JPH11197878A - ガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法 - Google Patents
ガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法Info
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- JPH11197878A JPH11197878A JP1316598A JP1316598A JPH11197878A JP H11197878 A JPH11197878 A JP H11197878A JP 1316598 A JP1316598 A JP 1316598A JP 1316598 A JP1316598 A JP 1316598A JP H11197878 A JPH11197878 A JP H11197878A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶接時に長尺のコンジットケーブルが曲げて
使用される場合においてもワイヤ送給性が良好で、アー
クが安定し、ヒュームおよびスパッタ発生量の少ないガ
スシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 (1)ワイヤ表面にワイヤ10kg当た
りTi、KまたはLiの酸化物、水酸化物または弗化物
の1種以上をそれぞれTiO2、K2OおよびLi2O換
算で0.1〜0.5g、MoS2またはWS2の1種以上
を0.02〜0.5%含有し、かつワイヤ表面粗度Ra
が0.1〜0.3μmであることを特徴とするガスシー
ルドアーク溶接用ワイヤ。 (2)ワイヤ表面粗度Raが0.5〜3μmのワイヤ素
線表面にアーク安定剤を含む固体潤滑剤を塗布し、次い
でカセット型ローラダイスで伸線することを特徴とする
ガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造方法。
使用される場合においてもワイヤ送給性が良好で、アー
クが安定し、ヒュームおよびスパッタ発生量の少ないガ
スシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 (1)ワイヤ表面にワイヤ10kg当た
りTi、KまたはLiの酸化物、水酸化物または弗化物
の1種以上をそれぞれTiO2、K2OおよびLi2O換
算で0.1〜0.5g、MoS2またはWS2の1種以上
を0.02〜0.5%含有し、かつワイヤ表面粗度Ra
が0.1〜0.3μmであることを特徴とするガスシー
ルドアーク溶接用ワイヤ。 (2)ワイヤ表面粗度Raが0.5〜3μmのワイヤ素
線表面にアーク安定剤を含む固体潤滑剤を塗布し、次い
でカセット型ローラダイスで伸線することを特徴とする
ガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガスシールドア
ーク溶接用ワイヤおよびその製造方法に係り、詳しく
は、溶接時にワイヤ送給性およびアーク状態が優れると
ともにヒューム発生の少ないガスシールドアーク溶接用
ワイヤおよびその製造方法に関する。
ーク溶接用ワイヤおよびその製造方法に係り、詳しく
は、溶接時にワイヤ送給性およびアーク状態が優れると
ともにヒューム発生の少ないガスシールドアーク溶接用
ワイヤおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスシールドアーク溶接用ワイヤとし
て、製品ワイヤ径が0.8〜2.0mmのソリッドワイ
ヤとフラックス入りワイヤとがある。フラックス入りワ
イヤには、鋼製外皮に開口部のないシームレスワイヤと
巻締め方式で製造されたシームタイプとがある。
て、製品ワイヤ径が0.8〜2.0mmのソリッドワイ
ヤとフラックス入りワイヤとがある。フラックス入りワ
イヤには、鋼製外皮に開口部のないシームレスワイヤと
巻締め方式で製造されたシームタイプとがある。
【0003】これらのガスシールドアーク溶接用ワイヤ
を製造する一般的な方法は、原線またはフラックス充
填後のワイヤ素線を2〜5mm径までローラダイスある
いは孔ダイスで伸線する工程(一次伸線)、焼鈍工
程、酸洗工程、めっき工程、最終サイズ径まで伸
線する工程(仕上げ伸線)の順で行われる。前記〜
の工程は素線および製品の形状、物性に対応して選択さ
れて製造される。
を製造する一般的な方法は、原線またはフラックス充
填後のワイヤ素線を2〜5mm径までローラダイスある
いは孔ダイスで伸線する工程(一次伸線)、焼鈍工
程、酸洗工程、めっき工程、最終サイズ径まで伸
線する工程(仕上げ伸線)の順で行われる。前記〜
の工程は素線および製品の形状、物性に対応して選択さ
れて製造される。
【0004】ガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造工
程における、前述の一次伸線伸線および仕上げ伸線
では、伸線性を良好にするためと、製品が使用される時
(溶接時)のワイヤ送給性を良好にすることを目的とし
て潤滑剤を塗布している。
程における、前述の一次伸線伸線および仕上げ伸線
では、伸線性を良好にするためと、製品が使用される時
(溶接時)のワイヤ送給性を良好にすることを目的とし
て潤滑剤を塗布している。
【0005】孔ダイスを用いて伸線する場合の潤滑剤と
しては、乾式潤滑剤、湿式潤滑剤および半乾式潤滑剤が
用いられるが、微粒グラファイトを潤滑剤の一部として
使用すると伸線性が良好となるので好んで使用される場
合が多い。
しては、乾式潤滑剤、湿式潤滑剤および半乾式潤滑剤が
用いられるが、微粒グラファイトを潤滑剤の一部として
使用すると伸線性が良好となるので好んで使用される場
合が多い。
【0006】一方、製品のガスシールドアーク溶接用ワ
イヤは、特公昭50−3256号公報に代表されるよう
にワイヤ表面に動植物油または鉱物油、あるいはこれら
の混合潤滑油が、前述のの仕上げ伸線工程で塗布され
ており、ワイヤ送給性を良好にしている。また、長尺の
コンジットケーブルを用いて、該コンジットケーブルが
S状あるいはJ状に曲げて溶接する場合は、コンジット
ケーブル内のコンジットチューブと内部を通過するワイ
ヤとの接触摩擦抵抗が増加してワイヤ送給性が悪くなる
ので、潤滑剤としてグラファイト、MoS2、WS2等の
固体潤滑剤を前記潤滑油に混合したり、その他の無機物
の粉末と混合した潤滑剤をワイヤ表面に付着させたガス
シールドアーク溶接用ワイヤが用いられる。
イヤは、特公昭50−3256号公報に代表されるよう
にワイヤ表面に動植物油または鉱物油、あるいはこれら
の混合潤滑油が、前述のの仕上げ伸線工程で塗布され
ており、ワイヤ送給性を良好にしている。また、長尺の
コンジットケーブルを用いて、該コンジットケーブルが
S状あるいはJ状に曲げて溶接する場合は、コンジット
ケーブル内のコンジットチューブと内部を通過するワイ
ヤとの接触摩擦抵抗が増加してワイヤ送給性が悪くなる
ので、潤滑剤としてグラファイト、MoS2、WS2等の
固体潤滑剤を前記潤滑油に混合したり、その他の無機物
の粉末と混合した潤滑剤をワイヤ表面に付着させたガス
シールドアーク溶接用ワイヤが用いられる。
【0007】しかし、前記ガスシールドアーク溶接用ワ
イヤは、伸線時の潤滑剤特にグラファイトが残ってヒュ
ーム発生量が多くなったり、ワイヤ表面が平坦であるの
で、溶接装置のワイヤ送給ローラ部でワイヤがスリップ
し、ワイヤ送給にむらが生じてアークが不安定となる場
合がある。また、ワイヤ送給性が良好な場合でも、アー
クが安定せずスパッタ発生量が多くなる等の問題があっ
た。
イヤは、伸線時の潤滑剤特にグラファイトが残ってヒュ
ーム発生量が多くなったり、ワイヤ表面が平坦であるの
で、溶接装置のワイヤ送給ローラ部でワイヤがスリップ
し、ワイヤ送給にむらが生じてアークが不安定となる場
合がある。また、ワイヤ送給性が良好な場合でも、アー
クが安定せずスパッタ発生量が多くなる等の問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、溶接時に
長尺のコンジットケーブルが曲げて使用される場合にお
いてもワイヤ送給性が良好で、アークが安定し、ヒュー
ムおよびスパッタ発生量の少ないガスシールドアーク溶
接用ワイヤおよびその製造方法を提供することを目的と
する。
長尺のコンジットケーブルが曲げて使用される場合にお
いてもワイヤ送給性が良好で、アークが安定し、ヒュー
ムおよびスパッタ発生量の少ないガスシールドアーク溶
接用ワイヤおよびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するためにガスシールドアーク溶接用ワイヤおよ
びその製造方法について種々検討した結果、適度のワイ
ヤ表面粗さのワイヤ素線にアーク安定剤を含む潤滑剤を
塗布し、カセット型ローラダイスで伸線した後、孔ダイ
スでワイヤ表面粗さが適正となるように仕上げ伸線する
ことによって、ワイヤ送給性が良好で、アークが安定
し、ヒュームおよびスパッタ発生量の少ないガスシール
ドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法を提供するこ
とをができることを見い出した。
を解決するためにガスシールドアーク溶接用ワイヤおよ
びその製造方法について種々検討した結果、適度のワイ
ヤ表面粗さのワイヤ素線にアーク安定剤を含む潤滑剤を
塗布し、カセット型ローラダイスで伸線した後、孔ダイ
スでワイヤ表面粗さが適正となるように仕上げ伸線する
ことによって、ワイヤ送給性が良好で、アークが安定
し、ヒュームおよびスパッタ発生量の少ないガスシール
ドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法を提供するこ
とをができることを見い出した。
【0010】すなわち、本発明の要旨とするところは、 (1) ワイヤ表面にワイヤ10kg当たりTi、Kま
たはLiの酸化物、水酸化物または弗化物の1種以上を
それぞれTiO2、K2OおよびLi2O換算で0.1〜
0.5g、MoS2またはWS2の1種以上を0.02〜
0.5%含有し、かつワイヤ表面粗度Raが0.1〜
0.3μmであることを特徴とするガスシールドアーク
溶接用ワイヤ。
たはLiの酸化物、水酸化物または弗化物の1種以上を
それぞれTiO2、K2OおよびLi2O換算で0.1〜
0.5g、MoS2またはWS2の1種以上を0.02〜
0.5%含有し、かつワイヤ表面粗度Raが0.1〜
0.3μmであることを特徴とするガスシールドアーク
溶接用ワイヤ。
【0011】(2) ワイヤ表面粗度Raが0.5〜3
μmのワイヤ素線表面にアーク安定剤を含む固体潤滑剤
を塗布し、次いでカセット型ローラダイスで伸線するこ
とを特徴とするガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造
方法。
μmのワイヤ素線表面にアーク安定剤を含む固体潤滑剤
を塗布し、次いでカセット型ローラダイスで伸線するこ
とを特徴とするガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造
方法。
【0012】(3) アーク安定剤はTi、KまたはL
iの酸化物、水酸化物または弗化物の1種以上、固体潤
滑剤はMoS2またはWS2の1種以上であることを特徴
