JPH11140793A - 塗被紙用塗液添加物 - Google Patents
塗被紙用塗液添加物Info
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- JPH11140793A JPH11140793A JP31073097A JP31073097A JPH11140793A JP H11140793 A JPH11140793 A JP H11140793A JP 31073097 A JP31073097 A JP 31073097A JP 31073097 A JP31073097 A JP 31073097A JP H11140793 A JPH11140793 A JP H11140793A
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- coating
- cellulose
- carboxymethylcellulose
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 顔料と接着剤を主成分とする塗被紙用塗液組
成物において、極めて優れた耐ブリスター性、印刷光沢
及びピック強度等の塗被紙の印刷適性を付与できる塗被
紙用塗液添加物を提供することにある。 【解決手段】 カルボキシメチルエーテル基置換度が
0. 01以上0. 4未満、且つセルロースI型の結晶化
度が50%以上88%未満であるカルボキシメチルセル
ロースを顔料100重量部に対し、固形分換算で1〜2
5重量部の割合で添加することを特徴とする塗被紙用塗
液添加物。
成物において、極めて優れた耐ブリスター性、印刷光沢
及びピック強度等の塗被紙の印刷適性を付与できる塗被
紙用塗液添加物を提供することにある。 【解決手段】 カルボキシメチルエーテル基置換度が
0. 01以上0. 4未満、且つセルロースI型の結晶化
度が50%以上88%未満であるカルボキシメチルセル
ロースを顔料100重量部に対し、固形分換算で1〜2
5重量部の割合で添加することを特徴とする塗被紙用塗
液添加物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な塗被紙用塗
液添加物に関するものであり、詳しくは、特別なセルロ
ース誘導体を添加することを特徴とし、これを含有する
塗液を塗被した塗被紙は、極めて優れた印刷光沢と耐ブ
リスター性及びドライピック強度を付与される塗被紙用
塗液添加物に関する。
液添加物に関するものであり、詳しくは、特別なセルロ
ース誘導体を添加することを特徴とし、これを含有する
塗液を塗被した塗被紙は、極めて優れた印刷光沢と耐ブ
リスター性及びドライピック強度を付与される塗被紙用
塗液添加物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高級紙嗜好の増加を背景として、
印刷用塗被紙の需要は急速に伸びており、オフセット印
刷用、グラビア印刷用等の塗被紙に対する品質向上の要
求が高まっている。特に、オフセット印刷の高速化が進
みそれに耐え得る品質を持つ塗被紙の開発が急務となっ
ている。オフセット輪転印刷適性としては、非常に高速
で印刷されるため、高速印刷に耐え得る塗被紙の高いド
ライピック強度が必要であると同時に、インキの着肉
性、印刷直後の乾燥工程での急激な加熱にともなう塗層
内水分の急激な気化膨張により発生する塗層の火膨れ等
の問題を起こさない品質(耐ブリスター性)が要求され
る。また、塗被紙全般に共通する重要な物性の一つに印
刷光沢もある。
印刷用塗被紙の需要は急速に伸びており、オフセット印
刷用、グラビア印刷用等の塗被紙に対する品質向上の要
求が高まっている。特に、オフセット印刷の高速化が進
みそれに耐え得る品質を持つ塗被紙の開発が急務となっ
ている。オフセット輪転印刷適性としては、非常に高速
で印刷されるため、高速印刷に耐え得る塗被紙の高いド
ライピック強度が必要であると同時に、インキの着肉
性、印刷直後の乾燥工程での急激な加熱にともなう塗層
内水分の急激な気化膨張により発生する塗層の火膨れ等
の問題を起こさない品質(耐ブリスター性)が要求され
る。また、塗被紙全般に共通する重要な物性の一つに印
刷光沢もある。
【0003】従来、これらの要求に対し、さまざまな試
みが行われてきた。一般的に塗液中に澱粉、合成高分子
ラテックス等の接着剤を増大させることによりオフセッ
ト印刷適性、特にドライピック強度を向上させることが
できる。しかしながら、ドライピック強度を向上するた
めに澱粉を大幅に増大させた場合、塗液の粘度が大幅に
上昇、コーターでの塗被適性が低下し、塗液濃度を低下
させなければならないため、白紙光沢や印刷光沢が低下
し、また接着剤が被膜を形成し、オフセット印刷インク
の着肉性が低下する。さらにオフセット輪転印刷に用い
た場合、耐ブリスター性が悪化する。
みが行われてきた。一般的に塗液中に澱粉、合成高分子
ラテックス等の接着剤を増大させることによりオフセッ
ト印刷適性、特にドライピック強度を向上させることが
できる。しかしながら、ドライピック強度を向上するた
めに澱粉を大幅に増大させた場合、塗液の粘度が大幅に
上昇、コーターでの塗被適性が低下し、塗液濃度を低下
させなければならないため、白紙光沢や印刷光沢が低下
し、また接着剤が被膜を形成し、オフセット印刷インク
の着肉性が低下する。さらにオフセット輪転印刷に用い
た場合、耐ブリスター性が悪化する。
【0004】また、合成高分子ラテックスを大幅に増大
させた場合も、接着剤が被膜を形成し、オフセット印刷
インクの着肉性が低下するし、オフセット輪転印刷に用
いた場合は、耐ブリスター性が悪化する。この傾向は、
原紙がパルプ繊維の水酸基、カルボキシル基等によりア
ニオン性であり、塗液も接着剤のカルボキシル基等によ
りアニオン性であるため、塗液中の接着剤が塗被時に原
紙に浸透することによって助長される。これを防ぐため
に、塗液の保水性を向上させる工夫が幾つかなされてい
る。例えば、一般的なカルボキシメチルセルロースのよ
うに水溶液粘度の高い水溶性高分子を塗液組成物中に添
加することがある。しかしながら、このような保水性向
