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JPH11155872A - 外科用の組織切除回転刃と、これを用いた外科用の組織切除器 - Google Patents

外科用の組織切除回転刃と、これを用いた外科用の組織切除器

Info

Publication number
JPH11155872A
JPH11155872A JP9328989A JP32898997A JPH11155872A JP H11155872 A JPH11155872 A JP H11155872A JP 9328989 A JP9328989 A JP 9328989A JP 32898997 A JP32898997 A JP 32898997A JP H11155872 A JPH11155872 A JP H11155872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
tongue
cylindrical
cylindrical blade
surgical tissue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9328989A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Terachi
敏郎 寺地
Ryuichiro Niizeki
隆一郎 新関
Masaya Tatsumi
正哉 巽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
J Morita Manufaturing Corp
Original Assignee
J Morita Manufaturing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by J Morita Manufaturing Corp filed Critical J Morita Manufaturing Corp
Priority to JP9328989A priority Critical patent/JPH11155872A/ja
Publication of JPH11155872A publication Critical patent/JPH11155872A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な操作で、確実かつ正確に組織を切断する
ことができる外科用の組織切除回転刃と、これを用いた
外科用の組織切除器を提供する。 【解決手段】外科用の組織切除回転刃Aは、先端に切込
刃部21を形成した中空の筒状刃2を、案内筒1内に回
転可能に収容させた基本構造をなし、筒状刃2の中空部
23の内面適所には穴部22を形成し、この穴部22か
ら筒状刃2の径方向に突出する舌状刃3を、出没可能に
収容させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔鏡下での手術
などにおいて、人体組織の標本を採取するなどのために
使用される外科用の組織切除回転刃と、これを用いた外
科用の組織切除器に関する。
【0002】
【従来の技術】腹腔鏡下での手術において、人体組織の
標本を採取する外科用の組織切除器としては、欧州特許
出願公開公報第0555803号に記載されたものが知
られている。このものは、先端に刃先部を形成した円筒
刃を、案内筒で回転させながら、臓器などの人体組織に
押し当てることによって、組織の一部に円筒状の切込み
を入れてから、吸引手段などで円筒刃の内部に引き込
み、その状態で円筒刃の先部で抉ったりして切除してい
る。
【0003】しかし、このような切除器では、切り込ん
だ組織の一部を無理な切り方で切断するため切断自体が
容易でなく、きれいな切断面を得ることは出来なかっ
た。また、近年では、外科用臓器バッグを用いて手術を
行うことが多いが、円筒刃の先部で組織の一部をこじっ
て切除する方法では、外科用臓器バッグを損傷させた
り、手術中の人体に悪影響を与えたりするなどのおそれ
もあり、必要以外の所、例えば、バッグ内の組織が悪性
腫瘍などを持っている場合には、その部分を傷つけたり
すれば、ゆゆしき事態となり、安全面からも問題があっ
た。
【0004】また、別の切除器としては、鉗子を用いて
人体組織を無理やり引っ張って、引きちぎるものもある
が、その場合にも、切断面がつぶれるなどして、切断面
のきれいな切断標本をとることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
を解決するために提案されるもので、簡単な操作で、確
実かつ正確に組織を切断し、切断面のきれいな標本を得
ることができる外科用の組織切除回転刃と、これを用い
た外科用の組織切除器を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するため、外科用の組織切除回転刃と、これを用い
た外科用の組織切除器を提案している。請求項1〜4
は、外科用の組織切除回転刃を提案している。すなわ
ち、請求項1に記載の外科用の組織切除回転刃は、先端
に切込刃部を形成した中空の筒状刃を、案内筒内に回転
可能に収容させ、上記筒状刃の中空部の内面適所には穴
部を形成して、この穴部から筒状刃の径方向に突出する
舌状刃を、出没可能に収容させている。
【0007】このような回転刃によれば、腹腔鏡下の手
術において、案内筒を狭い施術孔に挿入し、内臓組織な
どの一部に円筒刃によって切込みを入れてから、その回
転する筒状刃内部に収納された舌状刃を突出させるだけ
で正確かつきれいに切断することができる。請求項2に
