JPH1112075A - 油中水滴型エマルション爆薬組成物 - Google Patents
油中水滴型エマルション爆薬組成物Info
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- JPH1112075A JPH1112075A JP16143497A JP16143497A JPH1112075A JP H1112075 A JPH1112075 A JP H1112075A JP 16143497 A JP16143497 A JP 16143497A JP 16143497 A JP16143497 A JP 16143497A JP H1112075 A JPH1112075 A JP H1112075A
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- explosive
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 爆薬密度が低いという従来のエマルション爆
薬の欠点を改良しながら、低温感度、殉爆感度及び弾動
臼砲比と爆速の各性能を高性能に維持すること。 【解決手段】 濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミ
ン水溶液と、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩を含むPH
4〜7の酸化性水溶液成分と、燃料成分と、乳化剤成分
と、比重調節剤成分とから成ると共に、密度が0.50
〜1.25g/ccである。
薬の欠点を改良しながら、低温感度、殉爆感度及び弾動
臼砲比と爆速の各性能を高性能に維持すること。 【解決手段】 濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミ
ン水溶液と、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩を含むPH
4〜7の酸化性水溶液成分と、燃料成分と、乳化剤成分
と、比重調節剤成分とから成ると共に、密度が0.50
〜1.25g/ccである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濃度30%以上の
硝酸ヒドロキシルアミンを必須成分とする含水爆薬であ
って、主として土木業界、石灰石業界及び砕石業界で脆
性体の破壊に使われる高安全性の産業用爆薬を提供する
ものである。
硝酸ヒドロキシルアミンを必須成分とする含水爆薬であ
って、主として土木業界、石灰石業界及び砕石業界で脆
性体の破壊に使われる高安全性の産業用爆薬を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、産業用爆薬には、ダイナマイ
ト、カーリット等の従前から良く知られた爆薬以外に、
硝酸アンモニウムを主成分とし、安全性を高めるために
成分中に水を5wt%以上含んだ含水爆薬と、コストの
極めて安価なANFO爆薬とがある。
ト、カーリット等の従前から良く知られた爆薬以外に、
硝酸アンモニウムを主成分とし、安全性を高めるために
成分中に水を5wt%以上含んだ含水爆薬と、コストの
極めて安価なANFO爆薬とがある。
【0003】又、含水爆薬には、酸化剤相(これは分散
相とも、不連続相とも呼ばれる)の中に燃料成分(これ
は単に油相、燃料相或いは連続相とも呼ばれる)を有す
る形態の0il in Waterタイプのスラリー爆薬
と、燃料相の中に酸化剤相を有する形態のWater
in 0ilタイプのエマルション爆薬とがある。ダイ
ナマイト、カーリットは、爆速もガスポリュームも高く
非常に優秀な爆薬であるが、製造・取扱感度が高くこれ
まで度々尊い人命が不慮の爆発事故によって失われてい
る。そんな中で安全性が極めて高いウォターゲル或いは
スラリーと呼ばれる含水爆薬が開発され、ダイナマイト
或いはカーリットに変わろうとしたが、従来と同一形状
の紙巻きカートリッジにすることが困難であったこと、
或いはダイナマイトに比べるとやや威力が劣る等の点か
らユーザーには受け入れられなかった。その間に、紙巻
き包装に適するエマルション爆薬が開発されたが、総合
性能ではダイナマイトに劣るものであった。
相とも、不連続相とも呼ばれる)の中に燃料成分(これ
は単に油相、燃料相或いは連続相とも呼ばれる)を有す
る形態の0il in Waterタイプのスラリー爆薬
と、燃料相の中に酸化剤相を有する形態のWater
in 0ilタイプのエマルション爆薬とがある。ダイ
ナマイト、カーリットは、爆速もガスポリュームも高く
非常に優秀な爆薬であるが、製造・取扱感度が高くこれ
まで度々尊い人命が不慮の爆発事故によって失われてい
る。そんな中で安全性が極めて高いウォターゲル或いは
スラリーと呼ばれる含水爆薬が開発され、ダイナマイト
或いはカーリットに変わろうとしたが、従来と同一形状
の紙巻きカートリッジにすることが困難であったこと、
或いはダイナマイトに比べるとやや威力が劣る等の点か
らユーザーには受け入れられなかった。その間に、紙巻
き包装に適するエマルション爆薬が開発されたが、総合
性能ではダイナマイトに劣るものであった。
【0004】小口径で雷管起爆性のエマルション爆薬
は、最初にC.G.Wade等の米国特許第3,71
5,247号明細書(爆轟触媒の利用)、米国特許第
4,110,134号明細書(気泡剤の利用)で開示さ
れ、今日のエマルション爆薬の基礎となっているが、そ
の後様々な種類の鋭感剤を加えて種々の性能のエマルシ
ョン爆薬が開発され、今日に至っている。
は、最初にC.G.Wade等の米国特許第3,71
5,247号明細書(爆轟触媒の利用)、米国特許第
4,110,134号明細書(気泡剤の利用)で開示さ
れ、今日のエマルション爆薬の基礎となっているが、そ
の後様々な種類の鋭感剤を加えて種々の性能のエマルシ
ョン爆薬が開発され、今日に至っている。
【0005】その鋭感剤としては、硝酸ヒドラジン、硝
酸尿素、過塩素酸ヒドラジン等の硝酸塩或いは過塩素酸
塩等の無機酸化性塩、或いは硝酸モノメチルアミン、硝
酸モノエタノールアミン、2硝酸エチレンジアミン、硝
酸モノエチレングリコールのような有機酸化性塩があ
る。これらは、何れもエマルション爆薬の低温爆発性
能、殉爆性能或いは静的威力等を向上させるためになさ
れた改良である。
酸尿素、過塩素酸ヒドラジン等の硝酸塩或いは過塩素酸
塩等の無機酸化性塩、或いは硝酸モノメチルアミン、硝
酸モノエタノールアミン、2硝酸エチレンジアミン、硝
酸モノエチレングリコールのような有機酸化性塩があ
る。これらは、何れもエマルション爆薬の低温爆発性
能、殉爆性能或いは静的威力等を向上させるためになさ
れた改良である。
【0006】これら酸化性塩からなる鋭感剤以外による
性能向上方法には、ストロンチウムイオン等の爆轟触媒
効果を有する成分の添加による爆発性の向上、気泡剤の
添加による低温感度の向上と、アルミニウムの添加によ
る静的威力の向上がある。例えば、アミンを含む酸化性
塩からなる鋭感剤の添加例としては、米国特許第3,6
53,992号明細書、米国特許第3,715,247
号明細書、独国特許第2,107,610号明細書、特
開昭56−78493号公報、独国特許第3,141,
979号明細書、米国特許第4,428,784号明細
書、米国特許第5,051,142号明細書がある。
性能向上方法には、ストロンチウムイオン等の爆轟触媒
効果を有する成分の添加による爆発性の向上、気泡剤の
添加による低温感度の向上と、アルミニウムの添加によ
る静的威力の向上がある。例えば、アミンを含む酸化性
塩からなる鋭感剤の添加例としては、米国特許第3,6
53,992号明細書、米国特許第3,715,247
号明細書、独国特許第2,107,610号明細書、特
開昭56−78493号公報、独国特許第3,141,
979号明細書、米国特許第4,428,784号明細
書、米国特許第5,051,142号明細書がある。
【0007】ストロンチウムイオン等の爆轟触媒の添加
例としては、米国特許第3,715,247号明細書、
特開昭56−78492号公報、特開昭56−1550
86号公報、英国特許第2,086,363号明細書、
米国特許第4,453,989号明細書がある。アルミ
ニウム添加の例としては、米国特許第3,770,52
2号明細書、米国特許第4,110,134号明細書、
ヨーロッパ特許第28,908号明細書、英国特許第
2,178,736号明細書、特開平2−205522
号公報がある。気泡剤添加の例としては、米国特許第
4,110,134号明細書、ヨーロッパ特許第97,
030号明細書、米国特許第4,474,628号明細
書、米国特許第5,017,251号明細書、米国特許
第5366571号明細書がある。
例としては、米国特許第3,715,247号明細書、
特開昭56−78492号公報、特開昭56−1550
86号公報、英国特許第2,086,363号明細書、
米国特許第4,453,989号明細書がある。アルミ
ニウム添加の例としては、米国特許第3,770,52
2号明細書、米国特許第4,110,134号明細書、
ヨーロッパ特許第28,908号明細書、英国特許第
2,178,736号明細書、特開平2−205522
号公報がある。気泡剤添加の例としては、米国特許第
4,110,134号明細書、ヨーロッパ特許第97,
030号明細書、米国特許第4,474,628号明細
書、米国特許第5,017,251号明細書、米国特許
第5366571号明細書がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】エマルション爆薬は、
爆薬密度が約1.10g/ccの一定条件では、低温感
度は−30℃で完爆し、JlS鋼管に詰めた爆速は約5
