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JPH11147911A - 顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂の残存単量体除去方法 - Google Patents

顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂の残存単量体除去方法

Info

Publication number
JPH11147911A
JPH11147911A JP31683797A JP31683797A JPH11147911A JP H11147911 A JPH11147911 A JP H11147911A JP 31683797 A JP31683797 A JP 31683797A JP 31683797 A JP31683797 A JP 31683797A JP H11147911 A JPH11147911 A JP H11147911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste resin
resin
vinyl chloride
granular
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31683797A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Yoshida
剛 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31683797A priority Critical patent/JPH11147911A/ja
Publication of JPH11147911A publication Critical patent/JPH11147911A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 残存単量体含有率が低く、ペースト加工用と
しての品質の良好な顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂を
製造する。 【解決手段】 塩化ビニル単量体を主体とする単量体混
合物から製造された重合体ラテックスを乾燥させてえら
れた顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂を、さらに20〜
60℃の温風と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顆粒状塩化ビニル
系ペースト樹脂(以下、顆粒状ペースト樹脂ともいう)
の残存単量体除去方法に関する。さらに詳しくは、ペー
スト用塩化ビニル系樹脂ラテックスを乾燥させてえられ
た顆粒状ペースト樹脂を、20〜60℃の気流と接触さ
せることにより顆粒状ペースト樹脂から残存単量体を効
率よく除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】塩化
ビニル系ペースト樹脂(以下、ペースト樹脂ともいう)
は、常温で可塑剤に分散させてプラスチゾルの形にし、
このプラスチゾルをコーティングなどの工程を経て加熱
ゲル化させて壁紙や床材などの加工製品にしている。
【0003】このペースト樹脂は、塩化ビニル単量体を
主体とする単量体混合物を水性媒体中で乳化重合または
微細懸濁重合させることによってえられた重合体ラテッ
クスを乾燥させることによってえられる。
【0004】前記ペースト樹脂としては、当初、可塑剤
に分散させてプラスチゾルにしやすい点から、ラテック
スを噴霧乾燥させてえられた30μm以上の球状(顆粒
状)の樹脂を0.1〜10μm程度に粉砕した粉体状の
もののみが使用されていたが、粉体状物の欠点である、
製品袋の開袋時の粉塵の発生などによる作業環境の悪化
や、粉体の自動計量供給ができないなどの問題の改善の
ために、ラテックスを、乾燥用空気入口温度を100℃
以下、乾燥用空気出口温度を53℃以下とし、水分率
0.1〜0.5%まで噴霧乾燥させてえられた平均粒径
30〜100μmの顆粒状樹脂をそのまま使用する方法
が開発され(特開平2−225529号公報)、好評を
えている。
【0005】しかし、前記0.1〜10μm程度に粉砕