記載の外科用の組織切除回転刃は、舌状刃を高弾性材料
で構成している。この舌状刃は拘束状態では平板状とな
って筒状刃の中空部の内面適所に形成された穴部に収没
され、自由状態では、その弾性復元力によって、舌先部
のみが起き上がって、筒状刃の中空部の内面適所に形成
された穴部より径方向に突出する。
【0008】筒状刃内部の限定された場所に収納された
舌状刃を径方向に起き上がらせる弾性復元力を有した高
弾性材料としては、商品名「スプロン」、正式名称「コ
エリンバー」と呼ばれる Fe-Co-Cr-Ni合金の超弾性合金
が望ましいが、工具炭素鋼(SK鋼や、SUS440C 等)
や、 Ni-Ti合金の超弾性材も用いることができる。請求
項3に記載の外科用の組織切除回転刃は、請求項1にお
いて、上記舌状刃を、温度変化によって形状を変える形
状記憶合金で構成しており、ヒータの加熱制御によっ
て、その舌先部を上記筒状刃の中空部の内面適所に形成
された穴部より出没させる構造としている。筒状刃内部
の限定された場所に収納された舌状刃を、径方向に起き
上がらせるのに、形状記憶合金の復元力を用いている。
【0009】請求項4に記載の外科用の組織切除回転刃
は、請求項1〜3のいずれかにおいて、筒状刃の中空部
の内面の上記穴部は、その切込刃部より、軸方向に所定
の距離だけ入り込んだ位置に形成されている。請求項5
〜16は、いずれも外科用の組織切除器を提案してい
る。すなわち、請求項5に記載の外科用の組織切除器
は、請求項1に記載の組織切除刃を組みこんだもので、
先端に切込刃部を形成した中空の筒状刃を、案内筒内に
回転可能に収容させた構造となし、回転する筒状刃を臓
器などの組織の一部に押し当て、切込みを入れてから、
その部分の組織を筒状刃の中空部に引き込み、中空の筒
状刃の内面適所に形成された穴部より舌状刃を径方向に
突出させることによって、中空の筒状刃と一体となって
回転する舌状刃を、出没可能に収容させた構造としてい
る。
【0010】請求項6に記載の外科用の組織切除器は、
筒状刃の切込刃部で切込みを入れた臓器などを、鉗子を
用いて筒状刃の中空部に引き込む構造のものを提案して
いる。この構造では、人体などの一部に形成された施術
孔に挿入される案内筒と、この案内筒に回転可能に収容
され、先端に切込刃部を形成するとともに、その中空部
の内面適所には穴部を形成して、この穴部から径方向に
突出する舌状刃を収容させた筒状刃と、この筒状刃を回
転駆動する回転駆動機構と、上記筒状刃の中空部に、臓
器などの組織を引き込むために、上記筒状刃の中空部内
に移動可能に収容された鉗子と、上記舌状刃を、回転す
る筒状刃の穴部より出没させる舌状刃作動機構とを備え
ている。
【0011】請求項7に記載の外科用の組織切除器は、
筒状刃の切込刃部で切込みを入れた臓器などを、吸引手
段を用いて筒状刃の中空内部に引き込む構造のものを提
案している。この構造では、人体などの一部に形成され
た施術孔に挿入請求項6に記載の外科用の組織切除器の
鉗子に替えて、上記筒状刃の中空部に、臓器などの組織
を引き込むために上記筒状刃の中空部に接続される吸引
手段を備えている。
【0012】請求項8に記載の外科用の組織切除器は、
舌状刃作動機構の構造を具体的に規定するもので、請求
項6または7のいずれかにおいて、上記舌状刃作動機構
は、筒状刃とスライド可能に係合して筒状刃とともに回
転するとともに、上記筒状刃から延出された上記舌状刃
の終端を固定した第1の支承部と、この第1の支承部と
共にスライドし、かつ、回転可能に連結された第2の支
承部とを組合せて構成され、この第2の支承部をスライ
ド操作することによって、上記舌状刃を、上記筒状刃の
穴部より出没可能にしている。
【0013】請求項9に記載の外科用の組織切除器は、
請求項8において規定された舌状刃作動機構を更に具体
化するもので、筒状刃と第1の支承部との間に、弾性手
段の弾性力を常時作用させて、上記舌状刃を、上記筒状
刃の中空部の内面適所に形成された穴部より没した状態
に保持している。請求項10に記載の外科用の組織切除
器は、ローラベアリングによって実現できる簡易な構造
の舌状刃作動機構を提案するもので、第2の支承部は、
内輪と外輪を設けたローラベアリングによって、第1の
支承部とともに軸方向に移動し、かつ、第1の支承部を
回転可能に連結している。
【0014】請求項11に記載の外科用の組織切除器
は、回転駆動機構の構造的な特徴を具体化するもので、
請求項6または7のいずれかにおいて、回転駆動機構
は、案内筒の一端より直角方向に伸びるグリップ部分に
内蔵したモータと、このモータに取り付けた歯車を、筒
状刃を回転可能に支持する軸受支承部に設けた歯車機構
に噛合連結させた動力伝達機構とを備えている。
【0015】請求項12に記載の外科用の組織切除器
は、舌状刃作動機構の構造的な特徴を具体化したもの
で、請求項8〜10のいずれかにおいて、第2の支承部
を移動させるスライド操作部を設け、この操作部をスラ
イド操作させることによって、舌状刃を上記筒状刃の内
面適所に形成した穴部より出没可能にしている。請求項
13に記載の外科用の組織切除器は、舌状刃作動機構の
構造的な特徴を更に具体化したもので、請求項8〜10
のいずれかにおいて、舌状刃作動機構には、第2の支承
部を移動させるレバー操作部を設け、このレバー操作部
を指で引き操作させることによって、舌状刃を筒状刃の
内面適所に形成した穴部より出没可能にしており、引き
操作を押し操作に変換するリンク機構を利用したレバー
操作部を、グリップ部に設けることによって、片手で、
舌状刃を出没させることができるようにしたものであ
る。
【0016】請求項14に記載の外科用の組織切除器
は、請求項5〜13のいずれかにおいて、上記筒状刃
は、案内筒内を移動可能にしている。筒状刃先端の切込
刃部を、不使用時には、案内筒内に収納しておくことが
できるので、安全性が高い。請求項15に記載の外科用
の組織切除器は、請求項5〜14のいずれかにおいて、
上記案内筒の先端には、目盛を設けている。
【0017】案内筒が、どれくらい組織内部に入り込ん
だかを知る目安となり、組織に入れ込みすぎて、組織を
突き抜けて、外科用臓器バッグなどを損傷することがな
い。請求項16に記載の外科用の組織切除器は、請求項
5〜15のいずれかにおいて、上記筒状刃の中空部の内
面の上記穴部は、上記切込刃部より、軸方向に所定の距
離だけ入り込んだ位置に設けられている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る外科用の組織
切除回転刃と、これを用いた外科用の組織切除器の実施
の形態について、図とともに説明する。 [外科用の組織切除回転刃]まず、本発明に係る外科用
の組織切除回転刃について説明する。
【0019】図1は、本発明の外科用の組織切除回転刃
を用いた組織切除の方法を示す要部の縦断面図である。
(a)は舌状刃の収納状態、(b)はその収納状態にお
いて前方向から見た所、(c)は切断時の状態、(d)
はその切断時の状態において前方向から見た所を示して
いる。組織切除回転刃Aは、滅菌、消毒することができ
る耐薬品性、耐熱性を有する材料、例えば、ステンレス
鋼などで作られた筒状の案内筒1と筒状刃2を主な構成
部材とし、筒状刃2の先端には切込刃部21が形成され
ており、その切込刃部21を覗かせた状態で案内筒1に
収容されており、その中で軸を中心にして回転させるこ
とができる。
【0020】筒状刃2の中空部23の内面、つまり切込
刃部21から筒状刃2の中心軸2Aの方向に少し入り込
んだ位置には、その中空部23に開口を形成した穴部2
2があり、この穴部22には、舌状刃3が図1(a)に
示すように、その刃先部31を中空部23の内面より突
出させない状態に、あるいは、わずかに突出させた状態
で収納されている。なお、Cは標本採取の対象となる臓
器などの組織、C’は切断された標本、51は鉗子の先
端部である。
【0021】筒状刃2の筒部に収容された舌状刃3は、
待機時には、図1(a)、(b)に示したように、その
刃先部31を穴部22に収納させており、切断時には、
図1(c)、(d)に示したように、径方向に中心軸2
A位置まで、もしくは、中心軸2Aをわずかに越える位
置まで、突出させることができる。このような構造の回
転刃によれば、筒状刃2を回転させながら、先端の切込
刃部21を臓器の一部に押し当てて、円筒状に切り込
み、その臓器を筒状刃2の中空部23に鉗子などを用い
て引き込むまでは、舌状刃3が突出しないように中空部
23の内面に収没させておき((図1(a)、
(b))、切込みを入れた組織Cの一部を筒状刃2の中
空部23に引き込んだ後は、舌状刃3を、筒状刃2の中
空部23の内面に形成した穴部22より筒状刃2の中心
軸2Aに到達する程度まで突出させれば、舌状刃3は筒
状刃2の内面で筒状刃2と共に回転するので、回転刃と
なるので、内臓などの組織Cを、中心軸2Aに直角な方
向にシャープに切断でき、きれいな切断面を有した標本
C’を採取することができる。
【0022】図2は、本発明の外科用の組織切除回転刃
における舌状刃の出し入れ要領を示す縦断面図であり、
(a)は舌状刃の収納状態、(b)はその収納状態にお
いて前方向から見た所、(c)は突出状態、(d)はそ
の突出状態において前方向から見た所を示している。ま
た、図3は舌状刃の一例を示す図であって、(a)は拘
束状態の正面図、(b)は拘束状態の平面図、(c)は
刃先部自由状態の正面図、(d)は刃先部自由状態の平
面図を示している。なお、図2、3については、図1と
同じ構成要素については、同じ符号を付して、詳しい説
明を省略する。
【0023】筒状刃2は、図2に示す例では二重筒構造
にして、切込刃部21をその先端に嵌め込んでおり、舌
状刃3は、その二重筒構造の隙間に収容され、その刃先
部31は、筒状刃2の中空部23に開口している穴部2
2から、筒状刃2の末端部まで延びており、その舌状刃
の終端32は、図に示すように、折曲部を有している。
【0024】この終端32を前後させることにより、舌
状刃3を、筒状刃2の軸方向に前後に移動させている。
また、図3に示した舌状刃3は、細長い短冊形状の高弾
性合金で構成されており、その刃先部31は、拘束状態
に置くと、図3(a)、(b)に示すように、平板状と
なる一方、自由状態に置くと、図3(c),(d)に示
すように起き上がる弾性復元力を有している。
【0025】舌状刃を、このような高弾性合金で製すれ
ば、その弾性復元力によって、舌状刃の出没が出来き、
材質自体が刃物材としても適当であり、切れ味がよく、
操作も安定している。このような舌状刃は、形状記憶合
金を素材として採用することもできる。この場合、前述
した舌状刃と同様の形状のものを形状記憶合金によって
構成し、刃先部に相当する部分には同様の復元力が形状
記憶作用するような構造とし、刃先部までは電気的に絶
縁した状態で導線を、舌状刃の終端位置から伸ばしてお
き、必要に応じて通電して、例えば、摂氏40度程度に
発熱させると復元力が発生するようにしておく。
【0026】このようなものでは、弾性復元力を利用す
る場合に比べて、後述するような機械的構造は不要とな
り、簡単になる。また、温度も摂氏40度程度であるの
で、人体を損傷することがない。なお、舌状刃は、以上
に説明した構造に限られず、人体に設けられた施術孔に
挿入される案内筒の内部で、刃先部を回転させながら出
没させることが出来る構造であればよい。
【0027】また、筒状刃2の中空部23の内面に設け
られる穴部22は、切込刃部21より、軸方向に所定の
距離だけ入り込んだ位置に設けることが望ましく、この
ような構造では、舌状刃3で臓器部分を切断した後も、
残り部分が、筒状刃2の穴部22と切込刃部21の間の
中空部23に保持された状態で残るため、切断した標本
を鉗子で取り出した後に、再度、中空部23に鉗子を挿
入し、次の標本切断の作業を続ける場合にも、その中空
部23に保持されている残り部分を把持し、さらに、引
き込んだりすることができ、便利がよい。 [外科用の組織切除器]ついで、本発明の組織切除回転
刃を用いた外科用の組織切除器について説明する。
【0028】図4は、本発明のスライド操作部を設けた
外科用の組織切除器の一例の全体構成を示しており、
(a)は切除器の平面図、(b)は要部を縦断面とした
正面図である。また、図5は、本発明のスライド操作部
を設けた外科用の組織切除器の一例の全体構成を示す図
であって、(a)は後部より見た図、(b)は回転機構
を模式的に説明する図である。
【0029】更に、図6は舌状刃作動機構の機構を説明
する要部縦断面図であって、(a)は舌状刃が収納状態
にあるとき、(b)は舌状刃が突出状態にあるときの状
態を示している。これらの図については、すでに説明し
たものと同じ構成要素については、同じ符号を付して、
詳しい説明を省略する。外科用の組織切除器Bは、図4
〜図6に見るように、案内筒1、筒状刃2、舌状刃3を
主たる構成要素とし、更に、回転駆動機構4、舌状刃作
動機構6とを加えて構成されている。
【0030】案内筒1の先端には、目盛10が刻印され
ているので、先端がどの位まで人体の組織内部に貫入し
たかの目安となり、切込刃部21が、組織を貫通して、
外科用臓器バッグを損傷するようなことを防ぐことがで
きる。回転駆動機構4は、グリップ部9に収容されたモ
ータ41と動力伝達機構(不図示)で構成され、その動
力伝達機構は、そのモータ41に直結した歯車43と、
この歯車43に噛み合う歯車機構42、この歯車機構4
2を筒状刃2の外径を介して支える軸受支承部4Aから
構成されている。グリップ部9には、モータ41へ電源
を供給する電線91が伸びている。ここでは、歯車機構
42と歯車43の例として、ウォームホイールとピニオ
ンギヤを用いているが、これに限定されるものではな
い。
【0031】歯車機構42は筒状刃2の外径に設けら
れ、筒状刃2と共回転するように固定されている。軸受
支承部4Aは、一方では、案内筒1を固定支持し、他方
では、筒状刃2を回転可能に、かつ、案内筒1と同心に
なるように支持している。したがって、モータ41によ
って歯車43が回転駆動されると、それによって歯車機
構42が回転駆動され、案内筒1内で筒状刃2が回転す
るようになっている。
【0032】舌状刃作動機構6は、第1の支承部61と
第2の支承部62とを主たる部材として構成されてい
る。第1の支承部61は、筒状刃2の二重筒の外側の筒
が途切れた部分から、内側の筒の外径に設けられている
補助リング44に対して、共回転しつつ、かつ、軸方向
にスライドするように、補助リング44の外径に設けら
れている。したがって、第1の支承部61は、筒状刃2
と共回転するとともに、筒状刃2に対してスライド可能
となっている。
【0033】補助リング44には、筒状刃2の先端から
伸び出されてくる舌状刃3を通過させるための逃がし溝
と、さらに、弾性手段63を収容する凹所が設けられて
いる。この弾性手段63の凹所に対向する位置には、第
1の支承部61側にも、凹所が設けられ、この凹所に収
容された弾性手段63によって、第1の支承部61と補
助リング44の間に反発する方向の弾性力を与えてい
る。
【0034】第1の支承部61には、舌状刃3の終端3
2がネジ手段によって固定されている。つまり、弾性手
段63によって、舌状刃3を図6の矢印に反発する方向
に移動させようとする弾性力が与えられている。第1の
支承部61と第2の支承部62は、ローラベアリング8
を介して接続され、軸方向には両者はともにスライドす
るが、相互に回転可能になっている。したがって、筒状
刃2と第1の支承部61が共回転していても、第2の支
承部62は回転せず、回転していない第2の支承部62
をスライド操作することによって、舌状刃3をスライ
ド、つまり、出し入れすることができる。
【0035】このような、回転力は伝えないが、軸方向
のスライド力を伝えるような力の伝達手段は、内輪と外
輪を備えたローラベアリングを使うことによって、安価
でかつ簡単に実現できるが、これに限定されるものでは
ない。第2の支承部62は、グリップ部9に設けられた
回転固定穴9Aにスライド可能に収容されている接続棒
62Aによって、円周方向の位置が規定されており、そ
の接続棒62Aには、グリップ部9の真後になるような
部分にスライド操作部6Aが設けられている(図4
(a))。
【0036】したがって、グリップ部9を片手で保持し
ながら、別の片手で、スライド操作部6Aをスライドさ
せて(図6の黒矢印)、第2の支承部62を移動させて
(図6の白矢印)、舌状刃3の出し入れ(図6の黒矢
印)をすることができる。つまり、このような簡単な操
作によって、筒状刃2の回転を保持しながら、舌状刃3
の出し入れをすることができる。
【0037】また、弾性手段63を設けているので、ス
ライド操作部6Aより手を放すと、第2の支承部62は
もとの位置に復帰し、これによって舌状刃3も収納状態
に戻り、便利である。図7は、本発明の鉗子を用いた外
科用の組織切除器の一例を示している。(a)は切除器
の平面図、(b)は鉗子と組み合わせた状態の正面図で
あり、図8は、本発明のレバー操作部を設けた外科用の
組織切除器の一例の構造を示している。(a)は切除器
の平面図、(b)は正面図、(c)は後部より見た図で
ある。
【0038】また、図9は、本発明の鉗子とレバー操作
