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JPH111433A - トルナフテ−ト含有液剤 - Google Patents

トルナフテ−ト含有液剤

Info

Publication number
JPH111433A
JPH111433A JP15643097A JP15643097A JPH111433A JP H111433 A JPH111433 A JP H111433A JP 15643097 A JP15643097 A JP 15643097A JP 15643097 A JP15643097 A JP 15643097A JP H111433 A JPH111433 A JP H111433A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tolnaftate
liquid preparation
weight
alcohol
preparation according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15643097A
Other languages
English (en)
Inventor
Izumi Saito
泉 斎藤
Kaori Ikeda
かおり 池田
Kazumasa Morimoto
和正 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shionogi and Co Ltd filed Critical Shionogi and Co Ltd
Priority to JP15643097A priority Critical patent/JPH111433A/ja
Publication of JPH111433A publication Critical patent/JPH111433A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】難溶性の薬物であるトルナフテ−トを製剤化す
るにもかかわらず水性アルコ−ル液剤を提供する。 【解決手段】(a)トルナフテ−トを基剤に溶解しうる
上限と同程度含有すること、(b)被膜形成剤を含有す
ること、および(c)実質的に皮膚刺激のある可溶化剤
を含有しないことを特徴とする水性アルコ−ル液剤とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、経皮吸収性に優
れた皮膚刺激の少ないトルナフテ−ト含有液剤に関す
る。更に詳しく特徴を述べると、本願発明は、水を含有
することおよび皮膚刺激のある可溶化剤を含有しないこ
とに特徴を持つトルナフテ−ト含有液剤である。
【0002】
【従来の技術】トルナフテ−トは種々の抗真菌剤外用組
成物中に用いられているが難溶性の薬物であるため、例
えば、特公平7−116035では実質的に水を含まな
い被膜形成性抗真菌剤組成物が開示されているように、
水を含有させずに製剤化を図るのが一般的である。市販
品では、メチルエチルケトン、トリアセチンなどをバラ
ンスよく配合した製剤も知られている(特公平5−77
648)。また、特開平4−316517では、専ら結
晶析出防止のため、特殊な基剤であるセバシン酸ジエチ
ル、サリチル酸エチレングリコ−ルやプロピレングリコ
−ルを添加している。しかしながら、市販製剤の処方量
2%を達成するためにメチルエチルケトン、トリアセチ
ン等を添加しなければならない点に変わりはなく、皮膚
刺激を少なくすることはできなかった。
【0003】これを解決するために、トルナフテ−ト水
性液剤への工夫が種々されてきた。例えば、特公平1−
49126では、メチルエチルケトン、水、アルコ−ル
の3成分を特定の比率で混合した溶剤にトルナフテ−ト
と尿素とを溶解することにより、保存安定性と薬剤の角
質層内への浸透力とが優れた液剤を調製している。ま
た、特開昭62−61915では、リン脂質、プロピレ
ングリコ−ルを添加して水性液剤を調製している。以上
のように、トルナフテ−ト水性液剤とした場合であって
も有機溶剤(可溶化剤)を添加して製剤化を図るのが通
常であった。なお、有機溶剤を全く使用することなくト
ルナフテ−トを水性組成物として製剤化したものとして
は、特開平1−275527および特開平2−2314
22が挙げられる。が、これらはマグネシウムや水溶性
高分子化合物等とトルナフテ−トを共粉砕処理して得た
微粉末組成物を水媒質に分散させて製剤化したものであ
る。従って、共粉砕処理等のような特殊な処理を施すこ
とが必要でありトルナフテ−トは分散されているのであ
って、本願発明のようなトルナフテ−トを溶解させた水
性アルコ−ル液剤を開発するための技術とは異なる。さ
らに、特開平7−277975では、抗真菌剤、水、ア
ルコ−ル、2種以上の被膜形成剤(および可塑剤)を含
有する皮膚外用剤が一般的な技術として開示されてお
り、抗真菌剤の例示としてトルナフテ−トも挙げられて
いる。しかし、難溶性であるトルナフテ−トについての
具体的な技術は記載も示唆もされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、水
虫治療薬として有用なトルナフテ−ト含有液剤を提供す
ることにある。本願発明の別の目的は、難溶性の薬物で
あるトルナフテ−トを製剤化するにもかかわらず水性ア
ルコ−ル液剤を提供することにある。本願発明の他の目
的は、従来と同等以上のトルナフテ−トによる抗真菌効
果を達成しつつ、皮膚刺激性などが問題になる可溶化剤
を添加せずに皮膚刺激の少ない液剤を提供することにあ
る。本願発明のさらに他の目的は、市販製剤の処方量2
%に対してトルナフテ−トの処方量を低減させるにもか
かわらず、従来の製剤よりも高い経皮吸収量を達成しう
る製剤処方を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、種々の
検討を行った結果、(a)トルナフテ−トを基剤に溶解
しうる上限と同程度含有すること、(b)被膜形成剤を
含有すること、および(c)実質的に皮膚刺激のある可
溶化剤を含有しないことを特徴とする水性アルコ−ル液
剤とすることによって、高い経皮吸収性を持つとともに
皮膚刺激のない外用液剤が得られることを見出した。ま
た、前記の課題を解決しうる特定の配合比も見出した。
即ち、トルナフテ−ト約0.1〜0.5重量%、水1〜
30重量%、アルコ−ル50〜90重量%及び被膜形成
剤1〜15重量%含有し、かつアルコ−ル以外の有機溶
剤を実質的に含有しないトルナフテ−ト水性アルコ−ル
液剤を処方することにより、経皮吸収性に優れた皮膚刺
激の少ない皮膚外用剤を提供しうることを見出した。
【0006】まず、本願発明は、(1)(a)トルナフ
テ−トを基剤に溶解しうる上限と同程度含有すること、
(b)被膜形成剤を含有すること、および(c)実質的
に皮膚刺激のある可溶化剤を含有しないことを特徴とす
る水性アルコ−ル液剤を提供するものである。ここで、
本願明細書で用いる「トルナフテ−トを基剤に溶解しう
る上限と同程度含有する」について説明する。トルナフ
テ−トは難溶性の薬物であるため、水とアルコ−ルが主
成分である基剤に対しても溶解させにくく処方量の観点
から開発されてこなかった。しかし、意外なことにトル
ナフテ−トを基剤に溶解しうる上限と同限度含有させる
ことにより、経皮吸収を驚くほど向上させることがで
き、また結果としてトルナフテ−トの全製剤中における
低減化をも図ることができた。さらにこのことによっ
て、可溶化剤を添加する必要がなくなり皮膚刺激のない
外用液剤を提供することにもなった。尚、飽和溶解度と
同一量ではトルナフテ−トの結晶が析出する等の欠点が
あるため、基剤に対する飽和溶解度の100%を含有さ
せることは好ましくない。そこで、「基剤に溶解しうる
上限と同程度」としたものである。発明の効果を達成す
る上では、トルナフテ−トを基剤に対する飽和溶解度の
約60%以上含有させるのが好ましい。さらに好ましく
は約80%以上である。水性アルコ−ル液剤とは水とア
ルコ−ルを含有した液剤を意味し、液剤は透明に溶けて
おりゲル剤と区別される。本願発明は、水とアルコ−ル
が主である基剤に対するトルナフテ−トの含有量を特定
の比率(望ましくは約0.1〜0.5%)に限定するも
のである。
【0007】他の側面から本願発明を見ると、トルナフ
テ−ト含有液剤であるので特に水虫治療薬として有用で
ある。また別の側面によれば、水を含有する基剤であり
ながらトルナフテ−トをこの基剤に溶解しうる上限と同
程度含有させることにより、結果的にトルナフテ−トの
含量を低減させるとともに従来と同等以上のトルナフテ
−トによる抗真菌効果が得られている。これは高い経皮
吸収性を達成した液剤であることを意味する。また別の
側面によれば、トルナフテ−トの含量が少なくて済む本
液剤には皮膚刺激性などが問題となる可溶化剤を添加す
る必要がなく、皮膚刺激のない外用剤を提供することが
できる。さらに他の側面から見ると、本願発明の液剤は
被膜形成剤を含有しており、塗布後すばやく乾燥し皮膚
上に柔軟かつ強靭な被膜を形成するため衣服等への付着
もなく使用感が優れている。また被膜の形成により薬効
を長時間持続させることができる。従って、本願発明の
液剤は持続的に高い経皮吸収性を達成できる水性アルコ
−ル液剤であり、水虫に対して1日1回塗布で十分な治
療効果を期待できる。なお、高い皮内濃度が長時間持続
するということはアベイラビリテイの高いことを意味す
る。
【0008】次に、本願発明は、(2)(a)トルナフ
テ−トを基剤に溶解しうる上限と同程度含有すること、
(b)被膜形成剤を含有すること、および(c)実質的
にアルコ−ル以外の有機溶剤を含有しないことを特徴と
する水性アルコ−ル液剤、(3)(a)トルナフテ−ト
を基剤に溶解しうる上限と同程度含有すること、(b)
被膜形成剤を含有すること、および(c)実質的に皮膚
刺激のあるケトン類又はグリコ−ル類を含有しないこと
を特徴とする水性アルコ−ル液剤、(4)トルナフテ−
トを約0.1〜0.5重量%含有する、(1)〜(3)
のいずれかに記載の液剤、(5)被膜形成剤を約1〜1
5重量%含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の
液剤、(6)水とアルコ−ルの総量が約50〜95重量
%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の液剤、
(7)水を約1〜30重量%含有する、(1)〜(3)
のいずれかに記載の液剤、(8)アルコ−ルを約50〜
90重量%含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載
の液剤、(9)更にトルナフテ−ト以外の抗真菌剤を含
有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の液剤、(1
0)トルナフテ−ト以外の抗真菌剤が、塩酸クロコナゾ
−ル、硝酸イソコナゾ−ル、硝酸ミコナゾ−ル、チオコ
ナゾ−ル、イトラコナゾ−ル、オキシコナゾ−ル、ケト
コナゾ−ル、フルコナゾ−ル、クロトリマゾ−ル、テル
コナゾ−ル、スルコナゾ−ル、ビフォナゾ−ル、ナフチ
フィン、テルビナフィン、トルシクレ−ト、ピロ−ルニ
トリン、ビフマシン、トリコマイシン、シクロピロクス
オクラミン、エキサラミドおよびハロプロジンからなる
群より選ばれる1種又は2種以上の抗真菌剤である、
(9)記載の液剤、(11)更に抗真菌剤以外の薬効成
分をも含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の液
剤、(12)抗真菌剤以外の薬効成分が、抗炎症剤であ
る、(11)記載の液剤、(13)更に中鎖脂肪酸エス
テルを含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の液
剤、(14)中鎖脂肪酸エステルが、モノカプリル酸グ
リセリン(GMC)、モノカプリル酸テトラグリセリン
(TGMC)、ジカプリル酸プロピレングリコ−ル(P
GDC)およびヘキサカプリル酸テトラグリセリン(T
GHC)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の中
鎖脂肪酸エステルである、(13)記載の液剤、(1
5)トルナフテ−トの含有量を基剤に溶解しうる上限と
同程度にすることにより、トルナフテ−トの高いアベイ
ラビリテイを達成したことを特徴とする水性アルコ−ル
液剤、(16)トルナフテ−トの含有量を基剤に溶解し
うる上限と同程度にすることおよび被膜形成剤を含有さ
せることにより、トルナフテ−トの高いアベイラビリテ
イを達成したことを特徴とする水性アルコ−ル液剤、
(17)皮膚刺激のある可溶化剤を添加しないことをも
特徴とする(15)又は(16)記載の液剤、並びに
(18)トルナフテ−ト約0.1〜0.5重量%、水約
1〜30重量%、アルコ−ル約50〜90重量%及び被
膜形成剤約1〜15重量%含有し、かつアルコ−ル以外
の有機溶剤を実質的に含有しない水性アルコ−ル液剤を
提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本願明細書で用いる添加比は製剤
全重量に対する重量比(W/W%)で示したものであ
る。本願発明を実施する上で好ましいのは、製剤全成分
としては、トルナフテ−ト約0.1〜0.5重量%、水
約1〜30重量%、アルコ−ル約50〜90重量%、被
膜形成剤約1〜15重量%含有させるものである。
【0010】試験例では、基剤への飽和溶解度に最も近
い量のトルナフテ−トを含有させた液剤が最も高い皮内
濃度を達成しているので、「トルナフテ−トを基剤に溶
解しうる上限と同程度」としている。仮に客観的にトル
ナフテ−トの含有比率を特定するならば、トルナフテ−
トの全液剤中に占める重量%の上限は約0.5重量%が
好ましい。下限は約0.1重量%が好ましく、さらに好
ましくは約0.3重量%である。
【0011】水とアルコ−ルの全液剤中に占める総量は
約50〜95重量%が好ましい。さらに好ましくは約7
0〜95重量%である。なお、トルナフテ−トの含有量
及び水とアルコ−ルの総量が同じであっても、水の割合
が増加すればするほどトルナフテ−トの含有量は「基剤
に溶解しうる上限」に近づいていったことになる。水の
全液剤中に占める重量%は約1〜30重量%が好まし
い。さらに好ましくは約5〜25重量%である。アルコ
−ルとしてはイソプロパノ−ル、エタノ−ル、プロパノ
−ルなどが挙げられる。アルコ−ルの全液剤中に占める
重量%は約50〜90重量%が好ましい。さらに好まし
くは約60〜85重量%である。
【0012】本願発明で用いる被膜形成剤としては、エ
チルセルロ−ス、ポリビニルブチラ−ト、ヒドロキシプ
ロピルセルロ−スフタレ−ト、メタアクリル酸メタアク
リル酸メチルコポリマ−、メタアクリル酸ジエチルアミ
ノエチルメタアクリル酸メチルコポリマ−、メタアクリ
ル酸エチルメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウム
エチルコポリマ−、メタアクリル酸メチルメタアクリル
酸メタアクリル酸ブチルメタアクリル酸ジエチルアミノ
エチルコポリマ−、メタアクリル酸アクリル酸エチルコ
ポリマ−、アクリル酸エチルメタアクリルメチルメタア
クリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマ
−、メタアクリル酸メチルアクリル酸エチルコポリマ−
が挙げられが、特にこれらに限定されるわけではない。
被膜形成剤の全液剤中に占める重量%は約1〜15重量
%が好ましい。
【0013】本願発明の好ましい実施形態によれば、抗
真菌剤はトルナフテ−ト以外に別の1種又は2種以上配
合させて合剤としてもよい。作用点の異なる2薬剤の併
用による相乗効果が期待されるからである。例えば、塩
酸クロコナゾ−ル、硝酸イソコナゾ−ル、硝酸ミコナゾ
−ル、チオコナゾ−ル、イトラコナゾ−ル、オキシコナ
ゾ−ル、ケトコナゾ−ル、フルコナゾ−ル、ナフチフィ
ン、テルビナフィン、クロトリマゾ−ル、テルコナゾ−
ル、トルシクレ−ト、スルコナゾ−ル、ビフォナゾ−
ル、ピロ−ルニトリン、ビフマシン、トリコマイシン、
シクロピロクスオクラミン、エキサラミドおよびハロプ
ロジンが挙げられる。これらの抗真菌剤の配合量は、そ
の抗真菌剤の種類により大きく異なる。
【0014】また、その他の薬効成分が添加されていて
もよい。例えば、抗炎症剤(グリチルレチン酸等)、リ
ドカインが挙げられる。その他、経皮吸収により投与す
るにふさわしい薬物であれば特に限定されない。
【0015】本願発明の水虫治療薬には、安定化剤等を
添加していてもよい。例えば、抗酸化剤、香料、防腐
剤、pH調製剤、界面活性剤、増粘剤などが挙げられ
る。着色料、経皮吸収促進剤が添加されていてもよい。
防腐剤または消毒薬として、例えば、クロルヘキシジ
ン、グルコン酸クロルヘキシジン、防腐剤としては、パ
ラヒドロキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸、オル
トフェニルフェノ−ルが挙げられる。抗酸化剤として
は、例えば、没食子酸アルキルエステル、ブチルヒドロ
キシアニソ−ル、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェ
ロ−ル、ソオジプロピオン酸、ノルジヒドログアイアレ
チン酸などが挙げられる。本願発明で用いる増粘剤とし
ては、エチルセルロ−ス、ヒドロキシセルロ−ス、ヒド
ロキシプロピルセルロ−ス等のセルロ−ス系誘導体が挙
げられる。
【0016】好ましい実施形態によれば、本液剤には、
中鎖脂肪酸エステルを含有させることもできる。これに
よって、界面活性剤としての効果が得られる。本願発明
に用いる「中鎖脂肪酸エステル」としては、モノカプリ
ル酸グリセリン(GMC)、モノカプリル酸テトラグリ
セリン(TGMC)、ジカプリル酸プロピレングリコ−
ル(PGDC)、ヘキサカプリル酸テトラグリセリン
(TGHC)等が例示される。この中ではジカプリル酸
プロピレングリコ−ル(PGDC)が好ましい。中鎖脂
肪酸エステルの全液剤中に占める重量%は約0.5〜1
0重量%が好ましい。
【0017】本願発明の液剤に実質的に含有させない皮
膚刺激のある可溶化剤としては、例えば、メチルエチル
ケトン、クロタミトン等のケトン類、グリコ−ル類等が
挙げられる。なお、中鎖脂肪酸エステルは皮膚刺激がほ
とんどないためこれに含まれない。また、本願発明の液
剤に実質的に含有させないアルコ−ル以外の有機溶剤と
しては、上記のケトン類、グリコ−ル類等の他にベンゼ
ン、ヘキサン、エ−テル等が挙げられる。次に、本願発
明の液剤の実施例及び経皮吸収性を示す試験の結果を示
す。なお、本願発明は以下のものに限定されるものでは
ない。
【0018】
【実施例】本願発明を以下の実施例によりさらに詳しく
説明する。 (実施例1)適当な攪拌装置付き密閉容器にイソプロパ
ノ−ル(IPA)73.17gおよびジカプリル酸プロ
ピレングリコ−ル(Sefsol-228(商標))5gを入れ、
攪拌下、トルナフテ−ト(TOL)0.3gを添加、溶
解する。この溶液に精製水4.68gを加え、攪拌下、
塩酸クロコナゾ−ル(CCZ)0.85g、グリチルレ
チン酸0.5gおよびトリイソプロパノ−ルアミン(T
IPA)0.5gを添加、溶解する。さらに、アクリル
酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体(EA・MM
A)の30%水分散液(Eudragit NE30D(商標)15g
を攪拌下少量ずつ添加、溶解し、本願発明の液剤10
0.0gを得る。
【0019】(実施例2〜6)基本的には実施例1の調
製法に従って、表に示す組成の液剤を得た。表中の数字
は添加比(重量%)を示す。
【表1】
【0020】(試験例1)実施例3〜5及び市販品につ
いてin vivo経皮吸収試験を行い、16時間後の皮内濃
度を調べた。 (試験方法)以下の諸試験例で示すin vivo経皮吸収
試験は基本的に以下の方法で行った。 1.SD系雄性ラット(9週令、n=4〜5)をウレタン
麻酔下で電気バリカンおよび電気剃刀を用いて腹部を除
毛する。 2.ラットを背面下固定し、除毛部にガラス製吸収セル
(投与面積10cm2)を瞬間接着剤で装着する。 3.セル内皮膚面に約0.3gの検体を投与する。 4.一定時間後、セル内皮膚面に形成された被膜をエタ
ノ−ルに溶解して回収する。 5.セルをはずし、投与皮膚面を切除する。 6.4の回収後、5の皮膚について、各々に含まれる薬
物量をHPLCを用いて定量する。 なお、市販品(パスカ(商標)ゲル:塩野義製薬株式会
社)は、TOL20mg(2%)、サリチル酸メチル2
