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JPH11135136A - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

Info

Publication number
JPH11135136A
JPH11135136A JP9299011A JP29901197A JPH11135136A JP H11135136 A JPH11135136 A JP H11135136A JP 9299011 A JP9299011 A JP 9299011A JP 29901197 A JP29901197 A JP 29901197A JP H11135136 A JPH11135136 A JP H11135136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exchange membrane
ion exchange
membrane layer
ion
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9299011A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Yoshitake
優 吉武
Naoki Yoshida
直樹 吉田
Yasuhiro Kotsukiyou
康弘 国狭
Tetsuji Shimodaira
哲司 下平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP9299011A priority Critical patent/JPH11135136A/ja
Publication of JPH11135136A publication Critical patent/JPH11135136A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高出力化で安定な運転が可能な固体高分子電解
質型燃料電池の提供。 【解決手段】電解質として、ホスホン酸基を有するパー
フルオロカーボン重合体からなり、アノード側イオン交
換膜層(A)と、水素ガスと酸素ガスから水を生成する
反応を促進する触媒を含有するイオン交換膜層(B)
と、カソード側イオン交換膜層(C)との少なくとも3
層からなる複層イオン交換膜を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子電解質
型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】水素を燃料とする固体高分子電解質型燃
料電池は、代表的なものとして固体電解質としてフッ素
樹脂系のイオン交換膜を用いるものが従来より知られて
おり、常温からの作動が可能で、高出力密度が得られ、
原理的に水のみが生成するという特徴を有する。このた
め、近年のエネルギー、地球環境問題への社会的要請の
高まりとともに、近年の研究の急速な進展による電池出
力の高密度化と相まって、大きな期待が寄せられてい
る。
【0003】固体高分子電解質型燃料電池に用いられる
電解質としては、通常、厚さ50〜200μmのプロト
ン伝導性イオン交換膜が用いられ、特にスルホン酸基を
有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換
膜は、基本特性に優れ広く検討されている。上記イオン
交換膜を電解質として用いた燃料電池では、イオン交換
膜の導電性を保持するために加湿したガスを供給しなが
ら運転する。よって、常圧で作動温度を100℃以上に
すると水の蒸気圧が急激に高くなり、イオン交換膜が乾
燥し膜抵抗が増大するとともに、反応ガスの分圧が低下
し電池性能が低下する。そのため、常圧では100℃未
満の温度条件下で運転されている。
【0004】この種の燃料電池は、電解質膜の両面にガ
ス拡散性の電極層を形成し、それぞれの電極に燃料であ
る水素と酸化剤となる酸素または空気を供給することに
より発電を行う。出力特性のさらなる向上を目的とし
て、電極触媒活性の向上、ガス拡散電極の特性改善、抵
抗損の低減等の検討がなされている。
【0005】上記のようにイオン交換膜を用いた固体高
分子電解質型燃料電池では、加湿したガスを供給して運
転する。一方、空気極においては反応により水が生成
し、この水が空気極内で凝縮(いわゆるフラッディン
グ)すると、酸素が充分に供給できなくなり電池性能の
低下を引き起こすため、空気極から反応生成物である水
をすばやく除去する必要がある。このように固体高分子
電解質型燃料電池で電池出力を得るためには、系の加湿
と系からの水の除去という相反する操作をバランスよく
行わなければならない。
【0006】また、イオン交換膜を用いた固体高分子電
解質型の水素−酸素燃料電池においては、水素ガスはア
ノードで反応するが、その一部は未反応のまま系外に排
出され、さらにその一部はイオン交換膜を透過してカソ
ード側へ漏洩する。同様に酸素ガスの一部はカソード側
からイオン交換膜を透過してアノード側へ漏洩する。こ
の現象はガスのクロスリーク現象と呼ばれ、電極に供給
した水素ガスまたは酸素ガスと、イオン交換膜の反対側
から漏れ込んだ酸素ガスまたは水素ガスとが電極上で反
応することによりそれぞれの電極の作動電位がシフト
し、セル電圧の低下を引き起こす。
【0007】クロスリーク現象によるセル電圧の低下を
抑制する方法として、電解質膜として、2枚のイオン交
換膜を使用し、この膜間にスパッタリングによる白金層
の触媒層を存在させ、この触媒層で膜中を透過する水素
と酸素を反応させて消費することにより反対側の電極に
到達するガス量を低減する方法(特開平6−10399
2)が提案されているが、性能的に必ずしも充分ではな
い。
【0008】また、固体高分子電解質型燃料電池の高出
力化のためには、イオン交換膜には電気抵抗が小さく、
かつ、クロスリーク現象が小さい、すなわちガス透過性
が小さいことが要求される。しかし、イオン交換膜の含
水率が高いほど、電気抵抗は小さくガスの透過性は高く
なる傾向にあり、イオン交換膜の膜厚が大きいほど、電
気抵抗は大きくガスの透過性は低くなる傾向にある。従
来提案されているイオン交換膜はこれらを同時に満足す
るものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の問題
点を解決すべくなされたものであり、イオン交換膜を高
含水率に保つことにより電気抵抗を小さくするととも
に、ガス透過性を小さくし、長時間安定に高出力が得ら
れる固体高分子電解質型燃料電池を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン交換膜
を固体高分子電解質とする燃料電池において、該イオン
交換膜が、アノード側イオン交換膜層(A)と、カソー
ド側イオン交換膜層(C)と、アノード側イオン交換膜
層(A)とカソード側イオン交換膜層(C)との間に配
置された、水素ガスと酸素ガスから水を生成する反応を
促進する触媒を含有するイオン交換膜層(B)との少な
くとも3層からなる複層イオン交換膜であって、アノー
ド側イオン交換膜層(A)およびカソード側イオン交換
膜層(C)が、ホスホン酸基を有するパーフルオロカー
ボン重合体からなることを特徴とする固体高分子電解質
型燃料電池を提供する。
【0011】本発明におけるイオン交換膜において、ア
ノード側イオン交換膜層(A)およびカソード側イオン
交換膜層(C)は、ホスホン酸基を有するフルオロカー
ボン重合体からなる。イオン交換膜層(B)は特に限定
されないが、スルホン酸基またはホスホン酸基を有する
パーフルオロカーボン重合体であるのが好ましい。
【0012】ホスホン酸基を有するパーフルオロカーボ
ン重合体としては、CF2 =CF−(OCF2 CFX)
m −Op −(CF2n −A(式中、mは0〜8の整
数、nは0〜12の整数、pは0または1、Xはフッ素
原子またはトリフルオロメチル基、Aはホスホン酸基
(−PO32 )またはその前駆体官能基)で表される
フルオロビニル化合物と、CF2 =CF2 とのパーフル
オロカーボン共重合体が好ましい。
【0013】上記フルオロビニル化合物の好ましい例と
しては、以下の化合物が挙げられる。なお、Rおよび
R’はアルキル基を表し、RとR’は同一のアルキル
基、異なるアルキル基のいずれでもよい。上記アルキル
基としては、炭素数1〜3であるものが好ましい。ま
た、qおよびrは1〜8の整数、sは0〜8の整数、t
は1〜5の整数である。
【0014】
【化1】CF2 =CFO(CF2q −PO3 RR’、 CF2 =CFOCF2 CF(CF3 )O(CF2r
PO3 RR’、 CF2 =CF(CF2s −PO3 RR’、 CF2 =CF(OCF2 CF(CF3 ))t −(CF
22 −PO3 RR’。
【0015】なお、上記パーフルオロカーボン共重合体
は、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレン等のパーフルオロオレフィン、パーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)等の第三成分を含む共重合体で