した粉体状物のばあい、粉砕時に含まれている塩化ビニ
ル単量体がある程度除去され、塩化ビニル単量体が残存
することによる問題は低減されるが、噴霧乾燥させてで
きた30μm以上の顆粒状ペースト樹脂をそのまま使用
する方法のばあいには、樹脂中に含まれる塩化ビニル単
量体(通常数十ppm以上)が積極的に除去される工程
はなく、顆粒状ペースト樹脂中に残存したままになる。
残存する塩化ビニル単量体は、ペースト樹脂の成形加工
の際に加工工場の雰囲気を汚染し、また、加工によりえ
られるペースト加工製品中にまで残存し、該成形品の使
用者の健康を害するなどのおそれがある。
【0006】なお、顆粒状ペースト樹脂を静置して保存
することにより、残存単量体は徐々に低減していくが、
著しく長い間保存しないと、残存単量体量を低減させる
ことができず、生産上や効率から好ましくない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、顆粒状ペース
ト樹脂から、樹脂の品質を損うことなく、残存する単量
体を除去するためになされたものであり、塩化ビニル単
量体を主体とする単量体混合物から製造された重合体ラ
テックスを乾燥させてえられた顆粒状塩化ビニル系ペー
スト樹脂を、さらに20〜60℃の気流と接触させるこ
とを特徴とする顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂の残存
単量体除去方法(請求項1)および顆粒状塩化ビニル系
ペースト樹脂の平均粒径が30〜100μmの範囲であ
ることを特徴とする請求項1記載の残存単量体除去方法
(請求項2)に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、塩化ビニル単
量体を主体とする単量体混合物から製造された重合体ラ
テックスを乾燥させてえられた顆粒状ペースト樹脂が使
用される。
【0009】前記塩化ビニル単量体を主体とする単量体
混合物とは、塩化ビニル単量体を50%(重量%、以下
同様)以上、さらには80%以上で100%以下含有す
る単量体混合物のことであり、従来から塩化ビニル系ペ
ースト樹脂の製造に使用されている単量体混合物である
限りとくに限定なく使用しうる。
【0010】前記塩化ビニル単量体を主体とする単量体
混合物に含まれる塩化ビニル単量体以外の単量体として
は、たとえばエチレン、プロピレンなどのオレフィン
類、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのビニルエス
テル類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの
アクリル酸エステル類、マレイン酸またはフマル酸など
の酸のエステル類および無水物、アクリロニトリルなど
のニトリル化合物、あるいは塩化ビニリデンのごときビ
ニリデン化合物などがあげられる。これらは単独でまた
は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】前記重合体ラテックスは前記単量体混合物
を水性媒体中で乳化重合または微細懸濁重合することに
よって製造されるが、従来から塩化ビニル系ペースト樹
脂を製造するために製造されているものと同様のもので
あるかぎり、とくに限定なく使用しうる。
【0012】なお、前記乳化重合とは、陰イオン界面活
性剤および(または)非イオン界面活性剤を乳化剤とし
て使用し、水溶性過酸化物、水溶性過酸化物と水溶性還
元剤との組み合わせまたは油溶性過酸化物と水溶性過酸
化物との組み合わせを重合開始剤として使用し、要すれ
ば他の重合助剤の存在下、水性媒体中で前記塩化ビニル
を主体とする単量体混合物を重合して平均粒子径が0.
1〜0.4μmの微小粒子を生成する乳化重合、ならび
にあらかじめ種粒子として調整された塩化ビニル樹脂の
存在下に乳化重合を行なうことにより、種粒子を核とし
て肥大させて0.4〜2μmの比較的大きな粒子を生成
する播種乳化重合などが含まれる。
【0013】また微細懸濁重合とは、たとえば前記塩化
ビニルを主体とする単量体混合物、水、乳化剤、単量体
に可溶な重合開始剤およびその他の重合助剤とを重合装
置以外の装置で高剪断下で均質化したのち、重合装置に
移して撹拌下で重合させ、樹脂の平均径が0.2〜5μ
m程度の微細な塩化ビニル樹脂の粒子を生成する方法で
ある。
【0014】前記重合体ラテックスは、たとえば前述の
