JPH11163451A - レーザ装置 - Google Patents
レーザ装置Info
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- JPH11163451A JPH11163451A JP32441897A JP32441897A JPH11163451A JP H11163451 A JPH11163451 A JP H11163451A JP 32441897 A JP32441897 A JP 32441897A JP 32441897 A JP32441897 A JP 32441897A JP H11163451 A JPH11163451 A JP H11163451A
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- laser light
- light
- optical path
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、第2高調波を発生する内部共振器型
のレーザ装置に関し、ノイズの発生を防止し安定的な出
力を得る。 【解決手段】励起光20が入射され、その励起光20の
エネルギーによって励起されてレーザ光を発生するN
d:YAG結晶5と、そのNd:YAG結晶5を通過す
るレーザ光の光路を形成するレーザ共振器を構成するミ
ラー1,2,3,4と、そのレーザ共振器内に配置され
そのレーザ光の第2高調波を発生するKTP結晶10と
を備え、複数の縦モードを有するレーザ光を発生するレ
ーザ装置において、Nd:YAG結5で発生するレーザ
光を構成する縦モードの波長および位相が、非線形光学
部材により互いに同一波長であってかつ互いに弱め合う
位相を有する第2高周波と和周波あるいは和周波どうし
を含む、第2高周波および和周波が発生される条件に、
調整されている。さらに音響光学素子9により、レーザ
発振を断続的に行なわせる。
のレーザ装置に関し、ノイズの発生を防止し安定的な出
力を得る。 【解決手段】励起光20が入射され、その励起光20の
エネルギーによって励起されてレーザ光を発生するN
d:YAG結晶5と、そのNd:YAG結晶5を通過す
るレーザ光の光路を形成するレーザ共振器を構成するミ
ラー1,2,3,4と、そのレーザ共振器内に配置され
そのレーザ光の第2高調波を発生するKTP結晶10と
を備え、複数の縦モードを有するレーザ光を発生するレ
ーザ装置において、Nd:YAG結5で発生するレーザ
光を構成する縦モードの波長および位相が、非線形光学
部材により互いに同一波長であってかつ互いに弱め合う
位相を有する第2高周波と和周波あるいは和周波どうし
を含む、第2高周波および和周波が発生される条件に、
調整されている。さらに音響光学素子9により、レーザ
発振を断続的に行なわせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第2高調波を発生
する内部共振器型のレーザ装置に関する。
する内部共振器型のレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ共振器内に非線形光学結晶を挿入
して高い効率で第2高調波を発生させるレーザ装置にお
いて、そのレーザ装置が複数の縦モードを有する場合、
レーザ光の縦モードそれぞれの第2高調波と同時に、各
縦モード間の和周波が発生する。この和周波の発生は、
各縦モードに共有の損失を与えることになり、これがモ
ード同士をエネルギー的に結合させる原因となって、一
般にグリーンプロブレムと呼ばれる激しいモード競合ノ
イズが発生する場合がある。このグリーンプロブレム
は、レーザ装置の応用に際して非常に有害なノイズとな
り、これまでいくつかのノイズ制御方法が提案されてい
る。
して高い効率で第2高調波を発生させるレーザ装置にお
いて、そのレーザ装置が複数の縦モードを有する場合、
レーザ光の縦モードそれぞれの第2高調波と同時に、各
縦モード間の和周波が発生する。この和周波の発生は、
各縦モードに共有の損失を与えることになり、これがモ
ード同士をエネルギー的に結合させる原因となって、一
般にグリーンプロブレムと呼ばれる激しいモード競合ノ
イズが発生する場合がある。このグリーンプロブレム
は、レーザ装置の応用に際して非常に有害なノイズとな
り、これまでいくつかのノイズ制御方法が提案されてい
る。
【0003】図2は、従来提案された低ノイズのレーザ
装置の一例を示したもので、1988年発行のオプテイ
クス・レターズ誌(Optics Letters)第
13巻805頁に記載された、低ノイズの第2高調波光
を発生させる内部共振型レーザ装置の構成図である。こ
の図2には、レーザ媒質であるNd:YAG結晶31、
タイプIIの位相整合条件を満足する、Nd:YAG結
晶31より発せられる波長1064nmのレーザ光の第
2高調波を発生させる非線形光学結晶であるKTP結晶
32、KTP結晶32のc軸に対して45°方位に配置
された、Nd:YAG結晶31より発せられる波長10
64nmのレーザ光に対する1/4波長板33、レーザ
共振器を構成すると共に、KTP結晶32で発生した第
2高調波を出力する出力ミラー34が示されている。
装置の一例を示したもので、1988年発行のオプテイ
クス・レターズ誌(Optics Letters)第
13巻805頁に記載された、低ノイズの第2高調波光
を発生させる内部共振型レーザ装置の構成図である。こ
の図2には、レーザ媒質であるNd:YAG結晶31、
タイプIIの位相整合条件を満足する、Nd:YAG結
晶31より発せられる波長1064nmのレーザ光の第
2高調波を発生させる非線形光学結晶であるKTP結晶
32、KTP結晶32のc軸に対して45°方位に配置
された、Nd:YAG結晶31より発せられる波長10
64nmのレーザ光に対する1/4波長板33、レーザ
共振器を構成すると共に、KTP結晶32で発生した第
2高調波を出力する出力ミラー34が示されている。
【0004】このレーザ装置では、1/4波長板33が
KTP結晶32のc軸に対して45°の方位に配置され
ているため、共振器内のレーザ光の固有偏光モードが制
