、相互に近接しており
容量結合していることが好ましい。第1のアンテナ導体
3aとアンテナ導体3bとが容量結合されるための両者
間の距離は、通常0.1〜50mm程度である。容量結
合された第1のアンテナ導体3aと第2のアンテナ導体
3bとの間では直流電流の送受は行われないが受信信号
の高周波電流の送受は行われる。
【0015】図1では、第1のアンテナ導体3aと第2
のアンテナ導体3bとは回路により接続されていない。
しかし、第1のアンテナ導体3aと第2のアンテナ導体
3bとが回路により接続されており、第1のアンテナ導
体3aと第2のアンテナ導体3bとが一体化され、第1
のアンテナ導体3aの実効長及び第2のアンテナ導体3
bの実効長がともに長くなる場合には、第1のアンテナ
導体3aと第2のアンテナ導体3bとを容量結合させて
もよいし、容量結合させなくてもよい。
【0016】図1に示すように後部窓のガラス板1にヒ
ータ線2とヒータ線2に給電するバスバ5a、5bとを
有する通電加熱式のデフォッガ90が設けられている場
合には、第2のアンテナ導体3bがデフォッガ90と容
量結合されていることが好ましい。デフォッガ90に誘
起された受信信号を第2のアンテナ導体3bに伝送し、
受信感度向上を図るためである。第2のアンテナ導体3
bがデフォッガ90と容量結合されている場合には、容
量結合されていない場合と比較して通常0.5dB以上
受信感度が向上する。
【0017】図1において、第2のアンテナ導体3bと
デフォッガ90とが近接していれば両者は容量結合され
ている。しかし、これに限定されず、第1のアンテナ導
体3a及び第2のアンテナ導体3bの少なくとも一方と
デフォッガ90とを近接させて容量結合させてもよく、
このようにする場合には、第2のアンテナ導体3bとデ
フォッガ90とが容量結合されている場合とほぼ同様の
効果を奏する。
【0018】図1では、後述する図9に示すチョークコ
イル9を設けず、デフォッガ90と直流電源10とを直
接接続している。このようにする場合には、放送周波数
帯域にてデフォッガ90を車体アースから遮断しないこ
ととなり、容量結合された容量が大きすぎると、かえっ
て第1のアンテナ導体3a又は第2のアンテナ導体3b
に誘起された受信信号がデフォッガ90を通して車体ア
ースに漏れてしまい、受信感度が減少する。
【0019】また、容量結合された容量が大きすぎる
と、デフォッガ90に存在するエンジンノイズが第1の
アンテナ導体3a又は第2のアンテナ導体3bに流れ、
S/N比も悪くなる。チョークコイル9を設けない場合
には、第1のアンテナ導体3a及び第2のアンテナ導体
3bの少なくとも一方とデフォッガ90との結合容量は
通常100pF以下が好ましい。100pF以下の場合
には、100pF超の場合と比較して通常0.5dB以
上受信感度が向上する。
【0020】同様に、S/N比の観点から、通常第1の
アンテナ導体3a及び第2のアンテナ導体3bの少なく
とも一方とデフォッガ90との結合容量は50pF以下
が好ましい。50pF以下の場合には、50pF超の場
合と比較して通常2.0dB以上S/N比が向上する。
より好ましい範囲は25pF以下である。25pF以下
の場合には、25pF超の場合と比較して通常3.0d
B以上S/N比が向上する。
【0021】図1に示すように後部窓のガラス板1に設
けられている複数本のヒータ線2のバスバ以外の部分を
短絡線21により短絡してもよい。ヒータ線2をバスバ
以外の部分で短絡する短絡線21は必要に応じて設けら
れ、デフォッガ90をアンテナとして利用する場合に、
デフォッガ90のインピーダンスを安定させる機能を有
する。また、短絡線21は高帯域化機能をも有する。
【0022】図2は図1の装置において第1のアンテナ
導体3aと第2のアンテナ導体3bとを容量結合させた
場合の等価回路図である。図2において、E1は第1の
アンテナ導体3aの電圧電源、E2は第2のアンテナ導
体3bの電圧電源、33は第1のアンテナ導体3aの浮
遊容量、34は第2のアンテナ導体3bの浮遊容量、3
5は第1のアンテナ導体3aと第2のアンテナ導体3b
の近接容量である。
【0023】第2のアンテナ導体3bは主に第1の受信
周波数帯(以下、低域周波数帯という)の受信用とする
ことが好ましく、低域周波数帯で好適な受信性能が得ら
れるように導体長及び導体形状を設定することが好まし
い。第1のアンテナ導体3aは低域周波数帯より高周波
数の第2の受信周波数帯(以下、高域周波数帯という)
の受信用とすることが好ましく、高域周波数帯で好適な
受信性能が得られるように導体長及び導体形状を設定す
ることが好ましい。
【0024】例えば、高域周波数帯をFM放送帯、テレ
ビVHF帯又はテレビUHF帯とする場合、第1のアン
テナ導体3aを構成する各エレメントの横幅の寸法は、
ガラス短縮率をK、高域周波数帯の最高周波数の波長を
λH 、高域周波数帯の最低周波数の波長をλL としたと
き、(λH /4)×K〜λL ×Kの範囲が好ましい。な
お、ガラス短縮率Kは0.64である。
【0025】低域周波数帯を中波放送帯とする場合、第
2のアンテナ導体3bの導体長は使用できるエリアを最
大限に使い、できるだけ長くすることが好ましい。第2
のアンテナ導体3bは第1のアンテナ導体3aの大部分
を囲うように窓ガラス板1に設けられることが好まし
い。両者を容量結合しやすくし、第2のアンテナ導体3
bの導体長をできるだけ長くするためである。
【0026】第1のアンテナ導体3a、第2のアンテナ
導体3bは、中波放送帯、FM放送帯、短波放送帯、長
波放送帯、テレビVHF帯、テレビUHF帯及び電話受
信用等とできる。例えば、一般的には、低域周波数帯を
中波放送帯とし、高域周波数帯をFM放送帯、テレビV
HF帯及びテレビUHF帯の1以上とする。
【0027】本発明においては、2つの共振を起こして
受信感度を向上させる。第1の共振については、第1の
アンテナ導体のインピーダンスと第1のコイルのインダ
クタンスとが共振要素として含まれる。
【0028】第1のアンテナ導体3aのインピーダンス
は主に浮遊容量33からなり、第1のアンテナ導体3a
のインピーダンスとは給電点4aから第1のアンテナ導
体3a側を見たときのインピーダンスをいう。また、浮
遊容量33と車体アースとの間に並列に容量成分を接続
して第1の共振の共振周波数を調整してもよい。この容
量成分も第1の共振の共振要素となりうる。
【0029】また、第1の共振には、第1のコイル31
周辺の配線の浮遊容量、ガラスアンテナと受信機との間
に接続されているケーブルの浮遊容量及び近接容量35
も影響し、これらも第1の共振の共振要素となりうる。
【0030】また、共振回路6内部に新たに回路素子を
設けて第1のアンテナ導体3aと受信機側とのインピー
ダンスマッチングを行ってもよい。第1のコイル31に
は通常10μH〜1mH程度のものが使用される。
【0031】第2の共振については、第2のアンテナ導
体のインピーダンスと第2のコイルのインダクタンスと
が共振要素として含まれる。第2のアンテナ導体3bの
インピーダンスは主に浮遊容量34からなり、第2のア
ンテナ導体3bのインピーダンスとは給電点4bから第
2のアンテナ導体3b側を見たときのインピーダンスを
いう。また、浮遊容量34と車体アースとの間に並列に
容量成分を接続して第2の共振の共振周波数を調整して
もよい。この容量成分も第2の共振の共振要素となりう
る。
【0032】第2のコイル32には通常10μH〜1m
H程度のものが使用される。また、第2の共振には、第
2のコイル32周辺の配線の浮遊容量及び近接容量35
も、第2の共振の共振要素となりうる。共振回路6と受
信機との間に接続されているケーブルの浮遊容量も第2
の共振に影響を与える。
【0033】なお、第2のコイル32が、放送周波数の
うちでもFM放送周波数のような高い周波数帯でインダ
クタンスを失う(すなわち、容量性の性質となる)場合
には、受信信号が車体アースに漏れ、受信感度が落ち
る。これを防ぐために、第2のコイル32に高周波チョ
ークコイル(不図示)を直列に接続してもよい。この高
周波チョークコイルには通常0.1〜100μH程度が
使用される。
【0034】第1のアンテナ導体3aと第2のアンテナ
導体3bとを容量結合させた場合、第2のアンテナ導体
3bの受信信号は近接容量35を介して受信機側に伝達
される。共振回路6内部に新たに回路素子を設けて第2
のアンテナ導体3bと受信機側とのインピーダンスマッ
チングを行ってもよい。図1では、第1の共振は直列共
振であり、第2の共振は並列共振である。本発明では、
このようにすることが感度向上の観点から好ましい。し
かし、本発明では、第1の共振は直列共振に限定され
ず、第2の共振も並列共振に限定されない。
【0035】本発明において2つの共振を生じさせるの
は、1つの共振のみでは幅広い受信周波数帯域をカバー
しきれないからである。したがって本発明では低域周波
数帯域を略中心周波数で2つに分けて、それぞれを2つ
の共振で分担させ受信感度の平坦化を図ることが望まし
い。ここで、受信感度の平坦化とは、低域周波数帯等の
帯域内で最高受信感度と最低受信感度との差を小さくす
ることをいう。
【0036】また、第1の共振の共振周波数及び第2の
共振の共振周波数は、低域周波数帯の感度が向上するよ
うな周波数とする。しかし、低域周波数帯の最高周波数
をfH とした場合、fH の1.5倍の周波数と低域周波
数帯の略中心周波数との間に第1の共振の共振周波数を
存在させ、かつ、低域周波数帯の最低周波数をfL とし
た場合、fL の0.6倍の周波数と低域周波数帯の略中
心周波数との間に第2の共振の共振周波数を存在させる
ことが、受信感度の平坦化の面で好ましい。この範囲外
であると、低域周波数帯域内で最高受信感度と最低受信
感度との差が通常10dB程度以下とすることが困難と
なり、低域周波数帯で受信感度の平坦化が劣る。
【0037】また、第1の共振の共振周波数は、低域周
波数帯域内に存在することが受信感度向上の面で好まし
い。低域周波数帯域内に存在する場合には、存在しない
場合と比較して低域周波数帯全域の受信感度が通常10
dB程度向上する。
【0038】したがって、平坦化及び受信感度の両面を
向上させるため、fH と低域周波数帯の略中心周波数と
の間に第1の共振の共振周波数を存在させ、かつ、fL
の0.6倍の周波数と低域周波数帯の略中心周波数との
間に第2の共振の共振周波数を存在させることがより好
ましい。
【0039】第1の共振が直列共振である場合、第1の
共振の共振周波数は、低域周波数帯域の略中心周波数よ
り高いことが好ましい。第2の共振が並列共振である場
合、第2の共振の共振周波数は、低域周波数帯域の略中
心周波数より低いことが好ましい。第2の共振が並列共
振である場合には並列共振の共振周波数より低い範囲の
受信感度の低下が著しい。
【0040】図3は共振回路6の変更例の回路図であ
る。図3において、41、44、50、51は直流カッ
ト用のコンデンサ、42はバイパスコンデンサ、43は
結合用のコンデンサ、45、46、48、49はダンピ
ング用の抵抗、47はエンジンノイズ等の車両ノイズの
軽減用の抵抗である。
【0041】図3の共振回路では、第2のアンテナ導体
3bの受信信号はコンデンサ51、抵抗47、コンデン
サ43を介して受信機側に伝達される。ただし、第1の
アンテナ導体3aと第2のアンテナ導体3bとが容量結
合されている場合には、第2のアンテナ導体3bの受信
信号は近接容量35を介しても受信機側に伝達される。
【0042】バイパスコンデンサ42は必要に応じて設
けられ、高域周波数帯を通過させて、受信機側に送る機
能を有する。例えば、低域周波数帯を中波放送帯とする
とき、FM放送受信をも行う場合には、FM放送帯をバ
イパスコンデンサ42によって通過させる。
【0043】コンデンサ43は第1のアンテナ導体3a
と第2のアンテナ導体3bとの容量結合を強化するため
のものであり、必要に応じて設けられる。第1のアンテ
ナ導体3aと第2のアンテナ導体3bとの接続について