特開平2−225529号公報に記載の方法でスプレー
乾燥させることにより、好ましくは水分率0.1〜0.
5%、平均粒径30〜100μm、さらには30〜70
μm、残存単量体含有率数十ppmの顆粒状ペースト樹
脂にされる。
【0015】前記スプレー乾燥機の具体例としては、た
とえば「スプレイ・ドライイング・ハンドブック(SP
RAY DRYING HANDBOOK)」(ケイ・
マスタース(K. Masters)著、3版、197
9年、ジョージ・ゴッドウィン社(George Go
dwin Limited)より出版)121頁の第4
・10図に記載のごとき各種スプレー乾燥機があげられ
る。
【0016】スプレー乾燥機で前記重合体ラテックスか
ら造粒する際、まず前記重合体ラテックスがスプレー乾
燥機内のアトマイザーで噴霧され、ついで乾燥せしめら
れて顆粒状ペースト樹脂が製造され、系外に取出され
る。このときの乾燥温度が高いほど、えられる顆粒状ペ
ースト樹脂を可塑剤中に分散させるのに要する時間は長
くなる。
【0017】前記重合体ラテックスをスプレー乾燥機で
乾燥・造粒させる際に、乾燥用空気の入口温度を100
℃以下、好ましくは60℃以上、出口温度を53℃以
下、さらには50℃以下、好ましくは40℃以上になる
ようにする。
【0018】前記乾燥用空気の入口温度とは、乾燥機入
口における乾燥用空気の温度のことであり、前記出口温
度とは、乾燥機出口における空気の温度のことであり、
通常の温度計で測定された温度である。
【0019】前記乾燥用空気の入口温度が100℃をこ
えたり、前記出口温度が53℃をこえたりすると、えら
れる顆粒状ペースト樹脂を可塑剤中に分散させるのに要
する時間が長くなる。
【0020】なお、スプレー乾燥機が大きいばあい、た
とえば塔長が5mをこえるようなばあいには、顆粒状ペ
ースト樹脂の滞留時間がどうしても長くなるため、乾燥
機出口温度を50℃程度におさえるのが、えられる顆粒
状ペースト樹脂の可塑剤中への分散性などの点から好ま
しい。
【0021】つぎに、顆粒状ペースト樹脂の大きさであ
るが、顆粒状ペースト樹脂の径は粉体特性の向上という
観点からすれば大きい方が好ましいが、通常顆粒状ペー
スト樹脂の平均粒径としては30〜100μm、さらに
は30〜80μm、とくには30〜70μmとすること
が好ましい。
【0022】このようにして従来から使用されている微
粉砕されたペースト樹脂と同程度のゾル化性を有し、該
樹脂が有する開袋時の粉塵の発生などによる作業環境の
悪化や粉体の自動計量供給ができないなどの問題の解決
された平均粒径30〜100μm、残存単量体含有率数
十ppm、粉体特性の指標の一つである安息角が30〜
35度程度であり、後述のゾル中未分散物の大きさの測
定法で評価したばあいに、未分散物の大きさが通常30
μm程度以下のごとき特性を有する顆粒状ペースト樹脂
が製造される。
【0023】本発明においては、前記のごとき方法で製
造された顆粒状ペースト樹脂を、さらに20〜60℃、
好ましくは30〜50℃の気流と接触させることによっ
て残存単量体含有率が好ましくは5ppm以下、さらに
は1ppm以下に低減せしめられる。
【0024】前記顆粒状ペースト樹脂は平均粒径0.1
〜5μm程度の基本粒子が集まってできたものであり、
顆粒状ペースト樹脂中の残存単量体の除去速度は基本粒
子からの残存単量体の拡散で整理でき基本粒子の径に大
きく依存し、基本粒子径が小さいほど残存単量体除去速
度が大きいことが、本発明者らの研究により明らかにな
っている。また、残在単量体除去速度が拡散で整理でき
ることから、処理温度が高いほど拡散係数が大きくな
り、除去速度は大きくなる。
【0025】また、本発明の方法で製造される顆粒状ペ
ースト樹脂は、ペースト加工用樹脂であるため、ペース
ト加工用樹脂として好ましい特性(ゾル化性など)を有
することが必要である。
【0026】前記顆粒状ペースト樹脂と接触させる気流
の温度が高いほど顆粒状ペースト樹脂からの残存単量体
除去速度は増加するが、この気流の温度が60℃をこえ
ると顆粒状ペースト樹脂の凝集が強固となり、そのよう
な樹脂を使用してゾルを製造し、ペースト加工、とくに
コーティング加工したばあいには、表面が平滑な塗膜を
うることができない。気流温度によってはペーストゾル
自体がえられないばあいもある。一方、気流が20℃未
満のばあいには、残存単量体除去効率が低い。
