JPH11149063A - 反射防止膜付き眼鏡レンズ - Google Patents
反射防止膜付き眼鏡レンズInfo
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- JPH11149063A JPH11149063A JP9297694A JP29769497A JPH11149063A JP H11149063 A JPH11149063 A JP H11149063A JP 9297694 A JP9297694 A JP 9297694A JP 29769497 A JP29769497 A JP 29769497A JP H11149063 A JPH11149063 A JP H11149063A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来の眼鏡レンズと同等の外観、反射防止機能
をもち、さらに電磁波遮蔽機能を有する反射防止膜付き
眼鏡レンズを提供する。 【解決手段】本発明の反射防止膜付き眼鏡レンズ1A
は、屈折率が1.55〜1.75の眼鏡レンズ2に、眼
鏡レンズ面に最も近い層を第1層目として光学膜厚46
〜60nmのSiO2 からなる層3と、第2層目として光
学膜厚65〜79nmのITO膜からなる層4と、第3層
目として光学膜厚18〜22nmのSiO2 からなる層5
と、第4層目として光学膜厚200〜254nmのTiO
2 、ZrO2、Ta2 O5 のうち少なくとも1つを含む
材料からなる層6と、第5層目として光学膜厚103〜
126nmのSiO2 からなる層7とから構成された反射
防止膜9が設けられている。なお、眼鏡レンズ2にハー
ドコート層8が設けられていてもよい。
をもち、さらに電磁波遮蔽機能を有する反射防止膜付き
眼鏡レンズを提供する。 【解決手段】本発明の反射防止膜付き眼鏡レンズ1A
は、屈折率が1.55〜1.75の眼鏡レンズ2に、眼
鏡レンズ面に最も近い層を第1層目として光学膜厚46
〜60nmのSiO2 からなる層3と、第2層目として光
学膜厚65〜79nmのITO膜からなる層4と、第3層
目として光学膜厚18〜22nmのSiO2 からなる層5
と、第4層目として光学膜厚200〜254nmのTiO
2 、ZrO2、Ta2 O5 のうち少なくとも1つを含む
材料からなる層6と、第5層目として光学膜厚103〜
126nmのSiO2 からなる層7とから構成された反射
防止膜9が設けられている。なお、眼鏡レンズ2にハー
ドコート層8が設けられていてもよい。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、反射防止膜付き眼
鏡レンズ、特に電磁波遮蔽機能を有する反射防止膜付き
眼鏡レンズに関するものである。
鏡レンズ、特に電磁波遮蔽機能を有する反射防止膜付き
眼鏡レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に眼鏡レンズには、眼鏡レンズ基
材自身の光の散乱等を防止し視界を良好に保つため、ま
たは空気と眼鏡レンズとの光学的境界面における屈折率
を調節する目的で表面に反射防止膜が形成されている。
かかる反射防止膜は通常、高屈折率層と低屈折率層とを
交互に積層することにより形成されている。
材自身の光の散乱等を防止し視界を良好に保つため、ま
たは空気と眼鏡レンズとの光学的境界面における屈折率
を調節する目的で表面に反射防止膜が形成されている。
かかる反射防止膜は通常、高屈折率層と低屈折率層とを
交互に積層することにより形成されている。
【0003】近年、コンピュータやパソコン等のOA機
器の普及により、陰極線管(CRT)を用いた表示装置
から放出される電磁波の人体へ及ぼす影響が問題とされ
ている。ところが、表示画面に対面する際、電磁波の影
響を強く受けると予想される目を特に保護するためのも
のはなく、反射防止機能と電磁波遮蔽機能を同時に付与
する反射防止膜付き眼鏡レンズが必要とされている。
器の普及により、陰極線管(CRT)を用いた表示装置
から放出される電磁波の人体へ及ぼす影響が問題とされ
ている。ところが、表示画面に対面する際、電磁波の影
響を強く受けると予想される目を特に保護するためのも
のはなく、反射防止機能と電磁波遮蔽機能を同時に付与
する反射防止膜付き眼鏡レンズが必要とされている。
【0004】一方、CRTから放出される電磁波から人
体を保護する手段として、CRT表示装置の画面表面に
貼着する反射防止フィルム等が考案されている。例えば
特開平9−80205号公報には、プラスチック基材上
に、ITO膜を高屈折率層として機能させ、低屈折率層
と積層することにより電磁波遮蔽機能を付与したCRT
パネル用等の光反射防止フィルムが開示されている。
体を保護する手段として、CRT表示装置の画面表面に
貼着する反射防止フィルム等が考案されている。例えば
特開平9−80205号公報には、プラスチック基材上
に、ITO膜を高屈折率層として機能させ、低屈折率層
と積層することにより電磁波遮蔽機能を付与したCRT
パネル用等の光反射防止フィルムが開示されている。
【0005】しかし、特開平9−80205号公報に開
示されたCRTパネル用の光反射防止膜は、反射防止機
能および電磁波遮蔽機能を有しているものの、このよう
な反射防止膜を眼鏡レンズに設けた場合、従来の眼鏡レ
ンズと同等の透過率および反射率、反射色等の反射特性
を発揮し得ず、眼鏡用として使用するためには不十分な
ものであった。
示されたCRTパネル用の光反射防止膜は、反射防止機
能および電磁波遮蔽機能を有しているものの、このよう
な反射防止膜を眼鏡レンズに設けた場合、従来の眼鏡レ
ンズと同等の透過率および反射率、反射色等の反射特性
を発揮し得ず、眼鏡用として使用するためには不十分な
ものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、CR
Tから放出される電磁波から人体、特に目を保護し、か
つ従来の眼鏡レンズの反射色等の反射特性や可視領域
(400nm〜700nm付近)における高い透過率を維持
し、従来の眼鏡レンズの外観上、機能上の特性が同等で
あって、さらに反射防止膜の構成を簡素化し得る反射防
止膜付き眼鏡レンズを提供することにある。
Tから放出される電磁波から人体、特に目を保護し、か
つ従来の眼鏡レンズの反射色等の反射特性や可視領域
(400nm〜700nm付近)における高い透過率を維持
し、従来の眼鏡レンズの外観上、機能上の特性が同等で
あって、さらに反射防止膜の構成を簡素化し得る反射防
止膜付き眼鏡レンズを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1)〜(13)の本発明により達成される。
【0008】(1) 基材となる眼鏡レンズと、複数の
層が積層された反射防止膜とを有する反射防止膜付き眼
鏡レンズにおいて、前記反射防止膜に透明導電性膜が少