御されて、KTP結晶32内で和周波を発生させる非線
形分極の打ち消しが生じ、和周波が発生せず、したがっ
てグリーンプロブレムによるノイズは発生しない。ま
た、図3は、異なる方式による低ノイズのレーザ装置の
従来例であり、1992年発行のアイトリプルイー、ジ
ャーナル オブ カンタム エレクトロニクス誌(IE
EE,Journal of Quantum Ele
ctronics)28巻、1164頁に記載されてい
る。
KTP結晶32のc軸に対して45°の方位に配置され
ているため、共振器内のレーザ光の固有偏光モードが制
御されて、KTP結晶32内で和周波を発生させる非線
形分極の打ち消しが生じ、和周波が発生せず、したがっ
てグリーンプロブレムによるノイズは発生しない。ま
た、図3は、異なる方式による低ノイズのレーザ装置の
従来例であり、1992年発行のアイトリプルイー、ジ
ャーナル オブ カンタム エレクトロニクス誌(IE
EE,Journal of Quantum Ele
ctronics)28巻、1164頁に記載されてい
る。
【0005】ここには、Nd:YAG結晶41、励起光
37を発するレーザダイオード36、レーザダイオード
36から発せられた励起光37を集光してNd:YAG
結晶41に入射させるレンズ38、Nd:YAG結晶4
1で発せられたレーザ光の第2高調波を発生する、タイ
プIIの位相整合条件を有する非線形光学結晶であるK
TP結晶42、およびKTP結晶42のc軸に対して4
5°方位に偏光した直線偏光光に対して最も高い透過率
が得られるように配置されたブリュースター板43が示
されている。
37を発するレーザダイオード36、レーザダイオード
36から発せられた励起光37を集光してNd:YAG
結晶41に入射させるレンズ38、Nd:YAG結晶4
1で発せられたレーザ光の第2高調波を発生する、タイ
プIIの位相整合条件を有する非線形光学結晶であるK
TP結晶42、およびKTP結晶42のc軸に対して4
5°方位に偏光した直線偏光光に対して最も高い透過率
が得られるように配置されたブリュースター板43が示
されている。
【0006】このレーザ装置では、KTP結晶42の複
屈折性とブリュースター板43の透過率の偏光方向依存
性により、一般によく知られている複屈折フィルタが形
成され、レーザの各縦モード間に異なる共振器損失が与
えられ、このため、損失の最も少ない1本の縦モードの
みが選択的に発振し、このため和周波が発生せず、ノイ
ズの発生が押さえる。レーザを単一縦モードで発振させ
る方式としては、リング共振器を用いたものもよく知ら
れている。
屈折性とブリュースター板43の透過率の偏光方向依存
性により、一般によく知られている複屈折フィルタが形
成され、レーザの各縦モード間に異なる共振器損失が与
えられ、このため、損失の最も少ない1本の縦モードの
みが選択的に発振し、このため和周波が発生せず、ノイ
ズの発生が押さえる。レーザを単一縦モードで発振させ
る方式としては、リング共振器を用いたものもよく知ら
れている。
【0007】また図4は、さらに異なる方式による低ノ
イズのレーザ装置の従来例であり、1996年に発行さ
れたテクニカルダイジェスト オブ アドバンスド ソ
リッド ステート レーザズ(Technical D
igest of Advanced Solid S
tate Lasers)ポストデッドラインPD4に
記載されている。
イズのレーザ装置の従来例であり、1996年に発行さ
れたテクニカルダイジェスト オブ アドバンスド ソ
リッド ステート レーザズ(Technical D
igest of Advanced Solid S
tate Lasers)ポストデッドラインPD4に
記載されている。
【0008】この従来例では、発振波長幅の広いレーザ
媒質であるNd:YVO4 結晶45が用いられており、
2枚のミラー51,57によりレーザ共振器が構成さ
れ、途中の5枚のミラー52〜56により光路が折り返
されている。また、ここには、光ファイバ端46、コリ
メートレンズ48および集光レンズ49からなる励起光
学系が示されており、各励起光学系から出射された各励
起光は、各ミラー52,53を透過して、Nd:YVO
4 結晶に入射する。
媒質であるNd:YVO4 結晶45が用いられており、
2枚のミラー51,57によりレーザ共振器が構成さ
れ、途中の5枚のミラー52〜56により光路が折り返
されている。また、ここには、光ファイバ端46、コリ
メートレンズ48および集光レンズ49からなる励起光
学系が示されており、各励起光学系から出射された各励
起光は、各ミラー52,53を透過して、Nd:YVO
4 結晶に入射する。
【0009】さらに、レーザ共振器内には、Nb:YV
O4 結晶45で発生したレーザ光の第2高調波を発生す
る非線形光学結晶であるLBO結晶40、及びLBO結
晶40内のレーザモードを調整するためのレンズ41が
配置されている。この従来例では、発振波長幅の広いレ
ーザ媒質であるNd:YVO4 結晶45を用い、光路を
ミラー54、55、56で折り返してレーザ共振器を1
m程度まで長くすることによって、レーザ発振光の縦モ
ードの本数を100本程度まで増やしている。これによ
り、LBO結晶40内で発生する第2高調波光のグリー
ンプロブレムによる各縦モード出力の揺らぎは、それら
多数の縦モードの出力の揺らぎが互いにキャンセルされ
ることによって緩和され、得られる全体の出力の見掛け
上のノイズは低減される。
O4 結晶45で発生したレーザ光の第2高調波を発生す
る非線形光学結晶であるLBO結晶40、及びLBO結
晶40内のレーザモードを調整するためのレンズ41が
配置されている。この従来例では、発振波長幅の広いレ
ーザ媒質であるNd:YVO4 結晶45を用い、光路を
ミラー54、55、56で折り返してレーザ共振器を1
m程度まで長くすることによって、レーザ発振光の縦モ
ードの本数を100本程度まで増やしている。これによ
り、LBO結晶40内で発生する第2高調波光のグリー
ンプロブレムによる各縦モード出力の揺らぎは、それら
多数の縦モードの出力の揺らぎが互いにキャンセルされ
ることによって緩和され、得られる全体の出力の見掛け