800m/secと非常に高性能の産業爆薬である。し
かし、威力向上を図っていないエマルション爆薬は、殉
爆感度(砂上殉爆感度で代表され、励爆薬の爆発による
受爆薬の感応力を供試爆薬薬包径の倍数で表すものであ
って、一般的に高い(数値の大きい)方が不発残留薬が発
生せず良好である)が約2径倍、静的威力の指標である
弾動臼砲比(TNT%)が約100%と、日本工機株式
会社製スラリー爆薬の殉爆感度約4径倍、弾動臼砲比
(TNT%)約110%と比較し低い値である。
爆薬密度が約1.10g/ccの一定条件では、低温感
度は−30℃で完爆し、JlS鋼管に詰めた爆速は約5
800m/secと非常に高性能の産業爆薬である。し
かし、威力向上を図っていないエマルション爆薬は、殉
爆感度(砂上殉爆感度で代表され、励爆薬の爆発による
受爆薬の感応力を供試爆薬薬包径の倍数で表すものであ
って、一般的に高い(数値の大きい)方が不発残留薬が発
生せず良好である)が約2径倍、静的威力の指標である
弾動臼砲比(TNT%)が約100%と、日本工機株式
会社製スラリー爆薬の殉爆感度約4径倍、弾動臼砲比
(TNT%)約110%と比較し低い値である。
【0009】一般的に、混合爆薬である含水爆薬は、密
度が高くなると、低温感度、殉爆感度とも低下し、一
方、爆速は密度が1.32g/cc程度のところまで上
昇するが、それより高くなると急激に低下し、終いには
爆発しなくなる。即ち、爆薬密度の増大と共に爆発感度
が低下し、それに応じて反応率も低下するため、必然的
に弾動臼砲比も低下する。
度が高くなると、低温感度、殉爆感度とも低下し、一
方、爆速は密度が1.32g/cc程度のところまで上
昇するが、それより高くなると急激に低下し、終いには
爆発しなくなる。即ち、爆薬密度の増大と共に爆発感度
が低下し、それに応じて反応率も低下するため、必然的
に弾動臼砲比も低下する。
【0010】このように、爆薬の密度を上げて尚且つ低
温感度、殉爆感度及び弾動臼砲比等の性能を維持するこ
とは、火薬成分を有しない含水爆薬において非常に困難
なことである。勿論、商品として少なくとも2年間の品
質保証を要することから、経時安定性についても満足さ
せるものでなければならない。更に、実際の発破現場の
ボアホールは、一般的に水があり、その水の密度は繰り
粉の混ざった泥水であるために1.10g/cc以上に
なっている。このような泥水中においては、爆薬を装填
しようにも浮いてしまって充填し難い等の問題、又爆薬
密度が低いと爆薬の集中効果が悪く硬岩或いは拘束条件
の厳しい孔底近傍では貧弱な破壊(砕)結果となってし
まうという欠点があった。
温感度、殉爆感度及び弾動臼砲比等の性能を維持するこ
とは、火薬成分を有しない含水爆薬において非常に困難
なことである。勿論、商品として少なくとも2年間の品
質保証を要することから、経時安定性についても満足さ
せるものでなければならない。更に、実際の発破現場の
ボアホールは、一般的に水があり、その水の密度は繰り
粉の混ざった泥水であるために1.10g/cc以上に
なっている。このような泥水中においては、爆薬を装填
しようにも浮いてしまって充填し難い等の問題、又爆薬
密度が低いと爆薬の集中効果が悪く硬岩或いは拘束条件
の厳しい孔底近傍では貧弱な破壊(砕)結果となってし
まうという欠点があった。
【0011】本発明は斯かる従来からの火薬成分を有し
ない含水爆薬の問題点を解決するためになされたもの
で、その目的は、爆薬密度が低いという従来のエマルシ
ョン爆薬の欠点を改良しながら、低温感度、殉爆感度及
び弾動臼砲比と爆速の各性能を高性能に維持することを
可能とした油中水滴型エマルション爆薬を提供すること
にある。
ない含水爆薬の問題点を解決するためになされたもの
で、その目的は、爆薬密度が低いという従来のエマルシ
ョン爆薬の欠点を改良しながら、低温感度、殉爆感度及
び弾動臼砲比と爆速の各性能を高性能に維持することを
可能とした油中水滴型エマルション爆薬を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水溶液と、そ
の他の硝酸塩又は過塩素酸塩を含むPH4〜7の酸化性
水溶液成分と、燃料成分と、乳化剤成分と、比重調節剤
成分とから成ると共に、密度が0.50〜1.25g/
ccであることを特徴とする。
濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水溶液と、そ
の他の硝酸塩又は過塩素酸塩を含むPH4〜7の酸化性
水溶液成分と、燃料成分と、乳化剤成分と、比重調節剤
成分とから成ると共に、密度が0.50〜1.25g/
ccであることを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明は、請求項1記載の油
中水滴型エマルション爆薬組成物において、酸化性水溶
液成分は、濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水
溶液5〜25wt%と、硝酸アンモニウム50〜75w
t%と、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る補助酸
化剤3〜25wt%と、酢酸又は酢酸ナトリウム或いは
クエン酸又はクエン酸ナトリウムから成るPH安定剤と
しての緩衝剤0.10〜1.00wt%と、水又は水分5
〜20wt%とから成り、燃料成分は、炭素質燃料成分
1.5〜5.0wt%から成り、乳化剤成分は、ソルビタ
ン脂肪酸エステル型乳化剤2.0〜5.0wt%から成
り、比重調節剤成分は、化学発泡剤、ガラス質微小中空
球体、樹脂質微小中空球体、セラミック質微小中空球体
から選ばれる少なくとも1種以上の比重調節剤0.10
〜30.0wt%から成ることを特徴とする。
中水滴型エマルション爆薬組成物において、酸化性水溶
液成分は、濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水
溶液5〜25wt%と、硝酸アンモニウム50〜75w
t%と、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る補助酸
化剤3〜25wt%と、酢酸又は酢酸ナトリウム或いは
クエン酸又はクエン酸ナトリウムから成るPH安定剤と
しての緩衝剤0.10〜1.00wt%と、水又は水分5
〜20wt%とから成り、燃料成分は、炭素質燃料成分
1.5〜5.0wt%から成り、乳化剤成分は、ソルビタ
ン脂肪酸エステル型乳化剤2.0〜5.0wt%から成
り、比重調節剤成分は、化学発泡剤、ガラス質微小中空
球体、樹脂質微小中空球体、セラミック質微小中空球体
から選ばれる少なくとも1種以上の比重調節剤0.10
〜30.0wt%から成ることを特徴とする。
【0014】請求項3に係る発明は、請求項1記載の油
中水滴型エマルション爆薬組成物において、酸化性水溶
液成分は、濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水
溶液5〜25wt%と、硝酸アンモニウム50〜75w
t%と、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る補助酸
化剤3〜20wt%と、酢酸又は酢酸ナトリウム或いは
クエン酸又はクエン酸ナトリウムから成るPH安定剤と
しての緩衝剤0.10〜1.00wt%と、水又は水分5
〜20wt%とから成り、燃料成分は、炭素質燃料成分
1.5〜5.0wt%と、アルミニウム、マグネシウム、
マグナリウム、カーボンから選ばれる反応すると高温を
発生する補助燃料2.0〜6.0wt%とから成り、乳化
剤成分は、ソルビタン脂肪酸エステル型乳化剤2.0〜
5.0wt%から成り、比重調節剤成分は、化学発泡
剤、ガラス質微小中空球体、樹脂質微小中空球体、セラ
ミック質微小中空球体から選ばれる少なくとも1種以上
の比重調節剤0.10〜30.0wt%から成ることを特
徴とする。
中水滴型エマルション爆薬組成物において、酸化性水溶
液成分は、濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水
溶液5〜25wt%と、硝酸アンモニウム50〜75w
t%と、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る補助酸
化剤3〜20wt%と、酢酸又は酢酸ナトリウム或いは
クエン酸又はクエン酸ナトリウムから成るPH安定剤と
しての緩衝剤0.10〜1.00wt%と、水又は水分5
〜20wt%とから成り、燃料成分は、炭素質燃料成分
1.5〜5.0wt%と、アルミニウム、マグネシウム、
マグナリウム、カーボンから選ばれる反応すると高温を
発生する補助燃料2.0〜6.0wt%とから成り、乳化
剤成分は、ソルビタン脂肪酸エステル型乳化剤2.0〜
5.0wt%から成り、比重調節剤成分は、化学発泡
剤、ガラス質微小中空球体、樹脂質微小中空球体、セラ
ミック質微小中空球体から選ばれる少なくとも1種以上
の比重調節剤0.10〜30.0wt%から成ることを特
徴とする。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求
項3の何れか1項記載の油中水滴型エマルション爆薬組
成物において、濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミ
ン水溶液成分は、塩基性アミン類又は苛性ソーダと、酢
酸又は酢酸ナトリウム或いはクエン酸又はクエン酸ナト
リウムから成る緩衝剤でPH4〜7に調節されているこ
とを特徴とする。
項3の何れか1項記載の油中水滴型エマルション爆薬組
成物において、濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミ
ン水溶液成分は、塩基性アミン類又は苛性ソーダと、酢
酸又は酢酸ナトリウム或いはクエン酸又はクエン酸ナト
リウムから成る緩衝剤でPH4〜7に調節されているこ
とを特徴とする。
【0016】請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求
項4の何れか1項記載の油中水滴型エマルション爆薬組
成物において、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る
補助酸化剤は、アルカリ金属又はアルカリ土金属硝酸塩
及び/又は過塩素酸塩の水溶性酸化性塩であることを特
徴とする。請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項
5の何れか1項記載の油中水滴型エマルション爆薬組成
物において、セラミック質微小中空球体は、個々の粒子
径が100μm以上であり、ガラス質微小中空球体及び
樹脂質微小中空球体は、個々の粒子径が44〜250μ
mであることを特徴とする。
項4の何れか1項記載の油中水滴型エマルション爆薬組
成物において、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る
補助酸化剤は、アルカリ金属又はアルカリ土金属硝酸塩
及び/又は過塩素酸塩の水溶性酸化性塩であることを特
徴とする。請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項
5の何れか1項記載の油中水滴型エマルション爆薬組成
物において、セラミック質微小中空球体は、個々の粒子
径が100μm以上であり、ガラス質微小中空球体及び
樹脂質微小中空球体は、個々の粒子径が44〜250μ
mであることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、炭素質燃料成分
としては、例えば、パラフィン系炭化水素、オレフィン
系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素、
飽和又は不飽和炭化水素、石油精製鉱油、潤滑油、流動
パラフィン、例えば、ニトロ炭化水素等の炭化水素誘導
体等の燃料油及び/又は石油から誘導される未精製若し
くは精製マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワ
ックス等、或いは鉱物性ワックスであるモンタンワック
ス、オゾケライト等、動物性ワックスである鯨ロウ、昆
虫ワックスである密ロウ等のワックス類等、従来からW
/O型爆薬の連続相に使用される炭化水素系物質の何れ
をも含み、これらを単独若しくは混合物として用いるこ
とができる。
としては、例えば、パラフィン系炭化水素、オレフィン
系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素、
飽和又は不飽和炭化水素、石油精製鉱油、潤滑油、流動
パラフィン、例えば、ニトロ炭化水素等の炭化水素誘導
体等の燃料油及び/又は石油から誘導される未精製若し
くは精製マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワ
ックス等、或いは鉱物性ワックスであるモンタンワック
ス、オゾケライト等、動物性ワックスである鯨ロウ、昆
虫ワックスである密ロウ等のワックス類等、従来からW
/O型爆薬の連続相に使用される炭化水素系物質の何れ
をも含み、これらを単独若しくは混合物として用いるこ
とができる。
【0018】ソルビタン脂肪酸エステル型の乳化剤とし
ては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタン
モノオレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタンセスキオレート、ソル
ビタンジオレート、ソルビタントリオレート等がある。
アルカリ金属又はアルカリ土金属の硝酸塩又は過塩素酸
塩から選ばれる酸化性塩としては、硝酸ナトリウム、硝
酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝
酸バリウム、硝酸リチウム等の硝酸塩、過塩素酸ナトリ
ウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸カルシウム、過塩素
酸ストロンチウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸リチウ
ム等の過塩素酸塩である。
ては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタン
モノオレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタンセスキオレート、ソル
ビタンジオレート、ソルビタントリオレート等がある。
アルカリ金属又はアルカリ土金属の硝酸塩又は過塩素酸
塩から選ばれる酸化性塩としては、硝酸ナトリウム、硝
酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝
酸バリウム、硝酸リチウム等の硝酸塩、過塩素酸ナトリ
ウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸カルシウム、過塩素
酸ストロンチウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸リチウ
ム等の過塩素酸塩である。
【0019】従来、含水爆薬の低温感度、殉爆感度或い
は弾動臼砲比等の何れかの性能を向上するためになされ
ている常套手段は、有機アミン酸化性塩、例えば、硝酸
塩又は過塩素酸塩を用いる方法と、硝酸ヒドラジン、硝
酸尿素、硝酸グアニジン等のそれ自身爆発性を有する化
合物を用いる方法、或いはニトロ基を3個以上有するそ
れ自身爆薬である化合物、例えば、RDX、結晶粉末T
NT、PETN、HMXを用いる方法等があった。
は弾動臼砲比等の何れかの性能を向上するためになされ
ている常套手段は、有機アミン酸化性塩、例えば、硝酸
塩又は過塩素酸塩を用いる方法と、硝酸ヒドラジン、硝
酸尿素、硝酸グアニジン等のそれ自身爆発性を有する化
合物を用いる方法、或いはニトロ基を3個以上有するそ
れ自身爆薬である化合物、例えば、RDX、結晶粉末T
NT、PETN、HMXを用いる方法等があった。
【0020】よく知られた有機アミン酸化性塩には、硝
酸モノメチルアミン、硝酸モノエタノールアミン、硝酸
モノエチレングリコール、2硝酸エチレンジアミン等が
あり、又これらの過塩素酸塩が使われることもある。こ
れらは一般的に水溶性であって、含水爆薬中における酸
化剤相として有効なものである。又、硝酸ヒドラジン、
硝酸尿素、硝酸グアニジン等のそれ自身爆発性を有する
化合物を用いる方法、及びニトロ基を3個以上有するそ
れ自身爆薬である化合物を用いる方法についても、これ
らの添加剤が易水溶性であるならば、上記有機アミン酸
化性塩を用いる方法と同じく酸化剤相の1つの原料とし
て有効なものである。又、これらの添加剤が水に難溶性
であるならば、得られた乳化物に密度を調整するための
気泡剤であるガラスマイクロバルーン或いは爆発温度を
上げて結果的に爆薬の静的威力を向上するために添加す
るアルミニウムと共に添加し混和するという方法もあ
る。以上の方法は、産業用爆薬の研究に携わっている技
術者にとっては当然取り得る技術である。
酸モノメチルアミン、硝酸モノエタノールアミン、硝酸
モノエチレングリコール、2硝酸エチレンジアミン等が
あり、又これらの過塩素酸塩が使われることもある。こ
れらは一般的に水溶性であって、含水爆薬中における酸
化剤相として有効なものである。又、硝酸ヒドラジン、
硝酸尿素、硝酸グアニジン等のそれ自身爆発性を有する
化合物を用いる方法、及びニトロ基を3個以上有するそ
れ自身爆薬である化合物を用いる方法についても、これ
らの添加剤が易水溶性であるならば、上記有機アミン酸
化性塩を用いる方法と同じく酸化剤相の1つの原料とし
て有効なものである。又、これらの添加剤が水に難溶性
であるならば、得られた乳化物に密度を調整するための
気泡剤であるガラスマイクロバルーン或いは爆発温度を
上げて結果的に爆薬の静的威力を向上するために添加す
るアルミニウムと共に添加し混和するという方法もあ
る。以上の方法は、産業用爆薬の研究に携わっている技
術者にとっては当然取り得る技術である。
【0021】何れにしても、これらの添加剤単独では、
爆薬密度と爆速を上げ、更に低温感度、殉爆感度及び弾
動臼砲比も同時に向上することは不可能である。一般的
に、有機アミン酸化性塩又は爆発性を有する硝酸塩等の
化合物を添加することによっては、爆速と弾動臼砲比は
向上するが、低温感度を−30℃及び、殉爆感度を2.
0径倍以上に向上するには爆薬密度を1.10g/cc
付近まで下げなければ困難である。又、ニトロ基を3個
以上含むそれ自身爆薬である化合物を添加することによ
っては、爆薬密度が1.10g/cc以上であっても、
爆速、低温感度、殉爆感度及び弾動臼砲比等も向上する
が、製造及び取扱い危険性が増大し、高安全性爆薬とい
う含水爆薬のメリットがなくなるばかりか、時代の趨勢
である人命尊重の精神に反する。従って、それ自身爆薬
である化合物を使えば容易に所望の含水爆薬が得られる
ことを理解しながらも、本発明では、先の有機アミン酸
化性塩を再度見直し1種以上の添加剤の相互作用によっ
て目的とする含水爆薬の性能向上に努めた。
爆薬密度と爆速を上げ、更に低温感度、殉爆感度及び弾
動臼砲比も同時に向上することは不可能である。一般的
に、有機アミン酸化性塩又は爆発性を有する硝酸塩等の
化合物を添加することによっては、爆速と弾動臼砲比は
向上するが、低温感度を−30℃及び、殉爆感度を2.
