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JPH11186581A - 太陽光発電装置及び太陽光発電用電力変換装置 - Google Patents

太陽光発電装置及び太陽光発電用電力変換装置

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Publication number
JPH11186581A
JPH11186581A JP9347740A JP34774097A JPH11186581A JP H11186581 A JPH11186581 A JP H11186581A JP 9347740 A JP9347740 A JP 9347740A JP 34774097 A JP34774097 A JP 34774097A JP H11186581 A JPH11186581 A JP H11186581A
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JP
Japan
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solar cell
reverse bias
voltage
power generation
power
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JP9347740A
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Koji Tomita
孝司 富田
Masaki Eguchi
政樹 江口
Yasue Nagano
尉絵 長野
Osamu Sakai
道 酒井
Masaru Kakuzen
勝 覚前
Katsuhiko Nomoto
克彦 野元
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/56Power conversion systems, e.g. maximum power point trackers

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽光発電システムの太陽電池が光劣化し、
システム効率が低下するという問題があった。 【解決手段】 電力変換装置内に、太陽電池アレイ11
〜1n間の接続を切り替える逆バイアス電圧出力手段を
設け、所定の太陽電池アレイに逆バイアス電圧を所定時
間印加するよう構成する。逆バイアス電圧は、逆流防止
ダイオード3とスイッチを介して並列接続された太陽電
池アレイ1によって供給され、スイッチの操作によって
選択された太陽電池アレイ1に印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光発電システ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球温暖化等の環境問題が世界的規模で
取り上げられる中、環境への負荷の少ないエネルギーシ
ステムとして、太陽光発電システムが注目を集めてい
る。例えば現在、一般家庭に普及しつつある住宅用太陽
光発電システムを図10に示す。住宅用太陽光発電シス
テムは一般に、複数の太陽電池モジュールアレイ1、逆
流防止ダイオード3を介して各太陽電池モジュールアレ
イ1を接続する接続箱2、接続箱で集められた直流電力
を系統電圧に同期した交流電力に変換して系統5と連系
運転を行う電力変換装置(系統連系インバータ装置4)
から構成される。現在では接続箱2と系統連系インバー
タ装置を一体化したものも存在する。
【0003】太陽光発電を大きく分けると、発電した電
力を様々な用途に使用することを目的とした電力用の発
電システムと、電卓や時計等の決められた用途に用いる
民生用の発電システムとがある。これまで、電力用の発
電システムとしては、シリコン結晶系の太陽電池が主に
用いられてきた。しかし、シリコン結晶系の太陽電池
は、集積化が不可能なため、電圧値や電流値を自由に設
計することができない、現在の状態以上の軽量化が困
難、原材料となるシリコンのウエハーの供給量に限界が
ある等の問題点がある。そこで、現在、集積化、軽量化
かつフレキシブル化が可能であり、少量の原料ガスで作
製の可能なアモルファスシリコン薄膜太陽電池を用いた
太陽光発電システムが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】薄膜太陽電池は、集積
化、軽量化、フレキシブル化が可能であり、少量の原料
ガスを用いることで作製が可能であるという特徴を持
ち、低コスト化も可能であるため、現在注目を集めてい
るが、光に対する安定性が悪いという問題点がある。つ
まり、長時間光をあて続けると、次第に光電変換効率が
低下し、最終的にはアモルファスシリコン薄膜太陽電池
の作製直後の初期光電変換効率と比較して、10〜20
%低下したところで安定化するという現象がおこる。こ
の現象は、アモルファスシリコン薄膜太陽電池の光劣化
と呼ばれ、様々な角度から光劣化現象の解明に向けての
研究が行われているが、現在のところ光劣化現象の解明
はされておらず、光劣化をなくす方法は見つかっていな
い。
【0005】このため、アモルファスシリコン薄膜太陽
電池を用いた太陽光発電システムを作製した場合、シス
テム設置時と数ヶ月間システムを使用した時点での総発
電量が異なるという不安定な太陽光発電システムとなる
という問題点があった。また、光劣化した後の光電変換
効率を基準にして太陽光発電システムを設計すると、よ
り大面積の太陽電池が必要となり、結果としてコストも
上がるという問題点があった。これは、光劣化現象が顕
著に現れるアモルファスシリコン薄膜太陽電池に限ら
ず、多少の微結晶を含んだ結晶薄膜系太陽電池や、その
他の薄膜系太陽電池にも共通して挙げられる問題点であ
る。
【0006】このような光劣化はアモルファスシリコン
薄膜太陽電池を熱処理することによりある程度回復する
ことが知られており、特開平7−202230号公報に
おいて断熱材を用いた熱アニーリング方法が提案されて
いるが、回復の程度は充分でなく、また、稼働時に太陽
電池の温度が高くなり変換効率が低く、また、断熱材の
使用によりコストが高くなる。
【0007】また、当社出願の特開昭63−30778
2号公報では、太陽電池に逆バイアスを印加しながら近
赤外光を照射する高効率モルファスシリコン薄膜太陽電
池の製造方法が提案されているが、光劣化した太陽電池
の回復に用いることは示されていないし、また、太陽光
を照射することも示されていない。
【0008】本発明は、上述のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、アモルファスシリコン薄膜太陽電池を
用いた安定した電力供給が可能であり、かつ低コストで
ある太陽光発電システムを供給することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽光発電装置
においては、太陽光を受光している太陽電池に対し、所
定の期間逆バイアス電圧を印加する。これにより、太陽
電池は光劣化を回復することができる。
【0010】また、本発明の太陽光発電用電力変換装置
においては、逆バイアス電圧を発生し、該太陽電池に対
して日射のある所定の期間逆バイアス電圧を印加する逆
バイアス印加手段を有する。これにより、太陽電池は逆
バイアス状態で、太陽光を受光するため、太陽電池は光
劣化を回復することができる。
【0011】請求項1によれば、太陽電池に対して所定
の期間逆バイアス電圧を印加することにより太陽電池の
特性劣化が回復する。
【0012】請求項2によれば、光劣化した太陽電池の
みに太陽電池に対して所定の期間逆バイアス電圧を印加
するので効率良く太陽電池の特性劣化の回復を行うこと
ができる。
【0013】請求項3によれば、太陽電池で発電した直
流電力を入力とする太陽光発電用電力変換装置に光劣化
回復機能を持たせることができる。
【0014】請求項4によれば、太陽電池で発電した直
流電力を入力とする太陽光発電用電力変換装置におい
て、逆バイアス発生手段を構成し、該太陽電池に対して
所定の期間逆バイアス電圧を印加することにより太陽電
池の特性劣化が回復する。
【0015】また、請求項5によれば逆バイアス発生手
段の構成にあたり、太陽光発電用電力変換装置に入力さ
れる複数系統の太陽電池モジュールアレイの接続配線を
リレーもしくは半導体スイッチ素子で切替えて、所定の
太陽電池モジュールアレイに逆バイアス電圧を印加する
構成にする。この際、逆バイアス電圧は、残りの太陽電
池モジュールアレイの結線により作成する。
【0016】例えば、逆バイアス電圧を発生用の太陽電
池アレイのI(電流)−V(電圧)特性を図9(a)と
し、逆バイアス印加対象の太陽電池アレイのI−V特性
を図9(b)の曲線2として、これらを結線すると、図
9(a)の太陽電池アレイは、図9(b)の太陽電池ア
レイの短絡電流値Im2の電流値の位置が動作点となり、
その時の電圧は図9(a)のVBとなる。そしてこの電
圧が逆バイアスとして図9(b)の太陽電池アレイに印
加され、これによって光劣化の回復が行われる。このと
き図9からも明らかなように、逆バイアス発生用の太陽
電池アレイの短絡電流Im3は、逆バイアス印加対象の太
陽電池アレイの短絡電流Im2より大きくなるように結線
されなければならない。
【0017】請求項6によれば、逆バイアス発生手段の
構成にあたり、太陽光発電用電力変換装置に入力される
複数系統の太陽電池の直流電力からDC/DCコンバー
タによって逆バイアス電圧を発生させ、スイッチ手段に
よって所定の太陽電池に逆バイアスを印加するようにし
たため、太陽電池アレイからえられる電圧が低い場合に
も、これを昇圧して必要な逆バイアス電圧値を得ること
により光劣化の回復特性を高めることできる。逆バイア
ス電圧値が制御により安定することから、逆バイアス時
の供給電力に余裕があれば余剰電力でインバータ本体も
系統連系動作が行える。
【0018】請求項7によれば、太陽電池を入力とする
系統連系インバータにおいて、系統電圧を入力とする直
流電源回路を構成して逆バイアス電圧を発生させること
により、逆バイアス印加に必要な電力が日射の影響で太
陽電池から確保できない場合にも、逆バイアス電圧を供
給できるようになる。
【0019】請求項8によれば、DC/DCコンバータ
の入力を高周波絶縁方式系統連系インバータの2次側直
流ステージから供給することにより、請求項4における
直流電源回路に必要な電力は、系統からインバータ主回
路内の商用周波インバータブリッジのフライホイルダイ
オードを介し、整流されて供給されるので、直流電源回
路の整流回路を削減することができる。
【0020】請求項9によれば、逆バイアス電圧を発生
させる直流電源回路、もしくはDC/DCコンバータ回
路の出力端に直列スイッチ手段を有し、これらの回路の
直流電圧出力が確定後に前記直列スイッチを閉じて太陽
電池に逆バイアスを印加し、直流電圧出力の停止前に前
記直列スイッチを開いて逆バイアスを解除する構成とす
ることで太陽電池による逆電圧が該直流電源回路の出力
コンデンサに印加されることを防止する作用がある。直
流電源に電力が供給されない場合に逆バイアスを太陽電
池に印加しようと回路が閉じられると、太陽電池自体の
起電力により電源回路の電解コンデンサが逆電位で充電
されるが、請求項6によればこれを防止できる。
【0021】請求項10によれば、逆バイアスを発生す
る直流電源回路の出力ライン間に逆バイアス接続の並列
ダイオードを接続することにより、直流電源回路に電力
が供給されない状態で、直流電源回路の出力が太陽電池
アレイに接続された場合においても、太陽電池アレイは
前記並列ダイオードを介した短絡状態になるため、電源
回路の出力コンデンサに逆充電は行われない。
【0022】請求項11によれば、太陽電池で発電した
直流電力を入力とする太陽光発電用電力変換装置におい
て、該太陽電池に対して太陽光を受光している所定の期
間を選択して逆バイアス電圧を印加することができる。
【0023】請求項12によれば、太陽電池の日射強度
を推定する手段を具備し、逆バイアス印加時に太陽電池
に流れる電流値が小さく、かつ劣化回復の可能な範囲の
低日射強度の期間を選択して、逆バイアスの印加を行う
ことにより、逆バイアス印加に必要な電力を低く抑える
ことができる。逆バイアス印加時に太陽電池に与える日
射量が少ない場合においても、日射量が多い場合と同等
の回復効果が得られる。太陽電池への日射が減少する
と、太陽電池のI−V特性は図9(b)の曲線1から曲
線2に移行する。このため日射が少ない時の方が短絡電
流Imが小さくなるため、逆バイアス時に必要な電力量
を少なくすることができる。
【0024】請求項13によれば、カレンダー装置を具
備し、所定の朝夕の日時に太陽電池に逆バイアスを印可
する構成とすることにより、日射の少ない時間帯を選択
して逆バイアスを印可することができるため、上述の通
り逆バイアス時に必要な電力量を少なくすることができ
る。
【0025】請求項14によれば、太陽電池の効率を推
定する手段を具備し、所定の基準以上の効率低下を検出
したとき、太陽電池に逆バイアスを印加する構成とする
ことにより、太陽電池の効率劣化が生じたときのみ逆バ
イアス動作を行うことができるので、システム効率の向
上につながる。
【0026】請求項15によれば、請求項4乃至14の
何れか一つの太陽光発電用電力変換装置において、発電
する太陽電池がアモルファス太陽電池であるので、光劣
化が大きいため回復の効果も大きい。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の太陽光発電装置に
おける出力回復方法の説明図であり、単数または複数の
太陽電池24よりなる太陽電池アレイ1は、逆バイアス
印加手段25により開閉スイッチ27を閉じて逆バイア
スが印加される。このとき、太陽電池アレイ1は太陽光
を受光している。逆バイアス印加手段25は、太陽光発
電用電力変換装置26の中に組み込まれていてもよい。
太陽電池24は、結晶薄膜系太陽電池であってもよい
し、アモルファスシリコン太陽電池であつてもよいし、
他の太陽電池であってもよい。
【0028】図2はこの発明による第1の実施の形態を
示す太陽光発電システムの構成図であり、太陽光発電用
電力変換装置26の一例として系統連系インバータ装置
9を示している。単数または複数の太陽電池アレイ1の
直流電力が系統連系インバータ9に入力され系統連系イ
ンバータ9は系統電圧に同期した交流電力を商用系統5
に出力している。太陽電池アレイ11〜1nの直流電力は
系統連系インバータ9内の逆流防止ダイオード3を介
し、リレー81〜8nに入力され、リレー8の出力は図2
のごとく互いに結線されてインバータ主回路6に入力さ
れる。インバータ主回路6における電流波形制御や、最
大電力追従制御、連系保護制御は制御回路7によって行
われ、交流電力を商用系統5に出力している。制御回路
7はさらにリレー信号Rによりリレー8の接点切替え制
御を行っている。
【0029】図2においてリレー8がすべてa接点側に
接続される場合は、従来の系統連系インバータと同様の
結線となり、通常の連系運転を行うことが出来る。ここ
で、リレー8nだけをb接点に接続した場合、太陽電池
アレイ1の接続は図3に示すような結線となり、日射が
ある場合、太陽電池アレイ1nに逆バイアス電圧が印可
される。この時の逆バイアス電圧は太陽電池アレイ11
〜1n-1の並列アレイで発生する。このように逆バイア
スを印加したい場合、その太陽電池アレイが接続されて
いるリレー8の接点をb接点に接続すればよい。さらに
上述の並列アレイに電力の余裕が有れば、逆バイアスに
必要な最低限の電圧値に並列アレイ出力が低下するまで
の範囲内でインバータ主回路も連系運転を継続すること
が出来る。このように本実施の形態においては逆バイア
ス発生手段はn個のリレー8とその相互結線によって構
成されている。
【0030】さらに図3の結線では光劣化の回復に必要
な逆バイアス電圧が不足する場合には、図4に示すよう
に太陽電池アレイを直並列に接続できるようにリレー8
の結線を構成することもできる。さらに図2の構成で
は、カレンダー回路10を有し、所定の日時に逆バイア
ス印加指令Tを制御回路に出力する。逆バイアス印可指
令Tを受けた制御回路は所定期間順次リレー8の接点の
切替えを行い各太陽電池アレイに逆バイアスを印加する
とともに、所定の逆バイアス電圧が得られるレベルまで
インバータ出力を低下させる。カレンダー回路10はメ
モリ機能を有し、逆バイアス印加指令を出力する時間帯
を日射の少ない朝夕の時刻を季節に応じて設定すること
が出来る。図2では結線の切替え手段としてリレーを用
いているが、半導体スイッチでも同様に構成できる。
【0031】図5はこの発明による第2の実施の形態を
示す太陽光発電用システムの構成図であり、太陽光発電
用電力変換装置26の一例として系統連系インバータ装
置9を示している。第1の実施の形態と異なる点は、第
1の実施の形態では逆バイアス発生手段がリレー8だけ
で構成されていたのに対し、図5ではリレー8で構成さ
れるスイッチ手段とリレー8を介して入力された太陽電
池の直流電力を入力とするDC/DCコンバータ11か
ら構成されている点である。
【0032】図5においてもリレー8がすべてa接点に
接続されているときは通常の系統連系インバータと同様
の結線となる。ここでカレンダー回路から逆バイアス印
加指令Tが出力されると、制御回路はDC/DCコンバ
ータ11を起動する。DC/DCコンバータは太陽電池
アレイからリレー8を介して直流電力をVinに入力して
逆バイアス電圧をVoutから出力する。制御回路7はD
C/DCコンバータの出力電圧が設定値であることを確
認後、順次リレー8の接点を切り替えて、各太陽電池ア
レイ1に逆バイアスを印加する。図5ではリレー8n
けがb接点に接続された状態であり、太陽電池アレイ1
nに逆バイアスが印加される。さらに制御回路7は太陽
電池の最大電力点追従制御を継続することにより、逆バ
イアス印加に使用する以外の電力はすべてインバータ主
回路を介して系統側に出力できる。
【0033】図6はこの発明による第3の実施の形態を
示す太陽光発電システムの構成図であり、太陽光発電用
電力変換装置26の一例として系統連系インバータ装置
9を示している。第2の実施の形態と異なる点は、逆バ
イアス発生用のDC/DCコンバータの出力がインバー
タ主回路6へも入力されている点である。図6ではDC
/DCコンバータ11は昇圧チョッパ回路に並列ダイオ
ード13を加えたものである。この並列ダイオード13
は電解コンデンサ14が太陽電池アレイにより逆電圧で
充電されるのを防止している。この昇圧チョッパ回路は
トランスレス方式の系統連系インバータの主回路の一部
としてあるため、逆バイアス発生用DC/DCコンバー
タと共用が可能であり、部品数を大幅に削減できる。図
6においてもリレー8切替えの基本的な動作は図4にお
ける説明と同様なので省略する。
【0034】図7はこの発明による第4の実施の形態を
示す太陽光発電システムの構成図であり、太陽光発電用
電力変換装置26の一例として系統連系インバータ装置
9を示している。第3の実施例と異なる点は、逆バイア
ス発生用の直流電源回路15の入力を商用系統5から供
給している点である。このため逆バイアス発生のための
電力供給が安定することから、太陽電池アレイ1すべて
に同時にリレー8を介して逆バイアスを印加できるよう
な構成としている。もちろん第1乃至第3の実施の形態
のように複数のリレーを用いて順次切り替えながら逆バ
イアスを印加することもできる。また図7では直流電源
回路の出力端に並列ダイオード13が取り付けられてお
り、リレー8をb接点に接続したときに、直流電源回路
15の出力の電解コンデンサ(図示されない)が逆充電
されるのを防いでいる。
【0035】また、図7ではインバータ主回路から電流
検出器16で検出されるインバータ出力電流I0、電圧
変成器17を介して検出される出力電圧V0、インバー
タ入力電圧VIなどの信号によって、制御回路7により
太陽電池の最大電力追従制御を行っている。したがって
出力電流I0と出力電圧V0から求められるインバータ出
力電力から現在の太陽電池に対する日射を推定できる。
制御回路7はここで推定された日射強度が小さいときリ
レー8をb接点に接続し、直流電源回路15を起動して
太陽電池アレイ1に逆バイアスを印加する。このように
図7では日射強度推定手段は、電流検出器16、電圧変
成器17、制御回路7等から構成されている。
【0036】また日射量計22を太陽電池アレイ1に設
置して制御回路7にデータとして取り込めば、現在のイ
ンバータ出力電力と日射量データから太陽電池アレイの
効率を推定することができる。こうして推定された効率
が所定基準以下に低下すると、制御回路7はリレー8を
b接点に接続し、直流電源回路15を起動して太陽電池
アレイ1に逆バイアスを印加するようにも構成できる。
【0037】図8はこの発明による第5の実施の形態を
示す太陽光発電システムの構成図であり、太陽光発電用
電力変換装置26の一例として系統連系インバータ装置
9を示している。第4の実施の形態と異なる点は、逆バ
イアス発生用のDC/DCコンバータ11の入力を高周
波絶縁方式系統連系インバータ18のDCフィルタ部2
3から供給している点である。
【0038】高周波絶縁方式系統連系インバータ18は
大まかには直流を高周波交流に変換する高周波インバー
タ19と、高周波トランスで絶縁されたこの高周波交流
を整流するダイオードブリッジ21とDCフィルタ2
3、および商用周波数の交流に変換する低周波インバー
タ20から構成されている。逆バイアス発生用のDC/
DCコンバータ11の入力を高周波絶縁方式系統連系イ
ンバータ18のDCフィルタ部23から供給すれば、商
用系統5からの電力は低周波インバータ20の寄生ダイ
オードを介して整流されDCフィルタ23のコンデンサ
を充電しているので、図7の直流電源回路15の整流回
路部分を省略することができる。その他の構成は上述の
実施の形態で説明済みであるので省略する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1によれ
ば、太陽電池に対して所定の期間逆バイアス電圧を印加
することにより太陽電池の特性劣化が回復するので、太
陽光発電システムのシステム効率が向上する。
【0040】請求項2によれば、光劣化した太陽電池の
みに太陽電池に対して所定の期間逆バイアス電圧を印加
するので効率良く太陽電池の特性劣化の回復を行うこと
ができるので、太陽光発電システムのシステム効率がさ
らに向上する。
【0041】請求項3によれば、太陽電池で発電した直
流電力を入力とする太陽光発電用電力変換装置に光劣化
回復機能を持たせることができるので、太陽光発電シス
テムとして維持管理ができる。
【0042】請求項4によれば、太陽電池で発電した直
流電力を入力とする太陽光発電用電力変換装置におい
て、逆バイアス発生手段を構成し、該太陽電池に対して
所定の期間逆バイアス電圧を印加することにより太陽電
池の特性劣化が回復するので、太陽光発電システムのシ
ステム効率が向上する。また電力変換装置に逆バイアス
印加機能を持たせることにより、保守作業が軽減され
る。
【0043】請求項5によれば、逆バイアス発生手段の
構成が、太陽電池モジュールアレイの結線切替えだけで
あるので低コストで実現できる。
【0044】請求項6によれば、逆バイアス発生手段の
構成にあたり、太陽光発電用電力変換装置に入力される
複数系統の太陽電池の直流電力からDC/DCコンバー
タによって逆バイアス電圧を発生させ、スイッチ手段に
よって所定の太陽電池に逆バイアスを印加するようにし
たため、太陽電池アレイからえられる電圧が低い場合に
も、これを昇圧して必要な逆バイアス電圧値を得ること
により光劣化の回復特性を高めることできる。さらに逆
バイアス時の供給電力に余裕があれば余剰電力でインバ
ータ本体も系統連系動作可能であるので、システム効率
も向上する。またDC/DCコンバータをトランスレス
方式の系統連系インバータの昇圧チョッパ回路と兼用す
れば低コストとなる。
【0045】請求項7によれば、太陽電池を入力とする
系統連系インバータにおいて、系統電圧を入力とする直
流電源回路を構成して逆バイアス電圧を発生させること
により、逆バイアス印加に必要な電力が日射の影響で太
陽電池から確保できない場合にも、逆バイアス電圧を供
給できるようになる。
【0046】請求項8によれば、DC/DCコンバータ
の入力を高周波絶縁方式系統連系インバータの2次側直
流ステージから供給することにより、請求項7における
直流電源回路の整流回路を削減することができるため低
コストとなる。
【0047】請求項9によれば、逆バイアス電圧を発生
させる直流電源回路、もしくはDC/DCコンバータ回
路の出力端に直列スイッチ手段を有し、これらの回路の
直流電圧出力が確定後に前記直列スイッチを閉じて太陽
電池に逆バイアスを印加し、直流電圧出力の停止前に前
記直列スイッチを開いて逆バイアスを解除する構成とす
ることで太陽電池による逆電圧が該直流電源回路の出力
の電解コンデンサに印加されることを防止し電解コンデ
ンサの破壊を防ぐ効果がある。
【0048】請求項10によれば、逆バイアスを発生す
る直流電源回路の出力ライン間に逆バイアス接続の並列
ダイオードを接続することにより、直流電源回路に電力
が供給されない状態で、直流電源回路の出力が太陽電池
アレイに接続された場合においても、太陽電池アレイは
前記並列ダイオードを介した短絡状態になるため、電源
回路の出力コンデンサに逆充電は行われず、直流電源回
路の出力の電解コンデンサの破壊を防ぐ効果がある。
【0049】請求項11によれば、太陽電池で発電した
直流電力を入力とする太陽光発電用電力変換装置におい
て、該太陽電池に対して太陽光を受光している所定の期
間を選択して逆バイアス電圧を印加することができるの
でシステムの効率が向上する。
【0050】請求項12によれば、太陽電池の日射強度
を推定する手段を具備し、逆バイアス印加時に太陽電池
に流れる電流値が小さく、かつ劣化回復の可能な範囲の
低日射強度の期間を選択して、逆バイアスの印加を行う
ことにより、逆バイアス印加に必要な電力を低く抑える
ことができるのでシステムの効率がさらに向上する。
【0051】請求項13によれば、カレンダー装置を具
備し、所定の朝夕の日時に太陽電池に逆バイアスを印加
する構成とすることにより、日射の少ない時間帯を選択
して逆バイアスを印加することができるため、逆バイア
ス時に必要な電力量を少なくすることができるのでシス
テム効率向上効果がある。
【0052】請求項14によれば、太陽電池の効率を推
定する手段を具備し、所定の基準以上の効率低下を検出
したとき、太陽電池に逆バイアスを印加する構成とする
ことにより、太陽電池の効率劣化が生じたときのみ逆バ
イアス動作を行うことができるので、システム効率の向
上につながる。
【0053】請求項15によれば、発電する太陽電池が
アモルファス薄膜太陽電池であるので、光劣化が大きい
ため回復の程度が大きく効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の出力回復方法の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる太陽光発電
システムの構成図である。
【図3】本発明の太陽電池アレイの接続の説明図であ
る。
【図4】本発明の太陽電池アレイの接続の説明図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる太陽光発電
システムの構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態にかかる太陽光発電
システムの構成図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態にかかる太陽光発電
システムの構成図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態にかかる太陽光発電
システムの構成図である。
【図9】本発明の太陽電池アレイの電流電圧の特性図で
ある
【図10】従来の太陽光発電システムの構成図である。
【符号の説明】
1 太陽電池アレイ 2 接続箱 3 逆流防止ダイオード 4 インバータ装置 5 商用系統 6 インバータ主回路 7 制御回路 8 リレー 9 系統連系インバータ 10 カレンダー回路 11 DC/DCコンバータ 13 並列ダイオード 14 電解コンデンサ 15 直流電源回路 16 電流検出器 17 電圧変成器 18 高周波絶縁方式インバータ主回路 19 高周波インバータ 20 低周波インバータ 21 ダイオードブリッジ 22 日射量計 23 DCフィルタ 24 太陽電池 25 逆バイアス印加手段 26 太陽光発電用電力変換装置 27 開閉スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 道 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 覚前 勝 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 野元 克彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光を受光している太陽電池に対し、
    所定の期間逆バイアス電圧を印加して太陽電池の特性劣
    化を回復させる逆バイアス電圧印加手段を具備してなる
    ことを特徴とする太陽光発電装置。
  2. 【請求項2】 上記太陽電池が光劣化したものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の太陽光発電装置。
  3. 【請求項3】 逆バイアス電圧印加手段が組み込まれた
    太陽光発電用電力変換装置によって、上記太陽電池に対
    し、所定の期間逆バイアス電圧を印加することを特徴と
    する請求項1または2記載の太陽光発電装置。
  4. 【請求項4】 太陽電池で発電した直流電力を入力とす
    る太陽光発電用電力変換装置において、該太陽電池に対
    して所定の期間逆バイアス電圧を印加して、太陽電池の
    特性劣化を回復させる逆バイアス印加手段を有すること
    を特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
  5. 【請求項5】 請求項4の太陽光発電用電力変換装置に
    おいて、複数系統の太陽電池入力端子を有し、逆バイア
    ス印加対象となる太陽電池の短絡電流が、逆バイアス発
    生用の他の太陽電池の短絡電流より小さくなるように該
    太陽電池入力端子に接続される太陽電池間の配線を切り
    替え、所定の太陽電池入力端子に対し、他の太陽電池入
    力端子に接続された太陽電池によって逆バイアス電圧を
    発生させ印加する逆バイアス印加手段とを有することを
    特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項4の太陽光発電用電力変換装置に
    おいて、複数系統の太陽電池入力端子を有し、該太陽電
    池入力端子に接続される太陽電池間の配線を切り替えて
    所定の太陽電池入力端子に対し逆バイアスを印加するた
    めのスイッチ手段と、他の太陽電池入力端子に接続され
    た太陽電池の直流電圧を昇圧して逆バイアス電圧を作成
    するDC/DCコンバータとを有することを特徴とする
    太陽光発電用電力変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項4の太陽光発電用電力変換装置に
    おいて、上記太陽電池から出力される直流電力を入力し
    て系統電圧に同期した交流電力に変換し系統との連系運
    転を行うインバータと、系統電圧を入力して前記逆バイ
    アス電圧を発生させる直流電源回路と、所定の期間太陽
    電池に逆バイアスを印加するために前記直流電源の出力
    電圧を太陽電池に接続するスイッチ手段とを有すること
    を特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
  8. 【請求項8】 請求項4の太陽光発電用電力変換装置に
    おいて、上記太陽電池から出力される直流電力を入力し
    て系統電圧に同期した交流電力に変換し系統との連系運
    転を行う高周波絶縁方式インバータと、該高周波絶縁方
    式インバータの2次側直流ステージの電圧を入力して前
    記逆バイアス電圧を発生させるDC/DCコンバータ
    と、所定の期間太陽電池に逆バイアスを印加するために
    該DC/DCコンバータの出力電圧を太陽電池に接続す
    るスイッチ手段とを有することを特徴とする太陽光発電
    用電力変換装置。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8の何れか一つの太陽光発
    電用電力変換装置において、逆バイアスを発生する直流
    電源回路はその出力端に直列スイッチ手段を有し、該直
    流電源回路が起動して出力電圧確定後に前記直列スイッ
    チを閉じ、該直流電源回路の停止前に前記直列スイッチ
    を開いて、太陽電池による逆電圧が該直流電源回路の出
    力コンデンサに印加されることを防止することを特徴と
    する太陽光発電用電力変換装置。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至9の何れか一つの太陽光
    発電用電力変換装置において、逆バイアスを発生する直
    流電源回路の出力ライン間に逆バイアス接続の並列ダイ
    オードを有することを特徴とする太陽光発電用電力変換
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項4乃至10の何れか一つの太陽
    光発電用電力変換装置において、上記太陽電池が太陽光
    を受光しているかどうかを推定する手段を具備し、太陽
    光受光時の所定の期間において逆バイアスの印加を行う
    ことを特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
  12. 【請求項12】 請求項4乃至10の何れか一つの太陽
    光発電用電力変換装置において、上記太陽電池が受光し
    ている日射強度を推定する手段を具備し、逆バイアス印
    加時に太陽電池に流れる電流値が小さく、かつ劣化回復
    の可能な範囲の低日射強度の期間を選択して、逆バイア
    スの印加を行うことを特徴とする太陽光発電用電力変換
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項4乃至10の何れか一つの太陽
    光発電用電力変換装置において、カレンダー装置を具備
    し、所定の朝夕の日時に太陽電池に逆バイアスを印加す
    ることを特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
  14. 【請求項14】 請求項4乃至12の何れか一つの太陽
    光発電用電力変換装置において、上記太陽電池の変換効
    率を推定する手段を具備し、所定の基準以上の効率低下
    を検出したとき、太陽電池に逆バイアスを印加すること
    を特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
  15. 【請求項15】 請求項4乃至14の何れか一つの太陽
    光発電用電力変換装置において、上記太陽電池がアモル
    ファスシリコン薄膜太陽電池であることを特徴とする太
    陽光発電用電力変換装置。
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