あってもよい。
【0016】また、本発明におけるイオン交換膜は、ア
ノード側イオン交換膜層(A)と、カソード側イオン交
換膜層(C)と、アノード側イオン交換膜層(A)とカ
ソード側イオン交換膜層(C)との間に配置された、水
素ガスと酸素ガスから水を生成する反応を促進する触媒
を含有するイオン交換膜層(B)との少なくとも3層か
らなる複層イオン交換膜である。上記複層イオン交換膜
は、フィブリル状、繊維状、または不織布状のフルオロ
カーボン重合体などで補強できる。
【0017】本発明における複層イオン交換膜におい
て、アノード側イオン交換膜層(A)の含水率は、カソ
ード側イオン交換膜層(C)の含水率よりも大きい場合
に、特に優れた性能を有する。このときアノード側イオ
ン交換膜層(A)の含水率は、カソード側イオン交換膜
層(C)の含水率よりも、5〜50重量%、特には10
〜30重量%大きくするのが好ましい。一方、イオン交
換膜層(B)の含水率は、カソード側イオン交換膜層
(C)と同じかそれ以上であるのが好ましい。なお、イ
オン交換膜層(A)、(B)、(C)の含水率は、それ
ぞれ30〜130重量%、特には35〜100重量%に
制御するのが好ましい。
【0018】本発明でイオン交換膜層の含水率△Wは次
式のように定義される。
【0019】
【数1】 △W=(W1 /W2 −1)×100(重量%)、 W1 :90℃、純水中、24時間浸漬後の膜重量、 W2 :W1 を測定後、100℃にて16時間真空乾燥し
た後の膜重量。
【0020】イオン交換膜層(B)に含有される水素ガ
スと酸素ガスから水を生成する反応を促進する触媒は、
好ましくは固体触媒であり、金属、合金、金属間化合
物、金属酸化物および複合酸化物が挙げられる。上記触
媒は0.5〜500nmの微粒子であるのが好ましく、
適宜の担体に担持させた担持触媒としても使用される。
担体としては、炭素、金属酸化物または複合酸化物等が
好ましい。
【0021】具体的には、使用環境下で触媒活性および
耐食性が優れる観点から、白金族金属、白金族金属の合
金、金属間化合物、酸化物、または複合酸化物が好まし
い。触媒または担持触媒は、イオン交換膜層(B)中に
分散されており、イオン交換膜を形成するイオン交換樹
脂により被覆された状態で存在するのが好ましい。
【0022】イオン交換膜層(B)における触媒の含有
量は重要であり、触媒の含有量(担持触媒使用の場合は
担体を除く)は、0.1〜500mg/cm3 、特には
1.0〜250mg/cm3 であるのが好ましい。上記
範囲より小さい場合は、触媒添加効果が小さくクロスリ
ークの抑制が不充分であり、大きい場合は、触媒添加効
果はそれ以上に増大せず、逆にイオン交換膜層の電気抵
抗の増加を招く。
【0023】また、触媒が特に担持触媒である場合は、
特にその嵩が問題になる。担持触媒(担体も含む)の含
有割合は、イオン交換膜層(B)中、50体積%以下、
特には30体積%以下であるのが好ましい。上記担持触
媒の含有割合が上記範囲外の場合にはイオン交換膜層
(B)中のイオン交換樹脂の比率が小さくなるため電気
抵抗が増大し、電池の出力が低下する。
【0024】本発明における複層イオン交換膜の全体の
厚さは、30〜300μm、特には50〜250μmで
あるのが好ましい。上記膜厚が上記範囲より小さい場合
は、膜強度および電極接合等における膜取扱い性が低下
し、大きい場合は膜抵抗が上昇し、電池の出力が低下す
るため好ましくない。
【0025】複層イオン交換膜において、アノード側イ
オン交換膜層(A)、イオン交換膜層(B)、カソード
側イオン交換膜層(C)の各厚さは同じである必要はな
い。アノード側イオン交換膜層(A)は、カソード側イ
オン交換膜層(C)より5〜200μm大きい厚さとす
るのが性能上好ましい。
【0026】なお、アノード側イオン交換膜層(A)の
厚さは15〜230μm、カソード側イオン交換膜層
(C)の厚さは10〜150μmが好ましい。一方、イ
オン交換膜層(B)は、上記2つの層より小さくするの
が好ましい。イオン交換膜層(B)の厚さは2〜30μ
mが好ましい。
【0027】本発明の上記複層イオン交換膜は、アノー
ド側イオン交換膜層(A)、触媒を含有するイオン交換
膜層(B)、およびカソード側イオン交換膜層(C)を
それぞれ別々にフィルム状に成形し、好ましくは120
〜230℃、0.5〜30kg/cm2 にてホットプレ
ス法等により密着、積層させることにより製造できる。
また、アノード側イオン交換膜層(A)またはカソード
側イオン交換膜層(C)の片面に塗布法、スプレー法、
印刷法等により触媒を含有するイオン交換膜層(B)を
形成した後、もう一方のカソード側イオン交換膜層
(C)またはアノード側イオン交換膜層(A)を上記イ
オン交換膜層(B)を挟むように積層させ、ホットプレ
ス法等によっても製造できる。
【0028】上記複層イオン交換膜は、通常の既知の方
法に従って、その表面にガス拡散電極が接合され、次い
でカーボンペーパー等の集電体が取り付けられる。次
に、燃料ガスまたは酸化剤ガスの通路となる溝が形成さ
れた一対の導電性の室枠に挟み込まれることにより、燃
料電池として組み立てられる。
【0029】本発明で使用されるガス拡散電極は特に限
定されず、例えば、白金を担持したカーボンブラック粉
末をポリテトラフルオロエチレンなどの撥水性樹脂結着
材で保持させた多孔質シートが使用でき、該多孔質シー
トは、ホスホン酸基またはスルホン酸基を有するパーフ
ルオロカーボン重合体や、該重合体で被覆された微粒子
を含んでもよい。この多孔質シートはガス拡散電極とし
てホットプレス法等により電解質であるイオン交換膜に
接合される。
【0030】また、ガス拡散電極の別の製造方法として
は、イオン交換膜、または集電体を形成するカーボンペ
ーパー等の両面または片面に、塗布法、スプレー法また
は印刷法等により白金担持カーボン粒子と、ホスホン酸
型またはスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体との
混合物からなるガス拡散電極の層を形成し、これらを好
ましくは120〜350℃、2〜100kg/cm2
てホットプレス法等により密着させる方法があり、これ
により表面にガス拡散電極層を有するイオン交換膜また
は集電体が製造できる。次いで、上記イオン交換膜層ま
たは集電体に、それぞれ集電体またはイオン交換膜層が
接合される。
【0031】
【作用】本発明では、開放起電力および端子電圧の点で
良好で、かつ燃料電池に供給されるガスの含水率の影響
を受けにくく運転操作が容易な燃料電池が得られるが、
その機構は以下のように考えられる。
【0032】本発明では、イオン交換膜が、中間層とし
てクロスリーク現象を阻止する触媒を含有するイオン交
換膜層(B)を有する。上記触媒はイオン交換膜中に大
量に存在させる必要はなく、分散され、かつイオン交換
樹脂で被覆された状態でイオン交換膜層(B)中に存在
することにより、イオン交換膜中を通過するプロトンの
移動を実質上妨げることなく、クロスリーク現象を阻止
できる。
【0033】さらに、上記クロスリーク現象の阻止は、
イオン交換膜の含水率を大きくして、イオン交換膜内の
水素ガスおよび酸素ガスの透過性を大きくした場合も達
成しうることが判明した。よって、反応により生成する
水により高含水率となるカソード側イオン交換膜層
(C)に比べ、低含水率となるアノード側イオン交換膜
層に、高含水率のイオン交換膜層を用いるのが好まし
い。
【0034】また、従来より広く用いられているスルホ
ン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイ
オン交換膜(以下、スルホン酸膜と称する)のイオン交
換基が1価であるのに対して、本発明のホスホン酸基を
有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換
膜(以下、ホスホン酸膜と称する)のイオン交換基は2
価である。
【0035】そのため本発明におけるイオン交換膜で
は、イオン交換容量が大きいものが容易に得られる。イ
オン交換膜においては、イオン交換容量が大きいものほ
ど含水率も高くなる。したがって、イオン交換膜が乾燥
しやすい条件下にあっても、ホスホン酸膜は、スルホン
酸膜より高い含水率を維持でき、膜抵抗の上昇を抑制で
きる。すなわち、加湿ガスの供給が不充分になっても、
膜抵抗の変化が小さいため、長時間安定した出力電圧が
得られると考えられる。
【0036】これらにより、クロスリーク現象を防止
し、高いプロトン移動性および低い電気抵抗を有すると
いう相反する特性をともに充足でき、燃料電池の高出力
化が達成されるとともに、安定した出力性能が得られ
る。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例(例1、例3、例5、
例6)および比較例(例2、例4、例7)により詳細に
説明する。
【0038】[例1] CF2 =CF2 とCF2 =CFOCF2 CF(CF3
O(CF22 PO3 (CH32 との共重合体からなるイオン交換容量2.