0mg、トリイソプロパノ−ルアミン、マクロゴ−ル4
00、水5%を含むゲル剤である。
【0021】(試験結果1)表2に16時間後のTOL
皮内濃度を示す。
【表2】 一般に経皮吸収性を高める基剤と考えられているゲル剤
(市販品)と比較して、本願発明組成物はTOL含有量
が0.3%と低いにもかかわらず、著しく高い経皮吸収
性を達成した。また、基剤におけるTOLの飽和溶解度
に最も近い量のTOLを含有した実施例3が最も高いT
OL皮内濃度を示した(TOLの含有量は、実施例3で
飽和溶解度の96%程度、実施例4で91%程度、実施
例5で75%程度であると考えられる)。
【0022】(試験例2)実施例4の組成物と前記市販
品について、TOL皮内濃度を経時的に測定し、TOL
の作用持続性を調べた。 (試験方法2)試験方法は試験方法1と同様である。 (試験結果2)結果を図1に示した。本願発明組成物は
市販品と比較して、TOLの経皮吸収性が著しく改善さ
れており、高い皮内濃度が長時間持続した。本願発明組
成物は市販品よりもTOL含有量が低い製剤でありTO
Lの投与量が少なくなっているにもかかわらずこのよう
に高い経皮吸収性を示したことから、TOLの生物学的
利用率が高い製剤であると言える。これらの結果から、
本願発明の液剤は1日1回塗布で十分な治療効果が期待
できる。なお、上記市販品についても十分な治療効果が
認められており、そのTOL皮内濃度としても治療に十
分なものであることを付記する。
【0023】(試験例3)実施例2および市販品につい
てモルモット実験白癬症に対する治療効果を比較した。 (試験方法3) 1.Hartley系雄性モルモット(体重500g、n=
4)をネンブタ−ル麻酔下で電気バリカンを用いて背面
全面を除毛する。 2.除毛部に白癬菌を塗布感染させる。 3.発症が十分に進行した感染5日目から、感染部位1
0cm2に約0.3gの検体を1日1回10日間塗布す
る。 4.3の治療部位を切除して5mm四方の切片に細切す
る。 5.5個の切片をサブロ−寒天培地上で1週間培養して
感染菌の有無を判定する。 なお、5切片全部の菌が消失した個体のみを陰性個体、
1切片でも菌が認められた個体は陽性個体とした。ま
た、感染部位に治療を行わなかった場合を対照とした。
【0024】(試験結果3)表3にモルモット実験白癬
症に対する治療効果を示す。
【表3】 本願発明の液剤は対照および市販品に比べて顕著な治療
効果発揮し、白癬症に対する有用な液剤であることが明
らかとなった。
【0025】
【発明の効果】水を含有する基剤でありながらトルナフ
テ−トをこの基剤に溶解しうる上限と同程度含有させる
ことにより、従来と同等以上のトルナフテ−トによる抗
真菌効果が得られる高い経皮吸収性を達成することがで
きた。また、トルナフテ−トの含量が少なくてすむ本液
剤には皮膚刺激性などが問題となる可溶化剤を添加する
必要がなく、皮膚刺激のない外用剤を提供することがで
きた。更に本願発明の液剤は被膜形成剤を含有してお
り、塗布後すばやく乾燥し皮膚上に柔軟かつ強靭な被膜
を形成するため衣服等への付着もなく使用感が優れてい
る。また被膜の形成により薬効を長時間持続させること
ができる。従って、本願発明の液剤は持続的に高い経皮
吸収性を達成できる水性アルコ−ル液剤であり、水虫治
療に対して1日1回塗布で十分な効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例4の組成物と市販品(パスカ(商標)
ゲル(塩野義製薬株式会社):TOL2%含有)につい
てラットのTOL皮内濃度を経時的に測定したグラフで
ある。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)トルナフテ−トを基剤に溶解しう
    る上限と同程度含有すること、(b)被膜形成剤を含有
    すること、および(c)実質的に皮膚刺激のある可溶化
    剤を含有しないことを特徴とする水性アルコ−ル液剤。
  2. 【請求項2】 (a)トルナフテ−トを基剤に溶解しう
    る上限と同程度含有すること、(b)被膜形成剤を含有
    すること、および(c)実質的にアルコ−ル以外の有機
    溶剤を含有しないことを特徴とする水性アルコ−ル液
    剤。
  3. 【請求項3】 (a)トルナフテ−トを基剤に溶解しう
    る上限と同程度含有すること、(b)被膜形成剤を含有
    すること、および(c)実質的に皮膚刺激のあるケトン
    類又はグリコ−ル類を含有しないことを特徴とする水性
    アルコ−ル液剤。
  4. 【請求項4】 トルナフテ−トを約0.1〜0.5重量
    %含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
  5. 【請求項5】 被膜形成剤を約1〜15重量%含有す
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
  6. 【請求項6】 水とアルコ−ルの総量が約50〜95重
    量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
  7. 【請求項7】 水を約1〜30重量%含有する、請求項
    1〜3のいずれかに記載の液剤。
  8. 【請求項8】 アルコ−ルを約50〜90重量%含有す
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
  9. 【請求項9】 更にトルナフテ−ト以外の抗真菌剤を含
    有する、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
  10. 【請求項10】 トルナフテ−ト以外の抗真菌剤が、塩
    酸クロコナゾ−ル、硝酸イソコナゾ−ル、硝酸ミコナゾ
    −ル、チオコナゾ−ル、イトラコナゾ−ル、オキシコナ
    ゾ−ル、ケトコナゾ−ル、フルコナゾ−ル、クロトリマ
    ゾ−ル、テルコナゾ−ル、スルコナゾ−ル、ビフォナゾ
    −ル、ナフチフィン、テルビナフィン、トルシクレ−
    ト、ピロ−ルニトリン、ビフマシン、トリコマイシン、
    シクロピロクスオクラミン、エキサラミドおよびハロプ
    ロジンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の抗真
    菌剤である、請求項9記載の液剤。
  11. 【請求項11】 更に抗真菌剤以外の薬効成分をも含有
    する、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
  12. 【請求項12】 抗真菌剤以外の薬効成分が、抗炎症剤
    である、請求項11記載の液剤。
  13. 【請求項13】 更に中鎖脂肪酸エステルを含有する、
    請求項1〜3のいずれかに記載の液剤。
  14. 【請求項14】 中鎖脂肪酸エステルが、モノカプリル
    酸グリセリン(GMC)、モノカプリル酸テトラグリセ
    リン(TGMC)、ジカプリル酸プロピレングリコ−ル
    (PGDC)およびヘキサカプリル酸テトラグリセリン
    (TGHC)からなる群より選ばれる1種又は2種以上
    の中鎖脂肪酸エステルである、請求項13記載の液剤。
  15. 【請求項15】 トルナフテ−トの含有量を基剤に溶解
    しうる上限と同程度にすることにより、トルナフテ−ト
    の高いアベイラビリテイを達成したことを特徴とする水
    性アルコ−ル液剤。
  16. 【請求項16】 トルナフテ−トの含有量を基剤に溶解
    しうる上限と同程度にすることおよび被膜形成剤を含有
    させることにより、トルナフテ−トの高いアベイラビリ
    テイを達成したことを特徴とする水性アルコ−ル液剤。
  17. 【請求項17】 皮膚刺激のある可溶化剤を添加しない
    ことをも特徴とする請求項15又は16記載の液剤。
  18. 【請求項18】 トルナフテ−ト約0.1〜0.5重量
    %、水約1〜30重量%、アルコ−ル約50〜90重量
    %及び被膜形成剤約1〜15重量%含有し、かつアルコ
    −ル以外の有機溶剤を実質的に含有しない水性アルコ−
    ル液剤。
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