とする(2)記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤの
製造方法。
iの酸化物、水酸化物または弗化物の1種以上、固体潤
滑剤はMoS2またはWS2の1種以上であることを特徴
とする(2)記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤの
製造方法。
【0013】(4) カセット型ローラダイスの伸線は
減面率が40〜80%であることを特徴とする(2)ま
たは(3)記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤの製
造方法。
減面率が40〜80%であることを特徴とする(2)ま
たは(3)記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤの製
造方法。
【0014】(5) カセット型ローラダイスで伸線し
た後に、1個以上の孔ダイスで仕上げ伸線することを特
徴とする(2)、(3)または(4)記載のガスシール
ドアーク溶接用ワイヤの製造方法にある。
た後に、1個以上の孔ダイスで仕上げ伸線することを特
徴とする(2)、(3)または(4)記載のガスシール
ドアーク溶接用ワイヤの製造方法にある。
【0015】なお、本発明にいうワイヤ表面粗さRaと
は、JIS B0601に準じてワイヤ表面長手方向に
測定した値をいう。
は、JIS B0601に準じてワイヤ表面長手方向に
測定した値をいう。
【0016】また、減面率とは、次式で示したものであ
る。
る。
【0017】減面率={1−(加工後のワイヤ断面積/
加工前のワイヤ断面積)}×100
加工前のワイヤ断面積)}×100
【0018】
【発明の実施の形態】図1はワイヤ送給の工程を示す説
明図である。溶接ワイヤ1はワイヤ供給装置(図示せ
ず)にセットされた状態から送給モータ(図示せず)の
駆動によりワイヤ送給部の平型加圧送給ローラ2および
V溝付送給ローラ3によって順次送給され、コンジット
ケーブル4から溶接トーチ5を通って溶接部に供給され
る。この時ワイヤ1は、ワイヤ送給部の平型加圧送給ロ
ーラ2およびV溝付送給ローラ3によって押圧され、ワ
イヤはその垂直荷重によりV溝付送給ローラ3内に入り
込もうとするがV溝付送給ローラ3との接触による摩擦
力が働いて送給力となる。また、例えば3〜20mのコ
ンジットケーブル4の中のコンジットチューブ(図示せ
ず)内を通過するため、ワイヤ表面の潤滑剤付着状態、
ワイヤ表面の形状によって摩擦抵抗が変わって送給性は
変化するものである。
明図である。溶接ワイヤ1はワイヤ供給装置(図示せ
ず)にセットされた状態から送給モータ(図示せず)の
駆動によりワイヤ送給部の平型加圧送給ローラ2および
V溝付送給ローラ3によって順次送給され、コンジット
ケーブル4から溶接トーチ5を通って溶接部に供給され
る。この時ワイヤ1は、ワイヤ送給部の平型加圧送給ロ
ーラ2およびV溝付送給ローラ3によって押圧され、ワ
イヤはその垂直荷重によりV溝付送給ローラ3内に入り
込もうとするがV溝付送給ローラ3との接触による摩擦
力が働いて送給力となる。また、例えば3〜20mのコ
ンジットケーブル4の中のコンジットチューブ(図示せ
ず)内を通過するため、ワイヤ表面の潤滑剤付着状態、
ワイヤ表面の形状によって摩擦抵抗が変わって送給性は
変化するものである。
【0019】図2は本発明に係る連続伸線ライン全体の
概要図である。ペイオフスタンド8からコイル状のワイ
ヤ素線9が巻き戻されつつ繰り出され、案内ローラ10
を介して、固体潤滑剤塗布槽11でワイヤ表面に潤滑剤
を塗布し、カセット型ローラダイス12、引き取りキャ
プスタン13の順で数組(図では3組)に分けてカセッ
ト型ローラダイス12で伸線される。次いで、伸線機1
4を備えたタンデム配列の孔ダイスによって最終径まで
伸線され、引き取りキャプスタン13に巻き取り後、油
塗布装置15によって油を塗布され巻き取り機16に巻
き取られる。
概要図である。ペイオフスタンド8からコイル状のワイ
ヤ素線9が巻き戻されつつ繰り出され、案内ローラ10
を介して、固体潤滑剤塗布槽11でワイヤ表面に潤滑剤
を塗布し、カセット型ローラダイス12、引き取りキャ
プスタン13の順で数組(図では3組)に分けてカセッ
ト型ローラダイス12で伸線される。次いで、伸線機1
4を備えたタンデム配列の孔ダイスによって最終径まで
伸線され、引き取りキャプスタン13に巻き取り後、油
塗布装置15によって油を塗布され巻き取り機16に巻
き取られる。
【0020】固体潤滑剤塗布槽11は、圧着ローラでワ
イヤ表面に固体潤滑剤を塗布するが、ワイヤ素線9を固
体潤滑剤槽中通過させるだけでも良い。
イヤ表面に固体潤滑剤を塗布するが、ワイヤ素線9を固
体潤滑剤槽中通過させるだけでも良い。
【0021】カセット型ローラダイスの一例として、図
3に示すように、ワイヤ素線9を挟んで各々対向する一
対の溝付ローラ12a、12a’と12b、12b’か
らなる2つのローラダイスを交互にワイヤ圧下方向が9
0゜づつ垂直、水平交互に複数対配置する。
3に示すように、ワイヤ素線9を挟んで各々対向する一
対の溝付ローラ12a、12a’と12b、12b’か
らなる2つのローラダイスを交互にワイヤ圧下方向が9
0゜づつ垂直、水平交互に複数対配置する。
【0022】なお、ワイヤ素線9のワイヤ表面粗さRa
が低い場合は、固体潤滑剤塗布槽11の前処理として、
例えばローラダイス溝部に凹凸を付してワイヤ素線9表
面に表面粗さRaを転写する。
が低い場合は、固体潤滑剤塗布槽11の前処理として、
例えばローラダイス溝部に凹凸を付してワイヤ素線9表
面に表面粗さRaを転写する。
【0023】図4に前記図2の連続伸線ラインを用い