上のノイズは低減される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示した1/4波長板を挿入する方法においては、直交す
る2つの偏光モードをそれぞれ各1本の縦モードで発振
させる必要があり、各結晶のコーティングの反射率やミ
ラーのアライメント角度の許容範囲が狭く、かつノイズ
のない状態を長時間維持するためには各部品や共振器全
体を高精度に温度制御する必要がある。
示した1/4波長板を挿入する方法においては、直交す
る2つの偏光モードをそれぞれ各1本の縦モードで発振
させる必要があり、各結晶のコーティングの反射率やミ
ラーのアライメント角度の許容範囲が狭く、かつノイズ
のない状態を長時間維持するためには各部品や共振器全
体を高精度に温度制御する必要がある。
【0011】また、図3に示した、ブリュースター板を
挿入する方法においても同様に、安定して1本の縦モー
ドを維持するためには、KTP結晶の温度及び共振器長
を高精度に制御する必要がある。また1Wを越える高出
力を取り出す場合には、レーザ媒質中の利得が高くなり
レーザ光の縦モードが複数になりやすく、複数になった
場合にはグリーンプロブレムによるノイズが発生するた
め安定性に欠ける恐れがある。
挿入する方法においても同様に、安定して1本の縦モー
ドを維持するためには、KTP結晶の温度及び共振器長
を高精度に制御する必要がある。また1Wを越える高出
力を取り出す場合には、レーザ媒質中の利得が高くなり
レーザ光の縦モードが複数になりやすく、複数になった
場合にはグリーンプロブレムによるノイズが発生するた
め安定性に欠ける恐れがある。
【0012】以上述べた2つの従来例においては、レー
ザ光の縦モードを常に1本ないし2本に制限する必要が
あるが、共振器内に発振を断続的に妨げるような光学部
材を配設してレーザ発振を断続的に行なわせようとする
と、レーザ結晶で発生する温度揺らぎやそれに起因する
屈折率の揺らぎなどによって縦モードの本数がさらに増
える恐れがある。
ザ光の縦モードを常に1本ないし2本に制限する必要が
あるが、共振器内に発振を断続的に妨げるような光学部
材を配設してレーザ発振を断続的に行なわせようとする
と、レーザ結晶で発生する温度揺らぎやそれに起因する
屈折率の揺らぎなどによって縦モードの本数がさらに増
える恐れがある。
【0013】また、図4に示す従来のように、共振器長
を長くし、かつ発振する縦モードの本数を100本以上
立てる場合には、発振する波長帯が広がってしまい、位
相整合の波長許容幅に限界があることから波長変換の効
率が低下する恐れがある。また共振器内部に挿入された
光学部材等の反射によって縦モードの分布が左右されや
すく、離れた周波数の縦モードも発振する可能性があ
り、その場合にはグリーンプロブレムによるノイズが発
生する恐れがある。さらに共振器長を1m以上に長くす
る必要があるために小型化が困難であって、しかも共振
器の構成が複雑になりやすく、機械的な安定性が低下す
る恐れもある。また、レーザ装置を実際に組み立てるに
あたっては、調整のしやすさや設計の自由度が大きいこ
とも極めて大事である。加えて、この方式は、Nd:Y
VO4 結晶のような広い発振波長帯を持たない他の多く
のレーザ装置には適用することができない。
を長くし、かつ発振する縦モードの本数を100本以上
立てる場合には、発振する波長帯が広がってしまい、位
相整合の波長許容幅に限界があることから波長変換の効
率が低下する恐れがある。また共振器内部に挿入された
光学部材等の反射によって縦モードの分布が左右されや
すく、離れた周波数の縦モードも発振する可能性があ
り、その場合にはグリーンプロブレムによるノイズが発
生する恐れがある。さらに共振器長を1m以上に長くす
る必要があるために小型化が困難であって、しかも共振
器の構成が複雑になりやすく、機械的な安定性が低下す
る恐れもある。また、レーザ装置を実際に組み立てるに
あたっては、調整のしやすさや設計の自由度が大きいこ
とも極めて大事である。加えて、この方式は、Nd:Y
VO4 結晶のような広い発振波長帯を持たない他の多く
のレーザ装置には適用することができない。
【0014】本発明は、上記事情に鑑み、ノイズの発生
を防止し安定的な出力を得ることのできるレーザ装置を
提供することを目的とする。
を防止し安定的な出力を得ることのできるレーザ装置を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のレーザ装置は、励起光が入射され励起光のエネルギ
ーによって励起されて複数の縦モードからなるレーザ光
を発生するレーザ媒質、そのレーザ媒質を通過するレー
ザ光の光路を形成するレーザ共振器を構成する2枚のミ
ラー、そのレーザ共振器内のレーザ光の光路上に配置さ
れ、上記レーザ媒質で発生するレーザ光を構成する複数
の縦モードのうちの1本の縦モードに起因する第2高周
波とそのレーザ光を構成する複数の縦モードのうちの2
本の縦モードに起因する和周波とを発生する非線形光学
部材、およびそのレーザ共振器内のレーザ光の光路上に
配置され、その光路上のレーザ光を、断続的に、レーザ
発振を妨げるレベル以下に低下させるスイッチング光学
部材を備え、かつ上記レーザ媒質で発生するレーザ光を
構成する縦モードの波長および位相が、上記非線形光学
部材により、少なくとも互いに部分的に重なり合う波長
であって、かつ互いに弱め合う位相を有する第2高調波
と和周波どうしを含む、第2高調波および和周波が発生
される条件に、調整されてなることを特徴とする。
明のレーザ装置は、励起光が入射され励起光のエネルギ
ーによって励起されて複数の縦モードからなるレーザ光
を発生するレーザ媒質、そのレーザ媒質を通過するレー
ザ光の光路を形成するレーザ共振器を構成する2枚のミ
ラー、そのレーザ共振器内のレーザ光の光路上に配置さ
れ、上記レーザ媒質で発生するレーザ光を構成する複数
の縦モードのうちの1本の縦モードに起因する第2高周
波とそのレーザ光を構成する複数の縦モードのうちの2
本の縦モードに起因する和周波とを発生する非線形光学
部材、およびそのレーザ共振器内のレーザ光の光路上に
