JPH11171820A - 芳香族カルボン酸の製造方法 - Google Patents
芳香族カルボン酸の製造方法Info
- Publication number
- JPH11171820A JPH11171820A JP23291498A JP23291498A JPH11171820A JP H11171820 A JPH11171820 A JP H11171820A JP 23291498 A JP23291498 A JP 23291498A JP 23291498 A JP23291498 A JP 23291498A JP H11171820 A JPH11171820 A JP H11171820A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acetic acid
- entrainer
- alkyl
- carboxylic acid
- substituted aromatic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
族化合物の液相酸化による芳香族カルボン酸の製造方法
において、酢酸と共沸成分の分離効率の悪化を防ぎ、効
率良く脱水を行う方法を提供する。 【解決手段】エントレーナーからアルキル置換芳香族化
合物を除去することにより、含水酢酸の共沸蒸留脱水塔
の上部に供給するエントレーナー中のアルキル置換芳香
族化合物の濃度を10%以下とする。
Description
化合物の液相酸化による芳香族カルボン酸の製造方法に
関し、詳しくは該液相酸化で溶媒として用いられる酢酸
の回収方法に関するものである。
族カルボン酸の製造方法として、アルキル置換芳香族化
合物を触媒の存在下、酢酸溶媒中で分子状酸素ガスによ
り液相酸化する方法が一般的である。該製造方法におい
て溶媒に用いられる酢酸は酸化反応による生成水により
希釈されるので、蒸留脱水塔で生成水を分離して酸化反
応器に戻す必要がある。すなわち、例えばスラリー状の
酸化反応生成物から芳香族カルボン酸を分離した反応母
液を蒸発させて得た含水酢酸、あるいは酸化反応器から
の排ガスを冷却凝縮して得た含水酢酸中には、液相酸化
反応の生成水が混入しているために、溶媒として再使用
するためには脱水塔で水を除去して濃縮酢酸にしなけれ
ばならない。
塔頂部から水を留出させ塔底部から濃縮酢酸が抜き出さ
れる。しかるに塔頂部から留出する水は排水として系外
へ排出されるので、水中の酢酸濃度は極力低く抑えなけ
ればならない。この要請に応えるためには多くの段数を
もった脱水塔の建設と、かつ多大なエネルギー消費を余
儀なくされる。これらコスト増大要因を少しでも抑える
ために、酢酸n−ブチル等を共沸剤とした共沸脱水法が
提案されており、例えば特公昭61−31091号にエ
ントレーナー(共沸剤)を用いた共沸蒸留による酢酸−
水分離方法が示されている。
操業しているテレフタル酸およびイソフタル酸の製造装
置から発生する酸化反応生成水を含んだ酢酸−水混合物
を原料とし、酢酸nブチルを共沸剤に使用して共沸脱水
パイロットプラントを長期間にわたって運転を継続した
結果、パイロットプラント運転開始から日時が経過する
に従って酢酸と共沸成分(酢酸nブチル−水)との分離
効率が次第に低下していく現象が観察された(比較例1
および比較例2)。本発明の目的は、含水酢酸の共沸脱
水を行う、アルキル置換芳香族化合物の液相酸化による
芳香族カルボン酸の製造方法において、酢酸と共沸成分
の分離効率の悪化を防ぎ、効率良く脱水を行う方法を提
供することにある。
ンを原料とするテレフタル酸製造装置において、以上の
如き現象に対して原因の追求を行った結果、商業的に運
転している酸化反応器の還流液中には微量の未反応パラ
キシレンが含まれており、共沸脱水装置の運転開始から
日時が経過するに従って共沸剤である酢酸n−ブチル中
に徐々にパラキシレンが蓄積し、その結果、分離効率が
低下することを突き止めた。そして蒸留によりエントレ
ーナーからパラキシレンを除去することにより、分離効
率の悪化を防ぎ、効率良く脱水を行うことができるよう
になること、またメタキシレンを原料とするイソフタル
酸においても同様の効果があることを見出し、本発明に
到達した。
を酢酸溶媒中触媒の存在下、分子状酸素で液相酸化し、
酸化反応器からの排ガスを冷却凝縮して得た含水酢酸、
あるいは酸化反応液から芳香族カルボン酸を分離した後
の酸化反応母液を蒸発させて得た含水酢酸を共沸蒸留に
より脱水して溶媒として循環使用する芳香族カルボン酸
の製造方法において、含水酢酸の共沸蒸留脱水塔の上部
に供給するエントレーナー中のアルキル置換芳香族化合
物の濃度を10%以下とすることを特徴とする芳香族カ
ルボン酸の製造方法である。
るアルキル置換芳香族化合物としてパラキシレンおよび
メタキシレンが好適に用いられ、対応する芳香族カルボ
ン酸としてテレフタル酸およびイソフタル酸が好適に製
造される。このようなアルキル置換芳香族化合物を液相
酸化して芳香族カルボン酸を製造する酸化反応溶媒には
酢酸が用いられる。触媒にはマンガン、コバルト、鉄、
クロム、ニッケル等の遷移金属化合物が用いられる。ま
た、助触媒として臭素化合物が用いられることもある。
臭素触媒を用いない場合には、コバルト触媒に対して促
進剤としてアセトアルデヒドやメチルエチルケトン等が
使用される。酸化剤には分子状酸素、通常は空気が使用
される。酸素ガスを混じて酸素濃度を高めた空気、逆に
窒素ガス等の不活性ガスを混じて酸素濃度を低くした空
気を用いることもできる。
20℃の範囲が採用され、圧力は溶媒の酢酸が液相を維
持できる範囲以上であればよい。臭素触媒を使わない酸
化方法においては一般的に反応温度は160℃以下であ
る。酸化反応熱は主として含水酢酸溶媒のフラッシュ蒸
発によって除去される。すなわち酸化反応器からの排ガ
スには蒸発した酢酸と水が多量に含まれており、この蒸
気はコンデンサーによって冷却されて凝縮されて液体と
なり、再び酸化反応溶媒として酸化反応器内に還流され
るが、その一部は酸化反応よって生成した水を除く目的
で系外へ排出される。系外へ排出された液体は主として
酢酸と水の混合物であるが、その他に酸化反応副生物の
うちの低沸点生成物や未反応アルキル置換芳香族化合物
等をわずかに含んでいる。この酸化反応器からの排ガス
を冷却凝縮して得た含水酢酸は脱水塔へ送られる。
常1基あるいはそれ以上の反応器で行われる。酸化反応
を終えた反応液は必要であれば1基または、連続した2
基以上の順次降圧された晶析器に送られ、それぞれの圧
力に対応する温度まで溶媒のフラッシュ冷却作用で冷却
され、生成した芳香族カルボン酸の大部分が結晶として
晶析しスラリー溶液となる。スラリー溶液は結晶分離手
段、例えばロータリーバキュームフィルター法あるいは
遠心分離法あるいは他の適当な分離法で芳香族カルボン
酸のケーキと酸化反応母液に分離される。芳香族カルボ
ン酸のケーキは、必要に応じて酢酸あるいは水で洗浄さ
れ、ドライヤーで付着溶媒を除去され芳香族カルボン酸
が得られる。
は酸化処理、還元処理などを経て再び酸化反応溶媒とし
てリサイクルされる。残りの部分は、酸化反応で生成し
た水や他の副生成物を除去するために、通常、蒸発器や
薄膜蒸発器などを使って蒸発させ、主として酢酸と水お
よび微量の未反応のアルキル置換芳香族化合物と低沸点
生成物からなる蒸気と、蒸発残査に分けられる。該蒸気
あるいはその凝縮液は脱水塔へ送られる。蒸発残査は種
々の工程を経て触媒有効成分が回収された後、不要物は
廃棄される。
応母液から酢酸溶媒を回収する共沸脱水塔(以下、単に
脱水塔と称す)への供給液は酢酸と水が主成分である
が、その他に酸化反応の低沸点副生成物や未反応のアル
キル置換芳香族化合物等が微量成分として含まれてい
る。脱水塔では供給液(原料含水酢酸)が脱水塔中段へ
供給され、塔底からは酸化反応に使用できる程度に脱水
濃縮された含水酢酸が抜き出される。この際、脱水塔塔
頂部分にエントレーナーを供給する。塔頂からはエント
レーナーと水の共沸混合物が留出し、通常の場合、留出
液中の酢酸は極く低濃度である。
レーナーとしては、酢酸および水からなる混合溶液に従
来から使用されている共沸剤が用いられる。例えばギ酸
ブチル、ギ酸アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸アルリル、プロピオン酸n−プロピル、プロピ
オン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピ
オン酸イソブチルなどのエステル類、ジクロルメチルエ
ーテル、エチルイソアミルエーテルなどのエーテル類、
塩化アミル、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水
素、塩化アセトン、エチルプロピルケトンなどのケトン
類、トルエンなどの芳香族炭化水素のように沸点が 100
〜150 ℃の範囲で水と共沸混合物を作ることのできる化
合物が使用される。これらのエントレーナーの中でエス
テル類が好ましく、特に酢酸n−ブチルが好ましい。
ーで冷却、凝縮されデカンター等適当な分離装置を用い
てエントレーナーと水に分離される。水の一部は系外へ
排出されるが、一部は再び塔頂部へ還流させる。水の還
流比(=還流水量/排出水量)は通常0.1から3程度
に設定される。デカンター等で分離されたエントレーナ
ーは再び脱水塔々頂部分へ供給される。本発明では分離
されたエントレーナーの一部を抜き出して、エントレー
ナー精製塔(以下、単に精製塔と称す)へ導入し、エン
トレーナーの大部分を塔頂部から回収し、塔底部からは
若干のエントレーナーを含んだアルキル置換芳香族化合
物が抜き出される。
ントレーナー中のアルキル置換芳香族化合物の濃度を監
視し、アルキル置換芳香族化合物の濃度が危険な水準に
まで上昇したとき、精製塔を稼働させるいわゆるバッチ
式で運転してもよいが、連続運転の方が簡便である。連
続運転では、デカンターから抜き出したエントレーナー
を精製塔中段へ供給する。精製塔々頂から留出した蒸気
はコンデンサーで冷却されて主としてエントレーナーか
らなる凝縮液となり、凝縮液の一部は塔頂部へ還流さ
せ、残りの部分はデカンターへ戻される。塔底部からは
若干のエントレーナーを含んだアルキル置換芳香族化合
物が排出される。このエントレーナー含有アルキル置換
芳香族化合物は、脱水塔や精製塔の性能や運転法にもよ
るが、通常、極少量なので焼却炉などで処理される。本
発明において、精製塔の構造や運転の実際の方法に特に
制約はない。
する。但し本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。
タル酸製造装置の酸化反応還流液(酢酸分約60%、残
分は主として水分、以下、含水酢酸と称す)の脱水を行
った。脱水塔1 には42段の多孔板を備えたガラス製の
オルダーショー型分溜管を用い、あらかじめ、リボイラ
2 に含水酢酸を仕込んだ。デカンター4 には酢酸n−ブ
チルと水を仕込み、酢酸n−ブチル層(上層)4pと水
層(下層)4qを形成させた。リボイラ2 を加熱して蒸
気を分溜管内へ炊き上げた。蒸気は塔頂のラインbを通
ってコンデンサー3 で冷却され、凝縮した留出液をデカ
ンター4 へ導入した。ポンプ5 を稼働させてデカンター
上層部4pの酢酸n−ブチルをラインcを通って塔頂部
へ供給した。次にポンプ6 を稼働させてデカンター下層
部4qの水をラインdを通って塔頂部へ供給した。この
状態で数時間運転を継続してから、ラインaから原料の
含水酢酸を供給した。同時にバルブ7 を開けてポンプ6
から吐出された水の一部をラインeから系外へ排出し
た。リボイラ2 中に溜った濃縮された酢酸はラインfを
通って逐次系外へ排出した。
(=ラインdから塔頂部へ供給された水量/ラインeか
ら系外へ排出された水量)は1.0に設定した。なお、
ラインeから系外へ排出した水中に溶解して排出される
酢酸n−ブチルに相当する量を逐次デカンターへ補給し
た。運転を開始し、ラインeから採取した水中の酢酸濃
度を追跡したところ、表1の結果を得た。また、表1に
はポンプ5 の吐出口から採取した酢酸n−ブチル中のパ
ラキシレン濃度も併記した。
経過とともに排出水中の酢酸濃度が次第に増加してい
る。つまり、運転の継続にしたがって共沸脱水の分離効
率が悪化しており、また、同様に酢酸n−ブチル中のパ
ラキシレン濃度も経過とともに上昇していくことが分か
る。
中に蓄積したパラキシレンを除く精製工程を追加し、同
様の脱水操作を行った。図2においてエントレーナー精
製塔9 には6段の棚段を有するガラス製蒸留塔を用い
た。まずリボイラ10にパラキシレンと酢酸nーブチルの
混合液を仕込み、加熱して蒸気を炊き上げた。蒸気はラ
インhを通ってコンデンサー11で冷却、凝縮されライン
iを通って再び塔頂へ全還流させた。全還流運転が安定
したらポンプ8 を起動してデカンター上層部4pから酢
酸n−ブチルを一部抜き出し、ラインgを通ってエント
レーナー精製塔9 の中段へ供給した。同時にバルブ12を
開いて留出液の一部をラインjを通ってデカンター4 へ
戻した。
1と同様に連続運転を行った。エントレーナー精製塔の
還流比(=ラインiから蒸留塔へ戻した液量/ラインj
からデカンターへ戻した液量)は約8に設定した。リボ
イラ10に溜った酢酸n−ブチルを少量含有したパラキシ
レンは逐次ラインkを通って系外へ抜き出した。連続運
転を開始し、ラインeから採取した水中の酢酸濃度を追
跡したところ、表2の結果を得た。また表2にはポンプ
5の吐出口から採取した酢酸n−ブチル中のパラキシレ
ン濃度も併記した。
したとき、脱水塔の効率がどのように変化するかを観察
した。比較例1において、試薬氷酢酸60重量部に水4
0重量部を調合した含水酢酸原料をラインaから脱水塔
へ供給し、また試薬酢酸n−ブチルにあらかじめ0〜1
5%に相当するパラキシレン(pX)を添加した共沸剤
を用いた。全系が安定運転に達した時点で、ラインeか
ら採取した水中の酢酸濃度を分析した結果を表3に示
す。
くと脱水塔の分離効率が低下し、排出水中の酢酸濃度が
上昇することが分かる。特にパラキシレン存在量が10
%を越すと排出水中の酢酸濃度が急上昇している。
還流液(酢酸約65%で、残分は主として水分)を原料
に用いて、比較例1と同様の操作を行った。運転を開始
し、ラインeから採取した水中の酢酸濃度を追跡したと
ころ、表4の結果を得た。また、表4にはポンプ5 の吐
出口から採取した酢酸n−ブチル中のメタキシレン濃度
も併記した。
経過とともに排出水中の酢酸濃度が次第に増加してい
る。つまり、運転の継続に従って共沸脱水の分離効率が
悪化しており、また、同様に酢酸n−ブチル中のメタキ
シレン濃度も経過とともに上昇していくことが分かる。
中に蓄積したメタキシレンを除く精製工程を付け加え、
比較例2と同様に連続運転を行った。連続運転を開始
し、ラインeから採取した水中の酢酸濃度を追跡したと
ころ、表5の結果を得た。
タキシレンを精製塔で除くことによって、連続運転日数
が経過しても排出水中の酢酸濃度が一定に維持されてい
ることが分かる。また、同様に酢酸n−ブチル中のメタ
キシレン濃度も一定値に維持されていることが分かる。
をまとめると以下の通りである。 (1)商業的に操業している芳香族カルボン酸の製造装
置の酸化反応還流液を脱水塔に供給して、酢酸n−ブチ
ルを共沸剤に用いて共沸脱水を行うと、連続運転日数の
経過とともに排出水中の酢酸濃度が次第に増加する。つ
まり、運転の継続にしたがって共沸脱水の分離効率が悪
化する。また同時に、酢酸n−ブチル中のアルキル置換
芳香族化合物の濃度が増加する。(比較例1および比較
例2) (2)酢酸n−ブチル中に蓄積したアルキル置換芳香族
化合物を系外へ排出する工程を付加し、共沸剤中のアル
キル置換芳香族化合物の濃度を低い水準に抑えることに
よって、連続運転日数が経過しても排出水中の酢酸濃度
を充分低い水準に維持できる。(実施例1および実施例
2) (3)試薬酢酸と水の混合液を脱水塔に供給して、酢酸
n−ブチルにアルキル置換芳香族化合物を順次添加した
共沸剤を用いて運転を行なうと、酢酸n−ブチルへのア
ルキル置換芳香族化合物の添加量を増すに従い、排出水
中の酢酸濃度が増加し、共沸脱水の分離効率が悪化す
る。(参考例1〜4)
装置のフロー図である。
図である。
ンを原料とするテレフタル酸製造装置において、以上の
如き現象に対して原因の追求を行った結果、商業的に運
転している酸化反応器の還流液中には微量の未反応パラ
キシレンが含まれており、共沸脱水装置の運転開始から
日時が経過するに従って共沸剤である酢酸n−ブチル中
に徐々にパラキシレンが蓄積し、その結果、分離効率が
低下することを突き止めた。そして蒸留によりエントレ
ーナーからパラキシレンを除去することにより、分離効
率の悪化を防ぎ、効率良く脱水を行うことができるよう
になること、またメタキシレンを原料とするイソフタル
酸の製造等においても同様の効果があることを見出し、
本発明に到達した。
20℃の範囲が採用され、圧力は溶媒の酢酸が液相を維
持できる範囲以上であればよい。臭素触媒を使わない酸
化方法においては一般的に反応温度は160℃以下であ
る。酸化反応熱は主として含水酢酸溶媒のフラッシュ蒸
発によって除去される。すなわち酸化反応器からの排ガ
スには蒸発した酢酸と水が多量に含まれており、この蒸
気はコンデンサーによって冷却されて凝縮されて液体と
なり、再び酸化反応溶媒として酸化反応器内に還流され
るが、その一部は酸化反応によって生成した水を除く目
的で系外へ排出される。系外へ排出された液体は主とし
て酢酸と水の混合物であるが、その他に酸化反応副生物
のうちの低沸点生成物や未反応アルキル置換芳香族化合
物等をわずかに含んでいる。この酸化反応器からの排ガ
スを冷却凝縮して得た含水酢酸は脱水塔へ送られる。
レーナーとしては、酢酸および水からなる混合溶液に従
来から使用されている共沸剤が用いられる。例えばギ酸
ブチル、ギ酸アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸アリル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオ
ン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオ
ン酸イソブチルなどのエステル類、ジクロルメチルエー
テル、エチルイソアミルエーテルなどのエーテル類、塩
化アミル、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、
塩化アセトン、エチルプロピルケトンなどのケトン類、
トルエンなどの芳香族炭化水素のように沸点が 100〜15
0 ℃の範囲で水と共沸混合物を作ることのできる化合物
が使用される。これらのエントレーナーの中でエステル
類が好ましく、特に酢酸n−ブチルが好ましい。
ーで冷却、凝縮されデカンター等適当な分離装置を用い
てエントレーナーと水に分離される。水の一部は系外へ
排出されるが、一部は再び塔頂部へ還流させる。水の還
流比(=還流水量/排出水量)は通常0.1から3程度
に設定される。本発明の方法においては、脱水塔上部に
供給するエントレーナー中のアルキル置換芳香族化合物
の濃度を10%以下とすることが必要である。このた
め、デカンター等で分離されたエントレーナーは再び脱
水塔々頂部分へ供給される。本発明では分離されたエン
トレーナーの一部を抜き出して、エントレーナー精製塔
(以下、単に精製塔と称す)へ導入し、エントレーナー
の大部分を塔頂部から回収し、塔底部からは若干のエン
トレーナーを含んだアルキル置換芳香族化合物が抜き出
される。
する。但し本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。以下において、「部」及び「%」は特にこと
わりがない限り、重量基準とする。
Claims (4)
- 【請求項1】アルキル置換芳香族化合物を酢酸溶媒中触
媒の存在下、分子状酸素で液相酸化し、酸化反応器から
の排ガスを冷却凝縮して得た含水酢酸、あるいは酸化反
応液から芳香族カルボン酸を分離した後の酸化反応母液
を蒸発させて得た含水酢酸を、共沸蒸留により脱水して
溶媒として循環使用する芳香族カルボン酸の製造方法に
おいて、含水酢酸の共沸蒸留脱水塔の上部に供給するエ
ントレーナー中のアルキル置換芳香族化合物の濃度を1
0%以下とすることを特徴とする芳香族カルボン酸の製
造方法。 - 【請求項2】原料のアルキル置換芳香族化合物がパラキ
シレンまたはメタキシレンであり、製造される芳香族カ
ルボン酸がテレフタル酸またはイソフタル酸である請求
項1に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。 - 【請求項3】エントレーナーが酢酸n−ブチルである請
求項1に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。 - 【請求項4】含水酢酸を共沸蒸留脱水塔の中段に供給
し、塔頂部から留出する共沸混合物を冷却、凝縮させて
デカンターへ導入し、デカンターで分離されたエントレ
ーナーの少なくとも一部を蒸留によりアルキル置換芳香
族化合物を除去した後、共沸蒸留脱水塔の上部に供給す
る請求項1に記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23291498A JP3849086B2 (ja) | 1997-10-03 | 1998-08-19 | 芳香族カルボン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27132197 | 1997-10-03 | ||
JP9-271321 | 1997-10-03 | ||
JP23291498A JP3849086B2 (ja) | 1997-10-03 | 1998-08-19 | 芳香族カルボン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11171820A true JPH11171820A (ja) | 1999-06-29 |
JP3849086B2 JP3849086B2 (ja) | 2006-11-22 |
Family
ID=26530733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23291498A Expired - Fee Related JP3849086B2 (ja) | 1997-10-03 | 1998-08-19 | 芳香族カルボン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3849086B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005350389A (ja) * | 2004-06-10 | 2005-12-22 | Sumitomo Chemical Co Ltd | アニリンの製造方法 |
KR100826448B1 (ko) | 2004-12-30 | 2008-04-29 | 주식회사 효성 | 디메틸나프탈렌 산화반응에서 초산 회수 및 제거 공정 및장치 |
KR100871776B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2008-12-05 | 주식회사 효성 | 디메틸나프탈렌 산화반응에서 초산의 재순환 |
-
1998
- 1998-08-19 JP JP23291498A patent/JP3849086B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005350389A (ja) * | 2004-06-10 | 2005-12-22 | Sumitomo Chemical Co Ltd | アニリンの製造方法 |
KR100826448B1 (ko) | 2004-12-30 | 2008-04-29 | 주식회사 효성 | 디메틸나프탈렌 산화반응에서 초산 회수 및 제거 공정 및장치 |
KR100871776B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2008-12-05 | 주식회사 효성 | 디메틸나프탈렌 산화반응에서 초산의 재순환 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3849086B2 (ja) | 2006-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5705682A (en) | Process for producing highly pure terephthalic acid | |
US4356319A (en) | Method of recovering in active form the catalyst for the terephthalic acid synthesis | |
RU2382761C2 (ru) | Способ удаления примесей из маточной жидкости при синтезе карбоновой кислоты с использованием фильтрования под давлением | |
US5770765A (en) | Process for the production of high-purity isophthalic acid | |
EP0135341A1 (en) | Process for preparing terephthalic acid from para-xylene | |
KR0152059B1 (ko) | 특정 순도를 갖는 디메틸테레프탈레이트 중간생성물의 제조방법 및 용도 | |
JPH0558948A (ja) | テレフタル酸の製造方法 | |
CZ298267B6 (cs) | Zpusob prípravy kyseliny (meth)akrylové | |
US3484458A (en) | Trimellitic acid production and recovery of intramolecular anhydride | |
JPS6241219B2 (ja) | ||
KR20010072398A (ko) | 정제 테레프탈산의 제조시 메틸 아세테이트 및 잔류아세트산의 회수 방법 | |
RU2671210C2 (ru) | Получение ароматической дикарбоновой кислоты | |
EP0102642A1 (en) | Process for purifying methacrylic acid | |
US6051736A (en) | Preparation of (meth)acrylic acid | |
US5959140A (en) | Process for producing aromatic carboxylic acid | |
EP1104396B1 (en) | Method for recovering methyl acetate and residual acetic acid in the production of pure terephthalic acid | |
KR101943115B1 (ko) | 필터 공급 슬러리중 물의 백분율을 제어함으로써 테레프탈산 퍼지 여과 속도를 개선하는 방법 | |
JP3849086B2 (ja) | 芳香族カルボン酸の製造方法 | |
KR20150139820A (ko) | 방향족 산의 제조에서의 공비 증류에 의한 아세트산의 탈수 | |
EP1989166B1 (en) | Versatile oxidation byproduct purge process | |
FI61892C (fi) | Ett kontinuerligt foerfarande och anordning foer framstaellning av maleinsyraanhydrid av maleinsyras vattenloesning | |
EA030640B1 (ru) | Увеличение скорости фильтрации очистки терефталевой кислоты путем регулировки процента воды в подаваемой на фильтр суспензии | |
JP2002326001A (ja) | 共沸蒸留方法 | |
EA027100B1 (ru) | Улучшение скорости фильтрационной очистки терефталевой кислоты посредством регулирования процентного содержания воды в суспензии, подаваемой на фильтр | |
US5929255A (en) | Process for coproducing fumaric acid and maleic anhydride |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050811 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060517 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060714 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060816 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060817 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |