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JPH11153203A - トロイダル型無段変速機用パワーローラユニット - Google Patents

トロイダル型無段変速機用パワーローラユニット

Info

Publication number
JPH11153203A
JPH11153203A JP32167697A JP32167697A JPH11153203A JP H11153203 A JPH11153203 A JP H11153203A JP 32167697 A JP32167697 A JP 32167697A JP 32167697 A JP32167697 A JP 32167697A JP H11153203 A JPH11153203 A JP H11153203A
Authority
JP
Japan
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continuously variable
variable transmission
power roller
toroidal
type continuously
Prior art date
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Granted
Application number
JP32167697A
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English (en)
Other versions
JP3666216B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
Takashi Machida
尚 町田
Nobuo Goto
伸夫 後藤
Makoto Fujinami
誠 藤波
Hiroshi Kato
寛 加藤
Takashi Imanishi
尚 今西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP32167697A priority Critical patent/JP3666216B2/ja
Priority to US09/277,959 priority patent/US6238318B1/en
Publication of JPH11153203A publication Critical patent/JPH11153203A/ja
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Publication of JP3666216B2 publication Critical patent/JP3666216B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適正な位置関係で正しく作動する構造の組立
作業を容易にする。 【解決手段】 トラニオン6に、変位軸7と、パワーロ
ーラ8と、ラジアルニードル軸受22、27、28と、
スラスト玉軸受29と、スラストニードル軸受30と
を、予め組み付けておく。そして、各部の寸法関係並び
に作動状態を確認しておいたものを、他のユニットと共
にハウジング内に組み付けて、トロイダル型無段変速機
として完成させる。分解・再組立が容易な状況で、寸法
関係及び作動状況等を確認できるので、各部の位置関係
を高精度にした構造を、面倒な作業を要する事なく、安
価に造れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機用パワーローラユニットは、例えば自動車用
の変速機として、或は各種産業機械用の変速機として、
それぞれ利用するトロイダル型無段変速機の組立作業を
容易にすると共に、精度向上に基づく性能向上を図るも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図16〜17に
略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研
究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば
実開昭62−71465号公報に開示されている様に、
入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力
軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク
4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケ
ーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対
して捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動する
トラニオン6、6を設けている。
【0003】即ち、これら各トラニオン6、6は、それ
ぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、互いに同心に設
けている。又、これら各トラニオン6、6の中間部には
変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心
として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、
上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としてい
る。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の
周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支
持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、
上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互いに対向す
る内側面2a、4a同士の間に挟持している。これら各
内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢軸5を中
心とする円弧を回転させて得られる凹面をなしている。
そして、球状凸面に形成した上記各パワーローラ8、8
の周面8a、8aを、上記内側面2a、4aに当接させ
ている。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装
置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器
11により転動自在に保持した複数個(例えば4個)の
ローラ12、12とから構成している。上記カム板10
の片側面(図16〜17の左側面)には、円周方向に亙
る凹凸面である駆動側カム面13を形成し、上記入力側
ディスク2の外側面(図16〜17の右側面)にも、同
様の形状を有する被駆動側カム面14を形成している。
そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸
1の中心に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支
持している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、駆動側カム面13が複数個のローラ12、12
を、入力側ディスク2の外側面に形成した被駆動側カム
面14に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2
が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時
に、上記駆動側、被駆動側両カム面13、14と複数個
のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記
入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディ
スク2の回転が、前記複数のパワーローラ8、8を介し
て出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4
に固定の出力軸3が回転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そし
て、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図1
6に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄
り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分
とにそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜
させる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、
5を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺
動させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aが図17に示す様に、入力側ディスク2の内側
面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4a
の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記これ
ら各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜
角度を図16と図17との中間にすれば、入力軸1と出
力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】又、図18〜19は、実願昭63−692
93号(実開平1−173552号)のマイクロフィル
ムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段変
速機の1例を示している。入力側ディスク2と出力側デ
ィスク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニ
ードル軸受16、16を介して回転自在に支持してい
る。又、カム板10は上記入力軸15の端部(図18の
左端部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により
上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止し
ている。そして、このカム板10とローラ12、12と
により、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力側デ
ィスク2を、上記出力側ディスク4に向け押圧しつつ回
転させる、ローディングカム式の押圧装置9を構成して
いる。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、キー
19、19により結合し、これら出力側ディスク4と出
力歯車18とが同期して回転する様にしている。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図18の表裏
方向、図19の左右方向)に亙る変位自在に支持してい
る。即ち、上記各トラニオン6、6の両端部に固設した
枢軸5、5の外周面と上記各支持板20、20の両端部
に形成した円孔21、21の内周面との間に、第一のラ
ジアル軸受であるラジアルニードル軸受22、22を設
けている。これら各ラジアルニードル軸受22、22を
構成する外輪23、23の外周面は球状凸面として、上
記各円孔21、21に、揺動並びに軸方向に亙る変位自
在に内嵌している。
【0009】この様にして、上記1対の支持板20、2
0同士の間に、揺動並びに軸方向に亙る変位自在に支持
した、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円孔
24、24部分に、変位軸7、7を支持している。これ
ら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持軸
部25、25と枢支軸部26、26とを、それぞれ有す
る。このうちの各支持軸部25、25を上記各円孔2
4、24の内側に、第二のラジアル軸受であるラジアル
ニードル軸受27、27を介して、回転自在に支持して
いる。又、上記各枢支軸部26、26の周囲にパワーロ
ーラ8、8を、第三のラジアル軸受であるラジアルニー
ドル軸受28、28を介して、回転自在に支持してい
る。
【0010】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部26、26が各支持
軸部25、25に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向
(図19で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、