2ミリ当量/g乾燥樹脂の共重合体a、およびCF2
CF2 とCF2 =CFOCF2 CF(CF3 )O(CF
22 PO3 (CH32 との共重合体からなるイオン
交換容量2.0ミリ当量/g乾燥樹脂の共重合体bを用
意した。共重合体aを溶融キャスト法で製膜し、厚さ2
0μmのフィルム(1)を得、共重合体bを同様に製膜
し、厚さ20μmのフィルム(3)を得た。さらに、共
重合体aに50%白金担持カーボンブラック粉末を10
体積%の割合で添加し混練したものを溶融キャスト法で
製膜し、厚さ10μmのフィルム(2)を得た。このフ
ィルム(2)の白金含有量は3.1mg/cm3 であっ
た。
【0039】上記3種のフィルム(1)、(2)、
(3)を、フィルム(2)を中央にして220℃でロー
ルを用いて積層し、1Nの塩酸水溶液と1Nの酢酸水溶
液との混合水溶液中で加水分解を行い、水洗した後、1
N塩酸中に浸漬した。次いで水洗し、フィルムの四辺を
専用治具で拘束した後60℃で1時間乾燥し、複層イオ
ン交換膜を得た。なお、各フィルムの90℃の純水中の
含水率は、フィルム(1)およびフィルム(2)は78
重量%、フィルム(3)は56重量%であった。
【0040】上記複層イオン交換膜をPTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)製のガス透過性測定セルに組み
込み、ヒーターでセルを85℃に保温し、フィルム
(1)側に85℃の飽和水蒸気で加湿した常圧の水素を
供給し、フィルム(3)側に85℃の飽和水蒸気で加湿
した常圧の不活性ガスを供給し、不活性ガス中に漏洩し
た水素の量をガスクロマトグラフにより測定した。ま
た、不活性ガスの代わりに酸素を用いて、上記と同様に
して酸素中に漏洩した水素の量を測定した。不活性ガス
供給時の水素の透過量は0.40マイクロリットル/c
2 /秒であるのに対して、酸素供給時の水素の透過量
は0.023マイクロリットル/cm2 /秒であり、水
素透過量が減少した。
【0041】[例2]例1の共重合体aを溶融キャスト
法で製膜し、厚さ30μmのフィルムを得た。このフィ
ルムと例1のフィルム(3)とを220℃でロールを用
いて積層し、例1と同様に加水分解、塩酸浸漬、水洗、
乾燥処理することにより複層イオン交換膜を得た。この
複層イオン交換膜について例1と同様の方法により水素
の透過量を測定したところ、不活性ガス供給時と酸素供
給時で違いはなく、どちらも0.41マイクロリットル
/cm2 /秒であった。
【0042】[例3]例1で使用した複層イオン交換膜
の両面に、ガス拡散電極として、カーボンブラック60
重量部とPTFE40重量部とからなる厚さ約150μ
mのPt担持ガス拡散電極(電極の見掛け表面積あたり
のPt担持量:0.5mg/cm2 )を温度150℃、
圧力10kg/cm2 、10秒間の条件で、ホットプレ
ス法により接合した。
【0043】フィルム(1)がアノード側に、一方、フ
ィルム(3)がカソード側になるようにして、複層イオ
ン交換膜を電池性能測定用セルに組み込んだ。セル温度
70℃で、アノードに加湿した水素を供給し、カソード
に加湿した空気を供給し、開放起電力と電流密度0.5
A/cm2 における端子電圧を測定した。結果を表1に
示す。
【0044】[例4]例2で使用した複層イオン交換膜
の両面に、例3と同様にしてガス拡散電極を接合した。
共重合体aのフィルムがアノード側に、共重合体bのフ
ィルムがカソード側になるように複層イオン交換膜を電
池性能測定用セルに組み込んで、例3と同様にして開放
起電力と端子電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0045】[例5]例1のフィルム(3)2枚の間
に、例1のフィルム(2)1枚を挟み込み、220℃で
ロールプレスし、例1と同様にして複層イオン交換膜を
得た。この複層イオン交換膜の両面に、例3と同様にし
てガス拡散電極を接合し、例3と同様に開放起電力と端
子電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】複層イオン交換膜内にフィルム(2)を含
有する例3は、含有しない例4に比べて開放起電力が高
く、また、アノード側に高含水率のイオン交換膜層を有
する例3は、アノード側とカソード側の含水率が等しい
イオン交換膜層を有する例5よりも発電時の端子電圧が
高い。
【0048】[例6]例3と同じ膜−電極接合体を、例
3と同じ電池性能測定用セルに組み込み、セル温度60
℃にてアノードに乾燥した水素を供給し、カソードに乾
燥した空気を供給し、無加湿で電流密度0.5A/cm
2 にて連続放電試験を行った。初期の端子電圧は0.6
8Vであり、1000時間後の端子電圧の低下は約5%
であった。
【0049】[例7]CF2 =CF2 とCF2 =CFO
(CF2 CFCF3 )O(CF22 SO2Fとの共重
合体からなるイオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹
脂の共重合体c、およびCF2 =CF2 とCF2 =CF
O(CF2 CFCF3 )O(CF22 SO2 Fとの共
重合体からなるイオン交換容量1.0ミリ当量/g乾燥
樹脂の共重合体dを用意した。共重合体cを220℃で
押出製膜し、厚さ20μmのフィルム(4)を得た。次
に、共重合体dを220℃で押出製膜し、厚さ20μm
のフィルム(6)を得た。さらに、共重合体cに50%
白金担持カーボンブラック粉末を10体積%の割合で添
加し混練したものを220℃で押出製膜し、厚さ10μ
mのフィルム(5)を得た。このフィルム(5)の白金
含有量は3.1mg/cm3 であった。
【0050】上記の3種類のフィルム(4)、(5)、
(6)をフィルム(5)を中央にして220℃でロール
を用いて積層し、ジメチルスルホキシド30重量%と苛
性カリ15重量%との混合水溶液中で加水分解を行い、
水洗した後、1Nの塩酸中に浸漬した。次いで水洗し、
フィルムの四辺を専用治具で拘束した後60℃で1時間
乾燥し、複層イオン交換膜を得た。なお、各フィルムの
90℃の純粋中の含水率は、フィルム(4)およびフィ
ルム(5)は70重量%、フィルム(6)は50重量%
であった。
【0051】この複層イオン交換膜の両面に、例3と同
様にしてガス拡散電極を接合した。フィルム(4)がア
ノード側に、フィルム(6)がカソード側になるように
複層イオン交換膜を電池性能測定用セルに組み込み、例
6と同様に連続放電試験を行った。初期の端子電圧は
0.68Vであり、例6と同等であったが、1000時
間後の端子電圧の低下は約10%であった。
【0052】
【発明の効果】本発明の固体高分子電解質型燃料電池に
おいては、イオン交換膜層(B)における水素ガスと酸
素ガスとの反応により生成する水による含水率の増大、
アノード側イオン交換膜層(A)の高含水率化、および
カソードで生成する水による含水率の増大により、イオ
ン交換膜全体が高含水率になるため、膜を通じたプロト
ンの移動量が大きくなる。さらに、本質的に含水率の高
いホスホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を
使用することにより上記の効果がより顕著になる。した
がって、高い開放起電力と端子電圧を有する高出力を達
成できるだけでなく、イオン交換膜が常時高含水率に保
持されるため外界の湿度の変化の影響を受けにくく、安
定した運転操作が容易になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下平 哲司 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換膜を固体高分子電解質とする燃
    料電池において、該イオン交換膜が、アノード側イオン
    交換膜層(A)と、カソード側イオン交換膜層(C)
    と、アノード側イオン交換膜層(A)とカソード側イオ
    ン交換膜層(C)との間に配置された、水素ガスと酸素
    ガスから水を生成する反応を促進する触媒を含有するイ
    オン交換膜層(B)との少なくとも3層からなる複層イ
    オン交換膜であって、アノード側イオン交換膜層(A)
    およびカソード側イオン交換膜層(C)が、ホスホン酸
    基を有するパーフルオロカーボン重合体からなることを
    特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】イオン交換膜層(B)中の触媒量が0.1
    〜500mg/cm3 である請求項1記載の固体高分子
    電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】アノード側イオン交換膜層(A)の含水率
    が、カソード側イオン交換膜層(C)の含水率よりも5
    〜50重量%大きい請求項1または2記載の固体高分子
    電解質型燃料電池。
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