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JPH111890A - シラン重合体含浸紙 - Google Patents

シラン重合体含浸紙

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JPH111890A
JPH111890A JP14944697A JP14944697A JPH111890A JP H111890 A JPH111890 A JP H111890A JP 14944697 A JP14944697 A JP 14944697A JP 14944697 A JP14944697 A JP 14944697A JP H111890 A JPH111890 A JP H111890A
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JP
Japan
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group
paper
silane polymer
impregnated paper
formula
Prior art date
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JP14944697A
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Kentaro Yamawaki
健太郎 山脇
Takehito Tomita
岳人 富田
Atsuko Harasawa
敦子 原沢
Takashi Urata
高史 浦田
Junichi Kaminaga
純一 神永
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙自体に耐水性や剛性を持たせ、かつ、寸法安
定性に優れた含浸紙を提供すること。 【解決手段】一般式〔化1〕で示される官能基の部位で
単一で重合、もしくは2種類以上のシランカップリング
剤で共重合したオリゴマー、あるいはポリマーが含ま
れ、それを加水分解−縮合し、一般式〔化2〕のような
シロキサンネットワーク構造を備えた含浸剤を含浸す
る。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性、あるいは
剛性の優れた含浸紙に関わる。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護に対する意識の高揚か
ら、従来用いられてきた生活資材を環境に負荷を与えな
い材料へ転換するための研究開発が世界中で盛んに行わ
れている。ポリオレフィンや芳香族ポリエステル等の合
成高分子を使用した材料は日常生活には欠かせないため
大量に使用されており、環境面、資源面で負荷の少ない
材料系が注目されてる中で、紙の需要がますます増加し
ている。
【0003】大量消費されている飲料缶や食品缶の材料
は、殺菌処理の熱処理工程に耐えうる耐水剛性が必要と
なるため、主にアルミニウムが使われており、ゴミの分
別回収によるリサイクルがおこなわれているが、マテリ
アルリサイクルにかかるコストの問題や、未だ行楽地で
の投げ捨て等による環境汚染が懸念される。
【0004】このような状況の中で環境に負荷を与えな
い紙が注目され、年々、需要が延びている。紙はリサイ
クルにおいても幅広い対応が可能であり、近年、製紙業
界では故紙の再利用が活発に行われ、また他の可燃性の
ゴミと一緒になってもサーマルリサイクルとしてエネル
ギーに変換が可能である。
【0005】しかし、紙の構造は、セルロース分子が水
素結合したものであり、本質的に水に弱く剛性も乏し
い。撥水性を向上させる場合にはプラスチックやアルミ
ニウムと貼合わせることが多いが、本質的な紙の耐水性
の向上ではない。紙自体に塗布あるいは、含浸させるこ
とにより耐水性を付与する方法としては、エポキシ樹脂
や、メラニン樹脂、ウレタン樹脂を被膜させたり、アジ
リジン化合物やエチレン尿素等の架橋剤として添加する
方法があるが剛性が不十分である場合が多い。
【0006】また、セラミックとの複合化を利用した耐
水紙としては、ウレタン樹脂溶液に粒径0.02〜10
μm範囲のシリカ系微粒子を混合させたものを紙に含浸
させたり、アルコキシシランやそのシラノール縮合した
プレポリマーを含浸させ耐水性を向上させるものがある
が、紙と含浸剤の相互作用は主に水素原子と酸素原子の
水素結合のみであり強固な結合とは言えず、紙の構成成
分であるセルロースとシリカでは水や熱等の外部因子に
対する挙動が異なる為、寸法安定性が低い場合が多い。
【0007】例えば、前項セラミックと複合した含浸紙
を水に浸すと、一旦セラミックとセルロースの水素結合
がはずれ、その状態で加熱乾燥した場合、カールやしわ
等の現象が起こってしまうことが考えられる。
【0008】さらに、含浸剤の主成分がポリシロキサン
である場合、シロキサン結合は非常に強固で紙に硬さを
付与するが反面、ガラスと同様に脆く紙の剛性に欠ける
と考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、紙自
体に耐水性を持たせるというよりは、撥水性の効果によ
るところが大きく、耐水性を付与する薬剤においても、
剛性が不十分であったり、含浸薬剤と紙の構成成分であ
るセルロースとの相互作用が弱いため、外的環境変化に
よって形状が変化してしまう場合が多く、本発明の目的
は、紙自体に耐水性や剛性を持たせ、且つ寸法安定性に
優れた含浸紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記記載
の課題を達成すべく鋭意研究した結果、環境に負荷を与
えない薬剤で耐水性及び剛性を付与し、且つ紙の構成成
分であるセルロース分子と含浸剤とを強い相互作用で結
びつける架橋剤を添加することにより、寸法安定性に優
れた含浸紙を発明するに到った。
【0011】すなわち、本発明の第1の発明は、一般式
[化1]で示される官能基(R1 )の部位で単一で重
合、もしくは2種類以上のシランカップリング剤で共重
合したオリゴマ−、あるいはポリマーが含まれ、それを
加水分解−縮合し、一般式[化2]のようなシロキサン
ネットワーク構造を備えたことを特徴とするシラン重合
体含浸紙である。
【0012】また、第2の発明は、第1の発明のおい
て、前記オリゴマー、あるいはポリマーを一般式[化
1]で示したR1 の部位で、一般式[化3]のように多
官能性試薬(R5 )を用いて重合させた構造が含まれ、
それを加水分解−縮合し、一般式[化4]のようなシロ
キサンネットワーク構造を備えたことを特徴とするシラ
ン重合体含浸紙である。
【0013】また、第3の発明は、第1および第2の発
明のおいて、前記シロキサンネットワーク構造は、アル
コキシシリル基を加水分解−縮合することで生成され、
触媒としてp−トルエンスルホン酸2水和物を使用する
ことを特徴とするシラン重合体含浸紙である。
【0014】また、第4の発明は、第1および第2の発
明のおいて、前記シラン重合体[化1]、及び[化3]
の数平均分子量が500〜50、000であることを特
徴とするシラン重合体含浸紙である。
【0015】また、第5の発明は、第1、第2、第3お
よび第4の発明のおいて、添加剤として一般式[化5]
で示されるヒドロキシメチルカルボン酸類が混合されて
いることを特徴とするシラン重合体含浸紙である。
【0016】すなわち、本発明の含浸紙の主な特徴は、
モノマーとしてのシランカップリング剤のアルコキシ基
([化1];−OR1 ,−OR2 ,−OR3 )の縮合は
紙に含浸後行って紙中で強固なシロキサンネットワーク
を形成させることと、シランカップリング剤の種々の官
能基(R4 )を含浸前に架橋させていることにある。そ
のため、本発明の含浸紙は硬いが反面脆いと考えられる
シロキサン結合以外に、可撓性を付与する結合も含ま
れ、シロキサンネットワークの欠点である脆さを補って
いる。
【0017】このことは、含浸剤を溶解させた含浸液を
ポリエステルフィルム等にワイヤーバーで塗工した場
合、全ての置換基がアルコキシ基であるシラン化合物で
ある時、ただ加水分解によって縮合させた塗膜は形成で
きないが、本発明のアルコキシ基以外の置換基(R4
を重合させた含浸剤を同じく加水分解によって縮合させ
た塗膜は形成されることからも明らかである。恐らく、
紙に含浸させた時は、紙中でその膜がつくられていると
考えられる。
【0018】また、本発明の含浸剤のR4 が重合した部
位は、有機化合物である為、撥水効果もあると考えられ
る。
【0019】さらに本発明の含浸剤は、以上のような単
なるアルコキシシランの縮合体、即ちポリシロキサンに
は欠けている可撓性や撥水性を、[化1]や[化2]の
- R 4 の官能基の種類によって制御することが可能であ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のシラン重合体含浸紙の含
浸剤の主成分であるモノマー成分のシランカップリング
剤のR4 部位は、反応性を有する官能基であり、アミノ
基、エポキシシクロヘキシル基、グリシジル基、ビニル
基、アクリル基、イソシアネート基等を含む脂肪族基、
あるいは芳香族基であることが望ましく、本発明に関わ
る含浸剤はこれらのカップリング剤の官能基が単一、又
は2種類以上で重合したオリゴマー、又はポリマーであ
る。また、シランカップリング剤以外の請求項3記載の
多官能試薬で重合しても構わない。重合方法は、各々の
官能基に適した公知の方法で酸、塩基による縮合や開環
重縮合、イオン重合、フリーラジカルビニル重合、高エ
ネルギー照射による(ガンマー線照射)架橋、UV照射
による架橋、プラズマ放電処理による架橋等挙げられる
が、アルコキシ基が加水分解し縮合してシロキサンネッ
トワークを形成しない条件であることが望ましい。
【0021】また、本発明に関わる含浸剤の主成分であ
るシランカップリング剤のアルコキシ基を加水分解させ
加熱処理による縮合でシロキサン結合を形成させうる条
件としては、一般的にゾル・ゲル法の知見から、酸、又
はアルカリを用いp.H.が4以下、あるいはp.H.
が10以上の条件下で縮合が始まる。具体的には、酸と
して塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸等が使用できる。アルカ
リとしては、処理後に揮発によって除去できるアンモニ
アやヒドロキシルアミン等が使用できる。本発明の含浸
剤では、請求項3記載のp−トルエンスルホン酸2水和
物を使用する特徴を持ち、これによって本触媒は有機系
のブレンステッド酸であることから含浸剤を溶解させた
含浸液の溶剤を有機溶剤で統一することができる。ま
た、含浸剤のアルコキシ基の加水分解は、空気中の水分
の影響もあるが主たるものはp−トルエンスルホン酸に
配位した2分子の結晶水であるため、加熱乾燥処理時に
触媒効果と同時に加水分解が起こると考えられ、塗液の
安定性が良いと考えられる。また、含浸液の溶剤を有機
系溶媒だけで統一できるため、固形分比(N.V.)を
上げることができる。
【0022】多官能性試薬としては、含浸剤の主剤であ
るシランカップリング剤の官能基([化1]の- R4
と反応するものが好ましく、また紙含浸前に有機溶剤に
溶かすことから、ゲル化しない二官能が望ましい。具体
的には、請求項5記載のヒドロキシメチルカルボン酸化
合物や、活性ビニル化合物、アジリジン化合物、エピク
ロロヒドリンのようなエポキシド化合物、無水コハク
酸、無水フタル酸のような酸無水物、トルイレンジイソ
シアネートのようなジイソシアネート、そして反応性の
異なる2つの官能基を有する非対称二官能性試薬でも構
わない。
【0023】本発明に関わる添加剤として挙げたヒドロ
キシメチルカルボン酸類[化5]は、数多いセルロース
の架橋剤の中でも寸法安定性、防しわ性に優れた添加剤
であり、水や有機溶剤に対してセルロースの膨潤し難く
する効果が高い。これは、セルロース分子の水酸基とメ
チロール基、あるいはカルボキシル基が反応し架橋する
効果のためと考えられる。
【0024】ヒドロキシメチルカルボン酸類の働きとし
ては、紙に含浸する前に加える加水分解用の特に酸によ
って、含浸させた後の加熱乾燥によって加水分解で生じ
たシラノール基とセルロース分子の水酸基、もしくは、
各々同一の基同志を架橋させたり、セルロース分子との
結合が高まることで、紙自体に寸法安定性、防しわ性を
向上させると考えられる。
【0025】具体的に使用するヒドロキシメチルカルボ
ン酸類は、ホルムアルデヒドを原料としないもので、例
えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメ
チロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等がある。
近年、壁紙や化粧紙の接着剤原料からホルムアルデヒド
が発生し問題となっている背景から、ホルムアルデヒド
を原料とするジメチロール尿素、ジメチロールジメチレ
ン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールジ
ヒドロキシエチレン尿素等のN−ヒドロキシメチル化合
物は使用用途が限られる。また、本発明の含浸剤に添加
されるカルボキシ基含有のものは有機溶剤に可溶である
が、後者の尿素誘導体は水や塩基性の強いホルムアミド
にしか溶解しないことも欠点と考えられる。
【0026】本発明に関わる含浸剤を溶解させた含浸液
の製造方法は、以上のような重合させたシランカップリ
ング剤、或いはそれにヒドロキシメチルカルボン酸類を
添加したものを用い、有機溶剤に溶解して調整する。こ
こで、用いる有機溶剤としては、重合させたシランカッ
プリング剤、あるいは添加剤を溶解するものであれば良
く特に限定はされないが、含浸液としての塗液安定性を
考慮し余り揮発性の高い(低沸点)溶剤は好ましくな
い。また、人体に害の少ないものが望ましい。具体的に
は、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類、エタノール、プロパノールのようなアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、トル
エン、キシレンのような芳香族炭化水素、酢酸エチルの
ようなエステル類、あるいはこれらの混合物が挙げられ
る。
【0027】本発明に使用する紙としては、和紙、模造
紙、不織布、上質紙、アート紙、コート紙、純白ロール
紙、バーチメント紙、クラフト紙、又はダンボール用途
としてジュートライナー、クラフトライナー、コートラ
イナー等が挙げられる。
【0028】次に、含浸液の塗工方法としては、紙表面
に通常のロールコート法、ドクターブレードコート法、
ナイフエッジコート法、カーテンコート法、グラビアコ
ート法、バーコート法、リバースコート法、キッスコー
ト法等のいずれを使用しても含浸塗工することができ
る。なお、塗布速度、乾燥条件は特に限定されるもので
はないが、支持体の紙や含浸液に悪影響を及ぼさない範
囲で行うのが望ましい。
【0029】含浸液の紙基材への有効な含浸量は通常2
〜25g/m2 で、標準としては、4g/m2 (乾燥重
量基準)という少ない塗工量で、紙に優れた耐水性、剛
性等を付与する。含浸量の測定は、含浸紙および原紙
(未含浸紙)を120°Cの電気乾燥機中に2時間放置
することによって、絶乾状態とし、両者の重量差から平
米当たりの含浸量を求めた。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき、さらに具体的
に説明する。
【0031】〈実施例1〉先ず、原紙に含浸する含浸液
を作製する。500mlのビーカーに100重量部の2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシ
ラン(チッソ(株)製、商品名;S530)を仕込み、
エポキシ基開環架橋用の触媒として塩化第一スズ(Sn
Cl2 )0.003molを1gのメタノールに溶かし
たものを、シランカップリング剤に対して0.0005
mol量(0.068重量部)添加し、スターラーで撹
拌しながら反応させる。暫くして、発熱反応が起こり発
熱が止まったら、反応を終了とする。この時、発熱反応
が起こらなかったら、加熱により反応を誘発させる。本
合成法により得られるシラン重合体の数平均分子量は、
ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)測
定により、ポリスチレン換算から約13,500であっ
た。次に、この反応生成物をi−プロパノールに固形分
比(N.V.)=20wt%で溶解させ、硬化剤(東洋
インキ製造(株)製、p−トルエンスルホン酸2水和物
含有50wt%i−プロパノール溶液)を20重量部添
加し撹拌して含浸液を作製した。
【0032】この含浸液を、坪量320g/m2 のコー
トアイボリー(日本紙業(株)製)のノンクレイ面へワ
イヤーバーで、絶乾量が4g/m2 になるように塗工
し、150°Cで1分間乾燥し、実施例1の含浸紙を得
た。
【0033】〈実施例2〉実施例1で作製した含浸液5
20重量部に添加剤として2,2−ビス(ヒドロキシメ
チル)プロピオン酸を10重量部添加して新たな含浸液
を作製し、この含浸液を実施例1と同様に、坪量320
g/m2 のコートアイボリー(日本紙業(株)製)のノ
ンクレイ面へワイヤーバーで、絶乾量が4g/m2 にな
るように塗工し、150°Cで1分間乾燥し、実施例2
の含浸紙を得た。
【0034】〈実施例3〉実施例1で作製した含浸液5
20重量部に添加剤として2,2−ビス(ヒドロキシメ
チル)プロピオン酸を15重量部添加して新たな含浸液
を作製し、この含浸液を実施例1と同様に、坪量320
g/m2 のコートアイボリー(日本紙業(株)製)のノ
ンクレイ面へワイヤーバーで、絶乾量が4g/m2 にな
るように塗工し、150°Cで1分間乾燥し、実施例3
の含浸紙を得た。
【0035】〈実施例4〉実施例1で作製した含浸液5
20重量部に添加剤として2,2−ビス(ヒドロキシメ
チル)プロピオン酸を20重量部添加して新たな含浸液
を作製し、この含浸液を実施例1と同様に、坪量320
g/m2 のコートアイボリー(日本紙業(株)製)のノ
ンクレイ面へワイヤーバーで、絶乾量が4g/m2 にな
るように塗工し、150°Cで1分間乾燥し、実施例4
の含浸紙を得た。
【0036】〈比較例1〉本発明に関わる含浸液を塗工
しない、実施例1で用いた原紙を比較例1とした。
【0037】作製した4種類の含浸紙と1種類の原紙
(ブランク)の耐沸騰水性と剛性を以下に示す評価方法
に従って評価した。その結果を表1、表2に示す。 耐沸騰水性 … 各サンプル試料を沸騰水に1時間浸漬
し、紙の状態を目視観察により評価した。 剛性 … 含浸紙の紙硬度と剛性を評価するため
に、 JIS P8125「荷重曲げ方法による板紙の
こわさ試験方法」を参考にして、吉沢工業(株)製の
「曲げこわさ試験機 BST−150M」を用いて評価
した。測定方法は、紙試料を塗工方向に対し平行に縦5
cm×横4cmに切り取り、60°Cの環境下で紙の片
端を固定して紙中央部を折り曲げることによって、降伏
値(gf)とその時の角度(初期勾配;deg)を求め
た。降伏値は紙の硬度、初期勾配は剛性の評価と考えら
れる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1、表2から考察すると、本発明の含浸
液を含浸させた原紙は、耐沸騰水性、剛性ともに向上す
ることが判る(実施例1〜4)。特に2,2−ビス(ヒ
ドロキシメチル)プロピオン酸を添加した場合はその効
果が顕著であった(実施例2〜4)。
【0041】
【発明の効果】本発明のシラン重合体含浸紙の紙中組成
は、シランカップリング剤のアルコキシ基以外の官能基
を重合させた構造である有機系架橋部分が可撓性や撥水
性を付与し、場合によってはヒドロキシメチルカルボン
酸化合物を添加し紙の構成成分であるセルロース分子と
の相互作用を強める働きから寸法安定性を向上させ、且
つ紙に含浸後の加水分解−縮合で生じるシロキサンネッ
トワークの形成で紙の硬度を向上させることができる。
従って、本発明のシラン重合体含浸紙は、飲料缶や食品
缶に使用されるアルミニウムに代替可能な耐水剛性紙で
あり、レトルト殺菌にも耐えうる用紙として適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 高史 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 神永 純一 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 で示される官能基(R1 )の部位で単一で重合、もしく
    は2種類以上のシランカップリング剤で共重合したオリ
    ゴマ−、あるいはポリマーが含まれ、それを加水分解−
    縮合し、一般式 【化2】 のようなシロキサンネットワーク構造を備えたことを特
    徴とするシラン重合体含浸紙。 (式中、R1 、R2 、R3 は同一、又は相異なった、炭
    素数1〜4の低級アルキル基、R4 はアミノ基、ビニル
    基、アクリル基、メタクリル基、エポキシシクロヘキシ
    ル基、グリシジル基等を有する化合物が重合、もしくは
    2種類以上で共重合した構造を示す。nは2以上。)
  2. 【請求項2】前記オリゴマー、あるいはポリマーを一般
    式[化1]で示したR1の部位で、一般式 【化3】 のように多官能性試薬(R5 )を用いて重合させた構造
    が含まれ、それを加水分解−縮合し、一般式 【化4】 のようなシロキサンネットワーク構造を備えたことを特
    徴とする請求項1記載のシラン重合体含浸紙。 (式中、R1 、R2 、R3 は前記と同じものを示す。ま
    た、R5 は二官能性のアミノ基、ビニル基、アクリル
    基、メタクリル基、エポキシ基、ハロゲン基、アルコー
    ル基、イソシアネート基等を有する化合物が単独、又は
    重合した構造を示す。mは2以上。)
  3. 【請求項3】前記シロキサンネットワーク構造は、アル
    コキシシリル基を加水分解−縮合することで生成され、
    触媒としてp−トルエンスルホン酸2水和物を使用する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のシラン重合体
    含浸紙。
  4. 【請求項4】前記シラン重合体[化1]、及び[化3]
    の数平均分子量が500〜50、000であることを特
    徴とする請求項1または2記載のシラン重合体含浸紙。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載のシラン重合体含浸紙に
    おいて、添加剤として一般式 【化5】 で示されるヒドロキシメチルカルボン酸類が混合されて
    いることを特徴とするシラン重合体含浸紙。 (式中、R6 は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
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