0径倍以上に向上するには爆薬密度を1.10g/cc
付近まで下げなければ困難である。又、ニトロ基を3個
以上含むそれ自身爆薬である化合物を添加することによ
っては、爆薬密度が1.10g/cc以上であっても、
爆速、低温感度、殉爆感度及び弾動臼砲比等も向上する
が、製造及び取扱い危険性が増大し、高安全性爆薬とい
う含水爆薬のメリットがなくなるばかりか、時代の趨勢
である人命尊重の精神に反する。従って、それ自身爆薬
である化合物を使えば容易に所望の含水爆薬が得られる
ことを理解しながらも、本発明では、先の有機アミン酸
化性塩を再度見直し1種以上の添加剤の相互作用によっ
て目的とする含水爆薬の性能向上に努めた。
【0022】一般に、産業爆薬は、爆発性の維持と爆発
後の反応生成ガス中に有害な成分を極力少なくするため
に、酸素バランス(酸素過不足)を0からやや正(+)
に調整している。含水爆薬の上記性能を向上するために
は有機アミン酸化性塩の量を増やせばよいが、有機アミ
ン酸化性塩の酸素バランスが負(−)のものが多いため
に大量に使用することができない。例えば、硝酸モノメ
チルアミン、硝酸モノエタノールアミン、2硝酸エチレ
ンジアミンは、それぞれ酸素バランスが−0.340、
−0.561、−0.258と負である。従って、酸素
バランスを所定の範囲に収めるためには、これらの有機
アミン酸化性塩の添加量にも制約がつく。そこで、有機
アミン酸化性塩類で酸素バランスが極めて0に近いも
の、好ましくは正のものを検討した結果、液体発射薬の
原料である硝酸ヒドロキシルアミン(別名、硝酸ヒドロ
キシルアンモニウム(米国特許第4,402,775号
明細書))と、その他の成分を使用することによって問
題解決を見い出した。
後の反応生成ガス中に有害な成分を極力少なくするため
に、酸素バランス(酸素過不足)を0からやや正(+)
に調整している。含水爆薬の上記性能を向上するために
は有機アミン酸化性塩の量を増やせばよいが、有機アミ
ン酸化性塩の酸素バランスが負(−)のものが多いため
に大量に使用することができない。例えば、硝酸モノメ
チルアミン、硝酸モノエタノールアミン、2硝酸エチレ
ンジアミンは、それぞれ酸素バランスが−0.340、
−0.561、−0.258と負である。従って、酸素
バランスを所定の範囲に収めるためには、これらの有機
アミン酸化性塩の添加量にも制約がつく。そこで、有機
アミン酸化性塩類で酸素バランスが極めて0に近いも
の、好ましくは正のものを検討した結果、液体発射薬の
原料である硝酸ヒドロキシルアミン(別名、硝酸ヒドロ
キシルアンモニウム(米国特許第4,402,775号
明細書))と、その他の成分を使用することによって問
題解決を見い出した。
【0023】一般に、含水爆薬に使用される有機アミン
酸化性塩は、硝酸塩が多いが、それらは前述のように酸
素バランスが負(−)であって、量を増やせば有効であ
ることはわかっていても、製品の酸素バランスを考慮す
ると極度に増やせない。これに対して、硝酸ヒドロキシ
ルアミンの特長はそれ自身の酸素バランスが若干正
(+)の有機アミン酸化性塩であって、他の有機アミン
酸化性塩にはない特長を持っている。このため、酸素バ
ランスに気を払うことなく任意の割合で使用することが
できる。そこで、これを用いた含水爆薬について鋭意研
究したところ、以下の新しい事実が判明した。
酸化性塩は、硝酸塩が多いが、それらは前述のように酸
素バランスが負(−)であって、量を増やせば有効であ
ることはわかっていても、製品の酸素バランスを考慮す
ると極度に増やせない。これに対して、硝酸ヒドロキシ
ルアミンの特長はそれ自身の酸素バランスが若干正
(+)の有機アミン酸化性塩であって、他の有機アミン
酸化性塩にはない特長を持っている。このため、酸素バ
ランスに気を払うことなく任意の割合で使用することが
できる。そこで、これを用いた含水爆薬について鋭意研
究したところ、以下の新しい事実が判明した。
【0024】(1)5wt%以上の硝酸ヒドロキシルア
ミンを添加することによって、高密度においても低温感
度の優れた含水爆薬(エマルション爆薬、スラリー爆
薬)が得られる。 (2)5wt%以上の硝酸ヒドロキシルアミンとアルミ
ニウム(補助燃料)の相互作用によって、高密度であっ
ても、低温感度の優れた、しかも静的威力の優れた含水
爆薬(エマルション爆薬、スラリー爆薬)が得られる。
ミンを添加することによって、高密度においても低温感
度の優れた含水爆薬(エマルション爆薬、スラリー爆
薬)が得られる。 (2)5wt%以上の硝酸ヒドロキシルアミンとアルミ
ニウム(補助燃料)の相互作用によって、高密度であっ
ても、低温感度の優れた、しかも静的威力の優れた含水
爆薬(エマルション爆薬、スラリー爆薬)が得られる。
【0025】(3)更には、住友3M株式会社製のガラ
スバルーンK−1−250(平均粒径68μm)、同ガ
ラスバルーンK−15−300(平均粒径68μm)又
は同ガラスバルーンK−20−500(平均粒径59μ
m)等が高密度にも拘わらず、低温感度の優れた含水爆
薬にし得ることを見い出した。但し、この有機アミン硝
酸塩である硝酸ヒドロキシルアミンのPHは、濃度30
%のもので約3.6とかなり低く、含水爆薬の酸化剤相
としては経時安定性の点から好ましくない。処で、酸化
剤相のPHを調節するために緩衝剤として酢酸ソーダを
用いながら、少量の1Nの苛性ソーダ水溶液又はモノエ
タノールアミン、モノメチルアミン或いはエチレンジア
ミン等の有機アミンによってPH値を4.5〜6.5間
に調節した。
スバルーンK−1−250(平均粒径68μm)、同ガ
ラスバルーンK−15−300(平均粒径68μm)又
は同ガラスバルーンK−20−500(平均粒径59μ
m)等が高密度にも拘わらず、低温感度の優れた含水爆
薬にし得ることを見い出した。但し、この有機アミン硝
酸塩である硝酸ヒドロキシルアミンのPHは、濃度30
%のもので約3.6とかなり低く、含水爆薬の酸化剤相
としては経時安定性の点から好ましくない。処で、酸化
剤相のPHを調節するために緩衝剤として酢酸ソーダを
用いながら、少量の1Nの苛性ソーダ水溶液又はモノエ
タノールアミン、モノメチルアミン或いはエチレンジア
ミン等の有機アミンによってPH値を4.5〜6.5間
に調節した。
【0026】硝酸ヒドロキシルアミンは、液体発射薬の
原料であることは米国特許第4,402,775号明細
書に開示されている。これまで種々の有機アミン硝酸塩
を含水爆薬の鋭感剤として検討してきたが、これらは一
般に酸素バランスが負(−)の物質であって、上述した
ように有効ではあると理解しつつも、得られた爆薬自身
の酸素バランスが大きく負になってしまうという危惧の
ため多量に使用できなかった。処が、この硝酸ヒドロキ
シルアミンならば、このような危惧は払う必要が無く、
ただ水分のみをコントロールすることで非常に優れた有
効な爆薬組成物が得られることが分かった。
原料であることは米国特許第4,402,775号明細
書に開示されている。これまで種々の有機アミン硝酸塩
を含水爆薬の鋭感剤として検討してきたが、これらは一
般に酸素バランスが負(−)の物質であって、上述した
ように有効ではあると理解しつつも、得られた爆薬自身
の酸素バランスが大きく負になってしまうという危惧の
ため多量に使用できなかった。処が、この硝酸ヒドロキ
シルアミンならば、このような危惧は払う必要が無く、
ただ水分のみをコントロールすることで非常に優れた有
効な爆薬組成物が得られることが分かった。
【0027】この硝酸ヒドロキシルアミンを含水爆薬の
鋭感剤として使用するために、先ず以下のことを検討し
た。 1)爆薬の経時安定性を損なわないようにするために、
PH範囲をどの値にコントロールするか。 2)最適なPH範囲に持っていくのに、どのような成分
を反応させるか。
鋭感剤として使用するために、先ず以下のことを検討し
た。 1)爆薬の経時安定性を損なわないようにするために、
PH範囲をどの値にコントロールするか。 2)最適なPH範囲に持っていくのに、どのような成分
を反応させるか。
【0028】3)それに見合った固化剤(増粘剤とその
架橋剤、乳化剤と乳化安定剤)は、何が適するか。例え
ば、スラリー爆薬であれば、その増粘剤は、一方、エマ
ルション爆薬であれば、その最適乳化剤は何かを検討す
る必要がある。 4)アルミニウム(補助燃料)と両立することができる
か。 5)酸素バランスはいくらがよいか。
架橋剤、乳化剤と乳化安定剤)は、何が適するか。例え
ば、スラリー爆薬であれば、その増粘剤は、一方、エマ
ルション爆薬であれば、その最適乳化剤は何かを検討す
る必要がある。 4)アルミニウム(補助燃料)と両立することができる
か。 5)酸素バランスはいくらがよいか。
【0029】以下、これらについてそれぞれ説明する。
先ず、PHであるが、経時安定性が良好なのは、7.0
>PH>4.0である。PHが4.0末満では、温度サ
イクル試験による強制劣化試験と共に薬質が柔らかくな
り、終いに加圧すると、液状物が表面から滲み出てエマ
ルションの分離が認められる。一方、PHが7.0を超
えると、温度サイクル試験で10ケ月後には薬質が非常
に硬くなり、薬質がぼそぼそで脆くなると同時にアンモ
ニア臭が認められることが分かった。
先ず、PHであるが、経時安定性が良好なのは、7.0
>PH>4.0である。PHが4.0末満では、温度サ
イクル試験による強制劣化試験と共に薬質が柔らかくな
り、終いに加圧すると、液状物が表面から滲み出てエマ
ルションの分離が認められる。一方、PHが7.0を超
えると、温度サイクル試験で10ケ月後には薬質が非常
に硬くなり、薬質がぼそぼそで脆くなると同時にアンモ
ニア臭が認められることが分かった。
【0030】硝酸ヒドロキシルアミンは、前述の通りや
やPH値が低く、エマルションの経時安定性を悪くする
ので、PH範囲を少々上げねばならない。その目的のた
めに、1Nの苛性ソーダ水溶液又はその他の爆薬技術で
は公知の有機アミン、例えば、モノメチルアミン、モノ
エタノールアミン或いはエチレンジアミンを使用した。
結果的には、苛性ソーダでも有効であるが、モノメチ
ルアミン、モノエタノールアミン或いはエチレンジアミ
ンのようなエネルギー性有機アミンの方が爆薬の静的威
力を向上しようとする目的に適っている。ここで得られ
たPHを安定化させるために、ここでは酢酸及び/又は
酢酸ナトリウムからなる緩衝液を用いた。
やPH値が低く、エマルションの経時安定性を悪くする
ので、PH範囲を少々上げねばならない。その目的のた
めに、1Nの苛性ソーダ水溶液又はその他の爆薬技術で
は公知の有機アミン、例えば、モノメチルアミン、モノ
エタノールアミン或いはエチレンジアミンを使用した。
結果的には、苛性ソーダでも有効であるが、モノメチ
ルアミン、モノエタノールアミン或いはエチレンジアミ
ンのようなエネルギー性有機アミンの方が爆薬の静的威
力を向上しようとする目的に適っている。ここで得られ
たPHを安定化させるために、ここでは酢酸及び/又は
酢酸ナトリウムからなる緩衝液を用いた。
【0031】硝酸ヒドロキシルアミンは、上述のように
PHをある一定範囲に調節することによって従来のスラ
リー爆薬の製造技術又はエマルション爆薬の製造技術を
用いて容易に製造できることが分かった。即ち、スラリ
ー爆薬であれば、グアーガムとそれに適する架橋剤の組
み合わせで、又エマルション爆薬であれば、特別な乳化
安定剤を用いなくとも公知のソルビタン脂肪酸エステ
ル、例えば、ソルビタンモノオレート(従前は例えば、
花王株式会社の製品であれば、スパン80と呼ばれ、現
在はレオドールSP−O10と呼ばれている。)、ソル
ビタンセスキオレート、ソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタントリオレート、ソルビタントリステアレ
ートを単独又は共用することで十分安定なエマルション
爆薬を製造できることが分かった。そこで、最も一般的
なソルビタンモノオレート及び/又はソルビタンセスキ
オレートを用いることとした。
PHをある一定範囲に調節することによって従来のスラ
リー爆薬の製造技術又はエマルション爆薬の製造技術を
用いて容易に製造できることが分かった。即ち、スラリ
ー爆薬であれば、グアーガムとそれに適する架橋剤の組
み合わせで、又エマルション爆薬であれば、特別な乳化
安定剤を用いなくとも公知のソルビタン脂肪酸エステ
ル、例えば、ソルビタンモノオレート(従前は例えば、
花王株式会社の製品であれば、スパン80と呼ばれ、現
在はレオドールSP−O10と呼ばれている。)、ソル
ビタンセスキオレート、ソルビタンモノラウレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタントリオレート、ソルビタントリステアレ
ートを単独又は共用することで十分安定なエマルション
爆薬を製造できることが分かった。そこで、最も一般的
なソルビタンモノオレート及び/又はソルビタンセスキ
オレートを用いることとした。
【0032】通常、産業爆薬は、酸素バランスを零付近
に調整することによって爆発によって発生する人体に有
害なガスを抑制し、且つ爆発性能を高度に維持してい
る。そこで、この硝酸ヒドロキシルアミンとアルミニウ
ムとの併用により構成爆薬の一層の威力向上が図れるか
否かを確認したところ、アルミニウムが2〜6wt%ま
でならば、粘度上昇をきたすことなく、而も酸素バラン
スがたとえ負であろうとも、人体に有害なガス、例え
ば、NO、NO2、COのようなガスの多量発生もな
く、更に製造性を著しく悪くすることもなく、爆薬の静
的威力の向上に寄与するが、6.0wt%を超えるアル
ミニウムを添加しても、添加量の増大効果が得られない
ばかりか、経時安定性と爆速の低下が大きくなることが
分かった。
に調整することによって爆発によって発生する人体に有
害なガスを抑制し、且つ爆発性能を高度に維持してい
る。そこで、この硝酸ヒドロキシルアミンとアルミニウ
ムとの併用により構成爆薬の一層の威力向上が図れるか
否かを確認したところ、アルミニウムが2〜6wt%ま
でならば、粘度上昇をきたすことなく、而も酸素バラン
スがたとえ負であろうとも、人体に有害なガス、例え
ば、NO、NO2、COのようなガスの多量発生もな
く、更に製造性を著しく悪くすることもなく、爆薬の静
的威力の向上に寄与するが、6.0wt%を超えるアル
ミニウムを添加しても、添加量の増大効果が得られない
ばかりか、経時安定性と爆速の低下が大きくなることが
分かった。
【0033】もう一つのアルミニウムを添加するメリッ
トは、目標とするエマルション爆薬の高密度化である。
通常、産業爆薬は、爆薬密度と低温感度又は爆発速度と
の間に相関性があり、爆薬密度が高いと爆速は上るも低
温感度が悪くなり、一方、爆薬密度が下がると、爆速も
下がるが低温感度は向上することが知られている。処
が、微粒子(420μm以下)のアルミニウムであれ
ば、アルミニウムの3〜5wt%の添加によっては、確
実に0.01〜0.03の爆薬密度が増大するにも拘わ
らず、低温感度は悪くなるどころかやや向上するという
メリットがあることが分かった。
トは、目標とするエマルション爆薬の高密度化である。
通常、産業爆薬は、爆薬密度と低温感度又は爆発速度と
の間に相関性があり、爆薬密度が高いと爆速は上るも低
温感度が悪くなり、一方、爆薬密度が下がると、爆速も
下がるが低温感度は向上することが知られている。処
が、微粒子(420μm以下)のアルミニウムであれ
ば、アルミニウムの3〜5wt%の添加によっては、確
実に0.01〜0.03の爆薬密度が増大するにも拘わ
らず、低温感度は悪くなるどころかやや向上するという
メリットがあることが分かった。
【0034】更に、本発明に係る油中水滴型エマルショ
ン爆薬組成物のエマルション爆薬においてはアルミニウ
ムの添加量が6wt%程度までであれば、アルミニウム
による反応温度の上昇により、たとえ爆薬の酸素バラン
スが−4.5前後と大きく負であっても、有害なガスは
殆ど発生しないばかりかその他の性能にも悪影響を及ぼ
さないことが分かった。一方、アルミニウムを使用せず
に有機アミン硝酸塩の増量によって酸素バランスが−5
と大きく負になったものでは後ガスが極めて悪くなるば
かりか、低温感度及び爆速も急激に低下してしまうこと
が分かった。例えば、表1は同一組成のエマルション爆
薬に外割でアルミニウムを添加した例であるが、酸素バ
ランスが約−4.15であっても、有害ガス成分である
NO、NO2及びCOは酸素バランスを調整したものと
何ら変わりがない。
ン爆薬組成物のエマルション爆薬においてはアルミニウ
ムの添加量が6wt%程度までであれば、アルミニウム