配置され、その光路上のレーザ光を、断続的に、レーザ
発振を妨げるレベル以下に低下させるスイッチング光学
部材を備え、かつ上記レーザ媒質で発生するレーザ光を
構成する縦モードの波長および位相が、上記非線形光学
部材により、少なくとも互いに部分的に重なり合う波長
であって、かつ互いに弱め合う位相を有する第2高調波
と和周波どうしを含む、第2高調波および和周波が発生
される条件に、調整されてなることを特徴とする。
【0016】グリーンプロブレムは、レーザ媒質内で発
生したレーザ光が第2高周波や和周波に変換される際
の、第2高周波や和周波による、もともとのレーザ光の
エネルギーの奪い合いが原因になっているものであり、
第2高周波と和周波あるいは和周波どうしが互いに同一
の波長かつ互いに弱め合う位相を有する場合、そのよう
なエネルギーの奪い合いが抑制され、グリーンプロブレ
ムの発生が抑えられる。
生したレーザ光が第2高周波や和周波に変換される際
の、第2高周波や和周波による、もともとのレーザ光の
エネルギーの奪い合いが原因になっているものであり、
第2高周波と和周波あるいは和周波どうしが互いに同一
の波長かつ互いに弱め合う位相を有する場合、そのよう
なエネルギーの奪い合いが抑制され、グリーンプロブレ
ムの発生が抑えられる。
【0017】ここで、上記本発明のレーザ装置におい
て、上記レーザ共振器を構成する2枚のミラーのうちの
一枚のミラーが、前記非線光学部材から出射した第2高
調波および和周波を、その非線形光学部材に向けて反射
するものであって、その一枚のミラーの、第2高調波お
よび和周波に対する反射率が、上記の条件を満足する反
射率に調整されてなることが好ましい。
て、上記レーザ共振器を構成する2枚のミラーのうちの
一枚のミラーが、前記非線光学部材から出射した第2高
調波および和周波を、その非線形光学部材に向けて反射
するものであって、その一枚のミラーの、第2高調波お
よび和周波に対する反射率が、上記の条件を満足する反
射率に調整されてなることが好ましい。
【0018】ミラーの反射率が低過ぎると、上記の条件
に合致しないこととなり、ミラーの反射率もグリーンプ
ロブレムの抑制に大きく関与している。また、上記本発
明のレーザ装置において、上記レーザ媒質が、レーザ共
振器を構成する2枚のミラーに挟まれた上記レーザ光の
光路上の位置に関し、その光路に沿って、それら2枚の
ミラーのいずれからも、それら2枚のミラーに挟まれた
レーザ光の光路全長の1/3以上離れた位置に配設され
てなることが好ましい。
に合致しないこととなり、ミラーの反射率もグリーンプ
ロブレムの抑制に大きく関与している。また、上記本発
明のレーザ装置において、上記レーザ媒質が、レーザ共
振器を構成する2枚のミラーに挟まれた上記レーザ光の
光路上の位置に関し、その光路に沿って、それら2枚の
ミラーのいずれからも、それら2枚のミラーに挟まれた
レーザ光の光路全長の1/3以上離れた位置に配設され
てなることが好ましい。
【0019】レーザ媒質をレーザ共振器内の中央部にお
くと、グリーンプロブレムが抑えられ安定的に発振す
る。これは、このような配置条件の場合、中央の1本の
縦モードのエネルギーが大きく、その両側のエネルギー
がその約半分になるように縦モードのエネルギーが分布
し、この場合レーザ媒質内に蓄えられたエネルギーが効
率よく取り出され、同時に縦モードどうしの位相関係が
安定し、グリーンプロブレムの抑制に寄与しているもの
と考えられる。
くと、グリーンプロブレムが抑えられ安定的に発振す
る。これは、このような配置条件の場合、中央の1本の
縦モードのエネルギーが大きく、その両側のエネルギー
がその約半分になるように縦モードのエネルギーが分布
し、この場合レーザ媒質内に蓄えられたエネルギーが効
率よく取り出され、同時に縦モードどうしの位相関係が
安定し、グリーンプロブレムの抑制に寄与しているもの
と考えられる。
【0020】また、上記本発明のレーザ装置において、
上記レーザ共振器内にレーザ光の縦モードの本数を制限
する光学部材が配設されてなることが好ましい。こうす
ることにより、縦モード間隔の飛びを避けることがで
き、グリーンプロブレムが発生する可能性が低減され
る。
上記レーザ共振器内にレーザ光の縦モードの本数を制限
する光学部材が配設されてなることが好ましい。こうす
ることにより、縦モード間隔の飛びを避けることがで
き、グリーンプロブレムが発生する可能性が低減され
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明のレーザ装置の第1実施形態
の構造を示した図である。この図1に示すレーザ装置に
は、レーザ媒質の1つである、直径5mm、長さ5mm
のNd:YAG結晶5が配置されており、このNd:Y
AG結晶5には励起光20が照射される。励起光20
は、光ファイバ21に導かれてその端面21aから出射
し、コリメートレンズ22によりコリメートされ、さら
に集光レンズ23を経由し、平面ミラー2を透過してN
d:YAG結晶5内に集光する。ここで、集光レンズ2
3は、図示の矢印A−B方向に移動自在な可動ステージ
24上に固定されており、その集光レンズ23の位置が
調整される。
説明する。図1は、本発明のレーザ装置の第1実施形態
の構造を示した図である。この図1に示すレーザ装置に
は、レーザ媒質の1つである、直径5mm、長さ5mm
のNd:YAG結晶5が配置されており、このNd:Y
AG結晶5には励起光20が照射される。励起光20
は、光ファイバ21に導かれてその端面21aから出射
し、コリメートレンズ22によりコリメートされ、さら
に集光レンズ23を経由し、平面ミラー2を透過してN
d:YAG結晶5内に集光する。ここで、集光レンズ2
3は、図示の矢印A−B方向に移動自在な可動ステージ
24上に固定されており、その集光レンズ23の位置が
調整される。
【0022】また、平面ミラー2は、ここではNd:Y
AG結晶5での発振レーザ光の波長1064nmの光に
対して99.9%以上の高い反射率を有し、励起光の波
長809mmの光に対して95%の透過率を有してい
る。またNd:YAG結晶5の両端面5a,5bには、
発振レーザ光(波長1064nm)に対して反射率0.