て、ガスシールドアーク溶接用ワイヤを製造した時の減
面率とワイヤ表面粗さRaの測定例を示す。ワイヤ素線
として一次伸線、焼鈍、酸洗、めっき工程を経た線径
3.2mm、ワイヤ表面粗さ0.98μmのJIS Z
3313に規定されるYFW−C50DRのシームレス
フラックス入りワイヤ素線を用いた。固体潤滑剤塗布槽
で酸化チタン、チタン酸カリおよびMoS2を混合した
潤滑剤を、圧着ロールで塗布し、カセット型ローラダイ
ス6組で1.4mm(減面率81%)まで伸線した。ま
た、カセット型ローラダイス4組で減面率60%まで伸
線したのち、孔ダイスで減面率81%まで伸線した。な
お、比較のために、全て孔ダイスで伸線したものも測定
した。
て、ガスシールドアーク溶接用ワイヤを製造した時の減
面率とワイヤ表面粗さRaの測定例を示す。ワイヤ素線
として一次伸線、焼鈍、酸洗、めっき工程を経た線径
3.2mm、ワイヤ表面粗さ0.98μmのJIS Z
3313に規定されるYFW−C50DRのシームレス
フラックス入りワイヤ素線を用いた。固体潤滑剤塗布槽
で酸化チタン、チタン酸カリおよびMoS2を混合した
潤滑剤を、圧着ロールで塗布し、カセット型ローラダイ
ス6組で1.4mm(減面率81%)まで伸線した。ま
た、カセット型ローラダイス4組で減面率60%まで伸
線したのち、孔ダイスで減面率81%まで伸線した。な
お、比較のために、全て孔ダイスで伸線したものも測定
した。
【0024】図4から明らかなように、全て孔ダイスで
減面率81%まで伸線した場合の表面粗さRaは急激に
低下するが、カセット型ローラダイスで減面率81%ま
で伸線した場合は、ワイヤ表面粗さRaの低下は緩やか
である。また、カセット型ローラダイスで減面率60%
まで伸線したのちに孔ダイスで伸線した場合は、全孔ダ
イス伸線でのワイヤ表面粗さRaまでに至らないものの
急激にワイヤ表面粗度Raが低下する。従って、ワイヤ
表面粗さRaが0.5〜3μmのワイヤ素線を、カセッ
ト型ローラダイスの減面率とその後の孔ダイスによる減
面率の比率を調整して最終径まで伸線すれば、目標とす
る表面粗さ(Ra0.1〜0.3μm)のガスシールド
アーク溶接用ワイヤを得ることができる。
減面率81%まで伸線した場合の表面粗さRaは急激に
低下するが、カセット型ローラダイスで減面率81%ま
で伸線した場合は、ワイヤ表面粗さRaの低下は緩やか
である。また、カセット型ローラダイスで減面率60%
まで伸線したのちに孔ダイスで伸線した場合は、全孔ダ
イス伸線でのワイヤ表面粗さRaまでに至らないものの
急激にワイヤ表面粗度Raが低下する。従って、ワイヤ
表面粗さRaが0.5〜3μmのワイヤ素線を、カセッ
ト型ローラダイスの減面率とその後の孔ダイスによる減
面率の比率を調整して最終径まで伸線すれば、目標とす
る表面粗さ(Ra0.1〜0.3μm)のガスシールド
アーク溶接用ワイヤを得ることができる。
【0025】図5に前記方法で伸線した場合の減面率と
固体潤滑剤付着量の測定結果を示す。固体潤滑剤の付着
量は、前記減面率とワイヤ表面粗さRaの傾向と同様で
ある。従って、カセット型ローラダイスの減面率とその
後の孔ダイスによる減面率の比率を調整して最終径まで
伸線すれば、目標とするアーク安定剤および固体潤滑剤
量を有するガスシールドアーク溶接用ワイヤを得ること
ができる。なお、カセット型ローラダイスは伸線性を良
好とする潤滑剤を必要としないので、溶接時にワイヤ送
給性およびアーク安定性を良好とする成分組成の材料を
ワイヤ表面に塗布することができる。よって、ワイヤ表
面に残留して溶接時にヒューム発生量を多くするグラフ
ァイトを用いる必要がない。
固体潤滑剤付着量の測定結果を示す。固体潤滑剤の付着
量は、前記減面率とワイヤ表面粗さRaの傾向と同様で
ある。従って、カセット型ローラダイスの減面率とその
後の孔ダイスによる減面率の比率を調整して最終径まで
伸線すれば、目標とするアーク安定剤および固体潤滑剤
量を有するガスシールドアーク溶接用ワイヤを得ること
ができる。なお、カセット型ローラダイスは伸線性を良
好とする潤滑剤を必要としないので、溶接時にワイヤ送
給性およびアーク安定性を良好とする成分組成の材料を
ワイヤ表面に塗布することができる。よって、ワイヤ表
面に残留して溶接時にヒューム発生量を多くするグラフ
ァイトを用いる必要がない。
【0026】前記製造方法によって最終仕上げされたワ
イヤ表面粗さRaは0.1〜0.3μmにするが、最終
径でのワイヤ表面粗さRaが0.1μm未満であると、
溶接時にワイヤ送給ローラ部でワイヤがスリップした
り、ワイヤ表面に潤滑剤を均一に保有できず、コンジッ
トチューブ内での摩擦抵抗が大きくなってワイヤ送給性
が不良となり、またアークも不安定となる。逆に0.3
μmを超えると、コンジットチューブ内での摩擦抵抗が
大きくなってワイヤ送給性が不良となる。また、アーク
安定剤を含む潤滑剤がワイヤ表面に多く塗布されること
から、長時間溶接するとコンジットチューブ内に該潤滑
剤が蓄積されて、さらにワイヤ送給抵抗が大きくなると
ともに、ワイヤが溶接チップに詰まって送給できなくな
る場合もある。
イヤ表面粗さRaは0.1〜0.3μmにするが、最終
径でのワイヤ表面粗さRaが0.1μm未満であると、
溶接時にワイヤ送給ローラ部でワイヤがスリップした
り、ワイヤ表面に潤滑剤を均一に保有できず、コンジッ
トチューブ内での摩擦抵抗が大きくなってワイヤ送給性
が不良となり、またアークも不安定となる。逆に0.3
μmを超えると、コンジットチューブ内での摩擦抵抗が
大きくなってワイヤ送給性が不良となる。また、アーク
安定剤を含む潤滑剤がワイヤ表面に多く塗布されること
から、長時間溶接するとコンジットチューブ内に該潤滑
剤が蓄積されて、さらにワイヤ送給抵抗が大きくなると
ともに、ワイヤが溶接チップに詰まって送給できなくな
る場合もある。
【0027】固体潤滑剤槽でワイヤ表面に塗布するアー
ク安定剤は、Ti、KまたはLiの酸化物または弗化物
の1種以上とし、最終仕上げされたワイヤ表面にワイヤ
10kg当たりTiO2、K2OおよびLi2O換算で
0.1〜0.5gとする。これらが0.1g未満である
と、溶接時にアークが安定せずスパッタ発生量が多くな
る。逆に0.5gを超えると、長時間溶接される場合に
コンジットチューブ内にこれらが蓄積されて、ワイヤ送
給抵抗が大きくなるとともにワイヤが溶接チップに詰ま
って溶接できなくなる場合がある。なお、Ti、Kおよ
びLiの酸化物または弗化物とは、酸化チタン、チタン
酸カリ、珪弗化カリウム、弗化リチウム、水酸化リチウ
ム、合成マイカ等をいう。
ク安定剤は、Ti、KまたはLiの酸化物または弗化物
の1種以上とし、最終仕上げされたワイヤ表面にワイヤ
10kg当たりTiO2、K2OおよびLi2O換算で
0.1〜0.5gとする。これらが0.1g未満である
と、溶接時にアークが安定せずスパッタ発生量が多くな
る。逆に0.5gを超えると、長時間溶接される場合に
コンジットチューブ内にこれらが蓄積されて、ワイヤ送
給抵抗が大きくなるとともにワイヤが溶接チップに詰ま
って溶接できなくなる場合がある。なお、Ti、Kおよ
びLiの酸化物または弗化物とは、酸化チタン、チタン
酸カリ、珪弗化カリウム、弗化リチウム、水酸化リチウ
ム、合成マイカ等をいう。
【0028】また、溶接時にワイヤ送給性を良好とする
MoS2またはWS2の1種以上が、前記アーク安定剤と
ともに固体潤滑剤槽でワイヤ表面に塗布されるが、最終
仕上げされたワイヤ表面にワイヤ10kg当たり0.0
2〜0.5gとする。MoS2またはWS2の1種以上が
0.02g未満であると、溶接時にコンジットチューブ
内での摩擦抵抗が大きくなってワイヤ送給性が不良とな
る。0.5gを超えると、ワイヤ送給部でワイヤがスリ
ップし、ワイヤ送給にむらが生じてアークが不安定とな
る。
MoS2またはWS2の1種以上が、前記アーク安定剤と
ともに固体潤滑剤槽でワイヤ表面に塗布されるが、最終
仕上げされたワイヤ表面にワイヤ10kg当たり0.0
2〜0.5gとする。MoS2またはWS2の1種以上が
0.02g未満であると、溶接時にコンジットチューブ
内での摩擦抵抗が大きくなってワイヤ送給性が不良とな
る。0.5gを超えると、ワイヤ送給部でワイヤがスリ
ップし、ワイヤ送給にむらが生じてアークが不安定とな
る。
【0029】ワイヤ素線のワイヤ表面粗さRaが0.5
μm未満であると、最終径でのワイヤ表面粗さRaが
0.1μm未満となる。また、最終径での表面粗さRa
を確保するためにカセット型ローラダイスでの減面率を
大きくする必要が生じるが、カセット型ローラダイスは
構造上回転速度に限界があり、細径になった場合伸線速
度が上げられず生産性が悪くなる。逆に3μmを超える
と、伸線時に生じる金属粉が凹部に詰まり、前記アーク
安定剤および潤滑剤を保持しなくなるから、溶接時にコ
ンジットチューブ内での摩擦抵抗が大きくなってワイヤ
送給性が不良となり、またアークも不安定となる。
μm未満であると、最終径でのワイヤ表面粗さRaが
0.1μm未満となる。また、最終径での表面粗さRa
を確保するためにカセット型ローラダイスでの減面率を
大きくする必要が生じるが、カセット型ローラダイスは
構造上回転速度に限界があり、細径になった場合伸線速
度が上げられず生産性が悪くなる。逆に3μmを超える
と、伸線時に生じる金属粉が凹部に詰まり、前記アーク
安定剤および潤滑剤を保持しなくなるから、溶接時にコ
ンジットチューブ内での摩擦抵抗が大きくなってワイヤ
送給性が不良となり、またアークも不安定となる。
【0030】カセット型ローラダイスの伸線は、減面率
を40〜80%とし、その後1個以上の孔ダイスで仕上
げ伸線する。カセット型ローラダイス伸線の減面率が4
0%未満であると、最終ワイヤ径でのワイヤ表面粗さR
aが0.1μm未満となる。逆にカセット型ローラダイ
ス伸線による減面率が80%を超えると、最終ワイヤ径
でのワイヤ表面粗さRaが0.3μmを超える。カセッ
ト型ローラダイス伸線ののちに、1個以上の孔ダイスで
伸線することにより最終仕上げワイヤのワイヤ表面粗さ
Raの調整と真円にする。また、伸線速度をあげること
が可能で生産性が向上する。
を40〜80%とし、その後1個以上の孔ダイスで仕上
げ伸線する。カセット型ローラダイス伸線の減面率が4
0%未満であると、最終ワイヤ径でのワイヤ表面粗さR
aが0.1μm未満となる。逆にカセット型ローラダイ
ス伸線による減面率が80%を超えると、最終ワイヤ径
でのワイヤ表面粗さRaが0.3μmを超える。カセッ
ト型ローラダイス伸線ののちに、1個以上の孔ダイスで
伸線することにより最終仕上げワイヤのワイヤ表面粗さ
Raの調整と真円にする。また、伸線速度をあげること
が可能で生産性が向上する。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
明する。
【0032】まず、JIS Z3112に規定されるY
GW11のソリッドワイヤ原線およびJIS Z331
3に規定されるYFW−50DRのフラックスを15%
充填したシームレスフラックス入りワイヤを一次伸線、
焼鈍、酸洗およびめっき工程を経た各種径のワイヤ素線
を試作した。次いで、図2に示す装置を用いて最終径ま
で伸線してスプール巻ワイヤとした。
GW11のソリッドワイヤ原線およびJIS Z331
3に規定されるYFW−50DRのフラックスを15%
充填したシームレスフラックス入りワイヤを一次伸線、
焼鈍、酸洗およびめっき工程を経た各種径のワイヤ素線
を試作した。次いで、図2に示す装置を用いて最終径ま
で伸線してスプール巻ワイヤとした。
【0033】なお、ワイヤ素線の表面粗さRaは、カセ
ット型ローラダイスの溝部に各種粒径のタングステンカ
ーバイトを溶射したものを用いて予め付与した。
ット型ローラダイスの溝部に各種粒径のタングステンカ
ーバイトを溶射したものを用いて予め付与した。
【0034】各種のアーク安定剤および潤滑剤は固体潤
滑剤塗布槽で圧着ロールを用いて塗布した。
滑剤塗布槽で圧着ロールを用いて塗布した。
【0035】また、カセット型ローラダイスは、2〜4
組使用し、1組当たり10〜30%の減面率で伸線し、
その後の孔ダイス伸線は、合成油とアニオン活性剤を主
成分とする潤滑剤で3〜5個の孔型ダイスで最終径まで
伸線し、油塗布装置でワイヤ表面にパーム油を塗布し
た。
組使用し、1組当たり10〜30%の減面率で伸線し、
その後の孔ダイス伸線は、合成油とアニオン活性剤を主
成分とする潤滑剤で3〜5個の孔型ダイスで最終径まで
伸線し、油塗布装置でワイヤ表面にパーム油を塗布し
た。
【0036】溶接は、図1に示す装置で6m長さのコン
ジットケーブル4を用い、図6に示すコンジットケーブ
ル4をループ径D150mmを2回付して、表2に示す
溶接条件で各15kgづつビードオンプレートで溶接し
た。
ジットケーブル4を用い、図6に示すコンジットケーブ
ル4をループ径D150mmを2回付して、表2に示す
溶接条件で各15kgづつビードオンプレートで溶接し
た。
【0037】ワイヤの送給性の測定は、ワイヤ送給装置
から送り出されたワイヤ1に負荷が加わるとワイヤ送給
部の反力によってワイヤ1が後退するが、この時に生じ
る力をロードセル6によって送給抵抗Rとして測定す
る。また、ワイヤ送給ローラ部でのスリップ率Sは、送
給ローラの周速(TG)と溶接トーチ5の部分にメジャ
リングローラ7を設置してワイヤ通過速度(PG)を測
定して下記式で算出する。
から送り出されたワイヤ1に負荷が加わるとワイヤ送給
部の反力によってワイヤ1が後退するが、この時に生じ
る力をロードセル6によって送給抵抗Rとして測定す
る。また、ワイヤ送給ローラ部でのスリップ率Sは、送
給ローラの周速(TG)と溶接トーチ5の部分にメジャ
リングローラ7を設置してワイヤ通過速度(PG)を測
定して下記式で算出する。
【0038】 スリップ率S=(TG−PG)100/TG 安定した溶接ができる範囲内である送給抵抗Rは6kg
以下、スリップ率は5%以下である。それらの測定結果
も表1にまとめて示す。
以下、スリップ率は5%以下である。それらの測定結果
も表1にまとめて示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】 表1において、試験No.1〜6が本発明によるガスシ
ールドアーク溶接用ワイヤの製造方法によって製造した
ガスシールドアーク溶接用ワイヤの例、試験No.7〜
14が比較例である。本発明による試験No.1から6
は、ワイヤ素線のワイヤ表面粗さRaが適正で、該ワイ
ヤ表面にTi、KまたはLiの酸化物または弗化物の1
種以上のアーク安定剤とMoS2またはWS2の1種以上
を含む固体潤滑剤を塗布した後、カセット型ローラダイ
スで適度の減面率で伸線し、孔ダイスで仕上げ伸線した
ので、最終径のワイヤ表面のワイヤ表面粗さRaが適正
で、アーク安定剤および固体潤滑剤が適量に付着してい
るので、溶接時にループ径150mmで2ターン付した
コンジットケーブルを使用しても送給抵抗Rおよびスリ
ップ率が低く、かつアークが安定するなど、極めて優れ
たワイヤ送給性とアーク安定性が得られた。
ールドアーク溶接用ワイヤの製造方法によって製造した
ガスシールドアーク溶接用ワイヤの例、試験No.7〜
14が比較例である。本発明による試験No.1から6
は、ワイヤ素線のワイヤ表面粗さRaが適正で、該ワイ
ヤ表面にTi、KまたはLiの酸化物または弗化物の1
種以上のアーク安定剤とMoS2またはWS2の1種以上
を含む固体潤滑剤を塗布した後、カセット型ローラダイ
スで適度の減面率で伸線し、孔ダイスで仕上げ伸線した
ので、最終径のワイヤ表面のワイヤ表面粗さRaが適正
で、アーク安定剤および固体潤滑剤が適量に付着してい
るので、溶接時にループ径150mmで2ターン付した
コンジットケーブルを使用しても送給抵抗Rおよびスリ
ップ率が低く、かつアークが安定するなど、極めて優れ
たワイヤ送給性とアーク安定性が得られた。
【0041】比較例中試験No.7は、ワイヤ素線のワ
イヤ表面粗さRaが低いので、また試験No.9は、カ
セット型ローラダイス伸線の減面率が低いので、いずれ
も最終径でのワイヤ表面粗さRaが低くなり、溶接時に
送給ローラ部でワイヤがスリップしスリップ率が高くな
るとともに、ワイヤ表面に潤滑剤を均一に保有できず、
コンジットチューブ内での摩擦抵抗が大きくなって送給
抵抗Rが高くなりワイヤ送給性が不良で、またアークも
不安定であった。
イヤ表面粗さRaが低いので、また試験No.9は、カ
セット型ローラダイス伸線の減面率が低いので、いずれ
も最終径でのワイヤ表面粗さRaが低くなり、溶接時に
送給ローラ部でワイヤがスリップしスリップ率が高くな
るとともに、ワイヤ表面に潤滑剤を均一に保有できず、
コンジットチューブ内での摩擦抵抗が大きくなって送給
抵抗Rが高くなりワイヤ送給性が不良で、またアークも
不安定であった。
【0042】試験No.8は、ワイヤ素線のワイヤ表面
粗さRaが高いので、伸線時に生じた金属粉が凹部に詰
まり、ワイヤ表面のアーク安定剤および潤滑剤が低くな
って、また試験No.10は、カセット型ローラダイス
の減面率が高いので、いずれも最終ワイヤ径のワイヤ表
面粗さRaが高くなり、溶接時送給抵抗R大きくなって