による反応温度の上昇により、たとえ爆薬の酸素バラン
スが−4.5前後と大きく負であっても、有害なガスは
殆ど発生しないばかりかその他の性能にも悪影響を及ぼ
さないことが分かった。一方、アルミニウムを使用せず
に有機アミン硝酸塩の増量によって酸素バランスが−5
と大きく負になったものでは後ガスが極めて悪くなるば
かりか、低温感度及び爆速も急激に低下してしまうこと
が分かった。例えば、表1は同一組成のエマルション爆
薬に外割でアルミニウムを添加した例であるが、酸素バ
ランスが約−4.15であっても、有害ガス成分である
NO、NO2及びCOは酸素バランスを調整したものと
何ら変わりがない。
【表1】 表1は、供試爆薬を約40m3の半密室で爆発後、3分
以内にガステック検出管により測定した結果を示す。
尚、補助燃料として、アルミニウムを用いる場合につい
て説明したが、本発明は、これに限らず、マグネシウ
ム、カーボン、ギルソナイトを用いても良い。
以内にガステック検出管により測定した結果を示す。
尚、補助燃料として、アルミニウムを用いる場合につい
て説明したが、本発明は、これに限らず、マグネシウ
ム、カーボン、ギルソナイトを用いても良い。
【0035】又、本発明に係る油中水滴型エマルション
爆薬組成物の密度を0.50〜1.25g/ccとする
理由は、下記の通りである。爆薬にとっては燃料成分で
はなく不純物であるガラスマイクロバルーンのような比
重調節剤で密度を0.50g/cc未満にすると、爆轟
中断を起こす。然し、比重調節剤が樹脂バルーンのよう
なそれ自身が燃料成分となる場合は、更に低い密度でも
爆発性は維持できるが、容積比率で見た場合には、油中
水滴型エマルション爆薬組成物成分が40容積%程度ま
でならば爆発性を維持する。つまり、油中水滴型エマル
ション爆薬組成物成分が40容積%未満では反応物質が
不足し、反応持続性が無くなる。一方、密度が1.25
g/ccを超えると、低温起爆性能が著しく低下し、つ
いには雷管起爆性が失われてしまう。
爆薬組成物の密度を0.50〜1.25g/ccとする
理由は、下記の通りである。爆薬にとっては燃料成分で
はなく不純物であるガラスマイクロバルーンのような比
重調節剤で密度を0.50g/cc未満にすると、爆轟
中断を起こす。然し、比重調節剤が樹脂バルーンのよう
なそれ自身が燃料成分となる場合は、更に低い密度でも
爆発性は維持できるが、容積比率で見た場合には、油中
水滴型エマルション爆薬組成物成分が40容積%程度ま
でならば爆発性を維持する。つまり、油中水滴型エマル
ション爆薬組成物成分が40容積%未満では反応物質が
不足し、反応持続性が無くなる。一方、密度が1.25
g/ccを超えると、低温起爆性能が著しく低下し、つ
いには雷管起爆性が失われてしまう。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例について説明
する。実施例の組成、性能を表2に示す。比較例の組
成、性能を表4に示す。尚、これらは説明のために示し
たものであって、その数値に限定するものではない。 (実施例1〜15)実施例1〜4は、濃度30%の硝酸
ヒドロキシルアミン(HAN)を濃度70%のモノエタ
ノールアミン(MEA)でPH調節したもので、濃度3
0%の硝酸ヒドロキシルアミン(HAN)の含有量を5
wt%づつ増やした効果を見たものである。
する。実施例の組成、性能を表2に示す。比較例の組
成、性能を表4に示す。尚、これらは説明のために示し
たものであって、その数値に限定するものではない。 (実施例1〜15)実施例1〜4は、濃度30%の硝酸
ヒドロキシルアミン(HAN)を濃度70%のモノエタ
ノールアミン(MEA)でPH調節したもので、濃度3
0%の硝酸ヒドロキシルアミン(HAN)の含有量を5
wt%づつ増やした効果を見たものである。
【0037】又、実施例5、6、7は、濃度30%の硝
酸ヒドロキシルアミン(HAN)の量を一定としてモノ
エタノールアミンの代わりにエチレンジアミン、濃度4
0%のモノメチルアミン又は1Nの苛性ソーダを用いて
調節した。実施例8、9では、実施例2の配合組成をべ
ースに、補助酸化剤の種類を代えた効果を調べた。
酸ヒドロキシルアミン(HAN)の量を一定としてモノ
エタノールアミンの代わりにエチレンジアミン、濃度4
0%のモノメチルアミン又は1Nの苛性ソーダを用いて
調節した。実施例8、9では、実施例2の配合組成をべ
ースに、補助酸化剤の種類を代えた効果を調べた。
【0038】実施例10〜13では、実施例2の配合組
成をベースに、アルミニウムの量及び粒度の効果を調べ
た。実施例14、15では、実施例2の配合組成をべー
スに、比重調節剤の種類の効果を調べた。次に、実施例
1〜15における製造法について実施例2を例に説明す
る。
成をベースに、アルミニウムの量及び粒度の効果を調べ
た。実施例14、15では、実施例2の配合組成をべー
スに、比重調節剤の種類の効果を調べた。次に、実施例
1〜15における製造法について実施例2を例に説明す
る。
【0039】先ず、濃度30%の硝酸ヒドロキシルアミ
ンに必要量の水を加え、更に硝酸アンモニウムと酢酸ナ
トリウムを加えてよく混ぜる。これに濃度70%のモノ
エタノールアミンを加えPHを5.10土0.05に調
整する。次に、硝酸ナトリウムを加えて得られる溶液
(酸化剤相)を約85℃まで加温する。
ンに必要量の水を加え、更に硝酸アンモニウムと酢酸ナ
トリウムを加えてよく混ぜる。これに濃度70%のモノ
エタノールアミンを加えPHを5.10土0.05に調
整する。次に、硝酸ナトリウムを加えて得られる溶液
(酸化剤相)を約85℃まで加温する。
【0040】一方、燃料であるマイクロクリスタリンワ
ックスと、乳化剤を同一容器に計量し、予め約90℃に
加温し混合しておく(燃料相)。これら高温二溶液を特
殊機化工業株式会社製のバッチ式乳化機によって乳化
し、得られた組成物に比重調整剤を加えパドルミキサー
でよく混ぜる。尚、実施例10〜13のように、アルミ
ニウムを添加する場合は、この段階で比重調整剤と同時
に添加する。得られた高粘性爆薬組成物は、兵神装備株
式会社製モーノポンプ式充填機によって30φ×100
gサイズの紙筒に充填した。
ックスと、乳化剤を同一容器に計量し、予め約90℃に
加温し混合しておく(燃料相)。これら高温二溶液を特
殊機化工業株式会社製のバッチ式乳化機によって乳化
し、得られた組成物に比重調整剤を加えパドルミキサー
でよく混ぜる。尚、実施例10〜13のように、アルミ
ニウムを添加する場合は、この段階で比重調整剤と同時
に添加する。得られた高粘性爆薬組成物は、兵神装備株
式会社製モーノポンプ式充填機によって30φ×100
gサイズの紙筒に充填した。
【0041】実施例1〜4の爆薬性能結果から、硝酸ヒ
ドロキシルアミンの添加量が多くなるに従い低温感度、
砂上殉爆度、爆速及び弾動臼砲比の何れの性能値も向上
しているのが分かる。実施例2の正味硝酸ヒドロキシル
アミンの量は、3wt%であるが、それでも、何れの比
較例よりも低温感度及び砂上殉爆度において向上が認め
られる。弾動臼砲比(TNT%)についてもやや向上が
認められるものの決定的な要因ではなく、これはむしろ
アルミニウムの添加効果の影響の方が大きいと理解でき
る。
ドロキシルアミンの添加量が多くなるに従い低温感度、
砂上殉爆度、爆速及び弾動臼砲比の何れの性能値も向上
しているのが分かる。実施例2の正味硝酸ヒドロキシル
アミンの量は、3wt%であるが、それでも、何れの比
較例よりも低温感度及び砂上殉爆度において向上が認め
られる。弾動臼砲比(TNT%)についてもやや向上が
認められるものの決定的な要因ではなく、これはむしろ
アルミニウムの添加効果の影響の方が大きいと理解でき
る。
【0042】実施例5〜7から、エマルション爆薬の安
定性を向上させる目的でPHをある範囲(5.5±1.
5)に調節するための塩基としては、苛性ソーダのほ
か、モノメチルアミン、エチレンジアミン等のこれまで
含水爆薬に使用されてきた有機アミンも使用できること
が分かった。実施例8、9では、補助酸化剤として硝酸
ナトリウムの代わりに硝酸カルシウム又は過塩素酸ナト
リウムの効果を見たものであるが、硝酸カルシウムより
は過塩素酸ナトリウムの方が爆薬の性能向上に有効であ
ることが分かる。
定性を向上させる目的でPHをある範囲(5.5±1.