1%以下、励起光(波長809nm)に対して反射率
0.5%以下の誘電体膜が形成されている。
AG結晶5での発振レーザ光の波長1064nmの光に
対して99.9%以上の高い反射率を有し、励起光の波
長809mmの光に対して95%の透過率を有してい
る。またNd:YAG結晶5の両端面5a,5bには、
発振レーザ光(波長1064nm)に対して反射率0.
1%以下、励起光(波長809nm)に対して反射率
0.5%以下の誘電体膜が形成されている。
【0023】Nd:YAG結晶5の内部では、励起光の
エネルギーによりレーザ発振が生じて、上述した波長1
064nmのレーザ光が発生し、その発生したレーザ光
は、第1の光路11に沿う方向に、Nd:YAG結晶5
から出射する。第1の光路11上には、レーザ光(波長
1064nm)に対して99.9%の反射率を有する平
面ミラー1が配置されている。本実施形態では、平面ミ
ラー1と平面ミラー2との間隔は30cmであり、N
d:YAG結晶5は、平面ミラー2に近接した位置に配
置されている。
エネルギーによりレーザ発振が生じて、上述した波長1
064nmのレーザ光が発生し、その発生したレーザ光
は、第1の光路11に沿う方向に、Nd:YAG結晶5
から出射する。第1の光路11上には、レーザ光(波長
1064nm)に対して99.9%の反射率を有する平
面ミラー1が配置されている。本実施形態では、平面ミ
ラー1と平面ミラー2との間隔は30cmであり、N
d:YAG結晶5は、平面ミラー2に近接した位置に配
置されている。
【0024】この図1に示す第1実施形態には、さら
に、第1の光路11にブリュースター板8と音響光学素
子9が配置されている。ブリュースター板8は、その透
過率が最も高い偏光の方位が、第2高周波や和周波を発
生するKTP結晶6の結晶軸の1つであるc軸の方位に
対して45°になるように固定されている。この条件の
とき、KTP結晶6における第2高調波の発生効率が最
も高まると同時に、複屈折フィルタとして最も効果的に
波長選択作用をなすために発振スペクトルの本数が大幅
に減少し、位相整合条件の波長依存性の影響が少なくな
り、第2高調波への変換効率がさらに向上する。
に、第1の光路11にブリュースター板8と音響光学素
子9が配置されている。ブリュースター板8は、その透
過率が最も高い偏光の方位が、第2高周波や和周波を発
生するKTP結晶6の結晶軸の1つであるc軸の方位に
対して45°になるように固定されている。この条件の
とき、KTP結晶6における第2高調波の発生効率が最
も高まると同時に、複屈折フィルタとして最も効果的に
波長選択作用をなすために発振スペクトルの本数が大幅
に減少し、位相整合条件の波長依存性の影響が少なくな
り、第2高調波への変換効率がさらに向上する。
【0025】ただし、このブリュースター板8を配置し
た目的は、レーザ光の縦モードの本数を1本に制限する
ことではなく、周波数軸上で等間隔ではない、離れた位
置にレーザの縦モードが発生するのを抑えるためであ
る。また音響光学素子9は、電圧が印加されない状態で
は光路11に沿ってレーザ発振光を透過させるが、高周
波電圧を印加すると、素子内に光弾性効果による屈折率
の周期的な分布が形成され、この屈折率の周期的な分布
Nd:YAG結晶5より光路11に沿って伝播してきた
光を回折して、光路11から逸らせてしまうために、レ
ーザ発振が停止するか著しく減衰させる。
た目的は、レーザ光の縦モードの本数を1本に制限する
ことではなく、周波数軸上で等間隔ではない、離れた位
置にレーザの縦モードが発生するのを抑えるためであ
る。また音響光学素子9は、電圧が印加されない状態で
は光路11に沿ってレーザ発振光を透過させるが、高周
波電圧を印加すると、素子内に光弾性効果による屈折率
の周期的な分布が形成され、この屈折率の周期的な分布
Nd:YAG結晶5より光路11に沿って伝播してきた
光を回折して、光路11から逸らせてしまうために、レ
ーザ発振が停止するか著しく減衰させる。
【0026】Nd:YAG結晶には、このレーザ発振が
妨げられている間にも励起光20が照射され続けてお
り、Nd:YAG結晶5内には、発振の停止によって誘
導放出による再結合が少なくなり、レーザ上準位には、
連続的に発振している状態よりも非常に多くの電子が蓄
積される。そして、音響光学素子9への電圧の印加を停
止した直後、レーザ発振が再び開始されるが、その、際
電子が溜まっていたレーザ上準位から一度に大量の誘導
放出光が発生し、連続的な発振状態では得られない、非
常に強度の強いパルス状レーザ発振光を得ることができ
る。この強度の強いレーザ発振光は、非線形光学結晶内
で高い効率で第2高調波を発生させることができる。こ
れは、非線形光学結晶内での波長変換の効率が入射する
レーザ光の強度に比例するためである。
妨げられている間にも励起光20が照射され続けてお
り、Nd:YAG結晶5内には、発振の停止によって誘
導放出による再結合が少なくなり、レーザ上準位には、
連続的に発振している状態よりも非常に多くの電子が蓄
積される。そして、音響光学素子9への電圧の印加を停
止した直後、レーザ発振が再び開始されるが、その、際
電子が溜まっていたレーザ上準位から一度に大量の誘導
放出光が発生し、連続的な発振状態では得られない、非
常に強度の強いパルス状レーザ発振光を得ることができ
る。この強度の強いレーザ発振光は、非線形光学結晶内
で高い効率で第2高調波を発生させることができる。こ
れは、非線形光学結晶内での波長変換の効率が入射する
レーザ光の強度に比例するためである。
【0027】Nd:YAG結晶5から平面ミラー2側に
出射したレーザ光は、第1の光路11の延びる方向とは
異なる第2の光路12に沿う方向に反射する。この第2
の光路12上には、波長1064nmの光に対して9
9.9%以上の高い反射率を有するとともに、KPT結
晶6で発生した、波長1064nmのレーザ光の第2高