ワイヤ送給性が不良となりアークが不安定となった。
粗さRaが高いので、伸線時に生じた金属粉が凹部に詰
まり、ワイヤ表面のアーク安定剤および潤滑剤が低くな
って、また試験No.10は、カセット型ローラダイス
の減面率が高いので、いずれも最終ワイヤ径のワイヤ表
面粗さRaが高くなり、溶接時送給抵抗R大きくなって
ワイヤ送給性が不良となりアークが不安定となった。
【0043】試験No.11は、ワイヤ表面へのアーク
安定剤付着量が少ないので、アークが不安定になりスパ
ッタ発生量が多かった。
安定剤付着量が少ないので、アークが不安定になりスパ
ッタ発生量が多かった。
【0044】試験No.12は、ワイヤ表面へのアーク
安定剤付着量が多いので、コンジットチューブ内にこれ
らが蓄積されて、送給抵抗Rが高くなりワイヤ送給性が
不良で、またアークも不安定であった。
安定剤付着量が多いので、コンジットチューブ内にこれ
らが蓄積されて、送給抵抗Rが高くなりワイヤ送給性が
不良で、またアークも不安定であった。
【0045】試験No.13は、ワイヤ表面への潤滑剤
付着量が少ないので、コンジットチューブ内での摩擦抵
抗が大きくなって送給抵抗Rが高くなりワイヤ送給性が
不良で、またアークも不安定であった。
付着量が少ないので、コンジットチューブ内での摩擦抵
抗が大きくなって送給抵抗Rが高くなりワイヤ送給性が
不良で、またアークも不安定であった。
【0046】試験No.14は、ワイヤ表面への潤滑剤
付着量が多いので、送給ローラ部でワイヤがスリップし
スリップ率が高くなってアークが不安定となった。
付着量が多いので、送給ローラ部でワイヤがスリップし
スリップ率が高くなってアークが不安定となった。
【0047】なお、いずれの試験例も潤滑剤にグラファ
イトを使用しなかったので、溶接時のヒューム発生量は
少なかった。
イトを使用しなかったので、溶接時のヒューム発生量は
少なかった。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のガスシール
ドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法によれば、溶
接時に長尺のコンジットケーブルが曲げて使用される場
合においてもワイヤ送給性が良好で、アークが安定し、
ヒュームおよびスパッタ発生量の少ないガスシールドア
ーク溶接用ワイヤおよびその製造方法を提供することが
できる。
ドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法によれば、溶
接時に長尺のコンジットケーブルが曲げて使用される場
合においてもワイヤ送給性が良好で、アークが安定し、
ヒュームおよびスパッタ発生量の少ないガスシールドア
ーク溶接用ワイヤおよびその製造方法を提供することが
できる。
【図1】ワイヤ送給の工程を示す説明図である。
【図2】本発明に係る連続伸線処理ライン全体の概要図
である。
である。
【図3】本発明に係るカセット型ローラダイスを示す説
明図である。
明図である。
【図4】図2の連続処理ラインを用いた場合の減面率と
ワイヤ表面粗度Raの測定例を示す説明図である。
ワイヤ表面粗度Raの測定例を示す説明図である。
【図5】図2の連続処理ラインを用いた場合の減面率と
固体潤滑剤付着量の測定例を示す説明図である。
固体潤滑剤付着量の測定例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例に用いたコンジットケーブルを
示す図である。
示す図である。
1 ワイヤ 2 平型加圧ローラ 3 V溝付き送給ローラ 4 コンジットケーブル 5 溶接トーチ 6 ロードセル 7 メジャリングローラ 8 ペイオフスタンド 9 ワイヤ素線 10 案内ローラ 11 固体潤滑剤塗布槽 12 カセット型ローラダイス 12a、12a’、12b、12b’ 溝付ローラ 13 引き取りキャプスタン 14 伸線機 15 油塗布装置 16 巻き取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 35/40 330 B23K 35/40 330
Claims (5)
- 【請求項1】 ワイヤ表面にワイヤ10kg当たりT
i、KまたはLiの酸化物、水酸化物または弗化物の1
種以上をそれぞれTiO2、K2OおよびLi2O換算で
0.1〜0.5g、MoS2またはWS2の1種以上を
0.02〜0.5%含有し、かつワイヤ表面粗度Raが
0.1〜0.3μmであることを特徴とするガスシール
ドアーク溶接用ワイヤ。 - 【請求項2】 ワイヤ表面粗度Raが0.5〜3μmの
ワイヤ素線表面にアーク安定剤を含む固体潤滑剤を塗布
し、次いでカセット型ローラダイスで伸線することを特
徴とするガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造方法。 - 【請求項3】 アーク安定剤はTi、KまたはLiの酸
化物、水酸化物または弗化物の1種以上、固体潤滑剤は
MoS2またはWS2の1種以上であることを特徴とする
請求項2記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造
方法。 - 【請求項4】 カセット型ローラダイスの伸線は減面率
が40〜80%であることを特徴とする請求項2または
請求項3記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤの製造
方法。 - 【請求項5】 カセット型ローラダイスで伸線した後
に、1個以上の孔ダイスで仕上げ伸線することを特徴と
する請求項2、請求項3または請求項4記載のガスシー