5)に調節するための塩基としては、苛性ソーダのほ
か、モノメチルアミン、エチレンジアミン等のこれまで
含水爆薬に使用されてきた有機アミンも使用できること
が分かった。実施例8、9では、補助酸化剤として硝酸
ナトリウムの代わりに硝酸カルシウム又は過塩素酸ナト
リウムの効果を見たものであるが、硝酸カルシウムより
は過塩素酸ナトリウムの方が爆薬の性能向上に有効であ
ることが分かる。
【0043】実施例10〜13では、アルミニウムの種
類とその添加量を調べたものであるが、これから前述の
ように弾動臼砲比(TNT%)の増大に非常に有効であ
り、その添加量は3〜5wt%程度でよく、それ以上増
やしても期待したほどの効果は出ないことが分かった。
又、アルミニウムの種類としては、性能的には粉状でも
粒状でも良好であるが、密度はやや粒状品の方が高くな
る傾向にあり、見た目にも粒状品の方がより好ましい。
類とその添加量を調べたものであるが、これから前述の
ように弾動臼砲比(TNT%)の増大に非常に有効であ
り、その添加量は3〜5wt%程度でよく、それ以上増
やしても期待したほどの効果は出ないことが分かった。
又、アルミニウムの種類としては、性能的には粉状でも
粒状でも良好であるが、密度はやや粒状品の方が高くな
る傾向にあり、見た目にも粒状品の方がより好ましい。
【0044】実施例14、15は、実施例2のガラスバ
ルーンを樹脂バルーンに変えたものである。これから、
ユニオンカーバイド社製のユーカーバルーンBJO−0
930(フェノール樹脂)は、カタログ値では強度も強
く好ましいが、平均粒径が小さいため、44μm以上の
ものを選定して試作したが、密度がやや高いため、エク
スパンセル社製のエクスパンセル551DE80(塩化
ビニリデン/アクリロニトリル)より量的に多く使用す
る必要があり、爆薬性能は劣った。一方、エクスパンセ
ル551DE80は、良好な爆発性能を示すが、針入度
の項で示される数値が大きく薬質がやや柔らかくなる傾
向を示した。
ルーンを樹脂バルーンに変えたものである。これから、
ユニオンカーバイド社製のユーカーバルーンBJO−0
930(フェノール樹脂)は、カタログ値では強度も強
く好ましいが、平均粒径が小さいため、44μm以上の
ものを選定して試作したが、密度がやや高いため、エク
スパンセル社製のエクスパンセル551DE80(塩化
ビニリデン/アクリロニトリル)より量的に多く使用す
る必要があり、爆薬性能は劣った。一方、エクスパンセ
ル551DE80は、良好な爆発性能を示すが、針入度
の項で示される数値が大きく薬質がやや柔らかくなる傾
向を示した。
【表2】 表2における成分は下記の通りである。30%HAN〜
水までの成分が酸化剤相を示す。Himic2065
(日本精蝋株式会社製)、Luvax2191(日本精
蝋株式会社製)が燃料を示す。レオドールAO−15
(花王株式会社製)、レオドールSP−O10(花王株
式会社製)、エマトールNS(日本乳化剤株式会社製)
が乳化剤を示す。
水までの成分が酸化剤相を示す。Himic2065
(日本精蝋株式会社製)、Luvax2191(日本精
蝋株式会社製)が燃料を示す。レオドールAO−15
(花王株式会社製)、レオドールSP−O10(花王株
式会社製)、エマトールNS(日本乳化剤株式会社製)
が乳化剤を示す。
【0045】ガラスバルーン(住友3M株式会社製K−
15−300)、ガラスバルーン(住友3M株式会社製
K−25−750)、樹脂バルーン(ユニオンカーバイ
ド社製BJO−0930)、樹脂バルーン(エクスパン
セル社製551DE80)が比重調整剤を示す。フレー
クアルミニウム(東洋アルミ株式会社製PF0100
S)、粒状アルミニウム(東洋アルミ株式会社製AB0
220)が補助燃料を示す。
15−300)、ガラスバルーン(住友3M株式会社製
K−25−750)、樹脂バルーン(ユニオンカーバイ
ド社製BJO−0930)、樹脂バルーン(エクスパン
セル社製551DE80)が比重調整剤を示す。フレー
クアルミニウム(東洋アルミ株式会社製PF0100
S)、粒状アルミニウム(東洋アルミ株式会社製AB0
220)が補助燃料を示す。
【0046】又、表2における性能試験方法について補
足説明する。混和薬密度は、充填温度約80℃での30
φ×50mmアルミカップ中への充填容器から算出した
密度である。最低起爆温度は、予め4時間以上所定温度
の恒温槽で保温しておいた30φ×100gサイズの試
料3本を6号電気雷管によって起爆したとき、3本の試
料が全て起爆した時の温度である。
足説明する。混和薬密度は、充填温度約80℃での30
φ×50mmアルミカップ中への充填容器から算出した
密度である。最低起爆温度は、予め4時間以上所定温度
の恒温槽で保温しておいた30φ×100gサイズの試
料3本を6号電気雷管によって起爆したとき、3本の試
料が全て起爆した時の温度である。
【0047】砂上殉爆度は、火薬学会規格ES−32
(1)による値である。カートリッジ爆速は、30φ×
200gのカートリッジ試料を火薬学会規格ES‐41
(2)に準じて実施した値である。弾動臼砲比は、火薬
学会規格ES‐44(1)による値である。針入度は、
25℃において、JlS−K−2530の装置の針の代
用として円錐状のコーンを使用した場合の値である。
(1)による値である。カートリッジ爆速は、30φ×
200gのカートリッジ試料を火薬学会規格ES‐41
(2)に準じて実施した値である。弾動臼砲比は、火薬
学会規格ES‐44(1)による値である。針入度は、
25℃において、JlS−K−2530の装置の針の代
用として円錐状のコーンを使用した場合の値である。
【0048】(実施例16〜24)比重調節剤の配合量
を0.10〜30wt%とした根拠を実証する。実施例
8の硝酸カルシウムを硝酸ナトリウムに、そしてガラス
バルーンを水に変えた配合組成で加圧乳化法によって乳
化組成物(ベースエマルション)を作り、これに住友3
M株式会社製のガラスバルーンK−25−750等を外
割で任意の量混ぜて低密度エマルション爆薬を作り、性
能試験を実施した。その結果を表3に示す。
を0.10〜30wt%とした根拠を実証する。実施例
8の硝酸カルシウムを硝酸ナトリウムに、そしてガラス
バルーンを水に変えた配合組成で加圧乳化法によって乳
化組成物(ベースエマルション)を作り、これに住友3
M株式会社製のガラスバルーンK−25−750等を外
割で任意の量混ぜて低密度エマルション爆薬を作り、性
能試験を実施した。その結果を表3に示す。
【0049】表3において、樹脂バルーンMFL80
は、松本油脂株式会社製の塩化ビニリデン/アクリロニ
トリルからなる微小中空球体であり、限界薬径は伝爆可
能な最小薬径である。表3から、比重調節剤を多くする
と、それだけ密度が下がり、感度が上昇すると共に爆速
が低下してついには不爆となるが、30wt%までであ
ればそのような爆轟中断の問題がないことが確認され
た。
は、松本油脂株式会社製の塩化ビニリデン/アクリロニ
トリルからなる微小中空球体であり、限界薬径は伝爆可
能な最小薬径である。表3から、比重調節剤を多くする
と、それだけ密度が下がり、感度が上昇すると共に爆速
が低下してついには不爆となるが、30wt%までであ
ればそのような爆轟中断の問題がないことが確認され
た。
【表3】 (比較例1〜15)比較例1〜7までは、有機アミン硝
酸塩である硝酸ヒドロキシルアミンを含まない従来型の
エマルション爆薬であり、一方、比較例8〜15は、硝
酸ヒドロキシルアミンを少量含むエマルション爆薬であ
る。比較例1では、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム
及び水からなる酸化剤相を80〜90℃に加温し、これ
に別の容器に入れたほぽ同温度の日本精蝋株式会社製の
マイクロクリスタリンワックス(Himic2065)
と花王株式会社製の乳化剤(レオドールAO−15)及
び日本乳化剤株式会社製の乳化剤(エマト−ルNS)と
の混合物を混ぜ合わせ、特殊機化工業株式会社製のバッ
チ式乳化機によって乳化し、得られた組成物に住友3M
株式会社製のガラスバルーン(K−15−300)をパ
ドルミキサーにて混合した。
酸塩である硝酸ヒドロキシルアミンを含まない従来型の
エマルション爆薬であり、一方、比較例8〜15は、硝
酸ヒドロキシルアミンを少量含むエマルション爆薬であ
る。比較例1では、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム
及び水からなる酸化剤相を80〜90℃に加温し、これ
に別の容器に入れたほぽ同温度の日本精蝋株式会社製の
マイクロクリスタリンワックス(Himic2065)
と花王株式会社製の乳化剤(レオドールAO−15)及
び日本乳化剤株式会社製の乳化剤(エマト−ルNS)と
の混合物を混ぜ合わせ、特殊機化工業株式会社製のバッ
チ式乳化機によって乳化し、得られた組成物に住友3M
株式会社製のガラスバルーン(K−15−300)をパ
ドルミキサーにて混合した。
【0050】できあがった高粘性爆薬組成物は、兵神装
備株式会社製モーノポンプ式充填機によって30φ×1
00gサイズの紙筒に充填した。これは密度が1.16
g/ccであっても、−20℃で完爆した。比較例2で
は、比較例1に東洋アルミニウム株式会社製の粒状アル
ミニウム(AB0220)をガラスバルーンと同時に混
和した。爆速と低温感度がやや低下したが、弾動臼砲比
が大きく増大した。
備株式会社製モーノポンプ式充填機によって30φ×1
00gサイズの紙筒に充填した。これは密度が1.16
g/ccであっても、−20℃で完爆した。比較例2で
は、比較例1に東洋アルミニウム株式会社製の粒状アル
ミニウム(AB0220)をガラスバルーンと同時に混
和した。爆速と低温感度がやや低下したが、弾動臼砲比
が大きく増大した。
【0051】比較例3〜7は、補助酸化剤として硝酸ナ
トリウムの代わりに硝酸カルシウム又は過塩素酸ナトリ
ウムを用い、これらの効果及びガラスバルーン等の比重
調節剤の効果を見たものである。特記すべき効果は、過
塩素酸ナトリウムを用いると、爆速,弾動臼砲比及び低
温感度に効果が大きく、高性能なエマルション爆薬が得
られる傾向にある。更に、エクスパンセルのような樹脂
バルーンも添加量が少なくてすむことから弾動臼砲比に
は高性能を与える。
トリウムの代わりに硝酸カルシウム又は過塩素酸ナトリ