周波である波長532nmの光に対して95%の透過率
を有する、曲率半径70mmの凹面ミラー3が配置され
ており、この凹面ミラー3は、第2高調波の出力ミラー
としての作用をなしている。平面ミラー2で反射され第
2の光路12に沿って進んで凹面ミラー3に達したレー
ザ光は凹面ミラー3でその第2の光路12の延びる方向
とは異なる方向に延びる第3の光路13に沿う方向に反
射される。本実施形態では、平面ミラー2と凹面ミラー
3との間の距離は約25cmである。第3の光路13上
には、波長1064nmの光に対して99.9%以上の
高い反射率を有するとともに、波長1064nmのレー
ザ光の第2高調波である波長532nmの光に対しても
99.5%以上の高い反射率を有する平面ミラー4が配
置されており、凹面ミラー3で反射され第3の光路13
に沿って進んだレーザ光は、この平面ミラー4で、第3
の光路13に沿って凹面ミラー3に戻る方向に反射され
る。本実施形態では、凹面ミラー3と平面ミラー4との
距離は約4cmである。
出射したレーザ光は、第1の光路11の延びる方向とは
異なる第2の光路12に沿う方向に反射する。この第2
の光路12上には、波長1064nmの光に対して9
9.9%以上の高い反射率を有するとともに、KPT結
晶6で発生した、波長1064nmのレーザ光の第2高
周波である波長532nmの光に対して95%の透過率
を有する、曲率半径70mmの凹面ミラー3が配置され
ており、この凹面ミラー3は、第2高調波の出力ミラー
としての作用をなしている。平面ミラー2で反射され第
2の光路12に沿って進んで凹面ミラー3に達したレー
ザ光は凹面ミラー3でその第2の光路12の延びる方向
とは異なる方向に延びる第3の光路13に沿う方向に反
射される。本実施形態では、平面ミラー2と凹面ミラー
3との間の距離は約25cmである。第3の光路13上
には、波長1064nmの光に対して99.9%以上の
高い反射率を有するとともに、波長1064nmのレー
ザ光の第2高調波である波長532nmの光に対しても
99.5%以上の高い反射率を有する平面ミラー4が配
置されており、凹面ミラー3で反射され第3の光路13
に沿って進んだレーザ光は、この平面ミラー4で、第3
の光路13に沿って凹面ミラー3に戻る方向に反射され
る。本実施形態では、凹面ミラー3と平面ミラー4との
距離は約4cmである。
【0028】凹面ミラー3と平面ミラー4との間の第3
の光路13には、波長1064nmの光を入射すると波
長532の第2高調波を発生する、タイプIIの位相整
合条件を有する非線形光学結晶であるKTP結晶6が配
置されている。KTP結晶6の両端面には、波長106
4nmの光に対して反射率0.2%以下、波長532n
mの光に対して反射率0.4%以下の誘電体膜が形成さ
れている。KTP結晶6はそのC軸方向が、ブリュース
ター板8における透過率が最も高い偏光方位に対して4
5°になるように配置されており、これにより、第2高
調波への変換効率が最大になるように工夫されている。
KTP結晶6より双方向に出射される波長532nmの
第2高調波のうち平面ミラー4に向う光は、その平面ミ
ラー4で反射され、同じ方向にまとめられて凹面ミラー
3より共振器外に取り出される。レンズ7は、532n
mの光をコリメートするためのレンズである。
の光路13には、波長1064nmの光を入射すると波
長532の第2高調波を発生する、タイプIIの位相整
合条件を有する非線形光学結晶であるKTP結晶6が配
置されている。KTP結晶6の両端面には、波長106
4nmの光に対して反射率0.2%以下、波長532n
mの光に対して反射率0.4%以下の誘電体膜が形成さ
れている。KTP結晶6はそのC軸方向が、ブリュース
ター板8における透過率が最も高い偏光方位に対して4
5°になるように配置されており、これにより、第2高
調波への変換効率が最大になるように工夫されている。
KTP結晶6より双方向に出射される波長532nmの
第2高調波のうち平面ミラー4に向う光は、その平面ミ
ラー4で反射され、同じ方向にまとめられて凹面ミラー
3より共振器外に取り出される。レンズ7は、532n
mの光をコリメートするためのレンズである。
【0029】図1に示す実施形態においては、レーザ媒
質であるNd:YAG結晶5は、レーザ共振器を構成し
ている2枚のミラー1,4からみて、レーザ共振器内の
レーザ光の光路のほぼ中央に位置する。このようにレー
ザ媒質を中央部に配置することにより、ある一つの縦モ
ードの発振波長に対して、その縦モードのすぐ隣の縦モ
ードがレーザ媒質に蓄えられたエネルギーを最も効率よ
くレーザ光として取り出す組み合わせとして選択される
ため、縦モードに不規則性を生じず、各縦モード間の相
対的な位相関係が安定し、非線形光学結晶内で第2高調
波と和周波が効果的に干渉し、グリーンプロブレムが抑
えられ、したがってノイズの発生が抑えられる。
質であるNd:YAG結晶5は、レーザ共振器を構成し
ている2枚のミラー1,4からみて、レーザ共振器内の
レーザ光の光路のほぼ中央に位置する。このようにレー
ザ媒質を中央部に配置することにより、ある一つの縦モ
ードの発振波長に対して、その縦モードのすぐ隣の縦モ
ードがレーザ媒質に蓄えられたエネルギーを最も効率よ
くレーザ光として取り出す組み合わせとして選択される
ため、縦モードに不規則性を生じず、各縦モード間の相
対的な位相関係が安定し、非線形光学結晶内で第2高調
波と和周波が効果的に干渉し、グリーンプロブレムが抑
えられ、したがってノイズの発生が抑えられる。
【0030】図1に示す実施形態では、レーザ媒質の一
例としてるNd:YAG結晶が用いられているが、ここ
で用いるレーザ媒質はNd:YAG結晶である必要はな
く、はNd:YVO4 結晶であってもよく、Nd:YL
F結晶であってもよく、レーザ元素を含む複合型結晶で
あってもよく、あるいはその他のいかなるレーザ媒質