上剤に依る効果は限られており、塗液の粘度が上昇する
ため、かえって塗被時の塗液濃度を低下させることが必
要になり、その結果、印刷適性が向上しないこともあ
る。
させた場合も、接着剤が被膜を形成し、オフセット印刷
インクの着肉性が低下するし、オフセット輪転印刷に用
いた場合は、耐ブリスター性が悪化する。この傾向は、
原紙がパルプ繊維の水酸基、カルボキシル基等によりア
ニオン性であり、塗液も接着剤のカルボキシル基等によ
りアニオン性であるため、塗液中の接着剤が塗被時に原
紙に浸透することによって助長される。これを防ぐため
に、塗液の保水性を向上させる工夫が幾つかなされてい
る。例えば、一般的なカルボキシメチルセルロースのよ
うに水溶液粘度の高い水溶性高分子を塗液組成物中に添
加することがある。しかしながら、このような保水性向
上剤に依る効果は限られており、塗液の粘度が上昇する
ため、かえって塗被時の塗液濃度を低下させることが必
要になり、その結果、印刷適性が向上しないこともあ
る。
【0005】一方、特開平1−97296号公報に示さ
れるように、原紙を構成するパルプ繊維表面がアニオン
性に荷電していることから、塗液の極性をカチオン性と
して原紙への塗液の浸透を抑制し、オフセット印刷適性
を向上させようとする考え方もある。しかしながら、こ
のように塗液をカチオン化した場合、塗液の粘度がかな
り上昇し、塗被時にかえって塗被濃度の低下が必要にな
り、印刷適性が向上しないことがある。
れるように、原紙を構成するパルプ繊維表面がアニオン
性に荷電していることから、塗液の極性をカチオン性と
して原紙への塗液の浸透を抑制し、オフセット印刷適性
を向上させようとする考え方もある。しかしながら、こ
のように塗液をカチオン化した場合、塗液の粘度がかな
り上昇し、塗被時にかえって塗被濃度の低下が必要にな
り、印刷適性が向上しないことがある。
【0006】耐ブリスター性の向上として特開平5−3
21195号公報では、塗液への微結晶セルロースの添
加が示されているが、ドライピック強度を満足するもの
ではない。
21195号公報では、塗液への微結晶セルロースの添
加が示されているが、ドライピック強度を満足するもの
ではない。
【0007】また、耐ブリスター性を向上させる試みと
して、原紙の層間強度を上げる、また塗液の顔料系にお
いて、カオリンクレーよりも、炭酸カルシウムの使用比
率を上げる、さらに接着剤系では、カルボキシル基を含
有する合成共重合ラテックスのゲル含量を低下させる等
がある。しかしながら、原紙の層間強度を上げること
は、耐ブリスター性の向上には有効ではあるが、塗被紙
のコストアップをもたらし、また、顔料系での炭酸カル
シウム使用量の増加は、白紙及び印刷光沢の低下をもた
らす。さらに、カルボキシル基を含有する合成共重合ラ
テックスのゲル含量を低下させる方法は、耐ブリスター
性は向上するが、ドライピック強度の低下をもたらす。
して、原紙の層間強度を上げる、また塗液の顔料系にお
いて、カオリンクレーよりも、炭酸カルシウムの使用比
率を上げる、さらに接着剤系では、カルボキシル基を含
有する合成共重合ラテックスのゲル含量を低下させる等
がある。しかしながら、原紙の層間強度を上げること
は、耐ブリスター性の向上には有効ではあるが、塗被紙
のコストアップをもたらし、また、顔料系での炭酸カル
シウム使用量の増加は、白紙及び印刷光沢の低下をもた
らす。さらに、カルボキシル基を含有する合成共重合ラ
テックスのゲル含量を低下させる方法は、耐ブリスター
性は向上するが、ドライピック強度の低下をもたらす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決するために、顔料と接着剤を主成分とする
塗被紙用塗液組成物において、極めて優れた耐ブリスタ
ー性、印刷光沢及びピック強度等の印刷適性を付与でき
る塗被紙用塗液添加物を提供することにある。
な問題を解決するために、顔料と接着剤を主成分とする
塗被紙用塗液組成物において、極めて優れた耐ブリスタ
ー性、印刷光沢及びピック強度等の印刷適性を付与でき
る塗被紙用塗液添加物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意検討を重ねた結果、顔料と接着剤を主成
分とする塗被紙用塗液組成物において、カルボキシメチ
ルエーテル基置換度が0. 01以上0. 4未満であり、
且つセルロースI型の結晶化度が50%以上88%未満
であるカルボキシメチルセルロースを顔料100重量部
に対し固形分換算で1〜25重量部の割合で添加するこ
とを特徴とする塗被紙用塗液添加物を用いることによ
り、耐ブリスター性、ドライピック強度、印刷光沢が著
しく改善されると言う驚くべき知見を見い出し、本発明
を完成させるに至った。
題について鋭意検討を重ねた結果、顔料と接着剤を主成
分とする塗被紙用塗液組成物において、カルボキシメチ
ルエーテル基置換度が0. 01以上0. 4未満であり、
且つセルロースI型の結晶化度が50%以上88%未満
であるカルボキシメチルセルロースを顔料100重量部
に対し固形分換算で1〜25重量部の割合で添加するこ
とを特徴とする塗被紙用塗液添加物を用いることによ
り、耐ブリスター性、ドライピック強度、印刷光沢が著
しく改善されると言う驚くべき知見を見い出し、本発明
を完成させるに至った。
【0010】本発明に使用されるカルボキシメチルセル
ロースは、セルロースが軽度にカルボキシメチル化され
たものであり、水媒質中では、溶解することなく、内部
にセルロースI型の結晶構造を保持したまま、導入され
たカルボキシメチル基によって粒子表面が膨潤あるいは
半溶解した状態で存在するため、水不溶性または/及び
水膨潤性を有する。このカルボキシメチルセルロース
は、良好な水中分散安定性、保水性及び被膜形成性を有
しており、塗被紙用塗液に添加することにより、塗被紙
用塗液に良好な分散安定性、保水性を与えると共にこれ
らを塗被した塗被紙には極めて優れた耐ブリスター性、
ドライピック強度、印刷光沢等の印刷適性を付与する。
ロースは、セルロースが軽度にカルボキシメチル化され
たものであり、水媒質中では、溶解することなく、内部