部を用いた外科用の組織切除器の一例において、その使
用方法を説明する図であり、(a)は鉗子を本体に挿入
した状態の正面図、(b)は鉗子で組織の一部を把持し
た状態、(c)は鉗子で組織を引き込む状態を示してい
る。この外科用の組織切除器B1は、図4〜図6で説明
した、組織切除器Bに比べ、鉗子を組みこんでいる点、
スライド操作部の替わりにレバー操作部を設けている点
が相違するだけであるので、共通する部分については、
説明を省略する。
【0039】図7において、5は、通常用いられている
鉗子であって、臓器などを把持する先端部51と、その
把持操作をさせる操作部52を有している。操作部52
を閉じると、先端部51も閉じられ、目的の臓器部分を
把持し、引き込んだりすることができる。本発明の組織
切除器B1は、この鉗子5の先端部51や軸部分が通過
することのできる中空部23(図6等参照)を有してい
るので、通常使用される鉗子5を組みこむことができ
る。
【0040】図8の例では、レバー操作部6Bは、それ
自身、接続調整棒64、リンク支点65で構成されるリ
ンク機構6Cを有しており、グリップ部9に設けられた
リンク支点65を中心として天秤様の動作をする。レバ
ー操作部6Bの一方の端は、第2の支承部62から伸び
ている接続調整棒64に自由支持接続されており、レバ
ー操作部6Bの他方の端は、グリップ部9を片手で掴ん
だときに、そのいずれかの指で、丁度、レバー操作がで
きるような位置になるようにしている。
【0041】したがって、図で二点鎖線で示すように、
グリップ部9を掴んでいる方の手の指でレバー操作部6
Bを引き操作すれば、接続調整棒64を介して第2の支
承部62を前方へスライドさせて舌状刃3を突出させる
ことができ、また、その指を放せば、弾性手段63(図
6参照)の作用により、舌状刃3を収容状態にすること
ができるので、組織切除器B1を片手で保持して、舌状
刃3を出し入れできる。
【0042】このような鉗子とレバー操作部を有した組
織切除器B1によれば、筒状刃2によって、臓器を切除
する場合に、腹腔鏡(不図示)によって見ながら、例え
ば右手で組織切除器B1を保持して、内臓などの組織C
の目的部分に鉗子5の先端部51をあてがい、左手で操
作部52を操作して、組織Cを把持し引き込むことによ
って、最も確実、簡単に、目的を達成することができ
る。
【0043】また、続けて、その左手を使って、鉗子5
で組織Cを引き込みながら、筒状刃2によって円柱状に
切除された臓器部分を、グリップ部9を保持している右
手の指でレバー操作部6Bを操作すれば、舌状刃3を突
出させて、組織Cを切断した後に、鉗子5によって簡単
に取り出すことができる(図9(a)、(b)、
(c))。
【0044】図10は、外科用の組織切除器の使用要領
を示すものである。このような外科用の組織切除器は、
腹腔鏡を用いた手術において使用される。図において、
Iは腹腔鏡を用いた手術中の人体部分、Dは腹腔鏡手術
のために設けられた種々の処置をするための施術孔Jに
取り付けられる外套管であり、本発明の組織切除器B
も、この図に示したように、腹腔鏡Hや、鉗子5などと
同様にして、外套管Dの内部に挿入され、腹腔鏡Hで刃
先の位置を確かめながら操作して組織標本を採取する。
【0045】図では、外科用の組織切除器B1を挿入し
ている外套管Dの人体部分への施術孔Jには、バルーン
Eを設け、外套管Dの外周を覆う外科用臓器バッグGか
ら張り出している筒部と上記挿入口の隙間部分を埋め覆
うように嵌め込まれている。このバルーンEは、注入器
Fなどで空気を注入することによって膨ませた後、隙間
を完全に塞ぎ、人体内外、及び、外套管Dと外科用臓器
バッグGの張り出し筒部との間の気密を維持するために
使用される。
【0046】外科用臓器バッグGは、内腹腔などの体腔
内で分離された腎臓、肝臓などの摘出臓器などの組織C
を収納するものであり、このように外科用臓器バッグG
内で、必要な処置をして、摘出臓器を外套管Dを介して
取り出すことにより、手術に関係しない、人体内外の他
の部分への悪影響を避けることができる。外科用臓器バ
ッグGの気密が維持された状態で、外套管Dを利用し
て、適当な気腹装置で炭酸ガスをバッグG内に充填する
と、バッグGが膨らんで適当な空間が形成され、腹腔鏡
手術がやりやすくなる。図11は、本発明の吸引手段を
用いた外科用の組織切除器の他の一例を示した正面図で
あり、図12は、本発明の外科用の組織切除器の他の一
例において、吸引手段を装着する状態を示す正面図であ
る。また、図13は、本発明の外科用の組織切除器の他
の一例において、吸引手段によって、切除後の組織標本
を回収する方法を説明する要部断面図であり、(a)は
吸引手段を取り外した所、(b)は気密カバーを外す
所、(c)は採取バッグを取り外した状態を示してい
る。
【0047】この外科用の組織切除器B2は、図7〜図
9で説明した組織切除器B1に比べ、鉗子の替わりに吸
引手段を設けている点が相違する。共通する部分につい
ては、同一符号を付し、説明を省略する。組織切除器B
2は、吸引手段7が、第2の支承部62の後部に気密に
接続され、この吸引手段7には、図示しない吸引ポンプ
などから、吸引力が供給され、それによって、筒状刃2
の中空部23に吸引力を与える。この吸引力によって、
鉗子を使う替わりに、標本を採取するための組織部分を
中空部23に引き込むことができる。
【0048】図12は、その吸引手段7を第2の支承部
62に装着する状態を示し、吸引手段7の先端部には係
合ピン74を突出させた係合部73があり、この部分を
第2の支承部62の穴部に挿入して、係合ピン74を第
2の支承部62の係合穴62Bに嵌め込んで回転させ、
ロックさせると、両者は気密に接続されるようになって
いる。
【0049】このような吸引手段7を用いると、鉗子の
ような機械的手段と同様に、組織標本を採取することが
できるが、問題は、吸引した組織標本の回収方法であ
る。図13は、その方法を説明している。吸引手段7
は、既に説明した以外に、全体を気密に覆う気密カバー
71、吸引した組織標本を貯留しておく採取バッグ72
などで構成されている。
【0050】採取バッグ72は、空気は通過させるが、
組織標本などは通過させない細かい網目状の材料で作ら
れたもので、空気の吸引力は通過させて、組織標本を吸
引し、その組織標本のみを貯留させておくものである。
これらの部品は、図に示すように組み立て式になってお
り、組織標本の採取後、吸引手段7を組織切除器B2か
ら取り外し、ついで、気密カバー71を外して、採取バ
ッグ72を外して、その中にある回収された組織標本を
取り出すことができる。
【0051】このようにして、吸引手段を用いた場合に
も、本発明の出没可能な舌状刃を有した組織切除器によ
れば、簡単、確実に、きれいな標本を採取することがで
きる。回転駆動機構の歯車機構42は、図4、5、6に
見るように、筒状刃2の外径に設けられ、筒状刃2と共
回転するように固定されている場合を説明したが、この
歯車機構を、筒状刃に対して、共回転するが、軸方向に
はスライド可能に取りつけることもできる。そうする
と、筒状刃は、ガイド筒内を軸方向に移動させることが
できるので、実際の組織切除に使用しない時は、筒状刃
をガイド筒内に引きこんで、筒状刃の切込刃部による危
険を避けることができ、安全性が向上する。
【0052】また、本発明の組織切除器では、組織切除
回転刃を用いているので、すでに説明したように、筒状
刃2の中空部23の内面に設けられる穴部22を、切込
刃部21より、軸方向に所定の距離だけ入り込んだ位置
に設けるようにすることができ、この場合には、そのよ
うな組織切除回転刃と、同様の効果を得ることができ
る。
【0053】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、請求
項1に記載の外科用の組織切除回転刃によれば、回転す
る筒状刃の中空部の内面適所の穴部から、径方向に突出
する舌状刃を、出没可能に収容させているので、筒状刃
の切込刃部で切り込んだ組織の一部を筒状刃の内部に引
き込んだ状態で舌状刃を突出させれば、舌状刃は回転刃
となるので、組織の一部を正確、かつ、きれいに輪切り
切断することができる。
【0054】請求項2に記載の外科用の組織切除回転刃
によれば、舌状刃を高弾性材料で構成しているので、そ
の弾性復元力によって、舌先部のみが起き上がって、上
記筒状刃の中空部の内面適所に形成された穴部より径方
向に突出する。また、材質自体が刃物材としても適当で
あり、切れ味がよく、また、弾性復元力を用いているの
で、操作が確実で安定している。
【0055】請求項3に記載の外科用の組織切除回転刃
によれば、舌状刃を、温度変化によって形状を変える形
状記憶合金で構成しているので、ヒータの加熱制御によ
って、その舌先部を上記筒状刃の中空部の内面適所に形
成された穴部より出没させる構造にする際に、複雑な機
械的出し入れ機構は不要とするので、構造が簡単にな
り、形状変化の温度も摂氏40度程度で可能なため、人
体を損傷することもない。
【0056】請求項4に記載の外科用の組織切除回転刃
によれば、筒状刃の中空部の内面に形成される穴部を、
上記切込刃部より、軸方向に所定の距離だけ入り込んだ
位置に設けているので、最初に組織を切除した後も、中
空部に残りの組織が残されるので、次の標本採取も容易
となり、連続した標本採取を行う場合に特に利便であ
る。
【0057】請求項5に記載の外科用の組織切除器によ
れば、請求項1に記載の組織切除回転刃を組みこんでい
るので、請求項1に記載の組織切除回転刃と同様の効果
が発揮される。特に、請求項6に記載の外科用の組織切
除器によれば、請求項5に記載の外科用の組織切除器に
おいて、筒状刃を回転駆動する回転駆動機構と、上記筒
状刃の中空部に、臓器などの組織を引き込むための鉗子
と、上記舌状刃を回転する筒状刃の穴部より出没させる
舌状刃作動機構とを備えているので、筒状刃の中空部内
に従来より使用されている鉗子を挿入して組織標本を採
取を、確実、正確、簡単にすることができ、また、回転
刃によって切断するため切断面のきれいな標本を得るこ
とができる。
【0058】請求項7に記載の外科用の組織切除器によ
れば、鉗子に替えて、筒状刃の中空部には吸引手段によ
って、臓器などの組織を引き込む構造となっているの
で、鉗子の替わりに、吸引する方法でも、同様の効果を
得ることができる。請求項8に記載の外科用の組織切除
器によれば、舌状刃作動機構を、第1の支承部と第2の
支承部を組み合わせた簡易な構造に出来る。
【0059】また、請求項9に記載の外科用の組織切除
器によれば、舌状刃作動機構において、舌状刃を筒状刃
の中空部の内面適所に形成された穴部より没した状態に
保持する弾性手段を設け、その弾性力を作用させて、舌
状刃を収容状態に保持する構造にしているので、舌状刃
の出没操作の手を放すと、舌状刃は収納状態に戻り、操
作性がよい。
【0060】請求項10に記載の外科用の組織切除器に
よれば、第2の支承部と第1の支承部間の機構をローラ
ベアリングを用いた構造にしているので、舌状刃作動機
構を安価で簡単なものに実現出来る。請求項11に記載
の外科用の組織切除器によれば、筒状刃の回転駆動機構
は、案内筒より直角方向に伸びるグリップ部分にモータ
を設け、そのモータの回転力を軸受支承部に設けた歯車
機構に噛合連結させた動力伝達機構に伝えて回転させる
構造としているので、組織切除器を操作するのに邪魔に
ならず、片手で持って操作が出来る操作性に優れた切除
器が実現する。
【0061】請求項12に記載の外科用の組織切除器に
よれば、舌状刃作動機構は、第2の支承部を移動させる
スライド操作部を有した構造になっているので、グリッ
プ部付近で、舌状刃の出し入れ操作をすることができ、
便利が良い。請求項13に記載の外科用の組織切除器に
よれば、舌状刃作動機構は、リンク機構を利用し、グリ
ップ部での引き操作で、第2の支承部を移動させるレバ
ー操作部を有した構造にしているので、グリップ部を掴
んでいる片手だけで、舌状刃の出し入れ操作をすること
ができ、とくに鉗子と同時操作する場合に便利が良い。
【0062】請求項14に記載の外科用の組織切除器に
よれば、筒状刃は、案内筒内を移動可能にしているの
で、筒状刃先端の切込刃部を、不使用時には案内筒内に
収納しておくことができ、安全性が高い。請求項15に
記載の外科用の組織切除器によれば、案内筒の先端に
は、目盛を設けているので、案内筒が、どれくらい組織
内部に入り込んだかを知る目安となり、組織に入れ込み
すぎて切込刃部で外科用臓器バッグなどを損傷するよう
なことが未然に防止される。
【0063】請求項16に記載の外科用の組織切除器に
よれば、請求項4と同様に、筒状刃の中空部の内面の上
記穴部は、上記切込刃部より、軸方向に所定の距離だけ
入り込んだ位置に設けられているので、最初に組織を切
除した後も、中空部に残りの組織が残されるので、次の
標本採取も容易となり、連続した標本採取を行う場合に
特に利便である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外科用の組織切除回転刃を用いた組織
切除の方法を示す要部縦断面図である。(a)は舌状刃
の収納状態、(b)はその収納状態を前方向から見た
所、(c)は切断状態、(d)はその切断状態を前方向
から見た所を示している。
【図2】本発明の外科用の組織切除回転刃における舌状
刃の出し入れ要領を示す切除回転刃の縦断面図である。
(a)は舌状刃の収納状態、(b)はその収納状態を前
方向から見た所、(c)は突出状態、(d)はその突出
状態を前方向から見た所を示している。
【図3】本発明の外科用の組織切除回転刃の舌状刃の一
例を示す図であって、(a)は拘束状態の正面図、
(b)は拘束状態の平面図、(c)は刃先部自由状態の
正面図、(d)は刃先部自由状態の平面図を示してい
る。
【図4】本発明のスライド操作部を設けた外科用の組織
切除器の一例の全体構成を示す図であって、(a)は切
除器の平面図、(b)は要部を縦断面とした正面図であ
る。
【図5】本発明のスライド操作部を設けた外科用の組織
切除器の一例の全体構成を示す図であって、(a)は後
部より見た図、(b)は回転駆動機構を模式的に説明す
る図である。
【図6】本発明の外科用の組織切除器の一例において、
舌状刃作動機構を説明する要部縦断面図であって、
(a)は舌状刃が収納状態のときの舌状刃作動機構の状
態、(b)は舌状刃が突出状態のときの舌状刃作動機構
の状態を示している。
【図7】本発明の鉗子を用いた外科用の組織切除器の一
例を示している。(a)は切除器の平面図、(b)は鉗
子と組み合わせた状態の正面図である。
【図8】本発明のレバー操作部を設けた外科用の組織切
除器の一例の構造を示すもので、(a)は切除器の平面
図、(b)は正面図、(c)は後部より見た図である。
【図9】本発明の鉗子とレバー操作部を用いた外科用の
組織切除器の一例において、その使用方法を説明する図
であり、(a)は鉗子を本体に挿入した状態の正面図、
(b)は鉗子で組織の一部を把持した状態、(c)は鉗
子で組織を引き込む状態を示している。
【図10】腹腔鏡を用いた手術において、本発明の外科
用の組織切除器の使用要領を示す図である。
【図11】本発明の吸引手段を用いた外科用の組織切除
器の他の一例を示した正面図である。
【図12】本発明の外科用の組織切除器の他の一例にお
いて、吸引手段を装着する状態を示す正面図である。
【図13】本発明の外科用の組織切除器の他の一例にお
いて、吸引手段によって、切除後の組織標本を回収する
方法を説明する要部断面図であり、(a)は吸引手段を
取り外した所、(b)は気密カバーを外す所、(c)は
採取バッグを取り外した状態を示している。
【符号の説明】
A・・・組織切除回転刃 B、B1、B2・・・組織切除器 C・・・内臓などの組織 C’・・・標本 D・・・外套管 E・・・バルーン F・・・注入器 G・・・外科用臓器バッグ H・・・腹腔鏡 I・・・人体の一部 J・・・施術孔 1・・・案内筒 2・・・筒状刃 21・・・切込刃部 2A・・・中心軸 22・・・穴部 23・・・中空部 3・・・舌状刃 31・・・刃先部 32・・・舌状刃の終端 4・・・回転駆動機構 41・・・モータ 42・・・歯車機構 43・・・歯車 4A・・・軸受支承部 5・・・鉗子 6・・・舌状刃作動機構 61・・・第1の支承部 62・・・第2の支承部 63・・・弾性手段 6A・・・スライド操作部 6B・・・レバー操作部 6C・・・リンク機構 7・・・吸引手段 8・・・ローラベアリング 9・・・グリップ部 10・・・目盛

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端に切込刃部を形成した中空の筒状刃
    を、案内筒内に回転可能に収容させた構造とした外科用
    の組織切除回転刃において、 上記筒状刃の中空部の内面適所には穴部を形成し、この
    穴部から筒状刃の径方向に突出する舌状刃を、出没可能
    に収容させた構造とした外科用の組織切除回転刃。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記舌状刃は高弾性材料で構成されており、 拘束状態では平板状となって上記筒状刃の中空部の内面
    適所に形成された穴部に収没され、 自由状態では、その弾性復元力によって、舌先部のみが
    起き上がって、上記筒状刃の中空部の内面適所に形成さ
    れた穴部より径方向に突出する構造としていることを特
    徴とする外科用の組織切除回転刃。
  3. 【請求項3】請求項1において、 上記舌状刃は、温度変化によって形状を変える形状記憶
    合金で構成されており、ヒータの加熱制御によって、そ
    の舌先部を上記筒状刃の中空部の内面適所に形成された
    穴部より出没させる構造としていることを特徴とする外
    科用の組織切除回転刃。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、 上記筒状刃の中空部の内面の上記穴部は、上記切込刃部
    より、軸方向に所定の距離だけ入り込んだ位置に形成さ
    れていることを特徴とする外科用の組織切除回転刃。
  5. 【請求項5】先端に切込刃部を形成した中空の筒状刃
    を、案内筒内に回転可能に収容させた構造となし、回転
    する筒状刃を臓器などの組織の一部に押し当て、切込み
    を入れてから、その部分の組織を筒状刃の中空部に引き
    込んで切除するようにした外科用の組織切除器におい
    て、 上記中空の筒状刃は、その中空部の内面適所に形成され
    た穴部より径方向に突出し、中空の筒状刃と一体となっ
    て回転する舌状刃を、出没可能に収容させた構造とした
    外科用の組織切除器。
  6. 【請求項6】人体などの一部に形成された施術孔に挿入
    される案内筒と、 この案内筒に回転可能に収容され、先端に切込刃部を形
    成するとともに、その中空部の内面適所には穴部を形成
    して、この穴部から径方向に突出する舌状刃を収容させ
    た筒状刃と、 この筒状刃を回転駆動する回転駆動機構と、 上記筒状刃の中空部に、臓器などの組織を引き込むため
    に、上記筒状刃の中空部内に移動可能に収容された鉗子
    と、 上記舌状刃を、回転する筒状刃の穴部より出没させる舌
    状刃作動機構とを備えた外科用の組織切除器。
  7. 【請求項7】人体などに形成された施術孔より挿入され
    る案内筒と、 この案内筒に回転可能に収容され、先端に切込刃部を形
    成するとともに、その中空部の内面適所には穴部を形成
    して、この穴部から径方向に突出する舌状刃を収容させ
    た筒状刃と、 この筒状刃を回転駆動する回転駆動機構と、 上記筒状刃の中空部に、臓器などの組織を引き込むため
    に上記筒状刃の中空部に接続される吸引手段と、 上記舌状刃を、回転する筒状刃の穴部より出没させる舌
    状刃作動機構とを備えた外科用の組織切除器。
  8. 【請求項8】請求項6または7のいずれかにおいて、 上記舌状刃作動機構は、 筒状刃とスライド可能に係合して筒状刃とともに回転す
    るとともに、上記筒状刃から延出された上記舌状刃の終
    端を固定した第1の支承部と、この第1の支承部と共に
    スライドし、かつ、回転可能に連結された第2の支承部
    とを組合せて構成され、この第2の支承部をスライド操
    作することによって、上記舌状刃を、上記筒状刃の穴部
    より出没可能にしている外科用の組織切除器。
  9. 【請求項9】請求項8において、 上記舌状刃作動機構は、上記筒状刃と上記第1の支承部
    との間に、弾性手段の弾性力を常時作用させて、上記舌
    状刃を、上記筒状刃の中空部の内面適所に形成された穴
    部より没した状態に保持している外科用の組織切除器。
  10. 【請求項10】請求項8において、 上記第2の支承部は、内輪と外輪を設けたローラベアリ
    ングによって、上記第1の支承部とともに軸方向に移動
    し、かつ、第1の支承部を回転可能に連結している外科
    用の組織切除器。
  11. 【請求項11】請求項6または7のいずれかにおいて、 上記回転駆動機構は、上記案内筒の一端より直角方向に
    伸びるグリップ部分に内蔵したモータと、このモータに
    取り付けた歯車を、上記筒状刃を回転可能に支持する軸
    受支承部に設けた歯車機構に噛合連結させた動力伝達機
    構とを備えている外科用の組織切除器。
  12. 【請求項12】請求項8〜10のいずれかにおいて、 上記舌状刃作動機構は、上記第2の支承部を移動させる
    スライド操作部を設け、この操作部をスライド操作させ
    ることによって、上記舌状刃を上記筒状刃の内面適所に
    形成した穴部より出没可能にしている外科用の組織切除
    器。
  13. 【請求項13】請求項8〜10のいずれかにおいて、 上記舌状刃作動機構は、上記第2の支承部を移動させる
    リンク機構を有したレバー操作部を設け、このレバー操
    作部を指で引き操作させることによって、上記舌状刃を
    上記筒状刃の内面適所に形成した穴部より出没可能にし
    ている外科用の組織切除器。
  14. 【請求項14】請求項5〜13のいずれかにおいて、 上記筒状刃は、案内筒内を移動可能にしていることを特
    徴とする外科用の組織切除器。
  15. 【請求項15】請求項5〜14のいずれかにおいて、 上記案内筒の先端には、目盛を設けていることを特徴と
    する外科用の組織切除器。
  16. 【請求項16】請求項5〜15のいずれかにおいて、 上記筒状刃の中空部の内面の上記穴部は、上記切込刃部
    より、軸方向に所定の距離だけ入り込んだ位置に形成さ
    れていることを特徴とする外科用の組織切除器。
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