(結晶母材、添加するレーザ発光元素)であってもよ
い。また、本実施形態では、励起光源として、ファイバ
出力型半導体レーザダイオードを用いたが、この他に、
半導体レーザダイオードで直接励起してもよいし、ラン
プやガスレーザなどを用いてもよく、使用するレーザ媒
質に対応した好適な波長の励起光を発生させる励起光源
が選択される。
例としてるNd:YAG結晶が用いられているが、ここ
で用いるレーザ媒質はNd:YAG結晶である必要はな
く、はNd:YVO4 結晶であってもよく、Nd:YL
F結晶であってもよく、レーザ元素を含む複合型結晶で
あってもよく、あるいはその他のいかなるレーザ媒質
(結晶母材、添加するレーザ発光元素)であってもよ
い。また、本実施形態では、励起光源として、ファイバ
出力型半導体レーザダイオードを用いたが、この他に、
半導体レーザダイオードで直接励起してもよいし、ラン
プやガスレーザなどを用いてもよく、使用するレーザ媒
質に対応した好適な波長の励起光を発生させる励起光源
が選択される。
【0031】また、この実施形態としては第2高調波を
発生させる非線形光学材料としてKTP結晶を用いた
が、必ずしもKTP結晶を用いる必要はなく、例えばB
BO結晶であってもよく、LBO結晶であってもよく、
その他の非線形光学結晶であってもよい。第2高調波を
発生させる非線形光学材料としては、使用するレーザ媒
質やレーザ発振波長に応じて第2高調波の発生効率のよ
い好適な非線形光学材料が選択される。さらに、この実
施形態では非線形光学結晶の位相整合条件としてタイプ
IIのものを用いたが、タイプIの位相整合条件のもの
を用いてもよい。タイプIの位相整合条件を有する結晶
を用いる場合には、レーザ共振器内の発振光の偏光方位
がその結晶の最も高い変換効率の得られる結晶軸に平行
に入射させる。また、周期的な分極反転分布が形成さ
れ、レーザ発振波長に対して疑似位相整合が可能な光学
材料であってもよい。
発生させる非線形光学材料としてKTP結晶を用いた
が、必ずしもKTP結晶を用いる必要はなく、例えばB
BO結晶であってもよく、LBO結晶であってもよく、
その他の非線形光学結晶であってもよい。第2高調波を
発生させる非線形光学材料としては、使用するレーザ媒
質やレーザ発振波長に応じて第2高調波の発生効率のよ
い好適な非線形光学材料が選択される。さらに、この実
施形態では非線形光学結晶の位相整合条件としてタイプ
IIのものを用いたが、タイプIの位相整合条件のもの
を用いてもよい。タイプIの位相整合条件を有する結晶
を用いる場合には、レーザ共振器内の発振光の偏光方位
がその結晶の最も高い変換効率の得られる結晶軸に平行
に入射させる。また、周期的な分極反転分布が形成さ
れ、レーザ発振波長に対して疑似位相整合が可能な光学
材料であってもよい。
【0032】また、この実施形態ではレーザ発振光の縦
モードの本数を制限する方法として、共振器内に挿入し
たブリュースター板とKTPにより複屈折フィルタを形
成し、縦モードの本数を制限しているが、必ずしもこの
組み合わせを採用する必要はなく、別の複屈折フィルタ
素子を共振器内に挿入してもかまわない。さらに本数の
制限のためには複屈折フィルタである必要はなく、エタ
ロンや狭帯域フィルタであってもかまわないし、これら
を組み合わせてもかまわない。
モードの本数を制限する方法として、共振器内に挿入し
たブリュースター板とKTPにより複屈折フィルタを形
成し、縦モードの本数を制限しているが、必ずしもこの
組み合わせを採用する必要はなく、別の複屈折フィルタ
素子を共振器内に挿入してもかまわない。さらに本数の
制限のためには複屈折フィルタである必要はなく、エタ
ロンや狭帯域フィルタであってもかまわないし、これら
を組み合わせてもかまわない。
【0033】さらにこの実施形態では、レーザ光の断続
的な発振を行わせるために音響光学素子を用いている
が、必ずしも音響光学素子を用いる必要はなく、電気光
学素子を用いてもかまわないし、光弾性素子を用いても
かまわない。その場合には、必要に応じて、効率のよい
断続的な発振のために、偏光子や波長板などとの組合わ
せが選択される。また、組合せの選択と同時に、レーザ
共振器内におけるそれらの素子の方位も、採用した非線
形光学結晶において効率のよい変換が行われる方位とな
るように選択される。また、ここでは、本発明の実施形
態として図1の例を挙げたが、本発明の請求項1を実現
するレーザ装置の構成としては、レーザ光路を変えるミ
ラーの枚数やミラーの曲率、反射率、共振器内のレーザ
発振モードを調整するレンズやピンホールなど、従来よ
り知られた技術、光学部品を用いることで、これ以外に
も様々な構成が実現可能である。しかしながらノイズを
抑制する原理的な構成としては請求項1に述べたものに
集約され、請求項1の構成を満足する限り本発明の範囲
に含まれるものである。
的な発振を行わせるために音響光学素子を用いている
が、必ずしも音響光学素子を用いる必要はなく、電気光
学素子を用いてもかまわないし、光弾性素子を用いても
かまわない。その場合には、必要に応じて、効率のよい
断続的な発振のために、偏光子や波長板などとの組合わ
せが選択される。また、組合せの選択と同時に、レーザ
共振器内におけるそれらの素子の方位も、採用した非線
形光学結晶において効率のよい変換が行われる方位とな
るように選択される。また、ここでは、本発明の実施形
態として図1の例を挙げたが、本発明の請求項1を実現
するレーザ装置の構成としては、レーザ光路を変えるミ
ラーの枚数やミラーの曲率、反射率、共振器内のレーザ
発振モードを調整するレンズやピンホールなど、従来よ
り知られた技術、光学部品を用いることで、これ以外に
も様々な構成が実現可能である。しかしながらノイズを
抑制する原理的な構成としては請求項1に述べたものに
集約され、請求項1の構成を満足する限り本発明の範囲
に含まれるものである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノイズの発生が防止され、安定した出力を得ることがで
きる。
ノイズの発生が防止され、安定した出力を得ることがで
きる。
【図1】本発明のレーザ装置の一実施形態の構造を示し
た図である。
た図である。
【図2】従来の低ノイズのレーザ装置の一例を示した図
である。
である。
【図3】異なる方式による従来の低ノイズのレーザ装置
の一例を示した図である。
の一例を示した図である。
【図4】さらに異なる方式による従来の低ノイズのレー
ザ装置の一例を示した図である。
ザ装置の一例を示した図である。
1,2,4 平面ミラー 3 凹面ミラー 5 Nd:YAG結晶 6 KTP結晶 8 ブリュースター板 9 音響光学素子 11 第1の光路 12 第2の光路 13 第3の光路 20 励起光
Claims (4)
- 【請求項1】 励起光が入射され該励起光のエネルギー
によって励起されて複数の縦モードからなるレーザ光を
発生するレーザ媒質、 該レーザ媒質を通過するレーザ光の光路を形成するレー
ザ共振器を構成する2枚のミラー、 該レーザ共振器内のレーザ光の光路上に配置され、前記
レーザ媒質で発生するレーザ光を構成する複数の縦モー
ドのうちの1本の縦モードに起因する第2高周波と該レ
ーザ光を構成する複数の縦モードのうちの2本の縦モー
ドに起因する和周波とを発生する非線形光学部材、およ
び該レーザ共振器内のレーザ光の光路上に配置され、該
光路上のレーザ光を、断続的に、レーザ発振を妨げるレ
ベル以下に低下させるスイッチング光学部材を備え、か
つ前記レーザ媒質で発生するレーザ光を構成する縦モー
ドの波長および位相が、前記非線形光学部材により、少
なくとも互いに部分的に重なり合う波長であって、かつ
互いに弱め合う位相を有する第2高調波と和周波どうし
を含む、第2高調波および和周波が発生される条件に、
調整されてなることを特徴とするレーザ装置。 - 【請求項2】 前記レーザ共振器を構成する2枚のミラ
ーのうちの一枚のミラーが、前記非線光学部材から出射
した第2高調波および和周波を、該非線形光学部材に向
けて反射するものであって、該一枚のミラーの、前記第
2高調波および和周波に対する反射率が、前記条件を満
足する反射率に調整されてなることを特徴とする請求項
1記載のレーザ装置。 - 【請求項3】 前記レーザ媒質が、前記レーザ共振器を
構成する2枚のミラーに挟まれた前記レーザ光の光路上
の位置に関し、該光路に沿って該2枚のミラーのいずれ
からも、該2枚のミラーに挟まれた前記レーザ光の光路
全長の1/3以上離れた位置に配設されてなることを特
徴とする請求項1記載のレーザ装置。 - 【請求項4】 前記レーザ共振器内にレーザ光の縦モー
ドの本数を制限する光学部材が配設されてなることを特
徴とする請求項1記載のレーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32441897A JPH11163451A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32441897A JPH11163451A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11163451A true JPH11163451A (ja) | 1999-06-18 |
Family
ID=18165581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32441897A Pending JPH11163451A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11163451A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7327768B2 (en) | 2002-09-10 | 2008-02-05 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Wavelength conversion module |
JP2012204702A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Shimadzu Corp | 波長変換型固体レーザ装置 |
KR101219444B1 (ko) * | 2011-03-18 | 2013-01-11 | 광주과학기술원 | 고출력 레이저 장치 |
-
1997
- 1997-11-26 JP JP32441897A patent/JPH11163451A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7327768B2 (en) | 2002-09-10 | 2008-02-05 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Wavelength conversion module |
US7729395B2 (en) | 2002-09-10 | 2010-06-01 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Wavelength conversion module |
KR101219444B1 (ko) * | 2011-03-18 | 2013-01-11 | 광주과학기술원 | 고출력 레이저 장치 |
JP2012204702A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Shimadzu Corp | 波長変換型固体レーザ装置 |
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