ウムを用い、これらの効果及びガラスバルーン等の比重
調節剤の効果を見たものである。特記すべき効果は、過
塩素酸ナトリウムを用いると、爆速,弾動臼砲比及び低
温感度に効果が大きく、高性能なエマルション爆薬が得
られる傾向にある。更に、エクスパンセルのような樹脂
バルーンも添加量が少なくてすむことから弾動臼砲比に
は高性能を与える。
【0052】比較例8〜12は、濃度30%の硝酸ヒド
ロキシルアミンを3wt%用い、PH値を経時安定性の
良好な範囲(5.05±0.05)に設定するために三
井東圧株式会社製のモノエタノールアミンと酢酸ナトリ
ウムで調節したものであって、比較例1〜6に対応した
ものである。比較例13、14、15は、比較例8〜1
2と同様にPH値をコントロールするために、モノエタ
ノールアミンの代わりにエチレンジアミン、モノメチル
アミン又は1Nの苛性ソーダを用いたものである。
ロキシルアミンを3wt%用い、PH値を経時安定性の
良好な範囲(5.05±0.05)に設定するために三
井東圧株式会社製のモノエタノールアミンと酢酸ナトリ
ウムで調節したものであって、比較例1〜6に対応した
ものである。比較例13、14、15は、比較例8〜1
2と同様にPH値をコントロールするために、モノエタ
ノールアミンの代わりにエチレンジアミン、モノメチル
アミン又は1Nの苛性ソーダを用いたものである。
【表4】 表4において、成分は表2とほぼ同様であるが、補助燃
料が異なっており、上段のアルミニウムが東洋アルミニ
ウム株式会社製の粒状アルミニウム(AC0780)、
下段のアルミニウムが東洋アルミニウム株式会社製の粒
状アルミニウム(AB0220)である。尚、性能試験
方法は、実施例と同様である。
料が異なっており、上段のアルミニウムが東洋アルミニ
ウム株式会社製の粒状アルミニウム(AC0780)、
下段のアルミニウムが東洋アルミニウム株式会社製の粒
状アルミニウム(AB0220)である。尚、性能試験
方法は、実施例と同様である。
【0053】
【発明の効果】上述したように、請求項1乃至請求項6
に係る発明によれば、有機アミン硝酸塩の一種である濃
度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミンを含水爆薬に用
いることによって相対的に高密度な含水爆薬であって
も、特に低温感度の向上を図ることができた。特に、請
求項3に係る発明によれば、濃度30%以上の硝酸ヒド
ロキシルアミンと補助燃料(アルミニウム)との相互作
用によって、低温感度、爆発速度及び弾動臼砲比の優れ
たこれまでにない含水爆薬を得ることができた。
に係る発明によれば、有機アミン硝酸塩の一種である濃
度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミンを含水爆薬に用
いることによって相対的に高密度な含水爆薬であって
も、特に低温感度の向上を図ることができた。特に、請
求項3に係る発明によれば、濃度30%以上の硝酸ヒド
ロキシルアミンと補助燃料(アルミニウム)との相互作
用によって、低温感度、爆発速度及び弾動臼砲比の優れ
たこれまでにない含水爆薬を得ることができた。
Claims (6)
- 【請求項1】 濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミ
ン水溶液と、その他の硝酸塩又は過塩素酸塩を含むPH
4〜7の酸化性水溶液成分と、燃料成分と、乳化剤成分
と、比重調節剤成分とから成ると共に、密度が0.50
〜1.25g/ccであることを特徴とする油中水滴型
エマルション爆薬組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の油中水滴型エマルション
爆薬組成物において、 酸化性水溶液成分は、 濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水溶液5〜2
5wt%と、 硝酸アンモニウム50〜75wt%と、 その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る補助酸化剤3〜
25wt%と、 酢酸又は酢酸ナトリウム或いはクエン酸又はクエン酸ナ
トリウムから成るPH安定剤としての緩衝剤0.10〜
1.00wt%と、 水又は水分5〜20wt%とから成り、 燃料成分は、 炭素質燃料成分1.5〜5.0wt%から成り、 乳化剤成分は、ソルビタン脂肪酸エステル型乳化剤2.
0〜5.0wt%から成り、 比重調節剤成分は、 化学発泡剤、ガラス質微小中空球体、樹脂質微小中空球
体、セラミック質微小中空球体から選ばれる少なくとも
1種以上の比重調節剤0.10〜30.0wt%から成る
ことを特徴とする油中水滴型エマルション爆薬組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の油中水滴型エマルション
爆薬組成物において、 酸化性水溶液成分は、 濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水溶液5〜2
5wt%と、 硝酸アンモニウム50〜75wt%と、 その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る補助酸化剤3〜
20wt%と、 酢酸又は酢酸ナトリウム或いはクエン酸又はクエン酸ナ
トリウムから成るPH安定剤としての緩衝剤0.10〜
1.00wt%と、 水又は水分5〜20wt%とから成り、 燃料成分は、 炭素質燃料成分1.5〜5.0wt%と、 アルミニウム、マグネシウム、マグナリウム、カーボン
から選ばれる反応すると高温を発生する補助燃料2.0
〜6.0wt%とから成り、 乳化剤成分は、 ソルビタン脂肪酸エステル型乳化剤2.0〜5.0wt%
から成り、 比重調節剤成分は、 化学発泡剤、ガラス質微小中空球体、樹脂質微小中空球
体、セラミック質微小中空球体から選ばれる少なくとも
1種以上の比重調節剤0.10〜30.0wt%から成る
ことを特徴とする油中水滴型エマルション爆薬組成物。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか1項記載
の油中水滴型エマルション爆薬組成物において、 濃度30%以上の硝酸ヒドロキシルアミン水溶液成分
は、塩基性アミン類又は苛性ソーダと、酢酸又は酢酸ナ
トリウム或いはクエン酸又はクエン酸ナトリウムから成
る緩衝剤でPH4〜7に調節されていることを特徴とす
る油中水滴型エマルション爆薬組成物。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れか1項記載
の油中水滴型エマルション爆薬組成物において、 その他の硝酸塩又は過塩素酸塩から成る補助酸化剤は、
アルカリ金属又はアルカリ土金属硝酸塩及び/又は過塩
素酸塩の水溶性酸化性塩であることを特徴とする油中水
滴型エマルション爆薬組成物。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れか1項記載
の油中水滴型エマルション爆薬組成物において、 セラミック質微小中空球体は、個々の粒子径が100μ
m以上であり、 ガラス質微小中空球体及び樹脂質微小中空球体は、個々
の粒子径が44〜250μmであることを特徴とする油
中水滴型エマルション爆薬組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16143497A JPH1112075A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 油中水滴型エマルション爆薬組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16143497A JPH1112075A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 油中水滴型エマルション爆薬組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112075A true JPH1112075A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15735047
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16143497A Pending JPH1112075A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 油中水滴型エマルション爆薬組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112075A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100449163B1 (ko) * | 2002-05-06 | 2004-09-16 | 주식회사 한화 | 위력이 강화된 에멀젼 폭약 |
KR100514585B1 (ko) * | 2002-05-06 | 2005-09-13 | 주식회사 한화 | 탄광용 에멀젼 폭약 |
CN110835282A (zh) * | 2019-12-03 | 2020-02-25 | 石门成功高分子材料制造有限公司 | 一种乳化炸药水相改性剂及其制作方法 |
-
1997
- 1997-06-18 JP JP16143497A patent/JPH1112075A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100449163B1 (ko) * | 2002-05-06 | 2004-09-16 | 주식회사 한화 | 위력이 강화된 에멀젼 폭약 |
KR100514585B1 (ko) * | 2002-05-06 | 2005-09-13 | 주식회사 한화 | 탄광용 에멀젼 폭약 |
CN110835282A (zh) * | 2019-12-03 | 2020-02-25 | 石门成功高分子材料制造有限公司 | 一种乳化炸药水相改性剂及其制作方法 |
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