なくとも1層含まれており、該透明導電性膜の光学膜厚
の合計が40〜220nmであることを特徴とする反射防
止膜付き眼鏡レンズ。
層が積層された反射防止膜とを有する反射防止膜付き眼
鏡レンズにおいて、前記反射防止膜に透明導電性膜が少
なくとも1層含まれており、該透明導電性膜の光学膜厚
の合計が40〜220nmであることを特徴とする反射防
止膜付き眼鏡レンズ。
【0009】(2) 前記反射防止膜は互いに隣接する
層間の屈折率変化が増加と減少とを交互に繰返すように
構成されている上記(1)に記載の反射防止膜付き眼鏡
レンズ。
層間の屈折率変化が増加と減少とを交互に繰返すように
構成されている上記(1)に記載の反射防止膜付き眼鏡
レンズ。
【0010】(3) 前記反射防止膜は屈折率が1.5
以下の低屈折率層と、屈折率が2以上の高屈折率層とを
それぞれ少なくとも1層含む上記(1)または(2)に
記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
以下の低屈折率層と、屈折率が2以上の高屈折率層とを
それぞれ少なくとも1層含む上記(1)または(2)に
記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
【0011】(4) 前記高屈折率層はTiO2 、Zr
O2 、Ta2 O5 のうち少なくとも1つを含む材料で構
成されている上記(3)に記載の反射防止膜付き眼鏡レ
ンズ。
O2 、Ta2 O5 のうち少なくとも1つを含む材料で構
成されている上記(3)に記載の反射防止膜付き眼鏡レ
ンズ。
【0012】(5) 前記反射防止膜の層数は3〜7で
ある上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の反射防
止膜付き眼鏡レンズ。
ある上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の反射防
止膜付き眼鏡レンズ。
【0013】(6) 前記透明導電性膜は、その両面が
それぞれ前記反射防止膜を構成する他の層のいずれかに
接触しているかまたは前記反射防止膜中の前記眼鏡レン
ズに最も近い位置に設けられている上記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
それぞれ前記反射防止膜を構成する他の層のいずれかに
接触しているかまたは前記反射防止膜中の前記眼鏡レン
ズに最も近い位置に設けられている上記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
【0014】(7) 視感反射率が2%以下である上記
(1)ないし(6)のいずれかに記載の反射防止膜付き
眼鏡レンズ。
(1)ないし(6)のいずれかに記載の反射防止膜付き
眼鏡レンズ。
【0015】(8) 可視領域において、入射方向の相
異なる光線の反射率の差が0.5%以下である上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の反射防止膜付き
眼鏡レンズ。
異なる光線の反射率の差が0.5%以下である上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の反射防止膜付き
眼鏡レンズ。
【0016】(9) 眼鏡レンズに、該眼鏡レンズに最
も近い層を第1層目として、光学膜厚46〜60nmのS
iO2 からなる層と、第2層目として光学膜厚65〜7
9nmのITO膜からなる層と、第3層目として光学膜厚
18〜22nmのSiO2 からなる層と、第4層目として
光学膜厚200〜254nmのTiO2 、ZrO2 、Ta
2 O5のうち少なくとも1つを含む材料からなる層と、
第5層目として光学膜厚103〜126nmのSiO2 か
らなる層とから構成された反射防止膜を設けたことを特
徴とする反射防止膜付き眼鏡レンズ。
も近い層を第1層目として、光学膜厚46〜60nmのS
iO2 からなる層と、第2層目として光学膜厚65〜7
9nmのITO膜からなる層と、第3層目として光学膜厚
18〜22nmのSiO2 からなる層と、第4層目として
光学膜厚200〜254nmのTiO2 、ZrO2 、Ta
2 O5のうち少なくとも1つを含む材料からなる層と、
第5層目として光学膜厚103〜126nmのSiO2 か
らなる層とから構成された反射防止膜を設けたことを特
徴とする反射防止膜付き眼鏡レンズ。
【0017】(10) 眼鏡レンズに、該眼鏡レンズに最
も近い層を第1層目として光学膜厚25.2〜46.8
nmのITO膜からなる層と、第2層目として光学膜厚1
2.0〜26.0nmのSiO2 からなる層と、第3層目
として光学膜厚52.5〜97.5nmのTiO2 、Zr
O2 、Ta2O5 のうち少なくとも1つを含む材料から
なる層と、第4層目として光学膜厚25.2〜46.8
nmのITO膜からなる層と、第5層目として光学膜厚6
1.2〜113.8nmのTiO2 、ZrO2 、Ta2 O
5 のうち少なくとも1つを含む材料からなる層と、第6
層目として光学膜厚87.5〜162.5nmのSiO2
からなる層とから構成された反射防止膜を設けたことを
特徴とする反射防止膜付き眼鏡レンズ。
も近い層を第1層目として光学膜厚25.2〜46.8
nmのITO膜からなる層と、第2層目として光学膜厚1
2.0〜26.0nmのSiO2 からなる層と、第3層目
として光学膜厚52.5〜97.5nmのTiO2 、Zr
O2 、Ta2O5 のうち少なくとも1つを含む材料から
なる層と、第4層目として光学膜厚25.2〜46.8
nmのITO膜からなる層と、第5層目として光学膜厚6
1.2〜113.8nmのTiO2 、ZrO2 、Ta2 O
5 のうち少なくとも1つを含む材料からなる層と、第6
層目として光学膜厚87.5〜162.5nmのSiO2
からなる層とから構成された反射防止膜を設けたことを
特徴とする反射防止膜付き眼鏡レンズ。
【0018】(11) 前記眼鏡レンズの屈折率が1.5
5〜1.75である上記(1)ないし(10)のいずれか
に記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
5〜1.75である上記(1)ないし(10)のいずれか
に記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
【0019】(12) 前記眼鏡レンズにハードコート層
が設けられている上記(1)ないし(11)のいずれかに
記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
が設けられている上記(1)ないし(11)のいずれかに
記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
【0020】(13) 前記ハードコート層は厚さが1.
0〜2.5μmであり、前記眼鏡レンズと同一屈折率で
ある上記(12)に記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
0〜2.5μmであり、前記眼鏡レンズと同一屈折率で
ある上記(12)に記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の反射防止膜付き眼
鏡レンズを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に
説明する。
鏡レンズを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に
説明する。
【0022】図1は、本発明の反射防止膜付き眼鏡レン
ズの実施例を示す一部断面図である。図に示すように、
本発明の反射防止膜付き眼鏡レンズ1Aは大きく分け
て、眼鏡レンズ2と、ハードコート層8と、5層の積層
体で構成された反射防止膜9とから構成されている。
ズの実施例を示す一部断面図である。図に示すように、
本発明の反射防止膜付き眼鏡レンズ1Aは大きく分け
て、眼鏡レンズ2と、ハードコート層8と、5層の積層
体で構成された反射防止膜9とから構成されている。
【0023】以下、これらの各構成要素について順次説
明する。眼鏡レンズ2の基材としては特に限定されない
が、例えば、無色または有色透明の各種硝材またはプラ
スチック材料が挙げられる。プラスチック材料の具体例
としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂等が挙げられる。
明する。眼鏡レンズ2の基材としては特に限定されない
が、例えば、無色または有色透明の各種硝材またはプラ
スチック材料が挙げられる。プラスチック材料の具体例
としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂等が挙げられる。
【0024】この眼鏡レンズ2の屈折率は特に限定され
ないが、1.55〜1.75程度であることが好まし
い。なお、ここでいう屈折率とは波長550nmの屈折率
のことを意味する(以下同様)。
ないが、1.55〜1.75程度であることが好まし
い。なお、ここでいう屈折率とは波長550nmの屈折率
のことを意味する(以下同様)。
【0025】また、反射防止膜9が設けられる眼鏡レン
ズ2の面形状は、図1のごとく平面であっても、または
曲面であってもよい。
ズ2の面形状は、図1のごとく平面であっても、または
曲面であってもよい。
【0026】眼鏡レンズ2にはハードコート層8が設け
られていることが好ましい。これにより、眼鏡レンズ2
の表面硬度等の物理的特性を改質することができ、また
後述する眼鏡レンズ2と反射防止膜9との密着性(付着
強度)を向上させることができる。かかるハードコート
層8は、厚さが1.0〜2.5μmであり、眼鏡レンズ
2と同一屈折率であることが好ましい。厚さをこの範囲
とすることにより、眼鏡レンズ2の透過率を変化させず
に上記効果を得ることができる。また、眼鏡レンズ2と
同一屈折率であることにより、眼鏡レンズ基材の光学的
特性を維持することが容易になる。
られていることが好ましい。これにより、眼鏡レンズ2
の表面硬度等の物理的特性を改質することができ、また
後述する眼鏡レンズ2と反射防止膜9との密着性(付着
強度)を向上させることができる。かかるハードコート
層8は、厚さが1.0〜2.5μmであり、眼鏡レンズ
2と同一屈折率であることが好ましい。厚さをこの範囲
とすることにより、眼鏡レンズ2の透過率を変化させず
に上記効果を得ることができる。また、眼鏡レンズ2と
同一屈折率であることにより、眼鏡レンズ基材の光学的
特性を維持することが容易になる。
【0027】ハードコート層8の構成材料としては特に
限定されず、シリコン系材料、多官能アクリル系材料、
ウレタン樹脂系材料、メラミン樹脂系材料等が挙げられ
る。
限定されず、シリコン系材料、多官能アクリル系材料、
ウレタン樹脂系材料、メラミン樹脂系材料等が挙げられ
る。
【0028】シリコン系材料としては、例えばテトラア
ルコキシシランまたはアルキルトリアルコキシシランと
エポキシ基やメタクリル基等の官能基を有するシランカ
ップリング剤の共加水分解物等が挙げられる。
ルコキシシランまたはアルキルトリアルコキシシランと
エポキシ基やメタクリル基等の官能基を有するシランカ
ップリング剤の共加水分解物等が挙げられる。
【0029】また、多官能アクリル系材料としては、例
えば、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレ
ート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等
を挙げることができる。さらに、ウレタン系材料として
は、メラミンポリウレタン等が挙げられる。
えば、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレ
ート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等
を挙げることができる。さらに、ウレタン系材料として
は、メラミンポリウレタン等が挙げられる。
【0030】ハードコート層8の形成方法は特に限定さ
れず、例えば、ディッピングコーティング法、スピンコ
ーティング法、スプレーコーティング法、フローコーテ
ィング法等の各種塗布法により形成することができる。
れず、例えば、ディッピングコーティング法、スピンコ
ーティング法、スプレーコーティング法、フローコーテ
ィング法等の各種塗布法により形成することができる。
【0031】眼鏡レンズ2には、複数の層が積層された
反射防止膜9が設けられている。反射防止膜9は互いに
隣接する層間の屈折率変化が増加と減少とを交互に繰返
すように構成されていることが好ましい。このような構
成とすることにより、反射防止効果を得ることができ、
また、反射防止膜9の層構成を簡素化することができ
る。
反射防止膜9が設けられている。反射防止膜9は互いに
隣接する層間の屈折率変化が増加と減少とを交互に繰返
すように構成されていることが好ましい。このような構
成とすることにより、反射防止効果を得ることができ、
また、反射防止膜9の層構成を簡素化することができ
る。
【0032】さらに、眼鏡レンズに対し入射方向の相異
なる光線、例えば眼鏡レンズ表面、裏面から入射する可
視光の反射率、反射色の差をできるだけ小さくすること
ができる。特に、反射防止膜9にITO膜が2層以上含
まれる場合にはこの効果がより効果的に発揮される。
なる光線、例えば眼鏡レンズ表面、裏面から入射する可
視光の反射率、反射色の差をできるだけ小さくすること
ができる。特に、反射防止膜9にITO膜が2層以上含
まれる場合にはこの効果がより効果的に発揮される。
【0033】例えば、屈折率が1.5以下の低屈折率層
と、屈折率が2以上の高屈折率層とをそれぞれ少なくと
も1層含むことが好ましい。これにより、反射防止効果
をより向上させることができる。
と、屈折率が2以上の高屈折率層とをそれぞれ少なくと
も1層含むことが好ましい。これにより、反射防止効果
をより向上させることができる。
【0034】高屈折率層の構成材料は特に限定されない
が、例えばTiO2 、ZrO2 、Ta2 O5 のうち少な
くとも1つを含む材料で構成されていることが好まし
い。
が、例えばTiO2 、ZrO2 、Ta2 O5 のうち少な
くとも1つを含む材料で構成されていることが好まし
い。
【0035】このような材料を用いることにより、高屈
折率かつ高耐久性の薄膜を形成することができる。
折率かつ高耐久性の薄膜を形成することができる。
【0036】また、各高屈折率層の光学膜厚は、光学膜
厚で50〜270nm程度が好ましく、60〜245nm程
度がより好ましい。この範囲の光学膜厚とすることによ
り、眼鏡レンズ2の特性を損うことなく、十分な反射防
止膜効果を得ることができる。
厚で50〜270nm程度が好ましく、60〜245nm程
度がより好ましい。この範囲の光学膜厚とすることによ
り、眼鏡レンズ2の特性を損うことなく、十分な反射防
止膜効果を得ることができる。
【0037】なお、高屈折率層が複数形成される場合に
は、各層の構成材料、光学膜厚は同じであっても異なる
ものであってもよい。
は、各層の構成材料、光学膜厚は同じであっても異なる
ものであってもよい。
【0038】低屈折率層の構成材料は、特に限定されな
いが、例えば、SiO2 、MgF2等のうち少なくとも
1つを含む材料で構成されていることが好ましく、なか
でもSiO2 から構成されるものが特に好ましい。この
ような材料を用いることにより、高耐久性であって、隣
接する層との密着性が良好な積層体を得ることができ
る。
いが、例えば、SiO2 、MgF2等のうち少なくとも
1つを含む材料で構成されていることが好ましく、なか
でもSiO2 から構成されるものが特に好ましい。この
ような材料を用いることにより、高耐久性であって、隣
接する層との密着性が良好な積層体を得ることができ
る。
【0039】各低屈折率層の光学膜厚は5〜200nm程
度が好ましく、10〜120nm程度がより好ましい。こ
の範囲の光学膜厚とすることにより、眼鏡レンズ2の特
性を損うことなく十分な反射防止効果を得ることができ
る。
度が好ましく、10〜120nm程度がより好ましい。こ
の範囲の光学膜厚とすることにより、眼鏡レンズ2の特
性を損うことなく十分な反射防止効果を得ることができ
る。
【0040】また、低屈折率層が複数形成される場合に
は、各層の構成材料、光学膜厚は同じであっても異なる
ものであってもよい。
は、各層の構成材料、光学膜厚は同じであっても異なる
ものであってもよい。
【0041】上記高屈折率層および低屈折率層の形成方
法は特に限定されず、例えば各種の真空蒸着法、プラズ
マ蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
等の気相成膜法により行われることが好ましい。これら
の成膜方法・成膜条件の選択により、屈折率、光学膜
厚、膜構成等を容易に制御することができる。
法は特に限定されず、例えば各種の真空蒸着法、プラズ
マ蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
等の気相成膜法により行われることが好ましい。これら
の成膜方法・成膜条件の選択により、屈折率、光学膜
厚、膜構成等を容易に制御することができる。
【0042】反射防止膜9の層数は3〜7であることが
好ましい。3層未満の場合、反射防止機能と電磁波遮蔽
機能との両方を十分に備える膜を得ることは困難であ
る。一方、7層を超える場合、膜の構成を簡素化するこ
とができず、製造工程も煩雑になりコスト高となる。
好ましい。3層未満の場合、反射防止機能と電磁波遮蔽
機能との両方を十分に備える膜を得ることは困難であ
る。一方、7層を超える場合、膜の構成を簡素化するこ
とができず、製造工程も煩雑になりコスト高となる。
【0043】反射防止膜9には、透明導電性膜4が少な
くとも1層含まれており、該透明導電性膜4の光学膜厚
の合計は40〜220nmである。
くとも1層含まれており、該透明導電性膜4の光学膜厚
の合計は40〜220nmである。
【0044】透明導電性膜4は可視光線に対しては透光
性を有するとともに導電性を有する膜である。これによ
り、反射防止膜9は反射防止特性と電磁波遮蔽特性とを
有することができる。
性を有するとともに導電性を有する膜である。これによ
り、反射防止膜9は反射防止特性と電磁波遮蔽特性とを
有することができる。
【0045】さらに、透明導電性膜4の光学膜厚の合計
は40〜220nmである。合計光学膜厚が40nm未満で
は電磁波遮蔽効果が十分に得られず、220nmを超える
場合、光(可視光)の透過率が悪くなり、また、反射特
性の劣化(反射防止効果の減少)を招くおそれがある。
さらには製造コストが高くつく。
は40〜220nmである。合計光学膜厚が40nm未満で
は電磁波遮蔽効果が十分に得られず、220nmを超える
場合、光(可視光)の透過率が悪くなり、また、反射特
性の劣化(反射防止効果の減少)を招くおそれがある。
さらには製造コストが高くつく。
【0046】このような透明導電性膜4の材料として
は、特に限定されないが、インジウム錫酸化物(IT
O)(SnをドープしたI2 O3 )が好ましい。ITO
膜は透明であり、また、比抵抗値が低く電磁波をより効
果的に遮蔽することができる。
は、特に限定されないが、インジウム錫酸化物(IT
O)(SnをドープしたI2 O3 )が好ましい。ITO
膜は透明であり、また、比抵抗値が低く電磁波をより効
果的に遮蔽することができる。
【0047】かかる透明導電性膜4は、その両面がそれ
ぞれ反射防止膜9を構成する他の層のいずれかに接触し
ているかまたは反射防止膜9中の眼鏡レンズ2に最も近
い位置に設けられていることが好ましい。すなわち、反
射防止膜9の最外層(表面)以外の位置に設けられてい
ることが好ましい。これにより、反射防止膜9の反射防
止効果がより有効に発揮され、また、反射防止膜9の表
面硬度を十分に維持することができる。
ぞれ反射防止膜9を構成する他の層のいずれかに接触し
ているかまたは反射防止膜9中の眼鏡レンズ2に最も近
い位置に設けられていることが好ましい。すなわち、反
射防止膜9の最外層(表面)以外の位置に設けられてい
ることが好ましい。これにより、反射防止膜9の反射防
止効果がより有効に発揮され、また、反射防止膜9の表
面硬度を十分に維持することができる。
【0048】透明導電性膜4の形成方法は、通常の成膜
方法、例えば各種の真空蒸着法、プラズマ蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、CVD等の気
相成膜法により行われることが好ましい。これにより透
明導電性膜4は、上記成膜方法・成膜条件の選択によ
り、容易に所定の光学膜厚、膜構成にすることができ
る。
方法、例えば各種の真空蒸着法、プラズマ蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、CVD等の気
相成膜法により行われることが好ましい。これにより透
明導電性膜4は、上記成膜方法・成膜条件の選択によ
り、容易に所定の光学膜厚、膜構成にすることができ
る。
【0049】上述のような反射防止膜9が形成された反
射防止膜付き眼鏡レンズ1の視感反射率は2%以下であ
ることが好ましく、1%以下であることが特に好まし
い。視感反射率が2%を超える場合、眼鏡レンズとして
使用するためには反射防止機能が十分なものとはいえな
い。
射防止膜付き眼鏡レンズ1の視感反射率は2%以下であ
ることが好ましく、1%以下であることが特に好まし
い。視感反射率が2%を超える場合、眼鏡レンズとして
使用するためには反射防止機能が十分なものとはいえな
い。
【0050】さらに、可視領域において、反射防止膜付
き眼鏡レンズに対し入射方向の相異なる光線の反射率の
差が0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下
であることがさらに好ましい。これにより、眼鏡レンズ
としての外観をより良好に維持することができる。
き眼鏡レンズに対し入射方向の相異なる光線の反射率の
差が0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下
であることがさらに好ましい。これにより、眼鏡レンズ
としての外観をより良好に維持することができる。
【0051】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について図を用
いて説明する。
いて説明する。
【0052】1.反射防止膜付き眼鏡レンズの作製 (実施例1)
【0053】眼鏡レンズ2(屈折率=1.66)の上
に、ハードコート層8(シランカップリング剤(金属ゾ
ルを添加したもの)、屈折率=1.66、厚さ=約2μ
m)をディッピング法により材料を塗布、乾燥した後、
硬化処理により形成した。
に、ハードコート層8(シランカップリング剤(金属ゾ
ルを添加したもの)、屈折率=1.66、厚さ=約2μ
m)をディッピング法により材料を塗布、乾燥した後、
硬化処理により形成した。
【0054】さらにその上に真空蒸着法により、表1に
示すような3〜7の5層からなる反射防止膜9を形成
し、両面反射防止膜付き眼鏡レンズ1Aを得た。
示すような3〜7の5層からなる反射防止膜9を形成
し、両面反射防止膜付き眼鏡レンズ1Aを得た。
【0055】
【表1】
【0056】(実施例2)表2に示すように、高屈折率
層6の材料をTa2 O5 とした以外は実施例1と同様に
して反射防止膜9を形成し、反射防止膜付き眼鏡レンズ
1Aを得た。
層6の材料をTa2 O5 とした以外は実施例1と同様に
して反射防止膜9を形成し、反射防止膜付き眼鏡レンズ
1Aを得た。
【0057】
【表2】
【0058】(実施例3)表3に示すように、高屈折率
層6の材料をZrO2 とした以外は実施例1と同様にし
て反射防止膜9を形成し、反射防止膜付き眼鏡レンズ1
Aを得た。
層6の材料をZrO2 とした以外は実施例1と同様にし
て反射防止膜9を形成し、反射防止膜付き眼鏡レンズ1
Aを得た。
【0059】
【表3】
【0060】(実施例4)眼鏡レンズ2(屈折率=1.
66)の上に、ハードコート層8(シランカップリング
剤(金属ゾルを添加したもの)、屈折率=1.66、厚
さ=約2μm)をディッピング法により材料を塗布、乾
燥した後、硬化処理により形成した。
66)の上に、ハードコート層8(シランカップリング
剤(金属ゾルを添加したもの)、屈折率=1.66、厚
さ=約2μm)をディッピング法により材料を塗布、乾
燥した後、硬化処理により形成した。
【0061】さらにその上に真空蒸着法により、表4お
よび図2に示すような23〜28の6層からなる反射防
止膜29を形成し、両面反射防止膜付き眼鏡レンズ1B
を得た。
よび図2に示すような23〜28の6層からなる反射防
止膜29を形成し、両面反射防止膜付き眼鏡レンズ1B
を得た。
【0062】
【表4】
【0063】(実施例5)表5に示すように、高屈折率
層25および27の材料をTa2 O5 とした以外は実施
例4と同様にして反射防止膜29を形成し、反射防止膜
付き眼鏡レンズ1Bを得た。
層25および27の材料をTa2 O5 とした以外は実施
例4と同様にして反射防止膜29を形成し、反射防止膜
付き眼鏡レンズ1Bを得た。
【0064】
【表5】
【0065】(実施例6)表6に示すように、高屈折率
層25および27の材料をZrO2 とした以外は実施例
4と同様にして反射防止膜29を形成し、反射防止膜付
き眼鏡レンズ1Bを得た。
層25および27の材料をZrO2 とした以外は実施例
4と同様にして反射防止膜29を形成し、反射防止膜付
き眼鏡レンズ1Bを得た。
【0066】
【表6】
【0067】(比較例)透明導電性膜4の代わりにTi
O2 層を設けた以外は実施例1と同様にして反射防止膜
付き眼鏡レンズを得た。
O2 層を設けた以外は実施例1と同様にして反射防止膜
付き眼鏡レンズを得た。
【0068】2.分光反射特性の評価 実施例1〜6および比較例で得られた反射防止膜付
き眼鏡レンズの反射防止膜による反射光の分光特性につ
いて評価を行った。各分光反射率曲線を図3〜図5(実
施例1〜3)および図19(比較例)に示す。また、実
施例4〜6については、反射防止膜付き眼鏡レンズの表
面と裏面各々の分光反射率曲線を図6〜図8に示す。な
お、分光反射率の測定は入射角5°で行った。
き眼鏡レンズの反射防止膜による反射光の分光特性につ
いて評価を行った。各分光反射率曲線を図3〜図5(実
施例1〜3)および図19(比較例)に示す。また、実
施例4〜6については、反射防止膜付き眼鏡レンズの表
面と裏面各々の分光反射率曲線を図6〜図8に示す。な
お、分光反射率の測定は入射角5°で行った。
【0069】 実施例1〜3および比較例で得られた
反射防止膜付き眼鏡レンズについて、CIE色度図によ
り分光反射特性の評価を行った。
反射防止膜付き眼鏡レンズについて、CIE色度図によ
り分光反射特性の評価を行った。
【0070】各反射防止膜付き眼鏡レンズの反射光のC
IE色度座標上の位置を示す色度図を図9〜図11(実
施例1〜3)、および図20(比較例)に示す。
IE色度座標上の位置を示す色度図を図9〜図11(実
施例1〜3)、および図20(比較例)に示す。
【0071】また、実施例4〜6の反射防止膜付き眼鏡
レンズに関しては、各々表面および裏面についてCIE
色度図により分光反射特性の評価を行った。
レンズに関しては、各々表面および裏面についてCIE
色度図により分光反射特性の評価を行った。
【0072】各反射防止膜付き眼鏡レンズ1Bの表面お
よび裏面における反射光の各々のCIE色度座標上の位
置を示す色度図を図12〜図17(実施例4〜6)に示
す。
よび裏面における反射光の各々のCIE色度座標上の位
置を示す色度図を図12〜図17(実施例4〜6)に示
す。
【0073】3.電磁波遮蔽機能評価実施例1および比
較例で得られた反射防止膜付き眼鏡レンズについて電磁
波遮蔽機能評価を行った。その結果を図18に示す。
較例で得られた反射防止膜付き眼鏡レンズについて電磁
波遮蔽機能評価を行った。その結果を図18に示す。
【0074】電磁波遮蔽機能評価は、電波暗室内にて図
21に模式的に示した装置により行った。
21に模式的に示した装置により行った。
【0075】まず、テストレンズ10がない状態でシグ
ナルジェネレータ(signal generator)12(ROHDE &
SCHWARZ 社製)からケーブル13を介して信号を送り、
金属製のカバー18に囲まれたアンテナ14から特定波
長(振動数)の電磁波を放射した。この電磁波を受信側
の金属製のカバー18に囲まれたアンテナ15とケーブ
ル16を介して受信器17([EMI Receiver] HP 社製)
で受信し、受信した電磁波の波長を測定する。
ナルジェネレータ(signal generator)12(ROHDE &
SCHWARZ 社製)からケーブル13を介して信号を送り、
金属製のカバー18に囲まれたアンテナ14から特定波
長(振動数)の電磁波を放射した。この電磁波を受信側
の金属製のカバー18に囲まれたアンテナ15とケーブ
ル16を介して受信器17([EMI Receiver] HP 社製)
で受信し、受信した電磁波の波長を測定する。
【0076】次に、テストレンズ10を窓19に設置
し、同じ特定波長の電磁波をアンテナ14からテストレ
ンズ10に照射する。テストレンズ10を透過した電磁
波をアンテナ15で受信して受信器17で電磁波の波長
を測定する。両者の測定値の比をとってテストレンズ1
0の電磁波遮蔽効果(減衰量)を算出する。電磁波の振
動数(波長)を変えて同様に数回測定を行った。
し、同じ特定波長の電磁波をアンテナ14からテストレ
ンズ10に照射する。テストレンズ10を透過した電磁
波をアンテナ15で受信して受信器17で電磁波の波長
を測定する。両者の測定値の比をとってテストレンズ1
0の電磁波遮蔽効果(減衰量)を算出する。電磁波の振
動数(波長)を変えて同様に数回測定を行った。
【0077】以上の結果から、実施例1〜6の反射防止
膜付き眼鏡レンズは、比較例の眼鏡レンズと反射光量お
よび反射色が同程度であり、また透過率の差も殆どな
く、両者は同様の光学特性を有することがわかった。実
施例4〜6の場合、反射防止膜付き眼鏡レンズに対する
光の入射方向が異なる場合、例えば眼鏡レンズの表面と
裏面における反射率および反射色の差は極めて小さく、
眼鏡レンズとしてより優れた外観が得られた。
膜付き眼鏡レンズは、比較例の眼鏡レンズと反射光量お
よび反射色が同程度であり、また透過率の差も殆どな
く、両者は同様の光学特性を有することがわかった。実
施例4〜6の場合、反射防止膜付き眼鏡レンズに対する
光の入射方向が異なる場合、例えば眼鏡レンズの表面と
裏面における反射率および反射色の差は極めて小さく、
眼鏡レンズとしてより優れた外観が得られた。
【0078】さらに、実施例1の反射防止膜付き眼鏡レ
ンズは、電磁波遮蔽機能を発揮することがわかった。特
に、CRTから放出される電磁波領域1〜100[MHz
]において電磁波の減衰が観察された。なお、実施例
2〜6の反射防止膜付き眼鏡レンズについても同様の電
磁波遮蔽機能評価を行ったところ、ほぼ同様の結果が得
られた。
ンズは、電磁波遮蔽機能を発揮することがわかった。特
に、CRTから放出される電磁波領域1〜100[MHz
]において電磁波の減衰が観察された。なお、実施例
2〜6の反射防止膜付き眼鏡レンズについても同様の電
磁波遮蔽機能評価を行ったところ、ほぼ同様の結果が得
られた。
【0079】これに対し、比較例の反射防止膜付き眼鏡
レンズはほとんど電磁波の減衰がみられなかった。
レンズはほとんど電磁波の減衰がみられなかった。
【0080】以上、本発明の反射防止膜付き眼鏡レンズ
について説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、ハードコート層以外にも、例えば防汚効果、
帯電防止効果等を得るために他の中間層、表面層、下地
層等が設けられていてもよい。また、本発明の効果を損
なわない範囲で反射防止膜の各層の構成材料中に密着性
を向上させる等のために必要な元素を添加してもよい。
について説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、ハードコート層以外にも、例えば防汚効果、
帯電防止効果等を得るために他の中間層、表面層、下地
層等が設けられていてもよい。また、本発明の効果を損
なわない範囲で反射防止膜の各層の構成材料中に密着性
を向上させる等のために必要な元素を添加してもよい。
【0081】さらに、眼鏡レンズの両面に設けられた反
射防止膜は、各々の構成が同じものであっても異なるも
のであってもよい。
射防止膜は、各々の構成が同じものであっても異なるも
のであってもよい。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の反射防止膜
付き眼鏡レンズによれば、従来の眼鏡レンズと同等の外
見および反射防止機能をもちながら、CRT等から放出
される電磁波を遮蔽する機能を発揮させることができ、
電磁波の人体、特に目に対する影響を軽減することがで
きる。
付き眼鏡レンズによれば、従来の眼鏡レンズと同等の外
見および反射防止機能をもちながら、CRT等から放出
される電磁波を遮蔽する機能を発揮させることができ、
電磁波の人体、特に目に対する影響を軽減することがで
きる。
【0083】眼鏡レンズに電磁波遮蔽機能が新たに備わ
ったにも拘らず、装着感、使用感等は従来品と何ら変わ
ることがない。また、眼鏡レンズに対する光の入射方向
が異なる場合、例えばレンズの表面と裏面における入射
光の反射率および反射色も従来のものとほとんど変わら
ず、OA機器の表示画面前での作業用としてだけではな
く、通常の視力矯正用の眼鏡としても使用することがで
きる。
ったにも拘らず、装着感、使用感等は従来品と何ら変わ
ることがない。また、眼鏡レンズに対する光の入射方向
が異なる場合、例えばレンズの表面と裏面における入射
光の反射率および反射色も従来のものとほとんど変わら
ず、OA機器の表示画面前での作業用としてだけではな
く、通常の視力矯正用の眼鏡としても使用することがで
きる。
【0084】さらに、透明導電性膜を反射防止膜中に設
けるものであるため、特殊な層構造とする必要がなく、
反射防止膜の構成を簡素なものにすることができ、コス
トの低減を図ることができる。
けるものであるため、特殊な層構造とする必要がなく、
反射防止膜の構成を簡素なものにすることができ、コス
トの低減を図ることができる。
【図1】本発明の反射防止膜付き眼鏡レンズの構成例を
示す概略断面図である。
示す概略断面図である。
【図2】本発明の反射防止膜付き眼鏡レンズの他の構成
例を示す概略断面図である。
例を示す概略断面図である。
【図3】図1に示す反射防止膜付き眼鏡レンズの分光反
射率曲線を示す図である。
射率曲線を示す図である。
【図4】実施例2の反射防止膜付き眼鏡レンズの分光反
射率曲線を示す図である。
射率曲線を示す図である。
【図5】実施例3の反射防止膜付き眼鏡レンズの分光反
射率曲線を示す図である。
射率曲線を示す図である。
【図6】実施例4の反射防止膜付き眼鏡レンズの分光反
射率曲線を示す図である。
射率曲線を示す図である。
【図7】実施例5の反射防止膜付き眼鏡レンズの分光反
射率曲線を示す図である。
射率曲線を示す図である。
【図8】実施例6の反射防止膜付き眼鏡レンズの分光反
射率曲線を示す図である。
射率曲線を示す図である。
【図9】図1に示す反射防止膜付き眼鏡レンズの反射光
のCIE色度図を示す図である。
のCIE色度図を示す図である。
【図10】実施例2の反射防止膜付き眼鏡レンズの反射
光のCIE色度図を示す図である。
光のCIE色度図を示す図である。
【図11】実施例3の反射防止膜付き眼鏡レンズの反射
光のCIE色度図を示す図である。
光のCIE色度図を示す図である。
【図12】実施例4の反射防止膜付き眼鏡レンズ表面の
反射光のCIE色度図を示す図である。
反射光のCIE色度図を示す図である。
【図13】実施例4の反射防止膜付き眼鏡レンズ裏面の
反射光のCIE色度図を示す図である。
反射光のCIE色度図を示す図である。
【図14】実施例5の反射防止膜付き眼鏡レンズ表面の
反射光のCIE色度図を示す図である。
反射光のCIE色度図を示す図である。
【図15】実施例5の反射防止膜付き眼鏡レンズ裏面の
反射光のCIE色度図を示す図である。
反射光のCIE色度図を示す図である。
【図16】実施例6の反射防止膜付き眼鏡レンズ表面の
反射光のCIE色度図を示す図である。
反射光のCIE色度図を示す図である。
【図17】実施例6の反射防止膜付き眼鏡レンズ裏面の
反射光のCIE色度図を示す図である。
反射光のCIE色度図を示す図である。
【図18】反射防止膜付き眼鏡レンズを透過する電磁波
の減衰量を示す図である。
の減衰量を示す図である。
【図19】従来の反射防止膜付き眼鏡レンズの分光反射
率曲線を示す図である。
率曲線を示す図である。
【図20】従来の反射防止膜付き眼鏡レンズの反射光の
CIE色度図を示す図である。
CIE色度図を示す図である。
【図21】電磁波遮蔽機能の評価に用いた装置の模式図
である。
である。
1A 反射防止膜付き眼鏡レンズ 1B 反射防止膜付き眼鏡レンズ 2 眼鏡レンズ 3 低屈折率層(SiO2 膜) 4 透明導電性膜(ITO) 5 低屈折率層(SiO2 膜) 6 高屈折率層(TiO2 膜) 7 低屈折率層(SiO2 膜) 8 ハードコート層 9 反射防止膜 10 テストレンズ 12 シグナルジェネレータ 13 ケーブル 14 アンテナ 15 アンテナ 16 ケーブル 17 受信器 18 カバー 19 窓 23 透明導電性膜(ITO) 24 低屈折率層(SiO2 膜) 25 高屈折率層(TiO2 膜) 26 透明導電性膜(ITO) 27 高屈折率層(TiO2 膜) 28 低屈折率層(SiO2 膜) 29 反射防止膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】このような透明導電性膜4の材料として
は、特に限定されないが、インジウム錫酸化物(IT
O)(SnをドープしたIn2O3)が好ましい。IT
O膜は透明であり、また、比抵抗値が低く電磁波をより
効果的に遮蔽することができる。
は、特に限定されないが、インジウム錫酸化物(IT
O)(SnをドープしたIn2O3)が好ましい。IT
O膜は透明であり、また、比抵抗値が低く電磁波をより
効果的に遮蔽することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】まず、テストレンズ10がない状態でシグ
ナルジェネレータ(signalgenerator)
12(ROHDE&SCHWARZ社製)からケーブル
13を介して信号を送り、金属製のカバー18に囲まれ
たアンテナ14から特定波長(振動数)の電磁波を放射
した。この電磁波を受信側の金属製のカバー18に囲ま
れたアンテナ15とケーブル16を介して受信器17
([EMI Receiver]HP 社製)で受信
し、受信した電磁波の電力を測定する。
ナルジェネレータ(signalgenerator)
12(ROHDE&SCHWARZ社製)からケーブル
13を介して信号を送り、金属製のカバー18に囲まれ
たアンテナ14から特定波長(振動数)の電磁波を放射
した。この電磁波を受信側の金属製のカバー18に囲ま
れたアンテナ15とケーブル16を介して受信器17
([EMI Receiver]HP 社製)で受信
し、受信した電磁波の電力を測定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】次に、テストレンズ10を窓19に設置
し、同じ特定波長の電磁波をアンテナ14からテストレ
ンズ10に照射する。テストレンズ10を透過した電磁
波をアンテナ15で受信して受信器17で電磁波の電力
を測定する。両者の測定値の比をとってテストレンズ1
0の電磁波遮蔽効果(減衰量)を算出する。電磁波の振