上記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向とし
ている。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入
力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持され
る。この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる
大きな荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起
因して、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の
軸方向(図18の左右方向、図19の表裏方向)に変位
する傾向となった場合でも、上記構成各部品に無理な力
を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0011】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、第一のスラス
ト軸受であるスラスト玉軸受29、29と、第二のスラ
スト軸受であるスラストニードル軸受30、30とを、
スラスト荷重の作用方向(図18、19の上下方向)に
関して互いに直列に設けている。このうちのスラスト玉
軸受29、29は、上記各パワーローラ8、8に加わる
スラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーロー
ラ8、8の回転を許容するものである。この様なスラス
ト玉軸受29、29はそれぞれ、複数個ずつの玉31、
31と、これら各玉31、31を転動自在に保持する円
環状の保持器32、32と、円環状の外輪33、33と
から構成している。これら各スラスト玉軸受29、29
の内輪軌道は上記各パワーローラ8、8の外側面に、外
輪軌道は上記各外輪33、33の内側面に、それぞれ形
成している。
【0012】又、上記各スラストニードル軸受30、3
0は、レース34と保持器35とニードル36、36と
から構成している。このうちのレース34と保持器35
とは、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わせてい
る。この様なスラストニードル軸受30、30は、上記
各レース34、34を上記各トラニオン6、6の内側面
に当接させた状態で、この内側面と上記外輪33、33
の外側面との間に挟持している。この様なスラストニー
ドル軸受30、30は、上記各パワーローラ8、8から
上記各外輪33、33に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、前記各枢支軸部26、26及び上記外輪33、33
が、前記支持軸部25、25を中心に揺動する事を許容
する。
【0013】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図19の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド37、37
を結合し、これら各駆動ロッド37、37の中間部外周
面に駆動ピストン38、38を固設している。そして、
これら各駆動ピストン38、38を、それぞれ駆動シリ
ンダ39、39内に油密に嵌装している。
【0014】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合には、入力軸15の回転は、押圧装置9を介
して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して
出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディスク4
の回転が、出力歯車18より取り出される。入力軸15
と出力歯車18との間の回転速度比を変える場合には、
上記1対の駆動ピストン38、38を互いに逆方向に変
位させる。これら各駆動ピストン38、38の変位に伴
って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に
変位し、例えば図19の下側のパワーローラ8が同図の
右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、
それぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ
8、8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用す
る、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の
向きの変化に伴って上記各トラニオン6、6が、前記支
持板20、20に枢支された枢軸5、5を中心として、
互いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図16〜1
7に示した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aと上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化
し、上記入力軸15と出力歯車18との間の回転速度比
が変化する。
【0015】尚、これら入力軸15と出力歯車18との
間の回転速度比を所望値に調節するのは、上記各駆動ピ
ストン38、38の移動量を規制する事により行なう。
そして、これら各駆動ピストン38、38の移動量を規
制するのは、前記各駆動ロッド37、37の端部若しく
は中間部に固定した、図示しないプリセスカムと、やは
り図示しないスプール弁のスプール若しくはスリーブと
の係合により行なう。又、上述の様に上記入力軸15と
出力歯車18との間で回転力の伝達を行なう際には、構
成各部材の弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、
8が、上記入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワ
ーローラ8、8を枢支している前記各変位軸7、7が前
記各支持軸部25、25を中心として僅かに回動する。
この回動の結果、前記各スラスト玉軸受29、29の外
輪33、33の外側面と上記各トラニオン6、6の内側
面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間に
は、前記各スラストニードル軸受30、30が存在する
為、この相対変位に要する力は小さい。従って、上述の
様に各変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小