にセルロースI型の結晶構造を保持したまま、導入され
たカルボキシメチル基によって粒子表面が膨潤あるいは
半溶解した状態で存在するため、水不溶性または/及び
水膨潤性を有する。このカルボキシメチルセルロース
は、良好な水中分散安定性、保水性及び被膜形成性を有
しており、塗被紙用塗液に添加することにより、塗被紙
用塗液に良好な分散安定性、保水性を与えると共にこれ
らを塗被した塗被紙には極めて優れた耐ブリスター性、
ドライピック強度、印刷光沢等の印刷適性を付与する。
【0011】即ち、このカルボキシメチルセルロース
は、塗被層中で粒子表面の膨潤あるいは半溶解部分があ
たかもバインダーの如き効果を発揮し、ドライピック強
度の向上に寄与すると共に、自身の被膜形成性に由来し
て、良好な白紙光沢、さらにそれにともなう印刷光沢を
発現する。
は、塗被層中で粒子表面の膨潤あるいは半溶解部分があ
たかもバインダーの如き効果を発揮し、ドライピック強
度の向上に寄与すると共に、自身の被膜形成性に由来し
て、良好な白紙光沢、さらにそれにともなう印刷光沢を
発現する。
【0012】またこのカルボキシメチルセルロースは、
内部にセルロースI型の結晶構造とこれにともなう微細
構造に含まれるミクロポアを保持しているため、オフセ
ット輪転印刷直後の乾燥工程での急激な加熱において、
原紙および塗層内水分の急激な気化膨張が起こった場合
でも、カルボキシメチルセルロース内部に残存する繊維
構造部分即ち、微孔空隙部分が水蒸気の逃げ道となり、
塗層の火膨れを抑制する。
内部にセルロースI型の結晶構造とこれにともなう微細
構造に含まれるミクロポアを保持しているため、オフセ
ット輪転印刷直後の乾燥工程での急激な加熱において、
原紙および塗層内水分の急激な気化膨張が起こった場合
でも、カルボキシメチルセルロース内部に残存する繊維
構造部分即ち、微孔空隙部分が水蒸気の逃げ道となり、
塗層の火膨れを抑制する。
【0013】また本発明のカルボキシメチルセルロース
は、カルボキシメチルエーテル基のカルボキシル基がH
型あるいはナトリウム、カリウム、リチウムなどのアル
カリ金属塩型として単独あるいは混合で存在しているも
のである。
は、カルボキシメチルエーテル基のカルボキシル基がH
型あるいはナトリウム、カリウム、リチウムなどのアル
カリ金属塩型として単独あるいは混合で存在しているも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるカルボキシメ
チルセルロースは、木材パルプ、精製リンター、木紛、
やし殻粉末、くるみ殻粉末等のセルロース及びリグノセ
ルロース、バクテリアセルロース等のセルロース系材料
を酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、爆砕処理
等によって、解重合した微細セルロースまたは湿式、乾
式で磨砕あるいは粉砕等の機械的処理に付した微細セル
ロースに対し、カルボキシメチルセルロースの製法を適
用し製造することができ、基本的には、水媒法及び溶媒
法の何れの方法でも製造可能である。例えば、溶媒法に
よる製造では、含水有機溶媒中で、セルロース質原料
に、アルカリ金属成分(水酸化ナトリウムなど)を作用
させてアルカリセルロースを調製し、エーテル化剤とし
てモノハロ酢酸(モノクロル酢酸)またはそのアルカリ
金属塩を作用させてエーテル化反応を行うことで製造さ
れる。
チルセルロースは、木材パルプ、精製リンター、木紛、
やし殻粉末、くるみ殻粉末等のセルロース及びリグノセ
ルロース、バクテリアセルロース等のセルロース系材料
を酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、爆砕処理
等によって、解重合した微細セルロースまたは湿式、乾
式で磨砕あるいは粉砕等の機械的処理に付した微細セル
ロースに対し、カルボキシメチルセルロースの製法を適
用し製造することができ、基本的には、水媒法及び溶媒
法の何れの方法でも製造可能である。例えば、溶媒法に
よる製造では、含水有機溶媒中で、セルロース質原料
に、アルカリ金属成分(水酸化ナトリウムなど)を作用
させてアルカリセルロースを調製し、エーテル化剤とし
てモノハロ酢酸(モノクロル酢酸)またはそのアルカリ
金属塩を作用させてエーテル化反応を行うことで製造さ
れる。
【0015】カルボキシメチルエーテル基置換度は、ア
ルカリセルロースを調製するときの反応条件(水酸化ナ
トリウムの使用量、温度、時間)及び/またはエーテル
化反応の条件(モノクロル酢酸の使用量、温度、時間)
などの反応条件を変えることにより変更できる。
ルカリセルロースを調製するときの反応条件(水酸化ナ
トリウムの使用量、温度、時間)及び/またはエーテル
化反応の条件(モノクロル酢酸の使用量、温度、時間)
などの反応条件を変えることにより変更できる。
【0016】セルロースI型の結晶化度は、アルカリセ
ルロースを調製するときの水酸化ナトリウムの添加量な
どの反応条件を強くする、またはカルボキシメチルエー
テル基置換度を高める即ちエーテル化反応の条件を強く
することで低下するので、この条件を変えることにより
変更できる。
ルロースを調製するときの水酸化ナトリウムの添加量な
どの反応条件を強くする、またはカルボキシメチルエー
テル基置換度を高める即ちエーテル化反応の条件を強く
することで低下するので、この条件を変えることにより
変更できる。
【0017】体積平均粒子径は、粉砕処理の方法、条件
を変えて、変更できる。粉砕処理は、各種のセルロース
系原料を酸加水分解処理に付してからマーセル化(アル
カリセルロースの調製)する前に行うが、エーテル化反
応後に行っても良い。また、粉砕処理をマーセル化前と
エーテル化反応後の2回行っても良く、特に限定は無
い。また、粉砕の代わりにあるいはこれと組み合わせ
て、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、爆砕処
理などを行っても良い。
を変えて、変更できる。粉砕処理は、各種のセルロース
系原料を酸加水分解処理に付してからマーセル化(アル
カリセルロースの調製)する前に行うが、エーテル化反