【0027】さらに、前記顆粒状ペースト樹脂が気流と
接触する時間は、気流の温度、絶対湿度、風量などによ
っても異なるため、また、えられる顆粒状ペースト樹脂
中に残存する単量体の許容量によっても異なるため一概
には規定できないが、通常、10〜360分間、さらに
は10〜200分間、ことには20〜120分間である
のが好ましい。
【0028】前記顆粒状ペースト樹脂と気流とを接触さ
せる方法としては、顆粒状ペースト樹脂と気流とが充分
接触する限りとくに限定はなく、たとえば流動層を形成
させ、気流と接触させる方法があげられるが、顆粒状ペ
ースト樹脂が装置内で均一に流動し、チャネリング(流
動層内で局所的な流路が形成される現象)やスラッギン
グ(気流が不連続的に気泡として流動する現象)などの
現象が極力おこらないようにすることが好ましい。その
方式としては、たとえば、あらかじめ一定量の顆粒状ペ
ースト樹脂を処理装置に仕込み、つぎに前記条件内で一
定時間処理を行ない、終了時に取り出す方式(バッチ
(回分)式)でもよく、また、連続的に顆粒状ペースト
樹脂を該装置内に仕込み、所望の滞留時間をもたせたの
ち連続的に樹脂を抜き出す方式(連続式)でもよく、バ
ッチ式、連続式を多段につなげた方式でもよい。
【0029】つぎに、前記重合体ラテックスを乾燥させ
てえられた前記顆粒状ペースト樹脂を気流と接触させ、
残存単量体含有率を低減せしめるための装置を図1およ
び図2に基づいて説明する。
【0030】図1に回分式流動層型単量体除去装置を示
す。
【0031】図1において、1は流動層容器、2は分散
板(パンチングメタル)、3は重合体ラテックスを乾燥
させてえられた顆粒状ペースト樹脂の流動層、hは前記
流動層の厚さ、4は風量調整弁、5は送風ブロアー、6
はヒーター、7は集塵装置、8は吸引ブロアー、9はロ
ータリーバルブを示す。
【0032】図1に示す回分式流動層型単量体除去装置
により顆粒状ペースト樹脂中の残存単量体を除去するば
あい、流動層容器1内の分散板2のうえに該樹脂を所定
の流動層厚さhになるように樹脂投入口より投入する。
流動層厚さhは、流動化させない静置時の樹脂の厚さで
あり、通常、気流によって流動化する1500mm以
下、さらには1000mm以下が好ましく、100mm
以上、さらには300mm以上であるのが、処理量が多
くなる点から好ましい。
【0033】なお、分散板2には、実質的に空気は通過
させるが顆粒状ペースト樹脂は通過させない孔径(0.
3〜1mmの孔径)を有する通気孔が多数(開孔率0.
8〜1.5%)設けられている。ここで開孔率とは(開
孔通気孔面積/分散板面積)の面積比率を百分率で表示
したものをいう。
【0034】送風ブロアー5により空気が送られ、ヒー
ター6で所定の温度に加温され、流動層容器1の底部
(分散板2の下部)に供給される。供給された温風は、
風量調節弁4の開度に応じた所定の空塔速度(m/s)
をもって上向きの気流となって分散板2の下部から通気
孔をとおって顆粒状ペースト樹脂流動層3と接触し、該
層3を流動させながら、顆粒状ペースト樹脂の内部から
出てきた単量体を除去する。単量体を含んだ温風は流動
層容器1の上部から集塵装置7を経て吸引ブロアー8に
より排出される。
【0035】なお、気流と同伴されて飛ぶ微粒子は集塵
装置7で捕集されロータリーバルブ9を通って流動層3
にもどされる。
【0036】前記空塔速度としては、0.05m/s以
上、さらには0.1m/s以上であるのが流動層内の粉
体を均一に流動させる点から好ましく、0.5m/s以
下、さらには0.3m/s以下であるのが流動層からの
微粉飛散量をできるだけ少なくする点から好ましい。
【0037】所定時間処理したのち顆粒状ペースト樹脂
をサンプリングし、顆粒状ペースト樹脂中の残存単量体
量を測定することにより、残存単量体含有率が求められ
る。
【0038】残存単量体が除去された顆粒状ペースト樹
脂は樹脂取出口より取り出される。
【0039】図2に連続式流動層単量体除去装置を示
す。樹脂貯槽ロータリーバルブ12より樹脂を流動層3
へ連続的に供給し、その供給量と流動層3内の樹脂量か
ら算出される平均滞留時間だけ処理され排出される点を
除いては図1に示す回分式流動層単量体除去装置と基本
的にはかわらない。なお、ここでいう平均滞留時間とは
次式により算出される。
【0040】
【数1】
【0041】図2において、1は流動層容器、2は分散
板(パンチングメタル)、3は重合体ラテックスを乾燥
させてえられた顆粒状ペースト樹脂の流動層、hは前記
流動層の厚さ、4は風量調整弁、5は送風ブロアー、6
はヒーター、7は集塵装置、8は吸引ブロアー、9はロ
ータリーバルブ、10は樹脂取出口、11は樹脂貯槽、
12は樹脂貯槽ロータリーバルブを示す。またRは供給
用樹脂である。
【0042】図2に示す連続式流動層型単量体除去装置
により顆粒状ペースト樹脂中の残存単量体を除去するば
あい、樹脂貯槽ロータリーバルブ12より顆粒状ペース
ト樹脂を容器1内の流動層へ連続的に供給する。そのと
き流動層容器1内の分散板2のうえに該樹脂を所定の流
動層厚さhになるように投入する。流動層厚さhも、回
分式流動層型単量体除去装置のばあいと同様である。
【0043】所定時間処理された顆粒状ペースト樹脂
は、樹脂取出口10から連続的に取り出される。
【0044】連続式流動層型単量体除去装置における所
定時間とは、前述の平均滞留時間のことである。連続式
流動層型単量体除去装置での単量体除去処理において顆
粒状ペースト樹脂は滞留時間分布をもつため、回分式流
動層型単量体除去装置と同等の残存単量体含有率にする
ためには、回分式流動層型単量体除去装置での処理時間
の2〜3倍の時間処理する必要がある。
【0045】本発明の好ましい態様としては、塩化ビニ
ル単量体を主体とする単量体混合物を水性媒体中で乳化
重合または微細懸濁重合することによって製造された重
合体ラテックスを乾燥させてえられた残存単量体含有率
数十ppm、平均粒径30〜100μmの顆粒状ペース
ト樹脂を、20〜60℃、好ましくは30〜50℃の気
流と均一に接触(たとえば10〜360分間、さらには
10〜200分間、ことには20〜120分間、空塔速
度0.05〜0.5m/s、さらには0.1〜0.3m
/sで接触)させることにより、残存単量体含有率が1
〜5ppmに低減せしめられ、かつペースト樹脂として
ゾル化性など品質的に問題のない顆粒状ペースト樹脂を
製造することができる。
【0046】このようにして残存単量体を低減した顆粒
状ペースト樹脂は粉砕して粉砕樹脂として使用してもよ
くとくに制限されない。
【0047】
【実施例】つぎに、本発明の方法を実施例および比較例
に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0048】なお、以下の実施例および比較例における
評価は下記の方法で行なった。
【0049】(残存単量体含有率)顆粒状ペースト樹脂
1.5gをテトラヒドロフラン50mlに溶解させ、ガ
スクロマトグラフィ法にしたがって測定したもので、塩
化ビニル樹脂100万部(重量部、以下同様)あたりの
部数である。
【0050】(顆粒状ペースト樹脂の品質)ゾル中の粗
粒径により評価を行なった。すなわち、顆粒状ペースト
樹脂500gとジオクチルフタレート(DOP)325
gとを5Lのホバートミキサー((株)品川工業所製、
5DMV型)に入れ、25℃でフックペラで自転141
rpm、公転67rpmの速度で10分間混合撹拌し、
ゾルを製造する。ゾル中の未分散物の大きさをJIS
K 5400「塗料一般試験方法」4.4つぶの試験の
方法で測定し、A法で判定する。すなわち、つぶゲージ
のみぞにゾルを注ぎ込み、スクレーパーでしごいて、み
ぞの中に厚さが100μmから0μmまで連続して変化
するようにしてゾルの層を作り、つぶが現れた部分の層
の厚さを読んで、ゾルの中に存在するつぶの集塊の直径
の大きさを推定する。このつぶの集塊の測定値が30μ
m以下であれば、品質は問題なし(○)、30μmをこ
えるばあいには品質上問題あり(×)と評価した。
【0051】製造例1 重合によりえられた固形分濃度50%のペースト用塩化
ビニル樹脂の重合体ラテックスを、回転円盤式アトマイ
ザー(直径8.4cm)を備えたスプレー乾燥機(塔径
2.75m、塔長は直胴部が3.0m、円錐部が2.2
m、円錐部角部が60度)に30kg/hで供給し、乾
燥・造粒した。乾燥に用いた空気は入口温度90℃、出
口温度48℃、回転円盤の回転数は7000rpmとし
た。
【0052】えられた顆粒状ペースト樹脂は、平均粒径
80μm、安息角36度、嵩比重0.512g/cc
で、残存単量体量含有率が100ppmであった。
【0053】なお、前記ペースト用塩化ビニル樹脂の重
合体ラテックス中の基本粒子径は、コールターカウンタ
ー(コールター社製、TAII)で測定し、平均粒径1.