ルドアーク溶接用ワイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1316598A JPH11197878A (ja) | 1998-01-08 | 1998-01-08 | ガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1316598A JPH11197878A (ja) | 1998-01-08 | 1998-01-08 | ガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11197878A true JPH11197878A (ja) | 1999-07-27 |
Family
ID=11825573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1316598A Pending JPH11197878A (ja) | 1998-01-08 | 1998-01-08 | ガスシールドアーク溶接用ワイヤおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11197878A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100497181B1 (ko) * | 2000-07-28 | 2005-06-23 | 현대종합금속 주식회사 | 아아크 용접용 와이어 |
KR100507890B1 (ko) * | 2002-09-12 | 2005-08-11 | 고려용접봉 주식회사 | 아크 용접용 무도금 솔리드 와이어 |
KR100668170B1 (ko) | 2005-12-29 | 2007-01-11 | 고려용접봉 주식회사 | 내청성 및 송급성이 우수한 가스실드아크용접용 베이크드플럭스코어드와이어 및 그 제조방법 |
US7485829B2 (en) | 2003-08-26 | 2009-02-03 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Method of producing solid wire for welding |
EP2296843A1 (en) * | 2008-06-18 | 2011-03-23 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire with perovskite coating |
US8901455B2 (en) | 2008-06-18 | 2014-12-02 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire for submerged arc welding |
CN106041369A (zh) * | 2016-05-30 | 2016-10-26 | 大连盛辉钛业有限公司 | 适用于钛合金铸件补焊用的Ti‑6Al‑4V合金焊丝的制备方法 |
CN110548771A (zh) * | 2019-08-14 | 2019-12-10 | 江苏弘亚钨钼科技有限公司 | 一种w型钼丝的制备方法 |
CN110669569A (zh) * | 2019-08-20 | 2020-01-10 | 海斯坦普汽车组件(昆山)有限公司 | 一种能有效降低焊接飞溅和气孔的焊丝润滑剂 |
-
1998
- 1998-01-08 JP JP1316598A patent/JPH11197878A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100497181B1 (ko) * | 2000-07-28 | 2005-06-23 | 현대종합금속 주식회사 | 아아크 용접용 와이어 |
KR100507890B1 (ko) * | 2002-09-12 | 2005-08-11 | 고려용접봉 주식회사 | 아크 용접용 무도금 솔리드 와이어 |
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KR100668170B1 (ko) | 2005-12-29 | 2007-01-11 | 고려용접봉 주식회사 | 내청성 및 송급성이 우수한 가스실드아크용접용 베이크드플럭스코어드와이어 및 그 제조방법 |
EP2296843A1 (en) * | 2008-06-18 | 2011-03-23 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire with perovskite coating |
US8901455B2 (en) | 2008-06-18 | 2014-12-02 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire for submerged arc welding |
US8952295B2 (en) | 2008-06-18 | 2015-02-10 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire with perovskite coating |
CN106041369A (zh) * | 2016-05-30 | 2016-10-26 | 大连盛辉钛业有限公司 | 适用于钛合金铸件补焊用的Ti‑6Al‑4V合金焊丝的制备方法 |
CN110548771A (zh) * | 2019-08-14 | 2019-12-10 | 江苏弘亚钨钼科技有限公司 | 一种w型钼丝的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |