JPH11172412A - 微小構造体の製造方法 - Google Patents
微小構造体の製造方法Info
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- JPH11172412A JPH11172412A JP33679497A JP33679497A JPH11172412A JP H11172412 A JPH11172412 A JP H11172412A JP 33679497 A JP33679497 A JP 33679497A JP 33679497 A JP33679497 A JP 33679497A JP H11172412 A JPH11172412 A JP H11172412A
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Abstract
も薄膜間の接合強度が高く、機械的強度の大きな微小構
造体を得ることのできる微小構造体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 基板31上に表面粗さが10nm以下の
複数の薄膜34を形成する。zステージ7を下降させて
ダミー基板6と第1層の薄膜34とを接触させ、所定の
荷重で押し付ける。これにより、ダミー基板6と第1層
の薄膜34とが強固に接合される。zステージ7を元の
位置に復帰させる。第1層の薄膜34は薄膜担持体3側
からzステージ7側に転写される。以下同様に、第2層
の薄膜34に対し同様に転写することにより、第1層の
薄膜34の上に第2層の薄膜34が積層される。これを
繰り返すことにより、複数の薄膜34からなる微小構造
体が得られる。
Description
って製造される微小ギアや微細光学部品、あるいはこれ
らを成形する金型等の微小構造体の製造方法に関し、特
に、金属あるいは絶縁体からなる薄膜を微小構造体の断
面形状にパターニングし、これらを積層して微小構造体
を形成する微小構造体の製造方法に関する。
れた複雑な形状の3次元物体を短納期で造形する方法と
して近年急速に普及している。積層造形方法で作成され
た3次元物体は、種々の装置の部品のモデル(プロトタ
イプ)として、部品の動作や形状の良否を調べるために
利用される。この方法が適用される部品のサイズは、数
cm以上の比較的大きな部品が多かったが、近年、精密
に加工して形成される微小部品、例えば微小ギアや微細
光学部品にもこの方法を適用したいというニーズがあ
る。このようなニーズに対応するものとして、従来より
以下の積層造形方法が知られている。 (1) 光造形法(以下「従来例1」という。) (2) 粉末法(以下「従来例2」という。) (3) シート積層法(以下「従来例3」という。) (4) 薄膜を出発材料として用いる方法(以下「従来例
4」という。)
「光造形法」は、紫外線等の光照射によって硬化する光
硬化性樹脂100を満たした槽101に、上面よりレー
ザ光102を3次元物体の断面形状データに応じて2次
元走査を行い、樹脂層100aを硬化させ、ステージ1
03を1層分下げ、この工程を繰り返すことにより複数
の樹脂層100aからなる3次元物体を造形するもので
ある。この光造形法として、名古屋大学の生田らによっ
て文献「OPTRONICS、1996、No4、p1
03」に示されたものがある。この光造形法によれば、
露光条件の最適化や樹脂特性の最適化等の工夫により平
面形状精度5μm、積層方向の解像度3μmを達成する
ことができる。また、大阪大のKawataらによって
文献「Proceedings of MEMS 9
7, p169」に示されたものがある。この光造形法
によれば、2光子吸収現象という原理を用いることによ
って平面形状精度0.62μm、積層方向の解像度2.
2μmを達成することができる。
「粉末法」は、槽101内に粉体104を薄く敷き詰
め、この薄い層(粉体層)104aにレーザ光102を
照射することにより粉体層104aを所望の形状の薄層
に焼結し、この工程を繰り返すことにより、複数の粉体
層104aからなる焼結体の3次元物体を造形するもの
である。この粉末法によれば、3次元物体として樹脂だ
けでなく、セラミックスや金属等の造形が可能である。
製造装置を示す図であり、特開平6−190929号公
報に示されているものである。この製造装置において、
フィルム供給部110からプラスチックフィルム111
を供給すると、そのプラスチックフィルム111は、接
着剤塗布部120によって下面に光硬化型接着剤121
が一様に塗布されて接着層が形成され、ネガパターン露
光部130によって接着層のうち微小構造体の断面形状
に対応する領域以外の領域が露光され、硬化部と未硬化
部が形成され、光硬化接合部140の押さえローラ14
1によって下方に押さえられ、線光源142からの光線
によって未硬化部が硬化し、下側のプラスチックフィル
ム111に接合する。レーザ切断部150は、炭酸ガス
レーザ源151からのレーザによってプラスチックフィ
ルム111の後端を切断するとともに、レーザによって
最上層のプラスチックフィルム111の不要領域の輪郭
を除去する。この工程を繰り返して微小構造体が製造さ
れる。なお、同図において、160は、本装置を制御す
るワークステーションである。このシート積層法によれ
ば、プラスチックシートからなる微小構造体が得られ
る。
て用いる製造方法を示す図であり、特開平8−1270
73号公報に示されているものである。この製造方法
は、同図(a) に示すように、基材170に感光性樹脂膜
171を形成し、同図(b) に示すように、所望のパター
ンに露光して露光部171aを形成する工程と、同図
(c) に示すように、樹脂膜171の混合を防止し、下層
への露光を妨げる中間膜172を形成する工程を繰り返
し、同図(d) に示すように、樹脂膜171と中間膜17
2からなる多層構造物を形成した後、樹脂の現像液に浸
漬して同図(b) ,(c) に示す露光部171aを選択除去
して同図(d) に示すように、立体形状の微小構造体を得
る方法である。この製造方法を用いれば、樹脂膜171
と中間膜172はスピンコート法等が適用できるため、
積層方向の解像度をμmオーダーにできる。
造形法によれば、微小ギアや微細光学部品の製造に必要
な積層方向の解像度1μm以下、膜厚精度0.1μm以
下を達成できないという欠点がある。すなわち、出発材
料(光硬化樹脂)を硬化させるために、層に垂直に入射
する光を用いているため、垂直入射した光は表面から吸
収されその強度を弱めながら深く進入していき、やがて
硬化に必要な閾値レベル以下になる。そこまでの層の厚
みが1層の厚みであるが、これは入射光の強度のばらつ
き、経時変化、出発材料の吸収係数のばらつき等により
変化するため、高解像度化は難しい。また、光硬化樹脂
を用いるため、造形後に行われる完全硬化させるための
フルキュア工程で全体が1%〜数%収縮するという欠点
があり、この工程で大幅に精度を落とすことになる。ま
た、製造できる3次元物体は比較的柔らかな光硬化樹脂
に限られるため、金属等の固い材料で目的とする3次元
物体を製造する場合は、この樹脂を型として電鋳法や射
出成形法等により転写するしかなく、転写工程が必要と
なるという欠点がある。
1と同様に、層に垂直に入射する光を用いているため、
積層方向の解像度が悪く、フルキュア工程における収縮
により精度劣化を招く。また、金属等の固い材料の3次
元物体を製造する場合は、転写工程を要するという欠点
を有している。
積層方向の解像度はシートの厚さで決まり、その下限は
シートの取り扱いを考慮すると数十μm程度であり、や
はり積層方向の解像度1μm以下は不可能である。
いる製造方法によれば、露光の工程でほぼ垂直に入射す
る光を用いるため、下層への露光を防ぐために中間膜
(例えばAl)が必要となり、1層当たりの解像度の点
で不利になる。また、中間膜を省略するため、感光波長
と溶媒の異なる2種類の感光性樹脂を交互に積層し、そ
れぞれを露光し、最後に現像して3次元形状を形成する
方法も当該公報に示されているが、溶媒が異なる樹脂同
士の密着性に難があり、完成した部品の強度が低いこ
と、および最後の現像工程で感光性樹脂が膨潤し、寸法
精度が悪くなるといった欠点がある。更に、感光性樹脂
を用いているため、上記の光造形法と同様に金属や絶縁
体等の材料には直接適用することは不可能で、型として
使うしかなかった。
いられる微小構造体は、一定の機械的強度が要求され
る。
度が高く、小さな接合荷重でも薄膜間の接合強度が高
く、機械的強度の大きな微小構造体を得ることのできる
微小構造体の製造方法を提供することにある。
達成するため、微小構造体の断面形状を有する複数の薄
膜をステージ上に所定の荷重を加えて順次接合すること
により、前記複数の薄膜を積層してなる前記微小構造体
を製造する方法において、平坦な基板上に、表面が少な
くとも前記所定の荷重と必要とする前記薄膜間の接合強
度とから定まる表面粗さを有するように前記複数の薄膜
を形成する形成工程と、前記基板から前記複数の薄膜を
剥離し、この剥離した前記複数の薄膜を前記ステージ上
に前記所定の荷重を加えて順次接合する接合工程とを含
むことを特徴とする微小構造体の製造方法を提供する。
本発明は、上記の目的を達成するため、微小構造体の断
面形状を有する複数の薄膜をステージ上に所定の荷重を
加えて順次接合することにより、前記複数の薄膜を積層
してなる前記微小構造体を製造する方法において、基板
上に、中間層が所定の硬度を有する金属からなり、少な
くとも最上層が前記金属より硬度の低い金属からなる複
数層を積層して薄膜を着膜する着膜工程と、前記着膜工
程によって着膜された前記薄膜を前記微小構造体の断面
形状にパターンニングして前記複数の薄膜を形成するパ
ターニング工程と、前記基板から前記複数の薄膜を剥離
し、この剥離した前記複数の薄膜を前記ステージ上に前
記所定の荷重を加えて順次接合する接合工程とを含むこ
とを特徴とする微小構造体の製造方法を提供する。
る積層装置を示す。この積層装置1は、真空槽2を有
し、この真空槽2の内部に、複数の薄膜34を担持した
薄膜担持体3を上面4aに固定されるとともに、その薄
膜担持体3をx軸方向,y軸方向およびz軸周りのθ方
向にそれぞれ移動させるx−y−θステージ4と、薄膜
担持体3のアライメント状態を検出する例えばCCDカ
メラの如きアライメント検出部5と、ダミー基板6が表
面7aに形成されるとともに、z軸方向に移動するzス
テージ7と、x−y−θステージ4側およびzステージ
7側に粒子ビーム8をそれぞれ照射してFAB(Fast At
om Bombardment) 処理する第1の粒子ビーム出射端9A
および第2の粒子ビーム出射端9Bと、真空槽2内の真
空度を検出する真空計10とを配設している。なお、
「FAB処理」とは、粒子ビームとして例えばアルゴン
原子ビームを1kV程度の電圧で加速して材料の表面に
照射し、材料表面の酸化膜,不純物等を除去して清浄な
表面を形成する処理をいう。本実施の形態では、アルゴ
ン原子ビームの照射条件を処理対象の材料に応じて加速
電圧1〜1.5kV、照射時間1〜10分の範囲で変更
するようにしている。
能なものであり、薄膜担持体3をx軸方向およびy軸方
向にそれぞれ移動させるxステージ40およびyステー
ジ41と、z軸周りに回転するθステージ42とを備え
る。
ルミニウム合金等の金属からなる。ダミー基板6は、z
ステージ7上に積層された複数の薄膜34からなる微小
構造体をzステージ7から容易に取り出せるようにする
ため、予め、zステージ7の表面7aに形成される。ダ
ミー基板6の材料は、微小構造体の材料に応じて選択す
る。すなわち、微小構造体をアルミニウム等の金属で形
成する場合は、ダミー基板6の材料として銅あるいはニ
ッケルを選択し、zステージ7の表面7aに銅あるいは
ニッケルをめっき法により例えば約5μm着膜する。微
小構造体をアルミナ、窒化アルミ、炭化けい素、シリコ
ン窒化膜等の絶縁体であるセラミックスで形成する場合
は、ダミー基板6の材料としてアルミニウムを選択し、
zステージ7の表面7aにアルミニウムを真空蒸着法等
により形成する。後述するようにダミー基板6上に複数
の薄膜34を積層して微小構造体を形成した後、ダミー
基板6のみをエッチング除去することにより、微小構造
体に外力を加えることなく、微小構造体のみをzステー
ジ7から容易に分離することができる。
装置1は、本装置1全体の制御を司る制御部11を有
し、この制御部11に、制御部11のプログラムを含む
各種の情報(例えばx−y−θステージ4の移動ピッチ
情報)を記憶するメモリ12、真空槽2内を真空にする
真空ポンプ13、第1および第2の粒子ビーム出射端9
A,9Bからそれぞれ粒子ビーム8を照射する第1のF
AB処理部14Aおよび第2のFAB処理部14B、x
ステージ40を構成するx軸モータ40aおよびx軸位
置検出部40b、yステージ41を構成するy軸モータ
41aおよびy軸位置検出部41b、θステージ42を
構成するθモータ42aおよびθ位置検出部42b、z
ステージ7を構成するz軸モータ7bおよびz軸位置検
出部7c、上記アライメント検出部5、および上記真空
計10を各々接続している。x軸位置検出部40b,y
軸位置検出部41b,θ位置検出部42bおよびz軸位
置検出部7cは、例えば、レーザー干渉計やガラススケ
ール等を用いることができる。これらを用いることによ
り、サブμmの移動精度を実現できる。
4Bは、1〜1.5kVの加速電圧を対応する第1およ
び第2の粒子ビーム出射端11A,11Bに付与するも
のである。
グラムおよびx−y−θステージ4の移動ピッチ情報に
基づいて、薄膜担持体3が載置されたx−y−θステー
ジ4を所定のピッチで移動させつつ、zステージ7の表
面7aにダミー基板6を介して複数の薄膜34を所定の
荷重を加えて順次接合することにより、複数の薄膜34
を積層してなる微小構造体を形成するように積層装置1
の各部を制御するようになっている。
構造体の製造方法を説明する。
ンニング工程を示す。 (1) 着膜 まず、同図(a) に示すように、基板31としてシリコン
ウェハを準備し、この基板31の上にポリイミド32を
8μmスピンコーティング法により形成する。そして真
空処理装置内に導入し、CF4 ガスによるプラズマ処理
を施し、ポリイミド32の表面をふっ化する。この工程
により、この上に形成される薄膜34が接合後容易に剥
離できるようにするための離型層33が形成される。な
お、このふっ化処理は、この上に形成される薄膜34の
剥離を容易にするためのものであるが、必ずしも必要で
はない。次に、同図(b) に示すように、スパッタリング
法によりAl薄膜34aを着膜する。本実施の形態で
は、インライン型のスパッタリング装置を用い、ターゲ
ットには、高純度Alを使用し、スパッタ圧力0.5P
a、基板31の温度は室温とした。ターゲットに直流電
圧を印加し、放電領域に基板31を搬送させると、一度
の通過で厚さ0.5μmのAl薄膜34aが着膜した。
一旦放電を止め、基板31を最初の位置に戻し、二度目
の放電および搬送を行うことにより、厚さ0.5μmの
Al薄膜34bが着膜し、合計膜厚1μmの2層膜が形
成された。この表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で
測定したところ、算術平均粗さRaを4nmと小さくす
ることができた。薄膜34の着膜を一旦停止すると、結
晶粒の連続成長が妨げられて最表面の結晶粒が小さくな
るため、薄膜34を多層に形成することにより、膜厚1
μmの薄膜34を連続膜で形成する場合と比べて表面粗
さが小さくなる。なお、薄膜34は、2層でも、4層以
上でもよい。
膜34の表面にフォトレジスト35を塗布し、通常のフ
ォトリソグラフィー法によりフォトマスクを用いて薄膜
34をエッチングし、微小構造体30の断面形状のパタ
ーン(断面パターン)を一括して形成する。本実施の形
態ではドライエッチング法を用いた。引き続き、同じフ
ォトマスクを用いてポリイミド32を約3μmエッチバ
ックする。エッチングにはAlのエッチングと同様にド
ライエッチング法を用い、ガスとしてCF4 とO2 を用
いた。その後、同図(d) に示すように、レジスト35を
剥離して薄膜担持体3を得る。基板31上に、所定のピ
ッチで複数の薄膜34が形成される。
ージ4の上面4aに固定する。このとき、x−y−θス
テージ4のθステージ42に起立してある図示しない3
つの位置決めピンに当接するように薄膜担持体3を配置
する。
拡大観察しながら、x薄膜担持体3のx軸方向およびy
軸方向とx−y−θステージ4のx軸方向およびy軸方
向とが一致するようにθステージ42を調整する。そし
て、ダミー基板6の直下に第1層の薄膜34が概略位置
するようにx−y−θステージ4を位置決めする。な
お、この工程はx−y−θステージ4のx軸方向および
y軸方向と薄膜担持体3のx軸方向およびy軸方向とを
合わせる作業なので、特に真空槽2内で行う必要はな
く、ステージ4を真空槽2の外に取り出して普通の顕微
鏡を用いて行ってもよい。
押下すると、制御部11は、真空計10の検出値に基づ
いて真空ポンプ13を制御して真空槽2内を10-6Pa
台まで排気し、真空槽2内を高真空状態あるいは超高真
空状態にする。
AB処理部14A,14Bを制御して第1の粒子ビーム
出射端9Aからダミー基板6の表面にアルゴン原子ビー
ム8を照射し、第2の粒子ビーム出射端9Bから薄膜3
4の表面にアルゴン原子ビーム8を照射してFAB処理
を施す。本実施の形態では、アルゴン原子ビーム8を
1.5kVの加速電圧で斜め45度の角度から5分間照
射し、表面約5nmの汚染層を除去した。
なお、同図において、F0 はバルク強度を示し、P1 〜
P4 は薄膜34を接合する際の荷重を示す。薄膜34の
接合強度は、表面粗さが大きくなる程、また、荷重Pが
小さい程低下する傾向にある。従って、本実施の形態で
は、接合強度をバルク強度F0 並みにするため、接合強
度がバルク強度F0 から下降しはじめる点V1 〜V4 に
対応する表面粗さRa1 〜Ra4 の薄膜を使用してい
る。これにより、必要最小限の荷重Pを用いることがで
き、装置の小型化を図ることができる。
部11は、図5(a) に示すように、z軸位置検出部7c
の検出信号に基づいてz軸モータ7bを制御してzステ
ージ7を下降させてダミー基板6をx−y−θステージ
4上の薄膜担持体3に接近させ、清浄なダミー基板6の
表面と清浄な第1層の薄膜34の表面とを接触させ、所
定の荷重(例えば、50kgf/cm2 )を加えて所定
の時間(例えば5分間)押し付ける。これにより、ダミ
ー基板6と第1層の薄膜34の表面とが強固に接合され
る。その後、図5(b) に示すように、zステージ7を元
の位置に復帰させる。離型層33と薄膜34との接合力
をf1 、薄膜34,34同士の接合力をf2 、薄膜34
とダミー基板6との接合力をf3 としたとき、f2 >f
3 >f1 の大小関係となるようにダミー基板6、離型層
33および薄膜34の材料を選択している。従って、薄
膜34は薄膜担持体3側からzステージ7側に転写され
る。
に、メモリ11が記憶するプログラムおよびx−y−θ
ステージ4の移動ピッチ情報に基づいて、x−y−θス
テージ4を所定のピッチ移動させる。これにより、zス
テージ7の直下に第2層の薄膜34が位置する。
B処理・転写することにより、第1層の薄膜34の上に
第2層の薄膜34が積層される。最初の工程との唯一の
違いは、FAB処理工程において、2回目のときはzス
テージ7上のダミー基板6の表面にアルゴン原子ビーム
8を照射するのではなく、第1層の薄膜34の裏面(そ
れまで基板31に離型層33を介して接触していた面)
に照射し、そこを清浄化することである。
上述した工程を薄膜34の数だけ繰り返すことにより、
複数の薄膜34が積層され、zステージ7上のダミー基
板6上に微小構造体30が完成する。その後、ダミー基
板6を除去することにより、微小構造体30が得られ
る。
る。 (イ) 膜厚1.0μmの複数の薄膜34を順次積層して微
小構造体30を製造しているので、積層方向の高解像度
化が可能になる。 (ロ) 薄膜34の表面粗さを10nm以下にすることによ
り、実効的な接合面積が増加して薄膜34間の接合強度
を必要十分に大きくすることができるが、上記実施の形
態では5nm以下にしているので、実効的な接合面積が
より増加するので、小さな接合荷重でも接合強度をバル
クのAl並みにすることができ、機械的強度の高い微小
構造体を製造することができた。
を示す。この製造方法は、第1の実施の形態とは、薄膜
34の形成方法が異なり、他は第1の実施の形態と同様
である。本実施の形態では、図3(b) に示す薄膜34の
着膜工程において、2つのターゲットを装着できるイン
ライン型のスパッタリング装置を用い、一方のターゲッ
トに高純度アルミニウムを用い、他方のターゲットにア
ルミニウム合金(Al−2%Cu合金)を用いた。そし
て最初に高純度Alのターゲットだけを放電させ、ここ
に基板31を搬送させて図7に示すように高純度Al薄
膜340を0.1μm着膜させた。放電を一旦停止し、
基板31を元の位置に戻し、今度はAl−2%Cu合金
のターゲットだけを放電させ、ここに基板31を搬送さ
せてAl−Cu合金薄膜341を0.8μm着膜させ
た。A−Cu合金薄膜341は、高純度Al薄膜340
に比べ、微量なCu原子の存在により粒径が大きくなり
難いため、膜厚を厚く形成しても表面粗さが大きくなり
難い。また、この着膜の方法も、一度に0.8μmを着
膜してもよいが、第1の実施の形態と同様に複数回に分
けて0.8μmのAl−Cu合金薄膜341を形成した
方が表面粗さが小さくなるため、より望ましい。また、
Al−Cu合金を用いることにより、剛性が純Alより
も高いため、微小構造体の機械的強度を大きくできる。
次に、再び、高純度Alのターゲットだけを放電させ、
ここに基板31を搬送させて高純度Al薄膜340を
0.1μm着膜させた。このような工程により、最上層
と最下層を高純度Alから形成し、中間層を機械的強度
の高いAl−Cu合金から形成することができた。この
表面粗さをAFMで測定したところ、Ra=2nmを得
た。
の断面形状にパターニングして積層転写したところ、A
l−Cu合金のバルク並みの強度を有する微小構造体が
得られた。
Alの替わりに金(Au)を用いてもよい。これによっ
ても同様に機械的強度の大きな微小構造体を形成でき
た。AuはAlよりも更に柔らかいため、圧接時に容易
に変形し易く、実効的に広い面積で接合し易いが、Au
自身の機械的強度が小さいため、膜厚は0.05μmと
薄くした。また、Auに限らず、他の比較的柔らかな金
属でも同様の効果がある。また、最上層のみをAlある
いはAu等の材料で形成しても機械的強度の大きな微小
構造体を形成できた。その理由は、薄膜パターンを積層
転写した後、表面から露出する面は、それまで離型層3
2の表面に倣って表面粗さが元々小さいからである。ま
た、中間層は、Al−Cu合金に限らず、Al−Si−
Cu合金や他のAl以外を主成分とする金属やSi
O2 ,Si3 N4 等の絶縁材料でもよい。また、中間層
は、2層以上の多層膜として形成してもよい。連続膜と
して形成する場合と比べ、小さい表面粗さを得る点で有
利である。
形態に係る製造方法を示す。但し、薄膜の表面は凹凸を
誇張して表している。この製造方法は、第1の実施の形
態とは、薄膜34の形成方法が異なり、他は第1の実施
の形態と同様である。第1の実施の形態と同様に、基板
31の上にポリイミド32を形成し、離型層33を形成
する。スパッタリング装置によってAlの薄膜34を1
μm着膜する。この時の表面粗さはRa=15nmであ
った。次に、この薄膜34の表面をCMP(Chemical Me
chanical Polishing) 装置の研磨パッド15を用いて数
分間研磨することにより、表面粗さがRa=2nmに改
善された。
の断面形状にパターニングして積層転写したところ、A
lのバルク並みの強度を有する微小構造体が得られた。
れず、種々な変形が可能である。例えば、薄膜34は、
表面粗さが大きい場合(例えば10nmを超えている場
合)でも、薄膜34を複数層から構成し、中間層を硬度
の高い金属から形成し、最上層および最下層を硬度の低
い金属から形成してもよい。この場合に、例えば、中間
層をアルミニウム合金から形成し、最上層および最下層
を高純度アルミニウムから形成してもよく、最上層およ
び最下層を金を主成分とする材料から形成してもよい。
このように構成することにより、最上層および最下層の
表面の突部が接合荷重によって塑性変形し、実効的な接
合面積が増加して薄膜間の接合強度が向上し、機械的強
度の大きな微小構造体を得ることができる。また、上記
実施の形態では、基板上への薄膜の着膜方法として、ス
パッタリング法について説明したが、電子ビーム加熱蒸
着法,抵抗加熱蒸着法,化学蒸着法等の他の真空蒸着法
やスピンコート法を用いてもよい。
厚制御性が良好で基板全体に渡って膜厚均一性に優れた
スパッタリング法等の着膜方法を用いて基板上に複数の
薄膜を形成できるので、積層方向の高解像度化が可能に
なる。また、表面が所定の表面粗さを有する薄膜を所定
の荷重で接合しているので、小さな接合荷重でも薄膜間
の接合強度が高く、機械的強度の大きな微小構造体を得
ることができる。
ある。
示すブロック図である。
程を示す図である。
である。
構造体を示す図である。
す図である。
製造方法を示す図である。
す図である。
て用いる製造方法を示す図である。
点
Claims (15)
- 【請求項1】微小構造体の断面形状を有する複数の薄膜
をステージ上に所定の荷重を加えて順次接合することに
より、前記複数の薄膜を積層してなる前記微小構造体を
製造する方法において、 平坦な基板上に、表面が少なくとも前記所定の荷重と必
要とする前記薄膜間の接合強度とから定まる表面粗さを
有するように前記複数の薄膜を形成する形成工程と、 前記基板から前記複数の薄膜を剥離し、この剥離した前
記複数の薄膜を前記ステージ上に前記所定の荷重を加え
て順次接合する接合工程とを含むことを特徴とする微小
構造体の製造方法。 - 【請求項2】前記表面粗さは、10nm以下である構成
の請求項1記載の微小構造体の製造方法。 - 【請求項3】前記形成工程は、前記基板上に薄膜を着膜
する着膜工程と、前記着膜工程によって着膜された前記
薄膜を前記微小構造体の断面形状にパターンニングする
パターニング工程を含む構成の請求項1記載の微小構造
体の製造方法。 - 【請求項4】前記着膜工程は、複数層の薄膜を積層して
前記薄膜を形成する構成の請求項3記載の微小構造体の
製造方法。 - 【請求項5】前記複数層の薄膜は、スパッタリングによ
って間欠的に着膜された請求項4記載の微小構造体の製
造方法。 - 【請求項6】前記複数層の薄膜は、中間層が所定の硬度
を有する金属からなり、少なくとも最上層が前記金属よ
り硬度の低い金属からなる構成の請求項4記載の微小構
造体の製造方法。 - 【請求項7】前記中間層は、アルミニウム合金からな
り、前記最上層は、高純度アルミニウムからなる構成の
請求項6記載の微小構造体の製造方法。 - 【請求項8】前記最上層は、金を主成分とする構成の請
求項6記載の微小構造体の製造方法。 - 【請求項9】前記形成工程は、前記着膜工程によって着
膜された前記薄膜の表面を前記表面粗さを有するように
研磨する研磨工程を含む構成の請求項3記載の微小構造
体の製造方法。 - 【請求項10】前記研磨工程は、CMP(Chemical Mech
anical Polishing) 法によって研磨する構成の請求項9
記載の微小構造体の製造方法。 - 【請求項11】前記着膜工程は、前記薄膜間の接合強度
より低い接合強度で前記薄膜と接合される離型層を前記
基板上に形成し、前記離型層の上に前記薄膜を着膜する
構成の請求項4記載の微小構造体の製造方法。 - 【請求項12】前記離型層は、その表面が前記表面粗さ
を有するように形成される構成の請求項11記載の微小
構造体の製造方法。 - 【請求項13】微小構造体の断面形状を有する複数の薄
膜をステージ上に所定の荷重を加えて順次接合すること
により、前記複数の薄膜を積層してなる前記微小構造体
を製造する方法において、 基板上に、中間層が所定の硬度を有する金属からなり、
少なくとも最上層が前記金属より硬度の低い金属からな
る複数層を積層して薄膜を着膜する着膜工程と、 前記着膜工程によって着膜された前記薄膜を前記微小構
造体の断面形状にパターンニングして前記複数の薄膜を
形成するパターニング工程と、 前記基板から前記複数の薄膜を剥離し、この剥離した前
記複数の薄膜を前記ステージ上に前記所定の荷重を加え
て順次接合する接合工程とを含むことを特徴とする微小
構造体の製造方法。 - 【請求項14】前記中間層は、アルミニウム合金からな
り、前記最上層は、高純度アルミニウムからなる構成の
請求項13記載の微小構造体の製造方法。 - 【請求項15】前記最上層は、金を主成分とする構成の
請求項13記載の微小構造体の製造方法。
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JP2008140566A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Univ Nagoya | エネルギ線照射による処理装置および方法 |
-
1997
- 1997-12-08 JP JP33679497A patent/JP3627482B2/ja not_active Expired - Fee Related
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