2μmと3.2μmの2種を製造した。それぞれをサン
プルA、Bとよぶ。
【0054】実施例1〜3 図1に示す回分式流動層型単量体除去装置(流動層内径
=16cmφ、高さ=1200mm)にサンプルAを3
kg(実施例1)、5kg(実施例2)、8kg(実施
例3)各々投入し、流動層容器に送る空気の空塔速度、
処理温度をそれぞれ0.2m/s、40℃に調整し、流
動層厚さを表1に記載のように変化させ、100ppm
残存していた単量体含有率が5ppmおよび1ppmま
で減少させるのに必要な処理時間を求めた。品質評価と
あわせて表1に示す。
【0055】実施例4〜6 流動層厚さ、処理温度をそれぞれ0.5m、40℃に調
整し、空塔速度を表1に記載のように変化させ、100
ppm残存していた単量体含有率が5ppmおよび1p
pmまで減少させるのに必要な処理時間を求めた。品質
評価とあわせて表1に示す。
【0056】実施例7 サンプルBを使用し、実施例2と同じ条件で処理時間を
求めた。品質評価とあわせて表1に示す。
【0057】実施例8〜11 サンプルBを使用し、流動層厚さ、空塔速度をそれぞれ
0.5m、0.2m/sに調整し、処理温度を表1に記
載のように変化させ、100ppm残存していた単量体
含有率が5ppmおよび1ppmまで減少させるのに必
要な処理時間を求めた。品質評価とあわせて表1に示
す。
【0058】比較例1 実施例8〜11と同様の条件で、処理温度のみを70℃
にして処理時間を求めた。品質評価とあわせて表1に示
す。
【0059】比較例2 サンプルBを25kg入りのペーパーバッグに入れて、
20〜25℃の場所で保存し、樹脂中の残存単量体量を
測定した。5ppmになるまでの所要日数は13日と非
常に長いものであった。品質評価結果は表1に示すが問
題ないものであった。
【0060】
【表1】
【0061】実施例1〜3の結果から、流動層厚さが厚
くなるほど処理時間が長くなることがわかる。また、実
施例4〜6の結果から、空塔速度を大きくすることによ
り、処理時間が短縮しうることがわかる。さらに、実施
例2と実施例7との比較から、処理時間はラテックス中
の基本粒子径に依存し、基本粒子径が大きくなると処理
時間が長くなることがわかる。さらに、実施例8〜11
の結果から、処理温度が高くなるにしたがって処理時間
が短くなっていることがわかる。しかし、比較例1の結
果から、処理温度が70℃になると処理時間は著しく短
くなるが、品質が悪化することがわかる。一方、比較例
2の結果から、樹脂中の残存単量体を減少させるために
は、静置保存だけでは13日と著しく長くかかることが
わかる。
【0062】
【発明の効果】本発明の方法により顆粒状塩化ビニル系
ペースト樹脂を製造すると、短時間で残存単量体含有率
が低く、品質の良好な樹脂がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法に使用しうる回分式流動層型単量
体除去装置の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の製法に使用しうる連続式流動層型単量
体除去装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 流動層容器 2 分散板(パンチングメタル) 3 重合体ラテックスを乾燥させてえられた顆粒状ペー
スト樹脂流動層 4 風量調整弁 5 送風ブロアー 6 ヒーター 7 集塵装置 8 吸引ブロアー 9 ロータリーバルブ 10 樹脂取出口 11 樹脂貯槽 12 樹脂貯槽ロータリーバルブ h 流動層の厚さ R 供給用樹脂

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体を主体とする単量体混
    合物から製造された重合体ラテックスを乾燥させてえら
    れた顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂を、さらに20〜
    60℃の気流と接触させることを特徴とする顆粒状塩化
    ビニル系ペースト樹脂の残存単量体除去方法。
  2. 【請求項2】 顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂の平均
    粒径が30〜100μmの範囲であることを特徴とする
    請求項1記載の残存単量体除去方法。
JP31683797A 1997-11-18 1997-11-18 顆粒状塩化ビニル系ペースト樹脂の残存単量体除去方法 Pending JPH11147911A (ja)

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