は、図3の場合ではコンデンサ43で行っている。しか
し、抵抗等他の部品で接続させてもよい。また、受信感
度の平坦化を調整するものとして、抵抗45、46、4
8、49は必要に応じて設けられる。この他に共振調整
用のコンデンサ等を設けてもよい。
【0044】コンデンサ41、44、50、51は必要
に応じて設けられ、通常100pF〜50μFが使用さ
れる。バイパスコンデンサ42には通常1〜1000p
Fが使用される。コンデンサ43には通常5〜500p
Fが使用される。抵抗45、46、49には通常50Ω
〜100kΩが使用される。
【0045】共振回路6と受信機7とを接続するケーブ
ルの浮遊容量が第2の共振に影響を与えてエンジンノイ
ズ等の車両ノイズによるS/N比の悪化を招く。抵抗4
7は必要に応じて設けられ、このS/N比悪化を防止す
る機能を有する。特に中波放送帯の低域のS/N比悪化
を防止する機能を有する。すなわち、抵抗47はエンジ
ンノイズ等の車両ノイズの軽減する機能を有する。
【0046】抵抗47の抵抗値は10Ω〜1kΩが好ま
しく、50〜500Ωが好ましい。低域周波数帯を中波
放送帯とするとき、抵抗47の抵抗値を10Ω〜1kΩ
とする場合には、10Ω〜1kΩの範囲外の場合と比較
して、中波放送帯のS/N比が1dB以上向上する。抵
抗47の抵抗値を50〜500Ωとする場合には、50
〜500Ωの範囲外の場合と比較して、中波放送帯のS
/N比が1dB以上向上する。
【0047】前述した通り、図3において、コンデンサ
41、42、43、44、50、51、抵抗45、4
6、47、48、49は必要に応じて設けられ、省略で
き、ここで、コンデンサ42の省略、抵抗45、46、
49の省略とは開放とすることであり、コンデンサ4
1、43、44、50、51の省略、抵抗47、48の
省略とは短絡とすることである。
【0048】図6は図3とは別タイプの共振回路の回路
図を示す。図6において、52は高周波チョークコイル
である。高周波チョークコイル52は必要に応じて設け
られる。高周波チョークコイル52の省略とは短絡とす
ることである。
【0049】高周波チョークコイル52は、第1のアン
テナ導体3aと第2のアンテナ導体3bとを通常高域周
波数帯で高周波的に分離し、第1のアンテナ導体3aの
導体の実効長を変化させず、高域周波数帯で受信感度を
向上させる機能を有する。高周波チョークコイル52
は、0.1〜1000μH程度が通常使用される。
【0050】また、第2のコイル32が高域周波数帯で
自己共振周波数が低く、インダクタンスを失う場合に
は、第1のアンテナ導体3aに励起される高域周波数帯
の受信信号が第2のコイル32を介して車体アースに漏
れ受信感度が落ちるため、高域周波数帯でインダクタン
スを失わない(すなわち、容量性の性質とならない)高
周波チョークコイル52により高域周波数帯の受信信号
が第2のコイル32を介して車体アースに漏れるのを防
止できる。
【0051】換言すると、高周波チョークコイル52
は、低域周波数帯の周波数を通過させ、高域周波数帯の
周波数を遮断又は減衰するフィルタ機能を有する。高周
波チョークコイル52を設ける場合には、設けない場合
と比較して、高域周波数帯受信感度が通常1dB以上向
上する。
【0052】図6において、第1のアンテナ導体3aに
励起した高域周波数帯の受信信号が車体アースに漏れる
ことを防止するため、第1のアンテナ導体3aと第2の
アンテナ導体3bとの間に高周波チョークコイル52を
接続している。しかし、これに限定されず、第1のアン
テナ導体3aと第2のアンテナ導体3bとの間に接続す
るものは高域周波数帯の受信信号を遮断又は減衰させる
フィルタ回路であればどのようなものであってもよい。
【0053】図1において、第2のアンテナ導体3bと
デフォッガ90とをわずかに容量結合させる場合には、
デフォッガ90に存在するエンジンノイズが第2のアン
テナ導体3bに流れ、S/N比が悪くなる傾向にある。
このエンジンノイズを防ぐために、図8に示すようにバ
スバとデフォッガ90用の直流電源間にノイズフィルタ
回路13を接続することが好ましい。ノイズフィルタ回
路13を接続する場合には、接続しない場合と比較し
て、低域周波数帯のS/N比が数dB以上向上する。
【0054】ノイズフィルタ回路13の代表例を図10
に示す。図10に示すノイズフィルタ回路はコンデンサ
とコイルからなり、図10のコンデンサは0.1〜20
μF、コイルは0.1〜10μHが通常使用される。な
お、ノイズフィルタ回路は図10に示す構成に限定され
ない。
【0055】図1では、第2のアンテナ導体3bはデフ
ォッガ90とは近接されてなく、したがって、デフォッ
ガ90と第2のアンテナ導体3bとはほとんど容量結合
されていないか又は完全に容量結合されていない。その
ため、デフォッガ90を車体アースから高周波的にほと
んど絶縁していない。
【0056】しかし、前述のとおり、受信感度向上のた
めに、デフォッガ90と、第1のアンテナ導体3a及び
第2のアンテナ導体3bの少なくとも一方とを近接させ
て容量結合させてもよい。完全に容量結合させた場合に
は、図9に示すように、デフォッガ90とデフォッガ9
0用の直流電源10との間にチョークコイル9を接続
し、デフォッガ90を車体アースから絶縁することが好
ましい。このようにして容量結合させる場合には、容量
結合させない場合と比較して、受信感度が数dB以上向
上する。容量結合されるための両者間の距離は、通常
0.1〜50mm程度である。チョークコイル9は通常
0.1〜10mH程度が使用される。
【0057】図9においては、バスバ5a、5bとデフ
ォッガ90用の直流電源10との間にチョークコイル9
及び高周波チョークコイル12a、12bを挿入し、放
送周波数帯域にてチョークコイル9及び高周波チョーク
コイル12a、12bのインピーダンスを大きくするこ
とによって、直流電源10からデフォッガ90への直流
電流は流すが放送周波数帯域の電流は遮断するようにし
ている。
【0058】このようにして、チョークコイル9及び高
周波チョークコイル12a、12bによりデフォッガ9
0のヒータ線2とバスバ5a、5bとを車体アースから
高周波的に絶縁でき、デフォッガ90に誘起された放送
周波数帯の受信電流が車体アースへ流れるのを防止でき
て、この受信電流を漏れなく受信機に送れる。
【0059】高周波チョークコイル12a、12bは、
放送周波数帯のうちでもFM放送周波数帯のような高い
周波数帯において、高インピーダンスとなるもので、通
常はソレノイド又は磁気コアを使用する。これらはFM
放送周波数帯のような高い周波数帯及びその周波数帯の
近傍では誘導性のインダクタンスを有する。チョークコ
イル9はFM放送周波数帯のような高い周波数帯では自
己共振周波数が低く、インダクタンスを失う場合がある
ので、高周波チョークコイル12a、12bがこれを代
行する。高周波チョークコイル12a、12bは0.1
〜100μH程度が通常使用される。
【0060】チョークコイル9がFM放送周波数帯のよ
うな高い周波数帯でインダクタンスを失う場合には、高
周波チョークコイル12a、12bは不要である。要す
るに、AM放送周波数帯のような低い周波数帯のみを受
信する場合であれば、高周波チョークコイル12a、1
2bは通常不要であり、チョークコイル9のみでよく、
FM放送周波数帯のような高い周波数帯のみを受信する
場合であれば、高周波チョークコイル12a、12bの
みでよい。低い周波数帯及び高い周波数帯両方を受信す
る場合であっても、チョークコイル9、高周波チョーク
コイル12a、12b両方の機能を満足するコイルがあ
れば、かかるコイルのみでよい。
【0061】また、図9において、第1のアンテナ導体
3aがデフォッガ90と容量結合されてなく、かつ、第
1のアンテナ導体3aと第2のアンテナ導体3bとが容
量結合されてない場合、第2のアンテナ導体3bとデフ
ォッガ90とが容量結合されていても、第1のアンテナ
導体3aと第2のアンテナ導体3bとの間に高周波チョ
ークコイル52が接続されていれば、高周波チョークコ
イル12a、12bは不要であり、省略でき、高周波チ
ョークコイル12a、12bの部分を短絡できる。
【0062】図12は、図1とは別のタイプの本発明の
車両用ガラスアンテナ装置の構成図である。図12にお
いて、91はデフォッガ90に接続された引き出し線条
の先端に設けられた給電点である。図12の車両用ガラ
スアンテナ装置では、図1における第2のアンテナ導体
3bをデフォッガ90としている。したがって、図2に
おける説明においては、第2のアンテナ導体3bをデフ
ォッガ90と読み替えて図12を説明する。
【0063】図3、6の共振回路は、図12にも適用さ
れる。ただし、図12の車両用ガラスアンテナ装置で
は、コンデンサ51は図1のタイプの車両用ガラスアン
テナ装置とは異なる重要性を有する。なぜなら、コンデ
ンサ51が設けられてなく、コンデンサ51の箇所が短
絡されているならば、デフォッガ90に流れる直流電流
が第2のコイル32に流れ込むため、第2のコイル32
の電流容量を大きくしなければならず、生産性が悪くな
り、さらに、デフォッガ90に流れる直流電流がコイル
32を介して車体アースに流れ込むため、電流が無駄に
なる。したがって、コンデンサ51を設けることが好ま
しい。
【0064】図12ではコンデンサ51は、給電点91
と第2のコイル32との間に接続されており、給電点9
1がバスバ5bに接続されているので、バスバ5bと第
2のコイル32との間に接続されている。しかし、これ
に限定されず、コンデンサ51は、バスバ5aと第2の
コイル32との間に接続されていてもよく、ヒータ線2
と第2のコイル32との間に接続されていてもよい。換
言すれば、第2のコイル32が接続されるデフォッガ9
0の箇所は限定されない。
【0065】図12においても、2つの共振を起こして
受信感度を向上させる。第1の共振については、第1の
アンテナ導体3aのインピーダンスと第1のコイル31
のインダクタンスとが共振要素として含まれる。第1の
アンテナ導体3aのインピーダンスは主に浮遊容量33
からなり、第1のアンテナ導体3aのインピーダンスと
は給電点4aから第1のアンテナ導体3a側を見たとき
のインピーダンスをいう。
【0066】また、浮遊容量33と車体アースとの間に
並列に容量成分を接続して第1の共振の共振周波数を調
整してもよい。この容量成分も第1の共振の共振要素と
なりうる。また、第1のアンテナ導体3aとデフォッガ
90とが電気的に接続されているため、第1の共振には
デフォッガ90のインピーダンスも影響し、第1の共振
の共振要素となりうる。
【0067】デフォッガ90のインピーダンスは主に浮
遊容量34からなり、デフォッガ90のインピーダンス
とは給電点91からデフォッガ90側を見たときのイン
ピーダンスをいう。さらに、第1の共振には、第1のコ
イル31周辺の配線の浮遊容量、ガラスアンテナと受信
機との間に接続されているケーブルの浮遊容量及び近接
容量35も影響し、第1の共振の共振要素となりうる。
第1の共振は図12においては直列共振である。
【0068】共振回路6内部に新たに回路素子を設けて
第1のアンテナ導体3aと受信機側とのインピーダンス
マッチングを行ってもよい。第1のコイル31には通常
10μH〜1mH程度のものが使用される。
【0069】第2の共振については、第2のコイル32
のインダクタンス及びチョークコイル9のインダクタン
スの少なくとも一方とデフォッガ90のインピーダンス
とが共振要素として含まれる。
【0070】また、第1のアンテナ導体3aとデフォッ
ガ90とが電気的に接続されているため、第2の共振に
は第1のアンテナ導体3aのインピーダンスも影響し、
第2の共振の共振要素となりうる。さらに、第2の共振
には、第1のアンテナ導体3a周辺の配線の浮遊容量、
デフォッガ90周辺の配線の浮遊容量、第2のコイル3
2周辺の配線の浮遊容量及び近接容量35も影響し、第
2の共振の共振要素となりうる。共振回路6の出力と受
信機との間に接続されているケーブルの浮遊容量も第2
の共振に影響を与える。また、図12における第2の共
振は並列共振である。
【0071】図12において、第2のコイル32のイン
ダクタンス及びチョークコイル9のインダクタンス、と
デフォッガ90のインピーダンスとが共振要素として含
まれる場合について説明すると、第2のコイル32とチ
ョークコイル9との並列接続回路のインダクタンスとデ
フォッガ90のインピーダンスとが共振要素として含ま
れる。また、この場合、第2のコイル32のインダクタ
ンスの値をL2 とし、チョークコイル9のインダクタン
スの値をLCHとする場合、1.5・L2 ≦LCHが好まし
く、2・L2 ≦LCHがより好ましい。
【0072】このようにする理由は、チョークコイル9
にはデフォッガ90に流れる数十A(アンペア)の大電
流が流れるため、電流容量を大きくしなければならず、
量産の際、LCHは通常±30%程度のバラツキを生じ
る。このため、第2の共振の共振周波数のバラツキを生
じ、ひいては低域周波数帯の感度のバラツキを生じる。
図12の装置では、第2のコイル32とチョークコイル
9との並列接続回路のインダクタンスが第2の共振を生
じさせる主なインダクタンスとなるため、1.5・L2
≦LCHにすることによって、チョークコイル9のインダ
クタンスの第2の共振への影響を少なくし、第2の共振
の共振周波数のバラツキを少なくできる。1.5・L2
≦LCHの場合には、LCHが±30%ばらついても第2の
コイル32とチョークコイル9との並列接続回路のイン
ダクタンスのバラツキを±15%以下にできる。
【0073】図12において、第1の共振の共振周波数
及び第2の共振の共振周波数は、低域周波数帯の感度が
向上するような周波数とする。低域周波数帯を中波放送
帯とするとき、S/N比向上の観点より、並列共振の共
振周波数は350〜530kHzが好ましく、450〜
500kHzがより好ましい。
【0074】また、浮遊容量34と車体アースとの間に
並列に容量成分を接続して第2の共振の共振周波数を調
整してもよい。この容量成分も第2の共振の共振要素と
なりうる。第2のコイル32には通常10μH〜1mH
程度のものが使用される。
【0075】図12において、インダクタンス素子であ
る高周波チョークコイル52は必要に応じて設けられ、
高周波チョークコイル52は、第1のアンテナ導体3a
とデフォッガ90とを通常高域周波数帯で高周波的に分
離し、第1のアンテナ導体3aの導体の実効長を変化さ
せず、高域周波数帯で受信感度を向上させる機能を有す
る。
【0076】また、高周波チョークコイル52が設けら
れていない場合であって、チョークコイル9又は第2の
コイル32が高域周波数帯では自己共振周波数が低く、
容量性の性質が強くなる場合には、第1のアンテナ導体
3aに励起した高域周波数帯の受信信号が車体アースの
漏れるため、高周波チョークコイル52を設けてこれを
防ぐようにする。図12における高周波チョークコイル
52は、0.1〜1000μH程度が通常使用され、高
周波チョークコイル52を設けることにより、高域周波
数帯の感度が0.3dB以上向上するように高周波チョ
ークコイル52のインダクタンス値を設定することが好
ましい。
【0077】また、低域周波数帯を中波放送帯とし、高
域周波数帯をFM放送帯、テレビVHF帯及びテレビU
HF帯の1以上とする場合には、高周波チョークコイル
52は、0.5〜10μHが通常使用される。高周波チ
ョークコイル52は、0.5〜10μHの範囲内の場合
には0.5〜10μHの範囲外の場合と比較して、2d
B以上感度が向上する。
【0078】図12において、第1のアンテナ導体3a
に励起した高域周波数帯の受信信号が車体アースの漏れ
ることを防止するため、第1のアンテナ導体3aとデフ
ォッガ90との間に高周波チョークコイル52を接続し
た。しかし、これに限定されず、第1のアンテナ導体3
aとデフォッガ90との間に接続するものは高域周波数
帯の受信信号を遮断又は減衰させるフィルタ回路であれ
ばどのようなものであってもよい。
【0079】また、図12において、第1のアンテナ導
体3aとデフォッガ90とは容量結合していない方が好
ましい。容量結合させる場合には、第1のアンテナ導体
3aに励起した高域周波数帯の受信信号がデフォッガ9
0、チョークコイル9を介して車体アースに漏れやすく
なる。
【0080】図13は、図12の車両用ガラスアンテナ
装置を発展させてダイバーシティ受信を行うようにした
ものである。図13において、53はコンデンサ、t1
は受信機7の第1の入力、t2 は受信機7の第2の入力
である。受信機7では、第1の入力t1 と第2の入力t
2 との間の、高域周波数帯の受信信号のうち、強い方を
選択する。
【0081】コンデンサ53は必要に応じて設けられ、
低域周波数帯の受信信号を遮断又は減衰させる機能を有
する。コンデンサ53の容量値は10〜150pFが好
ましく、20〜70pFがより好ましい。低域周波数帯
が中波放送帯の場合、コンデンサ53の容量値を10〜
150pFとする場合には、10〜150pFの範囲外
の場合と比較して、中波放送帯の感度が1dB以上向上
する。コンデンサ53の容量値を20〜70pFとする
場合には、20〜70pFの範囲外の場合と比較して、
中波放送帯の感度が1dB以上向上する。
【0082】図13の車両用ガラスアンテナ装置では、
図9と同様に高周波チョークコイル12a、12bをバ
スバとチョークコイル9との間に接続することが好まし
い。図12の装置では使用しない、デフォッガ90に励
起された高域周波数帯の受信信号を第2の入力t2 で使
用するため、高周波チョークコイル12a、12bにて
デフォッガ90に励起された高域周波数帯の受信信号の
車体アースへの漏れを防止するためである。なお、図1
3の共振回路6は他の図の車両用ガラスアンテナ装置に
も応用できる。
【0083】図14は本発明の車両用ガラスアンテナ装
置をサイド窓ガラス板に設けた場合の基本的構成図であ
り、共振回路6には図3、6の共振回路6も適用でき
る。
【0084】図1、8、9、12、13に示したデフォ
ッガ90は、いわゆる略ハの字状であるが、本発明にか
かるデフォッガ90はこれに限定されず、図7に示すよ
うないわゆる略コの字状デフォッガ90であっても、本
発明に利用できる。第1のアンテナ導体3a及び第2の
アンテナ導体3bは、窓ガラス板1のデフォッガ90よ
りも上、下、左、又は右の余白部のどこに設けてもよ
く、図1に示す位置に限定されない。また、窓ガラス板
1に設けられるアンテナ導体の数は2以上であれば限定
されない。
【0085】本発明においては、第1のアンテナ導体3
a及び第2のアンテナ導体3b以外に車両に設けられる
アンテナ導体の数は限定されない。また、本発明のガラ
スアンテナ装置、ポールアンテナ等の他のアンテナ装置
又は他のガラスアンテナ装置との間でダイバーシティ受
信を行ってもよい。
【0086】給電点4a、4bは図1では窓ガラス板1
の右周縁部に配設されているが、これに限定されず、窓
ガラス板1のどの位置に配設されていてもよく、例え
ば、窓ガラス板1の左右中央の上下周縁部に配設されて
いてもよい。
【0087】図1に示す第1のアンテナ導体3a及び第
2のアンテナ導体3bには補助アンテナ導体は付設され
ていない。しかし、位相調整及び指向性調整のために、
これらのアンテナ導体の導体パターン又は給電点に、略
T字状、略L字状等の補助アンテナ導体が付設されてい
てもよい。
【0088】また、本発明において、第1のアンテナ導
体3a及び第2のアンテナ導体3bが設けられる窓ガラ
ス板は後部窓ガラス板に限定されず、サイド窓ガラス
板、前部窓ガラス板、ルーフ窓ガラス板等であってもよ
く、アンテナ導体が設けられる窓ガラス板にデフォッガ
90が設けられていなくともよい。図12、13に示し
たデフォッガ90は、いわゆる略ハの字状であるが、本
発明にかかるデフォッガはこれに限定されず、図7に示
すようないわゆる略コの字状デフォッガであっても、本
発明に利用できる。
【0089】
【実施例】「例1」自動車の後部窓ガラス板を使用し、
図1に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。共振
回路6は図3に示す回路を採用した。抵抗47、48、
49、コンデンサ50、51は設けなかった(抵抗4
7、48、コンデンサ50、51は短絡、抵抗49は開
放)。各回路定数は以下のとおりである。
【0090】 第1のコイル31 =220μH、 第2のコイル32 =680μH、 コンデンサ41、44 =2200pF、 バイパスコンデンサ42 =22pF、 コンデンサ43 =39pF、 抵抗45 =10kΩ、 抵抗46 =15kΩ。
【0091】第1のアンテナ導体3aはFM放送帯で好
適な受信性能が得られるように導体長、導体形状を調整
した。第2のアンテナ導体3bは中波放送帯を良好に受
信できるように、アンテナとして使用できるエリアを最
大限に使い、導体長をできるだけ長くした。
【0092】第1のアンテナ導体3aの上部又は下部と
第2のアンテナ導体3bとの間隔はともに10mmとし
た。第2のアンテナ導体3bとヒータ線2の最上線との
間隔を20mmと長くした。この場合、第2のアンテナ
導体3bとデフォッガ90とは、わずかに容量結合して
いた。
【0093】第1のアンテナ導体3aの最上エレメント
の幅は730mm、中央エレメントの幅は680mm、
最下エレメントの幅(給電点4aを含まず)は780m
m、最上エレメントと中央エレメントとの間隔は15m
m、中央エレメントと最下エレメントとの間隔は15m
mとした。
【0094】第2のアンテナ導体3bの4本の各エレメ
ントの幅(最下から2番目のエレメントについては給電
点4bを含まず)はともに800mm、最上エレメント
と最下エレメントとの間隔は73.5mmとした。第1
のアンテナ導体3aと第2のアンテナ導体3bの線幅
は、ともに0.7mmとした。
【0095】図4は中波放送帯感度の特性図である。図
4では870mmの長さのポールアンテナとの感度を比
較しており、ポールアンテナの感度は0dBである。F
M放送帯感度については870mmの長さのポールアン
テナとほぼ同等(±2dB以内)であった。第1の共振
の共振周波数は1450kHz、第2の共振の共振周波
数は600kHzとした。
【0096】「例2(比較例)」図7に示すような従来
の車両用ガラスアンテナ装置を製作した。コイル71は
680μH、コイル72は100μH、コンデンサ73
は30pF、抵抗74は5kΩとした。窓ガラス板と、
窓ガラス板に設けられるデフォッガ90とは例1と同様
のものを使用した。
【0097】図5は600kHzにおけるS/N特性図
である。シールドルーム内で信号発生器に接続した送信
用アンテナから電波を放射して測定した。図5の横軸は
信号発生器の出力電圧、縦軸は受信機最終段の低周波増
幅回路の出力電圧をdBで表示したものである。信号発
生器の出力を120dBμVとして、S/Nが飽和状態
にさせるために受信機に入力を充分に入れた(飽和状
態)。このとき、信号発生器の変調については400H
zの変調周波数を採用し30%の変調度とした。また、
このときの状態を縦軸の0(ゼロ)dBとして基準とし
た。
【0098】図5において、実線が例1の、波線が例2
の、S/N特性である。50〜120dBμVにおい
て、実線、波線ともに上下に分枝している。分枝の上の
線は変調させた場合の状態であり(音声信号(S)+ノ
イズ(N))、分枝の下の線は送信用アンテナからの電
波に変調を全く加えていない状態である(無変調状態、
ノイズ(N)のみ)。
【0099】図5における上の線と下の線のdBの差異
が大きいほどS/N比が大きく、良好な受信ができる。
なお、図5のS/N特性はエンジンノイズ等の車両ノイ
ズは無関係であり、エンジンの作動又は停止に影響され
ない。
【0100】「例3」自動車の後部窓ガラス板を使用
し、図1に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。
共振回路6は図6に示す回路を採用し、コンデンサ5
0、51、抵抗46、48、49は設けなかった(抵抗
46、49は開放、抵抗48は短絡、コンデンサ50、
51は短絡)。回路定数については、第1のコイル3
1、コイル52及び抵抗47以外は例1と同様とした。
各回路定数は以下のとおりである。図11に実線で例3
のFM放送帯感度の特性の測定結果を示す。 第1のコイル31 =120μH、 高周波チョークコイル52 =2.7μH、 抵抗47 =220Ω。
【0101】「例4」高周波チョークコイル52を設け
ない以外は例3と同様として、図1に示すようなガラス
アンテナ装置を製作した。図11に破線で例4のFM放
送帯感度の特性の測定結果を示す。
【0102】「例5」自動車の後部窓ガラス板を使用
し、図9に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。
ただし、第1のアンテナ導体3a、第2のアンテナ導体
3b及びデフォッガ90は例1のものと同様のものを使
用した。共振回路6は図6に示す回路を採用した。コン
デンサ41、44、抵抗46、48は設けなかった(抵
抗46は開放、コンデンサ41、44、抵抗48は短
絡)。
【0103】また、第2のコイル32には高周波チョー
クコイル2.2μHを直列に接続した。高周波チョーク
コイル12a、12bを設けなかった。第2のアンテナ
導体3bとデフォッガ90との最短距離は10mm、第
2のアンテナ導体3bとデフォッガ90との結合容量は
80pFとした。各回路定数は以下のとおりである。
【0104】 第1のコイル31 =150μH、 第2のコイル32 =680μH、 コンデンサ50、51 =1000pF、 コイル52 =2.2μH、 抵抗47 =270Ω、 抵抗49 =10kΩ、 抵抗45 =15kΩ、 バイパスコンデンサ42 =22pF、 チョークコイル9 =1mH。
【0105】中波放送帯感度については、例1より平均
約4dB以上向上した。また、FM放送帯感度について
は例1とほぼ同様であった。
【0106】「例6」自動車の後部窓ガラス板を使用
し、図12に示すようなガラスアンテナ装置を製作し
た。各回路定数は以下のとおりである。 第1のコイル31 =150μH、 第2のコイル32 =560μH、 高周波チョークコイル52 =2.2μH、 バイパスコンデンサ42 =22pF、 抵抗45 =15kΩ、 抵抗47 =270Ω、 抵抗48 =220Ω、 コンデンサ50、51 =1000pF、 チョークコイル9 =1.6mH、 デフォッガ90の浮遊容量 =100pF。
【0107】第1のアンテナ導体3aは中波放送帯及び
FM放送帯を受信できるように導体長、導体形状を調整
した。第1のアンテナ導体3aの下部とヒータ線2の最
上線との間隔を15mmと長くした。この場合、第1の
アンテナ導体3aとデフォッガ90とは、わずかに容量
結合していた。
【0108】図15は中波放送帯の感度の特性図であ
る。図15では910mmの長さのポールアンテナとの
感度を比較しており、ポールアンテナの感度は0dBで
ある。第1の共振(直列共振)の共振周波数は1450
kHz、第2の共振(並列共振)の共振周波数は480
kHzであった。図16はFM放送帯の感度の特性図で
ある。
【0109】
【発明の効果】本発明では、第1のアンテナ導体のイン
ピーダンスと第1のコイルのインダクタンスとを共振要
素として含む第1の共振を生じさせ、第2のアンテナ導
体のインピーダンス第2のコイルのインダクタンスとを
共振要素として含む第2の共振を生じさせており、2共
振を利用するため感度に優れる。さらに、ガラスアンテ
ナと受信機との間に接続されているケーブルの浮遊容量
については第2の共振に与える影響が少ないため、S/
N比が飛躍的に向上する。
【0110】本発明では、低域周波数帯、高域周波数帯
の2つの異なる周波数帯を受信する場合であっても、第
1のアンテナ導体を高域周波数帯受信に適するように設
計し、第2のアンテナ導体を低域周波数帯受信に適する
ように設計することによって、両周波数帯とも良好に受
信できる。さらには、両周波数帯受信のための調整を別
々に行えるため、調整が容易となり、生産性向上に寄与
できる。
【0111】また、デフォッガをアンテナとして利用し
なくとも、第1の共振及び第2の共振を生じさせること
ができるため、従来のガラスアンテナで必要とされてい
たチョークコイル9が不要なシステムとすることもで
き、生産性向上に寄与できる。
【0112】さらに、第2のアンテナ導体をデフォッガ
とし、第1のアンテナ導体とデフォッガとの組合せをア
ンテナとして使用する場合には、低域周波数帯受信の際
には、第1のアンテナ導体とデフォッガの両方を利用で
きるため低域周波数帯の感度に優れ、高域周波数帯受信
の際には、第1のアンテナ導体のみの実効長を利用でき
るため高域周波数帯の感度に優れる。さらに、この場
合、デフォッガの高域周波数帯受信信号を利用しない場
合には、高周波チョークコイル12a、12bが省略で
き、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用ガラスアンテナ装置の基本的構
成図
【図2】図1の装置において第1のアンテナ導体3aと
第2のアンテナ導体3bとを容量結合させた場合の等価
回路図
【図3】共振回路6の変更例の回路図
【図4】例1の感度の周波数特性図
【図5】例1及び従来例のS/N特性図
【図6】図3とは別のタイプの共振回路6の回路図
【図7】従来技術のアンテナ装置の構成図
【図8】図1とは別のタイプの本発明の車両用ガラスア
ンテナ装置の構成図
【図9】図1とは別のタイプの本発明の車両用ガラスア
ンテナ装置の構成図
【図10】本発明におけるノイズフィルタ回路の回路図
【図11】例3及び例4のFM放送帯感度の特性図
【図12】図1とは別のタイプの本発明の車両用ガラス
アンテナ装置の構成図
【図13】図1とは別のタイプの本発明の車両用ガラス
アンテナ装置の構成図
【図14】本発明の車両用ガラスアンテナ装置をサイド
窓ガラス板に設けた場合の構成図
【図15】例6の中波放送帯の感度の特性図
【図16】例6のFM放送帯の感度の特性図
【符号の説明】
1:車両の後部窓ガラス板 2:ヒータ線 3a:第1のアンテナ導体 3b:第2のアンテナ導体 4a、4b:給電点 5a、5b:バスバ 6:共振回路 7:受信機 10:直流電源 31:第1のコイル 32:第2のコイル 33:第1のアンテナ導体3aの浮遊容量 34:第2のアンテナ導体3bの浮遊容量 35:近接容量 41、44:直流カット用コンデンサ 42:バイパスコンデンサ 43:結合コンデンサ 45、46:ダンピング用の抵抗 47:抵抗 52:高周波チョークコイル 90:デフォッガ E1:第1のアンテナ導体3aの電圧電源 E2:第2のアンテナ導体3bの電圧電源

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のコイル、第2のコイル、車両の窓ガ
    ラス板に設けられた第1のアンテナ導体及び該窓ガラス
    板に設けられた第2のアンテナ導体を備え、 第1のアンテナ導体のインピーダンスと第1のコイルの
    インダクタンスとを共振要素として含む第1の共振を生
    じさせており、 第2のアンテナ導体のインピーダンス第2のコイルのイ
    ンダクタンスとを共振要素として含む第2の共振を生じ
    させており、 第2のアンテナ導体は第1の受信周波数帯用としての導
    体長及び導体形状を有し、第1のアンテナ導体は第1の
    受信周波数帯より高周波数の第2の受信周波数帯用とし
    ての導体長及び導体形状を有し、 第1の共振の共振周波数及び第2の共振の共振周波数
    は、それぞれ第1の受信周波数帯の感度が向上するよう
    な周波数であり、 第1のアンテナ導体と第2のアンテナ導体とが電気的に
    接続されていることを特徴とする車両用ガラスアンテナ
    装置。
  2. 【請求項2】第1のアンテナ導体と第2のアンテナ導体
    とが、1)両者近接による容量結合、2)コンデンサ接
    続、3)抵抗接続及び4)コイル接続から選ばれる1以
    上の手段により電気的に接続されている請求項1記載の
    車両用ガラスアンテナ装置。
  3. 【請求項3】第1のコイル、第2のコイル、車両の窓ガ
    ラス板に設けられた第1のアンテナ導体及び該窓ガラス
    板に設けられた第2のアンテナ導体を備え、 第1のアンテナ導体のインピーダンスと第1のコイルの
    インダクタンスとを共振要素として含む第1の共振を生
    じさせており、 第2のアンテナ導体のインピーダンス第2のコイルのイ
    ンダクタンスとを共振要素として含む第2の共振を生じ
    させており、 第1の受信周波数帯の受信信号及び第1の受信周波数帯
    より高周波数の第2の受信周波数帯の受信信号が第1の
    アンテナ導体より受信機に送られており、 第1の共振の共振周波数及び第2の共振の共振周波数
    は、それぞれ第1の受信周波数帯の感度が向上するよう
    な周波数であり、 第1のアンテナ導体と第2のアンテナ導体との間に、第
    2の受信周波数帯の受信信号を遮断又は減衰させるフィ
    ルタ回路が電気的に接続されていることを特徴とする車
    両用ガラスアンテナ装置。
  4. 【請求項4】第1のアンテナ導体と受信機との間に第1
    のコイルが電気的に接続されており、第2のアンテナ導
    体と車体アースとの間に第2のコイルが電気的に接続さ
    れている請求項1、2又は3記載の車両用ガラスアンテ
    ナ装置。
  5. 【請求項5】ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバと
    を有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導体とが
    車両の後部窓ガラス板に設けられており、バスバと直流
    電源との間、及び、バスバと車体アースとの間、の少な
    くとも一方にチョークコイルが接続されている車両用ガ
    ラスアンテナ装置において、 第1のコイルと第2のコイルとを備え、 アンテナ導体のインピーダンスと第1のコイルのインダ
    クタンスとを共振要素として含む第1の共振を生じさせ
    ており、 デフォッガのインピーダンスと第2のコイルのインダク
    タンスとを共振要素として含む第2の共振を生じさせて
    おり、 第1の受信周波数帯の受信信号と第1の受信周波数帯よ
    り高周波数の第2の受信周波数帯の受信信号とがアンテ
    ナ導体より受信機に送られており、 第1の共振の共振周波数及び第2の共振の共振周波数
    は、それぞれ第1の受信周波数帯の感度が向上するよう
    な周波数であり、 アンテナ導体とデフォッガとの間に、第2の受信周波数
    帯の受信信号を遮断又は減衰させるフィルタ回路が電気
    的に接続されていることを特徴とする車両用ガラスアン
    テナ装置。
  6. 【請求項6】アンテナ導体と受信機との間に第1のコイ
    ルが電気的に接続されており、デフォッガと車体アース
    との間に第2のコイルが電気的に接続されている請求項
    5記載の車両用ガラスアンテナ装置。
  7. 【請求項7】第2のコイルとデフォッガとの間にコンデ
    ンサが電気的に接続されている請求項5記載の車両用ガ
    ラスアンテナ装置。
  8. 【請求項8】第1の共振が直列共振であり、第2の共振
    が並列共振である請求項1、2、3、4又は5記載の車
    両用ガラスアンテナ装置。
  9. 【請求項9】第1の受信周波数帯が中波放送帯であり、
    第2の受信周波数帯がFM放送帯、テレビVHF帯及び
    テレビUHF帯から選ばれる1以上である請求項1、
    2、3、4又は5記載の車両用ガラスアンテナ装置。
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