動数(波長)を変えて同様に数回測定を行った。
し、同じ特定波長の電磁波をアンテナ14からテストレ
ンズ10に照射する。テストレンズ10を透過した電磁
波をアンテナ15で受信して受信器17で電磁波の電力
を測定する。両者の測定値の比をとってテストレンズ1
0の電磁波遮蔽効果(減衰量)を算出する。電磁波の振
動数(波長)を変えて同様に数回測定を行った。
Claims (13)
- 【請求項1】 基材となる眼鏡レンズと、複数の層が積
層された反射防止膜とを有する反射防止膜付き眼鏡レン
ズにおいて、 前記反射防止膜に透明導電性膜が少なくとも1層含まれ
ており、該透明導電性膜の光学膜厚の合計が40〜22
0nmであることを特徴とする反射防止膜付き眼鏡レン
ズ。 - 【請求項2】 前記反射防止膜は互いに隣接する層間の
屈折率変化が増加と減少とを交互に繰返すように構成さ
れている請求項1に記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項3】 前記反射防止膜は屈折率が1.5以下の
低屈折率層と、屈折率が2以上の高屈折率層とをそれぞ
れ少なくとも1層含む請求項1または2に記載の反射防
止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項4】 前記高屈折率層はTiO2 、ZrO2 、
Ta2 O5 のうち少なくとも1つを含む材料で構成され
ている請求項3に記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項5】 前記反射防止膜の層数は3〜7である請
求項1ないし4のいずれかに記載の反射防止膜付き眼鏡
レンズ。 - 【請求項6】 前記透明導電性膜は、その両面がそれぞ
れ前記反射防止膜を構成する他の層のいずれかに接触し
ているかまたは前記反射防止膜中の前記眼鏡レンズに最
も近い位置に設けられている請求項1ないし5のいずれ
かに記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項7】 視感反射率が2%以下である請求項1な
いし6のいずれかに記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項8】 可視領域において、入射方向の相異なる
光線の反射率の差が0.5%以下である請求項1ないし
7のいずれかに記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項9】 眼鏡レンズに、該眼鏡レンズに最も近い
層を第1層目として、光学膜厚46〜60nmのSiO2
からなる層と、 第2層目として光学膜厚65〜79nmのITO膜からな
る層と、 第3層目として光学膜厚18〜22nmのSiO2 からな
る層と、 第4層目として光学膜厚200〜254nmのTiO2 、
ZrO2 、Ta2 O5のうち少なくとも1つを含む材料
からなる層と、 第5層目として光学膜厚103〜126nmのSiO2 か
らなる層とから構成された反射防止膜を設けたことを特
徴とする反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項10】 眼鏡レンズに、該眼鏡レンズに最も近
い層を第1層目として光学膜厚25.2〜46.8nmの
ITO膜からなる層と、 第2層目として光学膜厚12.0〜26.0nmのSiO
2 からなる層と、 第3層目として光学膜厚52.5〜97.5nmのTiO
2 、ZrO2 、Ta2O5 のうち少なくとも1つを含む
材料からなる層と、 第4層目として光学膜厚25.2〜46.8nmのITO
膜からなる層と、 第5層目として光学膜厚61.2〜113.8nmのTi
O2 、ZrO2 、Ta2 O5 のうち少なくとも1つを含
む材料からなる層と、 第6層目として光学膜厚87.5〜162.5nmのSi
O2 からなる層とから構成された反射防止膜を設けたこ
とを特徴とする反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項11】 前記眼鏡レンズの屈折率が1.55〜
1.75である請求項1ないし10のいずれかに記載の
反射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項12】 前記眼鏡レンズにハードコート層が設
けられている請求項1ないし11のいずれかに記載の反
射防止膜付き眼鏡レンズ。 - 【請求項13】 前記ハードコート層は厚さが1.0〜
2.5μmであり、前記眼鏡レンズと同一屈折率である
請求項12に記載の反射防止膜付き眼鏡レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9297694A JPH11149063A (ja) | 1997-09-09 | 1997-10-15 | 反射防止膜付き眼鏡レンズ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-260930 | 1997-09-09 | ||
JP26093097 | 1997-09-09 | ||
JP9297694A JPH11149063A (ja) | 1997-09-09 | 1997-10-15 | 反射防止膜付き眼鏡レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11149063A true JPH11149063A (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=26544825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9297694A Pending JPH11149063A (ja) | 1997-09-09 | 1997-10-15 | 反射防止膜付き眼鏡レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11149063A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7713638B2 (en) | 2002-09-14 | 2010-05-11 | Schott Ag | Layer system |
FR3002534A1 (fr) * | 2013-02-27 | 2014-08-29 | Saint Gobain | Substrat revetu d'un empilement bas-emissif. |
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