さくて済む。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用するトロイダル型無段変速機を組み立てる場合に従来
は、このトロイダル型無段変速機の本体を収納するハウ
ジング40(図19)の内側に構成各部品を、順番に組
み付ける様にしていた。従って、構成各部品の寸法誤差
の積算に基づく各部の位置関係のずれ、延ては構成各部
品が正しく機能するか否かは、これら構成各部品を上記
ハウジング40内に総て組み付けた後でしか確認できな
かった。一方、トロイダル型無段変速機の効率並びに耐
久性を確保する為には、構成各部品同士の位置関係を高
精度に維持しなければならない。この為、上記構成各部
品の寸法誤差の積算に基づいて各部の位置関係のずれが
大きくなった場合には、他の部品との組み合わせにより
このずれを小さくすべく、上記ハウジング40内で組み
立てたトロイダル型無段変速機の分解及び再組立を行な
わなければならない。この様にしてトロイダル型無段変
速機の組立作業を行なうと、トロイダル型無段変速機の
製造作業が面倒で、コストの低廉化を図れない。本発明
のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて、
発明したものである。
【0017】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機用パワーローラユニットのうち、例えば請求項2
に記載したトロイダル型無段変速機用パワーローラユニ
ットは、両端面に互いに同心の枢軸を固設したトラニオ
ンと、これら両枢軸の周囲に設けた第一のラジアル軸受
と、上記トラニオンの中間部に、上記各枢軸の軸方向に
対し直角方向に形成した円孔と、互いに平行で互いに偏
心した支持軸部及び枢支軸部から成り、このうちの支持
軸部を上記円孔の内側に第二のラジアル軸受を介して回
転自在に支持した変位軸と、上記枢支軸部の周囲に、第
三のラジアル軸受を介して回転自在に支持したパワーロ
ーラと、このパワーローラの外側面と上記トラニオンの
中間部内側面との間に、スラスト荷重の作用方向に関し
て互いに直列に設けた第一、第二のスラスト軸受とを備
える。そして、これら互いに別体の部品であるトラニオ
ンと、第一、第二、第三のラジアル軸受と、変位軸と、
パワーローラと、第一、第二のスラスト軸受とを、トロ
イダル型無段変速機への組み付け以前に、このトロイダ
ル型無段変速機の組立完了後の位置関係に予め組み立て
ている。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機用パワーローラユニットを組み込んだトロイダル
型無段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速
機と同様の作用に基づき、入力側ディスクと出力側ディ
スクとの間で回転力の伝達を行ない、更にトラニオンの
傾斜角度を変える事により、これら両ディスク同士の間
の回転速度比を変える。特に、本発明のトロイダル型無
段変速機用パワーローラユニットの場合には、互いに別
体の部品である、トラニオンと、第一、第二、第三のラ
ジアル軸受と、変位軸と、パワーローラと、第一、第二
のスラスト軸受とを、トロイダル型無段変速機への組み
付け以前に、このトロイダル型無段変速機の組立完了後
の位置関係に予め組み立てている。この為、構成各部品
の寸法誤差の積算に基づく各部の位置関係のずれ、延て
は構成各部品が正しく機能するか否かを、これら構成各
部品をハウジング内に組み付ける以前に確認できる。従
って、トロイダル型無段変速機全体を分解、再組立する
等の面倒な作業を要する事なく、トロイダル型無段変速
機の効率並びに耐久性を確保すべく、構成各部品同士の
位置関係を高精度に維持できる。請求項1に記載したト
ロイダル型無段変速機用パワーローラユニットの場合
も、構成要件は少ないが、ほぼ同じ作用を奏する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜8は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、トラニオ
ン6に対して、このトラニオン6を揺動変位自在に支持
する為の軸受、変位軸7、パワーローラ8、このパワー
ローラ8を回転及び揺動変位自在に支持する為の軸受を
組み付けた構造をユニット化した点にある。その他の部
分の構造及び作用に就いては、前述した従来構造と同様
である為、重複する図示及び説明を省略若しくは簡略に
し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0020】鉄系合金等の如き大きな剛性を有する金属
に鍛造加工並びに切削加工を施す等により一体成形した
トラニオン6の両端面には1対の枢軸5、5を、互いに
同心に形成している。これら両枢軸5、5の周囲には1
対の外輪23、23を、これら両枢軸5、5と同心に配
置している。これら両外輪23、23の内外両周面のう
ち、外周面は球状凸面とし、内周面は円筒面としてい
る。そして、これら両外輪23、23の内周面と上記各
枢軸5、5の外周面との間に、それぞれ複数本ずつのニ
ードル41、41を転動自在に設けて、第一のラジアル
軸受である、ラジアルニードル軸受22、22を構成し
ている。尚、これら両ラジアルニードル軸受22、22
を構成する外輪23、23の内端面(上記トラニオン6
の中央側端面)と上記トラニオン6との間にはスラスト
ワッシャ42、42を設けて、上記各外輪23、23の
内端面が上記トラニオン6を擦り、このトラニオン6が
傷付く事を防止している。
【0021】又、上記トラニオン6の中間部には、次述
する変位軸7を支持する為の円孔24を形成している。
この円孔24の中心軸の方向は、上記各枢軸5、5の軸
方向に対し直角方向としている。そして、この円孔24
内に、変位軸7を構成する支持軸部25を、第二のラジ
アル軸受であるラジアルニードル軸受27により、回転
自在に支持している。このラジアルニードル軸受27
は、円筒状のレース44と複数本のニードル45、45
とから成る。このうちのレース44の外径は、上記円孔
24の内径と同じかこの内径よりも僅かに大きくしてい
る。従って、上記レース44は上記円孔24に、嵌め合
い代0若しくは軽い締り嵌めで内嵌している。この様な
ラジアルニードル軸受27により上記支持軸部25を上
記円孔24内に回転自在に支持した状態で、上記変位軸
7を構成する枢支軸部26は、上記トラニオン6の内側
面から突出する。
【0022】この様に上記トラニオン6の内側面から突
出した枢支軸部26の周囲にはパワーローラ8を、第三
のラジアル軸受であるラジアルニードル軸受28を介し