応後に行っても良い。また、粉砕処理をマーセル化前と
エーテル化反応後の2回行っても良く、特に限定は無
い。また、粉砕の代わりにあるいはこれと組み合わせ
て、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、爆砕処
理などを行っても良い。
【0018】導入されたカルボキシメチルエーテル基置
換度は、全体として、グルコース単位当り0. 01以上
0. 4未満であり、特に好ましくは、0. 02以上0.
3以下のカルボキシメチルエーテル基置換度である。置
換度が0. 01以下では、塗被層中でバインダーの如き
効果を発揮せず、良好なピック強度及び印刷光沢が得ら
れない。また、置換度が0. 4を超えると、水中で粒子
の表面のみならず内部においても膨潤・溶解が起こり、
内部に繊維構造部分の形態を残すどころか溶解してしま
い、塗被紙用塗液粘度の急激な上昇、それに伴う高速塗
被適性の低下、結果的に耐ブリスター性の低下が起こ
り、本発明の効果が発揮されない。
換度は、全体として、グルコース単位当り0. 01以上
0. 4未満であり、特に好ましくは、0. 02以上0.
3以下のカルボキシメチルエーテル基置換度である。置
換度が0. 01以下では、塗被層中でバインダーの如き
効果を発揮せず、良好なピック強度及び印刷光沢が得ら
れない。また、置換度が0. 4を超えると、水中で粒子
の表面のみならず内部においても膨潤・溶解が起こり、
内部に繊維構造部分の形態を残すどころか溶解してしま
い、塗被紙用塗液粘度の急激な上昇、それに伴う高速塗
被適性の低下、結果的に耐ブリスター性の低下が起こ
り、本発明の効果が発揮されない。
【0019】また本発明のカルボキシメチルセルロース
は、セルロースI型の結晶化度が50%以上88%未満
のものが使用できるが、50%以下では、置換度が低い
場合でも膨潤・溶解を起こし繊維構造部分の形態を保つ
ことができず、塗被液粘度の上昇や耐ブリスター性の低
下等が起こり、本発明の効果が発揮されない。また、セ
ルロースI型の結晶化度が88%を超えると、塗被層中
でバインダーの如き効果を発揮することができず、良好
なピック強度及び印刷光沢が得られない。
は、セルロースI型の結晶化度が50%以上88%未満
のものが使用できるが、50%以下では、置換度が低い
場合でも膨潤・溶解を起こし繊維構造部分の形態を保つ
ことができず、塗被液粘度の上昇や耐ブリスター性の低
下等が起こり、本発明の効果が発揮されない。また、セ
ルロースI型の結晶化度が88%を超えると、塗被層中
でバインダーの如き効果を発揮することができず、良好
なピック強度及び印刷光沢が得られない。
【0020】また、本発明のカルボキシメチルセルロー
スは体積平均粒子径が40μm 以下のものを使用するの
が好ましく、より好ましくは1μm以上30μm以下で
ある。体積平均粒子径が1μm以下では、耐ブリスター
性の低下が起こり易く、40μmを越える場合は、塗被
紙白紙光沢の低下、それにともなう印刷光沢の低下をも
たらし易い。
スは体積平均粒子径が40μm 以下のものを使用するの
が好ましく、より好ましくは1μm以上30μm以下で
ある。体積平均粒子径が1μm以下では、耐ブリスター
性の低下が起こり易く、40μmを越える場合は、塗被
紙白紙光沢の低下、それにともなう印刷光沢の低下をも
たらし易い。
【0021】このカルボキシメチルセルロースの添加量
は、紙塗被用顔料100重量部に対し、1〜25重量部
とする。1重量部未満では、本発明の効果が発揮されな
い。一方、25重量部を超えると白紙光沢及び印刷光沢
が低下するのみならず、高剪断速度下での粘度が急激に
上昇し、塗液流動性が悪くなり、問題が生じる。特に3
〜15重量部が好ましい。
は、紙塗被用顔料100重量部に対し、1〜25重量部
とする。1重量部未満では、本発明の効果が発揮されな
い。一方、25重量部を超えると白紙光沢及び印刷光沢
が低下するのみならず、高剪断速度下での粘度が急激に
上昇し、塗液流動性が悪くなり、問題が生じる。特に3
〜15重量部が好ましい。
【0022】本発明の塗被紙用塗液添加物とともに使用
される顔料には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシ
ウム、カオリンクレー、焼成クレー、サチンホワイト、
タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、シ
ラスバルーン、ベントナイト等の無機顔料や尿素樹脂、
スチレン重合体、スチレン/ブタジエン系共重合体、ま
たはスチレン/アクリル系共重合体から成るプラスチッ
クピグメント、中空ピグメント等の有機顔料等、一般的
に塗被紙用塗液組成物に使用されるものが挙げられる。
これらの顔料は、単独あるいは複数併用して使用するこ
とも可能である。
される顔料には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシ
ウム、カオリンクレー、焼成クレー、サチンホワイト、
タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、シ
ラスバルーン、ベントナイト等の無機顔料や尿素樹脂、
スチレン重合体、スチレン/ブタジエン系共重合体、ま
たはスチレン/アクリル系共重合体から成るプラスチッ
クピグメント、中空ピグメント等の有機顔料等、一般的
に塗被紙用塗液組成物に使用されるものが挙げられる。
これらの顔料は、単独あるいは複数併用して使用するこ
とも可能である。
【0023】本発明の塗被紙用塗液組成物に使用される
接着剤としては、例えば、カゼイン、酸化澱粉、酵素変
成澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化
澱粉等の澱粉誘導体、水溶性のカルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、完全または部分鹸
化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルア
ルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール等の
ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリア
クリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エ
ステル/アクリル酸アミド共重合体、アクリル酸エステ
ル/アクリル酸アミド/メタクリル酸三元共重合体、ス
チレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン
酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ
アクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタ
クリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン
/ブタジエン共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジ
エン/アクリル酸共重合体等のラテックス類が挙げられ
る。これらの接着剤は、単独あるいは複数併用して使用
することも可能である。
接着剤としては、例えば、カゼイン、酸化澱粉、酵素変
成澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化
澱粉等の澱粉誘導体、水溶性のカルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、完全または部分鹸
化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルア
ルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール等の
ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリア
クリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エ
ステル/アクリル酸アミド共重合体、アクリル酸エステ
ル/アクリル酸アミド/メタクリル酸三元共重合体、ス
チレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン
酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ
アクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタ
クリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン
/ブタジエン共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジ
エン/アクリル酸共重合体等のラテックス類が挙げられ
る。これらの接着剤は、単独あるいは複数併用して使用
することも可能である。
【0024】本発明には、必要に応じて分散剤、増粘
剤、潤滑剤、消泡剤、耐水化剤、防腐剤等の各種助剤を
添加することができる。
剤、潤滑剤、消泡剤、耐水化剤、防腐剤等の各種助剤を
添加することができる。
【0025】本発明の塗被紙用塗液添加物を添加した塗
被紙用塗液組成物の調製方法は特に限定しないが、例え
ば、顔料スラリーに所定量の水不溶性または/及び水膨
潤性カルボキシメチルセルロースを添加するか、顔料、
接着剤、その他各添加剤が入っている塗液に所定量のカ
ルボキシメチルセルロースを添加するか、または各種ラ
テックスに予め所定量のカルボキシメチルセルロースを
添加し、調製したものを顔料スラリーに添加する等の方
法がある。
被紙用塗液組成物の調製方法は特に限定しないが、例え
ば、顔料スラリーに所定量の水不溶性または/及び水膨
潤性カルボキシメチルセルロースを添加するか、顔料、
接着剤、その他各添加剤が入っている塗液に所定量のカ
ルボキシメチルセルロースを添加するか、または各種ラ
テックスに予め所定量のカルボキシメチルセルロースを
添加し、調製したものを顔料スラリーに添加する等の方
法がある。
【0026】本発明の塗被紙用塗液添加物を添加した塗
被紙用塗液組成物を塗被する方法については特に限定さ
れず、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エ
アーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコ
ーター、ショートドウエルコーター等の公知の塗被装置
が適宜選択して使用される。更に、塗被基材としては、
紙、プラスチックフィルム、合成紙等が用いられる。
被紙用塗液組成物を塗被する方法については特に限定さ
れず、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エ
アーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコ
ーター、ショートドウエルコーター等の公知の塗被装置
が適宜選択して使用される。更に、塗被基材としては、
紙、プラスチックフィルム、合成紙等が用いられる。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお各物性の評価は以下の測定方法に従って
行われたものである。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお各物性の評価は以下の測定方法に従って
行われたものである。
【0028】〈評価方法〉 1)結晶化度 セルロースI型の結晶化度は、試料のX線回折を測定す
ることで求めた。
ることで求めた。
【0029】X線回折の測定は、適当量の試料をガラス
セルに乗せ、X線回折測定装置(RAD−2Cシステ
ム、理学電機社製)を用いて行った。
セルに乗せ、X線回折測定装置(RAD−2Cシステ
ム、理学電機社製)を用いて行った。
【0030】セルロースI型の結晶化度の算出は、Sega
l らの手法(L.Segal, J.J.Greelyet al, Text. Res.
J., 29, 786, 1959 )、並びにKamideらの手法(K. Kam
ideet al, Polymer J., 17, 909, 1985)を用いて行
い、X線回折測定から得られた回折図の2θ=4°〜3
2°の回折強度をベースラインとして、002面の回折
強度と2θ=18. 5°のアモルファス部分の回折強度
から次式により算出した。
l らの手法(L.Segal, J.J.Greelyet al, Text. Res.
J., 29, 786, 1959 )、並びにKamideらの手法(K. Kam
ideet al, Polymer J., 17, 909, 1985)を用いて行
い、X線回折測定から得られた回折図の2θ=4°〜3
2°の回折強度をベースラインとして、002面の回折
強度と2θ=18. 5°のアモルファス部分の回折強度
から次式により算出した。
【0031】 χc={(I 002c−Ia)/I 002c}×100 χc:セルロースI型の結晶化度(%) I002c:2θ=22. 6°、002面の回折強度 Ia:2θ=18. 5°、アモルファス部分の回折強度 2)体積平均粒子径 体積平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布計(マイ
クロトラックModel−9220−SRA、日機装社
製)を用いて測定したときの粒子全体の体積に対して積
算体積が50%になるときの粒子の球形積算直径(D50
値)とした。3)塗被液粘度 B型粘度計(東京計器社製)のNO.4ローターを用い
て、25℃、60rpmで測定を行った。
クロトラックModel−9220−SRA、日機装社
製)を用いて測定したときの粒子全体の体積に対して積
算体積が50%になるときの粒子の球形積算直径(D50
値)とした。3)塗被液粘度 B型粘度計(東京計器社製)のNO.4ローターを用い
て、25℃、60rpmで測定を行った。
【0032】4)ドライピック強度 RI−II型印刷適性試験機(明製作所製)を用いて印
刷用インキ(東洋インキTV−24墨、インキタック=
24、0.5cc)でベタ印刷し、印刷面のピッキング
の程度を目視判定した。5段階評価で5が最も良い水
準。
刷用インキ(東洋インキTV−24墨、インキタック=
24、0.5cc)でベタ印刷し、印刷面のピッキング
の程度を目視判定した。5段階評価で5が最も良い水
準。
【0033】5)耐ブリスター性 両面塗被した塗被紙の両面にオフセット輪転印刷用イン
キ(東洋インキTKマークVニュー617墨M、0.5
cc)をRI−II型印刷適性試験機にて、ベタ印刷
し、試験片とした。この試験片を加熱したシリコンオイ
ル中に浸漬し、ブリスターの発生した温度を読み取っ
た。
キ(東洋インキTKマークVニュー617墨M、0.5
cc)をRI−II型印刷適性試験機にて、ベタ印刷
し、試験片とした。この試験片を加熱したシリコンオイ
ル中に浸漬し、ブリスターの発生した温度を読み取っ
た。
【0034】6)白紙光沢 塗被紙を、村上式グロスメーターにて、光沢を75°−
75°の反射率で測定した。
75°の反射率で測定した。
【0035】7)印刷光沢 塗被紙をRI−II型印刷適性試験機(明製作所製)を
用いて、印刷用インキ(東洋インキニューブライト藍、
0.3cc)でベタ印刷後、村上式グロスメーターに
て、光沢を75°−75°の反射率で測定した。
用いて、印刷用インキ(東洋インキニューブライト藍、
0.3cc)でベタ印刷後、村上式グロスメーターに
て、光沢を75°−75°の反射率で測定した。
【0036】[実施例1]カルボキシメチルセルロース
は、市販木材パルプを細断後、1N- 塩酸中、95℃で
2時間加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗
浄、脱液、乾燥の後、粉砕して得られた微細セルロース
100重量部をイソプロパノール(IPA)480重量
部と水65重量部と水酸化ナトリウム14重量部の混合
液中に入れ、30℃で1時間撹拌、次いでモノクロル酢
酸13重量部を溶解させた80%IPA50gを添加し
70℃に昇温、1.5時間反応させた後、中和、70%
メタノールによる洗浄及び乾燥することで得た。得られ
た生成物は、置換度=0.17、セルロースI型結晶化
度=78.7%、体積平均粒子径=22.7μmであっ
た。
は、市販木材パルプを細断後、1N- 塩酸中、95℃で
2時間加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗
浄、脱液、乾燥の後、粉砕して得られた微細セルロース
100重量部をイソプロパノール(IPA)480重量
部と水65重量部と水酸化ナトリウム14重量部の混合
液中に入れ、30℃で1時間撹拌、次いでモノクロル酢
酸13重量部を溶解させた80%IPA50gを添加し
70℃に昇温、1.5時間反応させた後、中和、70%
メタノールによる洗浄及び乾燥することで得た。得られ
た生成物は、置換度=0.17、セルロースI型結晶化
度=78.7%、体積平均粒子径=22.7μmであっ
た。
【0037】得られたカルボキシメチルセルロースを用
いて以下の配合処方にて塗被紙用塗液組成物を調製し
た。
いて以下の配合処方にて塗被紙用塗液組成物を調製し
た。
【0038】 『配合処方』 カオリンクレー 70重量部 重質炭酸カルシウム 30重量部 カルボキシメチルセルロース 5重量部 分散剤 0.3重量部 NaOH 0.1重量部 デンプン 3重量部 SBラテックス 13重量部 全固形分 62重量% カオリンクレー(ウルトラホワイト90;EMC社製)
70重量部、重質炭酸カルシウム(エスカロン150
0;三共精粉社製)30重量部、分散剤(アロンT−4
0;東亜合成社製)0. 3重量部、苛性ソーダ0. 1重
量部の配合比率からなる所定量の顔料スラリーを調製
し、これにデンプン(MS3600;日本食品社製)3
重量部とSBラテックス(JSR社製;JSR061
7)13重量部、次いで上記で生成したカルボキシメチ
ルセルロース5重量部を加えて固形分62重量%になる
ように塗被紙用塗液を調製した。
70重量部、重質炭酸カルシウム(エスカロン150
0;三共精粉社製)30重量部、分散剤(アロンT−4
0;東亜合成社製)0. 3重量部、苛性ソーダ0. 1重
量部の配合比率からなる所定量の顔料スラリーを調製
し、これにデンプン(MS3600;日本食品社製)3
重量部とSBラテックス(JSR社製;JSR061
7)13重量部、次いで上記で生成したカルボキシメチ
ルセルロース5重量部を加えて固形分62重量%になる
ように塗被紙用塗液を調製した。
【0039】上記塗被液を化学パルプから抄紙された原
紙にベンチコーターを用いて10m/min の速度で片面
に塗被した後、150℃で乾燥した。この時の塗被量は
12g/m2 であった。得られた塗被紙は更に20℃相
対湿度65%の条件にて一昼夜調湿した後、スーパーカ
レンダー掛け(ロール温度60℃、線圧150kg/cm、
2回通紙)を行い、再び20℃相対湿度65%の条件に
て一昼夜調湿したものを試験片とした。各種物性の評価
結果は、表1に示した。
紙にベンチコーターを用いて10m/min の速度で片面
に塗被した後、150℃で乾燥した。この時の塗被量は
12g/m2 であった。得られた塗被紙は更に20℃相
対湿度65%の条件にて一昼夜調湿した後、スーパーカ
レンダー掛け(ロール温度60℃、線圧150kg/cm、
2回通紙)を行い、再び20℃相対湿度65%の条件に
て一昼夜調湿したものを試験片とした。各種物性の評価
結果は、表1に示した。
【0040】[実施例2]カルボキシメチルセルロース
の添加量を10部に変更した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表1にその配合内容及び評価結果を示した。
の添加量を10部に変更した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表1にその配合内容及び評価結果を示した。
【0041】[実施例3]カルボキシメチルセルロース
の添加量を22部に変更した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表1にその配合内容及び評価結果を示した。
の添加量を22部に変更した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表1にその配合内容及び評価結果を示した。
【0042】[実施例4]カルボキシメチルセルロース
(置換度=0.17、セルロースI型結晶化度=80.
1%、体積平均粒子径=35.7μm)を用いた以外は
実施例1と同一条件下で作製した塗被紙について、各種
物性の評価を行った。表1にその配合内容及び評価結果
を示した。
(置換度=0.17、セルロースI型結晶化度=80.
1%、体積平均粒子径=35.7μm)を用いた以外は
実施例1と同一条件下で作製した塗被紙について、各種
物性の評価を行った。表1にその配合内容及び評価結果
を示した。
【0043】[実施例5]カルボキシメチルセルロース
(置換度=0.17、セルロースI型結晶化度=72.
3%、体積平均粒子径=2.6μm)を用いた以外は実
施例1と同一条件下で作製した塗被紙について、各種物
性の評価を行った。表1にその配合内容及び評価結果を
示した。
(置換度=0.17、セルロースI型結晶化度=72.
3%、体積平均粒子径=2.6μm)を用いた以外は実
施例1と同一条件下で作製した塗被紙について、各種物
性の評価を行った。表1にその配合内容及び評価結果を
示した。
【0044】[実施例6]カルボキシメチルセルロース
(置換度=0.30、セルロースI型結晶化度=64.
2%、体積平均粒子径=22.5μm)を用いた以外は
実施例1と同一条件下で作製した塗被紙について、各種
物性の評価を行った。表1にその配合内容及び評価結果
を示した。
(置換度=0.30、セルロースI型結晶化度=64.
2%、体積平均粒子径=22.5μm)を用いた以外は
実施例1と同一条件下で作製した塗被紙について、各種
物性の評価を行った。表1にその配合内容及び評価結果
を示した。
【0045】[実施例7]ラテックスをL−1036
(旭化成工業社製)に変更した以外は実施例1と同じ条
件で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行っ
た。表1にその配合内容及び評価結果を示した。
(旭化成工業社製)に変更した以外は実施例1と同じ条
件で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行っ
た。表1にその配合内容及び評価結果を示した。
【0046】
【表1】 [比較例1]カルボキシメチルセルロースを添加しない
以外は実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、
各種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価
結果を示した。
以外は実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、
各種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価
結果を示した。
【0047】[比較例2]カルボキシメチルセルロース
の添加量を30部に変更した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表2にその配合内容及び評価結果を示した。
の添加量を30部に変更した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表2にその配合内容及び評価結果を示した。
【0048】[比較例3]カルボキシメチルセルロース
(置換度=0.004、セルロースI型結晶化度=9
0.1%、体積平均粒子径=22.8μm)を用いた以
外は実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各
種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結
果を示した。
(置換度=0.004、セルロースI型結晶化度=9
0.1%、体積平均粒子径=22.8μm)を用いた以
外は実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各
種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結
果を示した。
【0049】[比較例4]カルボキシメチルセルロース
(置換度=0.63、セルロースI型結晶化度=47.
3%、体積平均粒子径=25.1μm)を用いた以外は
実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各種物
性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結果を
示した。
(置換度=0.63、セルロースI型結晶化度=47.
3%、体積平均粒子径=25.1μm)を用いた以外は
実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各種物
性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結果を
示した。
【0050】[比較例5]カルボキシメチルセルロース
(置換度=0.18、セルロースI型結晶化度=82.
7%、体積平均粒子径=45.8μm)を用いた以外は
実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各種物
性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結果を
示した。
(置換度=0.18、セルロースI型結晶化度=82.
7%、体積平均粒子径=45.8μm)を用いた以外は
実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各種物
性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結果を
示した。
【0051】[比較例6]カルボキシメチルセルロース
の代わりに微結晶セルロース(アビセルPH−M06;
旭化成工業社製)を添加した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表2にその配合内容及び評価結果を示した。
の代わりに微結晶セルロース(アビセルPH−M06;
旭化成工業社製)を添加した以外は実施例1と同じ条件
で作製した塗被紙について、各種物性の評価を行った。
表2にその配合内容及び評価結果を示した。
【0052】[比較例7]実施例7のラテックスを使用
した以外は比較例1と同じ条件で作製した塗被紙につい
て、各種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び
評価結果を示した。
した以外は比較例1と同じ条件で作製した塗被紙につい
て、各種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び
評価結果を示した。
【0053】[比較例8]カルボキシメチルセルロース
(置換度=0.007、セルロースI型結晶化度=8
7.2%、体積平均粒子径=25.1μm)を用いた以
外は実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各
種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結
果を示した。
(置換度=0.007、セルロースI型結晶化度=8
7.2%、体積平均粒子径=25.1μm)を用いた以
外は実施例1と同じ条件で作製した塗被紙について、各
種物性の評価を行った。表2にその配合内容及び評価結
果を示した。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の塗被紙用添加物は、それを含有
する塗液を塗被した塗被紙に極めて優れた耐ブリスター
性と高いドライピック強度のみならず、優れた印刷光沢
を付与することができる。
する塗液を塗被した塗被紙に極めて優れた耐ブリスター
性と高いドライピック強度のみならず、優れた印刷光沢
を付与することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 カルボキシメチルエーテル基置換度が
0. 01以上0. 4未満であり、且つセルロースI型の
結晶化度が50%以上88%未満であるカルボキシメチ
ルセルロースを顔料100重量部に対し、固形分換算で
1〜25重量部の割合で添加することを特徴とする塗被
紙用塗液添加物。 - 【請求項2】 カルボキシメチルセルロースの体積平均
粒子径が40μm以下であることを特徴とする請求項1
に記載の塗被紙用塗液添加物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31073097A JPH11140793A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 塗被紙用塗液添加物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31073097A JPH11140793A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 塗被紙用塗液添加物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11140793A true JPH11140793A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=18008796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31073097A Pending JPH11140793A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 塗被紙用塗液添加物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11140793A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009068130A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Nippon A & L Kk | 高炭酸カルシウム含有紙塗工用組成物 |
JP2011207938A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリウレタン樹脂製造用活性水素成分 |
WO2019189611A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-03 | 日本製紙株式会社 | ミクロフィブリルセルロース繊維を含有する紙 |
WO2019221272A1 (ja) * | 2018-05-18 | 2019-11-21 | 日本製紙株式会社 | カルボキシメチル化パルプの粉砕物及び該粉砕物を含む添加剤 |
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WO2019230177A1 (ja) * | 2018-05-29 | 2019-12-05 | 日本製紙株式会社 | カルボキシメチル化セルロースを含有する紙 |
CN114585694A (zh) * | 2019-11-04 | 2022-06-03 | 斯道拉恩索公司 | 用于降低纤维素幅材的吸油性的涂层 |
US11512037B2 (en) | 2020-10-20 | 2022-11-29 | Sds Biotech K.K. | Process for producing dimethyl 2,3,5,6-tetrachloro-1,4-benzenedicarboxylate |
WO2023112914A1 (en) * | 2021-12-14 | 2023-06-22 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Coating Agent for Paper Base Material |
JP2023114336A (ja) * | 2022-02-04 | 2023-08-17 | 熊本県 | 水性塗料組成物および塗膜 |
-
1997
- 1997-11-12 JP JP31073097A patent/JPH11140793A/ja active Pending
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WO2019221272A1 (ja) * | 2018-05-18 | 2019-11-21 | 日本製紙株式会社 | カルボキシメチル化パルプの粉砕物及び該粉砕物を含む添加剤 |
WO2019221273A1 (ja) * | 2018-05-18 | 2019-11-21 | 日本製紙株式会社 | カルボキシメチルセルロースを含有する分散組成物 |
US12031016B2 (en) | 2018-05-18 | 2024-07-09 | Nippon Paper Industries Co., Ltd. | Dispersion composition containing carboxymethyl cellulose |
CN112135529A (zh) * | 2018-05-18 | 2020-12-25 | 日本制纸株式会社 | 羧甲基化纸浆的粉碎物和含有该粉碎物的添加剂 |
JPWO2019221272A1 (ja) * | 2018-05-18 | 2021-07-15 | 日本製紙株式会社 | カルボキシメチル化パルプの粉砕物及び該粉砕物を含む添加剤 |
EP3815542A4 (en) * | 2018-05-18 | 2022-03-02 | Nippon Paper Industries Co., Ltd. | DISPERSION COMPOSITION CONTAINING CARBOXYMETHYLCELLULOSE |
JPWO2019230177A1 (ja) * | 2018-05-29 | 2021-06-10 | 日本製紙株式会社 | カルボキシメチル化セルロースを含有する紙 |
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