て、回転自在に支持している。そして、このパワーロー
ラ8の外側面と上記トラニオン6の中間部内側面との間
に、第一のスラスト軸受であるスラスト玉軸受29と第
二のスラスト軸受であるスラストニードル軸受30と
を、スラスト荷重の作用方向(図1、2の上下方向)に
関して互いに直列に設けている。このうちのスラスト玉
軸受29は、上記パワーローラ8の外側面に形成した内
輪軌道46と、外輪33の内側面に形成した外輪軌道4
7との間に、保持器32により転動自在に保持した複数
の玉31、31を配置して成る。又、上記スラストニー
ドル軸受30は、上記トラニオン6の内側面に添設した
レース34と、保持器35により転動自在に保持した複
数本のニードル36、36とから成る。
【0023】更に、前記1対の枢軸5、5のうち、一方
(図1の右方)の枢軸5の内側には、駆動ロッド37の
基端部(図1、3、7の左端部)を内嵌固定している。
この様に一方の枢軸5の内側に駆動ロッド37の基端部
を内嵌固定する為、上記枢軸5と駆動ロッド37の基端
部とには、硬度の高い金属材により造った、結合ピン4
8を掛け渡している。この為に上記駆動ロッド37の基
端部及び枢軸5には貫通孔49、50を、それぞれ断面
の直径方向に亙って形成している。このうち、駆動ロッ
ド37の基端部に形成した貫通孔49の内径は、全長に
亙って同じとしている。これに対して枢軸5に形成した
貫通孔50の一端部(図4の右端部)には、小径部51
を形成している。上記枢軸5と駆動ロッド37とを結合
固定する際には、先ず、この駆動ロッド37の基端部を
上記枢軸5の内側に、嵌め合い又は締り嵌めにより押し
込む。この際には、上記両貫通孔49、50は未だ形成
してはいない。そして、上記駆動ロッド37の基端部を
上記枢軸5内に所定量押し込んだ後、ボール盤等によ
り、上記両貫通孔49、50を形成する。従って、上記
駆動ロッド37を上記枢軸5内に押し込んだ後、上記両
貫通孔49、50同士を整合させると言った、面倒な作
業は不要である。そして、この様に互いに整合する状態
で形成した上記両貫通孔49、50内に上記結合ピン4
8を、上記小径部51とは反対側から圧入する。そし
て、この結合ピン48の挿入方向先端部を上記小径部5
1の端部に突き当てた後、上記貫通孔50の他端開口部
にかしめ部52を形成し、上記結合ピン48が上記両貫
通孔49、50から抜け出る事を防止する。
【0024】この様にしてトラニオン6の端部に設けた
枢軸5と駆動ロッド37とを結合した状態では、これら
トラニオン6と駆動ロッド37との位置関係が一義的に
定まる。又、長期間に亙る使用に拘らず、上記結合ピン
48が上記各貫通孔49、50から抜け出る事はなく、
上記トラニオン6と駆動ロッド37との位置関係がずれ
る事も確実に防止できる。従って、この駆動ロッド37
に結合固定するプリセスカムと上記トラニオン6との位
置関係を確実に規制して、このトラニオン6及びこのト
ラニオン6の内側面に支持したパワーローラ8の姿勢制
御を確実に行なえる。尚、上記トラニオン6及び駆動ロ
ッド37の内部には、前記パワーローラ8の回転支持部
に潤滑油を送り込む為の給油通路62を設けている。上
記結合ピン48は、この様な給油通路62を構成する通
孔の一部を塞ぎ、上記潤滑油を必要個所に送る為の盲栓
としての機能も有する。
【0025】又、上記駆動ロッド37を結合した枢軸5
の先端面には、小判形の外周面形状を有する嵌合凸部5
3を形成し、上記駆動ロッド37の先端部(図1の右端
部)にも、やはり小判形の外周面形状を有する嵌合支持
部54を形成している。このうちの嵌合凸部53には、
ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を構成す
る前後のトラニオン6、6の揺動を互いに同期させるケ
ーブル(図示せず)を係止する為の、プーリ状の係止部
材を外嵌固定する。一方、上記嵌合支持部54には、上
記駆動ロッド37及びトラニオン6の変位を検知する為
のプリセスカムを外嵌支持する。これら小判形の外周面
形状を有する嵌合凸部53或は嵌合支持部54に外嵌し
た状態で、上記係止部材或はプリセスカムは、上記駆動
ロッド37及びトラニオン6に対して回転方向にずれる
事はない。従って、上記ケーブルによる前後のトラニオ
ン6、6同士の揺動の同期、並びにプリセスカムによる
トラニオン6及びこのトラニオン6の内側面に支持した
パワーローラ8の姿勢制御を確実に行なえる。
【0026】本発明のトロイダル型無段変速機用パワー
ローラユニットの場合には、互いに別体の部品であるト
ラニオン6と、ラジアルニードル軸受22、27、28
と、変位軸7と、パワーローラ8と、スラスト玉軸受2
9及びスラストニードル軸受30と、駆動ロッド37と
を、例えば前述の図18〜19に示した様なトロイダル
型無段変速機への組み付け以前に、このトロイダル型無
段変速機の組立完了後の位置関係に予め組み立ててい
る。この様にこれら各部品6、22、27、28、7、
8、29、30、37を組み立てるには、図3に示す様
な、トラニオン6と結合ロッド37とを結合固定した第
一のユニット56と、図5に示す様な、変位軸7とパワ
ーローラ8とスラスト玉軸受29とを組み合わせた第二
のユニット57とを組み立てておく。そして、これら第
一、第二のユニット56、57同士を、前記ラジアルニ
ードル軸受27とスラストニードル軸受30とを介して
組み合わせ、図1、2、6、7、8に示す様な、パワー
ローラユニット58とする。
【0027】上述の様にして各部品6、22、27、2
8、7、8、29、30、37を組み立ててパワーロー
ラユニット58としたならば、図6〜8に示す様にし
て、各部の寸法並びに作動状態を確認する。このうちの
図6は、上記トラニオン6を支持板20、20(図1
9)に対して支持する為のラジアルニードル軸受22を
構成する外輪23の外周面位置と、パワーローラ8の周
面8aの位置との関係を測定する状態を示している。こ
の測定を行なうには、上記トラニオン6の両端の枢軸5
の周囲に設けた各ラジアルニードル軸受22の外輪23
を、それぞれ定盤61の上面に載置したVブロック59
に載置する。そして、上記パワーローラ8に、入力側、
出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a(図16〜
18)の形状に見合う形状を有する測定治具60を被
せ、上記定盤61の上面からこの測定治具60の上面ま
での高さを測定する。そして、この高さの差が小さい複
数のパワーローラユニット58を組み合わせて、トロイ
ダル型無段変速機を構成する。
【0028】即ち、1台のトロイダル型無段変速機には
複数組のパワーローラユニット58を組み込む。例え
ば、入力側、出力側両ディスク2、4を1対だけ設け
た、所謂シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速
機の場合には、上記パワーローラユニット58を2〜3
組組み込む。これに対して、入力側、出力側両ディスク
2、4を2対設け、これら2対の入力側、出力側両ディ
スク2、4を動力の伝達方向に関して互いに並列に配置
した、所謂ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速
機の場合には、上記パワーローラユニット58を4〜6
組組み込む。この様に、1台のトロイダル型無段変速機
に組み込む複数組のパワーローラユニット58に関し
て、上記高さが互いに異なっていると、上記パワーロー
ラ8の周面8aと上記入力側、出力側両ディスク2、4
の内側面2a、4aとの当接部がスリップしたり、或は
各パワーローラ8に関して変速比が正確に同期せず、変
速不良を生じる。
【0029】そこで、1台のトロイダル型無段変速機に
組み込む複数組のパワーローラユニット58に関して、
上記高さの差が0.1mm以下になる様な複数組のパワー
ローラユニット58を選択して、1台のトロイダル型無
段変速機を構成する。この様に所定値を0.1mmとした
のは、本発明者が行なった実験の結果による。実験は、
2対の入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、
4a同士の間に2個ずつ、合計4個のパワーローラユニ
ット58を設けた、ダブルキャビティ型のトロイダル型
無段変速機を使用して行ない、パワーローラユニット5
8ごとの上記高さの差、並びにハウジング40(図1
9)に充填したトラクションオイルの温度が、上記周面
8aと上記各内側面2a、4aとの当接部でのスリップ
や変速状態に及ぼす影響を測定した。尚、パワーローラ
ユニット58は、図示の様なプロポーションを有し、パ
ワーローラ8の外径が78mmのものを使用した。その結
果を下表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】この表に記載した実験結果から明らかな通
り、1台のトロイダル型無段変速機に組み込む複数組の
パワーローラユニット58に関して、枢軸5、5を支持
するラジアルニードル軸受22、22の外輪23、23
の外周面を基準とするパワーローラ8の周面8aまでの
高さの差(=パワーローラユニット58の組み立て高さ
の差)を0.1mm以下に抑えれば、この周面8aと入力
側、出力側各ディスク2、4の内側面2a、4aとの当
接部でスリップが発生する事を防止すると共に、変速状
態を良好に維持できる。尚、上記高さの差を0.1mm以
下に抑えた、複数組のパワーローラユニット58を得る
為には、多数のパワーローラユニット58のうちから条
件を満たすものを選択しても良いが、前記スラストニー
ドル軸受30を構成するレース34の厚さを変える事で
対応する事もできる。即ち、このレース34として、厚
さが微妙に異なるものを複数種類用意し、前記図6に示
す様にして行なった測定作業後、適宜のレース34を組
み付ければ、上記高さの差を所定値に規制できる。又、
この様に高さの差を所定値に規制するのは、前記外輪3
3の厚さを変える事でも行なえる。上記測定作業を、前
記支持軸部25の端部に止め輪63を装着する以前に行
なえば、上記レース34を交換する作業は容易に行なえ
る。しかも、本発明を実施する場合の様に、パワーロー
ラユニット58の段階で上記高さの差を測定すれば、他
の構成部品との関係で対応を複雑且つ面倒にする事なく
(作動不良の原因を容易且つ確実に突き止めて)、上記
スリップや変速不良の発生防止を図れる。
【0032】又、上記パワーローラユニット58を組み
立てたならば、上述の様にして外輪23、23の外周面
を基準とするパワーローラ8の周面8aまでの高さの差
を測定すると共に、この周面8aの振れや平行度等、上
記パワーローラユニット58の機能確認作業を行なう。
この機能確認作業は、例えば図7〜8に示す様にして行
なう。先ず、上記周面8aの振れや平行度を測定するに
は、トラニオン6の両端部の枢軸5、5の周囲に設けた
ラジアルニードル軸受22、22を構成する外輪23、
23の外周面を(或はラジアルニードル軸受22、22
を除いて枢軸5、5の外周面を直接)基準面に乗せた状
態で、上記パワーローラ8を回転させる。そして、この
パワーローラ8の周面8aの一部で、入力側、出力側両
ディスク2、4の内側面2a、4aと転がり接触する部
分(転走面部分)の変位をコンパレータ等の精密測定器
で測定する事により、上記振れや平行度を測定する。
又、上記トラニオン6及び駆動ロッド37を上記ラジア
ルニードル軸受22、22を中心に揺動させて、上記駆
動ロッド37の先端部分の振れを測定し、この振れが許
容範囲内に納まっているか否かを確認する。又、前記変
位軸7を支持軸部25を中心に揺動させて、この変位軸
7の枢支軸部26の周囲に回転自在に支持したパワーロ
ーラ8の揺動の軌跡の形状及び精度が、設計値通りに行
なわれるか否かを確認する。更に、上記ラジアルニード
ル軸受22、22の回転が円滑に行なわれるか否かを確
認する。
【0033】前述したラジアルニードル軸受22を構成
する外輪23の外周面位置とパワーローラ8の周面8a
の位置との関係が適正であり、且つ、上述した作業によ
り各部の機能が適正であると判定したパワーローラユニ
ット58は、適宜の治具により前記構成各部品6、2
2、27、28、7、8、29、30、37を仮止めす
る。一方、上記位置関係或は機能が不適正であれば、こ
れら各部材を分解して、異なる部品と再組立する。本発
明によれば、構成各部品の寸法誤差の積算に基づく各部
の位置関係のずれ、延ては構成各部品が正しく機能する
か否かを、これら構成各部品をハウジング40内に組み
付ける以前に確認できる。従って、トロイダル型無段変
速機全体を分解、再組立する等の面倒な作業を要する事
なく、トロイダル型無段変速機の効率並びに耐久性を確
保すべく、構成各部材同士の位置関係を高精度に維持で
きる。上述の様にして上記各部品6、22、27、2
8、7、8、29、30、37を組み立てて成るパワー
ローラユニット58は、やはり複数の部品を予め組み立
てて成る入力側ディスクユニット及び出力側ディスクユ
ニットと共にハウジング40内に組み付けて、トロイダ
ル型無段変速機を構成する。これら入力側、出力側両デ
ィスクユニットも、上述したパワーローラユニット58
と同様に、複数の部品を組み立てた後、ハウジング40
内に組み付ける以前に、各部の寸法並びに作動状態を確
認し、これら寸法並びに作動状態が適正であれば、適宜
の治具により上記各部品を仮止めしておく。従って、上
記各ユニットを組み合わせてトロイダル型無段変速機と
した状態では、構成各部の作動状態を適正にできる。
尚、上記各ユニットを構成する各部材の表面には防錆油
を付着させておくが、この防錆油としては、トロイダル
型無段変速機内に充填するトラクションオイル中に混入
した場合にもこのトラクションオイルを劣化させにく
い、指定防錆油を使用する事が好ましい。
【0034】次に、図9〜10は、本発明の実施の形態
の第2例を示している。本例は、上述した第1例の構造
に抑え治具65を組み付け、パワーローラユニット58
の搬送作業時に、予め組み合わせた各部品6、22、2
7、28、7、8、29、30、37同士が分離しない
様にしたものである。即ち、上記各部品6、22、2
7、28、7、8、29、30、37のうち、駆動ロッ
ド37設置側のラジアルニードル軸受22以外の部品
は、上記パワーローラユニット58の組立状態では止め
輪63、64により分離防止を図られる。これら両止め
輪63、64は、そのまま製品としてトロイダル型無段
変速機を構成するハウジング40内に組み込まれる。こ
れに対して、上記駆動ロッド37設置側のラジアルニー
ドル軸受22は、そのままでは搬送作業に伴って枢軸5
の周囲から脱落し易い。そこで、本例の場合には、この
枢軸5の先端部で上記ラジアルニードル軸受22よりも
突出した部分に、ニトリルゴム等のゴム、ポリアミド6
6等の合成樹脂等の弾性材により円環状に造った抑え治
具65を締り嵌めにより外嵌し、上記ラジアルニードル
軸受22が上記枢軸5から、不用意に脱落する事を防止
している。その他の構成及び作用は、上述した第1例の
場合と同様である。尚、上記抑え治具65は、使い捨て
としても良いが、量産時には再使用可能にする事によ
り、トロイダル型無段変速機のコスト削減と省資源化と
を図れる。
【0035】次に、図11〜12は、本発明の実施の形
態の第3例を示している。上述の第2例が、抑え治具6
5自身の弾性により、この抑え治具65が枢軸5の先端
部から抜け落ちるのを防止していたのに対して、本例の
場合には、抑えばね66の弾性により、枢軸5の先端部
に外嵌した抑え治具65aがこの枢軸5の先端部から抜
け落ちるのを防止している。コイルばねである上記抑え
ばね66は、その両端部に設けた摘み部67、67を操
作する事により内径を拡縮して、上記枢軸5の先端部に
着脱する。その他の構成及び作用は、上述した第2例の
場合と同様である。
【0036】次に、図13〜15は、本発明の実施の形
態の第4例を示している。本例の場合には、トラニオン
6の端部に形成した枢軸5の先端面に形成した、ケーブ
ルを係止する為のプーリ状の係止部材を外嵌固定すべき
嵌合凸部53a、並びに図示しないプリセスカムを外嵌
支持すべき嵌合支持部54aの外周面形状を、歯車状の
凹凸としている。但し、これら嵌合凸部53a及び嵌合
支持部54aの外周面の凹凸の円周方向1個所には、凸
部が欠けた部分、逆に言えば凹部の円周方向に亙る幅が
他の凹部よりも広くなった部分を設けている。そして、
上記係止部材及びプリセスカムの内周面には、円周方向
1個所で凸部の幅が広くなった、内歯車状の凹凸を形成
している。従って、上記係止部材を上記嵌合凸部53a
に、上記プリセスカムを上記嵌合支持部54aに、それ
ぞれ外嵌固定した状態では、上記トラニオン6及び駆動
ロッド37に対する、これら係止部材及びピリセスカム
の円周方向に関する位相が、一義的に定まる。この為、
上記トラニオン6及び駆動ロッド37に対する、これら
係止部材及びピリセスカムの位置決めを間違える事も、
装着後の係止部材又はピリセスカムが回転方向に動く事
もなくなる。その他の構成及び作用は、前述した第1例
の場合と同様である。尚、本発明は、シングルキャビテ
ィ型でもダブルキャビティ型でも、トロイダル型無段変
速機であれば同様に実施できる。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、トロイダル型無段変速機の組立作業の能率化
により、トロイダル型無段変速機の価格低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、トラニオンと
変位軸とパワーローラと駆動ロッドとを、複数の転がり
軸受を介して組み合わせた状態で示す断面図。
【図2】図1の右方から見た図。
【図3】トラニオンと駆動ロッドとを組み合わせた状態
を示す断面図。
【図4】図3のA−A断面図。
【図5】パワーローラと変位軸とを、複数の転がり軸受
を介して組み合わせた状態で示す断面図。
【図6】パワーローラユニットの組み立て高さを測定す
る状態を、図2と同方向から見た状態で示す図。
【図7】パワーローラユニットの機能を確認する状態
を、図1と同方向から見た状態で示す断面図。
【図8】図7の右方から見た図。
【図9】本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同
様の断面図。
【図10】図9の右方から見た図。
【図11】本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と
同様の断面図。
【図12】図11の右方から見た図。
【図13】本発明の実施の形態の第4例を示す、図1と
同様の断面図。
【図14】図13の右方から見た図。
【図15】図14の中央部拡大図。
【図16】従来から知られているトロイダル型無段変速
機の基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図17】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図18】従来の具体的構造の第1例を示す断面図。
【図19】図18のB−B断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13 駆動側カム面 14 被駆動側カム面 15 回転伝達軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 円孔 22 ラジアルニードル軸受 23 外輪 24 円孔 25 支持軸部 26 枢支軸部 27 ラジアルニードル軸受 28 ラジアルニードル軸受 29 スラスト玉軸受 30 スラストニードル軸受 31 玉 32 保持器 33 外輪 34 レース 35 保持器 36 ニードル 37 駆動ロッド 38 駆動ピストン 39 駆動シリンダ 40 ハウジング 41 ニードル 42 スラストワッシャ 44 レース 45 ニードル 46 内輪軌道 47 外輪軌道 48 結合ピン 49 貫通孔 50 貫通孔 51 小径部 52 かしめ部 53、53a 嵌合凸部 54、54a 嵌合支持部 56 第一のユニット 57 第二のユニット 58 パワーローラユニット 59 Vブロック 60 測定治具 61 定盤 62 給油通路 63 止め輪 64 止め輪 65、65a 抑え治具 66 抑えばね 67 摘み部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤波 誠 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 加藤 寛 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 今西 尚 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端面に互いに同心の枢軸を固設したト
    ラニオンと、このトラニオンの中間部に支持した変位軸
    と、このトラニオンの内側面から突出した部分に於いて
    この変位軸部の周囲に回転自在に支持したパワーローラ
    と、このパワーローラの外側面と上記トラニオンの中間
    部内側面との間に設けたスラスト軸受とを備え、これら
    互いに別体の部品であるトラニオンと変位軸とパワーロ
    ーラとスラスト軸受とを、トロイダル型無段変速機への
    組み付け以前に、このトロイダル型無段変速機の組立完
    了後の位置関係に予め組み立てたトロイダル型無段変速
    機用パワーローラユニット。
  2. 【請求項2】 両端面に互いに同心の枢軸を固設したト
    ラニオンと、これら両枢軸の周囲に設けた第一のラジア
    ル軸受と、上記トラニオンの中間部に、上記各枢軸の軸
    方向に対し直角方向に形成した円孔と、互いに平行で互
    いに偏心した支持軸部及び枢支軸部から成り、このうち
    の支持軸部を上記円孔の内側に第二のラジアル軸受を介
    して回転自在に支持した変位軸と、上記枢支軸部の周囲
    に、第三のラジアル軸受を介して回転自在に支持したパ
    ワーローラと、このパワーローラの外側面と上記トラニ
    オンの中間部内側面との間に、スラスト荷重の作用方向
    に関して互いに直列に設けた第一、第二のスラスト軸受
    とを備え、これら互いに別体の部品であるトラニオンと
    第一、第二、第三のラジアル軸受と変位軸とパワーロー
    ラと第一、第二のスラスト軸受とを、トロイダル型無段
    変速機への組み付け以前に、このトロイダル型無段変速
    機の組立完了後の位置関係に予め組み立てたトロイダル
    型無段変速機用パワーローラユニット。
  3. 【請求項3】 パワーローラと変位軸と第三のラジアル
    軸受と第一のスラスト軸受とが、トロイダル型無段変速
    機用パワーローラユニットへの組み付け以前に、このト
    ロイダル型無段変速機用パワーローラユニットの組立完
    了後の位置関係に予め組み立てられている、請求項2に
    記載したトロイダル型無段変速機用パワーローラユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】 トラニオンの両端面に固設した1対の枢
    軸のうちの一方の枢軸の内側には、内部に給油通路を有
    する駆動ロッドの基端部が内嵌固定されており、この駆
    動ロッドと上記一方の枢軸とは、上記給油通路の盲栓と
    しての機能を兼ね備えた結合ピンにより結合固定してお
    り、上記トラニオンと駆動ロッドと結合ピンとは、トロ
    イダル型無段変速機用パワーローラユニットへの組み付
    け以前に、このトロイダル型無段変速機用パワーローラ
    ユニットの組立完了後の位置関係に予め組み立てられて
    いる、請求項1〜3の何れかに記載したトロイダル型無
    段変速機用パワーローラユニット。
  5. 【請求項5】 結合ピンを挿通する為、一方の枢軸と駆
    動ロッドの基端部とに形成する貫通孔を、この駆動ロッ
    ドを一方の枢軸の内側に嵌合させた状態で一挙に形成し
    ている、請求項4に記載したトロイダル型無段変速機用
    パワーローラユニット。
  6. 【請求項6】 一方の枢軸に形成した貫通孔の一部で、
    結合ピンの挿入方向前端部位置部分の内径を、この結合
    ピンの外径よりも小さくしてる、請求項4〜5の何れか
    に記載したトロイダル型無段変速機用パワーローラユニ
    ット。
  7. 【請求項7】 一方の枢軸に形成した貫通孔の両端開口
    部のうち、結合ピンの挿入方向後方の開口部を直径方向
    内方にかしめ変形させる事により、上記結合ピンの抜け
    止めを図っている、請求項6に記載したトロイダル型無
    段変速機用パワーローラユニット。
  8. 【請求項8】 トラニオンの内側面からパワーローラの
    周面までの距離に関する値である、トロイダル型無段変
    速機用パワーローラユニットの組み立て高さを、第一、
    第二のスラスト軸受の構成部品のうちの何れかの厚さを
    変える事により調節する、請求項2〜7の何れかに記載
    したトロイダル型無段変速機用パワーローラユニット。
  9. 【請求項9】 同一のトロイダル型無段変速機を構成す
    る複数組のトロイダル型無段変速機用パワーローラユニ
    ットに関して、トラニオンの内側面からパワーローラの
    周面までの距離に関する値である、トロイダル型無段変
    速機用パワーローラユニットの組み立て高さの相互差を
    0.1mm以内に納めた、請求項1〜8の何れかに記載し
    たトロイダル型無段変速機用パワーローラユニット。
  10. 【請求項10】 トラニオンの端部で同一のトロイダル
    型無段変速機を構成する複数組のトロイダル型無段変速
    機用パワーローラユニット同士の揺動を互いに同期させ
    る為のケーブルを係止する係止部材を外嵌固定する部分
    の外周面形状を非円筒状とした、請求項1〜9の何れか
    に記載したトロイダル型無段変速機用パワーローラユニ
    ット。
  11. 【請求項11】 トラニオンの両端面に固設した1対の
    枢軸のうちの一方の枢軸の内側には駆動ロッドの基端部
    が内嵌固定されており、この駆動ロッドの先端部で上記
    トラニオンの変位を検出する為のプリセスカムを外嵌固
    定する部分の外周面形状を非円筒状とした、請求項1〜
    10の何れかに記載したトロイダル型無段変速機用パワ
    ーローラユニット。
  12. 【請求項12】 枢軸の周囲に設けた第一のラジアル軸
    受の抜け止めを図る為の抑え治具が、トラニオンの一部
    に外嵌支持されている、請求項2〜11の何れかに記載
    したトロイダル型無段変速機用パワーローラユニット。
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